JP2000177290A - 塗布具 - Google Patents

塗布具

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JP2000177290A
JP2000177290A JP10355557A JP35555798A JP2000177290A JP 2000177290 A JP2000177290 A JP 2000177290A JP 10355557 A JP10355557 A JP 10355557A JP 35555798 A JP35555798 A JP 35555798A JP 2000177290 A JP2000177290 A JP 2000177290A
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JP
Japan
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bag
applicator
coating
liquid
coating liquid
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Pending
Application number
JP10355557A
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English (en)
Inventor
Hisanari Fujita
尚成 藤田
Nobuaki Kobayashi
宣暁 小林
Hironobu Tada
浩伸 多田
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Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インキ漏れ、インキの吹出し、ボタ落ち、過
剰流出、かすれ等が生じがたく、滑らかに筆記できる直
液式塗布具を提供する。 【解決手段】 塗布液を内蔵する液貯蔵体3、塗布液を
塗布するための塗布部8、液貯蔵体と塗布部の間に設け
られた流出弁10、並びに、液貯蔵体3、塗布部8、及
び流出弁10を保持する塗布具本体1を具備し、前方に
弾撥されている塗布部8を塗布面に押し付けて液貯蔵体
側に押し込むことにより流出弁10が開き、液貯蔵体内
の塗布液の流出が許されるよう構成された塗布具100
であって、液貯蔵体は可撓性の袋状体3からなり、当該
袋状体3は、塗布液を内蔵しないとき容積が最小とな
り、塗布液を内蔵しているときはその内蔵量の増加に従
って容積が増加し、かつ最小の容積に復帰すべく付勢さ
れていることを特徴とする塗布具100。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗布具に関し、特
に、前方に弾撥されている塗布部を塗布面に押し付けて
液貯蔵体側に押し込むことにより流出弁が開き、液貯蔵
体内の塗布液の流出が許されるよう構成されたいわゆる
直液式塗布具に関する。
【0002】
【従来の技術】インキ、墨、絵の具等の塗布液を塗布す
るためのサインペン、マーカー等のいわゆる直液式塗布
具として、空気置換式およびスライド栓式のものが従来
から用いられている。空気置換式の塗布具とは、液貯蔵
体(インキタンク等)の容積を一定とし、インキ等の塗
布液が使用により消費されて減少するごとにその減少に
応じて液貯蔵体内に空気を導入する構造のものである。
一方スライド栓式の塗布具とは、液貯蔵体内に空気を導
入せず、塗布液の消費による減少に応じてスライド栓を
前進させて液貯蔵体の容積を縮小するものである。
【0003】また、可撓性の袋状体を用いて液貯蔵体を
構成する直液式塗布具が既に提案されている。例えば、
実公昭49−34172号公報に記載された塗布具は、
容器本体と袋状体との間、即ち袋状体の外側に塗布液を
貯蔵し、袋状体内部を塗布具外部の大気と連通させた構
成であり、塗布液が消費されて減少するにつれて外部か
ら空気が袋状体内部に導入されるものである。また、実
開昭52−102237号公報、実開平4−40987
号公報、特開平10−211460号公報の各々に記載
された塗布具は、袋状体内部に塗布液を貯蔵し、容器本
