JP2000180368A - 化学分析装置 - Google Patents

化学分析装置

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JP2000180368A
JP2000180368A JP10357164A JP35716498A JP2000180368A JP 2000180368 A JP2000180368 A JP 2000180368A JP 10357164 A JP10357164 A JP 10357164A JP 35716498 A JP35716498 A JP 35716498A JP 2000180368 A JP2000180368 A JP 2000180368A
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light
measured
solution
sample
reaction vessel
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JP10357164A
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Shigeo Watabe
成夫 渡部
Akira Miyake
亮 三宅
Takao Terayama
孝男 寺山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学分析装置において、反応容器内の被測定
溶液表面付近に気泡が生じても、正確な試料測定を可能
とする。また、化学分析装置を小型化する。 【解決手段】 複数の反応容器301を円周上に保持し
て回転する反応用ターンテーブル302と、サンプルカ
ップ305を円周上に保持して回転するサンプル用ター
ンテーブル306と、試薬ボトル309を円周上に保持
して回転する試薬用ターンテーブル310と、を有し、
サンプルカップ305内のサンプル及び試薬ボトル30
9内の試薬をサンプル自動ピペッティング機構304及
び試薬自動ピペッティング機構308で反応容器301
に供給して被測定溶液とし、これを攪拌したのち、光源
601から光を前記被測定溶液に照射し、被測定溶液を
透過した光を比色測定装置314で受光して被測定溶液
の物性を計測する化学分析装置において、反応容器30
1と比色測定装置314の間に遮光板101を配置し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、液体中に含まれて
いる成分を分析する化学分析装置に関わり、特に、ヒト
の血液や尿などに含まれる化学成分を自動的に分析する
いわゆる自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学分析装置として、米国特許第
4451433号明細書に記載の化学分析装置がある。
この装置は、血液中の蛋白やイオン、尿中の成分などを
分析・定量するための比色測定部と、血液中のイオンを
分析するイオン分析部からなる装置で、1時間に数百テ
ストから、大型の装置になると9000テスト以上の処
理速度を持つ。特に比色測定部では処理速度を上げるた
めに、化学分析装置の本体上面には多数の反応溶器がタ
ーンテーブルの円周上に設けられ、オーバーラップ処理
により順次サンプルを混合・反応・計測するシステムで
ある。
【0003】この装置の主要な構成は、サンプル、試薬
を反応容器に供給するための自動サンプル・試薬供給機
構、反応容器内のサンプル・試薬(すなわち被測定溶
液)を攪拌するための自動攪拌機構、反応中あるいは反
応が終了した被測定溶液の物性を計測するための比色測
定部、計測の終了した被測定溶液を吸引・排出し、反応
容器を洗浄するための自動洗浄機構、これらの動作を制
御する制御部などである。比色測定部では、光源から出
る白色光を反応容器に保持した被測定溶液を透過させた
後分光装置に導き、特定の波長について測定した光強度
値を基準濃度の溶液について予め測定した光強度値と比
較し吸光度を算出することにより、被測定溶液中の化学
成分を分析している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化学・医用分析の分野
では、サンプル(検体)や試薬など液の微量化が大きな
技術的課題となっている。すなわち、分析項目が増大す
るに伴い、単項目に割くことのできる検体量が少量にな
っていることや、検体自体が貴重で多量に準備できない
DNA解析など、従来高度な分析とされていた微量の検
体や試薬などでの分析が日常的に行われるようになって
きている。また、分析内容が高度化するにつれて、高価
な試薬が一般的に利用されるようになり、ランニングコ
