JP2000181016A - 写真フィルム用支持体の製造方法 - Google Patents

写真フィルム用支持体の製造方法

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JP2000181016A
JP2000181016A JP35987498A JP35987498A JP2000181016A JP 2000181016 A JP2000181016 A JP 2000181016A JP 35987498 A JP35987498 A JP 35987498A JP 35987498 A JP35987498 A JP 35987498A JP 2000181016 A JP2000181016 A JP 2000181016A
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film
stretching
stage
roll
heater
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JP35987498A
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Masaaki Otoshi
正明 大歳
Tadahiro Kikazawa
忠宏 気賀沢
Yasuyuki Hosono
康幸 細野
Fumitaka Terai
文隆 寺井
Kazuo Ozaki
和夫 尾崎
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真フィルム用支持体として最低限必要
な特性、すなわち、耐劈開性を満足し、厚みムラが小さ
い写真フィルム用支持体のポリエステルフィルムを製造
する方法を提供する。 【解決手段】 上記課題は、未延伸フィルムを、複数組
の加熱ロールと冷却ロールからなる延伸装置により複数
段階に縦延伸する工程と横延伸工程からなる二軸延伸ポ
リエステルフィルムの製造方法において、前記加熱ロー
ルと冷却ロールが間隔5mm〜40mmとなるように配
置され、1段目の縦延伸後に前記フィルムをガラス転移
温度未満に冷却下したのち再加熱し2段目の延伸を行う
ことを特徴とする写真フィルム用支持体の製造方法によ
って解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦延伸工程の条件
を規制することにより厚みムラの小さな写真フィルム用
支持体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルム用支持体は、厚みムラが小
さいことと同時に劈開しにくいことが要求されている。
【0003】ポリエステルフィルムを複数段に延伸する
方法としては特開昭60−178025号公報、特公平
7−71821号公報、特開平6−210719号公報
に開示されている技術が知られている。
【0004】特開昭60−178025号公報では、ポ
リエステルフィルムの縦延伸方法において、その延伸区
間を30〜800mmとし、かつその際の延伸張力を
0.2〜10kg/mm2とすることで幅方向のヤング
率、 厚みムラなどのばらつきが抑制できる、としてい
るが、これだけでは厚みムラの小さいポリエチレンナフ
タレートフィルムは得られなかった。
【0005】特開平7−71821号公報では、縦延伸
を多段階で行うことにより厚み均一性に優れたポリエス
テルフィルムを得られるとしているが、総合縦延伸倍率
が4.0倍以上では、写真フィルム用支持体として求め
られる耐劈開性のレベルを満足できず、次工程以降の加
工で破損等生じて耐えられないものとなった。
【0006】特開平6−210719号公報では、縦延
伸直前のフィルム結晶化度を0.525%とすることで
ポリエステルフィルムの厚みムラを抑制できるとしてお
り、上記結晶化の方法のひとつとして、予備延伸、すな
わち、縦延伸2段化における1段目延伸を1.2〜2.
