JP2000161270A - 回転式流体機械 - Google Patents

回転式流体機械

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JP2000161270A
JP2000161270A JP10339930A JP33993098A JP2000161270A JP 2000161270 A JP2000161270 A JP 2000161270A JP 10339930 A JP10339930 A JP 10339930A JP 33993098 A JP33993098 A JP 33993098A JP 2000161270 A JP2000161270 A JP 2000161270A
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cylinder
piston
shaft
rotation axis
fluid machine
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JP10339930A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Mitsuhiro Ikoma
光博 生駒
Fumitoshi Nishiwaki
文俊 西脇
Hidenobu Shintaku
秀信 新宅
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷凍冷蔵庫や空調機に使用されるロータリ圧縮
機などの回転式流体機械において、圧縮機構構成部品で
あるローラとベーンの摺動による摩耗を減少させ、信頼
性が高く超寿命化した回転式流体機械を実現する。 【解決手段】シリンダ28と、このシリンダ28の内部
に偏心して配置されたピストン25と、このピストン2
5の外周に、回転軸と平行に設けられたベーン溝25a
のベーン溝25aに出入り自在にはめ込まれ、先端がシ
リンダ28面と近接し、吸入室と圧縮室を形成するベー
ン33を備え、シリンダ28とピストン25を同一方向
に回転させるような機構を備える。これにより、ベーン
先端や、シリンダ内面の摩耗がほとんど無く、信頼性が
高く長寿命を実現できるとともに、この部分の摺動損失
の低減による高効率化を実現できる回転式流体機械を実
現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍冷蔵
庫や空調機等に用いられる圧縮機などの回転式流体機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】代表的な回転式流体機械であるロータリ
ー圧縮機は、そのコンパクト性や構造が簡単なことか
ら、冷凍冷蔵庫や空調機などに多く使用されている。圧
縮機の主要構成部品であるベーンやローラなどの圧縮機
構部は、例えば、川平著、密閉形冷凍機(平成5年)第
14頁、図6.1に記載されている。
【0003】以下に、図7および図8を用いて、従来の
ロータリー圧縮機の動作について説明する。図7は従来
のロータリー圧縮機の縦断面図であり、図8はそのA−
A部(シリンダ中央部)の横断面図である。密閉容器1
内に、偏心部を有するクランク軸2とクランク軸2を支
える軸受3、4とシリンダ5とベーン6と前記シリンダ
5内で偏心回転するローラ7とからなる圧縮機構部を構
成し、先端が円弧状のベーン6はシリンダ5のベーン溝
8内を往復運動し、かつその先端部は、スプリング9に
よるばね力およびシリンダ5の内外の圧力差による力に
よって、ローラ7の外周面に押し付けられて、ローラ7
の外周部と接触摺動し、シリンダ5内を吸入室10と吐
出室11に分割している。
【0004】Oはシリンダ5とクランク軸2の中心で、
クランク軸2は中心Oからeだけ偏心したPを中心とす
る偏心部(以降クランクピンと称す)12を有し、クラ
ンクピン12にはローラ7が嵌合されている。
【0005】ステータ13およびローター14からなる
電動機によりクランク軸2が回転してローラ7がシリン
ダ5内を公転することにより、冷媒ガスを吸入ポート1
5から吸い込み、吐出ポート16に圧縮しながら送る。
吐出ポート16の冷媒ガスは吐出弁17を通り冷凍サイ
クル側に送られることにより圧縮作用を行うものであ
る。
【0006】また、これとは別にスライディングベーン
