JP2000158806A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JP2000158806A
JP2000158806A JP10341252A JP34125298A JP2000158806A JP 2000158806 A JP2000158806 A JP 2000158806A JP 10341252 A JP10341252 A JP 10341252A JP 34125298 A JP34125298 A JP 34125298A JP 2000158806 A JP2000158806 A JP 2000158806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット記録用紙に関し、印画紙様の風
合い(記録面の光沢感、裏面の外観、手触り)を有し、
インクジェット記録適性に優れ、カールが抑制され、プ
リンター走行性にも優れた、インクジェット記録用紙を
提供する。 【解決手段】紙基材の記録面側に光沢層を設け、裏面に
ポリオレフィン樹脂含有層を設けたインクジェット記録
用紙において、光沢層表面の75°光沢度(JIS−P
8142)が30%以上であり、ポリオレフィン樹脂含
有層表面の75°光沢度が50%以下であることを特徴
とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印画紙様の風合い
(記録面の光沢感、裏面の外観、手触り)を有し、イン
クジェット記録適性に優れ、カールが抑制され、プリン
ター走行性にも優れた、インクジェット記録用紙に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタによる記録は、
騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ、多色化が
容易なために多方面で利用されている。インクジェット
記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫され
た上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗工紙等が適
用されている。ところで、これらの用紙はすべて表面光
沢の低い、いわゆるマット調のインクジェット記録用紙
が主体であるため、 表面光沢の高い、優れた外観を持
つインクジェット記録用紙が要望されている。上記問題
を解決する方法として、顔料および接着剤を主成分とす
る下塗り層を設けた原紙上に、エチレン性不飽和結合を
有するモノマーを重合させてなる40℃以上のガラス転
移点を有する共重合体組成物を主成分とする塗工液を塗
工してキャスト用塗工層を形成せしめ、該キャスト用塗
工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥して仕上げることにより、優れた光沢とインク
吸収性を兼ね備えるインクジェット記録用キャスト紙が
得られることを本発明者等は見出し、特開平7-89220号
として提案した。
【0003】また、上記問題を解決するもう一つの方法
として、基材にキャスト塗工層を設けたインクジェット
用紙において、キャスト塗工層が、1次粒子の平均粒子
径が3nm以上40nm以下で、2次粒子の平均粒子径
が10nm以上400nm以下であるシリカ微細粒子を
含有させることにより、優れた光沢とインク吸収性を兼
ね備えるインクジェット記録用キャスト紙が得られるこ
とを本発明者等は見出し、特願平10-131532号として提
案した。しかしプリンター内での走行性、紙送り等の点
で必ずしも十分ではなかった。また近年インクジェット
記録装置の進歩に伴い、銀塩方式の写真に迫る記録画像
が可能になってきている。このため印画紙に匹敵する様
な光沢、記録品質、風合いの記録用紙が求められてい
る。しかしながら、印画紙の風合いという点では、先に
提案した技術を使用しても達成が困難であるのが現状で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インクジェ
ット記録用紙に関し、印画紙様の風合い(記録面の光沢
感、裏面の外観、手触り)を有し、インクジェット記録
適性に優れ、カールが抑制され、プリンター走行性にも
優れた、インクジェット記録用紙を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の態様を
含む。 [1]紙基材の記録面側に光沢層を設け、裏面にポリオ
レフィン樹脂含有層を設けたインクジェット記録用紙に
おいて、光沢層表面の75°光沢度(JIS−P814
2)が30%以上であり、ポリオレフィン樹脂含有層表
面の75°光沢度が50%以下であることを特徴とする
インクジェット記録用紙。 [2]ポリオレフィン樹脂含有層が、溶融押出しラミネ
ート法により形成され、マット仕上げしたクーリングロ
ールで冷却固化し、マット仕上げされてなることを特徴
とする[1]記載のインクジェット記録用紙。 [3]ポリオレフィン樹脂の曲げ剛性(ASTM D
747)が3000kg/cm2以上であることを特徴
とする[1]または[2]記載のインクジェット記録用
紙。 [4]ポリオレフィン樹脂含有層がポリプロピレンまた
はプロピレンと他のオレフィンとの共重合体を含有する
ことを特徴とする[3]記載のインクジェット記録用
紙。 [5]インクジェット記録用紙全体の紙厚が150〜2
50μmであり、ポリオレフィン樹脂含有層の厚さが1
0〜30μmであることを特徴とする[1]〜[4]の
いずれかに記載のインクジェット記録用紙。 [6]紙基材に、樹脂及び必要に応じて顔料を主成分と
する塗工液を塗工し、この塗工層が湿潤状態にある間
に、あるいは再湿潤した後加熱された鏡面ドラムに圧
接、乾燥して仕上げ、光沢層を設けたことを特徴とする
