JP2000149932A - 鉛蓄電池およびその製造方法 - Google Patents

鉛蓄電池およびその製造方法

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雅之 井出
Nobuyuki Takami
宜行 高見
Yoshibumi Hisama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 活物質の多孔度を上げることによる高率放電
特性の改善を寿命低下なく両方の特性に優れた鉛蓄電池
を提供すること。 【解決手段】 鉛および鉛酸化物混合粉(鉛粉)を硫酸
を含まず、アクリルもしくはアクリル−スチレン樹脂繊
維エマルジョンの水性ディスパージョンを含む練り液で
混練することにより活物質粒子間が3次元網目構造の樹
脂繊維によって強固に結合した構成を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池とその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池は二次電池として比較的安価で
安定な性能を有しているため、自動車用をはじめとし
て、近年ではポータブル機器用の電源やコンピュータの
バックアップ用にも広く普及してきた。
【0003】さらに近年では電気自動車用の主電源とし
てだけではなく、起動電源や回生電流の回収用としても
新しく機能が見直されている。これらの用途では、とり
わけ高出力性とともに寿命の安定化の両立が重要な課題
となっている。
【0004】高率放電特性は、電解液の活物質への供給
に支配されるところが大きい。鉛蓄電池では放電反応に
より正極、負極ともに活物質が硫酸鉛に変化してゆく。
鉛、二酸化鉛が硫酸鉛に変化するとその体積は約2倍に
増加する。そのため、放電反応が進むにつれて活物質中
の細孔が析出した硫酸鉛によって塞がれ電解液中の硫酸
イオンの拡散が阻害される。また逆に、この硫酸鉛は充
電時には正極で二酸化鉛に、負極では鉛に変化するもの
の硫酸鉛によって活物質中の細孔が塞がれた場合には活
物質からの硫酸イオンの活物質外への拡散が阻害される
ことによって充電効率が低下する。そしてこれらの現象
は特に高電流密度での充放電ほど顕著になる。近年UP
S機器の性能アップに伴い、密閉形鉛蓄電池の高率放電
性能の改善や円筒形の密閉形鉛蓄電池の開発にも上記の
課題が大きな影響を与えている。
【0005】これらの課題を解決するために、従来は蓄
電池の放電容量を制限している正極の活物質の充填密度
を低下させ、正極活物質内に電解液を保持あるいは拡散
できる空隙を多く形成させるという方法が実用化されて
いる。さらには特開平3−201362号公報に示され
ているように正極活物質中に黒鉛を含有させ、かつ互い
に3次元構造で網目状に結びついているフッ素樹脂繊維
で正極活物質を包囲する構成が提案されている。
【0006】しかしながら、上記の極板内の空隙を多く
形成させる手法では高率放電特性の向上が達成されるも
のの活物質の機械的強度が低下することによってサイク
ル寿命が低下するという欠点がある。特に集電体の厚み
が0.6mm以下となった場合には集電体強度が低下す
ることによって集電体が容易に変形し活物質の極板から
の脱落が顕著に発生する。活物質の極板からの脱落とい
う現象は、極板を巻回して構成する電池を構成した場合
に顕著であった。特開平3−201362号公報に記載
されている技術によれば活物質の空孔率を高くした上で
活物質自体の強度をある程度まで保つことができ、活物
質利用率およびサイクル寿命を改善することができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらフッ素樹
脂自体が撥水性を有するために活物質への電解液の浸透
が妨げられ空孔率が高くなった程には活物質利用率の向
上が認められず、さらにフッ素樹脂繊維を加えた活物質
ペーストに添加し、希硫酸を練液として混練する場合活
物質ぺーストが非常に固くなり、集電体へのペースト充
填が困難になるという欠点があった。特に薄い極板を巻
回して構成する蓄電池においては集電体自体の厚みが1
mm以下で強度的に弱いことから、ペースト充填時に集
電体自体が変形してしまう不具合があった。また、この
ような蓄電池は充填する活物質ペースト厚みを薄く、か
つばらつきを少なく構成する必要があるが前述の通り活
物質ペーストの性状が非常に固く、工程上困難であっ
た。
【0008】また、活物質自体の強度は改善されるもの
の極板を巻回する程の強度を維持できるものではなく、
依然として極板からの活物質の脱落が発生し、蓄電池の
高率放電特性低下と寿命低下の一因となっていた。
【0009】本発明は、このような従来の課題を解決す
るものであり、鉛蓄電池の高率放電特性の向上を図ると
ともに極板の高多孔化による寿命の低下を抑制し、さら
に極板からの活物質の脱落、ペースト充填時における集