ストの面からも試薬の微量化が要望されている。
【0005】上記従来技術においては、容器内部に保持
した被測定溶液中の化学成分を分析するために、白色光
を被測定溶液に透過させた後分光装置に導き、特定の波
長について測定した光強度値を基準濃度の溶液について
予め測定した光強度値と比較し吸光度を算出することに
より、被測定溶液中の化学成分を分析していた。この
際、自動サンプル・試薬供給機構による液体の吐出や自
動攪拌機構による溶液の攪拌によって反応容器に保持さ
れたサンプルと試薬の混合液である被測定溶液表面付近
に生じる気泡が、この溶液中を透過する光を散乱した
り、光の一部を遮ることがあり、このような場合、分光
装置に導かれる光量が変化して正確な試料の測定ができ
なかった。この気泡による測定誤差をなくすために、例
えば、特開昭60−224031号公報には、同一試料(検体)
を複数の容器及び同数の測定系で測定し、各測定値が設
定範囲内で一致すれば測定値を表示し、一致しないなら
再測定を意味する表示をするようにして、高吸光度が光
活性によるものかまたは気泡によるものかを区別する方
法が示されている。しかし、この方法では、気泡が複数
のセルに混入するときには測定が有効に行われず、測定
作業の効率が低くなることがあった。
【0006】本発明の目的は、化学分析装置において、
反応容器に保持された被測定溶液表面付近に生じる気泡
の有無に関係なく、正確な試料測定が可能な手段を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、化学分析
装置の小型化を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記前者の目的は、サン
プル・試薬を反応容器に供給して被測定溶液を形成する
自動サンプル・試薬供給機構と、反応容器内の被測定溶
液を攪拌するための攪拌手段と、前記被測定溶液に光を
照射する光源と、被測定溶液を透過してきた前記光を受
光してその光強度を計測する比色測定手段と、計測の終
了した被測定溶液を吸引・排出して反応容器を洗浄する
ための洗浄手段とを含んでなる化学分析装置において、
光源から被測定溶液に照射される光の一部もしくは該被
測定溶液を透過した光の一部を遮光する遮光手段を設け
ることによって、または、光源からの光の一部を遮光す
る遮光手段と反応容器内部の被測定溶液表面付近に生じ
る気泡を検出する気泡検出手段と前記気泡検出手段から
の信号によって遮光する手段の位置を制御する遮光手段
駆動手段とを設けることによって達成される。
【0008】上記後者の目的は、上部に開口部を備えた
複数の反応容器が円周上に配置されたターンテーブル
と、サンプルが入った複数のサンプル容器が円周上に配
置されたサンプル用ターンテーブルと、試薬が入った複
数の試薬容器が円周上に配置された試薬用ターンテーブ
ルと、前記サンプル容器内のサンプルを前記反応容器の
上部開口部から供給するサンプル供給手段と、前記試薬
容器内の試薬を前記反応容器の上部開口部から供給する
試薬供給手段と、前記サンプルと試薬の混合液である反
応容器内の被測定溶液を攪拌するための攪拌手段と、反
応中あるいは反応が終了した被測定溶液の物性を、光源
から該被測定溶液に照射され該被測定溶液を透過した光
を用いて計測する比色測定手段と、計測の終了した被測
定溶液を吸引・排出して反応容器を洗浄するための洗浄
手段と、を備えてなる化学分析装置において、光源から
前記被測定溶液に照射される光の一部もしくは前記被測
定溶液を透過した光の一部を遮光する遮光手段を設ける
ことによって、または、光源から前記被測定溶液に照射
される光の一部もしくは前記被測定溶液を透過した光の
一部を遮光する遮光手段と、反応容器内部の被測定溶液
表面付近に生じる気泡の位置を検出する気泡検出手段と
前記気泡検出手段からの信号によって前記遮光する手段
が遮光する領域の位置を制御する遮光手段駆動手段を設
けることによって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の1実施例を図1から図6
を用いて説明する。図1は、本実施例の化学分析装置の
構成を説明する斜視図である。図示の科学分析装置は、
上部に開口を備えた複数の反応容器301を円周上に並
べて固定する反応用ターンテーブル302と、該反応用
ターンテーブル302を回転駆動するテーブル駆動部3
03と、サンプルを保持した複数のサンプルカップ30
5を円周上に並べて固定するサンプル用ターンテーブル
306と、サンプル用ターンテーブル306を回転駆動
するテーブル駆動部307と、試薬を保持した複数の試
薬ボトル309を円周上に並べて固定する試薬用ターン
テーブル310と、試薬用ターンテーブル310を回転
