JP2000167406A - 有機ハロゲン化合物除去剤および該除去剤を用いた排ガスの処理方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物除去剤および該除去剤を用いた排ガスの処理方法

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JP2000167406A
JP2000167406A JP10311126A JP31112698A JP2000167406A JP 2000167406 A JP2000167406 A JP 2000167406A JP 10311126 A JP10311126 A JP 10311126A JP 31112698 A JP31112698 A JP 31112698A JP 2000167406 A JP2000167406 A JP 2000167406A
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oxide
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Yuji Horii
雄二 堀井
Toshinori Inoue
聡則 井上
Takeshi Yamashita
岳史 山下
Yoshiyuki Tomiyama
好行 冨山
Satoshi Teshigahara
聡志 勅使川原
Hidetaka Shibano
秀孝 柴野
Minoru Takachi
穂 高地
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Kobe Steel Ltd
Sued Chemie Catalysts Japan Inc
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Kobe Steel Ltd
Sued Chemie Nissan Catalysts Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温域においても、排ガス中に含まれるダイ
オキシン類等の有機ハロゲン化合物を効率よく酸化分解
して除去することができ、更には窒素酸化物も効率的に
還元分解し得る除去剤を提供する。 【解決手段】 Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn−
Fe複合酸化物を含有するダイオキシン類除去剤、又は
Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn−Fe複合酸化物
とRu化合物を含有する有機ハロゲン化合物除去剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ、産業廃
棄物、下水汚泥等を焼却する焼却炉や金属溶解炉等から
発生する排ガス中の有機ハロゲン化合物を酸化分解でき
る触媒又は吸着剤(本発明では、この様な作用を有する
触媒又は吸着剤を単に「除去剤」と呼ぶ)に関する。詳
細には、PCDDs(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン
類)やPCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン類)等に代
表されるダイオキシン類;前記ダイオキシン類において
塩素の代わりに臭素を含むダイオキシン類;コプラナー
PCBを含むPCBs(ポリ塩化ビフェニル類)やCB
(クロロベンゼン)等の有機ハロゲン化合物を酸化分解
できる除去剤に関するものである。本発明の除去剤を用
いて上記有機ハロゲン化合物含有排ガスを処理するに当
たり、排ガス中に予めアンモニアを添加しておけば、更
に窒素酸化物をも分解除去し得る点で極めて有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】排ガス中に含まれるダイオキシン類等の
有機ハロゲン化合物や窒素酸化物を除去するため、種々
の触媒および該触媒を用いた分解除去法が提案されてい
る。
【0003】特表平4−503772には、排ガス中
の不完全燃焼の有機生成物および窒素酸化物を除去する
触媒として、酸化チタン型、酸化鉄型若しくはゼオライ
ト型のデノックス触媒を開示すると共に、この触媒を用
いて150〜500℃で排ガスを処理する方法が開示さ
れている。この触媒には、W,V,Moの各種酸化物を
添加することが可能であり、TiO2 :70〜80%,
WO3 :2〜10%,V25 :0.5〜3%,MoO
3 :0〜4%とすることが好ましい旨記載されている。
【0004】特開平2−280816には、酸化鉄触
媒、若しくは酸化マンガン及び/又は酸化クロムを含む
酸化鉄触媒により芳香族ハロゲン化合物を300〜70
0℃で分解除去する方法が開示されている。この触媒に
は、V,Sn,Co,W,Ni,Mo,稀土類等の元素
又はこれらの化合物を添加することが好ましい旨記載さ
れている。
【0005】特許第2609393には、Ti,S
i,Zr,Al,Vより選択される元素を含み、且つV
を必須的に1〜20%含む単独又は複合多元系酸化物群
の少なくとも1種と、Pt,Pd,Ru,Mn,Cu,
Cr,Feより選択される少なくとも1種の金属又はそ
の酸化物を含有する触媒;更にMo,Sn,Ce,W,
Rhよりなる選択される少なくとも1種の金属又はその
酸化物を含有する触媒(例えば、TiO2 +SiO2
ZrO2 +Al23 :88%,V25 :5%,Pt
+Pd:0.5%,MoO3 :5%を含む)が開示され
ており、この様な触媒を用い、150〜450℃で排ガ
ス中の窒素酸化物および有機ハロゲン化合物を同時に分
解除去する方法が記載されている。
【0006】特開平7−75720には、Ti酸化物
及び/又はSi酸化物と、W酸化物及び/又はV酸化物
とからなる触媒;更にPt,Pd,Ru及びRhより選
択される少なくとも1種を含む触媒(例えばTiO2
73%,V25 :5%,WO3 :5%,Pd:0.5
%からなる触媒)が開示されており、この様な触媒を用
い、200〜249℃の温度でアンモニア添加排ガスと
接触させることにより、窒素酸化物及びダイオキシン類
等の有機ハロゲン化合物を分解除去する方法が記載され
ている。
【0007】特開平5−301022には、ダイオキ
シン類を吸着した活性炭や活性コークスを、酸素濃度1
%以下において350℃以上に加熱すると、その触媒活
性によりダイオキシン類が分解される旨開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
〜の各除去触媒や除去方法は夫々以下に示す問題点を
抱えている。
【0009】まず、の方法では、不完全燃焼有機生成
物を酸化分解するための好ましい温度は300〜500
℃であるのに対し、窒素酸化物を還元除去するための好
ましい温度は150〜300℃と相違する。従って、両
者を同時に効率良く除去し得る最適温度領域は約300
℃付近となる。排ガス中のダスト除去にはバグフィルタ
ーが汎用されているが、このバグフィルターから排出さ
れるガスは一般に150〜180℃程度の低温ガスであ
る。従って、この様な低温ガスをの触媒で処理するに
は新たに300℃付近まで再加熱することが必要であり
不経済であると共に、再加熱に伴ってダイオキシン類の
再合成が起こってしまい、全体の除去効率が著しく低下
する。
【0010】の触媒においても、と同様、300℃
以上で有機ハロゲン化合物を除去する必要があるため、
全体の除去効率が著しく低下するという問題がある。
【0011】の触媒は、の触媒に比べれば比較的
低温で有機ハロゲン化合物及び窒素酸化物を同時に除去
できるが、200℃以下における除去活性は十分ではな
く、150〜180℃のバグフィルター排ガスに適用す
る触媒としては不十分である。そのため、この低温領域
で使用するに当たっては、触媒充填量を著しく多くする
必要があり、非経済的である。
【0012】の触媒も、と同様、バグフィルター排
ガスに適用するには触媒活性が不十分である。
【0013】は、ダイオキシン類分解の触媒活性に乏
しい活性炭や活性コークスにダイオキシン類を吸着させ
た後、分解活性能を発揮し得る350℃以上の高温に加
熱して分解除去しようとする方法であるが、不活性ガス
の供給設備を新たに必要とする他、火災事故を招く恐れ
がある等の危険性を秘めている。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、バグフィルター排ガスに適用す
る低温域(150〜180℃付近)においても、焼却炉
等から排出されるガス中に含まれるダイオキシン類等の
有機ハロゲン化合物を効率よく酸化分解して除去するこ
とができ、更には窒素酸化物も効率的に還元分解し得る
