JP2000167444A

JP2000167444A - 丸吹きスプレーガン用アダプター

Info

Publication number: JP2000167444A
Application number: JP10351396A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Arai; 新井一男
Original assignee: Anest Iwata Corp
Current assignee: Anest Iwata Corp
Priority date: 1998-12-10
Filing date: 1998-12-10
Publication date: 2000-06-20
Anticipated expiration: 2018-12-10
Also published as: JP3357305B2

Abstract

(57)【要約】【課題】高粘度の材料、特に建築塗装分野における壁塗
料を吹き付けし、斑点状の模様塗装仕上げをする高粘度
材料吹付け用の丸吹きスプレーガンの略円形状噴霧パタ
ーンを、必要時のみ空気流で変形させるための着脱可能
なアダプターに関するもので、下塗り塗装・中塗り塗装
・上塗り塗装の塗装工程や塗料の種類等によって、必要
時に丸吹きパターンと平吹きパターンの使い分けが容易
に行える。【解決手段】丸吹き自動スプレーガンの塗料ノズルに同
心状に着脱可能に構成し、噴霧パターンを中心として対
向する噴出穴を形成して、略円形状の噴霧パターンを変
形させることにより、必要なときにのみ平吹きパターン
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は高粘度の材料、特に
建築塗装分野における壁塗料を吹き付けて外装仕上げを
する高粘度材料吹付け用の丸吹きスプレーガンの略円形
状噴霧パターンを空気流で変形させるための着脱可能な
アダプターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】建築塗装分野において建築塗材等の比較
的高粘度の材料を吹き付けるガンは、建築現場で建築中
の壁面等に直接吹き付けるための手持ち式の吹き付けガ
ンに対して、近年増加してきた工場生産される壁面ボー
ド等に工場ラインで自動塗装する自動式の吹き付けガン
がある。この自動吹き付けガンは自動塗装機に取り付け
られ、コンベア等で送られてくる壁面等に自動吹き付け
ガンを左右に移動させながら、連続的に高粘度の材料を
吹き付ける。自動吹き付けガンへの高粘度材料の供給は
ポンプで圧送され、高粘度材料の供給停止・吹き付け空
気の供給停止は自動制御装置によって制御される。

【０００３】この種の技術として、本出願人は特公昭５
２−４３０１６号や実公昭５３−３７４６８号におい
て、左官材料用吹付けガンの改良技術を出願している。
この霧化構造を持ったリシン・タイル塗装用の自動スプ
レーガンとして図−７の自動スプレーガンが多く使用さ
れている。ガン本体５０の中心部には先端部にエアーノ
ズル５４を螺設したエアーノズルパイプ５３が、空気ジ
ョイント５１からの作動空気で動作するピストン機構５
２によって前後に移動するように配設している。ガン本
体５０の先端部に袋ナット５６で挟設されている塗料ノ
ズル５５からエアーノズル５４が開離すると、図示しな
いポンプから送られる塗料が塗料ジョイント５７から流
れ込んで、塗料ノズル５５の中心穴５５ａから噴出す
る。同時に、空気ジョイント５８から吹き付け空気が供
給されるため、塗料ノズル５５の中心穴５５ａから噴出
する塗料が略円形状パターンに分散・噴霧される。塗装
物への吹き付け模様は主にエアーノズル５４からの吹き
付け空気の圧力と量によって調整され、高い圧力で均一
な塗面が、また比較的低い圧力では斑点状模様の塗面が
塗装物に吹き付けられる。

【０００４】また近年、建築分野では塗膜模様の多様化
が進んでおり、工場ラインでの自動塗装においても、壁
面ボードへの塗膜模様も多種になる傾向にある。このた
め、塗装条件も高粘度材料の種類や形成しようとする塗
膜模様に応じて種々変化させる必要がある。また、壁面
ボードも下地塗装・中塗り塗装・仕上げ塗装と複数の塗
装工程が必要であり、都度、塗装条件を変化させる必要
があるために、丸吹きパターンのノズル口径を８ｍｍ・
６ｍｍ・４ｍｍのように数種類準備されていて塗料や塗
装工程によって交換使用する。

