JP2000173968A - 炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法 - Google Patents

炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着
する無機不純物を簡易に洗浄除去することが可能な、炭
化ケイ素焼結体の電解洗浄方法の提供。 【解決手段】 炭化ケイ素焼結体を洗浄液に浸漬させた
状態で、該炭化ケイ素焼結体に除去を目的とする金属元
素の酸化還元電位よりも正の電位を印加する電位印加工
程を含むことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の電解洗浄
方法である。前記洗浄液が、ノニオン界面活性剤水溶液
又はアンモニウム水溶液、無機酸水溶液、及び純水から
選択されるいずれか一つである態様、前記正の電位が、
銀/塩化銀参照電極に対し、0.3V以上の電位である
態様、前記電位印加工程の後に、炭化ケイ素焼結体を洗
浄水に浸漬させる工程を含む態様、前記洗浄液及び/又
は洗浄水に、超音波振動を加える態様、前記洗浄液及び
/又は洗浄水の温度が、50℃以上である態様が好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体各種部材及
び電子部品に用いられる導電性の炭化ケイ素焼結体の電
解洗浄方法に関する。詳しくは、高純度が要求されるダ
ミーウエハ、ターゲット、発熱体等の製造に用いられる
導電性の炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着す
る金属不純物、及びパーティクルを除去する電解洗浄方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素は、共有結合性の強い物質で
あり、従来より高温強度性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品
性等の優れた特性を生かして多くの用途で用いられてき
た。それらの利点が着目され、最近では電子分野、情報
分野、半導体分野への応用が期待されている。但し、こ
れらの分野では、半導体シリコン集積回路の高集積化、
及びそれに付随した細線化に伴って、炭化ケイ素を用い
た半導体各種部材及び電子部品には、高純度化、高密度
化が要求されている。高純度化は、不純物金属等の拡散
によるシリコンウエハのコンタミネーションを抑制する
ために必要であり、高密度化は、シリコンウェハヘのパ
ーティクル汚染を低減させるために必要である。しか
し、半導体各種部材及び電子部品におけるコンタミネー
ション、パーティクル汚染を防ぐためには、高純度化、
高密度化のみならずシリコンウエハ並みの表面清浄化が
必要である。
【0003】これを受けて高純度化を意識した焼結法が
近年精力的に研究されているが、高純度及び高密度を満
足する炭化ケイ素焼結体が得られても、この炭化ケイ素
焼結体の運搬等ハンドリングの際に、表面汚染を受ける
他、焼結後の後加工(例えば、研削・研磨等)による表
面汚染を受けるため、半導体各種部材及び電子部品に使
用するには、加工後の表面清浄化が重要になる。これら
上述の炭化ケイ素焼結体の洗浄方法に関して、(1)登
録181841号公報では、酸洗浄後、1200℃以上
の温度で酸化処理し、その後、窒素雰囲気で表面処理す
る方法が、(2)特開平5−17229号公報ではシリ
カ砥粒でブラスト洗浄した後に、フッ酸及び硝酸の混酸
で湿式洗浄する方法が、(3)特開平6−77310号
公報では、フッ酸水溶液に浸漬洗浄した後、純水で濯
ぎ、更に酸素・ハロゲンガスで乾式洗浄した後に、酸素
処理する方法が、(4)特開昭55−158622号、
特開昭60−138913号、特開昭64−72964
号の公報では、多孔質炭化ケイ素成形時にハロゲン化水
素ガス及び無機酸洗浄処理をして一旦高純度化した後、
二次焼結する方法等が報告されている。しかしながら、
これらの洗浄方法は、工程が複雑であるという問題点が
あり、半導体各種部材及び電子部品として使用が期待さ
れる炭化ケイ素焼結体の表面清浄化については、未だ満
足のいく洗浄方法が得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、炭化ケイ素焼結体の表面及び