駆動するテーブル駆動部311と、サンプルカップ30
5内のサンプルを反応容器301にその上部開口から供
給するサンプル供給手段であるサンプル自動ピペッティ
ング機構304と、試薬ボトル309内の試薬を反応容
器301にその上部開口から供給する試薬供給手段であ
る試薬自動ピペッティング機構308と、反応容器30
1内のサンプルおよび試薬の混合液である被測定溶液を
攪拌して一様な混合状態にする撹拌手段である攪拌装置
312と、攪拌装置312を駆動制御するドライバ31
3と、前記反応用ターンテーブル302の下方に配置さ
れ前記反応容器301を内包する恒温水402に浸す浴
槽401と、反応用ターンテーブル302の周方向外側
の前記攪拌装置312の下流側位置に設けられ、反応容
器301内で反応した被測定溶液の物性を光で計測する
ための比色測定手段である比色測定装置314と、この
比色測定装置314と反応容器301を挟んで反対側に
配置されて測定用の光を反応容器301内の被測定溶液
に照射する光源601と、反応容器301と前記比色測
定装置314の間に配置された光の一部を遮光する遮光
手段である遮光板101と、反応用ターンテーブル30
2の周方向下流側位置に設けられた洗浄手段である洗浄
機構315と、該洗浄機構315と同じ位置に設けられ
た攪拌装置316と、該攪拌装置316を駆動制御する
ドライバ317と、これらの機器をコントロール用信号
線を介して制御する制御手段である制御部318と、を
含んで構成されている。
【0010】制御部318は、テーブル駆動部303、
307、311、サンプル自動ピペッティング機構30
4、試薬自動ピペッティング機構308、ドライバ31
3、317、比色測定装置314、光源601、洗浄機
構315が順次所定の順序でかつ所定のタイミングで所
要の動作を行うように、制御するように構成されてい
る。
【0011】サンプル自動ピペッティング機構304と
試薬自動ピペッティング機構308とで、自動サンプル
・試薬供給機構が構成される。比色測定装置314は、
受光した光を分光する分光装置と、分光された特定の波
長について光強度値を測定し、得られた光強度値を基準
濃度の溶液について予め測定した光強度値と比較し吸光
度を算出する演算部とを含んで構成されている。
【0012】反応用ターンテーブル302は、図示しな
いモータや回転軸等から構成されるテーブル駆動部30
3によって駆動され、周方向に一周と1反応容器分を周
期とした予め決められたシーケンスに従って回転する。
一方、サンプル用ターンテーブル306は、テーブル駆
動部307によって回転駆動され、サンプル自動ピペッ
ティング機構304は、予め決められたシーケンスに従
ってサンプル用ターンテーブル306の回転と共に定位
置に送られてくるサンプルカップ305内のサンプルを
所定の反応容器301に供給する。
【0013】また、試薬用ターンテーブル310はテー
ブル駆動部311によって回転駆動され、試薬自動ピペ
ッティング機構308は、やはり予め決められたシーケ
ンスに従って試薬用ターンテーブル310の回転と共に
定位置に送られてくる試薬ボトル309内の試薬を反応
容器301に供給する。試薬自動ピペッティング機構3
08が反応容器301内に試薬を吐出する位置には、攪
拌装置312とこれを駆動制御するドライバ313が設
けられ、その位置に移動してきた反応容器301内のサ
ンプルおよび試薬の混合液である被測定溶液を攪拌して
一様な混合状態にする。さらに、被測定溶液の化学反応
を促進するために全ての反応容器301は浴槽401内
の恒温水402に浸されており、反応容器301は恒温
水402内を移動する。
【0014】反応用ターンテーブル302の周方向の別
の位置には、反応容器301内で反応した被測定溶液の
物性を光で計測するための比色測定装置314が設けら
れている。別の位置には、反応容器301内の被測定溶
液を吸引し、洗浄液を吐出し、その位置に移動してきた
反応容器301を洗浄するための洗浄機構315が設け
られている。洗浄機構315と同じ位置には、対流によ
って容器内の洗浄液を攪拌して洗浄効果を高めるための
攪拌装置316とこれを駆動制御するドライバ317が
設けられている。
【0015】反応用ターンテーブル302、テーブル駆
動部303と307と311、サンプル自動ピペッティ
ング機構304、試薬自動ピペッティング機構308、
2つの攪拌装置用ドライバ313と317、洗浄機構3
15、比色測定装置314は、コントロール用信号線を
介して制御部18と接続され、予め決められたシーケン
ス(プログラム)に従って、サンプルを自動的に分析・
測定する。
【0016】化学分析装置においては、微量のサンプル
や試薬を予め決められた分量だけ正確に分注する技術が
装置性能を決定する要因の一つである。このために、サ