[1]〜[5]のいずれかに記載のインクジェット記録
用紙。
【0006】[7]紙基材に顔料と接着剤を含有する記
録層(下塗り層ともいう)を設け、更に該光沢層を設け
たことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の
インクジェット記録用紙。 [8]下塗り層が、無定形シリカ、酸化アルミニウム、
ゼオライト、合成スメクタイトの内、少なくとも1種の
顔料を含有することを特徴とする[7]記載のインクジ
ェット用紙。 [9]光沢層が、少なくともエチレン性不飽和結合を有
するモノマーを重合させてなる、ガラス転移点が40℃
以上の重合体または該共重合体とコロイダルシリカの複
合体を含有することを特徴とする[1]〜[8]のいず
れかに記載のインクジェット用紙。 [10]光沢層が、顔料と接着剤を含有し、顔料として
一次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以下で、二
次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm以下であ
るシリカ微細粒子を含有することを特徴とする[1]〜
[9]のいずれかに記載のインクジェット用紙。 [11]必要に応じ下塗り層を設けた紙基材に、樹脂及
び必要に応じて顔料を含有する塗工液を塗工し、該塗工
層が湿潤状態にある間に、あるいは乾燥後に再湿潤した
後加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げ光沢層
を設けた後、裏面にポリオレフィン樹脂含有層を溶融押
出しラミネート法により設けるインクジェット記録用紙
の製造方法。 [12]紙基材上の記録面側に光沢層を設け、裏面に樹
脂ラミネート層を設けたインクジェット記録用紙におい
て、光沢層表面の75°光沢度(JIS−P8142)
が30%以上であり、樹脂ラミネート層表面の75°光
沢度が50%以下であることを特徴とするインクジェッ
ト記録用紙。 [13]紙基材上の記録面側に光沢層を設け、裏面に樹
脂ラミネート層を設けたインクジェット記録用紙におい
て、樹脂ラミネート層表面の75°光沢度が50%以下
であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる紙基材は、木材パ
ルプと必要に応じ顔料を主成分として構成される。木材
パルプは、各種化学パルプ、機械パルプ、再生パルプ等
を使用することができ、これらのパルプは、紙力、抄紙
適性等を調整するために、叩解機により叩解度を調整で
きる。パルプの叩解度(フリーネス)は特に限定しない
が、一般に250〜550ml(CSF:JIS P−
8121)程度である。顔料(填料)は不透明性等を付
与したり、インク吸収性を調整する目的で配合し、炭酸
カルシウム、タルク、焼成カオリン、シリカ、ゼオライ
ト、酸化チタン等が使用できる。この場合、配合量は1
〜20%程度が好ましい。多すぎると紙力が低下するお
それがある。助剤としてサイズ剤、定着剤、紙力増強
剤、カチオン化剤、歩留り向上剤、染料、蛍光増白剤等
を添加することができる。さらに、抄紙機のサイズプレ
ス工程において、デンプン、ポリビニルアルコール、カ
チオン樹脂等を塗布・含浸させ、表面強度、サイズ度等
を調整できる。サイズ度は1〜200秒程度が好まし
い。サイズ度が低いと、塗工時に皺が発生する等操業上
問題となる場合があり、高いとインク吸収性が低下した
り、印字後のカールやコックリングが著しくなる場合が
ある。
【0008】印画紙の風合い、紙腰、手触り感を付与す
る目的から、記録用紙全体の紙厚は100〜300μm
であることが好ましく、さらに好ましくは150〜25
0μmである。このことから、紙基材の坪量は、緊度
(密度)、塗工層やポリオレフィン樹脂含有層の厚さに
もよるが、80〜200g/m2程度が好ましく、さら
に好ましくは100〜150g/m2程度である。ま
た、緊度は特に限定しないが、0.6〜1.2程度であ
る。本発明では紙基材に、下塗り層を1層以上設けるの
が好ましい。光沢層のインク定着・吸収能が少ない場合
には、下塗り層がインク定着・吸収の役割を果たし、光
沢層はインク通過層となる。光沢層にインク定着・吸収
能がある場合でも、下塗り層を設けることにより、イン
クの定着・吸収が促進される。紙基材上に設けられる下
塗り(記録)層は、顔料と接着剤を主成分として構成さ
れる。顔料としては、例えばカオリン、クレー、焼成ク
レー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、
珪酸アルミニウム、アルミナ、コロイダルシリカ、ゼオ
ライト、セピオライト、スメクタイト、合成スメクタイ
ト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネ
シウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、
尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン
系プラスチックピグメント等、一般塗工紙製造分野で公
知公用の各種顔料が使用できるが、上記の顔料の中で、
塗工層の構造をポーラスでインク吸収性の優れたものに
する意味で、無定形シリカや酸化アルミニウム、ゼオラ
イト、合成スメクタイト等を少なくともその一部として
使用するのが好ましい。
【0009】顔料と接着剤の配合割合は特に限定しない
が、顔料100重量部に対し接着剤樹脂15〜1000
重量部程度から選ぶことができる。
【0010】下塗り記録層用いる顔料は、凝集粒子(二
次粒子)がインク吸収性に優れ好ましい。二次粒子の平
均粒子径は、0.1μm以上15μm以下のものが好ま
しく、1μm以上10μm以下のものがより好ましい。
二次粒子の平均粒子径が0.1μm未満になると、イン