型ロータリー圧縮機と呼ばれるもの(図示せず)があ
り、シリンダ内で、回転ピストンに設けられたベーン溝
に、出入り自在に備えられたベーンがピストンとともに
回転して圧縮作用を行うものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、ベーン6の先端部は円弧曲面であり、
ローラ7の外周面も円形状曲面(円筒面)であるので、
ベーン6とローラ7の接触状態は等価的には小円筒と大
円筒の凸面同士の接触となる。したがって、接触状態は
線接触状態で、接触面積が小さくなり、単位面積当たり
の荷重すなわち接触応力が大きくなり、ベーン6とロー
ラ7の接触摺動条件は過酷なものとなり、摩耗が生じ易
く、摺動損失も大きくなるものである。
【0008】また、ローラ7の自転数もローラ7の内周
面とクランクピン12との摺動抵抗と、ローラ7の外周
面とベーン6の先端との摺動抵抗の差などで決まるもの
であり、ローラ7の自転数は非常に不安定である(一般
にクランク軸2の回転数を3600rpmで運転した
時、ローラの自転数は数十〜数百rpm程度)。このた
め、ベーン6の先端とローラ7の摺動面は、すべり速度
が条件により変わり、不安定なすべり摺動となる。
【0009】さらに、塩素を含まない代替冷媒、例えば
HFC134aなどを用いた場合、冷媒自体の潤滑効果
が乏しく、摺動部の油膜か切れた場合に著しく潤滑性が
低下する問題があり、特にロータリ圧縮機の場合、油膜
のできにくいローラ7外周とベーン6先端との間で摩耗
が生じ易く、著しく寿命が短くなるという問題があっ
た。
【0010】また、スライディングベーン型ロータリー
圧縮機の場合には、凸円弧のベーンと凹円弧のシリンダ
内面との摺動になり、接触の形状としては先に説明した
物より有利ではあるが、ベーン先端の摺動速度は回転数
とシリンダ内径に比例して大きくなるため、非常に過酷
な摺動条件となり、長寿命を要求される冷凍冷蔵庫用や
空調用には不向きであった。
【0011】本発明は、上述した従来の回転式流体機械
の課題を考慮し、ベーン先端の摺動部負荷を低減し、信
頼性が高く長寿命化すると共に、摺動損失を軽減し、高
効率化を図った回転式流体機械を提供することを目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の本発明(請求項1
に対応)は、第一回転軸の回りで回転可能なシャフト
と、前記シャフトに取り付けられ、前記第一回転軸を中
心軸とする円柱状のピストンと、前記シャフトを支持す
る第一軸受部材と、前記第一回転軸に対し所定偏心幅だ
け偏心した第二回転軸を円柱状の中空部の中心軸とし、
かつ前記第二回転軸の回りで回転可能なシリンダと、前
記シリンダの一方の端に設けられた仕切板と、前記ピス
トンの外周面に前記第一回転軸と平行に設けられたベー
ン溝と、前記ベーン溝に出入り自在に嵌挿されたベーン
と、前記ピストンを回転させる駆動要素とを備え、前記
ピストンの前記第一回転軸方向の厚みと前記シリンダの
中空部の前記第二回転軸方向の厚みは実質上一致し、前
記シリンダは前記第一軸受部材と摺動面を介して接して
おり、前記所定偏心幅は、前記ピストンの外周面と前記
シリンダの内面とが近接するように設定された幅であ
り、前記シリンダの中空部と前記ピストンとで形成され
る空間は、前記ベーンの先端が前記シリンダの中空部内
面と近接することで吸入室と吐出室に分割され、前記仕
切板に円筒状のザグリ部が設けられ、前記ザグリ部の内
側に、前記ピストンと前記シリンダを同一方向に回転さ
せる機能を有する円柱状のオルダム軸継手が設けられて
いることを特徴とする回転式流体機械である。
【0013】第2の本発明(請求項5に対応)は、第一
回転軸の回りで回転可能なシャフトと、前記シャフトに
取り付けられ、前記第一回転軸を中心軸とする円柱状の
ピストンと、前記シャフトを支持する第一軸受部材と、
前記第一回転軸に対し所定偏心幅だけ偏心した第二回転
軸を円柱状の中空部の中心軸とし、かつ前記第二回転軸
の回りで回転可能なシリンダと、前記シリンダの一方の
端に設けられた仕切板と、前記ピストンの外周面に前記
第一回転軸と平行に設けられたベーン溝と、前記ベーン
溝に出入り自在に嵌挿されたベーンと、前記ピストンを
回転させる駆動要素と、前記仕切板に設けられ前記第二
回転軸の回りで回転可能な内歯車と、前記第一回転軸の