新規な除去剤;及びこれを用いて有機ハロゲン化合物等
を効率よく分解除去する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明のダイオキシン類除去剤は、(i)Mn
−Cu複合酸化物及び/又はMn−Fe複合酸化物を含
有するところに要旨を有する。上記除去剤において、更
に(ii)4A族元素,5A族元素,6A族元素,Fe族
元素(複合酸化物中にFeを含有する場合はFeを除
く),1B族元素の塩又は酸化物;及びRu化合物より
なる群から選択される少なくとも一種を含有するものは
本発明の好ましい態様である。
【0016】また、上記課題を解決することのできた本
発明の有機ハロゲン化合物除去剤は、(i)Mn−Cu
複合酸化物及び/又はMn−Fe複合酸化物と、(ii
a)Ru化合物を含有するところに要旨を有する。上記
除去剤において、更に(iib)4A族元素,5A族元
素,6A族元素,Fe族元素(複合酸化物中にFeを含
有する場合はFeを除く),及び1B族元素よりなる群
から選択される少なくとも1種の塩及び/又は酸化物を
含有するものは本発明の好ましい態様である。尚、上記
(iia)は、上記(ii)で特定する成分のうちRu化合
物のみを意味し、また、上記(iib )には、Ru化合物
を除く(ii)の成分を意味する。具体的には、4A族元
素(Ti,Zr等)、5A族元素(V,Nb,Ta)、
6A族元素(Cr,Mo,W);Fe族元素(Fe,C
o,Ni;但し、複合酸化物中にFeを含有する場合は
Feを除く)、1B族元素(Cu,Ag,Au)が挙げ
られる。
【0017】また、本発明の除去剤において、(iii )
Al,Si及びTiよりなる群から選択される少なくと
も1種の酸化物及び/又は水酸化物を含有するものも好
ましい態様である。
【0018】この様に本発明の除去剤は、排ガス中の有
機ハロゲン化合物を効率よく酸化分解し得るものである
が、詳細には、除去対象となる有機ハロゲン化合物の種
類によって、構成要件が若干相違する。即ち、ダイオキ
シン類を含め有機ハロゲン化合物一般を除去対象にした
場合には、上記(i)および(iia)(即ちRu化合
物)を必須的に含み、好ましくは上記(iib)及び/又
は(iii )を含む除去剤を用れば良く、一方、上記有機
ハロゲン化合物のなかでも特にダイオキシン類を除去対
象にする場合は、上記(i)のみを必須的に含み、好ま
しくは上記(ii)及び/又は(iii )を含む除去剤を用
いれば良い、といった選択性を有するものである。
【0019】この様な本発明の除去剤は、有機ハロゲン
系化合物を酸化分解する触媒活性を有すると同時に、触
媒活性の低下する低温領域では、有機ハロゲン系化合物
を吸着する吸着剤として使用できる点で極めて有用であ
る。
【0020】ここで、Ru化合物が、ルテニウム酸塩
(好ましくは、ルテニウム酸カリウム又はルテニウム酸
ナトリウム)、Ruのハロゲン化物(好ましくは塩化ル
テニウム)、硝酸ルテニウム、および亜硫酸ルテニウム
よりなる群から選択される少なくとも1種であるもの;
除去剤中に占めるRu化合物の比率が、Ru金属換算で
0.1%(質量%、以下同じ)以上であるもの;Mn−
Cu複合酸化物における[Mn/(Mn+Cu)]の質
量比が0.2〜0.9、Mn−Fe複合酸化物における
[Mn/(Mn+Fe)]の質量比が0.1〜0.8で
あるものは、いずれも本発明の好ましい態様である。
【0021】本発明の除去剤は上記成分を基本的に含有
するものであるが、更に、(iv)アルカリ金属化合物及
び/又は(v)Sn化合物を含有することにより有機ハ
ロゲン化合物の酸化分解触媒作用又は吸着作用を更に高
めることができる。
【0022】ここで、アルカリ金属化合物が、アルカリ
金属の水酸化物、酸化物、および炭酸塩よりなる群から
選択される少なくとも1種であり、Sn化合物が塩化第
一スズ及び/又は塩化第二スズであるもの;除去剤中に
占めるアルカリ金属化合物の比率が、アルカリ金属換算
で0.10〜5%であり、Sn化合物がSn金属換算で
0.10%以上であるものは本発明の好ましい態様であ
る。
【0023】また、上記課題を解決することのできた本
発明の方法とは、上述した本発明除去剤を用いて排ガス
中の有機ハロゲン化合物を酸化分解するに当たり、反応
温度を130〜300℃とするところに要旨を有するも
のである。
【0024】尚、排ガス中に予めアンモニアを添加して
おけば、有機ハロゲン化合物の酸化分解除去に加えて、
更に窒素酸化物を還元分解できる点で有効である。
【0025】また、排ガスが130℃未満の場合は、こ
の排ガスを上記の本発明除去剤に通過させた後、130
〜300℃に加熱することにより有機ハロゲン化合物を
酸化分解することができる。
【0026】また、本発明において、Al,Si及びT
iよりなる群から選択される少なくとも1種の酸化物及
び/又は水酸化物を含有する除去剤を製造するに当たっ
ては、Al,Si及びTiよりなる群から選択される少
なくとも1種の酸化物及び/又は水酸化物を含有するコ
ロイド水溶液中で、Mn−Cu複合酸化物及び/又はM
n−Fe複合酸化物を発生させることが必要である。上
記方法を採用して得られる除去剤は該複合酸化物の分散
性が高まり、除去能が著しく向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来提案されてい
る有機ハロゲン化合物分解触媒は、いずれも少なくとも
200℃以上の温度域で実用的な活性を発揮するもので
あって、バグフィルターから排出される低温域(150
〜180℃付近)の排ガスを処理するためには新たに再
加熱する必要があり、ダイオキシン類等の再合成を招く
という問題に鑑み、この様な低温域においても優れた活
性を有する除去剤を提供すべく鋭意検討した。その結
果、ダイオキシン類を含め有機ハロゲン化合物一般を除
去するには、(i) Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn
−Fe複合酸化物(以下、Mn系複合酸化物と呼ぶ場合
がある)と、(ii a) Ru化合物の二成分を担持させる
ことにより所期の目的を達成し得ること;有機ハロゲン
化合物のなかでも特にダイオキシン類を除去するには、
(i) Mn系複合酸化物のみを担持させるだけで所期の目
的を達成し得ること;更に(iib)4A族元素,5A族
元素,6A族元素,Fe族元素(複合酸化物中にFeを
含有する場合はFeを除く),及び1B族元素よりなる
群から選択される少なくとも1種の塩及び/又は酸化
物、及び/又は(iii )Al,Si及びTiよりなる群
から選択される少なくとも1種の酸化物及び/又は水酸
化物を担持させれば、より優れた除去活性が得られるこ
とを見出し、本発明を完成したのである。上述した
(i)〜(ii)の各成分は、単独でも酸化作用を有して
いる。
【0028】このうち上記( i) のMn系複合酸化物
は、夫々MnとCu及び/又はMnとFeという適切な
組合わせからなる複合酸化物である為、該酸化物中の酸
素原子が移動し易くなり、その結果、該酸素原子を相手
化合物(本発明ではダイオキシン類等の有機ハロゲン化
合物)へ供与し易くなると共に、空気中の酸素分子内の
酸素原子を当該複合酸化物へ補充し易くするという両方
の効果が得られる。その結果、有機ハロゲン化合物の酸
化分解触媒能・吸着能が持続的に著しく向上すると考え
られる。尚、上記(i)のMn系複合酸化物は、単独で
使用したとしても、ダイオキシン類に対して酸化分解作
用を発揮することができる。これは、ダイオキシン類以
外の他の有機ハロゲン化合物に対しては見られない作用
であり、その理由は詳細には不明であるが、以下の様に
考えられる。前述した通り、上記(i)のMn系複合酸
化物は、「酸化」を主たる触媒機能として有している
が、この「酸化」は電子密度の高い芳香族炭素に対して
起こり易い(求電子酸化反応)。一方、本発明の除去対
象である有機ハロゲン化合物は、電子吸引性の塩素原子
に吸引されるため、芳香族炭素上の電子密度が低下し、
上記求電子酸化反応が通常の芳香族炭素に比べ起こり難
い。これに対し、ダイオキシン類は有機塩素化合物の一
種であるが、分子内に電子供与性の酸素原子を有する
為、前記ダイオキシン類と塩素置換数が同じで且つ酸素
を含まない有機ハロゲン化合物に比べて電子密度が高く
なり、酸化分解をやや受け易い(即ち、求電子酸化反応
が起こり易い)。本発明において、上記(i)のMn系
複合酸化物のみを用いたとしてもダイオキシン類に対し
て酸化分解作用を発揮するのは、以上の理由によると考
えられる。
【0029】次に、上記(ii a) のRuも多くの酸化状
態を有し、酸化触媒能を発揮すると共に、炭素−炭素結
合を解裂させる能力も備えている。ダイオキシン類を含
め有機ハロゲン化合物一般を除去対象とする場合は、上