ク吸収性が低下し、にじみやインク吸収ムラが発生し、
所望とする画像品位を得られ難くなる。また、顔料の二
次粒子の平均粒子径が15μmを超えると、光沢の低下
が起こるとともに、発色性の低下が発生し、所望する画
像品位を得ることができ難くなる。上記顔料は、異なる
種類や平均粒子径のものを併用することができる。
【0011】接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合
成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースや
メチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン
共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系
重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系重合体ラテックス、等一般に塗被紙用として用
いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用し
て用いられる。なお接着剤の配合量は顔料100重量部
に対し、1〜200重量部、より好ましくは2〜100
重量部の範囲で調節される。ここで接着剤の量が少ない
と、記録層の強度が弱くなり表面が傷つきやすくなった
り、粉落ちが発生する場合がある。逆に接着剤の量が多
いと、インク吸収性が低下し、所望のインクジェット記
録適性が得られなくなる場合がある。
【0012】下塗り層には、従来インクジェット記録用
紙に使用されているカチオン性化合物を、画像濃度およ
び印字画像耐水性および光沢層を設けた後の光沢を向上
させる目的で顔料100重量部に対し、1〜100重量
部、より好ましくは5〜60重量部の範囲で使用するこ
とができる。カチオン性化合物としては、カチオン性樹
脂や低分子カチオン性化合物(例えばカチオン性界面活
性剤等)が例示できる。印字濃度向上の効果の点ではカ
チオン性樹脂が好ましく、水溶性樹脂あるいはエマルジ
ョンとして使用できる。更にカチオン性樹脂を架橋等の
手段により不溶化し粒子状の形態としたカチオン性有機
顔料としても使用できる。このようなカチオン性有機顔
料は、カチオン性樹脂を重合する際、多官能性モノマー
を共重合し架橋樹脂とする、あるいは反応性の官能基
(水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アセトアセチル
基等)を有するカチオン性樹脂に必要に応じ架橋剤を添
加し、熱、放射線等の手段により架橋樹脂としたもので
ある。カチオン性化合物、特にカチオン性樹脂は接着剤
としての役割を果たす場合もある。
【0013】カチオン性樹脂は下記のものが例示でき
る。具体的には、1)ポリエチレンポリアミンやポリプ
ロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
またはその誘導体、2)第2級アミン基や第3級アミン
基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、3)
ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン類、4)ジシア
ンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン
系カチオン樹脂、5)ジシアンジアミド−ジエチレント
リアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カチオン樹
脂、6)エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合
物、7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−S
2共重合物、8)ジアリルアミン塩−S02共重合物、
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、
10)アリルアミン塩の重合物、11)ジアルキルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート4級塩重合物、12)ア
クリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物等のカチオン
性化合物。
【0014】下塗り層には、一般塗工紙の製造において
使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止
剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。上記材料を
もって構成される各記録層用組成物は、一般に固形分濃
度を5〜65重量%程度に調整し、坪量が約20〜40
0g/m2程度の基材上に塗工される。塗工量は乾燥重
量で1〜50g/m2程度、より好ましくは2〜30g
/m2程度である。塗工はブレードコーター、エアーナ
イフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャ
ンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコータ
ー、ダイコーター、リップコーター、カーテンコーター
等の各種公知公用の塗工装置により塗工、乾燥される。
さらに、必要に応じて記録層の乾燥後にスーパーキャレ
ンダー、ブラシ掛け等の平滑化処理を施すこともでき
る。
【0015】紙基材上に、或いは必要により上記した顔
料と接着剤よりなる下塗り層を設けその上にさらに光沢
層を設ける。光沢層はインクを速やかに通過あるいは吸
収できるよう、光沢を阻害しない範囲で多孔性もしくは