【０００５】壁面ボードへの塗膜模様の種類に対する丸
吹きパターンと平吹きパターンの使い分けは、高粘度材
料の特性と仕上げ面の模様によって以下のように使い分
けされている。下地塗装では細かな骨材(砂等)を主体と
したベース塗料を平滑に均一に塗装する必要があって、
平吹きパターンが適している。このため、場合によって
は他の下塗り専用スプレーガンを使用することもある
が、スプレーガン自体を交換するには塗料供給系を停止
させ、セッティングをやり直す必要があって、ガンのみ
の交換ですまないといった問題を有していた。一方、中
塗り塗装・仕上げ塗装では凹凸状の模様塗装や２〜３色
の多色模様塗装が多く、塗料粘度が高くて骨材(砂・砂
利等)の粒子径も大きいため平吹きパターンでは、分散
と模様仕上がりがうまくできないため、丸吹きパターン
が使用されている。

【０００６】また、自動塗装では壁面ボードをコンベア
ー上に載せて搬送し、自動塗装機に取り付けた自動スプ
レーガンを壁面ボードに対して左右に動かせて平面塗装
する。この時、（１）塗り合わせと（２）オーバースプ
レーという問題が発生するが、この問題に対しては平吹
きパターンが適している。先ず、パターン同士の重ね合
わせについて図３で丸吹きパターンを使用した場合を説
明する。壁面ボード５９の移動に対して自動スプレーガ
ンを左右に動かせて平面塗装すると、パターン同士の重
ね合わせ程度によって塗り合わせの濃淡差が出やすく、
結果として塗膜面に縞模様が発生してしまう。丸吹きパ
ターンでは、パターンの端部の膜厚が急激に薄くなる膜
厚分布をしていて、図５（Ａ）のようにパターン同士の
重ね合わせが大きいと膜厚が部分的に厚くなりやすく、
また図５（Ｂ）のように逆にパターン同士の重ね合わせ
が少しでも離れると膜厚が部分的に薄くなりやすく、パ
ターン調整が難しい傾向にある。これに対して、図６で
平吹きパターンを使用した場合を説明すると、パターン
の中での膜厚分布がパターン端部では徐々に薄くなって
いるため、パターン同士の重ね合わせが多少ずれても、
膜厚が大きく変化しないため、パターンの塗り重ねが調
整し易い傾向にある。

【０００７】つぎに、オーバースプレーについて図３で
丸吹きパターンを使用した場合を説明すると、壁面ボー
ド５９の移動に対して自動スプレーガンを左右に動かせ
て平面塗装すると、丸吹きパターンは壁面ボード５９の
左右端部６０・６１を大きく越えて塗装する必要があっ
て、ほぼ丸吹きパターンの大きさ近く無駄な吹き付け
（オーバースプレー）が発生してしまう。これに対し
て、平吹きパターンを使用すると図４のように、平吹き
パターンは壁面ボード５９の左右端部６０・６１を越え
て塗装する割合は減少し、無駄な吹き付けも減少するた
め、この問題に対しても平吹きパターンが適している。

【０００８】以上のように、塗料の種類や塗装工程によ
って丸吹きパターンと平吹きパターンが使い分けされる
と同時に、自動塗装の効率面からは平吹きパターンの使
用が適していることから、丸吹きパターンと平吹きパタ
ーンが容易に切り替えできる自動塗装スプレーガンが求
められいる。ところが、このリシン・タイル塗装用のス
プレーガンにおいては、高粘度の塗材を塗料ノズルの後
方より圧縮空気の力で分散・噴霧させるため、塗料弁を
兼ねた空気ノズルパイプを中心部に配置している。この
ために、一般的な平吹き用スプレーガンと異なり、平吹
きが可能な圧縮空気流路を構成するには、装置の複雑化
・大型化がさけられない問題を有している。さらに、平
吹きパターン形成用の補助空気を噴出するために角空気
吐出部をノズルに突きだして構成すると、丸吹きパター
ンの時にノズル出口から噴出した塗料粒子が角空気吐出
部に付着して、角空気吐出部の空気穴を塞いでしまう問
題もある。