記(i)のMn系複合酸化物と、該(iia)のRu化合
物の二成分を必須的に含有することが必要であり、両者
を組合わせることによって始めて優れた酸化分解作用を
発揮することができる。
【0030】更に、(ii b) の成分、即ち、4A族元素
(Ti,Zr等)、5A族元素(V,Nb,Ta)、6
A族元素(Cr,Mo,W)、Fe族元素(Fe,C
o,Ni;但し、複合酸化物中にFeを含有する場合は
Feを除く)、1B族元素(Cu,Ag,Au)の塩又
は酸化物も酸化触媒能を有することが知られている。
【0031】このうちCr, Co, Cuの各酸化物は酸
素吸着性や炭化水素類の酸化活性が高いことが知られて
いる。また、Ni,Snの各酸化物は、酸素吸着性はや
や低いものの、炭化水素類の酸化活性は上記Cr等の酸
化物と同様高いことが知られている。更に、Mo,N
b,Wの各酸化物は、それら自体の酸素吸着性や酸化活
性は低いものの、担持によって基質の活性を高める作用
がある。一方、V酸化物は、脂肪族炭化水素に対しては
一般に水、一酸化炭素、二酸化炭素にまで完全に酸化す
るのに対し、芳香族化合物(ダイオキシン類等の構造も
含む)に対しては完全には酸化せず、部分的な酸化活性
しか有しておらない。然るに、このV酸化物を上記
(i)のMn系複合酸化物と組合わせたものを使用すれ
ば、ダイオキシン類に対して優れた酸化分解作用を発揮
すること;更にダイオキシン類を含め有機ハロゲン化合
物一般を除去対象とする場合には、上記(i)のMn系
複合酸化物と上記(iia)のRu化合物を組合わせたも
のに、このV酸化物を使用すれば、一層優れた酸化分解
作用が得られることが分かった。
【0032】この様に本発明では、上記元素の塩又は酸
化物による酸化分解作用をうまく利用することにより、
非常に優れた有機ハロゲン化合物除去( 酸化分解) 活性
を実現し得たものである。
【0033】本発明の除去剤は、基本的には上記(i)
のMn系複合酸化物によるダイオキシン類に対する優れ
た酸化分解作用を見出したところに技術的意義を有して
おり;ダイオキシン類を除く他の有機ハロゲン化合物に
対しては、上記(i)のMn系複合酸化物のみでは不充
分な活性しか得られなかったところを、上記(iia)の
Ru化合物と組合わせることによって、良好な酸化分解
活性を具備し得ることを見出した点;更に、より優れた
酸化分解活性を発揮させる為には、ダイオキシン類に対
しては上記(i)に加え、上記(ii)及び/又は(iii
)の成分を組合わせた構成とし、一方、ダイオキシン
類を含めた有機ハロゲン化合物一般に対しては、上記
(i)と(iia)の二成分系に上記(iib)及び/又は
(iii )の成分を組合わせた構成とすることが有効であ
ることを見出した点に特徴を有するものであり、この様
な構成とすることにより、従来剤では達成し得なかった
低温活性を高度に発揮し得る点に最重要ポイントが存在
する。以下、本発明を構成する各成分について説明す
る。
【0034】(i) Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn
−Fe複合酸化物(Mn系複合酸化物) 本発明では、複合酸化物として上記Mn−Cu複合酸化
物及び/又はMn−Fe複合酸化物を使用するものであ
り、この様なMn系複合酸化物を使用することにより有
機ハロゲン化合物の酸化分解触媒能・吸着能を持続的に
著しく向上させることができる。本発明における複合酸
化物とは、2種の金属酸化物の粉末若しくはスラリーを
機械的に混合して得られるものの如き単純な混合物では
なく、酸素原子を介して両金属の結合が形成された別種
の酸化物である。この様な複合酸化物は、例えば2種の
金属の塩を溶解した水溶液にアルカリを加えて両金属の
水酸化物が分子スケールで混合された沈殿を含むスラリ
ーに、更に酸化剤を加えることによって得られる。
【0035】ここで、Mn−Cu複合酸化物における
[Mn/(Mn+Cu)]の質量比は0.2〜0.9と
することが好ましい。0.2未満ではMn量が不足し、
Mn単独の酸化物を使用した場合に比べて有機ハロゲン
化合物の除去能が劣ることになる。より好ましくは0.
4以上である。但し、上記質量比が0.9を超えるとM
n−Cu複合酸化物による作用が有効に発揮されなくな
り、除去性能が低下する恐れがある。
【0036】一方、Mn−Fe複合酸化物における[M
n/(Mn+Fe)]の質量比は0.1〜0.8とする
ことが好ましい。0.1未満ではMn量が不足し、Mn
単独の酸化物を使用した場合に比べて有機ハロゲン化合
物の除去能が劣ることになる。より好ましくは0.3以
上である。但し、上記質量比が0.8を超えるとMn−
Fe複合酸化物による作用が有効に発揮されなくなり、
除去性能が低下する恐れがある。より好ましくは0.7
以下である。
【0037】(ii a) Ru化合物 本発明に使用されるRu化合物としては、例えばルテニ
ウム酸塩(例えばルテニウム酸カリウム、ルテニウム酸
ナトリウム等)、ルテニウムのハロゲン化物(塩化ルテ
ニウム等)、硝酸ルテニウム、亜硫酸ルテニウム等が好
ましく、これらは単独で使用しても良いし、2種以上を
併用しても構わない。尚、これらのルテニウム化合物を
ルテニウム系活性種と呼ぶ場合がある。これ以外の形
態、例えばRu金属自体やRu酸化物では所望の効果が
得られず、有機ハロゲン化合物の除去能に乏しい。
【0038】本発明の除去剤中に占める上記Ru化合物
の比率は、Ru金属換算で0.1%以上とすることが好
ましい。0.1%未満では上記作用が不十分である。よ
り好ましくは0.3%以上である。但し、2%を超えて
過剰に添加しても、有機ハロゲン化合物の除去能が殆ど
向上せず不経済である。除去性能と経済性を考慮すれば
1.5%以下とすることがより好ましい。
【0039】(iib)4A族元素,5A族元素,6A族
元素,Fe族元素(複合酸化物中にFeを含有する場合
はFeを除く),及び1B族元素よりなる群から選択さ
れる少なくとも1種の塩及び/又は酸化物 上記元素としては、4A族元素としてTi,Zr等(原
料コスト等を考慮すればTiの使用が推奨される);5
A族元素としてV,Nb,Ta(除去性能向上効果等を
考慮すればVの使用が推奨される);6A族元素として
Cr,Mo,W(廃棄の容易性等を考慮すればMo,W
の使用が推奨される);鉄族元素としてFe,Co,N
i;1B族元素としてCu,Ag,Au(原料コストや
除去能向上効果等を考慮すればCu,Agの使用が好ま
しく、より好ましいのはCuである)が挙げられる。
【0040】これら金属元素は、塩及び/又は酸化物の
形態で使用されることが推奨される。上記金属元素の塩
及び/又は酸化物は、酸化アルミニウムや酸化珪素など
の不活性担体に担持させても所望のダイオキシン類除去
効果は認められないが、本発明のMn系複合酸化物に担
持させれば、格段に優れた除去活性を発揮することを確
認している(後記する実施例を参照)。尚、担持後の触
媒製造工程および排ガス処理において、使用する金属塩
の種類や排ガス処理時の温度履歴によっては上記金属塩
が分解して金属酸化物に変化する場合もあるが、ダイオ
キシン除去能に及ぼす影響は少ない。
【0041】本発明の除去剤中に占める上記(iib)の
比率は、金属換算で0.1〜10%とすることが好まし
い。0.1%未満では酸化活性に乏しい。より好ましく
は0.5%以上である。一方、10%を超えて過剰に添
加しても除去性能の向上は認められない。より好ましく
は5%以下である。例えば、本発明除去剤中に占めるV
酸化物の好ましい比率は、V金属換算で0.5〜10%
である。
【0042】上記の金属塩及び/又は金属酸化物を本発
明除去剤に担持させるに当たっては、Mn系複合酸化物
を上記金属の硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の水溶液中に含
浸させた後、乾燥させて担持させる方法を採用すること
ができる。例えばV酸化物を使用する場合、前記Mn系
複合酸化物にメタバナジン酸アンモニウムを加え、酸化
雰囲気下で300℃以上(好ましくは350〜400
℃)に加熱する等の方法を採用することができる。
【0043】(iii )Al,Si及びTiよりなる群か
ら選択される少なくとも1種の酸化物及び/又は水酸化
物 本発明の除去剤による有機ハロゲン化合物除去活性は、
不活性担体上に上記Mn系複合酸化物の微小粒子を生成
・担持させ、比表面積を高めることによって更に向上す
るが、この不活性担体として、酸化アルミニウム,酸化
珪素,および酸化チタン;水酸化アルミニウム,水酸化
珪素,および水酸化チタンを単独若しくは2種以上併用
すれば、低コストでしかもMn系複合酸化物が高分散さ
れた触媒が容易に得られる為、非常に有用である。
【0044】ここで、酸化物の形態は単独酸化物、複合
