JP2000167970A - 転写保護フィルム - Google Patents

転写保護フィルム

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JP2000167970A
JP2000167970A JP10345253A JP34525398A JP2000167970A JP 2000167970 A JP2000167970 A JP 2000167970A JP 10345253 A JP10345253 A JP 10345253A JP 34525398 A JP34525398 A JP 34525398A JP 2000167970 A JP2000167970 A JP 2000167970A
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layer
film
protection film
adhesive layer
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Application number
JP10345253A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Horie
潔 堀江
Atsushi Kijima
厚 木島
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】像データに基づき形成された顔写真や文字等の
情報を確実にかつ効果的に保護する保護転写フィルムを
提供する。 【解決手段】支持体1上に少なくとも保護層2、接着層
3を順次積層して設けた転写層6を形成した転写箔にお
いて、該保護層は、融点が100℃以上の透明な高分子
プラスチックフィルムからなる転写保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像データにより
形成された画像パターンや、ホログラム画像等のセキュ
リティー性を有する層を備え、例えば顔写真や氏名、生
年月日等が記載されているIDカード、パスポート等の
冊子等に適用される画像表示体に係り、特に、耐性に優
れた画像表示体を製造する際に使用する転写保護フィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像データに基ずいて、熱転写手段によ
り画像パターンを形成する方法としては、昇華転写方式
や溶融熱転写方式が知られている。
【0003】この方法の一例を詳述すると(図10)、
帯状シート上にイエロー、マゼンタ、シアン等の染料あ
るいは顔料を含んだ熱転写層(Y)、(M)、(C)及
び必要に応じて設けられるブラック(BK)の転写層や
接着層、保護層等が所定の寸法毎に順次形成されて成る
転写リボン(a)を用い、かつ、この転写リボン(a)
とカード等の基材(b)をプラテンローラ(c)とサー
マルヘッド(d)との間に通過させると共に、画像デー
タに基づき上記サーマルヘッド(d)の発熱素子群(図
示せず)を適宜発熱させて上記データに基づく画像パタ
ーンを基材(b)上に形成する方法である。この場合、
転写リボン(a)については常にB方向へ搬送させる一
方、上記基材(b)については一色の転写が終了する毎
にA’方向へ引き戻し再度A方向へ搬送させて二色目以
降の転写が順次なされるため、図11に示すように顔写
真等カラーの画像パターン(e)を基材(b)上に形成
できる。また、上記方法にて形成された画像データは、
表面にむき出しのままでは使用条件により退色・消色の
問題を有するため、通常は転写箔による保護層を設けて
使用する。
【0004】さらに、画像を付与したい最終記録媒体
(最終製品)にこれらの画像形成手段を用いて直接に画
像を形成することが技術的に困難であるとか、量産性が
悪いとか、或いは高コストになってしまう、等の何らか
の問題を伴う場合、中間転写シートにひとまず画像を形
成しておき、しかる後に熱ローラや熱圧板転写によって
その画像を最終製品へ再転写する方法が採用されている
(例えば、特開昭63ー81093)。(一例として、
図13にその装置図を示す。)
【0005】ところで、クレジットカード、メンバーズ
カード等のIDカード類やパスポート等の個人認識デー
タの入った画像表示体には、改ざんや偽造防止するため
に、保護層に種々の偽造防止法を用いている。その一例
として、例えば光の干渉を用いて立体画像や特殊な装飾
画像を表現し得るホログラム画像や回折格子画像のよう
なOVD(Optical Variable Device)の開発が進めら
れている。これらホログラムや回折格子のOVD技術
は、高度な製造技術を要し、複製の難しいことから有効
な偽造防止手段としてクレジットカード、IDカード、
プリペイドカード等のカード類に利用されてきた。さら
には、その装飾性の高さから、包装材、書籍、パンフレ
ット、POP等への利用も少なくない。
【0006】尚、本明細書において、上記ホログラム画
像や回折格子画像等の光学的に画像を表現した技術を総
称し、OVDと称して用いる。
【0007】これらOVDを物品に貼着するための手段
として従来から転写箔を用いて転写形成するといった方
法が採られている。この種の転写箔は、基材シート上に
剥離層、ホログラムや回折格子の画像パターンを形成さ
れているレリーフ形成層と、公知の薄膜形成手段により
形成される反射層、接着層を順次積層してなる構成のも
のが知られている。これら、転写箔に刻まれたOVDパ
ターン(ホログラム及び回折格子パターン)は、微少な
凹凸パターンをニッケル製のプレス版に複製し、レリー
フ形成層に加熱押圧するという周知の方法により大量複
製が行われている。
【0008】また、上記反射層は屈折率の異なる透明な
物質を真空蒸着法等の公知の薄膜形成手段により形成す
ることで(以下透明薄膜層と代用)、透明ホログラムや
透明回折格子形成体となることは、公知の技術である。
この場合、レリーフ形成層と透明薄膜層の屈折率差が大
きい程(レリーフ形成層<透明薄膜層)、反射率も大き
くなることは、光学的見地からも明らかである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような画像表示
体の画像情報は、前述したように転写箔の保護層が通常
用いられており、この転写箔は所定の形状に確実に転写
される必要があるため、熱可塑性の樹脂の積層体で通常
