JP2000158814A - 塗布膜を形成する方法、塗布膜及びその熱処理方法並びに感熱記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
塗布膜を形成する方法、塗布膜及びその熱処理方法並びに感熱記録媒体及びその製造方法Info
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Abstract
つ簡便な方法で残留溶媒を除去可能な複数積層された塗
布膜の形成方法、並びに感熱記録媒体中の残留溶媒の量
を迅速に許容量まで除去し、安定した発色濃度が得られ
る感熱記録媒体を提供する。 【解決手段】 樹脂を含む膜が複数積層されてなる塗布
膜を形成する方法において、該複数膜のうち隣接する任
意の2つの膜A、Bを形成するために用いる2つの塗布
液の一方が少なくとも溶媒Xと樹脂Aを含み(塗布液A
という)、他方が溶媒Xよりモル分子容積が小さく且つ
樹脂Aを溶かす溶媒Yを含む塗布液(塗布液Bという)
であり、塗布液Aを用いて膜Aを形成した後、塗布液B
を用いて膜Bを形成する塗布膜を形成する方法、並びに
本方法を用いた感熱記録媒体の製造方法。
Description
法、塗布膜及びその熱処理方法並びに感熱記録媒体及び
その製造方法に関し、詳しくは、基材上、特に連続した
基材上に高分子樹脂と溶媒を含む塗工液を塗布乾燥し塗
布膜を形成する方法、塗布膜及びその熱処理方法並びに
電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物との間の発
色反応を利用した感熱記録媒体とその製造方法に関す
る。
ンダーとし、有機溶剤を用いて塗料化し、基材に塗工乾
燥し塗布膜を形成する工程は様々な製品分野で見られ
る。例えば、磁気記録媒体、感熱記録媒体などの記録媒
体や電子写真の感光体などは、その一例である。このよ
うな、様々な機能を持った塗布膜は、多くの場合、機能
の異なる複数の層からなる多層構造を有する。これら個
々の層の成膜は、一旦成膜した層の上に、更に塗工液を
塗工し乾燥することを繰り返して成膜される。このそれ
ぞれの成膜において、塗工液に用いる有機溶剤の組成
は、素材の溶解性、素材の分散性、塗工液の流動性、乾
燥成膜過程での蒸発特性などの様々な理由から選択され
る。
めには、バインダーとなる高分子樹脂の溶解性と、分散
粒子の分散性を両立した溶媒選択を行わなけれぱならな
い。また、塗膜欠陥のない表面性の優れた塗布膜を得る
ためには、乾燥成膜過程での蒸発特性を制御することが
重要となる。特に、比較的塗工量の大きい塗工液膜を乾
燥する過程では、急速な乾燥がベナードセルの発生やレ
チキュレーションの発生などの原因となる。このような
場合、乾燥工程の温度や風速などの条件による制御も可
能であるが、塗工液の有機溶媒組成で制御することも一
般的に行われている。この、塗工液の有機溶媒組成での
制御は、塗工液膜からの蒸発が遅い物質、即ち、高沸点
の溶媒を用いることにより、調整される。従って、塗工
液の溶媒組成は様々な理由から選択され、場合によって
は、蒸発しにくい有機溶媒を含むことがある。特に、比
較的塗工量の大きい場合にはその傾向が強い。
脂中で拡散速度が遅い物質が多く、除去するのはきわめ
て困難な場合がある。塗布膜の残留溶媒の除去のしやす
さは、残留溶媒濃度と強い相関がある。残留溶媒濃度が
大きい場合には、溶媒除去速度は比較的大きな値を示す
が、残留溶媒濃度の低下と共に急激に減少する。この溶
媒除去速度が急激に減少する濃度を限界含溶媒率とい
い、それ以降の溶媒除去の現象は、内部拡散律速となっ
ていると考えられている。内部拡散律速の溶媒除去過程
を促進する方法は、高温での溶媒除去操作が、唯一の方
法と考えられている。従って、内部拡散律速の過程を比
較的低温で処理するためには、溶媒除去速度が大変小さ
いため、除去のためには長時聞の処理が必要になってし
まう。
理由から、少ないレベルに制御されなければならない
が、完全に除去することは工業的にはきわめて困難な場
合がある。従って、ある程度の残留溶媒を許容すること
が多い。また、製品の機能との関連から、残留溶媒濃度
をある一定の範囲に制御しなければならない場合もあ
る。典型的な一例として、感熱記録媒体について説明す
る。感熱記録媒体は一旦ある温度以上に加熱すると発色
してしまうため、その製造工程においては、塗布膜を高
温下で処理することはできない。従って、その製造工程
における塗布液塗工後の乾燥過程や、それと同時、又
は、続いて行われる溶媒除去工程は、比較的低温下で行
わなければならない。このような制約が、感熱記録媒体
からの残留溶媒の効率的な除去をきわめて困難なものに
し、長時間の乾燥時間を必要とし、生産性を悪化させて
いた。
記録媒体における残留溶媒について、その溶媒物性と残
留溶媒濃度を規定している。また、特開平9−2489
64号公報では、感熱記録媒体における残留溶媒につい
て、ある一定量以下に制御することを規定し、更に、で
きるだけ高温での処理が可能なように含有される発色に
関わる素材の物性を規定し、残留溶媒除去に必要な時間
を削減することを達成している。しかし、このような素
材の選択を行っても、該感熱記録媒体に対する製品品質
向上の要請などから、塗布膜厚が増加する傾向にある。
このことから、残留溶媒の除去は更に困難となり、更な
る改善が求められるようになった。
通常トンネル型の乾燥炉で連続的に搬送して行われる。
これらの乾燥炉の形式、形状、操作条件は種々検討され
ている。例えば、特公昭51−2136号、特開昭59
−165658号、特開平3−123664号各公報で
は、乾燥炉の形状について開示され、特開昭62−54
627号、特公平6−94985号、特開平2−380
48号、特開平6−26764号各公報などは乾燥炉内
の温風ノズルに関する開示がなされ、特開平3−986
73号、特開平8−240387号各公報では、乾燥炉
の操作条件についての開示がされている。これらの発明
は、塗工された基体の搬送性や、膜欠陥発生の抑制、熱
効率の向上、及び塗工液膜の初期の乾燥に効果があるも
のである。しかしながら、塗工液膜の乾燥がある程度進
行した後の内部拡散律速過程での残留溶媒の除去に対す
る効果的な方法はなく、ある程度時間をかけて除去する
のが実質的な対応であった。特に、乾燥時の温度が何ら
かの理由で高く設定できない場合には、残留溶媒除去に
必要な時間は非常に長くなってしまっていた。このよう
な場合、トンネル型の乾燥炉で十分な乾燥時間を確保す
るためには、きわめて遅い処理速度となり、生産性をき
わめて損なっていた。
て劣る生産性を改善するために、この後段に熱処理を行
うことも有効である。連続した基材は、巻き取ったロー
ル状に加工し、熱処理すればスペース及び熱の効率もよ
く処理できる。但し、この方法では、巻き取った基材間
に隙間がないため、残留溶媒除去の効果は小さい。そこ
で、このような熱処理に有効な手段の一つとして、基材
縁部にナーリング処理を施す方法がある。このようなナ
ーリング処理の目的は、必ずしも塗布膜の残留溶媒除去
が目的ではないが、ロールに巻き取られた基材間に空間
ができるため、ブロッキングを防ぎ、残留溶媒除去への
寄与もある。このようなナーリング処理に関する発明
は、USP1651744号明細書で開示され、特公昭