ンプル自動ピペッティング機構304や試薬自動ピペッ
ティング機構308は、微量化する分注量に対応する技
術要素となっていてこれらを欠かすことはできない。し
かしながら、サンプル自動ピペッティング機構304や
試薬自動ピペッティング機構308は、それぞれが分注
するサンプルや試薬を吐出するとき、反応容器301内
の被測定溶液表面付近に気泡を生じさせることがあっ
た。これに加えて、攪拌装置312が被測定溶液を攪拌
するときにも、被測定溶液表面付近に気泡を生じさせる
ことがあった。これら被測定溶液表面付近に生じた気泡
は、被測定溶液に照射されてそれを透過する測定光を散
乱したりその一部を遮ったりして、出力されるサンプル
の濃度値を大きくし測定誤差が生じる問題があった。前
出図1について述べた本発明による化学分析装置では、
この問題を解決するよう装置を構成しており、以下、図
2から図6を用いてこれを説明する。
【0017】図2は、図1における化学分析装置のうち
の反応容器301、光源601、遮光板101、比色測
定装置314の概略配置を説明のために選択的に描画し
たものである。図2の(a)において、光源601が発
した白色光は図示しないレンズによって平行光となり、
被測定溶液を内包する反応容器301をほぼ平行光の状
態で透過する。このとき、反応容器301内の被測定溶
液表面や反応容器壁面に、とくに被測定溶液表面と反応
容器301壁面が接する部分、または、反応容器301
の底面と側面の接する部分には両者の表面張力の違いか
ら気泡201が局在することが多くある。本実施例で
は、これらの気泡によって光が散乱したりその一部が遮
られたまま比色測定装置314に入射するのを防ぐため
に、気泡が局在することが多い被測定溶液表面と反応容
器301壁面が接する部分、または、反応容器301の
底面と側面の接する部分を透過した光を遮る遮光板10
1を設置してある(ただし、図2の(a)では、説明の
ために遮光板101は反応容器301から外した状態で
表示している。)。そして、比色測定装置314の測定
値について、遮光板101の開口面積に応じた補正を行
うことで、気泡201による測定誤差を無くしてある。
なお、図2では、遮光板101は反応容器301と比色
測定装置314の間に配置してあるが、反応容器301
と光源601の間に配置してもよい。その場合、遮光板
101を反応容器301に近い位置に設置すれば、不要
な光の入射を避けられる。
【0018】遮光板101は、反応容器301の側壁面
に描画して形成することも可能であり、そうすれば装置
を構成するコストを低減することができ、可動部がない
ので装置の信頼性が高くなる。なお、遮光板101の設
置場所は、反応容器301の光源601側壁面でも、比
色測定装置314側壁面でも効果は同じである。また、
遮光板101の開口部(光が通過する部分)の形は、図
2の(b)に示した菱形だけでなく、統計的に気泡が存
在する確率が高い部分を透過する光が比色測定装置31
4に入射することがないようにする目的で形状を決定し
ても同様の効果を得ることができる。
【0019】図3は、反応容器301内の被測定溶液中
に存在する気泡の位置を予め測定し、測定された気泡位
置に基づいて遮光板を位置決めする方法を説明する図で
ある。この方法を実施する装置は、光源601及び比色
測定装置314の前方(反応用ターンテーブル302の
回転方向上流側)に配置された線状発光光源501とこ
の光を線状のまま反応容器301−aに照射する図示し
ないレンズと反応容器301−aを挟んでこれに対向す
る位置に配置されたラインセンサ503と、ラインセン
サ503に接続された気泡検出回路504と、気泡検出
回路504で制御される遮光手段駆動手段をなす遮光板
駆動ドライバ505と、遮光板駆動ドライバ505で駆
動される遮光板506と、気泡検出回路504の出力を
入力として比色測定装置314の出力を補正する補正装
置507を備えている。
【0020】図3の場合、遮光板506は、光源601
と反応容器301−bの間になる位置に配置されてい
る。線状発光光源501と図示しないレンズとラインセ
ンサ503と気泡検出回路504とで、気泡検出手段が
構成される。遮光板駆動ドライバと気泡検出手段は、前
記制御部318で、反応容器の移動と同期して動作する
ように制御される。
【0021】反応容器301−aは回転移動および停止
を繰り返すが、線状発光光源501と反応容器301−
aを挟んでこれに対向するラインセンサ503の直前を
一定速度で移動する。このとき、前出レンズを経て、反
応容器301−aに照射される光は、被測定溶液の液面
と底面を含む上下方向の線状の光である。反応容器30
1−aを透過した光について反応容器301−aの上下