回りで回転可能で前記内歯車とかみ合う外歯車とを備
え、前記ピストンの前記第一回転軸方向の厚みと前記シ
リンダの中空部の前記第二回転軸方向の厚みは実質上一
致し、前記シリンダは前記第一軸受部材と摺動面を介し
て接しており、前記所定偏心幅は、前記ピストンの外周
面と前記シリンダの内面とが近接するように設定された
幅であり、前記シリンダの中空部と前記ピストンとで形
成される空間は、前記ベーンの先端が前記シリンダの中
空部内面と近接することで吸入室と吐出室に分割され、
前記内歯車と前記外歯車は、前記ピストンと前記シリン
ダを同一方向に回転させる機能を果たすことを特徴とす
る回転式流体機械である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図6を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の第1の実施の形態の回
転式流体機械の縦断面図であり、図2はそのB−B部
(シリンダ中央部)の横断面図である。また、図3は構
成要素の斜視図である。本実施の形態における回転式流
体機械は作動媒体としてHFC134a等の塩素を含ま
ない流体を用いた冷凍サイクル装置の圧縮機として用い
る回転式流体機械である。
【0015】密閉シェル21内にローター22およびス
テータ23からなる電動要素を備え、シャフト24とロ
ーター22は回転軸L1が一致するように一体化し、回
転軸L1を中心とする円柱状のピストン25とシャフト
24は、ピストン25の貫通穴とシャフト24が勘合さ
れ、平行キー26により固定されている。シャフト24
は第一軸受部材27によって回転自在に支持され、回転
軸L1に対し所定偏心幅eだけ偏心した回転軸L2を円
柱状中空部の中心軸とするシリンダ28は、その一方の
端に設けられた仕切板29と、回転軸L2と一致するシ
リンダ軸30を備え、シリンダ軸30は第二軸受部材3
1によって回転自在に支持されている。ここで、所定偏
心幅eは、シリンダ28の内周とピストン25の外周が
近接するように設定された幅である。
【0016】仕切板29には回転軸L2を円柱状中空部
の中心軸とするザグリ部29aが設けられ、ザグリ部2
9aの底面には凹キー29bが設けられており、シャフ
ト24先端には凸キー24aが設けられている。ザグリ
部29a内部には円柱状のオルダム軸継手32が備えら
れており、オルダム軸継手32上端面にはシャフト24
先端の凸キー24aと嵌まりあう凹キー32aが、下端
面には仕切板29の凹キー29bと嵌まりあう凸キー3
2bが設けられている。オルダム軸継手32の材質には
工具鋼を用い、焼入れ、焼もどしを行い表面硬度をHr
c45以上としておく。また、オルダム継手34が継手
として機能するためには、ザグリ部29aの底面の凹キ
ー29bの上で偏心幅eの2倍の距離の往復運動を行わ
なければならないが、これを可能とするために、ザグリ
部29aの半径rzはオルダム軸継手32の半径ro、所
定偏心幅eを用いて、ro+e≦rzで表される条件を満
たす構成とする。また、ザグリ部29aの深さhzはオ
ルダム軸継手32の厚みhoと実質上一致する構成とす
る。
【0017】ピストン25の外周には、回転軸L1と平
行に設けたベーン溝25aと、このベーン溝25aに出
入り自在に嵌挿され、先端がシリンダ28の内面と近接
するベーン33を備えている。ベーン33はピストン2
5とシリンダ28との間の空間を分割し、吸入室34と
吐出室35を形成している。
【0018】ピストン25の上端面は第一軸受部材27
の下端面に密接配置し、ピストン25の下端面は仕切板
29の上端面に密接配置する。さらに、シリンダ28の
上端面は第一軸受部材27の下端面に密接配置すること
により、流体の漏れを防止する構成としている。
【0019】また、ザグリ部29aがピストン25の下
端面に覆われるように、ザグリ部29aの半径rzを、
ピストン25の半径rp、所定偏心幅eを用いて、rz
p−eで表される条件を満たす構成とし、ザグリ部2
9aと吸入室34および吐出室35の間の流体の漏れを
防止する構成としている。
【0020】第一軸受部材27には吸入ポート27aと
吐出ポート27bが設けられている。吸入室34は吸入
ポート27aを介して吸入管36と連通し、吐出室35
は吐出ポート27bと密閉シェル21を介して吐出管3
7と連通している。
【0021】以下に図1〜図3を用いて、本実施の形態