【０００９】また、自動塗装においては単純な平板だけ
でなく、多種形状の建築部材を従来の手動塗装から自動
塗装に切替する要望もあって、縦形状の平吹きパターン
や横形状の平吹きパターンといったように、吹き付けパ
ターンを自由に変化させられることも求められていた。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】丸吹きパターン用に構
成されているリシン・タイル塗装用の自動スプレーガン
において、下地塗装のように細かな骨材(砂等)を主体と
したベース塗料を平滑に均一に、しかもオーバースプレ
ー量を少なく塗装するために、平吹きパターンに容易に
切替可能な構成を提供することを課題としている。さら
には、多種形状の建築部材に対応も可能なパターン切替
が可能な構成を提供することを課題としている。

【００１１】

【課題を解決しようとする手段】本発明は、塗料を塗料
ノズルに供給し、その後部中心に配した空気ノズル口よ
り第一の圧縮空気を噴出して混合噴霧する内部混合式ス
プレーガンにおいて、塗料ノズルからの噴霧塗料に第２
の圧縮空気流を噴射衝突させて噴霧パターンを変形させ
る圧縮空気の噴出穴を設け、前記塗料ノズルの先端部に
着脱可能に取り付けられたスプレーガン用アダプターを
利用する。また、塗料ノズルの先端部に前後移動して固
定可能に取り付けられたスプレーガン用アダプターであ
る。さらに、スプレーガン用アダプターに噴霧パターン
を変形させる圧縮空気の噴出穴を複数個設け、それぞれ
の噴出口に圧縮空気を制御可能に接続した。

【００１２】

【発明の実施形態】本発明の実施の形態を図面に基づい
て詳細に説明する。図１はリシン・タイル塗装用の丸吹
き自動スプレーガンにアダプターを取り付けた図で、図
１（Ａ）はアダプターの正面図であり、図１（Ｂ）は図
１（Ａ）のＡ−Ｏ−Ｂ断面図で丸吹き自動スプレーガン
にアダプターを取り付けた状態の断面説明図である。ガ
ン本体１の先端部には塗料ノズル２が螺設されていて、
塗料ノズル２の中心部には円形のノズル穴３が明いてい
る。ガン本体１の中心部に空気ノズルパイプ４が配設さ
れ、空気ノズルパイプ４の先端には空気ノズル５が螺設
され、空気ノズルパイプ４の後端には中間ジョイント７
・ピストン８が螺設されている。中間ジョイント７には
オーリング７ａが環装され、接続ジョイント１０の内周
に対して気密に摺動可能となっている。そして、空気ノ
ズルパイプ４の中間部には塗料室１２からの塗料洩れを
防ぐための塗料パッキン１３が配設され、また、ピスト
ン室前６ａからの空気漏れを防ぐための空気パッキン１
４が配設されていて、空気ノズルパイプ４は塗料洩れと
空気漏れを防ぎながら前後に移動可能となっている。

【００１３】スプレー停止時にはピストン室後６ｂのバ
ネ１６の弾発力をピストン８・空気ノズルパイプ４を介
して受け、空気ノズル５が塗料ノズル２に当接してい
る。スプレーを開始するために空気ジョイント１５から
ピストン作動空気として圧縮空気が供給されると、ピス
トンシール９が環装されているピストン８がバネ１６に
抗して、ガン本体１の後端側へ移動し、塗料ノズル２に
対して当接している空気ノズル５が塗料ノズル２から開
離する。この結果、図示しないポンプからの塗料が塗料
ジョイント２３から供給されると、塗料は塗料室１２を
通ってノズル穴３から吐出する。この時、ジョイント１
１から吹き付け空気が供給され、接続ジョイント１０・
中間ジョイント７・空気ノズルパイプ４を経て空気ノズ
ル５から噴出する。この圧縮空気は塗料塗料ノズル２か
ら吐出する塗料を分散・噴霧して、塗料を塗装物に略円
形状のパターンで吹き付ける。

【００１４】本発明に係わるアダプター１７は、塗料塗
料ノズル２の外周に同心状に環装され、固定用のネジ２
２によって固定できるので、容易に着脱できる。アダプ
ター１７には略円形状のパターンを挟むように対向する
空気穴１９が明けられている角１８が形成されている。
パターン空気は図示しない空気源・電磁弁からジョイン
ト２１へ供給され、空気通路２０を経て空気穴１９から
噴出し、塗料の略円形状のパターンを楕円形に変形させ
ることができる。ポンプの駆動と停止・ピストン作動空
気の供給と供給停止・吹き付け空気の供給と供給停止お
よびパターン空気の供給と供給停止は、図示しない制御
装置によって制御される。