方向の透過光の強度分布がラインセンサ503により測
定される。この測定結果について、気泡検出回路504
を用いて図4に示す処理が行われる。すなわち、ライン
センサ503の出力信号をA/D変換器でデジタル信号
にした後(結果を図5の(a)に示す)、微分回路で反
応容器301−aの深さ方向について微分し(結果を図
5の(b)に示す)、さらに微分回路で反応容器301
−aの深さ方向について微分する(結果を図5の(c)
に示す)。
【0022】図5の(a)〜(c)を用いれば、図5の
(a)に示すラインセンサ503の出力信号のままでは
気泡が存在しない場合(実線で示した分布)と気泡が存
在する場合(波線で示した分布)の判断が難しいが、図
5の(c)の結果からはラインセンサ503の出力信号
に変曲点が2カ所あるときは気泡が存在しない場合(実
線で示した分布で図5の(b)、図5の(c)も同
様)、また、変曲点が2カ所より多いときは気泡が存在
する場合(波線で示した分布で図5の(b)、図5の
(c)も同様)と判定が容易になる。ここで、図5の
(a)に示す実線や波線のような強度分布が生じるの
は、被測定溶液表面または気泡の表面で被測定溶液との
屈折率の比がおよそ1.3程度と被測定溶液の屈折率が
高いために、反応容器301−aを透過した光がライン
センサ503に届かず乱反射してしまうからである。図
4において、ラインセンサ503の出力信号に変曲点が
2カ所で気泡が存在しない場合は以後の処理を終了す
る。
【0023】変曲点が2カ所より多いときは、図5の
(b)に示すラインセンサ503の出力信号の一次微分
処理結果について経験的に閾値処理することによって
(実際には、ラインセンサ503の出力信号が反応容器
301−aの深さ方向上向きに一定の輝度の傾きが発生
する場所を特定することによって)、気泡が存在する場
所(逆に言うと「気泡が存在しない場所」)を特定する
ことができる。気泡が存在する場所(したがって、気泡
が存在しない場所)が特定できたあと、この情報(反応
容器301−aの深さ方向の位置情報)は一旦、気泡検
出回路504のメモリに記憶される。そして、反応容器
301−aが回転移動して図3中の反応容器301−b
の位置の比色測定装置314の直前を一定速度で移動す
るとき、先の気泡の位置情報を記憶したメモリの内容が
読み出され、この情報は遮光板駆動ドライバ505へと
送られる。そして、遮光板駆動ドライバ505は、この
情報をもとに遮光板506を光源601が発した白色光
で反応容器301−bを透過する光のうち、反応容器3
01−b内の被測定溶液表面付近に存在する気泡に当た
る光を遮るよう(反応容器301−bの深さ方向につい
て)位置決めする。
【0024】一方、気泡の位置情報を記憶したメモリの
内容は、比色測定装置314の出力値を補正する補正装
置507へも送られ、比色測定装置314の出力も補正
装置507へ入力される。そして、補正装置507で
は、比色測定装置314の出力値について、遮光板50
6が光源601が発した白色光で反応容器301−bを
透過する光を遮った分だけ検出値について補正を行った
結果を、反応容器301−bに保持された被測定溶液の
測定値として出力する。
【0025】本実施例によれば、被測定溶液表面付近に
生じる気泡の位置と大きさが統計的に捕捉しきれない場
合であっても正確な試料測定が可能となり、一つの化学
分析装置で多くの検査項目を行う場合であって多種の検
査試薬を利用する場合に有効である。
【0026】なお、遮光板506と遮光板駆動ドライバ
505ともに、反応容器301−bと比色測定装置31
4の間に設置し、光源601が発した白色光で反応容器
301−bを透過した光のうち、測定溶液表面付近の気
泡によって散乱したりその一部が遮られた光が比色測定
装置314に入射しないように制御しても同様の効果を
得ることができる。
【0027】ところで、化学分析装置全体を小型化する
ためには、反応用ターンテーブル302に一度に搭載す
る反応容器301の個数を減少させるとテーブルの大き
さ(直径)を小さくでき小型化を図ることができるが、
測定のスループットが低下してしまうので好ましくな
い。また、これまでは、反応容器301に保持された液
体表面付近に生じる気泡が比色測定装置314に導かれ
る光を散乱したりその一部を遮ることがないよう、反応
容器301に保持された液体の容量を多くして比色測定
装置314に導かれる光と反応容器301に保持された
液体表面を遠ざけていた。これらの結果、個々の反応容
器301の容積を大きくせざるを得ず、結果的に反応用
ターンテーブル302の大きさ(直径)が大きくなって
いた。そして、大きくなった反応容器301の容積に対
応するため、サンプルや試薬の量も多く、サンプルカッ
プ305及び試薬ボトル309も大きなサイズのものを