47−161744号、特公昭58−54007号、特
公平5−19899号各公報などにも縁部の加工方法が
改良され開示されている。しかし、このような熱処理方
法や、ナーリング処理した巻き取りを熱処理する場合に
おいても、塗布膜中の残留溶媒のうち拡散しにくい溶媒
の除去は、非常に困難であるのが現状である。
て、Vrentasらが理論解析により提案した方法
[J.Appl.Polym.Sci.,30,449
9(1985)]がある。この方法について簡単に説明
する。Vrentasらは、塗布膜中の溶媒の除去を促
進するために、第2の溶媒を導入する方法を提案してい
る。この方法は、高分子樹脂中に微少量残留した高沸点
溶媒などの除去を、比較的低温で行うことを対象として
いる。高分子樹脂中に残留した高沸点溶媒などの除去を
困難にしている要因は、主に次の2点である。高分子
樹脂中に残留する溶媒量が少なくなるほど、高分子樹脂
中の溶媒の拡散係数が急激に小さくなる。高分子樹脂
中の溶媒の拡散係数は、その溶媒分子自身の大きさ(モ
ル分子容積)が大きいほど小さくなる(高沸点溶媒は比
校的分子が大きいため、拡散係数が小さい)。Vren
tasらの方法は、高沸点溶媒(第1の溶媒)が微少量
残留した高分子樹脂膜に対し、次のような処理を行うも
のである。 前記高沸点溶媒よりもモル分子容積の小さな第2の溶
媒蒸気中にさらし加熱する。 第2の溶媒蒸気雰囲気から取り出し、加熱する。
る。このことにより、樹脂膜内の溶媒(第1の溶媒、第
2の溶媒の両者)の拡散係数を大きくし、除去が困難な
第1の溶媒を除去する。の操作は、樹脂膜中に残った
第2の溶媒を除去する。Vrentasらの溶媒除去促
進は、この2つの操作のトータルの所要時間が、高分子
樹脂中にはじめから残留している第1の溶媒を単純に加
熱して除去するのに要する時間よりも短いというもので
ある。従って、Vrentasの方法は、実質的に溶媒
蒸気中で加熱をする操作である。
較的濃度の高い溶媒蒸気中に塗布膜を暴露する必要があ
るため、その溶媒が可燃物で、蒸気濃度が爆発の危険が
ある濃度範囲内であった場合、窒素パージなどの爆発を
防止するイナート環境が必要となる。イナート環境を達
成するための装置は、連続基材を処理するトンネル型乾
燥炉においても適用されているが、装置は複雑で高価な
上、運転のためのコストも高いのが現状である。また、
Vrentasの方法が基本とする、溶媒蒸気中からの
第2物質の導入は、塗布膜表面の溶媒濃度と、溶媒蒸気
環境下での塗膜表面の溶媒飽和濃度の差をドライビング
フォースとして達成される。通常、このドライビングフ
ォースは大きくとることが困難で、塗布膜中に第2物質
を導入する時間は比較的長時間が必要で、実質的に溶媒
除去の時間を短縮するためには不利になっていた。
製品分野の工程で見られる。合成過程などで得られた、
有機溶媒中に溶解した樹脂や、溶媒などの不純物を含ん
だ樹脂を、樹脂の非溶媒を用いた処理を施すことによ
り、溶媒を除去する方法は古くから行われている。特公
平8−16165号、特開平6−9772号各公報に
は、ポリカーボネート粒体の残留溶媒除去に非溶媒を用
いた処理を施し、残留溶媒除去を行う方法が開示されて
いる。また、このほかの分野でも、樹脂の非溶媒を用い
た方法は応用され、特開平2−22336号公報では、
ポリアミドイミド樹脂プリプレグの製造方法において、
該樹脂の非溶媒として水/メタノールでの洗浄を行うこ
とで、残留溶媒除去を促進する方法を開示している。し
かし、樹脂を含む塗布膜の残留溶媒除去に、この非溶媒
処理を適用する場合には、非溶媒が塗布膜中への浸透力
が低いため、所定の操作を行うためには、きわめて長い
処理時間が必要で生産性を改善することは難しかった。
の目的は、基材に塗布された樹脂を含む膜から、残留溶
媒を除去する工程において、特に高温での処理ができな
いような場合に、迅速且つ簡便な方法で残留溶媒を除去
する方法を提供することにある。更に、本発明の第二の
目的は、感熱記録媒体中の残留溶媒の量を迅速に許容量
まで除去し、安定した発色濃度が得られる感熱記録媒体
を提供することにある。
を重ねた結果、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗
布膜を1層目とし、その樹脂を溶解し、且つその残留溶
媒よりもモル分子容積が小さく膜内で拡散しやすい溶媒
を1層目の上に積層塗工する塗布液により導入する方法
を採用することによって、上記本発明の目的が達成され
ることを見出し、本発明に到達した。
む膜が複数積層されてなる塗布膜を形成する方法におい
て、該複数膜のうち隣接する任意の2つの膜A、Bを形
成するために用いる2つの塗布液の一方が少なくとも溶
媒Xと樹脂Aを含み(塗布液Aという)、他方が溶媒X
よりモル分子容積が小さく且つ樹脂Aを溶かす溶媒Yを
含む塗布液(塗布液Bという)であり、塗布液Aを用い
て膜Aを形成した後、塗布液Bを用いて膜Bを形成する
ことを特徴とする塗布膜を形成する方法が提供される。
第二に、上記第一の塗布膜を形成する方法において、塗
布液B中の全揮発性成分中の溶媒Yの含有量が95重量
%以上であることを特徴とする塗布膜を形成する方法が
提供される。第三に、上記第一の塗布膜を形成する方法
において、溶媒Xはモル分子容積100cc/mol以
上で、塗布液A中の全揮発性成分中の含有量が5重量%
以上であり、溶媒Yはモル分子容積100cc/mol
未満で、塗布液B中の全揮発性成分中の含有量が95重
量%以上であることを特徴とする塗布膜を形成する方法
が提供される。第四に、上記第一の塗布膜を形成する方
法において、塗布液Aを用いて形成した膜Aの厚みが5
μm以上であり、塗布液Bに含まれる溶媒Yの塗工量が
30g/m2以下であることを特徴とする塗布膜を形成
する方法が提供される。第五に、上記第一の塗布膜を形
成する方法において、塗布液B中の非揮発性成分が1重
量%以下であることを特徴とする塗布膜を形成する方法
が提供される。第六に、上記第一の塗布膜を形成する方
法において、塗布液Aに含まれる樹脂の成分のうち、5
0重量%以上がビニル基を有する構造を持つものから選
択され、塗布液B中の溶媒Yとして酢酸エチル、テトラ
ヒドロフラン及びメチルエチルケトンの中から選択され
る溶媒の単独又は複数を用い、該塗布液の全揮発性成分
中のこれらの溶媒の含有量が95重量%以上であること
を特徴とする塗布膜を形成する方法が提供される。第七
に、上記第一の塗布膜を形成する方法において、塗布液
Bを塗工する直前の塗布膜A中の残留溶媒量が1重量%
以上であることを特徴とする塗布膜を形成する方法が提
供される。第八に、上記第一の塗布膜を形成する方法に
おいて、塗布液Bの塗工方式として、ダイ塗工方式を用
いたことを特徴とする塗布膜を形成する方法が提供され
る。第九に、基材上に少なくとも樹脂を含む複数の層を
順次塗工し設けた成膜物において、該複数膜に残留する
溶媒の組成で、モル分子容積100cc/mol以上の
溶媒群の残留量と、モル分子容積100cc/mol未
満の溶媒群の残留量の比において、後者が前者よりも大
きいことを特徴とする基材上に成膜された塗布膜が提供
される。第十に、上記第九の成膜物を製造するに当た
り、上記第一の塗布膜を形成する方法を用いることを特
徴とする成膜された塗布膜の製造方法が提供される。第