体と袋状体との間の空間を塗布具外部の大気と連通させ
た構成であり、塗布液が消費されて減少するにつれて外
部から空気が上記空間に導入されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の塗
布具には、次のような問題点があった。まず、空気置換
式の塗布具においては、一定容積の液貯蔵体内の空気が
温度変化により膨張、収縮するため、インキ漏れ、イン
キの吹出し、ボタ落ち、過剰流出等が起こりやすい。次
に、スライド栓式の塗布具においては、液貯蔵体内に空
気を導入しないので上記の問題は生じないが、塗布部
(ペン先)を塗布面(紙等)に押し付けることにより加
圧を行うため筆圧の強弱によりインキ流出量が大きくば
らつく。また、スライド栓が摩擦により円滑に前進しな
いとインキタンク内が負圧傾向となって保管中のインキ
から気泡が発生しやすく、そのために筆跡がかすれた
り、筆記時に液貯蔵体の内圧が上昇して過剰流出が起こ
ることがある。さらに、可撓性の袋状体を用いた上記各
公報記載の塗布具においては、上記空気置換式やスライ
ド栓式の塗布具における問題は生じないが、袋状体が可
撓性で不定形であるため、塗布具の組立て時の把持や取
付けに不便であり、また、袋状体内のインキを押し出す
力として大気圧とインキの自重が作用するのみであるの
で、筆記に不便なことと相まって、十分に実用化される
に至らなかった。
【0005】本発明は、これら従来技術の問題点に鑑
み、インキ漏れ、インキの吹出し、ボタ落ち、過剰流
出、かすれ等が生じがたく、滑らかに筆記でき、しかも
組み立てが容易な直液式塗布具を提供することを、解決
すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1記載の塗布具は、塗布液を内蔵する液貯蔵
体、塗布液を塗布するための塗布部、液貯蔵体と塗布部
の間に設けられた流出弁を有し、前方に弾撥されている
塗布部を塗布面に押し付けて液貯蔵体側に押し込むこと
により流出弁が開き、液貯蔵体内の塗布液の流出が許さ
れるよう構成された塗布具であって、液貯蔵体は可撓性
の袋状体からなり、当該袋状体は、塗布液を内蔵しない
とき容積が最小となり、塗布液を内蔵しているときはそ
の内蔵量の増加に従って容積が増加し、かつ最小の容積
に復帰すべく付勢されていることを特徴とする塗布具で
ある。
【0007】このような塗布具の袋状体(液貯蔵体)
は、塗布液を内蔵していない空のときはつぶれた形状を
とり、その容積は極めて小さいが、塗布液を内蔵してい
るときはその内圧により膨らんで容積を増し、塗布液の
内蔵量が増すにつれて更に容積を増す。このような袋状
体には、常に空のときの形状に戻ろうとする復元力が働
いているので、内蔵された塗布液は、流出弁が開けばそ
の復元力により塗布部側へ押し出されて滑らかに流出す
る。内蔵された塗布液が減少すると、その減少量だけ容
積が縮小して袋状体は空のときの形状に近づく。上記の
復元力が強すぎると塗布液は過剰に流出し、弱すぎると
流出量が不足するが、復元力を使用目的に適した適正範
囲内に調節することにより、インキ漏れ、インキの吹出
し、ボタ落ち、過剰流出、かすれ等が生じがたく、滑ら
かに筆記することができる。
【0008】上記課題を解決するための請求項2記載の
塗布具は、塗布液を内蔵する液貯蔵体、塗布液を塗布す
るための塗布部、並びに、液貯蔵体及び塗布部を保持す
る塗布具本体を具備する塗布具であって、液貯蔵体は可
撓性の袋状体からなり、当該袋状体は、折り返し部を有
し、かつ、塗布液を内蔵しないとき容積が最小となり、
塗布液を内蔵しているときはその内蔵量の増加に従って
容積が増加することを特徴とする塗布具である。
【0009】このような塗布具の袋状体(液貯蔵体)
は、塗布液を内蔵していない空のときはつぶれた形状を
とり、その容積は極めて小さいが、塗布液を内蔵してい
るときはその内圧により膨らんで容積を増し、塗布液の
内蔵量が増すにつれて更に容積を増す。このような袋状
体に内蔵された塗布液は、自重又は圧力差により塗布部
側へ押し出されて滑らかに流出する。内蔵された塗布液
が減少すると、その減少量だけ容積が縮小して袋状体は
空のときの形状に近づく。このような塗布具の袋状体