5倍の延伸倍率で行うとしているが、総合縦延伸倍率が
4.0倍未満では厚みムラのよい延伸フィルムは得られ
なかった。
【0007】以上、いずれの方法においても写真フィル
ム用支持体として最低限必要な特性、すなわち、耐劈開
性を満足した上で厚みムラを小さくすることはできなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、写真フィル
ム用支持体として最低限必要な特性、すなわち、耐劈開
性を満足し、厚みムラが小さい写真フィルム用支持体ポ
リエステルフィルムを製造する方法を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、未延伸フィ
ルムを、複数組の加熱ロールと冷却ロールからなる延伸
装置により複数段階に縦延伸する工程と横延伸工程から
なる二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法におい
て、前記加熱ロールと冷却ロールが間隔5mm〜40m
mとなるように配置され、1段目の縦延伸後に前記フィ
ルムをガラス転移温度未満に冷却下したのち再加熱し2
段目の延伸を行うことを特徴とする写真フィルム用支持
体の製造方法により解決される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において使用されるポリエ
ステルは、ジオールとジカルボン酸とから重縮合により
得られるポリマーであり、ジカルボン酸としてはテレフ
タル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボ
ン酸、アジピン酸、セバシン酸などで代表されるもので
あり、また、ジオールとしてはエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラメチレングリコール、シ
クロヘキサンジメタノールなどで代表されるものであ
る。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレート、
ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−P
−オキシベンゾエート、ポリ−1,4−シクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレンジカルボキシレートなどがあげられる。もち
ろん、これらのポリエステルは、ホモポリマーであって
も、成分が異なるモノマーとの共重合体あるいはブレン
ド物であっても良い。共重合成分としては、例えば、ジ
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリア
ルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、
セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸などのカルボン酸成分などがあげられ
る。
【0011】ポリエステルフィルムはポリエステルとそ
の他のポリマーとのブレンド樹脂よりなるものであって
もよいが、その場合でもポリエステルの含有率が50重
量%以上、好ましくは80重量%以上であることが好ま
しい。
【0012】また、使用するポリマー中には、重合段階
で、リン酸、亜リン酸、及びそれらのエステルならびに
無機粒子(シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化
チタン、硫酸バリウム、アルミナなど)が含まれていて
も良いし、重合後ポリマーに無機粒子等がブレンドされ
ていても良い。また、他の添加剤、例えば、安定剤、着
色剤、難燃化剤等を含有する事もできる。
【0013】次に、ポリエステルフィルムの製造方法に
ついて説明する。
【0014】ポリエステルフィルムの製造工程は、キャ
スティング、縦延伸機(予熱部、縦延伸部、冷却の各工
程を含む)、横延伸部(予熱、延伸、熱固定、熱緩和、
冷却の各工程を含む)よりなる。
【0015】まず、上記ポリマーを十分乾燥後、例え
ば、ポリマーの融点+10℃〜+50℃の温度範囲にて
コントロールした押し出し機、フィルター及び口金を通
じてシート状に溶融成形し、回転する冷却ドラム上にキ
ャストして急冷固化したフィルム(未延伸フィルム)を
得る。この急冷固化したフィルムは実質的に非晶状態で
ある。この未延伸フィルムは共押し出しにより積層され
たフィルムであっても良い。