使用していた。このため、サンプル用ターンテーブル3
04及び試薬用ターンテーブル310の大きさ(直径)
が大きくなり、化学分析装置全体の小型化を阻害してき
た。
【0028】本実施例によれば、反応容器301に保持
された被測定溶液表面付近に生じる気泡によらず正確な
試料測定が可能なので、比色測定装置314に導かれる
光と反応容器301に保持された被測定溶液表面と一致
させることで反応容器301の容積を小さくすることが
でき、これに伴って、少なくとも反応用ターンテーブル
302の大きさ(直径)を小さくすることができる。従
って、化学分析装置のスループットを維持しつつ、装置
全体の小型化を図ることができる。そして、これに伴っ
て、反応に必要なサンプルや試薬の量も少なくすること
ができるため、サンプル用ターンテーブル304及び試
薬用ターンテーブル310の大きさ(直径)を小さくす
ることができるので、化学分析装置全体のさらなる小型
化を図ることができる。
【0029】なお、反応容器301がラインセンサ50
3の直前を一定速度で移動するときに、反応容器301
−aを透過した光の強度分布をラインセンサ503で連
続的に2回以上測定し、測定結果の中で気泡の位置が
(反応容器301−aの深さ方向に)一番低いものにつ
いて遮光板506を位置決めすることで、反応容器30
1の壁面に付着した気泡を原因とする測定誤差を補正す
ることができる。
【0030】また、このとき、ラインセンサ503で連
続的に測定したデータを反応容器301の移動方向につ
いて微分しその結果の絶対値を統計的に処理すれば、攪
拌装置312による攪拌が十分かどうかを判断すること
ができ、化学分析装置の測定精度をより向上させる効果
がある。
【0031】図6は、遮光板についての一実施例であ
り、本実施例と図3に示す遮光板駆動ドライバ505と
遮光板506、または図2に示す遮光板101との違い
は、遮光板の位置決め方法である。本実施例における遮
光板102は、光源601が発した白色光で反応容器3
01−bを透過する光を遮る量を変化させるために回転
運動し、その回転角度と光を遮る量は比例するようにし
てある。そして、遮光板102の直後に迷光防止板10
3が設置され、遮光板102の周辺からの漏洩光を遮断
する。本実施例は比色測定装置314が高速な光応答速
度をもつものに限られるが、遮光板102の位置決めの
時間を短くすることができ、化学分析装置の測定のスル
ープットを向上させることができる。また、遮光板位置
決め動作が遮光板102の回転運動であるため、装置の
寿命が長くすることができる特徴もある。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の化学分析
装置によれば、反応容器に保持された被測定溶液表面付
近に生じる気泡の有無に関係なく正確な試料測定を行う
ことが可能で、かつ、化学分析装置そのものの小型化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である化学分析装置の全体構
成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す本発明の実施例の部分の詳細を示す
斜視図である。
【図3】図2に示す部分の他の構成例を示す斜視図であ
る。
【図4】図3に示す実施例における気泡検出回路の処理
の流れを示す手順図である。
【図5】図4に示す処理手順の原理を説明する説明図で
ある。
【図6】図1に示す実施例における遮光板の他の例を示
す斜視図である。
【符号の説明】
101、102 遮光板 103 迷光防止板 201 気泡 301、301−a、301−b 反応容器 302 反応用ターンテーブル 303 テーブル駆動部 304 サンプル自動ピペッティング機構 305 サンプルカップ 306 サンプル用ターンテーブル 307 テーブル駆動部 308 試薬自動ピペッティング機構 309 試薬ボトル 310 試薬用ターンテーブル 311 テーブル駆動部 312 攪拌装置 313 ドライバ 314 比色測定装置 315 洗浄機構 316 攪拌装置 317 ドライバ 318 制御部 401 浴槽 402 恒温水 501 線状発光光源 502 レンズ 503 ラインセンサ 504 気泡検出回路 505 遮光板駆動ドライバ 506 遮光板 507 補正装置 601 光源