酸化物のいずれも包含し得る。同様に水酸化物の形態
も、単独水酸化物、複合水酸化物のいずれも包含され、
或いは、上記酸化物と水酸化物の混合物(これらの複合
物も含む)であっても良い。
【0045】尚、本発明除去剤中に占める上記Al,S
i及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種の
酸化物及び/又は水酸化物の比率は、3〜70%である
ことが好ましい。3%未満では、所望の効果が得られな
いからである。より好ましくは5%以上である。但し、
70%を超えて添加しても、主たる成分であるMn系複
合酸化物濃度の低下により除去性能の低下を招く等の不
具合を有する為、その上限を70%とすることが好まし
い。より好ましくは60%以下である。
【0046】(iv)アルカリ金属化合物及び/又は
(v)Sn化合物 本発明の除去剤は上記成分を単独若しくは組合わせて含
有するものであるが、有機ハロゲン化合物の酸化分解触
媒作用又は吸着作用を一層向上させることを目的とし
て、更にアルカリ金属化合物及び/又はSn化合物を含
有することが推奨される。この様な化合物を添加すれ
ば、上記作用が向上するのみならず、長時間効果を持続
することができるので極めて有用である。
【0047】このうち、アルカリ金属化合物は、Mn系
複合酸化物中の酸素原子の移動を一層容易にし、有機ハ
ロゲン化合物の酸化分解活性を高める作用を有すると同
時に、排ガス中に共存するイオウ化合物(SOx)によ
りMn系複合酸化物が硫酸塩化されるのを抑制し、除去
剤の耐久性も高めることができるので非常に有用であ
る。
【0048】上記アルカリ金属化合物としては、アルカ
リ金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等が好ましく、これ
らは単独で使用しても良いし、或いは2種以上を併用し
ても構わない。アルカリ金属としてはカリウム又はナト
リウムの使用が推奨される。この様な例としては具体的
に、水酸化カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸
ナトリウム、酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0049】ここで、本発明の除去剤中に占めるアルカ
リ金属化合物の比率は、アルカリ金属換算で0.10〜
5%とすることが好ましい。0.10%未満では上記作
用を有効に発揮させることができない。より好ましくは
0.5%以上である。一方、5%を超えて過剰に添加し
ても効果が飽和してしまう他、逆に吸湿し易くなり、除
去性能に悪影響を及ぼす恐れがある。より好ましくは3
%以下である。
【0050】また、Sn化合物も上記アルカリ金属化合
物と同様、有機ハロゲン化合物の酸化分解活性を高める
作用を有すると共に、SOxによる被毒抑制効果も有し
ており、排ガス中にSO2 やSO3 等のイオウ化合物が
含まれている場合に極めて有用である。
【0051】上記Sn化合物としては塩化第一スズ、塩
化第二スズが好ましく、これらを単独で、或いは2種以
上併用することができる。
【0052】また、本発明の除去剤中に占めるSn化合
物の比率は、Sn金属換算で0.10%以上とすること
が好ましい。0.10%未満では上記作用に乏しい。よ
り好ましくは0.3%以上である。一方、5%を超えて
添加しても上記効果は飽和してしまう。より好ましくは
2%以下である。
【0053】上記アルカリ金属化合物及びSn化合物
は、夫々単独で使用しても良いし、或いは2種以上を併
用しても構わない。
【0054】本発明の除去剤の形状は特に限定されず、
球状粒子、円柱状粒子、ハニカム状等とすることが可能
であり、使用目的等に応じて適宜選択すればよい。各形
状へ成型するに当たっては、前述の方法などによりMn
−Cu若しくはMn−Fe複合酸化物を調製した後であ
ればいずれの段階で行っても良いが、Ru化合物は高価
な為Mn系複合酸化物よりなる成形体の表面近傍に担持
させることが好ましいことを考慮すれば、Ru化合物を
担持する前に成型処理することが推奨される。また、R
u化合物を担持した後は、Ruが酸化し易くなる高温域
(約300℃以上)へは熱処理しない様、成型方法に留
意することにより、有機ハロゲン化合物除去能を一層高
めることができる。
【0055】次に、本発明の除去剤を用いて排ガス中の
有機ハロゲン化合物を酸化分解する方法について説明す
る。
【0056】前述した様に本発明の除去剤は、使用時に
おける反応温度によって、有機ハロゲン化合物の酸化分
解触媒としても適用できるし、或いは有機ハロゲン化合
物の吸着剤としても適用することができる。
【0057】このうち酸化分解触媒として使用するに
は、所望の触媒活性を得る為に反応温度を130〜30
0℃とすることが必要である。具体的には、130〜3
00℃に調節した有機ハロゲン化合物含有排ガスを本発
明除去剤に通過させる。130℃未満では十分な酸化分
解活性が得られない。好ましくは150℃以上である。
一方、300℃を超えると加熱により触媒活性が劣化
し、触媒寿命が短くなると共に、この様な高温になる
と、前述したダイオキシン類の再合成反応が顕著にな
り、除去効果が著しく損なわれてしまう。好ましくは2
50℃以下である。
【0058】ここで、排ガス中に予めアンモニアを添加
しておけば、更に窒素酸化物も還元分解し、除去でき
る。この様なアンモニア添加による窒素酸化物分解能
も、本発明の構成を採用することにより、Mn系複合酸
化物のみからなるものに比べて顕著に高まることが確認
されており、従来の酸化チタンを主成分とする脱硝触媒
に比べ、優れた低温活性が得られている。
【0059】ここで、アンモニアの添加量は、窒素酸化
物との反応における化学量論量以下とすることが好まし
く、実質的にNH3 /NOx比(物質量比)で1以下と
することが推奨される。この比が1を超えると、余剰の
アンモニアがそのまま系外へ放出されたり、その一部が
窒素酸化物に再度酸化される等の問題がある。
【0060】尚、アンモニアを添加し、有機ハロゲン化
合物と窒素酸化物を同時に処理する場合においても、反
応温度は130〜300℃とすることが必要であり、具
体的には、排ガス中にアンモニアを加えて130〜30
0℃に調節した後、該排ガスを本発明触媒に通過させ
る。130℃未満では、十分な還元活性が得られない。
好ましくは150℃以上である。一方、300℃を超え
ると排ガス中の酸素がアンモニアを酸化し、窒素酸化物
除去能が著しく低下してしまう。好ましくは250℃以
下である。
【0061】上記の態様は、本発明の除去剤を触媒とし
て適用する例であるが、触媒活性が低下する温度(即
ち、130℃未満)では、有機ハロゲン化合物の吸着剤
として使用することができる。即ち、130℃未満の排
ガスを本発明の除去剤に通過させた後、130〜300
℃に加熱することにより有機ハロゲン化合物を酸化分解
することができる。130℃未満の温度で本発明除去剤
に吸着された有機ハロゲン化合物は、所定時間経過後、
130〜300℃に加熱することによって酸化分解除去
される。この吸着能は温度(吸着温度)が低くなる程強
くなることから、該温度は、排ガス中に含まれる水分が
本発明除去剤の表面に吸着して触媒活性が失活してしま
わない範囲でできるだけ低くすることが好ましく、10
0℃以下(より好ましくは80℃以下)にすることが推
奨される。尚、温度を130℃未満から、触媒活性の得
られる温度域(130〜300℃)まで昇温する過程に
おいて、有機ハロゲン化合物の一部が未分解のまま脱着
して系外へ排出されることを防止する目的で、この脱着
ガスを、本発明の除去剤が充填されている塔の入口へ戻
して無害化されるまでガスを循環させるか、或いは、予
め130〜300℃に加熱した別の酸化分解触媒塔(こ
の塔には、本発明の除去剤が充填されている)に導入す
るか等の方法を採用することが好ましい。
【0062】尚、更なるダイオキシン類除去活性の向上
を目指して、本発明除去剤に、(iii)Al,Si及び
Tiよりなる群から選択される少なくとも一種の酸化物
及び/又は水酸化物(以下、これらを便宜上「Al等の
酸化物及び/又は水酸化物」と略記する場合がある)を
含有させるに当たっては、上記のAl等の酸化物及び/
又は水酸化物を含有するコロイド水溶液中で、本発明に
係るMn系複合酸化物を発生させることが必要である。
具体的には、担体とする物質(本発明ではAl,S
i,Tiの酸化物及び/又は水酸化物)を含むコロイド
水溶液と、Mnと,Fe/Cuを含む金属塩を含有す
る水溶液とを混合した後、塩基性物質(水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム等)を添加し、次いで酸化剤[過マ