は形成されている。しかし、上記の保護層ではある程度
の耐候性は得られても、パスポートや運転免許証などの
5年〜10年使用するような身分証明書類であるとか、
今後普及する傾向にあるICカード等を用いた媒体にお
いては、一生使用し続ける可能性も秘めている。真の手
続きをふまえて作成された身分証明書類において、表示
画像の退色・消色により、偽の身分証明書との疑いを持
たれることは、絶対にあってはならないことである。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みなされたもの
で、画像データに基づき形成された顔写真や文字等の情
報を確実にかつ効果的に保護することを課題としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、画像データに基づき形成された顔写真や文字等
の情報を保護するために付与する保護層を転写法により
設ける製造方法に係わり、支持体上に少なくとも保護
層、接着層を順次積層して設けた転写層を形成した転写
箔において、該保護層は、融点が100℃以上の透明な
高分子プラスチックフィルムからなることを特徴とする
転写保護フィルムである。
【0012】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載の転写保護フィルムにおいて、支持体上に0.5〜
30g/m 2 の範囲内の重量で設けられた粘着剤によ
り、転写層が保持されていることを特徴とする転写保護
フィルムである。
【0013】また、請求項3に係る発明は、請求項2に
記載の転写保護フィルムにおいて、接着層とは反対の面
の転写層表面に離型処理が施されており、支持体からの
剥離を効果的に行い、かつ被転写体上に転写された後に
は第二の保護層として耐摩耗性を付与することを特徴と
する転写保護フィルムである。
【0014】また、請求項4に係る発明は、請求項1か
ら3のいずれか1項に記載の転写保護フィルムにおい
て、打ち抜き穴が転写層を貫通して支持体の表面に達す
るような打ち抜きを施されており、該打ち抜き穴によっ
て区画された転写層を被転写体に転写することを特徴と
した転写保護フィルムである。
【0015】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
記載の転写保護フィルムにおいて、打ち抜き穴によって
区画された転写層の外形寸法は、被転写体よりも小さい
ことを特徴とする転写保護フィルムである。
【0016】また、請求項6に係る発明は、請求項1か
ら5のいずれか1項に記載の転写保護フィルムにおい
て、被転写体への位置合わせを行うために、支持体上の
任意の位置に、転写部に対して所定の位置関係を有する
レジスターマークを設けたことを特徴とする転写保護フ
ィルムである。
【0017】また、請求項7に係る発明は、請求項6に
記載の転写保護フィルムにおいて、レジスターマークの
情報を読みとり、打ち抜き加工の位置決めと、被転写体
への転写位置合わせを、それぞれ行うために、支持体の
任意の位置にレジスターマークを設けたことを特徴とす
る転写保護フィルムである。
【0018】また、請求項8に係る発明は、請求項1か
ら7のいずれか1項に記載の転写保護フィルムにおい
て、該転写層の保護層と接着層間に、セキュリティ性を
有する偽造防止層を少なくとも一層以上備えることを特
徴とする転写保護フィルムである。
【0019】また、請求項9に係る発明は、請求項1か
ら8のいずれか1項に記載の転写保護フィルムにおい
て、該転写層の接着層は、画像データに基づいて画像を
書き込むと共に、被転写体に対して熱接着性を有する受
像兼接着層であることを特徴とする中間転写保護フィル
ムである。
【0020】
【作用】以上のように、本発明の転写保護フィルムは、
保護層に融点が100℃以上の高分子プラスチックフィ
ルムを使用することにより、耐摩耗性及び耐薬品性が向
上し、かつ昇華転写画像の弱点である可塑剤等の低分子
量物質の染み込みを高分子皮膜により防止することがで
きるため、画像保存性も向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図に基づいて本発明を詳細
に説明する。つまり、請求項1に係る転写保護フィルム
は、図1に示すような構成断面図であり、支持体
(1)、保護層(2)、接着層(3)から成る。ここで
保護層(2)と接着層(3)が転写される転写層(6)
となる。
【0022】また、支持体上に0.5〜30g/m2
範囲内の粘着層を設けることにより、支持体と転写層を
効果的に貼り合わせることができ、作業性が向上する。
つまり、請求項2に係る転写保護フィルムは、図2に示
すような構成断面図であり、支持体(1)、粘着層
(4)、剥離性を有する保護層(2)、接着層(3)か
らなる。ここで剥離性を有する保護層(2)と接着層
(3)が転写される転写層(6)となる。
【0023】また、転写層表面に離型処理を施すことに
より、粘着層を付与した支持体からの剥離を容易にし、
被転写体への転写を効果的に行うばかりでなく、最終製
品としての画像表示体は、上記の離型処理が第2の保護
層として機能し、耐摩耗性がさらに向上する。つまり、
請求項3に係る転写保護フィルムは、図3に示すような
構成断面図であり、支持体(1)、粘着層(4)、第二
保護層(5)、第一保護層(2)、接着層(3)からな
る。この場合、第二保護層、第一保護層と接着層が転写
される転写層(6)となる。
【0024】また、従来不可能であった高分子皮膜によ
る転写保護層は、転写層に打ち抜き加工を施すことによ
り、所定形状での転写が可能な転写保護フィルムを提供
することができる。つまり、請求項4に係る転写保護フ
ィルムは、図4(A)に示すような断面図であり、支持
体(1)、転写層(6)、打ち抜き穴(7)からなる。
打ち抜き穴(7)は、図4(B)の示す平面図のよう
に、設ける保護層の形状に合わせて転写保護フィルムに
設けて置く。
【0025】また、転写層の外形寸法を被転写体よりも
小さくすることにより、転写層を引き剥がすきっかけが
なくなるため、偽造・改竄の行為に対して防止効果があ
る。つまり、請求項5に係る転写保護フィルムは、図5
(A)(B)に示すような、転写層(6)が被転写体
(8)より一廻り小さいサイズで内側に張り付けられて
いる。
【0026】また、請求項6に係る転写保護フィルム
は、図6(A)に示す平面図、図6(B)に示す被転写