は、折り返し部により或る程度の定形性を有しているの
で、塗布具の組立て時の把持や取付けが容易に行える。
【0010】上記課題を解決するための請求項3記載の
塗布具は、上記袋状体は、自己の有する弾性により最小
の容積に復帰すべく付勢されていることを特徴とする請
求項1又は2記載の塗布具である。
【0011】例えばフィルムを2つ折りにして底と端を
融着等により接着して作られた袋状体(液貯蔵体)に
は、自己の有する弾性により常に空のときの形状に戻ろ
うとする復元力が働いている。上記の復元力が強すぎる
と塗布液は過剰に流出し、弱すぎると流出量が不足する
ので、復元力には使用目的に適した適正範囲が存在する
が、袋状体を構成するシートの材質及び厚さを選択する
ことにより、復元力をその適正範囲内に調節することが
できる。具体的な材質及び厚さは、実験により決定すれ
ばよい。この塗布具は、特別な付勢手段を要しないので
構造が簡単であり、製作が容易で安価である。
【0012】上記課題を解決するための請求項4記載の
塗布具は、上記袋状体は、シート状体に折り返し部を設
けた後、所要部を接着することにより製造されたもので
あることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗
布具である。
【0013】この塗布具は、製作容易、安価でありなが
ら復元力の調節がしやすい。なお、本明細書において、
「接着」には、接着剤によるもののみならず、融着によ
るものも含まれ、また、他の接着方法であっても、塗布
液をシールできる方法である限り含まれる。
【0014】上記課題を解決するための請求項5記載の
塗布具は、上記袋状体は、1枚のシート状体を2つ折り
した後、周辺部を接着することにより製造されたもので
あることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗
布具である。
【0015】この塗布具は、構造簡単、製作容易、安価
でありながら復元力の調節がしやすい。
【0016】上記課題を解決するための請求項6記載の
塗布具は、上記袋状体は、2枚のシート状体の周辺部を
接着することにより製造されたものであることを特徴と
する請求項1〜3の何れかに記載の塗布具である。
【0017】この塗布具も、構造簡単、製作容易、安価
でありながら復元力の調節がしやすい。
【0018】上記課題を解決するための請求項7記載の
塗布具は、上記2枚のシート状体は、その変形の容易さ
が異なることを特徴とする請求項6記載の塗布具であ
る。
【0019】この塗布具において、塗布液の内蔵量が変
化すると一方のシート状体が主に変形し、他方のシート
状体はあまり変形しない。そのため、塗布液が減少する
と、主に変形するシート状体が他方のシート状体に次第
に密着し、塗布液が絞り出されるように流出するので、
最後まで使用できないで残存する塗布液の量が少なくな
る。なお、2枚のシート状体の変形の容易さを異なるも
のとするための手段として、2枚のシート状体の厚さを
異なったものとする、2枚のシート状体の弾性係数を異
なったものとする、等がある。
【0020】上記課題を解決するための請求項8記載の
塗布具は、上記2枚のシート状体のうち変形が容易でな
い方のシート状体は、外方へ突出するように湾曲してい
ることを特徴とする請求項7記載の塗布具である。
【0021】この塗布具において、塗布液の内蔵量が多
いときは、変形が容易な方のシート状体も外方へ突出す
るように湾曲して袋状体は中央部で膨らんだ形状とな
る。塗布液の内蔵量が少なくなると、変形が容易な方の
シート状体は反転したような形状となって他方のシート
状体に次第に密着する。
【0022】上記課題を解決するための請求項9記載の
塗布具は、上記2枚のシート状体の厚さが異なることを
特徴とする請求項7又は8記載の塗布具である。
【0023】2枚のシート状体の厚さが異なることによ
り、2枚のシート状体の変形の容易さが異なるものとさ
れている。
【0024】上記課題を解決するための請求項10記載
の塗布具は、上記2枚のシート状体の弾性係数が異なる
ことを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の塗布具
である。
【0025】2枚のシート状体の弾性係数が異なること
