JP2000159816A - メタクリル系重合体の製造方法 - Google Patents
メタクリル系重合体の製造方法Info
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Abstract
重合組成比の斑の小さいメタクリル系重合体の連続的重
合法の提供。 【解決手段】 メチルメタクリレートを主成分とする
モノマー混合物および重合開始剤を完全混合型反応器へ
連続的に供給して塊状もしくは溶液重合する際に、反応
液の平均滞在時間を一定とし、かつ重合体転化率が最も
高くなるピーク温度が110〜160℃の間に存在する
ように重合開始剤および反応器の混合時間を選択し、こ
のピーク温度の±10℃の範囲で重合する。
Description
体の改良された製造方法に関する。より詳しくは、メチ
ルメタクリレートまたはメチルメタクリレートを主成分
とするモノマー混合物を完全混合型反応器を用いて連続
的に重合する際に、特定の反応条件を採用する操作安定
性に極めて優れた製造方法に関する。
MA)の工業的な製法は、懸濁重合法を用いるバッチ重
合法が主であった。この方法は、多品種少量生産には適
した製造方法であるが、分散剤等の補助剤を使用するた
めに、成形材料中にこれらが残留して品質を低下させ、
また後処理に大量の水による洗浄及びその後の乾燥を必
要とした。さらに重合操作が回分式であることもあって
運転操作が非能率的、煩雑であると同時に装置費、運転
費等の所要費が高くついた。さらに公害規制が厳しくな
っている現在、分散剤等の補助剤および未反応モノマー
を含む重合に使用された水または洗浄水を大量に放出す
ることは好ましくない。処理装置を新たに設置するとさ
らに所要費の増加となり、工業的に不利な製造方法とな
らざるを得ない。こうした懸濁重合法の抱える問題を解
決するために、MMAを塊状重合により連続的に製造す
る方法が提案されている。
は、重合温度におけるラジカル重合開始剤の半減期と添
加量を特定し、重合反応温度130℃から160℃にお
いて重合体転化率を50重量%から78重量%とする方
法が開示されている。この方法では、耐熱性に優れかつ
成形時の熱分解性に優れた成形加工温度幅の広いメタク
リル系重合体成形材料を製造することができた。しか
し、この方法では、重合温度の変動により重合体転化率
が大きく変動するため、厳密に重合条件を管理する必要
があり運転管理に苦労を要し、改善が求められていた。
は、メチルメタクリレートを主成分とするモノマー混合
物を、完全混合型反応器一基により、ラジカル開始剤と
して重合温度での半減期が0.5〜120秒のものを用
い、反応液1m3あたり0.5〜20kWの攪拌動力と
なる攪拌機で攪拌しながら、平均滞在時間がラジカル開
始剤の半減期との比で1/200〜1/10000とな
るように設定し、130〜160℃の温度で、重合体転
化率が45〜70重量%となるよう重合させるメタクリ
ル系重合体の製造方法が開示されている。
体転化率が低くなるという、従来の反応速度論の常識と
は異なる現象を見出したことにより、暴走反応を抑制で
きることが有利な点であり、また何らかの原因で反応温
度が上昇した場合、重合体転化率が減少するため発熱量
が減り、自動的に重合温度が低下して元の温度に復元さ
れる自己制御性があり安定運転に有利であるとされてい
る。しかしながら、完全混合型反応器における重合温度
は、実際にはモノマーの供給温度および反応器のジャケ
ット温度を調節することにより一定温度を維持するよう
に管理されるため、逆に重合温度の変動を増幅する危険
があり、この重合温度の変動のために重合体転化率が安
定しないという問題があった。
従来の問題点を鑑みてなされたものであり、重合温度の
管理、及び重合体転化率の管理において極めて操業安定
性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の反応条件
を採用することによりその目的を達成しうることを見出
し、本発明を完成するに至った。
トまたはメチルメタクリレートを主成分とするモノマー
混合物および重合開始剤を含む原料または更に溶媒を含
む原料を完全混合型反応器へ連続的に供給して塊状重合
または溶液重合する方法において、反応器内における反
応液の平均滞在時間を一定とし、かつ重合温度と重合体
転化率との関係において重合体転化率が最も高くなるピ
ーク温度が110〜160℃の間に存在するように重合
開始剤および反応器の混合時間を選択し、該ピーク温度
を中心として±10℃の範囲の一定温度で重合すること
を特徴とするメタクリル系重合体の製造方法である。
温度において重合することが好ましい。
系重合体、すなわちメチルメタクリレートの単独重合体
または共重合体の製造に適用される。共重合体を製造す
る場合は、メチルメタクリレートを主成分とするモノマ
ー混合物、すなわち80重量%以上のメチルメタクリレ