通液性にするのが好ましい。このようにするためには、
顔料を配合するか、光沢を落とさない範囲で、光沢層が
完全に成膜しないような乾燥条件を選択すると良い。光
沢層は樹脂及び必要に応じて顔料を主成分とする。光沢
層の樹脂としては、水溶性樹脂(例えばポリビニルアル
コール、カチオン変性ポリビニルアルコール、シリル変
性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、
カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でんぷん、カルボ
キシルメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロ
ース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系共重合体ラテックス等の水分散性樹脂、水性ア
クリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性ポリエステル
樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公用の各種樹脂
(接着剤)が単独あるいは併用して使用される。
【0016】尚、樹脂を主体に光沢層を形成する場合、
特にエチレン性不飽和結合を有するモノマー(以下エチ
レン性モノマーという)を重合させてなる重合体、ある
いは共重合体(以下一括して重合体とも称する)を主成
分として構成されるのが好ましい。この様な重合体とし
ては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、2エチルヘキシルアクリレー
ト、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素
数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が
1〜18個のメタクリル酸エステル、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、エチレン、ブタジエン等のエチレン性モノマーを重
合して得られる重合体が挙げられる。
【0017】なお、重合体は、必要に応じて2種類以上
のエチレン性モノマーを併用した共重合体であっても良
いし、さらに、これら重合体あるいは共重合体の置換誘
導体でも良い。因みに、置換誘導体としては、例えばカ
ルボキシル基化したもの、またはそれをアルカリ反応性
にしたもの等が例示される。また、上記の重合体あるい
は共重合体とコロイダルシリカの複合体を使用した場
合、光沢とインク吸収性のバランスに特に優れるため好
ましい。この際のエチレン性モノマーとコロイダルシリ
カの存在割合は、重量比で5/95〜95/5程度が望
ましい。コロイダルシリカの割合が95を超えて多くな
ると複合化に寄与しないコロイダルシリカが多くなり、
光沢が低下する場合があり、5未満であると所望の効果
が得られない場合がある。コロイダルシリカとの複合化
は、上記のエチレン性モノマーをシランカップリング剤
等とコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O−
R結合(R:重合体成分)によって複合体にする、ある
いは必要に応じシラノール基等で変性した重合体樹脂と
コロイダルシリカを反応させ、Si−O−R結合(R:
重合体成分)によって複合体にする方法が挙げられる。
【0018】好ましい態様においては光沢層は、湿潤状
態で加熱した鏡面ドラム等に押し付けることによりキャ
スト処理し、平滑性を高めることができる。また平滑な
樹脂フィルム上に光沢層を設け、光沢層を支持体側に転
写することにより優れた光沢を得ることができる。
【0019】キャスト処理する態様においては前記重合
体は、そのガラス転移点が40℃以上のものが好まし
く、50〜100℃の範囲であるものがより望ましい。
ガラス転移点が低いと乾燥の際に成膜が進みすぎ、表面
の多孔性が低下する結果、インクの吸収速度が低下する
おそれが生じる。また、乾燥温度が重要であり、乾燥温
度が高すぎると成膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下す
る結果、インクの吸収速度が低下し、逆に乾燥温度が低
すぎると、光沢に乏しくなる傾向が有り、生産性も低下
する。光沢層に顔料を配合する場合、顔料としては、下
塗り層に用いたものと同様のものが挙げられるが、光
沢、透明性、インク吸収性の点で、コロイダルシリカ、
無定形シリカ、酸化アルミニウム、ゼオライト、合成ス
メクタイト等が好ましく、顔料の平均粒子径は、0.0
1〜5μmものが好ましく、0.05〜1μmのものが
より好ましい。粒子径が0.01μm未満になると、イ
ンク吸収性の効果に乏しく、5μmを超えると、光沢や
印字濃度の低下が起こる可能性が生じる。光沢層が顔料
を主成分(50%以上)として形成される場合、顔料と
して一次粒子の平均粒子径が3nm以上40nm以下
で、二次粒子の平均粒子径が10nm以上400nm以
下であるシリカ微細粒子を使用すると、光沢、インクの
吸収性に特に優れたものとなり易い。この場合、光沢層
がインク吸収性および透明性に優れるため、光沢層にカ
チオン性化合物を配合すると、インク染料が効率よく光
沢層に定着し、光沢層の透明性とあいまって印字濃度の
極めて優れたものとなり易い。
【0020】光沢層には、画像濃度および印字画像耐水
性を向上させる目的で、カチオン性化合物を、1〜10
0重量%、より好ましくは5〜50重量%の範囲で配合
することができる。カチオン性化合物としては、下塗り
層に配合するカチオン性化合物として例示したものが使
用できる。光沢層用塗工液には、その他に通常の印刷用
塗工紙やインクジェット用紙に使用されている消泡剤、