により、2枚のシート状体の変形の容易さが異なるもの
とされている。
【0026】上記課題を解決するための請求項11記載
の塗布具は、上記塗布具本体は、少なくとも一部におい
て透明であり、上記袋状体が外部から視認できることを
特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の塗布具であ
る。
【0027】この塗布具においては、使用中に袋状体を
視認できることにより塗布液の残量を推定できて便利で
ある。塗布具本体は、一部に透明な窓を有する如き構成
としてもよいし、全体を透明としてもよい。なお、ここ
で「透明」とは完全に無色透明であることを要さず、実
施品において袋状体が外部から視認できれば、ここでい
う「透明」である。従って、着色透明、半透明等も含む
ものである。
【0028】上記課題を解決するための請求項12記載
の塗布具は、上記塗布具本体及び上記袋状体は、ともに
少なくとも一部において透明であり、上記袋状体内部の
塗布液が外部から視認できることを特徴とする請求項1
〜10の何れかに記載の塗布具である。
【0029】この塗布具においては、使用中に塗布液の
残量を視認できて便利である。塗布具本体及び袋状体
は、一部に透明な窓を有する如き構成としてもよいし、
全体を透明としてもよい。なお、ここでも「透明」とは
完全に無色透明であることを要さず、着色透明、半透明
等も含むものである。また、一般的に不透明と思われて
いる材料でも薄膜状にすれば光は透過するので、実施品
の厚さにおいて袋状体内部の塗布液が外部から視認でき
れば、ここでいう「透明」である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら説明する。塗布具100の一実施形態を図1に示す。
この塗布具100は、塗布液としてインキを用いたもの
で、塗布具本体1、ペン先部2、袋状体3(液貯蔵
体)、尾栓5によって構成されている。図2は、図1の
先端部分の拡大図である。この図2に示すように、ペン
先部2は、さらに固定ホルダー6、スライドホルダー
7、ペン先チップ8(塗布部)、及び弁部材10によっ
て構成されている。
【0031】以下、ペン先部2の先端に近い方を前方、
その反対側を後方として順次説明する。本体1は、イン
キの残量が目視できる様に、透明又は半透明の素材によ
って作られ、略円筒状の細長い形状であって、略円錐状
に細くされた前端には固定ホルダー6が嵌め込まれ、後
端には尾栓5が嵌め込まれる。固定ホルダー6の内部
は、概ね均一な断面円形の空洞となっているが、先端近
くの部位には、括れ部13が設けられている。固定ホル
ダー6にはスライドホルダー7が軸方向に摺動自在に内
嵌され、さらにスライドホルダー7にはペン先チップ8
が保持されている。
【0032】ペン先チップ8は、断面円形状を呈し、例
えばポリエステルやアクリルの繊維束からなるチップ等
で、先端からインキが滲み出される。ペン先チップ8の
後端部15は、直径が小さく作られている。
【0033】スライドホルダー7は筒状であって長さ方
向の中央部に大径部11を有し、後端部には小径の嵌合
部20が突設されている。スライドホルダー7の大径部
11の後端には大径肩部22、嵌合部20には小径肩部
23がそれぞれ設けられている。またスライドホルダー
7の中心部には有底のペン先挿入穴16が設けられ、ペ
ン先挿入穴16の奥側には、小径に作られた有底の小径
穴部17が設けられている。さらに嵌合部20には、径
方向に貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、液
体流通路として機能し、外部と内部のペン先挿入穴16
を連通させる。前記したペン先チップ8は、ペン先挿入
穴16に挿入され、ペン先チップ8の小径の後端部15
は、小径穴部17に至っている。
【0034】弁部材10は、弾性材料からなり、中心に
円形の挿通孔25を有する円板状を呈している。弁部材
10は、前記した固定ホルダー6の括れ部13の直前に
内蔵されている。そして弁部材10の外周面は、固定ホ
ルダー6の内周面に密着していると共に、スライドホル
ダー7の後端に設けられた嵌合部20が、弁部材10の
挿通孔25に密着状に挿通されている。その結果、弁部