体との位置関係を示すように、支持体(1)上に、転写
層と所定の位置関係を有するレジスターマーク(9)が
形成されており、被転写体(8)の転写位置合わせを確
実に行うものである。レジスターマークは位置関係が認
識できれがよいので支持体の表裏のどちらに設けても良
い。
【0027】また、請求項7に係る転写保護フィルム
は、図7(A)に示すレジスターマーク(9)をフォト
センサー(14)で検知し、図7(B)に示すようにレ
ジスターマークを基準に打ち抜き刃(17)で打ち抜き
加工し、図7(C)に示す転写位置合わせをそれぞれ行
うため、より確実な位置合わせが可能となる。
【0028】また、請求項8に係る発明は図8(A)に
示すように、支持体(1)上に、剥離性の保護層
(2)、偽造防止層(10)、接着層(3)から成る層
構成を基本構成とし、被転写体への転写後は、画像・文
字情報の上層に偽造防止層が存在するため、より一層の
偽造・改竄防止効果がある。
【0029】また、請求項9に係る発明は、基本構成を
図1と同様にし、該接着層(3)が受像兼接着層(1
1)から成るため、被転写体の凹凸による画像・文字情
報の形成に影響を受けることがないため、より効果的に
画像表示体を製造することができる。
【0030】支持体(1)は、転写時の熱圧で軟化変形
しない耐熱性を有するものであれば良く、その材料とし
ては、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネー
ト、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレート、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の
合成樹脂、天然樹脂、紙、合成紙などから単独で選択さ
れたもの、または上記より選択されて組み合わされた複
合体が使用可能でる。また、その厚みは、操作性、加工
性を考慮し2〜200μmのものが使用可能であるが、
転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、6
〜50μm程度のものが好ましい。また、他層との密着
性を向上させるため、コロナ放電処理やグロー放電処理
等の表面処理や易接着層を設けても良い。また、支持体
の裏面に、滑剤、帯電防止剤等を含むバックコートを必
要に応じて設けても良い。
【0031】保護層(2)は、融点が100℃以上の透
明な高分子プラスチックフィルムからなる。融点が10
0℃以下であると、転写時の熱圧により軟化・変形を起
こし、伸びや歪みを生じるため被転写体への転写がうま
くいかない。その材料としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレンナフタレートに代表されるポリエ
ステルフィルム、ポリフェニルサルファンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、低密度ポリエチレンフィルム、
高密度ポリエチレンフィルム、硬質ポリ塩化ビニルフィ
ルム、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、アセテートフィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アラミド
フィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリ
エーテルサルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケ
トンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリサル
フォンフィルム、ポリフタルアミドフィルム、ポリアミ
ドイミドフィルム、ポリケトンフィルム、ポリアリレー
トフィルム等が一例として挙げられる。上記フィルム
は、無延伸タイプ・一軸延伸タイプ・二軸延伸タイプの
いずれかが必要に応じて選ばれる。また、前記支持体と
同様にして、他層との密着性を向上させるため、コロナ
放電処理やグロー放電処理等の表面処理や易接着層を設
けても良い。
【0032】接着層(3)は、転写層と被転写体を強固
に接着・融着させるものであり、その材料としては通常
熱可塑性樹脂が用いられ、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノキシ樹脂、エ
チルセルロース樹脂、セルロースアセテートプロピオネ
ート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸エチル樹
脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、
石油樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、エチレン
−アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレンエチルアクリレ
ート樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR・SBR
・MBR等の各種合成ゴム等が挙げられるが、これに限
定される物ではない。また、これらを2種以上混合して
用いても良い。
【0033】また、ブロッキング防止を目的として、各
種フィラーを添加することができる。例えば、テフロン
系微粒子、シリコン樹脂微粒子、ベンゾグアナミン樹脂
−メラミン樹脂縮合物微粒子、デンプン、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、タルク、カオリン、酸化亜鉛、炭酸カ
ルシウム、シリカ、等が挙げられる。これらの添加量は
熱可塑性樹脂100部に対して1〜20重量部が好まし
い。さらに、紫外線吸収剤、製膜助剤、塗液安定剤、レ
ベリング剤、老化防止剤等の各種添加剤を必要に応じて
添加する事もできる。
【0034】粘着層(4)は、支持体と転写層を有効に
貼り合わせるものであり、その材料としては、天然ゴ
ム、スチレンーブタジエン重合体、ブタジエン重合体、
クロロプレン共重合体等のジエン系弾性体、アクリル酸
エステル共重合体、ビニルエーテル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のエチレニック系共重合体、ポ