表面近傍に存在する無機不純物を簡易に洗浄除去し、洗
浄後の炭化ケイ素焼結体を半導体各種部材及び電子部品
に応用することが可能な、炭化ケイ素焼結体の電解洗浄
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 炭化ケイ素焼結体を洗浄液に浸漬させた状態
で、該炭化ケイ素焼結体に除去を目的とする金属元素の
酸化還元電位よりも正の電位を印加する電位印加工程を
含むことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法
である。 <2> 前記洗浄液が、ノニオン界面活性剤水溶液又は
アンモニウム水溶液、無機酸水溶液、及び純水から選択
されるいずれか一つである前記<1>に記載の炭化ケイ
素焼結体の電解洗浄方法である。 <3> 前記電位印加工程が、前記洗浄液として、ノニ
オン界面活性剤水溶液又はアンモニウム水溶液を用いる
工程と、無機酸水溶液を用いる工程と、純水を用いる工
程と、の組み合わせから選択される少なくとも2以上で
ある前記<1>に記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方
法である。 <4> 前記正の電位が、銀/塩化銀参照電極に対し、
0.3V以上の電位である前記<1>から<3>のいず
れかに記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法である。 <5> 前記電位印加工程の後に、炭化ケイ素焼結体を
洗浄水に浸漬させる工程を含む前記<1>から<4>の
いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法であ
る。 <6> 前記洗浄液及び/又は洗浄水に、超音波振動を
加える前記<5>に記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄
方法である。 <7> 前記洗浄液及び/又は洗浄水の温度が、50℃
以上である前記<5>又は<6>に記載の炭化ケイ素焼
結体の電解洗浄方法である。 本発明の電解洗浄方法によれば、炭化ケイ素焼結体の金
属不純物付着量を1×1011atoms/cm2 未満に
することができ、前記炭化ケイ素焼結体を半導体各種部
材及び電子部品に応用することが可能となる。尚、本発
明において、炭化ケイ素焼結体の表面及びその近傍と
は、炭化ケイ素焼結体の最表面及びその最表面上に自然
生成する自然酸化膜の領域を指す。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の炭化ケイ素焼結体
の電解洗浄方法について詳しく説明する。尚、本発明で
用いられる炭化ケイ素焼結体は、導電性を有する炭化ケ
イ素焼結体(以下、単に「炭化ケイ素焼結体」と称する
ことがある。)である。本発明の炭化ケイ素焼結体の電
解洗浄方法は、炭化ケイ素焼結体を洗浄液に浸漬させた
状態で、該炭化ケイ素焼結体に除去を目的とする金属元
素の酸化還元電位よりも正の電位、即ち、酸化還元電位
を基準として(正側に)より高い電位を印加する電位印
加工程を含んでなる。
【0007】前記炭化ケイ素焼結体に除去を目的とする
金属元素の酸化還元電位よりも正の電位を印加すること
により、該炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着
した金属不純物をイオン化させ除去することができる。
除去を目的とする金属元素が複数ある場合には、それら
の中の最も高い酸化還元電位よりも正の電位を印加する
必要がある。金属不純物の酸化還元電位を例示すると、
銀/塩化銀参照電極に対して、Cr:−0.962V、
Fe:−0. 662V、Ni:−0.452V、Cu:
+0.299V、Zn:−0.985Vである。このよ
うに、金属不純物をイオン化させることができるのは、
正極である炭化ケイ素焼結体(以下、「被洗浄体」と称
することがある。)の表面及び表面近傍に付着している
金属元素が酸化されるためである。従って、電位を全く
印加しなかったり、除去を目的とする金属元素の酸化還
元電位よりも負の電位を印加しても、本発明のような短
時間かつ簡便な方法による効果的な洗浄は不可能であ
る。
【0008】本発明において、印加する電位は、除去を
目的とする金属元素の酸化還元電位よりも正の電位であ
ることが必要であるが、前記電位は、銀/塩化銀参照電