材10の挿通孔25は、スライドホルダー7の嵌合部2
0によって閉塞されている。また一方、スライドホルダ
ー7はその小径肩部23が弁部材10に前方から当接
し、スライドホルダー7の嵌合部20に設けられた貫通
孔21は、挿通孔25を形成する弁部材10の内周面に
よって閉塞されている。
【0035】袋状体3は、その前端の開口部40が固定
ホルダー6の後端部にかぶせられて設けられ、袋状体3
内部の液貯蔵空間12にはインキが貯蔵されている。袋
状体3は、図3、図4に示すごとく、2枚の透明なプラ
スチック(ポリプロピレン)製のシート41、42の周
囲を接着して製造したもので、ペン先部2側が唯一の開
口部40とされている。袋状体3は、塗布液であるイン
キを内蔵していない空のときは図5のようにつぶれた形
状をとり、その容積は極めて小さいが、インキの内蔵量
が増すにつれてその内圧により変形して膨らみ、容積を
増して図6のような形状となる。このときの袋状体3の
A−A断面を図7(a)に示す。袋状体3には、空のと
きの形状に戻ろうとする復元力が常に働いている。液貯
蔵空間12内のインキは袋状体3の復元力により僅かに
加圧されているが、通常は弁部材10により遮断されて
いるので、ペン先チップ8側へは流出しない。
【0036】塗布具100を使用する際には、ペン先チ
ップ8を紙等の被塗布面に押しつける。このとき、ペン
先チップ8とともにスライドホルダー7が袋状体3側に
後退移動し、スライドホルダー7の小径肩部23が弁部
材10の中央部分を押圧する。すると図8のように弁部
材10の中央が袋状体3側に突入するように変形し、挿
通孔25の内周面が貫通孔21から離間し、液貯蔵空間
12とペン先チップ8とが連通する。液貯蔵空間12内
のインキは袋状体3の復元力により加圧されているの
で、液貯蔵空間12内のインキは、貫通孔21を介して
ペン先チップ8側に供給されて滑らかに流出する。な
お、スライドホルダー7の後退移動は、その大径肩部2
2が固定ホルダー6の段部24に当接する位置で止ま
り、それ以上にスライドホルダー7が押し込まれること
はない。
【0037】内蔵されたインキが消費されて減少する
と、その減少量だけ袋状体3の容積が縮小する。インキ
がほとんど使い尽くされると袋状体3は図5の形状に近
づく。このときの袋状体3の断面は図7(b)のように
なり、塗布具100全体の断面は図9のようになる。
【0038】塗布具本体1及び袋状体3は、ともに透明
体からなるので、使用中に塗布液の残量が視認できる。
そのため、使用者には塗布液を使い切る時期の大体の予
想ができ、使用中、にわかに塗布液がなくなってしまう
事態が生じにくいので便利である。
【0039】なお、袋状体の材質は、塗布液が実質的に
透過しないものであれば実施可能であるが、プラスチッ
クが望ましい。このような袋状体をゴムにより製造する
と復元力が強すぎることが多いが、プラスチックを用い
て製造すれば、その復元力を適正範囲内に調節しやすい
からである。プラスチックとして、上記ポリプロピレン
のほか、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、
ポリ塩化ビニル等が特に適している。これらのプラスチ
ックのみからなるシートを袋状体の材料として使用する
こともできるが、プラスチック表面にアルミニウム等の
金属の薄膜を設けたシートを使用すれば、塗布液の透過
がさらに確実に防止される。なお、上記のポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
塩化ビニルは、いずれも実用上透明な材料として使用し
得る。プラスチックシートの厚さは、一般に20μm〜
300μmが好適である。厚さが上記下限値より小さい
と復元力不足により流出量が不足しがちとなる。厚さが
上記上限値より大きいと、塗布液を袋状体に充填する時
には高圧を要し、塗布時には過剰流出を生じやすい。
【0040】2枚のシートを用いて袋状体を製造する場
合、それらのシートとして異種の材料からなるものを用
いることもできるが、同種材料からなるものを用いた方
が一般に接着性が良いので好ましい。もっとも、後記す
るように2枚のシートの変形の容易さを異なるものとす
るために敢えて異種の材料からなるものを用いてもよ