リウレタン、シリコーン樹脂等の縮合系弾性体、ロジ
ン、ロジンエステル、クマロインデン、ポリテルペン、
フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油炭化水素系樹
脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂等の粘着付与樹脂、フ
タル酸エステル、リン酸エステル、塩化パラフィン等の
可塑剤、動・植物性油脂、鉱物油等の油脂類、共重合性
モノマー、官能性モノマー、架橋剤等の粘着調整剤、老
化防止剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を適宜組み合
わせたものが代表例として挙げられる。また、上記粘着
層中に他層との離型性を付与するシリコーン化合物、ワ
ックス類、界面活性剤、金属石鹸等を添加してもよい。
【0035】第2保護層(5)は、粘着層を付与した支
持体からの剥離を容易にし、かつ最終製品に耐摩耗性を
付与するものであり、その材料としては、ポリエチレン
ワックス、パラフィンワックス、高級脂肪族アルコー
ル、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、
カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界
面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属石鹸類、有機カル
ボン酸およびその誘導体、フッ素系樹脂、シリコーン系
樹脂、ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル、反応性シリコーンオイル、アルキル変性シ
リコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、シラン
カップリング剤の反応化合物、シリコーンゴム、シリコ
ーンコンパウンド、シリコーンワックス等の滑剤を単体
もしくは2種以上混合したものに、ポリエステル樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン
ー酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フェノキシ
樹脂、エチルセルロース樹脂、セルロースアセテートプ
ロピオネート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリル酸
エチル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリアミ
ド樹脂、石油樹脂、エチレン−アクリル酸共重合樹脂、
エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、塩素化ポリ
プロピレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エチレンエチル
アクリレート樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、NBR
・SBR・MBR等の各種合成ゴム等をバインダーとし
て、上記滑剤を混合したものが使用することができる。
【0036】レジスターマーク(9)は、機械的に何ら
かの方法で感知できるものであれば良く、一般的に光学
法や物理的手法が使用される。光学法としては、反射光
・散乱光・透過光の変調により感知され、物理的手法と
しては、パンチ穴を開けておき、その穴が検知機に引っ
かかったら搬送を止めるといった方法を一例として挙げ
ることができる。レジスターマークの形成方法として
は、薬品による腐食、研磨、パターン描画、打ち抜き、
インクジェット印字、オフセット印刷、グラビア印刷、
シルクスクリーン印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、熱
転写、テープ貼り等の方式を挙げることができる。レジ
スターマークの形態は、回折格子、着色ベタ画像(遮
光)、艶消し(マット)等が代表として挙げられる。
【0037】偽造防止層(10)は、例えば、透明なホ
ログラムや回折格子等のOVD技術や、ある特定の波長
域で励起され発光・燐光する蛍光性物質や畜光性物質を
含む層、特定の赤外線を吸収する化合物を含む層、磁性
材料を含む層、細紋印刷層等、の公知技術が挙げられ、
これらを複数同時に用いても良い。OVD技術として
は、立体画像を再生し得るホログラムや、単純回折格
子、微少なエリアに複数種類の回折格子を配置して画素
とし、表現するグレーティングイメージ、ピクセルグラ
ムといった回折格子画像が代表例として挙げられ、表面
に凹凸のレリーフとして記録されているレリーフ型や、
厚み方向に画像が立体的に記録されている体積型、材質
の透過率の変化による光の振幅を利用して記録されてい
る振幅型のいずれであっても良い。また、虹彩色のパー
ル顔料やパールチップ、屈折率の異なる材料を積層した
多層膜、上記多層膜を粉砕し、インキ化したOVI(O
ptical Variable Ink)等もOVD
技術の一例として挙げることができる。
【0038】蛍光性物質としては、次のものが挙げられ
る。紫外線発光蛍光剤は、紫外線により励起され、これ
よりも低いエネルギー準位に戻るときに発するスペクト
ルのピークが青、緑、赤等の波長域にあるものであり、
硫化亜鉛やアルカリ土類金属の硫化物の高純度蛍光体
に、発光をより強くするために微量の金属(銅、銀、マ
ンガン、ビスマス、鉛など)を付活剤として加えた後、
高温焼成にて得られる。母体結晶と付活剤の組み合わせ
により、色相、明るさ、色の減衰の度合いを調整でき
る。
【0039】このような紫外線発光蛍光剤としては、C
2 5 9 Cl:Eu2+、CaWO4 、ZnO:Z
n、Zn2 SiO4 :Mn、Y2 2 S:Eu、Zn
S:Ag、YVO4 :Eu、Y2 3 :Eu、Gd2
2 S:Tb、La2 2 S:Tb、Y3 Al5 12:C
e等があり、これらを単体として使用する。またはこれ
らを数種、適当に混合して使用する。ここで、蛍光剤は
通常その組成によって表記し、主成分である母体結晶と
その中に分散した付活剤または発光中心に分け、(:)
で繋ぐ。例えば、ZnS:Mnは、母体結晶がZnS、
付活剤がMnである。
【0040】また、赤外線発光蛍光剤は、赤外光で励起