極に対して0.3V以上が好ましく、0.5〜1.6V
がより好ましい。該電位が0.3Vより小さいと、酸化
還元電位が銀/塩化銀参照電極に対して正の電位にある
金属、例えば銅(Cu)の除去が困難になることがあ
る。一方、あまりに大きい電位を印加すると、酸素発生
反応が大きく進行し、金属のイオン化の効率が低下する
ことがある。
【0009】除去を目的とする金属元素の酸化還元電位
よりも正の電位を印加する時間は、炭化ケイ素焼結体の
表面及び表面近傍に付着した金属不純物の量や、使用さ
れる洗浄液の種類等によって、適宜選択することができ
るが、0.5〜60分が好ましく、5〜10分がより好
ましい。該印加時間が0.5分より短い場合には、表面
洗浄効果が充分に発揮されないことがあり、一方、該印
加時間が60分より長い場合には、被洗浄体表面の粗度
に悪影響を与えることがある。
【0010】前記正の電位を印加する装置としては、従
来公知の電解装置を使用することができる。具体的に
は、正極に被洗浄体である炭化ケイ素焼結体を用い、負
極に同様に炭化ケイ素焼結体、あるいは白金(Pt)等
の貴金属を用いることができる。負極は、使用される洗
浄液によって適宜選択される。
【0011】前記正の電位を印加する工程で使用される
洗浄液としては、ノニオン界面活性剤水溶液又はアンモ
ニウム水溶液、無機酸水溶液、及び純水から選択される
いずれか一つであることが好ましい。
【0012】前記洗浄液としてノニオン界面活性剤水溶
液又はアンモニウム水溶液を用いる場合には、炭化ケイ
素焼結体の表面及び表面近傍に付着したパーティクル
(静電気力で表面に付着した塵埃)、具体的には、K,
Ca,Cr,Ni等の、炭化ケイ素焼結体表面に付着し
ているものを除去することができる。前記ノニオン界面
活性剤としては、例えば、アルキルアミンエチレンオキ
シド、プロピレンオキシド付加体、アルキルアミンオキ
シド等が挙げられる。前記アンモニウム水溶液の溶質で
あるアンモニウム塩としては、ハロゲン化テトラメチル
アンモニウム、ハロゲン化テトラエチルアンモニウム、
過塩素酸テトラアルキルアンモニウム、水酸化テトラメ
チルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、
アンモニア等が挙げられる。
【0013】前記ノニオン界面活性剤又は前記アンモニ
ウム塩は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。また、前記アンモニウム水溶液には、過酸化
水素を添加してもよい。前記ノニオン界面活性剤又は前
記アンモニウム水溶液の濃度としては、除去を目的とす
るパーティクルの付着量等によって、適宜選択すること
ができるが、0.1〜60重量%が好ましく、2〜30
重量%がより好ましく、5〜10重量%が特に好まし
い。該濃度が0.1重量%よりも薄い場合には、その包
接作用によるパーティクル除去能力が減少することがあ
り、一方、該濃度が60重量%よりも濃い場合には、被
洗浄体表面に強く付着して有機物汚染となることがあ
る。
【0014】前記ノニオン界面活性剤水溶液又はアンモ
ニウム水溶液を洗浄液として用いる場合には、前記正の
電位を印加する時間は、0.5〜60分が好ましく、2
〜30分がより好ましく、2〜5分が特に好ましい。
【0015】前記洗浄液として無機酸水溶液を用いる場
合には、炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着す
る金属不純物を除去することができる。前記無機酸とし
ては、フッ化水素酸、硝酸、塩酸、硫酸、過酸化水素及
びこれらの混酸が挙げられる。前記混酸としては、フッ
硝酸、硝硫酸、フッ酸−塩酸混合液、フッ酸−硝酸−硫
酸混合液、フッ酸−過酸化水素混合液、硝酸−過酸化水
素混合液、フッ酸−塩酸−過酸化水素混合液、塩酸−過
酸化水素混合液等が挙げられる。
【0016】前記無機酸は、1種単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。また、イオン化した金属元
素の再付着防止の目的でキレート試薬(例えば、ポリオ
キシエチレン脂肪酸メチル、アルキルアミンオキサイ
ド、ポリオキシアルキレングリコール、アルキルアミン
のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加体