【0016】この未延伸フィルムの厚みは100〜30
00μm程度、通常400〜2000μm程度である。
【0017】次に、未延伸フィルムを5〜200m/分
程度、通常10〜150m/分程度の速度で走行させな
がら、予熱部にてフィルム温度をガラス転移温度−50
℃〜ガラス転移温度+10℃の範囲内まで加熱する。加
熱方法は加熱ロールや熱風、赤外線ヒーターを用いるこ
とができる。赤外線ヒーターはいわゆる遠赤外線、中赤
外線、近赤外線を用いることができる。加熱はそれぞれ
の方法を単独に用いても良いし、組み合わせても良い。
予熱部での未延伸フィルムの温度範囲としては、フィル
ムのガラス転移温度−20℃〜ガラス転移温度+10℃
が更に好ましく、フィルムのガラス転移温度±10℃が
特に好ましい。
【0018】予熱された未延伸フィルムは引き続き縦延
伸部に送られ、フィルムの流れ方向に延伸される。未延
伸フィルムは縦延伸部で延伸されるが、本発明では2段
以上の多段延伸が施される。延伸段数は好ましくは2〜
10段であり、特に好ましくは2〜4段である。
【0019】本発明の縦延伸装置は1本の加熱ロールと
1本の冷却ロールの組み合わせで構成されており、必要
な段数の縦延伸装置が直列に設置される。
【0020】加熱ロールはポリエステルフィルムを好ま
しくはガラス転移温度〜ガラス転移温度+70℃程度、
より好ましくはガラス転移温度+5℃〜ガラス転移温度
+50℃程度まで加熱するものであり、要求される特性
により各段のフィルム温度を前記温度範囲で調整する。
径は通常100〜300mm程度である。
【0021】冷却ロールはポリエステルフィルムをガラ
ス転移温度未満、好ましくはガラス転移温度〜ガラス転
移温度−50℃程度、より好ましくはガラス転移温度−
5℃〜ガラス転移温度−40℃程度まで冷却するもので
あり、通常、最終段はこれに続く冷却工程にフィルムを
送るため、他段よりも温度は低めにすることが多い。径
は通常100〜300mm程度である。冷却手段には例
えば通水が用いられる。
【0022】これら1組の縦延伸ロールはその間隔が5
mm〜40mm程度、好ましくは5mm〜30mm程度
となるように配設される。この間隔は加熱ロール表面と
冷却ロール表面の間の最短距離のことである。
【0023】本発明においては、縦延伸装置の冷却ロー
ル直前にヒーターを設けることが好ましい。このヒータ
ーはフィルムを延伸に必要な温度まで高めるものであ
り、従って、加熱は縦延伸装置の加熱ロールと冷却ロー
ルの間にあるフィルムに対して行われることが必要であ
る。このヒーターは、狭い範囲に集中して加熱を行うた
め、赤外線を利用したヒーターなどが適当である。ロー
ル間隙を前述の如く狭くする必要があるため、ヒーター
がある程度の大きさになると、図2のようにヒーターが
加熱ロール側にかかった状態になることもある。ヒータ
ーとフィルムの間隙はヒーターと加熱ロールの間隙にほ
ぼ等しく、3mm〜40mmの範囲が望ましく、さらに
好ましくは、10mm〜30mmの範囲である。
【0024】冷却ロールの周速は加熱ロールの周速より
高めてあり、この周速差によってフィルムは延伸され
る。縦延伸倍率は要求されるフィルム特性によって調整
されるが、本発明では好ましくは2〜5倍、より好まし
くは2.5〜3.9倍であり、複数段の延伸を通じてこ
の倍率に到達させる。1段目の縦延伸倍率は1.05〜
1.5倍がよく、さらに好ましくは、1.1倍〜1.4
倍である。延伸を2段で行う場合には2段目の延伸終了
後の総合延伸倍率(1段目の延伸倍率と2段目の延伸倍
率の積)が所定の値になるように行われる。
【0025】本発明では1段目の延伸終了後、フィルム
は一旦ガラス転移温度以下に冷却され、2段目縦延伸前
に再加熱される。フィルムは常温まで冷却されても特性
に影響はないが、再加熱の熱量が多大となりコスト的に
不利となるため、ガラス転移温度−50℃程度が限界と
なる。再加熱されたフィルムの温度はガラス転移温度〜
ガラス転移温度+70℃の範囲が良い。縦延伸を終了し
たフィルムは横延伸部に送られる。
【0026】横延伸部でフィルムは延伸前に加熱され
る。横延伸でのフィルムの温度はガラス転移温度〜ガラ
ス転移温度+50℃の範囲が良く、更に好ましくは、ガ
ラス転移温度+5℃〜ガラス転移温度+50℃の範囲で
ある。加熱方法としては、熱風や赤外線を用いたヒータ
ーが使用できる。横延伸倍率は縦延伸同様、フィルムに
要求される特性によって選ばれるが、本発明の場合、
3.0倍〜4.2倍が良い。横延伸ゾーンを通過したフィ