十一に、上記第九の基材上に成膜された塗布膜が、長尺
の連続体であり、これを巻き取り状に加工し、熱処理す
ることを特徴とする塗布膜の熱処理方法が提供される。
第十二に、上記第十一の塗布膜の熱処理方法において、
基材の縁部がナーリング処理されたことを特徴とする塗
布膜の熱処理方法が提供される。第十三に、基材上に少
なくとも樹脂を含む複数の層を設けた記録媒体におい
て、該複数膜に含有する溶媒の組成で、モル分子容積1
00cc/mol以上の溶媒群の含有量と、モル分子容
積100cc/mol未満の溶媒群の含有量の比におい
て、後者が前者よりも大きいことを特徴とする記録媒体
が提供される。第十四に、上記第十三の記録媒体を製造
するに当たり、上記第一の塗布膜を形成する方法を用い
ることを特徴とする記録媒体の製造方法が提供される。
第十五に、プラスチックフィルム上に、ロイコ染料、該
ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤として
のバインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更にその
上に保護層を設けてなる感熱記録媒体において、感熱発
色層と保護層膜に残留する溶媒の組成で、モル分子容積
100cc/mol以上の溶媒群の残留量と、モル分子
容積100cc/mol未満の溶媒群の残留量の比にお
いて、後者が前者よりも大きいことを特徴とする感熟記
録媒体が提供される。第十六に、上記第十五の感熱記録
媒体を製造するに当たり、上記第一の塗布膜を形成する
方法を用いることを特徴とする感熱記録媒体の製造方法
が提供される。第十七に、上記第十五の感熱記録媒体を
製造するに当たり、保護層塗工液の溶媒として、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン及びメチルエチルケトンの中
から選択される溶媒の単独又は複数を用い、該塗工液の
全揮発性成分中のこれらの溶媒の含有量が95重量%以
上であることを特徴とする感熱記録媒体の製造方法が提
供される。
詳しく説明する。本発明の塗布膜を形成する方法は、樹
脂を含む膜が複数積層されてなる塗布膜を形成する方法
において、該複数膜のうち隣接する任意の2つの膜A、
Bを形成するために用いる2つの塗布液の一方が少なく
とも溶媒Xと樹脂Aを含み(塗布液Aという)、他方が
溶媒Xよりモル分子容積が小さく且つ樹脂Aを溶かす溶
媒Yを含む塗布液(塗布液Bという)であり、塗布液A
を用いて膜Aを形成した後、塗布液Bを用いて膜Bを形
成することを特徴とする。特に、該方法において、塗布
液B中の全揮発性成分中の溶媒Yの含有量が95重量%
以上であることが望ましい。即ち、本発明の基本構成
は、次のようになる。 塗布液B・・揮発成分中の溶媒Yの含有量が95重量%
以上であることが好ましく、溶媒Yは樹脂Aを良く溶か
し、且つその分子容積は溶媒Xよりも小さい。 膜A・・・・少なくとも樹脂Aと溶媒Xを含む塗工液A
で塗工され、形成された膜。
ち、塗布液B)に含まれるべきモル分子容積の値は10
0cc/g未満でであることが好ましい。モル分子容積
の値が100cc/g未満の溶媒種としては、これらに
限定されるものではないが、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセト
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、メチルエチルケ
トン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロェタ
ン、エチルクロライド、クロロホルム、メチルアミン、
ジクロロェチレン、1,4−ジオキサン、二硫化炭素、
メチルフォーマイド、ベンゼン、カーボンジスルフィド
などがある。しかし、必ずしもこれらから選択される溶
媒を用いることで、狙いの効果が得られるわけではな
く、1層目に含まれる樹脂との相互関係が重要である。
択された溶媒種を混合して用いても良い。但し、積層溶
媒は上記の条件を満たすものが95重量%以上であるこ
とが特に好ましく、より好ましくは98重量%以上であ
ることが望まれる。また、これらの積層する塗工液に含
まれる溶媒以外の物質としては、樹脂、有機フィラー、
無機フィラー、UV樹脂、及び、その開始剤などが含ま
れても良いが、溶媒だけでも良い。
層の構成として挙げられる例として、主な機能を果たす
主機能層を1層目とし、その上に主機能層を保護するた
めの層を設ける構成が挙げられる。このような目的にお
いては、一般的には、主機能層の膜厚が厚く、保護する
膜が薄い構成となっている。このような構成を持つもの
の例として、感熱記録材料、可逆性感熱記録材料などの
表示媒体や、磁気記録材料などが挙げられる。
第1層目に含まれる樹脂としては、これに限定されるも
のではないが、例えば、Po1y(vinyl ace
tate)、Po1y(vinyl butyra
l)、Po1y(vinyl chloride)、P
olyacetal、Po1yacrylamide、
Poly(acrylic acid)、Po1ybu
tadiene、Po1y(ethyl acryla
te)、Poly(ethylene oxide)、
Poly(methacrylic acid)、Po
ly(methylacrylate)、Poly(m
ethyl methacrylate)など及びこれ
らが変成されたもの、これらを含むコポリマーなどが挙
げられる。
ように1層目に含まれる樹脂とこの層の上に塗布する塗
工液に含まれる溶媒の相互関係が重要であるので、1層
目の樹脂と積層する溶媒の適切に選択されるベき組み合
わせがある。これらに限定されないが、例えば、1層目
の樹脂としてPoly(vinyl choride)
及びこれが変成されたもの、コポリマー、積層する溶媒
として、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒド
ロフランなど。1層目の樹脂としてPoly(viny
l butyral)及びこれが変成されたもの、コポ
リマー、積層する溶媒として、メチルエチルケトン、酢
酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトンなど。1層目
の樹脂としてPoly(vinyl acetate)
及びこれが変成されたもの、コポリマー、積層する溶媒
としてアセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケ
トン、メタノール、エタノールなど。1層目の樹脂とし
てPoly(acrylic acid)及びこれが変
成されたもの、コポリマー、積層する溶媒としてメタノ
ール、エタノールなど。1層目の樹脂としてPolyb
utadiene及びこれが変成されたもの、コポリマ
ー、積層する溶媒としてメチルエチルケトン、テトラヒ
ドロフランなど。1層目の樹脂としてPoly(eth
ylene oxide)及びこれが変成されたもの、
コポリマー、積層する溶媒としてテトラヒドロフランな
ど。1層目の樹脂としてPoly(methyl me
thacrylate)及びこれが変成されたもの、コ
ポリマー、積層する溶媒として、メチルエチルケトン、