着色剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各
種助剤が適宜添加される。
【0021】光沢層は、上記したような塗工液を塗工し
て、該塗工層が湿潤状態(少なくとも可塑性を有する程
度の水分を含有)にある間に、あるいは一旦乾燥し再湿
潤した後、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上
げる方法(キャスト方式)を採用するのが好ましく、キ
ャスト法により優れた光沢とインク吸収性を兼ね備える
インクジェット記録用紙が得られる。キャスト方式で光
沢層を形成する場合、基材の通気性が必要である。この
ため、キャスト仕上げした後で裏面にポリオレフィン樹
脂含有層を設けるのが望ましい。前述した光沢層用塗工
液を記録層上に塗工する場合、ブレードコーター、エア
ーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、
チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコ
ーター、ダイコーター、リップコーター、カーテンコー
ター等の各種公知の塗工装置が使用できる。光沢層用塗
工液の塗工量は、乾燥固形分で0.2〜100g/
2、好ましくは、1〜50g/m2である。ここで、
0.2g/m2未満では光沢が十分に出ない場合があ
り、100g/m2を越えて多いとインク乾燥性が劣っ
たり、記録濃度が低下する場合がある。キャスト仕上げ
により光沢層を設けた後で、さらにスーパーカレンダー
等により平滑化処理を行うこともできる。光沢層表面の
75°光沢度(JIS−P8142)は、印画紙の風合
いを付与するためには、30%以上である必要があり、
好ましくは40%以上であり、さらに好ましくは50%
以上である。
【0022】本発明では、光沢層(光沢を有する記録
層)を設けた面の反対面に、ポリオレフィン樹脂含有層
を溶融押出しラミネート法により設ける。ポリオレフィ
ン樹脂としては、エチレン、α−オレフィン類例えばプ
ロピレンなどの単独重合体、ないしは前記オレフィンの
少なくとも2種類の共重合体、およびこれらの各種重合
体の少なくとも2種類の混合物などから選ぶことができ
る。好ましいポリオレフィン樹脂は、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖低
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピ
レン共重合体およびこれらの混合物である。ただし、紙
基材そのものの表面に比較し、ポリオレフィン樹脂層の
表面は一般に柔らかいため、プリンターで印字する際、
裏面に当たる送りロールでの変形により送り量が減少
し、印字画像が縮む等の問題が発生する場合がある。こ
のため、より硬い樹脂が好ましい。ポリオレフィン樹脂
の硬さの尺度としては、曲げ剛性(ASTM D 74
7)が挙げらる。本発明で使用するポリオレフィン樹脂
の曲げ剛性は3000kg/cm2以上が好ましく、さ
らに好ましくは5000kg/cm2以上である。上限
は特に限定しないが、ラミネート加工が可能な樹脂の曲
げ剛性は一般に20000kg/cm2以下である。ラ
ミネート加工適性に優れ硬い樹脂としては、ポリプロピ
レンまたはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体が
適当であり、ポリオレフィン樹脂の少なくとも一部とし
てポリプロピレンまたはプロピレンと他のオレフィンと
の共重合体を使用するのが好ましい。
【0023】さらに、ポリオレフィン樹脂含有層を溶融
押出しラミネート法により設けた場合、一般に、ポリオ
レフィン樹脂含有層側にカールし易いが、ポリオレフィ
ン樹脂の少なくとも一部としてポリプロピレンまたはプ
ロピレンと他のオレフィンとの共重合体を使用した場
合、カールの発生が抑制される傾向があり好ましい。ポ
リオレフィン樹脂含有層ラミネートポリオレフィン樹脂
の分子量に特に制限はないが、例えば2万〜20万程度
の範囲のものが使用される。ポリオレフィン樹脂として
は市販品から適宜選択して使用することができるが、そ
の密度は0.90g/cm3〜0.97g/cm3、メル
トフローインデックスは2〜20g/10分であること
が好ましい(JIS K−6760)。メルトフローイ
ンデックスが小さい場合および大きい場合は、溶融押出
しの操業工程の管理が困難になり、均一な塗工層が得ら
れ難くなる場合がある。ポリオレフィン樹脂含有層に
は、不透明度を向上させたり、白さを向上させる目的で
白色顔料を配合することができる。白色顔料としては、
アナターゼ型二酸化チタン、ルチル型二酸化チタン、酸
化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、
合成ゼオライトなどから適宜選択して使用でき、また2
種類以上を混合して使用することもできる。特に、不透
明度と白色度の点からアナターゼ型二酸化チタン、ルチ
ル型二酸化チタン等の二酸化チタンが好ましい。白色顔
料の表面はポリオレフィン樹脂との分散性を向上させる
目的で、表面処理を施すこともできる。白色顔料の配合
量は特に限定しないが、ポリオレフィン樹脂100重量
部に対し、1〜50重量部程度である。少ないと不透明
度と白色度向上の効果が得られない場合がある。多いと
ポリオレフィン含有層にひび割れが生じて、均一な塗工
層が得られ難い場合があり、印字後のカール・コックリ
ング防止、印画紙様の風合い付与等の効果が得られない
場合がある。
【0024】溶融押出しラミネートを実施するには、通
常ポリオレフィン樹脂および必要に応じ白色顔料を溶解
混練し、走行するシートの塗工される面(裏面)の上に
押出し機のスリットダイからフィルム状に押出し塗工す