ートとメチルメタクリレートと共重合可能な20重量%
以下の他のモノマーとを含むモノマー混合物を用いるこ
とが好ましい。
特に限定されないが例えばメチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、フルオロアル
キルメタクリレート、ベンジルメタクリレートなどの
(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。以下、メ
チルメタクリレートまたはモノマー混合物を「原料モノ
マー」という。
モノマーと溶媒を含む反応原料に窒素等の不活性ガスを
導入するか、もしくは減圧下に一定時間保持することに
より、溶存酸素を2ppm以下とすることが好ましい。
溶存酸素が2ppmより多いと重合反応が安定しないば
かりでなく、重合工程で長時間、高温に保持されること
により容易に着色するためである。1ppm以下とする
ことがより好ましい。
モノマーまたは反応原料には、重合開始剤および必要に
応じて連鎖移動剤としてメルカプタン化合物を混合し、
完全混合型反応器に連続的に供給する。そして反応器内
で重合反応が始まり、原料は反応液となる。
しては、特に限定されないがn−ブチル、n−オクチ
ル、n−ドデシル、tert−ブチルメルカプタン等が
好ましく用いられる。
止した重合体は耐熱分解性に優れており、全重合体の末
端数に占めるメルカプタン停止末端数の割合が多いほ
ど、耐熱分解性に優れた重合体が得られる。しかしなが
ら、多すぎると重合体の重合度が低くなり重合体の強度
が低下するので、強度を保ちつつ成形加工が可能な適度
な重合度(本発明では、最終的に揮発分を除去した後の
重合体の重量平均分子量が7万〜15万の範囲が好まし
い。)を得るとともに耐熱分解性に優れた重合体を製造
するには、メルカプタンの使用量は、モノマー1モルに
対して1.0×10-4〜1.0×10-2モル、好ましく
は5.0×10-4〜5.0×10-3モルである。
の関係において重合体転化率が最も高くなるピーク温度
が110〜160℃の間に存在するように、反応器の混
合時間との関係で適当なものを選択する。すなわち、重
合開始剤の半減期と反応器の混合時間との比が、下記
(1)式を満足するように選定することにより、重合体
転化率が最も高くなるピーク温度が存在することにな
り、本発明の製造方法が実施できる。 0.35≦(τ1/2/θM)≦2.0 (1) ただし、τ1/2:重合温度における重合開始剤の半減時
間[sec] θM:反応器の混合時間[sec] すなわち、(τ1/2/θM)の値が小さいということは、
反応器に供給される重合開始剤が反応器内に均一に広が
る前に、開始剤の大半は分解してしまうことを意味して
いる。反応工学の分野で多用される反応器の解析モデル
を適用すると、完全混合型反応器でありながら、反応挙
動としては完全混合モデルとは言えず、プラグフローモ
デルとの中間的挙動を示すことを意味している。逆に、
(τ1/2/θM)の値が大きいということは重合開始剤が
ほとんど分解されないまま反応器内に均一に広がるた
め、反応器の型式通り完全混合モデルとして考えること
ができる。
中の重合体の含有率が約30重量%を越えるあたりから
ゲル効果により重合速度が加速する現象が生じることが
知られている。そのため、完全混合型反応器では極めて
少量の重合開始剤により効率的にモノマーの重合体転化
率を高くすることが可能であるが、一方、プラグフロー
型反応器では重合開始剤が急速に分解し消失してしまう
ためデッドエンド重合となって同じ温度及び重合開始剤
量の条件下では重合体転化率が低くなる。もちろん、同
じ重合開始剤量であっても重合温度を十分に低くして重
合開始剤をゆっくりと分解させれば高い重合体転化率を
得ることが理論的には考えられるが、実際は、反応器内
の閉塞が起こるため安定運転は困難である。
重合挙動から完全混合型反応器内で起こっている現象を
説明すると、同じ重合開始剤を用い、供給する重合開始
剤濃度、反応器内における反応液の平均滞在時間を同じ
にして重合温度を数点変えて重合体転化率を求めると、
重合開始剤の分解速度が遅くなる低い重合温度領域では
完全混合モデルと見なされるため一般的な反応速度論と
同じように温度が高いほど重合体転化率は高くなる。更
に温度を上げていくとプラグフローモデルの重合挙動が
共存するようになり次第に重合体転化率は上昇しなくな
り、更に温度を上げると逆にプラグフローモデルの重合
挙動が支配的となって重合体転化率が低下する。
最も高くなるピーク重合温度の存在を見極め、このピー
ク温度を中心として±10℃の範囲の一定温度下に重合
を実施する。このピーク温度を中心として±10℃の範
囲で重合を実施した場合には、重合体転化率の変化が極
めて小さく、わずか3重量%程度しか変化しないことが
判明している。
の原因で重合温度が上昇したりあるいは低下したとして