の回転式流体機械の動作について説明する。
【0022】ローター22およびステータ23からなる
電動要素を作動させることにより、シャフト24が駆動
され、これと一体のピストン25が回転する。また、シ
ャフト24先端の凸キー24aと嵌まりあうオルダム軸
継手32によって、オルダム軸継手32と嵌まりあう凹
キー29bを有する仕切板29およびこれと一体のシリ
ンダ28が、ピストン25と同一方向に同期回転する。
この時、ベーン33は遠心力および背圧によりシリンダ
28内面に近接するよう、ピストン25に設けられたベ
ーン溝25a内を出入りしながらピストン25と共に回
転軸L1の回りを回転する。
【0023】これにより、ベーン33の回転の進行方向
側に形成されている吐出室35は回転に伴って容積を減
じ、進行方向とは反対側に形成されている吸入室34は
容積を増すことになる。よって、冷凍サイクル中から、
吸入管36を介して吸入ポート27aから吸入された流
体(例えばHFC134a)は、圧縮されて吐出ポート
27bを介して、いったん密閉シェル21内に吐き出さ
れた後、吐出管37から冷凍サイクル中に戻される。
【0024】本実施の形態では、オルダム軸継手32を
用いたため、ピストン25とシリンダ28を同一方向に
同期回転させることができる。したがって、ベーン33
の先端とシリンダ28の内面との摺動は、ベーン32側
は凸円弧でシリンダ28側は凹円弧となり、油膜形成に
適した形状であり、しかも1回転あたり偏心幅eの2倍
に相当する安定した往復摺動であり、シリンダ28の内
径の大小に依存せず、摺動速度も従来のスライディング
ベーン型ロータリー圧縮機に比べて格段に遅いものであ
る。そのため、流体自体に潤滑性の乏しいHFC134
aなどを作動媒体として用いた場合にも、ベーン33の
先端や、シリンダ28の内面の摩耗がほとんどなく、信
頼性が高く長寿命を実現できると共に、この部分の摺動
損失をも低減でき高効率化を図ることができる。
【0025】また、オルダム軸継手32の材質に工具鋼
を用い、焼入れ、焼もどしを行い表面硬度をHrc45
以上としたため、コンパクトで十分な強度と耐摩耗性を
備えたオルダム軸継手32を構成することができる。
【0026】また、オルダム軸継手32を仕切板29の
ザグリ部29aの内側に備える構成としたため、非常に
コンパクトな回転式流体機械を提供できるものである。
【0027】また、ザグリ部29aがオイル溜めとなる
ため、オルダム軸継手32とシャフト24先端の凸キー
24aおよびザグリ部29aの凹キー29bの間の摺動
面にはオイルが供給され、摺動損失の低減による高効率
化を図ることができる。
【0028】さらに、シャフト24先端に凸キー24a
を設けたことにより、シリンダ28を駆動するためのト
ルクは、ローター22からシャフト24とオルダム軸継
手32のみを介してシリンダ28に伝わり、ピストン2
5を介さない。したがって、トルクの伝達経路が非常に
シンプルであり、部品間のクリアランスに起因するシリ
ンダ28の回転軸L2まわりの遊びを少なくし、振動や
騒音を低減することが可能であるとともに、トルクによ
ってピストン25が変形し、ベーン33とベーン溝25
aのクリアランスが狭まることによる焼付きの発生や、
ベーン33とベーン溝25aのクリアランスが広まるこ
とによる流体の漏れの増加を防止でき、信頼性の向上と
高効率化を図ることが可能である。 (実施の形態2)図4は本発明の第2の実施の形態の回
転式流体機械の部分縦断面図である。なお、本実施の形
態の回転式流体機械の構成は、シャフトおよびピストン
の形状を除いて図1〜3に示した第1の実施の形態と同
様である。したがって、本実施の形態において、第1の
実施の形態と同様の機能を持つ部分に対しては説明を省
略する。
【0029】本実施の形態では、回転軸L1を中心とす
る円柱状のピストン41とシャフト42は、ピストン4
1の非貫通穴とシャフト42が勘合され、平行キー43
により固定されており、ピストン41の下端面には凸キ
ー41aが設けられている。
【0030】このような構成にすることにより、オルダ
ム軸継手44の上端面の凹キー44aと嵌まりあうピス
トン41の下端面の凸キー41aの長さをシャフト42
の径に関係なく長くすることが可能であり、シリンダ4
5の径が大きくシリンダ45を回転駆動させるために大
きなトルクが必要な場合でも凸キー41aは十分な強度