る。通常、溶融押出し温度は250〜350℃程度であ
る。尚、添加剤として、有色顔料、染料、蛍光増白剤、
酸化防止剤、可塑剤、分散剤等を必要に応じ添加するこ
とができる。ポリオレフィン樹脂含有層は、単層または
多段塗工あるいはマルチスリットダイコート法等で設け
た多層であってもよい。塗工したポリオレフィン樹脂含
有層の表面は、クーリングロールで冷却固化して仕上げ
るが、印画紙様の風合いを付与する目的から、ポリオレ
フィン樹脂含有層の表面はマット仕上げする。このた
め、サンドブラストやエンボス加工により細かい凹凸を
つけマット仕上げをしたクーリングロールを使用する。
マット仕上げすることにより、ブロッキング防止、プリ
ンター走行性(搬送性)改善の効果も得られる。クーリ
ングロール表面のJIS B0601表面粗さRzは3〜50μ
mが好ましい。
【0025】本発明のインクジェット記録用紙において
は、記録層表面が滑り難くなっている。このため、裏面
に処理を施しておらず、原紙(紙基材)の面がそのまま
むき出しになっている場合、紙間摩擦係数(用紙の記録
面と裏面との摩擦係数)が高くなり、インクジェットプ
リンターにて用紙を多数枚重ねて印字をする際、用紙
が全く送られない、用紙が正しく送られず印字がずれ
てしまう、重送(2枚以上が重なって送られる現象)
する、といったプリンター走行性の問題が生じ易くな
る。しかし、本発明では裏面に特定の樹脂含有層を設け
ることにより、記録用紙間摩擦を低減し、上記問題を解
消することができた。表面と裏面の記録用紙間動摩擦係
数は0.7以下程度が好ましく、より好ましくは0.6
8以下、下限は特にないが0.2程度。ただし、裏面が
マット仕上げされていない、あるいはマット仕上げが不
十分で裏面の光沢が高い場合は、紙間摩擦力の低減が不
十分となる。このため、ポリオレフィン樹脂含有層表面
は、光沢度で表わせば、50%以下である必要がある。
好ましくは、40%以下であり、さらに好ましくは、3
5%以下である。裏面の樹脂層をこの様な光沢度の範囲
にすることにより、印画紙様の風合いが付与されるだけ
でなく、プリンター走行性も良好なものとなる。
【0026】ポリオレフィン樹脂含有層の塗工厚さは、
5〜50μm程度が適当であり、特にインクジェット記
録用紙全体の紙厚を150〜250μmとする場合、1
0〜30μm程度に調整するのが、風合いやカール抑制
の点で好ましい。コート量(塗工厚さ)が少ないと、均
一な塗工が困難となり、外観不良となりやすい。一方コ
ート量が多いとカールが著しくなる傾向にあり、またコ
スト的に不利となる。ポリオレフィン樹脂含有層の上に
さらにカール防止やブロッキング防止、筆記性付与、帯
電防止、プリンターでの給紙走行性改善等の目的で塗工
層を設けることができる。該塗工層は特に限定はしない
が、例えば、樹脂と顔料とを主成分とするものである。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ
重量部および重量%を示す。 [紙基材の作製]木材パルプ(LBKP;ろ水度500
mlCSF)100部、焼成カオリン(商品名:アンシ
レックス,エンゲルハードミネラル)10部、市販サイ
ズ剤0.05部、硫酸バンド1.5部、湿潤紙力剤0.
5部、澱粉0.75部よりなる製紙材料を使用し、長網
抄紙機にて各種坪量の紙基材を製造した。 紙基材坪量: 80g/m2、紙厚:100μm、ス
テキヒトサイズ度:5秒 紙基材坪量:100g/m2、紙厚:125μm、ス
テキヒトサイズ度:8秒 紙基材坪量:120g/m2、紙厚:150μm、ス
テキヒトサイズ度:10秒 紙基材坪量:140g/m2、紙厚:175μm、ス
テキヒトサイズ度:12秒 紙基材坪量:170g/m2、紙厚:215μm、ス
テキヒトサイズ度:15秒
【0028】[ポリオレフィン樹脂組成物] [ポリオレフィン樹脂組成物A] ポリプロピレン樹脂(密度0.90g/cm3) 曲げ剛性:12500kg/cm2 [ポリオレフィン樹脂組成物B] プロピレン/エチレン共重合体樹脂(密度0.90g/
cm3) 曲げ剛性:8500kg/cm2 [ポリオレフィン樹脂組成物C] 低密度ポリエチレン樹脂35部(密度0.92g/cm
3)/高密度ポリエチレン樹脂65部(密度0.95g
/cm3) 曲げ剛性:4500kg/cm2 [ポリオレフィン樹脂組成物D] 低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3) 曲げ剛性:1500kg/cm2
【0029】実施例1 顔料として平均一次粒子径15nm,平均二次粒子径
4.5μmの無定形シリカ100部(商品名、ファイン
シールX−45、(株)トクヤマ製) 、接着剤として、
シリル変性ポリビニルアルコール(R1130 クラレ
株製)20部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミド
系樹脂(商品名、ネオフィックスE117、日華化学
(株)製)5部およびアクリルアミド系樹脂(商品名、
スミレッツレジンSR1001、住友化学(株)製)1
5部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加
し、固形分濃度18%の下塗り層(記録層)用塗工液を
調成した。この下塗り層用塗工液を、上記した紙基材
の片面に、乾燥重量で6g/m2 になるように、エアー
ナイフコーターで塗工、乾燥し、下塗り層を形成した。
一方、ガラス転移点75℃のスチレン−2メチルヘキシ
ルアクリレート共重合体とコロイダルシリカ(平均粒子
径30nm)との複合体(共重合体とコロイダルシリカ
は、重量比で50:50)100部、増粘・分散剤とし
てアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体
5部、離型剤としてレシチン1.5部よりなる固形分濃