ルムは、熱固定処理される。熱固定温度としては、フィ
ルムの融点−30℃〜融点−5℃が良い。さらに好まし
くは融点−30℃〜融点−15℃の範囲である。熱固定
に要する時間はフィルムに要求される性能によって異な
るが、3秒〜30秒の範囲が良い。熱固定されたフィル
ムは幅方向に0〜10%程度熱緩和され、冷却された
後、横延伸工程から搬出される。本発明のポリエステル
フィルム厚さは横延伸終了後、30μm〜300μmの
範囲であり、好ましくは50μm〜150μmである。
【0027】
【実施例】本実施例で使用した二軸延伸フィルム製造装
置の構成を示す側面図を図3に、その縦延伸機部分の構
成を示す側面図を図1に、その主要部分の側面図を図2
に、それぞれ示す。
【0028】図3に示すように、この装置は、溶融樹脂
を押し出すTダイ1、押し出された樹脂フィルム6を受
けて冷却固化させるキャスティングロール2、この冷却
固化した未延伸フィルム61を走行方向に延伸する縦延
伸機3、縦延伸されたフィルム62を次に幅方向に延伸
する横延伸機4、こうして二軸延伸されたフィルム63
を巻き取る巻取機5よりなる。
【0029】縦延伸機3は、図1に示すように、キャス
ティングロール2から送り出された未延伸フィルム61
を予備加熱する予熱部(図示されていない。)、1段目
の縦延伸ロールである第1加熱ロール31と第1冷却ロ
ール32、1段目の縦延伸ロールと2段目の縦延伸ロー
ルを結ぶ2個のパスロール33、2段目の縦延伸ロール
である第2加熱ロール34と第2冷却ロール35、各縦
延伸部に設けられた遠赤外線ヒーター36からなってい
る。フィルム冷却温度は図1のAで示す位置で測定し
た。
【0030】1段目の縦延伸ロールの拡大図を図2に示
す。同図L1で示される距離がヒーター36とフィルム
6の間隙であり、L2で示される距離が加熱ロール31
と冷却ロール32の間の間隔である。
【0031】[実施例1]上記製造装置を用いて、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレート樹脂を溶融して吐出幅
500mmのTダイより押し出し、5m/minで回転
している直径1m、表面温度50℃のキャスティングロ
ール2上で未延伸フィルムを製膜した。それを表1に示
す条件にて縦方向に延伸し(総合縦延伸倍率3.1
倍)、厚み約300μmの縦延伸ベースをサンプリング
した。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例2]実施例1において、1段目お
よび2段目のヒーターとロール間隙を5mmとする以外
は実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
【0034】[実施例3]実施例1において、1段目お
よび2段目のヒーターとロール間隙を40mmとする以
外は実施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
【0035】[実施例4]実施例1において、1段目お
よび2段目の延伸ロール間隙を3mmとする以外は実施
例1と同様にしてフィルムを製膜した。
【0036】[実施例5]実施例1において、1段目お
よび2段目の延伸ロール間隙を40mmとする以外は実
施例1と同様にしてフィルムを製膜した。
【0037】[実施例6]実施例1において、1段目延
伸倍率を1.05倍とする以外は実施例1と同様にして
フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.7
倍であった。
【0038】[実施例7]実施例1において、1段目延
伸倍率を1.5倍とする以外は実施例1と同様にしてフ
ィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は3.9倍
であった。
【0039】[実施例8]実施例1において、1段延伸
後ベース冷却温度を120℃とする以外は実施例1と同
様にして縦延伸ベースを製膜した。
【0040】[実施例9]実施例1において、2段目延
伸倍率を2.1倍とする以外は実施例1と同様にしてフ
ィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.5倍
であった。
【0041】[実施例10]実施例1において、2段目
延伸倍率を3.25倍とする以外は実施例1と同様にし
てフィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は3.