等のノニオン界面活性剤)を添加してもよい。
【0017】前記無機酸水溶液の濃度としては、除去を
目的とする金属不純物の種類によって、適宜選択するこ
とができるが、0.3〜68重量%が好ましく、1〜4
0重量%がより好ましく、5〜10重量%が特に好まし
い。該濃度が0.3重量%よりも薄い場合には、金属不
純物除去効果が不十分となることがあり、一方、該濃度
が68重量%よりも濃い場合には、被洗浄体表面粗度を
低下させることがある。前記無機酸水溶液を洗浄液とし
て用いる場合には、前記正の電位を印加する時間は、1
〜60分が好ましく、2〜15分がより好ましく、5〜
10分が特に好ましい。
【0018】前記洗浄液として、純水も好ましく使用す
ることができる。本発明において、前記純水とは、比抵
抗が16MΩ以上の水が好ましく、18MΩ以上の比抵
抗を有するものがより好ましい。前記純水を洗浄液とし
て用いる場合には、前記正の電位を印加する時間は、2
〜30分が好ましい。
【0019】これらの洗浄液のうち、除去を目的とする
元素に応じて任意の洗浄液を選択することができる。例
えば、ノニオン界面活性剤水溶液又はアンモニウム水溶
液に炭化ケイ素焼結体を浸漬し、除去を目的とする金属
元素の酸化還元電位よりも正の電位を印加することによ
り、該炭化ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着する
前記パーティクルを除去することができ、更に金属不純
物の付着量を1×10 11atoms/cm2 未満にする
ことができる。本発明の特徴としては、複数の洗浄液に
浸漬させる工程を経る必要がなく、1種類の洗浄液に浸
漬させながら、前記正の電位を印加すればよく、簡便な
方法により、優れた洗浄効果を得ることができる。
【0020】一方、本発明においては、前述した各洗浄
液ごとに除去を目的とする金属元素の酸化還元電位より
も正の電位を印加する工程を順次行ってもよい。即ち、
前記電位印加工程が、前記洗浄液として、ノニオン界面
活性剤水溶液又はアンモニウム水溶液を用いる工程と、
無機酸水溶液を用いる工程と、純水を用いる工程と、の
組み合わせから選択される少なくとも2以上である電解
洗浄方法であってもよい。このような電解洗浄方法は、
工程が複雑化するが、1種類の洗浄液に浸漬させなが
ら、前記正の電位を印加する場合よりも、更に優れた洗
浄効果を得ることができるため好ましい。特に、前記電
位印加工程が、上記3工程の総てを含む場合、即ち、前
記電位印加工程が、ノニオン界面活性剤水溶液又はアン
モニウム水溶液に浸漬させた状態で、炭化ケイ素焼結体
に前記正の電位を印加する工程と、無機酸水溶液に浸漬
させた状態で、炭化ケイ素焼結体に前記正の電位を印加
する工程と、純水に浸漬させた状態で、炭化ケイ素焼結
体に前記正の電位を印加する工程と、からなる電解洗浄
方法の場合には、最も優れた洗浄効果を得ることができ
る。
【0021】また、本発明においては、前記電位印加工
程の後に、炭化ケイ素焼結体を洗浄水に浸漬させる工程
を含むことが好ましい。前記電位印加工程の後に、前記
炭化ケイ素焼結体を洗浄水に浸漬させることが好ましい
のは、前記電位印加工程で使用した洗浄液によって炭化
ケイ素焼結体の表面及び表面近傍に付着したイオン性残
留成分を除去するためである。ここで用いられる洗浄水
とは、蒸留水、イオン交換水、純水等のいずれも用いる
ことができるが、先に説明した洗浄液として使用される
純水が特に好ましい。本発明において前記純水を用いる
利点としては、濯ぎによるプロセスで被洗浄体が水から
の逆汚染を受けることを防止することにある。前記電位
印加工程の後に、前記炭化ケイ素焼結体を洗浄水に浸漬
させる時間は、特に限定されず、適宜選択することがで
きるが、2〜60分が好ましく、5〜30分がより好ま
しく、10〜20分が特に好ましい。
【0022】本発明においては、効率的な不純物除去の
観点から、前記洗浄液及び/又は洗浄水に超音波振動を
加えることが好ましい。前記超音波振動を加える方法と
しては、直接照射方式が好ましく、更には被洗浄体を揺
動させ、被洗浄体に万遍なく超音波を照射させることが
好ましい。また、周波数スイープ式超音波を用いてもよ
い。
【0023】本発明においては、イオン成分の溶解性向
上の観点から、前記洗浄液及び/又は洗浄水の温度は、
50℃以上であることが好ましい。但し、使用する洗浄