ンガン酸カリウムKMnO4 ,ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム(NH4228 ,過酸化水素H22 等]
を添加することによって,上記担体上にMn系複合酸化
物を生成させることができる。尚、生成した共沈物は濾
過・水洗し,余剰の酸化剤や塩基性物質を除去した後、
乾燥することによって複合酸化物粉末が得られる。その
後、所定形状に成形することにより、所望のダイオキシ
ン類除去剤が得られる。
【0063】この様に、複合酸化物粉末を作製した後
に、担体とする物質を添加し、成形する場合に比べ、担
体とする物質を含むコロイド溶液中で所定のMn系複合
酸化物を生成(発生)させることによりダイオキシン類
に対する除去活性が高められる理由は詳細には不明であ
るが、上記方法により除去剤中の複合酸化物の分散性が
高まるからと考えられる。
【0064】一般に触媒を水溶液中で発生させる場合、
化学結合に基づいて所謂一次粒子が成長し、次いで
物理的な力に基づき、該一次粒子が凝集することにより
二次粒子が成長する、という二段階で粒子は成長する。
通常、アルミナ等をバインダーとして用いる場合、上記
の如く成長した二次粒子をアルミナで結合させている。
これに対し、本発明に用いられる「Al等の酸化物及び
/又は水酸化物」は、アルミナバインダー等の如く二次
粒子を結合させるのではなく、コロイド状に高度に分散
した「Al等の酸化物及び/又は水酸化物」の上で上記
Mn系複合酸化物を発生させ、「微小一次粒子」を発生
させるものである。この「微小一次粒子が凝集して得ら
れる二次粒子」は、単に「一次粒子が凝集して得られる
二次粒子」とは異なり、複合酸化物の分散性が高まるも
のと考えられる。
【0065】尚、上記方法の如く、Al,Si及びTi
よりなる群から選択される少なくとも1種の酸化物及び
/又は水酸化物を含有するコロイド水溶液中でMn系複
合酸化物を発生させるのではなく、該複合酸化物粉末を
調製した後、上記と同じ元素を含むコロイド状バインダ
ーを加えて成形したのでは所望のダイオキシン類除去活
性が得られないことも確認している(後記する実施例を
参照)。
【0066】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0067】
【実施例】実施例1 本実施例は、本発明を構成する各成分を種々変化させた
場合におけるo−ジクロロベンゼン(DCB)除去率を
調べたものである。
【0068】下記の方法でNo.1〜13の触媒を調製し
た後、これらの各触媒を内径1.6cmのステンレス鋼
製反応管に順次充填し、以下の条件にてDCBの除去能
を測定した。尚、DCBはダイオキシン類と類似の分解
特性を示す有機ハロゲン化合物である(1997年触媒
学会予稿集のp.239を参照)。 触媒充填高さ:6cm 供給ガス組成:DCB10ppm,水20vol%,酸
素10vol%、 供給ガス流量:1.0Nl/min 反応温度 :170℃ 反応時間 :6h 反応管出口のDCB濃度をガスクロマトグラフで30分
毎に測定し、各触媒における6時間平均DCB除去率を
下式より算出した。 平均DCB除去率(%)={1−(出口平均DCB濃度
/入口平均DCB濃度)}×100
【0069】[No.1]硫酸マンガンと硫酸第一鉄の混
合水溶液中に炭酸ナトリウム水溶液を滴下することによ
り、MnとFeを含有する水酸化物を共沈させた。次
に、この共沈殿物を含むスラリーに過硫酸アンモニウム
水溶液を加えて該共沈殿物を酸化した後、水洗し、乾燥
することによりMn−Fe複合酸化物粉末を得た。
【0070】この複合酸化物粉末にアルミナゾルと水分
を添加し、得られたスラリーを直径1/8" の円柱状ペ
レットに押出した後、乾燥することによりMn−Fe複
合酸化物ペレットを得た。
【0071】この複合酸化物ペレットをメタバナジン酸
アンモニウム水溶液に浸漬した後、乾燥し、更に400
℃で焼成した。次に、前記焼成物に塩化ルテニウム水溶
液をスプレー法によって担持させた後、再度乾燥するこ
とにより、Mn−Fe複合酸化物に塩化ルテニウムとV
酸化物が担持された触媒を得た。各添加物の質量を適切
に調整することによって、Mn:19.7%,Fe:4
2.7%,V:3.1%,Ru:0.29%の組成から
なるNo.1の触媒を得た。
【0072】[No.2〜5]塩化ルテニウムの代わりに
ルテニウム酸カリウムを使用したこと以外はNo.1と同
様に処理し、No.2の触媒を得た。また、塩化ルテニウ
ムの代わりに硝酸ルテニウムを使用したこと以外はNo.
1と同様に処理し、No.3の触媒を得た。また、塩化ル
テニウムの代わりに亜硫酸ルテニウムを使用したこと以
外はNo.1と同様に処理し、No.4の触媒を得た。ま
た、塩化ルテニウムの代わりに、塩化ルテニウムと硝酸
ルテニウムの混合溶液(各々に含まれるRu量は同じ)
を使用したこと以外はNo.1と同様に処理し、No.5の
触媒を得た。これら触媒中のRu含有量は、0.29%
(No.2),0.33%(No.3),0.31%(No.
4),0.30%(No.5)であった。
【0073】[No.6]硫酸第一鉄の代わりに硫酸第二
銅を用いたこと以外はNo.1と同様に処理し、No.6の
触媒を得た。この触媒の組成は、Mn:50.2%,C
u:12.5%,V:2.9%,Ru:0.31%であ
った。
【0074】[No.7]塩化ルテニウムの代わりにルテ
ニウム酸ナトリウム水溶液を使用したこと以外はNo.6
と同様に処理し、No.7の触媒を得た。この触媒のRu
含有量は0.32%であった。
【0075】[No.8]No.1の触媒に炭酸カリウム水
溶液をスプレー噴霧することによりNo.8の触媒を得
た。この触媒のK含有量は1.1%であった。
【0076】[No.9]No.1の触媒に水酸化ナトリウ
ム水溶液をスプレー噴霧することによりNo.9の触媒を
得た。この触媒のK含有量は1.0%であった。
【0077】[No.10]No.1の触媒に塩化第一スズ
水溶液をスプレー噴霧することによりNo.10の触媒を
得た。この触媒のSn含有量は1.0%であった。
【0078】[No.11]No.1の触媒に塩化第二スズ
水溶液をスプレー噴霧することによりNo.11の触媒を
得た。この触媒のSn含有量は1.1%であった。
【0079】[No.12]No.1の触媒に塩化第一スズ
および炭酸カリウムを含む水溶液をスプレー噴霧するこ
とによりNo.12の触媒を得た。この触媒のSn含有量
は1.1%,K含有量は1.0%であった。
【0080】[No.13]No.1の調製過程で得られた
中間物質であるMn−Fe複合酸化物ペレットをNo.1
3の触媒とした(メタバナジン酸アンモニウムおよび塩
化ルテニウムの担持なし)。
【0081】[No.14]No.1の調製過程において、
塩化ルテニウムを担持する前のペレットをNo.14の触
媒とした(塩化ルテニウムの担持なし)。
【0082】[No.15]メタバナジン酸アンモニウム
の担持を省略したこと以外はNo.1と同様に処理してペ
レットを作製し、No.15の触媒を得た。
【0083】[No.16]No.1の触媒を空気中で35
0℃に加熱し、塩化ルテニウムを酸化ルテニウムに変化
させた触媒をNo.16とした。
【0084】[No.17]No.1において、硫酸マンガ
ン水溶液に炭酸ナトリウムを滴下することによりMn酸
化物粉末を、硫酸第一鉄水溶液に炭酸ナトリウムを滴下
することによりFe酸化物粉末を夫々得た(即ち、Mn
−Fe複合酸化物ではない)。これらMn酸化物粉末と
Fe酸化物粉末をボールミルにより十分粉砕混合した
後、No.1と同様の方法で押出し成型してV酸化物を担
持し、更に塩化ルテニウムを担持することによりNo.1
7の触媒を得た。この触媒の組成は、Mn:19.0
%,Fe:43.0%,V:2.9%,Ru:0.31
%であった。
【0085】[No.18]No.6の調製過程で得られた
中間物質であるMn−Cu複合化合物ペレットをNo.1
8の触媒とした(メタバナジン酸アンモニウムおよび塩
化ルテニウムの担持なし)。
【0086】[No.19]硫酸チタニルを加水分解して
得られた水和酸化チタンを焼成することにより、アナタ
ーゼ型の酸化チタン粉末を得た。この酸化チタンに酸化
バナジウムとコロイダルチタニアを添加し、直径1/
8" の円柱状ペレットに押出した後、乾燥し、No.18
の触媒を得た。この触媒の組成は、Ti:43%,V:
5.9%であった。これらの結果を表1に示す。
【0087】
【表1】
【0088】表1より、以下の様に考察することができ
る。No.1〜12及びNo.15は、本発明の必須要件/
好ましい要件を満足する実施例であるが、本発明の要件
を満足しない触媒[Mn系複合酸化物にRu系活性種を
担持しない触媒(No.13,14)、Mn系複合酸化物
にRu系活性種ではなくV酸化物を担持した触媒(No.