9倍であった。
【0042】[比較例1]実施例1において、1段目の
ヒーターとロール間隙を50mmとする以外は実施例1
と同様にしてフィルムを製膜した。
【0043】[比較例2]実施例1において、2段目の
ヒーターとロール間隙を50mmとする以外は実施例1
と同様にしてフィルムを製膜した。
【0044】[比較例3]実施例1において、1段目の
ヒーターとロール間隙を4mmとしたところ、ロール表
面にフィルムが部分的に溶着し、ライン停止してしま
い、サンプリングできなかった。
【0045】[比較例4]実施例1において、1段目の
延伸ロール間隙を50mmとする以外は実施例1と同様
にしてフィルムを製膜した。
【0046】[比較例5]実施例1において、2段目の
延伸ロール間隙を50mmとする以外は実施例1と同様
にしてフィルムを製膜した。
【0047】[比較例6]実施例1において、1段目の
延伸ロール間隙を2mmとしたところ、フィルム表面の
一部が、回転速度の異なる両ロール間に挟まれ、スリキ
ズ故障を生じた。
【0048】[比較例7]実施例1において、1段目延
伸倍率を1.03倍とする以外は実施例1と同様にして
フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.7
倍であった。
【0049】[比較例8]実施例1において、1段目延
伸倍率を1.6倍とする以外は実施例1と同様にしてフ
ィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は4.2倍
であった。
【0050】[比較例9]実施例1において、1段延伸
後ベース冷却温度を130℃とする以外は実施例1と同
様にしてフィルムを製膜した。
【0051】[比較例10]実施例1において、2段目
延伸倍率を2.0倍とする以外は実施例1と同様にして
フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は2.4
倍であった。
【0052】[比較例11]実施例1において、2段目
延伸倍率を3.4倍とする以外は実施例1と同様にして
フィルムを製膜した。この時の総合縦延伸倍率は4.1
倍であった。
【0053】[比較例12]実施例1において、横延伸
倍率を2.9倍とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを製膜した。
【0054】[比較例13]実施例1において、横延伸
倍率を4.5倍とする以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを製膜した。
【0055】以上、実施例1〜10および比較例1〜1
3の工程条件および性能評価結果を表2に示す。
【0056】ここで、ガラス転移温度は、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートフィルムをサンプリングして、
示差走査熱量計(島津製作所製:DSC−50)により
測定した結果、120℃であった。
【0057】縦延伸フィルムの厚みムラについては、縦
方法30m区間における最大値と最小値の差をフィルム
平均厚みで除し、100分率で表した。ただし、比較例
3および6はサンプリングできなかったのでデータな
し。
【0058】二軸延伸フィルムの厚みムラについては、
それぞれの縦延伸条件において製作した縦延伸フィルム
をテンター通しし、横延伸した後サンプリングしたもの
を、縦延伸ベースと同様の方法で厚みムラ評価したもの
である。
【0059】横延伸倍率については、延伸後の縦横の配
向のバランスから、それぞれの縦延伸倍率に応じて選択
した。
【0060】また、耐劈開性については、2軸延伸フィ
ルムを東洋精機製エルメンドルフ引裂試験機にて切断
し、縦方向および横方向の劈開の生じやすさを評価し
た。評価基準は◎:劈開発生全くなし、○:劈開の発生
確立20%以下、△:劈開の発生確立20%超の3水準
とした。
【0061】
【表2】
【0062】表2の結果から次のことがわかる。[遠赤
外ヒーター加熱部とロール間隙(実施例1,2,3及び比
較例1,2,3参照)]遠赤外ヒーター加熱部とフィルム間
隙は5〜40mmの区間が望ましい。上記間隙が40m
mを超えるとベースの中央部に比べて両端部の加熱効率
が悪くなり、伸びムラが大きくなる。即ち、厚みムラが
悪くなる。一方、上記間隙が5mmより小さい場合は、
ロール表面にフィルムが部分的に溶着するなどのトラブ
ル発生の原因になる。
【0063】[延伸ロール間隙(実施例1,4,5及び
比較例4,5,6参照)]延伸ロール間隙は3〜40m
mの区間が望ましい。延伸ロール間隙が40mmを超え
ると、延伸ロールに接触していないフィルム距離が長く
なり、延伸時のネックイン量増大により耳部の波打ちが
発生し伸びムラが大きくなる。即ち、厚みムラが悪くな
る。一方、延伸ロール間隙が3mmより小さい場合は、
フィルム表面の一部が回転速度の異なる両ロールに挟ま
れてスリキズ故障発生の原因になるなど、製造安定性が
低い。
【0064】[1段目縦延伸倍率(実施例1,6,7及
び比較例7,8参照)]1段目の延伸倍率は1.05〜
1.5倍の範囲が望ましい。上記延伸倍率が1.05倍
未満の場合、縦延伸工程を2段階に分ける効果が小さく