も重合体転化率はほぼ一定であり、重合温度の影響を受
けずに重合体転化率を一定に維持するという操作を自動
的に行うことが可能である。また、反応による発熱量が
常に一定であるため重合温度の管理は、ジャケット温度
またはモノマー供給温度を簡単に制御するのみで、重合
体転化率の変動には影響を及ぼさない。
り、重合工程の管理が楽になるというばかりでなく、反
応器から取り出した重合体と未反応モノマーを含む反応
混合物または更に溶媒を含む反応混合物が、重合工程の
後に続く揮発物除去工程へ常に一定の重合体転化率で供
給されることにより、揮発物除去工程の運転安定性が向
上するという効果がもたらされる。
ーとの共重合体を得る場合、反応器における重合体転化
率が一定であるということは、共重合体の組成比が常に
一定になり、共重合組成比の斑が非常に小さいことを意
味しており、品質上においても非常に効果が大きい。特
に、メチルメタクリレートは光学材料としての用途が多
く、光学ひずみのない均一な材料が求められるため、共
重合体の組成が一定であることは商品価値が高い。中で
もプラスチック光ファイバとしての用途が光学性能上最
も要求が厳しく、芯材及び鞘材の製造方法として本発明
の効果が最も発揮される分野である。
も重合体転化率が変動しないという特異的現象を利用す
ることにより、工程の安定化のみならず共重合体の組成
比を自動的に一定値に収束させるという品質向上の効果
をも発現するという有意性を伴っていることが工業的に
重要な点である。
ヘリカルリボン翼を使用する場合、式(1)中の混合時
間は下記(2)式で計算できることが一般に知られてい
る。 θM=33/n (2) ただし、θM:混合時間[sec]、n:攪拌回転数[1/sec] したがって、ダブルヘリカルリボン翼で攪拌を行う場
合、式(1)、(2)を満足するような攪拌回転数と半
減時間をもつ重合開始剤の組み合わせを選定することに
より本発明を実施することができる。しかし、攪拌翼が
ダブルヘリカルリボン翼でない場合には、式(2)を適
用することはできないので、使用する攪拌翼について混
合時間を測定して式(1)にあてはめる必要がある。
ては、具体的にはtert−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、tert−ヘキシルパーオキシピバレート、t
ert−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3
−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネ
ート、1−シクロヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキ
サネート、tert−ヘキシルパーオキシ−2−エチル
ヘキサネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサネート等の有機過酸化物または2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾ
ビスイソブチレート等のアゾ化合物等から重合温度と式
(1)、(2)を考慮して選択することができる。
てもよいし、2種以上混合して使用してもよいが、2種
以上使用する場合は重合メカニズムが複雑になるので、
1種の単独使用が好ましい。
減期の値は、有機過酸化物については日本油脂(株)発
行のカタログ、アゾ化合物については和光純薬(株)発
行のテクニカルビュレタンに記載の値を採用することが
できる。
おいて、110〜160℃の範囲から選択された一定の
反応液の重合温度において、実質的に均一に攪拌混合す
ることが好ましい。重合温度が低過ぎると低いとゲル効
果による重合速度の加速現象が大きくなる。この場合、
加速現象の影響を避けるため重合体転化率が低い条件で
しか安定に運転することが困難となり、生産性が低下し
て経済的に不利である。好ましい重合温度は120℃以
上である。
安定になり重合体転化率を高くすることができるが、二
量体の生成が非常に多くなるため揮発分除去後の重合体
の透明性ならびに機械的強度が低下する。この重合温度
は140℃以下にすることがより好ましい。
器内における反応液の平均滞在時間と重合開始剤の供給
濃度が一定の条件のもと、温度と重合体転化率の関係に
おいて最も重合体転化率が高くなるピーク温度が110
〜160℃の間に存在し、そのピーク温度を中心として
±10℃の範囲の一定温度に重合温度を設定することが
重要である。
定の条件のもとでは、温度と重合体転化率の関係におい
て最も重合体転化率が高くなるピーク温度を中心として
±10℃の範囲においては、たとえ何らかの要因によっ
て重合温度が変動したとしても重合体転化率はほとんど
変化しない。そのために操作安定性が抜群に改善され
る。より好ましくは最も重合体転化率が高くなる温度を
中心として±5℃の範囲に重合温度を設定する。重合温