を保つことができ、信頼性を向上させることが可能であ
る。
【0031】また、所定偏心幅eが大きく、ピストン4
1下端面の凸キー41a上でのオルダム軸継手44の移
動量が大きな場合でも、オルダム軸継手44とピストン
41の下端面の凸キー44aとの嵌まりあいを十分に保
つことができ、オルダム軸継手44の動きが滑らかにな
り摩耗が低減するので、信頼性が向上する。 (実施の形態3)図5は本発明の第3の実施の形態の回
転式流体機械の構成要素の斜視図である。なお、本実施
の形態の回転式流体機械の構成は、シャフトと仕切板の
形状およびオルダム軸継手を用いないことを除いて図1
〜3に示した第1の実施の形態と同様である。したがっ
て、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の
機能を持つ部分に対しては説明を省略する。
【0032】本実施の形態では、仕切板51にはザグリ
部51aが設けられ、ザグリ部51aの内面には回転軸
L2を中心軸とする内歯車51bが設けられており、シ
ャフト52の先端には回転軸L1を中心軸とする外歯車
52aが設けられている。このとき、内歯車51bと外
歯車52aのそれぞれのピッチ円の半径の差は、所定偏
心幅eと等しくし、互いにかみ合うようにする。また、
ザグリ部51aの内歯車51bがピストン53の下端面
に覆われるように、内歯車51bの歯底円の半径r
gを、ピストン53の半径rp、所定偏心幅eを用いて、
g≦rp−eで表される条件を満たす構成とし、ザグリ
部51aと吸入室(図示せず)および吐出室(図示せ
ず)の間の流体の漏れを防止する構成としている。
【0033】本実施の形態の回転式流体機械の動作は次
のようになる。ローター(図示せず)およびステータ
(図示せず)からなる電動要素を作動させることによ
り、シャフト52が駆動され、これと一体のピストン5
3が回転する。また、シャフト52の先端の外歯車52
aとかみ合う仕切板51の内歯車51bにより、仕切板
51およびこれと一体のシリンダ54はピストン53と
同一方向に回転する。
【0034】本実施の形態では、仕切板51に内歯車5
1bを、シャフト52の先端に外歯車52aを、互いに
かみ合うように設けたため、ピストン53とシリンダ5
4を同一方向に回転させることができる。したがって、
ベーン55の先端とシリンダ54の内面との摺動は、ベ
ーン55側は凸円弧でシリンダ54側は凹円弧となり、
油膜形成に適した形状であり、しかもベーン55の先端
とシリンダ54の内面との摺動速度は従来のスライディ
ングベーン型ロータリー圧縮機に比べて格段に遅いもの
である。そのため、流体自体に潤滑性の乏しいHFC1
34aなどを作動媒体として用いた場合にも、ベーン5
5の先端や、シリンダ54の内面の摩耗がほとんどな
く、信頼性が高く長寿命を実現できると共に、この部分
の摺動損失をも低減でき高効率化を図ることができる。
【0035】また、内歯車51bを仕切板51のザグリ
部51aの内面に設け、シャフト52の先端の外歯車5
2aが仕切板51のザグリ部51aの内側に位置する構
成としたため、非常にコンパクトな回転式流体機械を提
供できるものである。
【0036】また、ザグリ部51aがオイル溜めとなる
ため、ザグリ部51aの内面でかみ合う内歯車51bと
外歯車52aの間にはオイルが供給され、摺動損失の低
減による高効率化を図ることができる。
【0037】さらに、シャフト52の先端に外歯車52
aを設けたことにより、シリンダ54を駆動するための
トルクは、ローター(図示せず)からシャフト52のみ
を介してシリンダ54に伝わり、ピストン53を介さな
い。したがって、トルクの伝達経路が非常にシンプルで
あり、部品間のクリアランスに起因するシリンダ54の
回転軸L2回りの遊びを少なくし、振動や騒音を低減す
ることが可能であるとともに、トルクによってピストン
53が変形し、ベーン55とベーン溝53aのクリアラ
ンスが狭まることによる焼付きの発生や、ベーン55と
ベーン溝53aのクリアランスが広まることによる流体
の漏れの増加を防止でき、信頼性の向上と高効率化を図
ることが可能である。 (実施の形態4)図6は本発明の第4の実施の形態の回
転式流体機械の部分縦断面図である。なお、本実施の形
態の回転式流体機械の構成は、シャフトおよびピストン
の形状を除いて図5に示した第3の実施の形態と同様で