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 35/00 G01N 35/00 Z (72)発明者 寺山 孝男 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 Fターム(参考) 2G020 AA04 BA02 BA14 CA02 CB04 CB24 CB43 CC01 CD03 CD13 CD22 CD34 CD38 2G045 AA13 AA16 BB14 CA25 CB03 FA11 FB11 FB13 GC12 HA05 JA07 JA08 JA09 2G054 AA07 AB07 CE01 EA06 FA50 FB02 GB01 2G057 AA01 AB06 AC01 AD02 BA09 DA04 DC07 GA10 HA04 HB03 2G058 BB15 CB04 CD04 CE08 EA02 EA04 ED03 FA02 FB03 GA02 GE01 HA00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル・試薬を反応容器に供給して被
    測定溶液を形成する自動サンプル・試薬供給機構と、反
    応容器内の前記被測定溶液を攪拌する攪拌手段と、前記
    被測定溶液に光を照射する光源と、被測定溶液を透過し
    てきた前記光を受光してその光強度を計測する比色測定
    手段と、計測の終了した被測定溶液を吸引・排出して反
    応容器を洗浄するための洗浄手段とを含んでなる化学分
    析装置において、光源から前記被測定溶液に照射される
    光の一部もしくは前記被測定溶液を透過した光の一部を
    遮光する遮光手段を設けたことを特徴とする化学分析装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の反応容器が円周上に配置されたタ
    ーンテーブルと、サンプルが入った複数のサンプル容器
    が円周上に配置されたサンプル用ターンテーブルと、試
    薬が入った複数の試薬容器が円周上に配置された試薬用
    ターンテーブルと、前記サンプル容器内のサンプルを前
    記反応容器の上部開口部から供給するサンプル供給手段
    と、前記試薬容器内の試薬を前記反応容器の上部開口部
    から供給する試薬供給手段と、前記反応容器内の被測定
    溶液を攪拌するための攪拌手段と、反応中あるいは反応
    が終了した被測定溶液の物性を、光源から該被測定溶液
    に照射され該被測定溶液を透過した光を用いて計測する
    比色測定手段と、計測の終了した被測定溶液を吸引・排
    出して反応容器を洗浄するための洗浄手段とを備えてな
    る化学分析装置において、前記光源から被測定溶液に照
    射される光の一部もしくは被測定溶液を透過した光の一
    部を遮光する遮光手段を設けたことを特徴とする化学分
    析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化学分析装置
    において、光の一部を遮光する遮光手段は、被測定溶液
    中の気泡が存在する部分に照射される光もしくは被測定
    溶液中の気泡が存在する部分を透過した光を遮光するよ
    うに配置されていることを特徴とする化学分析装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の化学
    分析装置において、光の一部を遮光する遮光手段は、そ
    の形状および位置が変化しないことを特徴とする化学分
    析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の化学
    分析装置において、反応容器内部の被測定溶液表面付近
    に生じる気泡の位置を検出する気泡検出手段と、該気泡
    検出手段の出力を入力として前記光の一部を遮光する遮
    光手段の位置を制御する遮光手段駆動手段と、反応容器
    の移動と気泡検出手段及び遮光手段駆動手段の動作を制
    御する制御手段と、を有してなることを特徴とする化学
    分析装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の化学
    分析装置において、光の一部を遮光する遮光手段を、反
    応容器表面に設置したことを特徴とする化学分析装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の化学分析装置におい
    て、前記気泡検出手段は、検出対象とする反応容器につ
    いて一回検出することを特徴とする化学分析装置。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の化学分析装置におい
    て、気泡検出手段は、検出対象とする反応容器について
    二回以上検出することを特徴とする化学分析装置。
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