テトラヒドロフランなど。このような組み合わせが適切
である。
への選択された積層塗工液の塗布は複数回繰り返しても
よい。適切に選択された積層塗工液の溶媒であれば、複
数回繰り返すことにより、1層目に含まれた拡散しにく
い溶媒、即ち、除去しにくい溶媒をより多く除去するこ
とができる。但し、その塗布回数だけ初期の乾燥操作が
必要なため、残留した拡散しにくい溶媒を除去するに必
要な工程と、積層操作に必要な工程を比較し、適切に設
定しなければならない。
塗工成膜された1層目の上に、その1層目に含まれる樹
脂を良く溶解する溶媒を積層塗布するため、塗布条件に
よっては、既にあった1層目の内部構造や、表面性を損
なうことがある。また、積層する塗工液の中に非揮発性
成分を含み、それらが成膜され、何らかの機能を果たす
場合には、本発明の条件で選択される溶媒のみで塗工す
ることは、塗膜欠陥を発生しやすい。例えば、比較的膜
厚の薄い1層目の上に多量の溶媒を含む塗工液を塗布し
た場合、1層目が完全に溶解してしまうため、あたかも
1層目を積層溶媒に溶解して塗布したことと同じ現象と
なってしまう。この場合、積層溶媒は比較的蒸発速度が
大きい溶媒で構成されるめ、ベナードセルやレチキュレ
ーションなどの塗工欠陥を引き起こしてしまう。更に、
1層目に積層溶媒に良く溶解する物質として、樹脂以外
の物質で比較的低分子のものが含まれる場合、積層塗布
後に表面へ析出するブリード現象などが発生する場合が
ある。このほかに、ブラッシングなどの現象が発生する
場合もある。
する塗工液の塗布条件は適切に設定されなければならな
い。つまり、予め塗工成膜された膜をすベて溶解してし
まうほどの積層塗布の条件は回避しなければならない
が、ほとんど溶解しないような積層塗布の条件では、狙
いの効果が得られない。これらの課題は、次のようにし
て回避することが可能である。即ち、予め塗工された1
層目の膜は5μm以上の膜厚であり、これに積層塗工す
る塗工液中の溶媒の塗工量(以下、溶媒WET塗工量と
略記することがある)が30g/m2以下であることに
より、この課題を解決できる。好ましくは、1層目が1
0μm以上の膜厚であり、溶媒WET塗工量が30g/
m2以下であることが望まれる。このような条件により
上記の課題は解決することが可能である。
に塗布膜の残留溶媒を除去する時間を短縮できるが、こ
の効果は少なくとも1層目を塗工乾燥する工程と、積層
塗工し乾燥する工程の両方で評価されなければならな
い。1層目の残留溶媒量と、この層の上に積層塗工し乾
燥した後の残留溶媒量の関係は比較的小さい。即ち、1
層目の残留溶媒量が多い場合も少ない場合も、積層塗工
した後の残留溶媒量に大きな変化は無い。従って、1層
目を塗工し乾燥する工程では残留溶媒量を必要以上に除
去する必要はなく、他のブロッキングなどの条件で問題
にならない程度に除去できていればよい。このようにす
ることにより、1層目の塗工乾燥の工程の時問が短縮可
能で、それに続く積層塗工し乾燥する工程を含めたトー
タルで残留溶媒を除去する時間を短縮できる。そのため
に、1層目の残留溶媒量は1%以上であることが望まれ
る。より好ましくは、2%以上であることが望まれる。
成膜した膜から、2.5mm幅×15mm程度の大きさ
のサンプルを切り出す。切り出したサンプルの周辺の塗
布膜を基材から剥がし、基材と塗布膜両方の厚さを接触
式膜厚計(アンリツ社製)で測定する。この測定から基
材の厚みと、サンプルの厚みを計算する。切り出したサ
ンプルを、精密天秤で0.1mg単位まで測定する。次
に、サンプルをパイロホイルf358(日本分析工業社
製)に包み、全体に圧着し、ガスクロマトグラフ用測定
サンプルを調整した。測定サンプルを、パイロライザー
(日本分析工業社製JHP−3)で10秒間加熱し、熱
分解したガスをガスクロマトグラフ装置(横川ヒューレ
ットパッカード社製HP5890SERIESII)に導
入した。ガスクロマトグラフ装置のカラムはキャピラリ
ー(J&WSCIENTIFIC社製DB−WAX)を
用い、スプリット比約15:1で試料導入し、ガスクロ
マトグラフを得た。
を説明する。まず、着目成分の検量線を作成した。検量
線は着目する溶媒とリテンションタイムが離れた溶媒
に、着目する溶媒を溶解し濃度を調整した液体を、ガス
タイトシリンジでガスクロマトグラフ装置に導入し、導
入量と検出された面積値の関係を求めることによって得
た。前述の方法で得たガスクロマトグラフの着目成分の
面積値を求め、この検量線により検出された溶媒量(単
位mg)を求めた。この値から、下式から残留溶媒濃度
を算出した。
×100}/[(基材と塗布膜の重量)×{(塗布膜の
厚み×塗布膜の密度)/(基材の厚み×基材の密度+塗
布膜の厚み×塗布膜の密度)}]
予め塗工成膜された1層目の上に、積層塗布するための
塗工方法は、前計量タイプの塗工方式が適している。例
えば、前計量タイプの塗工方式としては、これに限定さ
れないが、各種のダイ塗工方式、カーテン塗工方式、ス
プレー塗工方式、ロール転写方式、グラビア塗工法式な
どが挙げられるが、特にダイ塗工方式が適している。ダ
イ塗工方式によれば第1層に非接触で積層塗工できるた
め、第1層目の構造や表面を荒らすことが無いためであ
る。また、ダイ塗工の塗工量範囲が本発明に適する塗工
量範囲を得意とすることも理由の一つに挙げられる。更
に、後計量タイプでも、塗工液のアプリケーションから
液計量までの時間が短いものは適当である。例えば、後
計量タイプの中でも、ショートドゥエルのワイヤーバ
ー、各種ブレード計量、ナイフエッジタイプの計量のも
のも適当である。
前出のVrentas法と組み合わせても良い。基本的
な構成は、1層目の上に積層塗工した後、その乾燥工程
及び/又は、媒除去過程に、積層塗工した塗工液に含ま
れる溶媒の蒸気にさらして処理するものとなる。このよ
うな構成をとることにより、1層目に残留した拡散しに
くい溶媒のより多くを除去することが可能である。
して、何らかの熱処理をしても良い。本発明の塗布膜を
形成する方法は、1層目に残留した拡散しにくい溶媒を
効率よく除去できるが、積層塗工した後、短時間の乾燥
工程ではまだ目標とする残留溶媒に達しない場合があ
る。このような場合、所定の温度に管理された恒温槽な
どで加熱処理することにより、残留溶媒を効率的に除去
できる。本発明によれば、塗布膜中の残留溶媒は拡散し
やすい溶媒の比率が大きいため、この熱処理のような、
比較的乾燥強度の弱い場合においても効率的に残留溶媒
を除去することが可能である。更に、連続した基材に塗
工された塗布膜である場合には、この基材をロール状に
巻き取ったものを熱処理する方法は、スペースの効率が
よい。
状に巻き取り熱処理する場合には、基材の縁部をナーリ
ング処理することが効果的である。ナーリング処理は、
基材の縁部の厚みを増す加工を施すものであるが、この
ような加工をすることにより、基材の縁部以外の部分で
は、塗布膜と基材の裏面の間に隙間を設けることができ
る。残留溶媒がこの隙間を拡散し、ロールの端面から排
出されるため、効率的な溶媒除去が行える。更に、この
ナーリング処理は、ブロッキングを防止することにも効
果がある。ナーリング処理にはいろいろな方式が提案さ
れているが、上記の隙間が大きいほど残留溶媒の除去効
果が大きい。