ある。したがって、本実施の形態において、第3の実施
の形態と同様の機能を持つ部分に対しては説明を省略す
る。
【0038】本実施の形態では、回転軸L1を中心とす
る円柱状のピストン61とシャフト62は、ピストン6
1の非貫通穴とシャフト62が勘合されて平行キー63
により固定されており、ピストン61の下端面には外歯
車61aが仕切板64の内歯車64aとかみ合うように
設けられている。
【0039】このような構成にすることにより、仕切板
64の内歯車64aおよびそれとかみ合うピストン61
の下端面の外歯車61aの径を、シャフト62の径に関
係なく大きくすることができるので、シリンダ65の径
が大きくシリンダ65を回転駆動させるために大きなト
ルクが必要な場合でも、内歯車64aおよび外歯車61
aは十分な強度が保つことができ、信頼性を向上させる
ことが可能である。
【0040】なお、本発明の回転式流体機械において取
り扱う作動媒体は、上述した第1〜第4の実施の形態に
おいては、HFC134a等の塩素を含まない冷媒であ
るとして説明したが、これに限るものではない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明では、ベーン先端とシリンダ内面との摺動
は、ベーン側は凸円弧でシリンダ側は凸円弧となり、油
膜形成に適した形状であり、しかもベーン先端とシリン
ダ内面との摺動速度は従来のスライディングベーン型ロ
ータリー圧縮機に比べて格段に遅いものである。そのた
め、流体自体に潤滑性の乏しいHFC134aなどを作
動媒体として用いた場合にも、ベーン先端や、シリンダ
の内面の摩耗がほとんどなく、信頼性が高く長寿命を実
現できると共に、この部分の摺動損失をも低減でき高効
率化を図れるものである。
【0042】また、ピストンとシリンダを同一方向に回
転させるための機構をシリンダの仕切板のザグリ部の内
側に設けた構成としたため、非常にコンパクトな回転式
流体機械を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における回転式流体機械
の縦断面図。
【図2】図1のB−B部の横断面図
【図3】本発明の実施の形態1における回転式流体機械
の構成要素の斜視図
【図4】本発明の実施の形態2における回転式流体機械
の部分縦断面図
【図5】本発明の実施の形態3における回転式流体機械
の構成要素の斜視図
【図6】本発明の実施の形態4における回転式流体機械
の部分縦断面図
【図7】従来のロータリー圧縮機の縦断面図
【図8】図7のA−A部の横断面図
【符号の説明】
24、42、52、62 シャフト 25、41、53、61 ピストン 28、45、54、65 シリンダ 32、44 オルダム軸継手 33、55 ベーン 51b、64a 内歯車 52a、61a 外歯車
フロントページの続き (72)発明者 西脇 文俊 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 新宅 秀信 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA05 AB03 BB01 BB16 BB42 BB44 CC03 CC05 CC08 CC19 3H040 AA09 BB01 BB10 BB11 CC05 CC09 CC14 DD02 DD07 DD09 DD32

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一回転軸の回りで回転可能なシャフト
    と、前記シャフトに取り付けられ、前記第一回転軸を中
    心軸とする円柱状のピストンと、前記シャフトを支持す
    る第一軸受部材と、前記第一回転軸に対し所定偏心幅だ
    け偏心した第二回転軸を円柱状の中空部の中心軸とし、
    かつ前記第二回転軸の回りで回転可能なシリンダと、前
    記シリンダの一方の端に設けられた仕切板と、前記ピス
    トンの外周面に前記第一回転軸と平行に設けられたベー
    ン溝と、前記ベーン溝に出入り自在に嵌挿されたベーン
    と、前記ピストンを回転させる駆動要素とを備え、 前記ピストンの前記第一回転軸方向の厚みと前記シリン
    ダの中空部の前記第二回転軸方向の厚みは実質上一致
    し、前記シリンダは前記第一軸受部材と摺動面を介して
    接しており、前記所定偏心幅は、前記ピストンの外周面