14)、酸化ルテニウムを担持したNo.16、MnとF
eが複合酸化物を生成していない触媒(No.17)、酸
化チタンを主成分とする触媒(No.19)]に比べ、反
応温度170℃の低温域において優れたDCB除去率が
得られた。
【0089】尚、No.15は本発明で特定する必須成分
のみを含有する触媒であるが、該触媒にV酸化物を更に
担持した触媒(No.1〜5)では、一層優れたたDCB
除去率を示した。更に、上記触媒(No.1)にアルカリ
金属化合物を更に担持した触媒(No.8,9)、Sn化
合物を更に担持した触媒(No.10,11)、およびア
ルカリ金属化合物およびSn化合物の両方を担持した触
媒(No.12)はNo.1に比べて、優れたDCB除去率
を発揮することが分かった。
【0090】実施例2 本実施例は、Mn−Fe複合酸化物中の[Mn/(Mn
+Fe)]質量比、およびMn−Cu複合酸化物中の
[Mn/(Mn+Cu)]質量比を種々変化させた場合
におけるDCB除去能を調べたものである。
【0091】[No.20〜23]硫酸マンガンと硫酸第
一鉄の配合比を変えたこと以外はNo.1と同様に処理す
ることにより[Mn/(Mn+Fe)]比の異なるペレ
ットを種々作製し、No.20〜23の各触媒を得た。各
触媒の組成(%は省略)は以下の通りである。 No.20=Mn: 7.5,Fe:54.9,V:2.
9,Ru:0.31 No.21=Mn:16.7,Fe:45.3,V:3.
0,Ru:0.30 No.22=Mn:42.0,Fe:20.7,V:3.
0,Ru:0.32 No.23=Mn:49.6,Fe:13.2,V:3.
0,Ru:0.30
【0092】[No.24〜26]No.4において、硫酸
マンガンと硫酸第二銅の配合比を変えることにより[M
n/(Mn+Cu)]比の異なるペレットを種々作製
し、No.24〜26の各触媒を得た。各触媒の組成(%
は省略)は以下の通りである。 No.24=Mn:13.3,Cu:50.1,V:3.
0,Ru:0.30 No.25=Mn:27.3,Cu:36.5,V:3.
0,Ru:0.29 No.26=Mn:56.4,Cu: 7.3,V:2.
9,Ru:0.30
【0093】[No.27,28]No.1において、硫酸
マンガンと硫酸第一鉄の配合比を変えることにより[M
n/(Mn+Fe)]比の異なるペレットを種々作製
し、No.27、28の各触媒を得た。各触媒の組成(%
は省略)は以下の通りである。 No.27=Mn: 3.0,Fe:59.3,V:3.
0,Ru:0.32 No.28=Mn:53.2,Fe: 9.2,V:3.
1,Ru:0.30
【0094】[No.29、30]No.6において、硫酸
マンガンと硫酸第二銅の配合比を変えることにより[M
n/(Mn+Cu)]比の異なるペレットを種々作製
し、No.29,30の各触媒を得た。各触媒の組成(%
は省略)は以下の通りである。 No.29=Mn:10.8,Cu:52.6,V:3.
0,Ru:0.31 No.30=Mn:59.2,Cu: 3.9,V:2.
9,Ru:0.31
【0095】[No.31]No.6において、硫酸マンガ
ンと硫酸第二銅の代わりに硫酸マンガンのみを使用した
こと以外はNo.6と同様に処理し、No.31の触媒を得
た。その組成(%は省略)は以下の通りである。 No.31=Mn:63.0,V:3.0,Ru:0.3
1 これらの結果を表2に示す。参考の為に、No.1及びN
o.6の結果も併記する。
【0096】
【表2】
【0097】表2より、Mn−Fe複合酸化物中の[M
n/(Mn+Fe)]質量比を本発明の好ましい範囲に
制御した触媒(No.1,20〜23)は、好ましい範囲
を外れる触媒(No.27,28)及びMn酸化物を担持
する触媒(No.31)に比べ、より優れたDCB除去率
が得られることが分かる。
【0098】同様にMn−Cu複合酸化物中の[Mn/
(Mn+Cu)]質量比を本発明の好ましい範囲に制御
した触媒(No.6,24〜26)は、好ましい範囲を外
れる触媒(No.29〜30)及びMn酸化物を担持する
触媒(No.31)に比べ、より優れたDCB除去率が得
られる。
【0099】実施例3 本実施例は、V酸化物中のV含有率を種々変化させた場
合におけるDCB除去能を調べたものである。
【0100】下記方法によりNo.32〜36の各触媒を
作製し、実施例1と同様に処理することにより各触媒の
DCB除去率を調べた。
【0101】[No.32〜36]メタバナジン酸アンモ
ニウム水溶液濃度および浸漬回数を変えたこと以外はN
o.1と同様に処理することによりV含有量の異なるペレ
ットを種々作製し、No.32〜36の各触媒を得た。各
触媒のV含有量を表3に示す。
【0102】これらの結果を表3に併記する。尚、参考
の為にNo.1の結果も併せて記載する。
【0103】
【表3】
【0104】表3より、V含有量を本発明の好ましい範
囲に制御した触媒(No.1,32〜34)は、好ましい
範囲を外れる触媒(No.35)に比べ、より優れたDC
B除去率が得られる。また、V含有量を本発明の好まし
い範囲を超えて加えた触媒(No.36)は、好ましい範
囲内に制御した触媒(No.34)と同等のDCB除去率
であった。
【0105】実施例4 本実施例は、Ru化合物中のRu含有率を種々変化させ
た場合におけるDCB除去能を調べたものである。
【0106】下記方法によりNo.37〜41の各触媒を
作製し、実施例1と同様に処理することにより各触媒の
DCB除去率を調べた。
【0107】[No.37〜41]塩化ルテニウムの担持
量を変えたこと以外はNo.1と同様に処理し、No.37
〜41の各触媒を得た。各触媒のRu含有量を表4に示
す。これらの結果を表4に示す。尚、参考の為にNo.