い。
【0041】図10に示すように、1枚のシート43
を、長手方向に折り目51を設けて二つ折りにし、周辺
部を接着して袋状体30を製造することもできる。この
製法は、上記の2枚のシートを接着する製法と比較し
て、シートを折る工程は必要となるが、接着部長さが短
くなる点ではむしろ好ましい。この場合、袋状体30に
インキが満たされているときの断面を図11(a)、イ
ンキが減少したときの断面を同図(b)に示す。なお、
本体1、ペン先部2、尾栓5については、袋状体の製法
によらず、上述の実施形態と同一に実施できる。
【0042】また、図12に示すように、1枚のシート
45を、長手方向に直交する方向に折り目52を設けて
二つ折りにし、周辺部を接着して袋状体(図示せず)を
製造することもできる。この場合、折り目52が袋状体
の後端となる。
【0043】袋状体の他の実施形態として、変形の容易
さが異なる2枚のシート47、48を用いて袋状体31
を製造することもできる。この場合、インキの内蔵量が
変化すると一方のシート47が主に変形し、他方のシー
ト48はあまり変形しない。そのため、塗布液が減少す
ると、図13(a),(b)に示すように、主に変形す
るシート47が他方のシート48に次第に密着し、イン
キが絞り出されるように流出するので、最後まで使用で
きないで残存するインキの量が少なくなる。
【0044】2枚のシート47、48のうち変形が容易
でない方のシート48を、外方へ突出するように湾曲さ
せておけば、塗布液の内蔵量が多いときは、変形が容易
な方のシート47も外方へ突出するように湾曲して袋状
体31は中央部で膨らんだ形状となる。塗布液の内蔵量
が少なくなると、変形が容易な方のシート47は反転し
たような形状となって他方のシート48に次第に密着す
る。また、このような袋状体31を空の状態で本体1内
に挿入する場合、袋状体31全体を筒状に丸めるように
すれば本体1内に挿入しやすい。
【0045】2枚のシート47、48の変形の容易さを
異ならせるためには、両シートの厚さ及び/又は弾性係
数を異なるものとすればよい。
【0046】袋状体のさらに他の実施形態として、図1
4(a),(b)に示すように、袋状体33の側面に蛇
腹状部を設け、インキを充填すると蛇腹状部が伸びるよ
うな構造のものを用いてもよい。
【0047】袋状体のさらに他の実施形態として、図1
5に示すように、インキが減少するにつれて袋状体32
が後端部(ペン先部から遠い方の端部)から渦状に巻く
ような構造のものを用いてもよい。このような袋状体
は、その袋状体の片面を他の面より変形容易にすれば製
造できる。このような袋状体も、組立て時の取扱いが容
易であるとともに、塗布具本体を透明にすればインキ残
量が視認できる。
【0048】いずれの実施形態においても、袋状体の後
端の形状は、例えば図16(a),(b),(c)に示
すように、直線状、半円状、剣先状等から選択すればよ
い。
【0049】本発明の実施において、上記の実施形態以
外にも種々のものが可能である。例えば、袋状体は透明
体でなく、本体のみを透明体としてもよい。上記の如く
袋状体は内蔵するインキの量に応じて膨らみ方を変える
ので、外部から袋状体を視認できれば塗布液の残量は推
定できるからである。本体及び袋状体の両方が不透明体
であっても実施は可能である。ペン先部はボールペン形
式のものでもよい。本体とペン先部の接続方法として、
図示した以外のものも採用できる。例えば、本体の一端
に固定ホルダーをねじ込む構成としてもよい。また、尾
栓は、ねじ込み構造としてもよいし、独立の部材とせ
ず、本体と一体化することも可能である。弁部材の形
状、構造にも、図示した以外のものも採用でき、例えば
弁体がバネにより塗布具先端側に付勢されてインキ流路
を閉塞し、ペン先を塗布面に押し付けると弁体が付勢力
に抗して液貯蔵空間側へ移動することによりインキ流路
が開くような構成を用いてもよい。
【0050】以上、主として塗布液としてインキを用い
る塗布具に関して説明を行ったが、本発明は、塗布液と
して墨、絵の具、その他を用いる塗布具にも適用できる
ことは勿論である。
【0051】
【実施例】水性赤色インキを充填した筆記用塗布具(サ
インペン)を例とし、本発明による塗布具、空気置換式