に残留した拡散しにくい残留溶媒を効率よく除去するこ
とが可能である。このようにして得た複数層塗布された
膜の残留溶媒の組成は、該複数膜に残留する溶媒の組成
で、モル分子容積100cc/mol以上の溶媒群の残
留量と、モル分子容積100cc/mol未満の溶媒群
の残留量の比において、後者が前者よりも大きくなる。
このような残留溶媒の組成を持つ塗布膜は、実質的に拡
散しやすい溶媒が多く残留し、拡散しにくい溶媒が少な
いため、残留溶媒を除去しやすいものとなる。
留溶媒濃度と強い相関がある。残留溶媒濃度が大きい場
合には、溶媒除去速度は比較的大きな値を示すが、残留
溶媒濃度の低下と共に急激に減少する。この溶媒除去速
度が急激に減少する濃度を限界含溶媒率といい、それ以
降の溶媒除去の現象は、内部拡散律速となっていると考
えられている。内部拡散律速の過程では、溶媒除去速度
が大変小さいため、除去のためには長時間の処理が必要
になる。内部拡散律速の溶媒除去過程において、溶媒除
去速度を左右するものとして、溶媒の拡散しやすさが重
要である。この限界含溶媒率の値は、非揮発性成分の種
類、溶媒の種類、塗布膜厚、乾燥条件などによっても多
少異なるが、大きく異なることはない。内部拡散律速
で、残留溶媒を効率的に除去するためには、この限界含
溶媒率の時点での残留溶媒組成が大変重要となる。この
ときに、拡散しにくい溶媒が多く残ると、総残留量を除
去するための時間は非常に長く必要になる。逆に、拡散
しやすい溶媒が多く残った場合、総残留量は素早く減少
させることが可能である。塗布膜中に残留する溶媒組成
は、モル分子容積100cc/mol以上の溶媒群の残
留量と、モル分子容積100cc/mol未満の溶媒群
の残留量の比において、後者が70%以上含有すること
が更に望ましい。
かの層で、モル分子容積100cc/mol以上の溶媒
を塗工液中に含む液を塗布乾燥した場合で、本発明の残
留溶媒組成を有する塗布膜を得るためには、本発明の塗
布膜を形成する方法を適用することがよい。これ以外の
方法で、本発明の残留溶媒組成を実現することはきわめ
て困難である。
明又は半透明の支持体上に、ロイコ染料、該ロイコ染料
を加熱発色せしめる頭色剤及び結着剤としてのバインダ
ー樹脂を主成分とする感熱記録層、更にその上に保護層
を設ける。また、裏面には紫外線吸収剤、ポリエステル
樹脂を主成分とするバック層を設けてもよい。
性を示す化合物であり、単独又は2種以上混合して適用
されるが、それ自体無色或いは淡色の染料前駆体であ
り、特に限定されず従来公知のもの、例えば、トリフェ
ニルメタンフタリド系、トリアリルメタン系、フルオラ
ン系、フェノチジアン系、チオフルオラン系、キサンテ
ン系、インドフタリル系、スピロピラン系、アザフタリ
ド系、クロメノピラゾール系、メチン系、ローダミンア
ニリノラクタム系、ローダミンラクタム系、キナゾリン
系、ジアザキサンテン系、ビスラクトン系等のロイコ化
合物が好ましく用いられる。
容性の化合物であり、従来公知の種々の電子受容性顕色
剤を用いることができるが、本発明でより好ましいの
は、特開平3−355078号公報等で示されている長
鎖アルキル基を分子内に含む電子受容性顕色剤である。
例えば、炭素数12以上の脂肪族基を持つ有機リン酸化
合物や脂肪族カルボン酸化合物やフェノール化合物、又
は炭素数10〜18の脂肪族基を持つメルカプト酢酸の
金属塩、或いは炭素数5〜8のアルキル基を持つカフェ
ー酸のアルキルエステルや炭素数16以上の脂肪族基を
持つ酸性リン酸エステル等である。脂肪族基には、直鎖
状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基が包含され、
ハロゲン、アルコキシ基、エステル等の置換基を持って
いていも良い。また、本発明においては、顕色剤として
上記に記載した化合物に限られるものではなく、その他
の電子受容性の種々の化合物を使用することができる。
発色剤1部に対して1〜20部、好ましくは2〜10部
である。顕色剤は単独若しくは二種以上混合して適用す
ることができ、発色剤についても同様に単独若しくは二
種以上混合して適用することができる。
バインダー樹脂としては公知の種々の樹脂を使用でき、
例えば、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体、ポ
リアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル類、
塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合体、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、
エチルセルロース、ポリビニルアセタール、ポリビニル
アセトアセタール、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、
ポリアミド等がある。
の主成分である、ロイコ染料、顕色剤、バインダー樹脂
の具体例を挙げたがこれらに限るものではない。また、
必要に応じ公知の填料、顔料、界面活性剤、熱可融性物
質を添加することができる。
をバインダー樹脂とともに有機溶剤中に均一に分散若し
くは溶解し、これを支持体上に塗布、乾燥して作製する
が、塗工方式は特に限定されない。記録層塗布液に顕色
剤を分散した分散液を用いた場合、顕色剤の粒径が保護
層の表面粗さ、ひいては印字時のドット再現性に大きく
関与するので、粒径は0.5μm以下が好ましい。記録
層の膜厚は、記録層の組成や感熱記録媒体の用途にもよ
るが1〜50μm程度、好ましくは5〜20μm程度で
ある。また、記録層塗布液には、必要に応じて、塗工性
の向上或いは記録特性の向上を目的に、界面活性剤等種
々の添加剤を加えることもできる。
色層との間に、平滑性の向上などの必要に応じて中間層
として顔料、バインダー、熱可融性物質などを含有する
層を設けることが出来る。
品性、耐水性、耐摩擦性、耐光性及びサーマルヘッドに
対するヘッドマッチング性の向上のために保護層が設け
られる。保護層に用いられる樹脂としては、疎水性樹脂
及び紫外線、電子線硬化樹脂等が挙げられる。樹脂の具
体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセター
ル樹脂、セルロースアセテートプロピオネート、ポリウ
レタン系樹脂、ポリエステル系掛脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリオレフィン系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポ
リエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リアクリルアミド樹脂等がある。また、必要に応じて架
橋剤を添加することもできる。このような樹脂とともに
用いる架橋剤としては、従来から公知の化合物を使用す
ることができる。また、透明性の観点から本発明におけ
る保護層樹脂は透明支持体との屈折率の比が0.8〜
1.2の間である樹脂を使用するのが好ましい。
上させる目的で充填剤、ワックス、オイル類を添加する
ことも可能である。充填剤の例としては、ホスフェート