1,15の結果も併記する。
【0108】
【表4】
【0109】表4より、Ru含有量が本発明の好ましい
範囲を満足する触媒(No.1,37〜40)は、好まし
い範囲を外れる触媒(No.41)およびルテニウム化合
物を担持しない触媒(No.15)に比べ、より優れたD
CB除去率が得られる。
【0110】実施例5 本実施例は、No.8(K2 CO3 担持品,K:1.1
%)におけるK量を種々変化させた場合におけるDCB
除去能を調べたものである。
【0111】[No.42〜46]No.8において炭酸カ
リウム中のカリウム量を変えたこと以外はNo.8と同様
に処理し、No.42〜46の各触媒を得た。各触媒のK
含有率を表5に示す。これらの結果を表5に示す。尚、
参考の為にNo.1,8の結果も併記する。
【0112】
【表5】
【0113】表5より、K含有率量が本発明の好ましい
範囲を満足する触媒(No.1,43〜45,8)は、炭
酸カリウムを担持しない触媒(No.1)に比べ、優れた
DCB除去率が得られる。これに対してK含有率が本発
明の好ましい範囲を外れる触媒(No.42)では炭酸カ
リウムを担持しない触媒(No.1)と同等のDCB除去
率であった。また、該範囲を超えて炭酸カリウムを担持
した触媒(No.46)では、炭酸カリウムを担持しない
触媒(No.1)に比べ、DCB除去率は優れているが、
該範囲内の触媒(No.45)と差が見られず、前述の様
に吸湿性が高まるだけであるので好ましくない。
【0114】実施例6 本実施例は、No.10(塩化第一スズ担持品,Sn:
1.0%)におけるSn量を種々変化させた場合におけ
るDCB除去能を調べたものである。
【0115】[No.47〜51]No.10において塩化
第一スズ中のSn量を変えたこと以外はNo.10と同様
に処理し、No.47〜51の各触媒を得た。各触媒のS
n含有率を表6に示す。これらの結果を表6に示す。
尚、参考の為にNo.1の結果も併記する。
【0116】
【表6】
【0117】表6より、Sn含有率量が本発明の好まし
い範囲を満足する触媒(No.48〜51)は、塩化第一
スズを担持しない触媒(No.1)に比べ、優れたDCB
除去率が得られる。これに対してSn含有量が本発明の
好ましい範囲を外れる触媒(No.47)では塩化第一ス
ズを担持しない触媒(No.1)と同等のDCB除去率で
あった。
【0118】実施例7 本実施例は、排ガス中にアンモニアを添加し、反応温度
を種々変化させた場合におけるDCB除去能およびNO
x除去能を夫々調べたものである。
【0119】No.1の触媒を用い、実施例1において、
供給ガス中にNOx(大部分はNOであり、僅かにNO
2 を含む)およびアンモニアを各々50ppm添加した
ことと、反応温度を130〜300℃の範囲で種々変化
させたこと以外は実施例1と同様に処理し、出口側のD
CB濃度およびNOx(=NO+NO2 )濃度を夫々調
べた。ここで、平均NOx除去率は下式より算出した。 平均NOx除去率(%)={1−(出口平均NOx濃度
/入口平均NOx濃度)}×100 これらの結果を表7に示す。
【0120】
【表7】
【0121】表7より、排ガス中にアンモニアを添加す
れば、DCBのみならずNOxも効率よく除去すること
ができた。
【0122】実施例8 本実施例は、排ガス中にアンモニアを添加した場合にお
けるダイオキシン類の除去能およびNOx除去能を夫々
調べたものである。
【0123】上記No.1,6,8,10,13〜15及
び18,19の各触媒を内径39mmの反応管に充填し
た後、除塵済みの燃焼排ガス中にアンモニアを添加し、
下記条件で反応させ、反応管出口のダイオキシン類(P
CDDsとPCDFsの和)および窒素酸化物(NO
x)の除去能を夫々調べた。
【0124】反応条件は以下の通りである。 触媒充填高さ:18cm 供給ガス流量:18.3Nl/min NH3 /NOx(モル比)=1.0 反応温度:200℃
【0125】上記有害物質の測定は実験開始直後及び1
ケ月後に行った。ダイオキシン類の除去率は、DCB除
去率と同様にして算出した。尚、各有害物質の入口濃度
範囲は、PCDDs:3〜15ng/Nm3 ,PCDF
s:20〜80ng/Nm3,NOx:50〜80pp
mであり、またSOx濃度は9〜13ppmであった。
これらの結果を表8に示す。
【0126】
【表8】
【0127】表8より、本発明の要件を満足する触媒
(No.1,6,8,10,13〜15)は、酸化チタン
を主成分とする触媒(No.19)に比べて、ダイオキシ
ン類もNOxも共に高い除去率が得られた。即ち、ダイ
オキシン類に対しては、Mn系複合酸化物のみを含有す
るNo.13及びNo.14の触媒を用いたとしても、優れ
た除去作用を示すことが分かった。この様な作用は、該
触媒に他の成分(Ru化合物及び/又はV酸化物及び/
又はアルカリ金属化合物)を担持させた触媒(No.1,
6,8,14)において一層顕著に見られた。また、上
記他の成分(Ru化合物及びV酸化物)に加えてスズ化
合物も担持させた触媒(No.10)では、実験開始1ケ
月後の除去率低下がNo.1に比べて少なかった。
【0128】実施例9 本実施例は、吸着温度を種々変化させた場合におけるダ
イオキシン類の除去能を夫々調べたものである。
【0129】上記No.1,6の各触媒、及び活性炭を内
径39mmの反応管に充填した後、除塵済みの燃焼排ガ
スを下記条件で通過させ、反応管出口のダイオキシン類
(PCDDsとPCDFsの和)の除去能を夫々調べ
た。
【0130】反応条件は以下の通りである。 触媒充填高さ:30cm 供給ガス流量:18.3Nl/min 上記有害物質の測定は実験開始1ケ月後に行った。ダイ
オキシン類の除去率は、DCB除去率と同様にして算出
した。これらの結果を表9に示す。
【0131】
【表9】
【0132】表9より、吸着温度が本発明の要件(13
0℃未満)を満足する場合はダイオキシン類を効率よく
除去できた。
【0133】実施例10 本実施例は、Mn−Fe系複合酸化物の製造時に、酸化
アルミニウム、酸化硅素、酸化チタンのコロイド溶液を
添加した場合における1,2,3,4,6,7,8-ヘプタクロロジベ
ンゾフラン(ダイオキシン類の一種,以下H7 PCDF
と呼ぶ)除去性能を調べたものである。
【0134】下記の方法でNo.101 〜103の触媒を
調整した後、これらの各触媒を内径3.0cmのステン
レス鋼製反応管に順次充填し、以下の条件にてH7 PC
DFの除去能を測定した。 触媒充填高さ :6.0cm 供給ガス流量 :7.1Nl/min H7 PCDF濃度:10ng/Nm3 反応温度 :170 ℃ 反応時間 :6h
【0135】出口ガス中に含まれるH7 PCDF量は、
次の方法により調べた。即ち、反応管の出口ガス全量を
XAD-2 樹脂充填層に流通させ、出口ガス中のH7 PCD
Fを該XAD-2 樹脂に吸着させた後、このXAD-2 樹脂をト
ルエンでソックスレー抽出し、抽出液を濃縮してから、
該抽出液中に含まれるH7 PCDFをガスクロトグラフ
により定量した。各触媒における6時間平均のH7 PC
DF除去率を下式より算出した。
【0136】H7 PCDF除去率(%)={1−(出口
7 PCDF濃度/入口H7 PCDF濃度)}×100
【0137】[ No.101]Al(OH)3 コロイド溶
液中にMnSO4 およびFeSO4 を加えた後、更にN
aOHを添加することにより、MnとFeとAlを含有
する水酸化物を共沈させた。次に、この共沈物を含むス
ラリーにKMnO4 を加えて該共沈殿物を酸化した後、
濾過・水洗し、乾燥することによりMn−Fe複合酸化
物の粉末を得た。
【0138】この複合酸化物粉末にアルミナコロイド溶
液と水分を添加して混合した後、直径1/8" の円柱状
ペレットに押出してから乾燥することによりMn−Fe
複合酸化物を含む触媒No.1 01を得た。
【0139】[ No.102〜103] No.102:Al(OH)3 コロイド溶液の代わりにS
iO2 コロイド溶液を用いたこと以外はNo.1 01と同
様に処理し、No.1 02の触媒を得た。 No.103:Al(OH)3 コロイド溶液の代わりにT
iO2 コロイド溶液を用いたこと以外はNo.1 01と同
様に処理し、No.1 03の触媒を得た。
【0140】[No.104〜105] No.104:原料調製時にAl(OH)3 コロイド溶液
を用いなかったこと以外はNo.101と同様に処理し、
No.104の触媒を得た。 No.105:複合酸化物成形時にアルミナコロイド溶液
の代わりにTiO2 コロイド溶液を用いたこと以外はN
o.104と同様に処理し、No.105の触媒を得た。こ
れらの結果を表10に示す。
【0141】
【表10】
【0142】表10の結果より、本発明の方法、即ち、
Al,Si及びTiよりなる群から選択される少なくと
も1種の酸化物及び/又は水酸化物を含有するコロイド
水溶液中で、Mn−Fe複合酸化物を発生させた本発明
の触媒(No.101〜103)は、本発明法を採用しな
い例、即ち、Fe−Mn複合酸化物粉末を調製した後、
上記と同じ元素を含むコロイド状バインダーを加えて成
形したNo.104,105の触媒に比べ、H7 PCDF
除去率が著しく向上することが分かる。
【0143】実施例11 本実施例は、MnおよびFeを含む複合酸化物に,特定
の金属塩及び/又は金属酸化物を担持させた触媒におけ
るH7 PCDF除去性能を調べたものである。
【0144】[ No.106]MnSO4 及びFeSO4
の混合水溶液中にNaOHを添加することにより、Mn
とFeを含有する水酸化物を共沈させた。次に、この共
沈物を含むスラリーにKMnO4 を加えて該共沈殿物を
酸化した後、濾過・水洗し、乾燥することによりMn−
Fe複合酸化物の粉末を得た。
【0145】この複合酸化物粉末にアルミナコロイド溶
液と水分を添加して混合した後、直径1/8" の円柱状
ペレットに押出してから乾燥することによりMn−Fe
複合酸化物を含む触媒を得た。
【0146】次に、上記触媒にCuCl2 水溶液を噴霧
した後乾燥し、No.106の触媒を得た。
【0147】[ No.107〜112] No.107:CuCl2 水溶液の代わりにCoCl3
溶液を噴霧したこと以外はNo.106と同様に処理し、
No.1 07の触媒を得た。 No.108:CuCl2 水溶液の代わりにNiCl2
溶液を噴霧したこと以外はNo.106と同様に処理し、
No.108の触媒を得た。 No.109:CuCl2 水溶液の代わりにCrCl3
溶液を噴霧したこと以外はNo.106と同様に処理し、
No.109の触媒を得た。 No.110:CuCl2 水溶液の代わりにWCl6 水溶
液を噴霧したこと以外はNo.106と同様に処理し、N
o.110の触媒を得た。 No.111:CuCl2 水溶液の代わりにNiCl2
CoCl3 を含む水溶液を噴霧したこと以外はNo.10
6と同様に処理し、No.111の触媒を得た。 No.112:CuCl2 水溶液の代わりにTiCl4
エタノール溶液を噴霧したこと以外はNo.106と同様
に処理し、No.112の触媒を得た。
【0148】[ No.113]Fe−Mn複合酸化物粉末
を作製した後、Nb25 粉末を添加し、ボールミルで
混合したこと以外はNo.106と同様に処理し、No.1
13の触媒を得た。
【0149】[ No.114]Nb25 粉末の代わりに
MoO3 粉末を用いたこと以外はNo.113と同様に処
理し、No.114の触媒を得た。
【0150】[ No.115]Fe- Mn複合酸化物粉末
の代わりに活性アルミナ粉末を用いたこと以外はNo.1
06と同様に処理し、No.115の触媒を得た(CoC
3 担持アルミナ)。
【0151】[ No.116]CoCl3 の代わりにNi
Cl2 を用いたこと以外はNo.115と同様に処理し、
No.116の触媒を得た(NiCl2 担持アルミナ) 。
これらの結果を表11に示す。
【0152】
【表11】
【0153】表11の結果より、Mn−Feを含む複合
酸化物に、4A族元素,5A族元素,6A族元素,Fe
族元素(複合酸化物中にFeを含有する場合はFeを除
く),及び1B族元素よりなる群から選択される少なく
とも1種の塩及び/又は酸化物が担持された触媒(No.