液の性質によっては、60℃程度に抑えることが必要と
なる場合もある。
【0024】本発明の導電性を有する炭化ケイ素焼結体
の電解洗浄方法によって得られた炭化ケイ素焼結体は、
半導体各種部材、電子部品等に好適に使用することがで
きる。当該分野に好適な炭化ケイ素焼結体は、高密度、
高純度の非金属助剤を用いてホットプレス焼結して製造
されたもの等が挙げられる。前記半導体各種部材として
は、ダミーウエハ、ヒーター、プラズマエッチング電
極、イオン注入装置ターゲット等の高純度及びパーティ
クルフリーが望まれる部材が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。以
下に示す実施例及び比較例で用いた炭化ケイ素焼結体
は、総て同一の試料を使用した。この炭化ケイ素焼結体
は、40mm×40mm×2tの平盤であり、片面は粗
研磨、もう一方の面は鏡面である。
【0026】<金属不純物付着量の測定>表面及び表面
近傍の金属不純物付着量の測定は、全反射蛍光X線(2
00V−300mA)あるいはIPC−MS(誘導結合
プラズマ質量分析装置)により行った。全反射蛍光X線
による測定に当たっては、Siウエハ上の金属元素分析
時に使用する相対感度係数を用いた。また、IPC−M
Sによる測定に当たっては、フッ酸及び硝酸を各1%含
む水溶液を用いて、被洗浄体表面を洗い流し不純物を抽
出し、この液を分析した。これら2つの測定装置による
分析値は、ほぼ同じであることと確認している。
【0027】(実施例1)上記の炭化ケイ素焼結体を希
フッ酸水溶液(38%HF:純水=1:100)に浸漬
させ、該炭化ケイ素焼結体に銀/塩化銀参照電極に対し
て+1.6Vの正の電位を5分間印加した後、純水に3
0分間浸漬させて残留イオン成分を除去し、金属不純物
付着量の測定を行った。この時、炭化ケイ素焼結体の表
面から酸素の発生が見られた。上記電位(+1.6V)
は、評価した、即ち、除去を目的としたCr(−0.9
62V)、Fe(−0.662V)、Ni(−0.45
2V)、Cu(+0.299V)、Zn(−0.985
V)等の酸化還元電位よりも高い電位であり、これら金
属元素は総てイオン化し溶液中に溶解した。
【0028】(実施例2)実施例1において、希フッ酸
水溶液にノニオン系界面活性剤メチルアミンエチレンオ
キシドを、前記希フッ酸水溶液に対して1重量%添加し
た外は、実施例1と同様に金属不純物付着量の測定を行
った。前記メチルアミンエチレンオキシドは、一旦イオ
ン化して溶液中に溶解した金属元素イオンの再付着を防
止する作用があると考えられる。
【0029】(実施例3)上記の炭化ケイ素焼結体をフ
ッ硝酸水溶液(38%HF:68%HNO3 :水=1:
1:6)に浸漬させ、該炭化ケイ素焼結体に銀/塩化銀
参照電極に対して+1.0Vの正の電位を10分間印加
した後、純水に30分間浸漬させて残留イオン成分を除
去し、金属不純物付着量の測定を行った。上記電位では
酸素の発生は見られなかった。銀/塩化銀参照電極に対
して+1.0VではCr及びZnをイオン化するには、
若干電位が卑であるが、もともとフッ硝酸水溶液は、炭
化ケイ素質セラミック材表面の金属元素汚染を除去する
のに効果的な溶液であり、これによる効果と併せて、洗
浄効果は見られた。
【0030】(実施例4)上記の炭化ケイ素焼結体を、
ノニオン系界面活性剤メチルアミンエチレンオキシドを
1重量%含むアンモニア過酸化水素水溶液(68%NH
3 :20%H2 2 :水=1:1:50)に浸漬させ、
該炭化ケイ素焼結体に銀/塩化銀参照電極に対して+
1.0Vの正の電位を10分間印加した後、純水に30
分間浸漬させて残留イオン成分を除去し、金属不純物付
着量の測定を行った。上記水溶液は、一般に半導体シリ
コンの洗浄時に主として有機物汚染を除去するために使
用される溶液であるが、半導体シリコン洗浄時に使用さ
れる濃度よりも低濃度にも拘わらず、充分な洗浄効果が
見られた。
【0031】(実施例5)実施例3において、銀/塩化
銀参照電極に対して+1.0Vの正の電位を+0.5V
に変えた外は、実施例3と同様に金属不純物付着量の測
定を行った。上記電位では酸素の発生は見られなかっ
た。銀/塩化銀参照電極に対して+0.5Vの電位では
Cuをイオン化するには、若干電位が卑であるが、もと
もとフッ硝酸水溶液は、炭化ケイ素質セラミック材表面
の金属元素汚染を除去するのに効果的な溶液であり、こ