ファイバー、チタン酸カリウム、針状水酸化マグネシウ
ム、ウィスカー、タルク、マイカ、ガラスフレーク、炭
酸カルシウム、板状炭カル、水酸化アルミニウム、板状
水酸化アルミニウム、シリカ、クレー、カオリン、タル
ク、焼成クレー、ハイドロタルイサイト等の無機フィラ
ーや、架橋ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、
シリコーン樹脂、架橋ポリメタクリル酸メチルアクリレ
ート樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂等の有機フ
ィラーが挙げられるが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
酸アマイド、パルミチン酸アマイド、オレイン酸アマイ
ド、ラウリン酸アマイド、エチレンビスステアロアマイ
ド、メチレンビスステアロアマイド、メチロールステア
ロアマイド、パラフィンワックス、ポリエチレン、カル
ナバワックス、酸化パラフィン、ステアリン酸亜鉛等が
挙げられる。オイルとしては一般的なシリコーンオイル
等を用いることができる。
本発明の塗布膜を形成する方法を適用することは、この
感熱記録媒体中の残留溶媒の量を迅速に許容量まで除去
することが可能で、安定した発色濃度が得られる効果が
ある。感熱記録媒体の製造方法として適用するために
は、残留溶媒を含有する第1層が感熱記録層にあたり、
その上に積層する層が、保護層とする構成が適当であ
る。従って、保護層の塗工溶媒として、請求項1の条件
を満たす溶媒を選択すればよい。但し、積層する層が必
ずしも保護層である必要はなく、前述のように溶媒のみ
を塗工することも可能である。また、前述の中間層を設
ける場合には、中間層の形成において、適用しても良
い。
層塗工する塗工液の溶媒は、第1層の樹脂の溶解性に加
え、顕色剤の溶解性も考慮して選択されなければならな
い。本発明の感熱記録媒体においては顕色剤が溶媒に溶
解してしまうと、ロイコ染料と反応し発色状態となるた
め、顕色剤を溶解しない溶媒を用いなければならない。
例えば、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、メチルエチ
ルケトンなどから選択される溶媒がこの条件を満足す
る。従って、保護層塗工液に含まれる、これらの溶媒か
ら選択される溶媒が、95%以上の含有量を持つものが
好ましい構成となる。より好ましくは、この含有量が9
8%以上である。
お、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
に、アプリケータを用いて塗工した。素早く表面温度8
5℃のステンレス製熱版にフィルムの塗工裏面を押しつ
け、15秒間加熱乾燥し1層目の塗工膜を成膜した。こ
のとき乾燥後の膜厚が14μmとなるように、アプリケ
ータの塗工ギャップを調整した。ちなみに、メチルエチ
ルケトンのモル分子容積は90.2cm3/molで、
トルエンのモル分子容積は106.6cm3/molで
ある。
液とした。 [B液] ポリビニルブチラール樹脂 8部 (ゼネラルサイエンスコーポレーション製 #512) メチルエチルケトン(試薬特級 純度99.0%以上) 92部 上記[B液]を、1層目が塗工された膜の上にアプリケ
ータを用いて塗工し、60℃裏面温風乾燥で1分間加熱
乾燥し、塗布膜を得た。2層目の塗布膜厚は、3μmと
なるようにアプリケータのギャップを調整した。このと
きの溶剤塗工量は、約25g/m2であった。ちなみ
に、メチルエチルケトンのモル分子容積は90.2cm
3/molである。
A1と同様にして塗布膜を得た。ちなみに、テトラヒド
ロフランのモル分子容積は81.9cm3/molであ
る。
A1と同様にして塗布膜を得た。
A1と同様にして塗布膜を得た。
A1と同様にして塗布膜を得た。ちなみに、メタノール
のモル分子容積は40.7cm3/molである。
A1と同様にして塗布膜を得た。ちなみに、エタノール
のモル分子容積は58.5cm3/molである。
Tフィルム(厚さ50μm)上に、アプリケータを用い
て塗工した。素早く表面温度85℃のステンレス製熱版
にフィルムの塗工裏面を押しつけ、20秒間加熱乾燥し
1層目の塗工膜を成膜した。このとき乾燥後の膜厚が1
0μmとなるように、アプリケータの塗工ギャップを調
整した。
9.0%以上)のみを2層目の塗工液とし、1層目が塗
工された膜の上にアプリケータを用いて塗工し、60℃
裏面温風乾燥で1分間加熱乾燥し、塗布膜を得た。アプ
リケータのギャップは50μmに調整し、メチルエチル
ケトンの塗工量は約25g/m2であった。
次に、メチルエチルケトン(試薬特級 純度99.0%
以上)のみを2層目の塗工液とし、1層目が塗工された
膜の上にアプリケータを用いて塗工し、60℃裏面温風
乾燥で1分間加熱乾燥する操作を、2回繰り返し行って
塗布膜を得た。それぞれの塗工において、アプリケータ
のギャップは50μmに調整し、メチルエチルケトンの
塗工量は約25g/m2であった。
は、実施例A3と同様にして、塗布膜を得た。
ャップを80μmに調整し、メチルエチルケトンの塗工
量を約40g/m2とした以外は、実施例A3と同様に
して、塗布膜を得た。
は、実施例A3と同様にして、塗布膜を得た。
Tフィルム(厚さ50μm)上に、アプリケータを用い
て塗工した。素早く表面温度70℃のステンレス製熱版
にフィルムの塗工裏面を押しつけ、20秒間加熱乾燥
し、1層目の塗工膜を成膜した。このとき乾燥後の膜厚
が13μmとなるように、アプリケータの塗工ギャップ
を調整した。上記のようにして得た1層目に実施例A2
と同様に[C液]を積層し、塗布膜を得た。
は、実施例A6と同様にして、塗布膜を得た。
は、実施例A6と同様にして、塗布膜を得た。
散し記録層塗布液を作製した。 [K液] 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 4部 (電気化学工業社製、デンカブチラール #3000−2) ボリビニルアセトアセタール(積水化学社製、KS−1) 12部 トルエン 90部 メチルエチルケトン 90部 以上の様にして調整した塗工液を厚さ75μmのポリエ
ステルフィルム上に[H液]を塗布した後、温度60℃
の温風を両面から風速10m/sで供給し、2分間乾燥
して厚さ10μmの感熱記録層を形成した。
布液[L液]を作製した。 [L液] ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.5部 (積水化学社製、KS−1) メラミンホルムアルデヒド共重合体フィラー 7.5部 (日本触媒社製、エポスターS) メチルエチルケトン 90部 以上の様にして調整した保護層塗工液[L液]を、先に
得られた感熱記録層上に塗布し、温度60℃の温風を両
面から風速10m/sで供給し、3分間乾燥して厚さ
1.5μmの保護層を設けた。このときの溶剤塗工量は
約13g/m2であった。以上のようにして、感熱記録
層を得た。
乾燥機中で24時間加熱処理した。
例B1と同様の方法で得られた感熱記録層上に塗布し、
温度60℃の温風を両面から風速10m/sで供給し、
3分間乾燥して厚さ1.5μmの保護層を設けた。この
ときの溶剤塗工量は約13g/m2であった。ちなみ