度がピーク温度を中心として±10℃の範囲を超える場
合には、温度の変動に対する重合体転化率の変動が大き
いために重合条件の管理を厳しくする必要が生ずる。
率が高くなるピーク温度より低温側で重合を実施するこ
とが好ましい。先に述べたように、重合体転化率が最も
高くなるピーク温度が存在するという現象は、重合挙動
が完全混合モデルからプラグフローモデルになることに
よって生じるために、オリゴマー等の低分子量体の生成
が起こりやすいことを意味している。したがってこのピ
ーク温度より高温になるにしたがい低分子量体の生成を
促進する。この結果、揮発分除去後の重合体の熱変形温
度の低下、耐熱分解性の低下をもたらす。したがって、
重合温度はピーク温度より低温側で実施することが好ま
しい。
内における反応液の平均滞在時間、目標とする重合体転
化率によって決まるが、重合体の末端二重結合量の少な
い耐熱分解性に優れた重合体を得るためには、その使用
量の上限はモノマー1モルに対して1.0×10-4モ
ル、また工業的生産性を考慮して下限は5.0×10-6
モルの範囲で供給することが好ましい。
滞在時間は、1〜6時間とすることが好ましい。この範
囲内にすることにより、重合制御を安定にすることがで
きるとともに、成形加工性に優れた重合体を製造するこ
とができる。滞在時間が短かすぎると、重合開始剤の使
用量を増やす必要があり、重合開始剤の増加により重合
反応の制御が難しくなるとともに、重合体の末端二重結
合量が多くなるため耐熱分解性に優れた重合体は得られ
ない。より好ましくは2時間以上である。一方、上記平
均滞在時間が長すぎると生産性が低下するとともに、二
量体の生成が多くなるため好ましくない。より好ましく
は5時間以下である。反応液の平均滞在時間は、重合反
応中一定に保つことが必要である。平均滞在時間が変動
すると、温度と重合体転化率の関係において最も重合体
転化率が高くなるピーク温度も変動するため、本発明の
方法が実施できなくなる。
エン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メタ
ノール、エタノール、エチルベンゼン、メチルイソブチ
ルケトン、酢酸n−ブチル等を溶媒として使用すること
ができる。これらの中でもメチルエチルケトン、メタノ
ール、エタノール、酢酸n−ブチル等が好ましい。溶媒
を含む原料に対する溶媒の含有量は20重量%以下が好
ましく、10重量%以下がより好ましい。
熱があるので除熱して、場合によっては加熱して所定の
重合温度に制御する。温度制御は既知の方法によって行
うことができる。例えばジャケット、反応器内に設置し
たドラフトチューブあるいはコイル等への熱媒循環によ
る伝熱除熱あるいは伝熱加熱、原料の冷却供給、モノマ
ー蒸気の環流冷却等の方法を採用することができる。
の含有率は、30〜70重量%の範囲にあることが好ま
しい。重合体の含有率が高すぎると粘度が高いためにゲ
ル効果による重合速度の加速が激しいために安定な運転
が困難である。
応モノマーを主成分とする揮発物の分離のためにコスト
が増大して工業的に不利である。さらに、より安定に経
済的に有利に製造する条件は、好ましくは重合温度が1
20〜140℃の範囲において40〜55重量%の範囲
である。
ては、原料の供給口、反応混合物の取り出し口及び攪拌
装置を備えた槽型反応装置を用いることができ、攪拌装
置は反応器内全体にわたる混合性能を持つことが必要で
ある。好ましい攪拌装置としては、ダブルヘリカルリボ
ン翼またはマックスブレンド翼(住友重機械工業(株)
製)等が挙げられる。
通常は、未反応モノマーまたは溶媒を含む未反応モノマ
ーを主成分とする揮発物分離工程を有しており、連続的
に送られてくる所定の重合体転化率を有する反応混合物
を、減圧下に170〜290℃に加熱して、揮発物の大
部分を連続的に分離除去し、得られる重合体中の残存モ
ノマー含有率が、好ましくは1.0重量%以下、より好
ましくは0.3重量%以下となるようにする。
る。二量体は、重合体の加熱成型時の着色原因や熱変形
温度の低下原因となるため少ない方が好ましい。得られ
る重合体中の残存二量体含有率は好ましくは0.1重量
%以下、より好ましくは0.05重量%以下となるよう
にする。
成形材料として用いる際には、高級アルコール類、高級
脂肪酸エステル類等の滑剤を添加することができる。ま
た必要に応じて紫外線吸収剤、熱安定剤、着色剤、帯電
防止剤等を添加することができる。
説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
性の評価は、セイコー電子工業(株)製の示差熱電子天
秤(SSC500)を使用し、ペレット形状の重合体を
空気中で5℃/分の昇温速度で400℃まで昇温したと
きの屈曲温度(℃)を測定し、これをもって熱分解しや
すいかどうかの指標とした。
タクリレート98重量%およびメチルアクリレート2重