れによる効果と併せて、洗浄効果は見られた。
【0032】(比較例1)実施例3において、銀/塩化
銀参照電極に対して+1.0Vの正の電位を−0.4V
の負の電位に変えた外は、実施例3と同様に金属不純物
付着量の測定を行った。上記水溶液は、本来金属元素除
去には有効な溶液であるが、マイナス電位による電解で
は、一旦イオン化した元素が再び金属化してしまい、炭
化ケイ素焼結体の表面に付着するため、特に還元電位が
貴であるCu(+0. 299V)はイオン化することが
できず、有効な除去が行われなかった。
【0033】(比較例2)実施例1において、電位を印
加しなかった外は、実施例1と同様に金属不純物付着量
の測定を行った。
【0034】(比較例3)実施例4において、電位を印
加しなかった外は、実施例4と同様に金属不純物付着量
の測定を行った。実施例1〜5及び比較例1〜3の結果
を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、本発明の電解洗浄方法である実
施例1〜5では、金属不純物付着量が未処理の状態に比
べ、極めて少なくなっていることがわかる(3×109
〜9.0×1010atoms/cm2 )。一方、比較例
1では、Cuの付着量が6.8×1014atoms/c
2 と多く、満足のいく結果は得られなかった。比較例
2では、イオン性の付着物は除去できたと思われるもの
の、Ni、及び希フッ酸水溶液では溶解除去し難いCu
等を1×1011atoms/cm2 未満にまで除去する
ことができなかった。また、比較例3では、Cr、F
e、Ni、Cu等について1×1011atoms/cm
2 未満を満足させることができなかった。比較例3の洗
浄液は、半導体シリコンの洗浄でよく用いられるアンモ
ニア過酸化水素水と類似の薬液であるが、この薬品は炭
化ケイ素焼結体上の汚染除去には効果は見られなかっ
た。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、炭化ケイ素焼結体の表
面及び表面近傍に付着する無機不純物を簡易に洗浄除去
し、洗浄後の炭化ケイ素焼結体を半導体各種部材及び電
子部品に応用することが可能な、炭化ケイ素焼結体の電
解洗浄方法を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化ケイ素焼結体を洗浄液に浸漬させた
    状態で、該炭化ケイ素焼結体に除去を目的とする金属元
    素の酸化還元電位よりも正の電位を印加する電位印加工
    程を含むことを特徴とする炭化ケイ素焼結体の電解洗浄
    方法。
  2. 【請求項2】 前記洗浄液が、ノニオン界面活性剤水溶
    液又はアンモニウム水溶液、無機酸水溶液、及び純水か
    ら選択されるいずれか一つである請求項1に記載の炭化
    ケイ素焼結体の電解洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記電位印加工程が、前記洗浄液とし
    て、ノニオン界面活性剤水溶液又はアンモニウム水溶液
    を用いる工程と、無機酸水溶液を用いる工程と、純水を
    用いる工程と、の組み合わせから選択される少なくとも
    2以上である請求項1に記載の炭化ケイ素焼結体の電解
    洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記正の電位が、銀/塩化銀参照電極に
    対し、0.3V以上の電位である請求項1から3のいず
    れかに記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記電位印加工程の後に、炭化ケイ素焼
    結体を洗浄水に浸漬させる工程を含む請求項1から4の
    いずれかに記載の炭化ケイ素焼結体の電解洗浄方法。
  6. 【請求項6】 前記洗浄液及び/又は洗浄水に、超音波
    振動を加える請求項5に記載の炭化ケイ素焼結体の電解
    洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記洗浄液及び/又は洗浄水の温度が、
    50℃以上である請求項5又は6に記載の炭化ケイ素焼
    結体の電解洗浄方法。
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