度が25%の光沢層用塗工液を調製した。この光沢層用
塗工液を上記の記録層上にロールコーターを用いて塗工
した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接
し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット記
録用紙を得た。このときの光沢層の塗工量は固形分重量
で、6g/m2であった。次に、上記インクジェット記
録用紙の光沢層を設けた面と反対面に、上記したポリオ
レフィン樹脂組成物Aを、塗工量が20μmになるよう
にして、T型ダイを有する溶融押出し機(溶融温度32
0℃)で塗工し、その表面をマット面を有するクーリン
グロール(表面粗さRz=8μ)で冷却固化して裏面層
(ポリオレフィン樹脂含有層)を設けた。
【0030】実施例2 紙基材上に、下記下塗り層用塗工液を、乾燥重量で1
2g/m2 になるように、エアーナイフコーターで塗
工、乾燥した。次に、下記光沢層用塗工液を、上記の下
塗り層上にエアーナイフコーターで塗工し、冷風で20
秒乾燥し半乾燥状態にした後(塗工層絶乾量に対する水
分率150%)、表面温度が100℃の鏡面ドラムに圧
接し、乾燥後、離型させ、光沢タイプのインクジェット
記録用紙を得た。このときのキャスト塗工層の塗工量は
固形分重量で、5g/m2であった。 [下塗り層用塗工液(固形分濃度17%)]合成シリカ
(ファインシールX−60;トクヤマ製、平均二次粒子
径6.0μm、一次粒子径15nm)80部、ゼオライ
ト(トヨビルダー;トーソー製、平均粒子径1.5μm
)20部、シリル変性ポリビニルアルコール(R11
30;クラレ製)20部、ガラス転移点75℃のスチレ
ン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体と粒子径3
0nmのコロイダルシリカとの複合体エマルジョン(共
重合体とコロイダルシリカは重量比で40:60、エマ
ルジョンの粒子径は80nm)40部 [キャスト塗工層用塗工液(固形分濃度12%)]シリ
カ微細粒子A(下記に記載)100部、ジアリルジメチ
ルアンモニウムクロライド−アクリルアミド共重合体
(日東紡績社製、商品名;PAS−J−81)10部、
カチオン性アクリル樹脂(XC−2010;星光化学
製、四級アミン変性アクリル水性樹脂、Tg85℃)2
0部、シリル変性ポリビニルアルコール(R1130;
クラレ製)10部、離型剤(ステアリン酸アミド)2部 [シリカ微細粒子Aの調製]合成無定形シリカ(トクヤ
マ社製、商品名:ファインシールX−45、2次粒子径
4.5μm、1次粒子径15nm)の水分散液を用い、
圧力式ホモジナイザー(SMT社製、商品名:超高圧式
ホモジナイザー GM−1)を用いて粉砕の操作を繰り
返した(加圧500kg/cm2)。処理後の分散液の
1次粒子径は15nm、平均2次粒子径は50nm、固
形分濃度は12%であった。次に、上記インクジェット
記録用紙の光沢層を設けた面と反対面に、実施例1と同
様にして裏面層を設けた。
【0031】実施例3 裏面層を設ける際、クーリングロールとして、表面がマ
ット面を有するクーリングロール(表面粗さRz=4
μ)を用いた以外は実施例2と同様にしてインクジェッ
ト記録用紙を得た。 比較例1 裏面層を設ける際、クーリングロールとして、表面がマ
ット面を有するクーリングロール(表面粗さRz=2
μ)を用いた以外は実施例2と同様にしてインクジェッ
ト記録用紙を得た。 比較例2 裏面層を設ける際、クーリングロールとして、表面を鏡
面仕上げしたクーリングロールを用いた以外は実施例2
と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0032】比較例3 裏面層を設けなかった以外は実施例2と同様にしてイン
クジェット記録用紙を得た。 比較例4 実施例1において、光沢層を設けなかった以外は、実施
例1と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 比較例5 比較例4において、裏面層を設けなかった以外は、比較
例4と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 比較例6 紙基材をそのまま用いた。
【0033】実施例4 裏面層に、ポリオレフィン樹脂Bを用いた以外は、実施
例2と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 実施例5 裏面層に、ポリオレフィン樹脂Cを用いた以外は、実施
例2と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。 実施例6 裏面層に、ポリオレフィン樹脂Dを用いた以外は、実施
例2と同様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0034】実施例7〜10 実施例7、8、9、10の紙基材として、それぞれ、
、、を用いた以外は、実施例2と同様にしてイン
クジェット記録用紙を得た。 実施例11 裏面層の塗工厚さを7μmとした以外は、実施例2同様
にしてインクジェット記録用紙を得た。 実施例12 裏面層の塗工厚さを35μmとした以外は、実施例2同
様にしてインクジェット記録用紙を得た。
【0035】この様にして得られたインクジェット記録
用紙の品質を表1にまとめて示した。なお、品質につい
ては下記の如き方法で評価を行った。 [光沢度]JIS−P8142に準じて記録面白紙部お
よび裏面の75°光沢度を測定した。 [白紙カール]A4サイズに断裁した用紙を、23℃、
55%RHの環境下で、記録面を下にして、平らな台上
に置き、30分放置後のカールを目視判定した。 5 :カールはほとんど無い。 4 :若干カールが認められるが、実用上問題無し。 3 :カールがやや大きく、実用上問題となる可能性有