の塗布具、及びスライド栓式の塗布具をそれぞれ製造
し、比較試験を行った。
【0052】(試験1)本発明による塗布具、空気置換
式の塗布具、及びスライド栓式の塗布具を40°Cの恒
温槽に3日間貯蔵した。その間、本発明による塗布具に
インキ漏れは生じなかった。一方、空気置換式の塗布具
にはインキ漏れが生じた。スライド栓式の塗布具にはイ
ンキ漏れが生じなかった。
【0053】(試験2)試験1に引き続き、塗布具を恒
温槽から取り出した後、直ちに塗布部を塗布面である紙
に押し付けて筆記試験を行った。本発明による塗布具
は、インキの吹き出しもなく、滑らかに筆記できた。一
方、空気置換式の塗布具ではインキが吹き出した。スラ
イド栓式の塗布具ではインキの吹き出しはなく、筆記可
能であった。
【0054】(試験3)本発明による塗布具について連
続筆記試験を行ってインキ流出量を測定した。具体的に
は、紙の上に直線を描き、100mごとのインキ流出量
を10回測定した。本発明による塗布具において、イン
キ流出量は、100m当たり0.8g〜1.3gであ
り、比較的安定していた。空気置換式の塗布具におい
て、インキ流出量は、100m当たり1.0g〜1.5
gであり、比較的安定していたが、約15mごとに塗布
部を押さえなおしてインキを出す必要があった。スライ
ド栓式の塗布具において、インキ流出量は、100m当
たり1.0g〜6.0gと、非常にバラツキが大きかっ
た。また、本発明による塗布具よりも筆圧を要した。
【0055】なお、これらの試験1〜3において、本発
明による塗布具には、袋状体として、厚さの等しい2枚
のポリプロピレン製シートの周囲を接着して製造したも
の、厚さが異なる2枚のポリプロピレン製シートの周囲
を接着して製造したもの、1枚のポリプロピレン製シー
トを長手方向に折り目を設けて二つ折りにし、周辺部を
接着して製造したもの、1枚のポリプロピレン製シート
を長手方向に直交する方向に折り目を設けて二つ折りに
し、周辺部を接着して製造したもの、側面に蛇腹部を設
けたものの何れも製造して用いたが、何れのものも上記
試験における性能には差はなかった。
【0056】
【発明の効果】本出願の請求項1記載の発明による塗布
具は、インキ漏れ、インキの吹出し、ボタ落ち、過剰流
出、かすれ等が生じがたく、滑らかに塗布を行うことが
できる。本出願の請求項2記載の発明による塗布具は、
組み立て時の把持や取付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による塗布具の一実施形態を示す断面図
である。
【図2】図1の塗布具の先端部を示す拡大断面図であ
る。
【図3】図1の塗布具に用いられる袋状体の製造過程を
示す斜視図である。
【図4】袋状体の製造過程を示す斜視図である。
【図5】塗布液を内蔵していない袋状体を示す斜視図で
ある。
【図6】塗布液を内蔵している袋状体を示す斜視図であ
る。
【図7】塗布液の内蔵量が多いときと少ないときの袋状
体の形状を比較して示す断面図である。
【図8】図2の状態からペン先を押圧した際における図
2に相当する部位の拡大図である。
【図9】インキがほとんど使い尽くされたときの塗布具
を示す断面図である。
【図10】袋状体の他の製造過程を示す斜視図である。
【図11】図10の製造過程により製造された袋状体に
おいて、塗布液の内蔵量が多いときと少ないときの袋状
体の形状を比較して示す断面図である。
【図12】袋状体のさらに他の製造過程を示す斜視図で
ある。
【図13】他の実施形態による袋状体において、塗布液
の内蔵量が多いときと少ないときの袋状体の形状を比較
して示す断面図である。
【図14】さらに他の実施形態による袋状体において、
塗布液の内蔵量が多いときと少ないときの袋状体の形状
を比較して示す断面図である。
【図15】さらに他の実施形態による袋状体を示す斜視
図である。
【図16】袋状体の後端部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 塗布具本体 2 ペン先部 3 袋状体(液貯蔵体) 5 尾栓 6 固定ホルダー 7 スライドホルダー 8 ペン先チップ(塗布部) 10 弁部材(流出弁) 30,31,32,33 袋状体 41,42,43,45,47,48 シート 51,52 折り目