    と前記シリンダの内面とが近接するように設定された幅
    であり、前記シリンダの中空部と前記ピストンとで形成
    される空間は、前記ベーンの先端が前記シリンダの中空
    部内面と近接することで吸入室と吐出室に分割され、前
    記仕切板に円筒状のザグリ部が設けられ、前記ザグリ部
    の内側に、前記ピストンと前記シリンダを同一方向に回
    転させる機能を有する円柱状のオルダム軸継手が設けら
    れていることを特徴とする回転式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記ザグリ部の半径rz、前記オルダム
    軸継手の半径ro、前記ピストンの半径rp、及び前記所
    定偏心幅eが、ro+e≦rz≦rp−eを満たすことを
    特徴とする請求項1記載の回転式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記シャフトの先端に前記オルダム軸継
    手と嵌まりあうキーが設けられていることを特徴とする
    請求項1又は、2記載の回転式流体機械。
  4. 【請求項4】 前記ピストンの端面に前記オルダム軸継
    手と嵌まりあうキーが設けられていることを特徴とする
    請求項1又は、2記載の回転式流体機械。
  5. 【請求項5】 第一回転軸の回りで回転可能なシャフト
    と、前記シャフトに取り付けられ、前記第一回転軸を中
    心軸とする円柱状のピストンと、前記シャフトを支持す
    る第一軸受部材と、前記第一回転軸に対し所定偏心幅だ
    け偏心した第二回転軸を円柱状の中空部の中心軸とし、
    かつ前記第二回転軸の回りで回転可能なシリンダと、前
    記シリンダの一方の端に設けられた仕切板と、前記ピス
    トンの外周面に前記第一回転軸と平行に設けられたベー
    ン溝と、前記ベーン溝に出入り自在に嵌挿されたベーン
    と、前記ピストンを回転させる駆動要素と、前記仕切板
    に設けられ前記第二回転軸の回りで回転可能な内歯車
    と、前記第一回転軸の回りで回転可能で前記内歯車とか
    み合う外歯車とを備え、 前記ピストンの前記第一回転軸方向の厚みと前記シリン
    ダの中空部の前記第二回転軸方向の厚みは実質上一致
    し、前記シリンダは前記第一軸受部材と摺動面を介して
    接しており、前記所定偏心幅は、前記ピストンの外周面
    と前記シリンダの内面とが近接するように設定された幅
    であり、前記シリンダの中空部と前記ピストンとで形成
    される空間は、前記ベーンの先端が前記シリンダの中空
    部内面と近接することで吸入室と吐出室に分割され、前
    記内歯車と前記外歯車は、前記ピストンと前記シリンダ
    を同一方向に回転させる機能を果たすことを特徴とする
    回転式流体機械。
  6. 【請求項6】 前記内歯車の歯底円の半径rg、前記ピ
    ストンの半径rp、前記所定偏心幅eが、rg≦rp−e
    を満たすことを特徴とする請求項5記載の回転式流体機
    械。
  7. 【請求項7】 前記外歯車が前記シャフト先端に設けら
    れていることを特徴とする請求項5又は、6記載の回転
    式流体機械。
  8. 【請求項8】 前記外歯車が前記ピストン端面に設けら
    れていることを特徴とする請求項5又は、6記載の回転
    式流体機械。
  9. 【請求項9】 塩素を含まない冷媒を作動媒体として用
    いて運転することを特徴とする請求項1〜8のいずれか
    に記載の回転式流体機械。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100614421B1 (ko) 2004-05-24 2006-08-22 에이앤피테크놀로지 주식회사 로터리 조인트 장치
EP2746532B1 (de) 2012-12-19 2018-02-14 Pierburg Pump Technology GmbH Rotoranordnung für eine Vakuumpumpe sowie Vakuumpumpe mit einer derartigen Rotoranordnung

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