り。 2 :カールが大きく、実用上問題となる。 1 :カールが著しい。 [インクジェット記録適性]インクジェットプリンター
BJC420J(キヤノン(株)製)を用いてA4サイ
ズの用紙に印字を行なった。 (ベタ印字部の均一性)シアンインクとマゼンタインク
の2色混合のベタ印字部の印字ムラ(濃淡ムラ)を目視
にて評価した。 5:印字ムラは見られず良好なレベル。 1:印字ムラが著しく、実用上重大な問題となるレベ
ル。
【0036】(インクの乾燥性)シアンインクとマゼン
タインクの2色混合のベタ印字部につきインクの乾燥性
を評価した。 5:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。 (インクジェット記録後の印字濃度)黒ベタ印字部分の
印字濃度をマクベスRD−914で測定。
【0037】(プリンター走行性)プリンターに用紙を
20枚積載し連続印字を行った。20枚1セットで5セ
ットをテストした(合計100枚)際の、正常に搬送し
なかった(不送り、重送、印字位置不良)回数をカウン
トした。 5 :全く問題無し。 4 :不送り、重送は無いが、印字位置のズレが若干生
じたものが1〜5枚有り。 3 :不送り、重送が1〜5枚。 2 :不送り、重送が6〜10枚。 1 :不送り、重送が20枚以上。 (画像縮み)15cm×25cmの面積に黒ベタ印字を
行い、印字画像の縦方向の縮みを測定した。 5 :縮みは0.2%以下で全く問題無し。 4 :0.3〜0.5%の縮み有り。 3 :0.6〜1.0%の縮み有り。
【0038】[外観]表面の光沢感、裏面の風合い、手
触り感、用紙の腰等を総合的にみて、印画紙様の外観を
有するかどうかを判断した。 5:極めて優れる。 4:優れる。 3:やや劣る。 2:劣る。 1:著しく劣る。 [総合評価]品質を総合的に判断し、5段階評価した。 5:極めて優れる。 4:優れる。 3:普通。 2:やや劣る。 1:劣る。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明は印画紙様の風合い(記録面の光
沢感、裏面の外観、手触り)を有し、インクジェット記
録適性に優れ、カールが抑制され、プリンター走行性に
も優れた、インクジェット記録用紙であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41J 2/01 B41J 3/04 101Y Fターム(参考) 2C056 EA09 EA13 FC06 2H086 BA13 BA15 BA16 BA21 BA24 BA33 BA36 BA41 4D075 AC43 AE06 BB06Z CA35 CB04 DA04 DB18 DC27 EA35 EB13 4F100 AA20B AA20D AK01D AK03C AK03J AK07C AK07J AK12B AK12G AK21G AK25B AK25G AK46D AL01B AL01C AL05D AL06G AR00B BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C BA26 CA13D CB00 DE01D DG10A EH23C GB90 JK04C JL04 JN21 JN21B JN21C JN26C YY00B YY00C

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙基材の記録面側に光沢層を設け、裏面に
    ポリオレフィン樹脂含有層を設けたインクジェット記録
    用紙において、光沢層表面の75°光沢度(JIS−P
    8142)が30%以上であり、ポリオレフィン樹脂含
    有層表面の75°光沢度が50%以下であることを特徴
    とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン樹脂含有層が、溶融押出し
    ラミネート法により形成され、マット仕上げしたクーリ
    ングロールで冷却固化し、マット仕上げされてなること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂の曲げ剛性(ASTM
    D 747)が3000kg/cm2以上であること
    を特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記
    録用紙。
  4. 【請求項4】ポリオレフィン樹脂含有層がポリプロピレ
    ンまたはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体を含
    有することを特徴とする請求項3記載のインクジェット
    記録用紙。
  5. 【請求項5】インクジェット記録用紙全体の紙厚が15
    0〜250μmであり、ポリオレフィン樹脂含有層の厚
    さが10〜30μmであることを特徴とする請求項1、
    2、3または4記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】紙基材に、樹脂及び必要に応じて顔料を主
    成分とする塗工液を塗工し、該塗工層が湿潤状態にある
    間に、あるいは再湿潤した後加熱された鏡面ドラムに圧
    接、乾燥して仕上げ、光沢層を設けたことを特徴とする
    請求項1、2、3、4または5記載のインクジェット記
    録用紙。
  7. 【請求項7】紙基材に顔料と接着剤を含有する記録層を
    設け、更に該光沢層を設けたことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載のインクジェット記録
    用紙。
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