106〜No.114) は、上記の金属塩及び/又は酸化
物を担持していないMn−Fe複合酸化物(No.13)
や、MnおよびFeを含む複合酸化物以外の担体(アル
ミナ担体)に上記金属の塩及び/又は酸化物を担持した
触媒(No.115, 116) に比べ、H7 PCDF除去
率が格段に向上していることが分かる。
【0154】
【発明の効果】本発明の有機ハロゲン化合物除去剤は上
記の様に構成されているので、排ガス中に含まれるダイ
オキシン類等の有機ハロゲン化合物を、低温域で、しか
も小型の反応器を用いて効率よく除去することができ
る。従って、従来において、高温で処理する為問題にな
っていたダイオキシン類の再合成反応を防止することが
可能になり、除去能や経済性に極めて優れたものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/889 B01J 27/25 A 4G069 23/89 ZAB C07D 319/24 27/053 B01D 53/34 134E 27/25 53/36 ZABG C07D 319/24 B01J 23/84 311A // B09B 3/00 B09B 3/00 304Z (72)発明者 井上 聡則 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 山下 岳史 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 冨山 好行 東京都千代田区九段南3丁目9番14号 日 産ガードラー触媒株式会社内 (72)発明者 勅使川原 聡志 富山県婦負郡婦中町笹倉635番地 日産ガ ードラー触媒株式会社技術研究所内 (72)発明者 柴野 秀孝 富山県婦負郡婦中町笹倉635番地 日産ガ ードラー触媒株式会社技術研究所内 (72)発明者 高地 穂 富山県婦負郡婦中町笹倉635番地 日産ガ ードラー触媒株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BC01 BD11 BD13 4D002 AA21 AC02 AC04 BA01 BA04 DA22 DA23 DA24 DA25 EA05 4D004 AA36 AA46 AB07 AC04 CA47 CC11 DA03 DA06 DA10 4D048 AA06 AA11 AB01 AB03 AC04 BA03X BA03Y BA06X BA06Y BA07X BA07Y BA14X BA14Y BA21X BA21Y BA28X BA28Y BA32X BA32Y BA35X BA35Y BA36X BA36Y BA41X BA41Y BA42X BA42Y BA43X BA43Y BB20 4G066 AA15A AA15B AA26A AA26B AA27A AA27B AA28A AA28B AA47B BA09 CA33 DA02 4G069 AA01 AA08 AA15 BA37 BA47A BA47C BB04A BB04B BB06A BB06B BB08A BB08B BB10A BB10B BB12A BB12B BB16A BB16B BC01A BC01B BC02A BC02B BC03A BC03B BC16A BC16B BC22A BC22B BC30A BC30B BC31A BC31B BC49A BC49B BC50A BC50B BC53A BC53B BC57A BC57B BC62A BC62B BC65A BC65B BC66A BC66B BC70A BC70B BD05A BD05B BD12A BD12B BE17A BE17B CA02 CA07 CA10 CA13 CA19 DA06 EA02Y FA02 FB09 FB13 FB24 FB30 FB65

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn−
    Fe複合酸化物を含有することを特徴とするダイオキシ
    ン類除去剤。
  2. 【請求項2】 更に、 4A族元素,5A族元素,6A族元素,Fe族元素(複
    合酸化物中にFeを含有する場合はFeを除く),1B
    族元素の塩又は酸化物;及びRu化合物よりなる群から
    選択される少なくとも一種を含有するものである請求項
    1に記載の除去剤。
  3. 【請求項3】Mn−Cu複合酸化物及び/又はMn−F
    e複合酸化物とRu化合物を含有することを特徴とする
    有機ハロゲン化合物除去剤。
  4. 【請求項4】 更に、 4A族元素,5A族元素,6A族元素,Fe族元素(複
    合酸化物中にFeを含有する場合はFeを除く),及び
    1B族元素よりなる群から選択される少なくとも1種の
    塩及び/又は酸化物を含有するものである請求項3に記
    載の除去剤。
  5. 【請求項5】 更に、Al,Si及びTiよりなる群か
    ら選択される少なくとも1種の酸化物及び/又は水酸化
    物を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載
    の除去触媒。
  6. 【請求項6】 前記Ru化合物が、ルテニウム酸塩、R
    uのハロゲン化物、硝酸ルテニウム、および亜硫酸ルテ
    ニウムよりなる群から選択される少なくとも1種である
    請求項2〜5のいずれかに記載の除去剤。
  7. 【請求項7】 前記Ru化合物が、ルテニウム酸カリウ
    ム、ルテニウム酸ナトリウム、塩化ルテニウム又は硝酸
    ルテニウムである請求項6に記載の除去剤。
  8. 【請求項8】 除去剤中に占める前記Ru化合物の比率
    が、Ru金属換算で0.1%以上である請求項2〜7の
    いずれかに記載の除去剤。
  9. 【請求項9】 前記Mn−Cu複合酸化物における[M
    n/(Mn+Cu)]の質量比が0.2〜0.9、前記
    Mn−Fe複合酸化物における[Mn/(Mn+F
    e)]の質量比が0.1〜0.8である請求項1〜8の
    いずれかに記載の除去剤。
  10. 【請求項10】 更に、アルカリ金属化合物及び/又は
    Sn化合物を含有することにより有機ハロゲン系化合物
    の除去作用を更に高めた請求項1〜9のいずれかに記載
    の除去剤。
  11. 【請求項11】 前記アルカリ金属化合物が、アルカリ
    金属の水酸化物、酸化物、および炭酸塩よりなる群から
    選択される少なくとも1種であり、前記Sn化合物が塩
    化第一スズ及び/又は塩化第二スズである請求項10に
    記載の除去剤。
  12. 【請求項12】 除去剤中に占める前記アルカリ金属化
    合物の比率が、アルカリ金属換算で0.10〜5%であ
    り、前記Sn化合物がSn金属換算で0.10%以上で
    ある請求項10又は11 に記載の除去剤。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の除
    去剤を用いて排ガスを処理する方法であって、 反応温度を130〜300℃とすることを特徴とする有
    機ハロゲン化合物の酸化分解方法。
  14. 【請求項14】 排ガス中に予めアンモニアを添加する
    ことにより、更に窒素酸化物を分解するものである請求
    項13に記載の酸化分解方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれかに記載の除
    去剤を用いて排ガスを処理する方法であって、 130℃未満の排ガスを該除去剤に通過させた後、13
    0〜300℃に加熱することにより有機ハロゲン化合物
    を酸化分解することを特徴とする有機ハロゲン化合物の
    酸化分解方法。
  16. 【請求項16】 Al,Si及びTiよりなる群から選
    択される少なくとも1種の酸化物及び/又は水酸化物を
    含有するコロイド水溶液中で、Mn−Cu複合酸化物及
    び/又はMn−Fe複合酸化物を発生させることによ
    り、請求項2〜12のいずれかに記載の除去剤を製造す
    ることを特徴とする有機ハロゲン化合物除去剤の製造方
    法。
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