し、可視光に発光する赤外可視変換蛍光剤と、赤外光
(800nm)で励起し、より長波長(980〜102
0nm)に発光するものがある。前者の赤外可視変換蛍
光剤は、非常に特殊な励起機構を持つ蛍光体であり、エ
ネルギーの小さな赤外線の光子を複数個用いることによ
って可視発光の励起を行う。二つのタイプの機構があ
り、一方は付活剤イオンの中の多段階の励起によって、
他方は増感剤からの複数回の共鳴エネルギー伝達によっ
て、それぞれ高い励起が可能になる。前者のタイプは、
Er3+やHo3+を付活剤とする多くの母体結晶で観測さ
れ、後者のタイプは増感剤Yb3+が赤外線を吸収し、多
段階のエネルギー伝達によって発光中心のEr3+、Tm
3+、Ho3+等を高い準位に励起する。YF3 :Yb+E
r、YF3 :Yb+Tm、BaFCl:Yb+Erなど
が使用可能である。
【0041】また、赤外光(800nm)で励起し、よ
り長波長(980〜1020nm)に発光するものとし
ては、例えば組成がLiNd0.9 Yb0.1 4 12、L
iBi0.2 Nd0.7 Yb0.1 4 12、Nd0.9 Yb
0.1 Nd5 (MoO4 4 、NaNd0.9 Yb0.1 4
12、Nd0.8 Yb0.2 Na5 (WO4 4 、Nd0. 8
Yb0.2 Na5 (Mo0.5 0.5 4 4 、Ce0.5
0.5 Nd0.75Yb0. 15Na5 (W0.7 Mo0.3 4
4 、Nd0.9 Yb0.1 Al3 (BO3 4 、Nd0.9
0.1 Al2.7 Cr0.3 (BO3 4 、Nd0.6 Yb
0.4 5 14、Nd0.8 Yb0.2 3 (PO4 2 等が
使用できる。また、上記の蛍光材料以外にも、有機系の
顔料や染料を使用しても良い。また、畜光性蛍光体とし
ては、通常300〜400nmの光で励起することによ
り、数時間の発光が認められるものであり、ZnS:C
u、CaS:Bi、SrS:Bi、SrAl2 4 :E
uなどが使用することができる。
【0042】その他、偽造防止層(10)に使用できる
材料としては、セキュリティ性が高いものであれば何で
も良く、赤外線吸収材料や、磁性層、細紋印刷等様々な
技法を単独もしくは組み合わせたものを使用することが
できる。
【0043】受像兼接着層(11)は、転写リボンから
画像パターンを転写されると共に、最終画像形成体の表
面に接着するもので、通常熱可塑性樹脂が用いられる。
受像兼接着層(11)に使用する熱可塑性樹脂は、例え
ば、線状飽和ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合物等の塩
化ビニル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸ー2ーナフチル、ポリメタクリル
酸、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル、
ポリメタクリロメチル、等のアクリル系樹脂、ポリスチ
レン、ポリビニルベンゼン、ポリビニルブチラール、ス
チレンーブタジエン共重合物等のビニル系樹脂、等が挙
げられる。
【0044】受像兼接着層(11)中には、ブロッキン
グ防止を目的として、各種フィラーを添加することがで
きる。例えば、テフロン系微粒子、シリコン樹脂微粒
子、ベンゾグアナミン樹脂−メラミン樹脂縮合物微粒
子、デンプン、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク、
カオリン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、等が挙
げられる。また、これらの添加量は熱可塑性樹脂100
部に対して1〜20重量部が好ましい。さらに、受像兼
接着層(11)中には、紫外線吸収剤、製膜助剤、塗液
安定剤、レベリング剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添
加する事もできる。
【0045】
【実施例】画像形成方法は、昇華型熱転写方式、樹脂型
溶融転写方式型、ワックス型溶融転写方式等、熱転写方
式で有ればどの様な方法でも適合するが、本実施例で
は、昇華型熱転写型方式を用いて、画像形成を行った。
以下、本発明の実施例について説明する。
【0046】[実施例1] (昇華型熱転写リボンの製造)まず、3つの色の染料
(イエロー、シアン、マゼンタ)を各々ポリビニルブチ
ラール樹脂に分散させて染料インキを調合し、次に塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂中にカーボンブラックを
分散させた塗液をそれぞれグラビアコーターを用いて厚
さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に各
色が交互に配置されるように塗布・乾燥して4色(Y、
M,C,BK)の樹脂層を有する昇華型熱転写リボンを
製造した。
【0047】(被転写体の製造)次に、厚さ約760μ
mの白色塩化ビニルシート(A4サイズ)に市販のサー
マルプリンターを用いて、60mm×90mmサイズを
1画像とし、9面付けの画像を被転写体上に形成した。
【0048】(転写保護フィルムの製造)この実施例に
係わる転写保護フィルムは、図1(A)に示す構成であ
る。すなわち支持体(1)上に保護層(2)が形成さ
れ、保護層(2)の上に接着層(3)が形成されてい
る。ここで、支持体(1)としては厚さ50μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを用い、保護層(2)
としては厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムを用い、両者を仮貼りした後に剥離保護層の表面
からコロナ放電処理を行い、静電接着させた。次に、接
着層(3)として、以下の組成物からなる塗料を枚葉グ
ラビア印刷機にて塗工し、乾燥後の膜厚が3μmとなる
ように形成した。
【0049】 (接着層組成物) ポリエステル樹脂 (Tg67℃)・・・20重量部 シリカ (フィラー) ・・・ 4重量部 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) −ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤) ・・・ 5重量部 メチルエチルケトン/トルエン(2/1) ・・・71重量部