に、酢酸エチルのモル分子容積は98.2cm3/mo
lである。以上のようにして、感熱記録層を得た。
製した。 [N液] ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.5部 (積水化学社製、KS−1) メラミンホルムアルデヒド共重合体フィラー 7.5部 (日本触媒社製、エポスターS) メチルエチルケトン 72部 トルエン 18部 以上の様にして調整した保護層塗布液[N液]を、実施
例B1と同様にして得られた感熱記録層上に塗布した以
外は、実施例B1と同様にして感熱記録媒体を得た。
乾燥機中で24時間加熱処理した。
し、記録層塗布液[O液]を作成した。 [O液] 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 4部 オクタデシルホスホン酸 12部 ポリビニルブチラール 2部 (電気化学工業社製、デンカブチラール #3000−2) ボリビニルアセトアセタール(積水化学社製、KS−3Z) 6部 トルエン 16部 メチルエチルケトン 105部 以上の様にして調整した[O液]を、幅600mm、厚
み100μmの連続ポリエステルフィルム上に、ダイコ
ーティングにより、ドライ膜厚12μmとなるように塗
工した。これを乾燥温度75℃のフローティングドライ
ヤーで1分30秒乾燥し、ロール状に巻き取り、連続フ
ィルムに塗工された感熱記録層を得た。
を、感熱記録層上にダイコーティングにより、ドライ膜
厚2μmとなるように塗工した。このときの溶剤塗工量
は、約17g/m2であった。これを乾燥温度65℃の
フローティングドライヤーで2分20秒乾燥し、ロール
状に巻き取り、連続フィルムに塗工された感熱記録媒体
を得た。
体を、基材と基材の隙間が空くように巻き直し、40℃
の温風循環式の乾燥機の中で、4日間加熱処理し、感熱
記録媒体を得た。
液]を用いた以外は、実施例B4と同様にして、感熱記
録媒体を得た。
体を、基材と基材の隙間が空くようにまき直し、40℃
の温風循環式の乾燥機の中で、4日間加熱処理し、感熱
記録媒体を得た。
録媒体について、塗布膜の残留溶媒減量過程を測定して
その評価を行い、また感熱記録媒体を以下のようにして
評価した。その結果を表1〜5及び図1〜2に示す。
量過程は、温風循環式恒温槽を所定の温度に設定し、そ
の中で塗布膜を加熱処理し、所定の時間間隔で塗布膜の
残留溶媒を前出の方法で測定した。
下のようにして評価した。動感度曲線及び画像濃度を、
下表の印字エネルギーに従い17階調のベタ画像印字を
行って求めた。なお、画像濃度はX−Rite社製31
0TRにて透過濃度を測定した。 階調 エネルギー(mj/mm2) 1 3.9 2 4.7 3 5.5 4 6.2 5 7.0 6 7.7 7 8.5 8 9.3 9 10.1 10 10.9 11 11.6 12 12.4 13 13.2 14 14.0 15 14.8 16 15.5 17 16.3
残留溶媒の減少過程(残留溶媒量と乾燥時間との関係)
を図1に示す。比較例A5の総残留溶媒は4.4%でこ
の値にするのに要する85℃の熱処理時間は、1層目塗
工後1時間が必要であった。しかし、実施例A1では、
2層目塗工後に、1分程度熱処理すればこの値に到達す
る。
比較例B4の感熱記録媒体の階調性(光学濃度と階調と
の関係)を図2に示す。図2から、実施例B4は比較例
B3に対して階調性が優れ、実施例B5は比較例B4に
対して階調性が優れることが分かる。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、その樹脂を溶解し、且つその残留溶媒よりもモ
ル分子容積が小さく膜内で拡散しやすい溶媒を、1層目
の上に積層塗工する塗布液から導入することにより、1
層目に残留していた拡散しにくい溶媒を効率的に除去で
きる。
と、積層塗工する塗布液の溶媒のほとんどが、膜中での
拡散が速い溶媒であることから、1層目の拡散しにくい
溶媒をより効果的に除去できる。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、その上に塗工する塗布液の溶媒のほとんどが、
膜中での拡散が速い溶媒であることから、より効果的に
1層目の拡散しにくい溶媒を除去できる。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、その上に積層塗工する塗工液の塗工量が過度に
多くないことから、積層塗工した後の、乾燥過程で膜欠
陥を発生しない。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、その上に積層塗工する塗工液に膜中での拡散が
速い溶媒のみを含むことから、効果的に1層目の拡散し
にくい溶媒を除去できる。
と、ビニル基を構造に含む樹脂と膜内で拡散しにくい溶
媒を含む塗布膜を1層目とし、その上に積層塗工する塗
工液の溶媒として酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メ
チルエチルケトンの中から選択されるものを主な成分と
することから、1層目に残留していた拡散しにくい溶媒
を効率的に除去できる。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、1層目の乾燥工程で過度に溶媒を除去せず、本
発明の塗布膜を形成する方法を適用することから、1層
目とその上に積層塗工する工程の合計の処理時間が短縮
できる。
と、樹脂と膜内で拡散しにくい溶媒を含む塗布膜を1層
目とし、その上に積層塗工する場合、1層目の塗布膜に
非接触で積層塗工できることから、1層目の塗布面を荒
らすことがないという効果が加わる。
乾燥された状態での残留溶媒の組成において、塗布膜中
で乾燥しやすい溶媒量が、拡散しにくい溶媒よりも多い
ことから、それに続く過程での塗布膜中の残留溶媒の総
量が減少しやすいものである。
によると、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いたこ
とから、基材に塗布されほぼ乾燥された状態での残留溶
媒の組成において、簡便な方法で残留溶媒の総量が減少
しやすくなる状態にすることができる。
と、長尺の連続体に施された塗布膜が、残留溶媒の総量
が減少しやすい状態にあり、これを巻き取り状態で熱処
理することで、生産性のよい、残留溶媒除去ができる。
と、長尺の連続体に施された塗布膜が、残留溶媒の総量
が減少しやすい状態にあり、これを基材の間に隙間を形
成した巻き取り状態で熱処理することで、より生産性の
よい、残留溶媒除去ができる。
燥され、形成される記録材料で、ほぼ乾燥された状態で
の残留溶媒の組成において、塗布膜中で乾燥しやすい溶
媒量が、拡散しにくい溶媒よりも多いことから、それに
続く過程での塗布膜中の残留溶媒の総量が減少しやすい
ものである。
と、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いたことか
ら、基材上に塗工乾燥され、形成される記録材料で、ほ
ぼ乾燥された状態での残留溶媒の組成において、簡便な
方法で残留溶媒の総量が減少しやすくなる状態にするこ
とができ、生産性を向上することができる。
工乾燥され、形成される感熱記録材料で、ほぼ乾燥され