量%からなるモノマー混合物1モルに対し、n−オクチ
ルメルカプタン1.71×10-3モル(0.25重量
%)および重合開始剤としてジメチル−2,2'−アゾ
ビスイソブチレート1.95×10-5モル(45pp
m)の割合でそれぞれ添加した原料を溶存酸素2ppm
以下にして完全混合型反応器に連続的に供給した。反応
器内に供給された原料はダブルヘリカルリボン翼により
65rpmで攪拌混合した。重合器内における反応液の
平均滞在時間を4時間として、重合温度のみを125
℃、130℃、135℃、140℃(実施例1〜4)お
よび145℃(比較例1)の一定温度にそれぞれ変えて
(その他の条件は全て同じまま)重合を実施した。
し、ポンプを用いて送液し、連続的にベントエクストル
ーダ型押し出し機に供給して揮発物を分離除去して重合
体を得た。
から反応器でのモノマーの重合体転化率、得られた重合
体の残存モノマー含有率、残存二量体含有率及び熱分解
温度を測定し、表1及び図1の結果を得た。図1より最
も重合体転化率が高くなる温度は133℃付近であるこ
とが確認された。また、各温度で100時間の運転を連
続して行ったが(計500時間)、重合温度の変動に対
する重合体転化率の変動が小さいため、実施例1〜4で
は操業は極めて安定しており、運転終了後に反応器内を
観察しても装置への重合体の付着及び異物の生成は認め
られなかった。しかし、残存二量体含有率は重合温度が
高いほど増加していた。また重合温度が高いほど重合体
の熱分解温度が低下しており、125℃および130℃
の重合温度で製造した重合体が熱分解温度が高く耐熱分
解性に優れていた。
ルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
に代えて、モノマー混合物1モルに対して2.2×10
-5モル(50ppm)添加した以外は実施例と同様に1
25℃、130℃、135℃、140℃および145℃
のそれぞれ一定の重合温度において重合を実施し、重合
体転化率を測定し、表1、図2の結果を得た。図2より
明らかなように、重合体転化率は重合温度が高くなるに
したがって高くなっており、反応速度論の常識と一致し
ており、重合温度の変動に対する重合体転化率の変動
は、実施例1〜4と比較して大きかった。そのため、各
温度で100時間の運転を連続して行ったが(計500
時間)、実施例1〜4と比較して操業は不安定であっ
た。
クリレートまたはメチルメタクリレートを主成分とする
モノマー混合物を完全混合型反応器を用いて特定条件に
おいて連続的に重合することにより、重合反応の管理を
簡易にできるとともに、共重合組成比の斑の非常に小さ
い光学材料として有用なメタクリル系重合体を製造する
ことができる。
体転化率の関係を示す図である。
の関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 メチルメタクリレートまたはメチルメタ
クリレートを主成分とするモノマー混合物および重合開
始剤を含む原料または更に溶媒を含む原料を完全混合型
反応器へ連続的に供給して塊状重合または溶液重合する
方法において、反応器内における反応液の平均滞在時間
を一定とし、かつ重合温度と重合体転化率との関係にお
いて重合体転化率が最も高くなるピーク温度が110〜
160℃の間に存在するように重合開始剤および反応器
の混合時間を選択し、該ピーク温度を中心として±10
℃の範囲の一定温度で重合することを特徴とするメタク
リル系重合体の製造方法。 - 【請求項2】 前記ピーク温度より低温側の温度におい
て重合することを特徴とする請求項1記載のメタクリル
系重合体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP33786398A JP3434225B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | メタクリル系重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP33786398A JP3434225B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | メタクリル系重合体の製造方法 |
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JP33786398A Expired - Lifetime JP3434225B2 (ja) | 1998-11-27 | 1998-11-27 | メタクリル系重合体の製造方法 |
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Cited By (5)
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