【0050】次に、上記製造した被転写体の画像形成面
と、転写保護フィルムの接着剤面を当接し、転写保護フ
ィルムの支持体側から、表面温度160℃に加熱したシ
リコンゴムロールにて、ロール転写を行った。次に、支
持体を剥離した後に、転写層側から54mm×86mm
のカードサイズの抜き型を用い、打ち抜き加工を施して
9枚のカード形状の画像表示体を作成した。
【0051】[比較例1]比較例として、保護層が熱可
塑性樹脂で構成された従来の転写箔を作成した。保護層
としては、下記配合比からなる組成物を乾燥後の厚みが
1.0μmとなるようにグラビアコーターで形成した。
ここで、上記構成の異なる点を除き、他は全て実施例1
と同条件で作成した。 (保護層塗料組成) ポリメチルメタアクリレート(Tg:105℃)・・・20重量部 テフロンパウダー ・・・ 2重量部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) ・・・78重量部
【0052】[実施例2]上記実施例1で作成した転写
保護フィルムと層構成の異なるもの(図2にこの構成を
示す)を作成した。すなわち、支持体(1)の上に粘着
層(4)が形成され、粘着層(4)の上に剥離性の保護
層(2)が形成され、剥離性の保護層(2)の上に接着
層(3)が形成されている。ここで、上記構成の異なる
点を除き、他は全て実施例1と同条件で作成した。つま
り、支持体上に不揮発分40%、粘度15000cps
の水系アクリルエマルション型粘着剤を、コンマコータ
ーにて10g/m2 の重量になるように塗布し、剥離の
保護層(3)をラミネートし、以後実施例1と同様に作
成した。
【0053】[実施例3]上記実施例2で作成した転写
保護フィルムと層構成の異なるもの(図3にこの構成を
示す)を作成した。すなわち、支持体(1)の上に粘着
層(4)が形成され、粘着層(4)の上に第二保護層
(5)が形成され、第二保護層(5)上に(第1)保護
層(2)が形成され、(第1)保護層(2)の上に接着
層(3)が形成されている。ここで、上記構成の異なる
点を除き、他は全て実施例2と同条件で作成した。つま
り、保護層(2)となる厚さ12μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムの片面に以下の組成からなる塗料
を、乾燥後の膜厚が0.6μmとなるようにグラビアコ
ーターにて塗布し、上記実施例2と同様に支持体上に塗
布された粘着剤層面とラミネートし作成した後に同様の
工程を経て画像表示体を得た。
【0054】 (第2保護層組成物) ポリエステル樹脂(Tg.100℃) … 5重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(マレイン酸変性)…13重量部 アクリル樹脂(Tg.60℃) … 5重量部 エポキシ変性シリコーンオイル … 2重量部 メチルエチルケトン/トルエン(3/1) …75重量部
【0055】[実施例4]上記実施例1〜3で作成した
転写保護フィルムに打ち抜きを施した。この打ち抜き
は、打ち抜き穴が転写層を貫通して支持体(粘着層)の
表面に達するように接着層側から行う。上記打ち抜きの
結果、打ち抜き穴により区画された所望パターンの転写
部が形成される。非転写部に関しては、そのまま残して
おいても、取り除いても良いが、取り除いた場合には打
ち抜きが確実に行われたか確認できるというメリットが
ある。ここで、被転写体は54mm×86mmのカード
サイズであり、打ち抜き穴で区画された転写層は50m
m×82mmとした。以下、上記実施例と同様の工程を
経て画像表示体を得た。また、打ち抜きと転写の位置合
わせは、支持体上にインクジェット法にて設けた黒色の
レジスターマーク(9)を予め設けておき、透過光(フ
ィルム)/遮光(レジスターマーク)の状態変化を図1
2に示す、発光部(12)と受光部(13)からなるフ
ォトセンサー(14)を用い、それぞれ位置決めを行っ
た。
【0056】[実施例5]上記実施例で作成した転写保
護フィルムと層構成の異なるもの(図8(A)にこの構
成を示す)作成した。すなわち、転写層(6)である保
護層(2)と接着層(3)間に偽造防止層(10)が形
成されているものである。ここで、偽造防止層(10)
の一例として、透明ホログラムを使用した図8(B)の
製造方法について説明する。
【0057】レリーフ形成層(15)は保護層(2)と
は反対側の面にホログラムのレリーフ形成面を有し、レ
リーフ形成面上に透過性薄膜層(16)が形成されてい
る。なお、このレリーフ形成面は、レリーフ型ホログラ
ムを構成する微細な凹凸パターンが形成されたニッケル
製のプレス版をレリーフ形成層上に加熱押圧することに
より形成可能である。また、レリーフ形成層はホログラ
ムパターンを層表面(前述したレリーフ形成面)又は層
内に有するものであればよく、他に例えば二光束干渉も
しくは電子ビーム(EB)による回折格子(グレーティ
ング)により微細凹凸形状を有するようにしたグレーテ
ィングホログラムやリップマンホログラム等が適用可能
である。また、透過性薄膜層は、レリーフ形成層(屈折
率n=1.3〜1.7)よりも屈折率の高い透明材料で
あって、例えば次の表1に示す無機材料が使用可能とな
っている。さらに透過性薄膜層7は、複数の層を重ね合
わせて形成してもよく、異なる屈折率の層の組み合わ
せ、高屈折率の層と低屈折率の層とを交互に積層した多
層膜としてもよい。
【0058】
【表1】
【0059】また、このような透過性薄膜層を形成する
方法としては、真空蒸着法の他にスパッタリング法、イ
オンプレーティング法等の成膜手段が適用可能であり、
膜厚としては10nm〜1000nmの範囲にあること
が好ましい。また、透過性薄膜層としては、TiO2
の高屈折微粉末を樹脂中に分散したものでも良い。この
場合には一般的なコーティング法で塗膜形成できるた
め、上記膜厚に限定されるものでは無い。ここで、レリ
ーフ形成層は、エンボス成形性が良好で、プレスムラが
生じ難く、明るい再生像が得られ、剥離性の保護層及び
透過性薄膜層との接着性が良好である樹脂がよく、ここ
では以下の配合比からなる組成物を用い、乾燥後の厚み
が1.0μmになるように形成した。