た状態での残留溶媒の組成において、塗布膜中で乾燥し
やすい溶媒量が、拡散しにくい溶媒よりも多いことか
ら、それに続く過程での塗布膜中の残留溶媒の総量が減
少しやすいものとなり、またその結果優れた発色特性を
達成できるものとなる。
ると、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いたことか
ら、基材上に塗工乾燥され、形成される感熱記録材料
で、ほぼ乾燥された状態での残留溶媒の組成において、
簡便な方法で残留溶媒の総量が減少しやすくなる状態に
することができ、生産性を向上することができる。
ると、基材上に塗工された感熱記録層上に塗工する保護
層溶媒として、感熱記録層の樹脂を良く溶解し、且つモ
ル分子量が小さな酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メ
チルエチルケトンをほとんどの成分としたことから、残
留溶媒を迅速に除去することができ、生産性を向上する
ことができる。
間との関係を示す図である。
例B4における光学濃度と階調との関係を示す図であ
る。
Claims (17)
- 【請求項1】 樹脂を含む膜が複数積層されてなる塗布
膜を形成する方法において、該複数膜のうち隣接する任
意の2つの膜A、Bを形成するために用いる2つの塗布
液の一方が少なくとも溶媒Xと樹脂Aを含み(塗布液A
という)、他方が溶媒Xよりモル分子容積が小さく且つ
樹脂Aを溶かす溶媒Yを含む塗布液(塗布液Bという)
であり、塗布液Aを用いて膜Aを形成した後、塗布液B
を用いて膜Bを形成することを特徴とする塗布膜を形成
する方法。 - 【請求項2】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液B中の全揮発性成分中の溶媒Yの含有量が9
5重量%以上であることを特徴とする塗布膜を形成する
方法。 - 【請求項3】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、溶媒Xはモル分子容積100cc/mol以上で、
塗布液A中の全揮発性成分中の含有量が5重量%以上で
あり、溶媒Yはモル分子容積100cc/mol未満
で、塗布液B中の全揮発性成分中の含有量が95重量%
以上であることを特徴とする塗布膜を形成する方法。 - 【請求項4】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液Aを用いて形成した膜Aの厚みが5μm以上
であり、塗布液Bに含まれる溶媒Yの塗工量が30g/
m2以下であることを特徴とする塗布膜を形成する方
法。 - 【請求項5】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液B中の非揮発性成分が1重量%以下であるこ
とを特徴とする塗布膜を形成する方法。 - 【請求項6】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液Aに含まれる樹脂の成分のうち、50重量%
以上がビニル基を有する構造を持つものから選択され、
塗布液B中の溶媒Yとして酢酸エチル、テトラヒドロフ
ラン及びメチルエチルケトンの中から選択される溶媒の
単独又は複数を用い、該塗布液の全揮発性成分中のこれ
らの溶媒の含有量が95重量%以上であることを特徴と
する塗布膜を形成する方法。 - 【請求項7】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液Bを塗工する直前の塗布膜A中の残留溶媒量
が1重量%以上であることを特徴とする塗布膜を形成す
る方法。 - 【請求項8】 請求項1の塗布膜を形成する方法におい
て、塗布液Bの塗工方式として、ダイ塗工方式を用いた
ことを特徴とする塗布膜を形成する方法。 - 【請求項9】 基材上に少なくとも樹脂を含む複数の層
を順次塗工し設けた成膜物において、該複数膜に残留す
る溶媒の組成で、モル分子容積100cc/mol以上
の溶媒群の残留量と、モル分子容積100cc/mol
未満の溶媒群の残留量の比において、後者が前者よりも
大きいことを特徴とする基材上に成膜された塗布膜。 - 【請求項10】 請求項9の成膜物を製造するに当た
り、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いることを特
徴とする成膜された塗布膜の製造方法。 - 【請求項11】 請求項9の基材上に成膜された塗布膜
が、長尺の連続体であり、これを巻き取り状に加工し、
熱処理することを特徴とする塗布膜の熱処理方法。 - 【請求項12】 請求項11の塗布膜の熱処理方法にお
いて、基材の縁部がナーリング処理されたことを特徴と
する塗布膜の熱処理方法。 - 【請求項13】 基材上に少なくとも樹脂を含む複数の
層を設けた記録媒体において、該複数膜に含有する溶媒
の組成で、モル分子容積100cc/mol以上の溶媒
群の含有量と、モル分子容積100cc/mol未満の
溶媒群の含有量の比において、後者が前者よりも大きい
ことを特徴とする記録媒体。 - 【請求項14】 請求項13の記録媒体を製造するに当
たり、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いることを
特徴とする記録媒体の製造方法。 - 【請求項15】 プラスチックフィルム上に、ロイコ染
料、該ロイコ染料を加熱発色せしめる顕色剤及び結着剤
としてのバインダー樹脂を主成分とする感熱発色層、更
にその上に保護層を設けてなる感熱記録媒体において、
感熱発色層と保護層膜に残留する溶媒の組成で、モル分
子容積100cc/mol以上の溶媒群の残留量と、モ
ル分子容積100cc/mol未満の溶媒群の残留量の
比において、後者が前者よりも大きいことを特徴とする
感熟記録媒体。 - 【請求項16】 請求項15の感熱記録媒体を製造する
に当たり、請求項1の塗布膜を形成する方法を用いるこ
とを特徴とする感熱記録媒体の製造方法。 - 【請求項17】 請求項15の感熱記録媒体を製造する
に当たり、保護層塗工液の溶媒として、酢酸エチル、テ
トラヒドロフラン及びメチルエチルケトンの中から選択
される溶媒の単独又は複数を用い、該塗工液の全揮発性
成分中のこれらの溶媒の含有量が95重量%以上である
ことを特徴とする感熱記録媒体の製造方法。
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---|---|---|---|
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JP10338675A JP2000158814A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 塗布膜を形成する方法、塗布膜及びその熱処理方法並びに感熱記録媒体及びその製造方法 |
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- 1998-11-30 JP JP10338675A patent/JP2000158814A/ja active Pending
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