なり、結果厚みムラが大きくなる。一方、上記延伸倍率
が1.5倍を超えた場合、1段延伸の段階で既に伸びム
ラが大きくなる。結果、2段延伸終了後の厚みムラが大
きくなる。
【0065】[1段延伸後のフィルム冷却温度(実施例
1,8及び比較例9参照)]1段延伸後のベース温度は
ガラス転移温度以下に冷却することが望ましい。上記ベ
ース温度がガラス転移温度よりも高い領域でしか冷却さ
れなかった場合、1段延伸工程の下流側ロールから2段
延伸工程の上流側ロールまでのベース搬送区間でも伸び
ムラが生じるため、結果厚みムラが大きくなる。
【0066】[延伸倍率(実施例1,9,10及び比較
例10,11参照)]縦方向の総合延伸倍率は2.5〜
3.9倍の範囲が望ましい。延伸倍率2.5未満では厚
みムラが大きく、3.9倍を超えると劈開しやすくな
る。
【0067】[横延伸倍率(実施例7,9,10及び比
較例11,12,13参照)]横延伸倍率が3.0倍よ
りも低くなると2軸延伸フィルムの厚みムラが悪化し、
横延伸倍率が4.5倍になると劈開性が悪化する。横延
伸倍率は3.0倍〜4.2倍が良い。
【0068】
【発明の効果】本発明に従って縦延伸工程を特定の条件
下で行うことにより、従来ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートフィルムにおいては両立し得なかった耐劈開性
と厚みムラ減少を同時に満足し、写真フィルム用支持体
として有用なフィルムを製造することを可能にしてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で使用した二軸延伸フィルム
製造装置の縦延伸機部部分の構成を示す側面図である。
【図2】 図1の部分拡大図である。
【図3】 上記二軸延伸フィルム製造装置の全体の構成
を示す略図である。
【符号の説明】
1…Tダイ 2…キャスティングロール 3…縦延伸機 31…第1加熱ロール 32…第1冷却ロール 33…パスロール 34…第2加熱ロール 35…第2冷却ロール 36…遠赤外線ヒーター 4…横延伸機 5…巻取機 6…フィルム 61…未延伸フィルム 62…縦延伸フィルム 63…二軸延伸フィルム A…フィルム冷却温度測定位置 L1…ヒーターとフィルムの間隙 L2…加熱ロールと冷却ロールの間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細野 康幸 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 寺井 文隆 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 尾崎 和夫 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 FA13 4F210 AA24 AA26 AE01 AG01 AH79 AK04 AR06 AR07 QA02 QA03 QC06 QD25 QD36 QD41 QG01 QG18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未延伸フィルムを、複数組の加熱ロール
    と冷却ロールからなる延伸装置により複数段階に縦延伸
    する工程と横延伸工程からなる二軸延伸ポリエステルフ
    ィルムの製造方法において、前記加熱ロールと冷却ロー
    ルが間隔5mm〜40mmとなるように配置され、1段
    目の縦延伸後に前記フィルムをガラス転移温度未満に冷
    却下したのち再加熱し2段目の延伸を行うことを特徴と
    する写真フィルム用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフィルムを加熱するヒータ
    ーが冷却ロール直前に設けられ、該加熱ヒーターとフィ
    ルムの間隙を3mm〜40mmとされていることを特徴
    とする請求項1に記載の写真フィルム用支持体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 1段目の縦延伸倍率が1.05〜1.5
    倍で2段目の縦延伸終了後の総合延伸倍率が2.5〜
    3.9倍であり、横延伸倍率が3.0〜4.2倍である
    ことを特徴とする請求項1に記載の写真フィルム用支持
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱ヒーターが赤外線ヒーターであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の写真フィルム用支
    持体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルムがポリエチレン−2,6−
    ナフタレートであることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4に記載の写真フィルム用支持体の製造方法。
JP35987498A 1998-12-18 1998-12-18 写真フィルム用支持体の製造方法 Pending JP2000181016A (ja)

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