【0060】 (レリーフ形成層塗料組成) アクリルポリオール ・・・20重量部 (大日本インキ化学工業(株)製 アクリディックA817) ヘキサメチレン・ジ・イソシアネート ・・・ 4重量部 (旭化成工業(株)製 デュラネートD24A100) 酢酸ブチル/トルエン(1/1) ・・・76重量部
【0061】また、レリーフ形成面は、このような組成
物に対し、前述したプレス版の版面温度を160℃とし
て形成した。なお、ホログラム形成層としては、他にポ
リカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン(メタ)アクリ
レート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレー
ト、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メ
タ)アクリレートなどの熱硬化性樹脂あるいはこれらの
混合物、さらにはラジカル重合性不飽和基を有する熱成
形性材料などが使用可能であり、また、上記以外のもの
でも、ホログラム画像を形成可能な安定性を有する材料
であれば使用可能である。透過性薄膜層は、ホログラム
形成層の情報を透過するための透明材料であって、ここ
では厚さ50nmのZnSを真空蒸着法により形成し
た。以下、上記実施例と同様の工程を経て、画像表示体
を得た。
【0062】[実施例6]ここで製造した転写保護フィ
ルムは、上記の実施例とは異なり、接着剤層が画像デー
タに基づいて画像を書き込むと共に、被転写体に対して
熱接着性を有する受像兼接着層(11)となっている図
9の構成の中間転写保護フィルムである。受像兼接着層
(11)としては、以下の配合比からなる塗料を乾燥後
の膜厚が5.0μmとなるように、ダイコーターにて形
成した。
【0063】 (受像兼接着層組成物) 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(Tg65℃)・・・20重量部 メラミン・ホルムアルデヒド縮合物(フィラー)・・・ 4重量部 2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル) −ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)・・・ 5重量部 トルエン/2ブタノン(2/1) ・・・71重量部
【0064】上記で得られた中間転写保護フィルムを図
13において示した装置内にセットし、サーマルヘッド
(f)の発熱素子群を画像データに基づき発熱させて中
間転写保護フィルムの受像兼接着層(11)に昇華型熱
転写リボン(g)から多色の画像パターンを形成した。
厚さ約760μmの白色塩化ビニルからなる被転写体へ
上記中間転写シートの受像兼接着層(3)を当接し、中
間転写保護フィルム側から加熱媒体を加圧・加熱(加熱
温度:150℃)して受像兼接着層(3)を圧着させる
と共に、中間転写保護フィルムから支持体を剥離させて
画像表示体を製造した。
【0065】(特性評価)実施例1で製造した画像表示
体と比較例1で製造した画像表示体と、参考として保護
層の転写されていない画像表示体(ブランクカード)に
ついて、耐磨耗性・耐可塑剤性・耐溶剤性の物性評価を
行った。耐磨耗性に関しては、実施例3で製造した画像
表示体も同時に評価を行った。評価結果を表2から表4
に示す。また、評価項目に関しては以下の通りである。 耐磨耗性 …学振試験機にて、綿布を用い、荷重1kgで往復擦りを行った。 耐可塑剤性…対軟質塩ビ(室温にて、荷重200g/cm2 での経時変化) 対消しゴム(50℃、90%環境下、同荷重にての継時変化) 耐溶剤性 …有機溶剤による綿棒往復擦り エチルアルコール トルエン メチルエチルケトン
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明の転写保護フィル
ムは、保護層に融点が100℃以上の高分子プラスチッ
クフィルムを使用したことにより、耐磨耗性及び耐薬品
性が向上し、かつ昇華転写画像の弱点である可塑剤等の
低分子量物質の染み込みを高分子皮膜により防止するこ
とができるため、画像保存性も向上し、従来不安であっ
た身分証明書類へ適用も可能となる。
【0070】また、支持体上に0.5〜30g/m2
範囲内の粘着層を設けることにより、支持体と転写層を
確実に貼り合わせることができ、また剥離強度の調整も
粘着剤の厚みや種類を調整することにより変更が可能で
あるため加工性が格段に向上する。
【0071】また、転写層表面に離型処理を施すことに
より、粘着層を付与した支持体からの剥離を容易にし、
被転写体への転写を効果的に行うばかりでなく、最終製
品としての画像表示体は、上記の離型処理が第二の保護
層として機能し、耐摩耗性がさらに向上する。
【0072】また、従来不可能であった高分子皮膜によ
る転写保護層は、転写層に打ち抜き加工を施すことによ
り、所定形状での転写が可能であり、即時発行の身分証
明書類への適合が可能となった。また、転写層の外形寸
法を被転写体よりも小さくすることにより、転写層を引
き剥がすきっかけがなくなるため、偽造・改竄の行為に
対して防止効果がある。
【0073】また、転写層と所定の位置関係を有するレ
ジスターマークを設けておくことにより、被転写体の転
写位置合わせを自動化することができるため、即時発行
の身分証明書類のプリンターへの適応が可能となる。ま
た、支持体上に予め設けておいたレジスターマークによ
り、打ち抜き加工と、転写位置合わせをそれぞれ行うこ
とにより、製造ラインの自動化や偽造防止目的で設ける
セキュリティ印刷等の位置合わせが可能となる。
【0074】また、転写層内に偽造防止層を設けること
により、被転写体への転写後は、画像・文字情報の上層
に偽造防止層が存在するため、転写層表面を削り取って
画像情報の改竄を行っても偽造防止層が破壊されてしま
うため、より一層の偽造・改竄防止効果がある。
【0075】また、転写層中の接着層を、受像兼接着層
とすることにより、被転写体の凹凸による画像・文字情
報の形成に影響を受けることがないため、より効果的に
画像表示体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に係る転写保護フィルムの構
成断面図である。
【図2】本発明の請求項2に係る転写保護フィルムの構
成断面図である。
【図3】本発明の請求項3に係る転写保護フィルムの構
成断面図である。
【図4】本発明の請求項4に係る転写保護フィルムを説
明するものであり、(A)は断面図、(B)は平面図で