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 浩伸 大阪市中央区森ノ宮中央1丁目6番20号 株式会社サクラクレパス内 Fターム(参考) 2C350 GA04 HA15 KA09 KA10 KC04 KD02 KF01 NA10 NA11 3E014 PA01 PC03 PC07 PD22 PE09 PE25 4F042 FA30 FA35 FA40

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を内蔵する液貯蔵体、塗布液を塗
    布するための塗布部、液貯蔵体と塗布部の間に設けられ
    た流出弁、並びに、液貯蔵体、塗布部、及び流出弁を保
    持する塗布具本体を具備し、前方に弾撥されている塗布
    部を塗布面に押し付けて液貯蔵体側に押し込むことによ
    り流出弁が開き、液貯蔵体内の塗布液の流出が許される
    よう構成された塗布具であって、液貯蔵体は可撓性の袋
    状体からなり、当該袋状体は、塗布液を内蔵しないとき
    容積が最小となり、塗布液を内蔵しているときはその内
    蔵量の増加に従って容積が増加し、かつ最小の容積に復
    帰すべく付勢されていることを特徴とする塗布具。
  2. 【請求項2】 塗布液を内蔵する液貯蔵体、塗布液を塗
    布するための塗布部、並びに、液貯蔵体及び塗布部を保
    持する塗布具本体を具備する塗布具であって、液貯蔵体
    は可撓性の袋状体からなり、当該袋状体は、折り返し部
    を有し、かつ、塗布液を内蔵しないとき容積が最小とな
    り、塗布液を内蔵しているときはその内蔵量の増加に従
    って容積が増加することを特徴とする塗布具。
  3. 【請求項3】 上記袋状体は、自己の有する弾性により
    最小の容積に復帰すべく付勢されていることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の塗布具。
  4. 【請求項4】 上記袋状体は、シート状体に折り返し部
    を設けた後、所要部を接着することにより製造されたも
    のであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の塗布具。
  5. 【請求項5】 上記袋状体は、1枚のシート状体を2つ
    折りした後、周辺部を接着することにより製造されたも
    のであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
    の塗布具。
  6. 【請求項6】 上記袋状体は、2枚のシート状体の周辺
    部を接着することにより製造されたものであることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載の塗布具。
  7. 【請求項7】 上記2枚のシート状体は、その変形の容
    易さが異なることを特徴とする請求項6記載の塗布具。
  8. 【請求項8】 上記2枚のシート状体のうち変形が容易
    でない方のシート状体は、外方へ突出するように湾曲し
    ていることを特徴とする請求項7記載の塗布具。
  9. 【請求項9】 上記2枚のシート状体の厚さが異なるこ
    とを特徴とする請求項7又は8記載の塗布具。
  10. 【請求項10】 上記2枚のシート状体の弾性係数が異
    なることを特徴とする請求項7〜9の何れかに記載の塗
    布具。
  11. 【請求項11】 上記塗布具本体は、少なくとも一部に
    おいて透明であり、上記袋状体が外部から視認できるこ
    とを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の塗布
    具。
  12. 【請求項12】 上記塗布具本体及び上記袋状体は、と
    もに少なくとも一部において透明であり、上記袋状体内
    部の塗布液が外部から視認できることを特徴とする請求
    項1〜10の何れかに記載の塗布具。
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