【００１５】この結果、下地塗装で細かな骨材(砂等)を
主体としたベース塗料を平滑で均一に塗装する場合に
は、アダプター１７を塗料塗料ノズル２の外周に取り付
けして平吹きパターンで塗装する。また、中塗り塗装・
仕上げ塗装で凹凸状の模様塗装や２〜３色の多色模様塗
装する場合には、塗料粘度が高くて骨材(砂・砂利等)の
粒子径も大きいため平吹きパターンでは、分散と模様仕
上がりがうまくできないことと、アダプター１７を塗料
塗料ノズル２の外周に取り付けしたままではアダプター
１７の空気穴１９に噴出した塗料が付着してしまうた
め、アダプター１７を取り外して丸吹きパターンで塗装
することができる。

【００１６】アダプター１７は固定位置を塗料ノズル２
の外周に沿って前後にスライドさせて固定できるため、
平吹き用の空気穴の位置を前後に調整可能であり、分散
・噴霧した塗材に衝突させる位置の変化によって吹き付
け模様にさらに多くの変化を持たせることも可能であ
り、さらに吹き付け空気圧力の変化を組み合わせること
で、より多くの変化が可能である。図−１ではアダプタ
ー１７を塗料ノズル２の外周に取り付けているが、図−
７のように塗料ノズル５５を袋ナット５６で挟設した場
合には、アダプター１７を袋ナット５６に前後移動可能
に取り付けしても良い。また、図２のようにアダプター
１７に複数個の角１８ａ・１８ｂ・１８ｃ・１８ｄを形
成し、それぞれへの圧縮空気を制御可能に接続し、制御
を組み合わせることによって、噴霧パターンを横形状の
平吹きパターン・縦形状の平吹きパターンあるいは斜め
方向へ偏向させたりすることも可能で、塗装物の形状に
対応した噴霧や噴霧パターンに特徴を持たせた噴霧が可
能となる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載されるような効果を奏する。下塗
り塗装・中塗り塗装・上塗り塗装の各塗装段階や塗料の
種類等による、平吹きパターン塗装と丸吹きパターン塗
装の切り替えや吹き付け模様の変化・調整がアダプター
１７の使用のみで広範囲に適用できるので、平吹き用と
丸吹き用の多種類のスプレーガンを準備したり、平吹き
用空気キャップと丸吹き用空気キャップを兼用して塗料
が付着してしまうような問題が解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】リシン・タイル塗装用の丸吹き自動スプレー
ガンにアダプターを取り付けた図で、（Ａ）はアダプタ
ーの正面図であり、（Ｂ）は丸吹き自動スプレーガンに
アダプターを取り付けた状態の断面図である。

【図２】アダプターの他の形態で複数個の角を形成し
たアダプターの正面図である。

【図３】丸吹きパターンが移動して塗装物への塗膜形
成する状態を説明する図。

【図４】平吹きパターンが移動して塗装物への塗膜形
成する状態を説明する図。

【図５】丸吹きパターンの塗膜形成状態を説明する
図。（Ａ）はパターン同士の重ね合わせが大きい場合の
塗膜の断面図で、（Ｂ）はパターン同士の重ね合わせが
小さい場合の塗膜の断面図である。

【図６】平吹きパターンの塗膜形成状態を説明する図
で、パターン同士の重ね合わせが適切な場合の塗膜の断
面図である。

【図７】アダプターを装着していない丸吹き自動スプ
レーガンの断面構造図。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】塗料を塗料ノズルに供給し、その後部中心
に配した空気ノズル口より第一の圧縮空気を噴出して混
合噴霧する内部混合式スプレーガンにおいて、塗料ノズ
ルからの噴霧塗料に第２の圧縮空気流を噴射衝突させて
噴霧パターンを変形させる圧縮空気の噴出穴を設け、前
記塗料ノズルの先端部に着脱可能に取り付けられた丸吹
きスプレーガン用アダプター。
【請求項２】塗料ノズルの先端部に前後に移動して固定
可能に取り付けられた請求項１のスプレーガン用アダプ
ター。
【請求項３】噴霧パターンを変形させる圧縮空気の噴出
穴を複数個設け、それぞれの噴出口に圧縮空気を制御可
能に接続した請求項１のスプレーガン用アダプター。