ある。
【図5】本発明の請求項5に係る転写保護フィルムを説
明するものであり、(A)は転写層を被転写体に張り付
けた状態を示す断面図、(B)はこの平面図である。
【図6】本発明の請求項6に係る転写保護フィルムを説
明するものであり、(A)はレジスターマークと抜き打
ち穴の位置関係を示す平面図であり、(B)はこの転写
保護フィルムと被転写体の位置関係を示す断面図であ
る。
【図7】本発明の請求項7に係る転写保護フィルムを説
明するものであり、(A)はレジスターマークを検知す
る状態の模式図、(B)はレジスターマークを基準にし
て打ち抜き穴を形成する状態を示す模式図、(C)は被
転写体に転写保護フィルムを張り付ける状態を示す模式
図である。
【図8】(A)は、本発明の請求項8に係る転写保護フ
ィルムの構成断面図であり、(B)は、偽造防止層とし
てOVD層を使用した場合の構成断面図である。
【図9】本発明の請求項9に係る転写保護フィルムの構
成断面図である。
【図10】基材に転写リボンで画像パターンを形成する
装置の概略図である。
【図11】基材に画像パターンを形成したカードの平面
図である。
【図12】レジスターマークを読み取る装置を説明する
概略図である。
【図13】中間転写保護フィルムで基材に転写する装置
を説明する概略図である。
【符号の説明】
1…支持体 2…保護層・第一保
護層 3…接着層 4…粘着層 5…第2保護層 6…転写層 7…打ち抜き穴 8…被転写体 9…レジスターマーク 10…偽造防止層 11…受像兼接着層 12…発光部 13…受光部 14…フォトセンサ
ー 15…レリーフ形成層 16…透過性薄膜層 17…打ち抜き刃 18…ヒートローラ
ー a…転写リボン b…カード基材 c…プラテンローラ d…サーマルヘッド e…画像パターン f…サーマルヘッド h…ローラ g…昇華転写リボン i…熱ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 AA07 AA08 AA10 AA26 AA27 AA32 AA52 BA02 BA04 BA09 BA11 BA53 BA71 BA75 BB12 4F100 AA20G AA37 AA37H AH02G AK01B AK15 AK15J AK22 AK22J AK23 AK41G AK42 AL01 AR00C AR00D AR00E AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CA07G CA13 CB00 DC11B DC11C DC11D EC04 EH46 EJ33 EJ55 GB71 GB90 JA04B JB01 JK06 JK09 JK09D JL00E JL11C JL12C JL14 JL14D YY00B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像データに基づき形成された顔写真や文
    字等の情報を保護するために付与する保護層を転写法に
    より設ける製造方法に係わり、支持体上に少なくとも保
    護層、接着層を順次積層して設けた転写層を形成した転
    写箔において、該保護層は、融点が100℃以上の透明
    な高分子プラスチックフィルムからなることを特徴とす
    る転写保護フィルム。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の転写保護フィルムにおい
    て、支持体上に0.5〜30g/m 2 の範囲内の重量で
    設けられた粘着剤により、転写層が保持されていること
    を特徴とする転写保護フィルム。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の転写保護フィルムにおい
    て、接着層とは反対の面の転写層表面に離型処理が施さ
    れており、支持体からの剥離を効果的に行い、かつ被転
    写体上に転写された後には第二の保護層として耐摩耗性
    を付与することを特徴とする転写保護フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1から3のにいずれか1項に記載の
    転写保護フィルムにおいて、打ち抜き穴が転写層を貫通
    して支持体の表面に達するような打ち抜きを施されてお
    り、該打ち抜き穴によって区画された転写層を被転写体
    に転写することを特徴とした転写保護フィルム。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の転写保護フィルムにおい
    て、打ち抜き穴によって区画された転写層の外形寸法
    は、被転写体よりも小さいことを特徴とする転写保護フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか1項に記載の転
    写保護フィルムにおいて、被転写体への位置合わせを行
    うために、支持体上の任意の位置に、転写部に対して所
    定の位置関係を有するレジスターマークを設けたことを
    特徴とする転写保護フィルム。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の転写保護フィルムにおい
    て、レジスターマークの情報を読み取り、打ち抜き加工
    の位置決めと、被転写体への転写位置合わせを、それぞ
    れ行うために、支持体の任意の位置にレジスターマーク
    を設けたことを特徴とする転写保護フィルム。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれか1項に記載の転
    写保護フィルムにおいて、該転写層の保護層と接着層間
    に、セキュリティ性を有する偽造防止層を少なくとも一
    層以上備えることを特徴とする転写保護フィルム。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれか1項に記載の転
    写保護フィルムにおいて、該転写層の接着層は、画像デ
    ータに基づいて画像を書き込むと共に、被転写体に対し
    て熱接着性を有する受像兼接着層であることを特徴とす
    る中間転写保護フィルム。
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