電体の変形といった製造工程上の課題を解決することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するため手段】本発明は上記目的を達成す
るために、鉛合金製の集電体表面に活物質層が形成され
た正極板を備えた鉛蓄電池において、前記正極活物質中
にカーボンを含有するとともに、前記正極活物質は三次
元構造で網目状に結び付いているアクリルもしくはアク
リル−スチレン系樹脂で囲われている構成とするもので
ある。
【0011】また、金属鉛および鉛酸化物の混合粉体を
主成分とする粉末合剤にカーボン粉末を添加し、これに
アクリルもしくはアクリルースチレンを主成分とするエ
マルジョンを水に分散させた液を加えて練合した練り液
に硫酸を用いない無硫酸ペーストを鉛合金製の集電体に
充填して正極板を製造することを特徴とするものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。
まず、鉛および鉛酸化物(一酸化鉛、鉛丹)の混合物で
ある鉛粉にカーボン粉末を添加した後、混合する。この
混合粉体をアクリルもしくはアクリル−スチレン樹脂繊
維のエマルジョンと水とともに混練して活物質ペースト
を作成する。この活物質ペーストは鉛合金製の集電体に
充填した後、乾燥して正極板とする。負極板としては従
来構成の負極板を用いてもよいが、特に極板群を巻回す
る場合には負極板も正極板と同様の構成とすることが好
ましい。
【0013】上記のような本発明の構成において活物質
中に添加されたカーボンとアクリル(もしくはアクリル
−スチレン樹脂繊維)は以下のような作用があると考え
られる。
【0014】まず、正極活物質中に添加されたカーボン
は化成充電中に酸化され二酸化炭素となって活物質外へ
放出される。このようにカーボンが除去されたことで正
極活物質中に空孔が形成されることにより多孔質の活物
質を得ることができる。またカーボンは化成の初期段階
では電解液を保持することで活物質全体に電解液を行き
渡らせるとともに、活物質自体の導電性を高めて化成充
電をより円滑に進行させるものである。また、カーボン
を添加しない場合でも練り液中の水量を増加させること
により正極活物質の多孔度を増加させることがある程度
まで可能である。
【0015】さらに、負極においてはカーボンは酸化さ
れず、負極活物質中に残存する。よって多孔度を増加さ
せる目的でカーボンを添加することはあまり有効ではな
いが、カーボン自体の水への親和性・導電作用により、
化成充電時での負極の化成効率を高める作用がある。
【0016】一方、アクリルもしくはアクリル−スチレ
ン樹脂繊維は活物質内部で網目状に広がり活物質粒子同
士を強固に結び付けている。特に多孔度を高くした構成
においては極板への物理的応力あるいは充放電時の活物
質の体積増加・収縮によって、活物質の構造が破壊され
やすいことからこのようなアクリル(アクリルースチレ
ン)樹脂繊維による活物質構造を維持する作用効果によ
り蓄電池の寿命を向上させる効果が得られる。そしてこ
のような効果は特に高率放電を行う場合に顕著である。
【0017】一般に高率放電時においては正極板の多孔
構造が放電によって析出してくる硫酸鉛によって塞が
れ、電解液の拡散が阻害されて放電が終了する。このよ
うな場合電解液からの硫酸イオンの拡散が行われ易い正
極板表面付近は放電反応が容易に進行するが、正極板中
心部では硫酸イオンが十分に供給されないことから放電
反応への関与が非常に少なく、放電反応分布が偏ったも
のとなる。その場合、膨張収縮の激しい極板表面は活物
質が特に脱落し易い状態となってしまう。本発明の構成
によれば、このような現象においても活物質の脱落を抑
制することが可能となる。
【0018】また、アクリル(またはアクリル−スチレ
ン)樹脂繊維はフッ素樹脂繊維に比較して撥水性が低い
ことから活物質への電解液の浸透を容易にすることがで
き、同程度の活物質多孔度においてはフッ素樹脂繊維に
比較してより高率放電特性を向上させることができる。
さらにアクリル(またはアクリル−スチレン)樹脂繊維
と硫酸を練り液として使用しない活物質ペーストとの組
合わせにより、比較的薄く充填するのに適した柔らかい
ペーストを得ることができる。また、乾燥終了後のペー
ストは比較的柔軟性を有することから極板への物理的応
力に対しても強く、衝撃等による活物質の脱落を抑制す
ることができる。このような特性は極板を巻回して構成
する蓄電池に適したものである。
【0019】以上のように本発明の構成によれば、単に
正極活物質を造孔して高率放電時の高容量化を達成でき
るだけでなく、活物質粒子同士の結合力を高めることに
よりサイクル寿命特性の劣化という課題を解決するもの
である。また、活物質ペーストの性状、乾燥後の活物質
の性状を改善して特に薄型極板を製造するのに効果的で
ある。また、練り液に硫酸を含有しないことからペース
ト熟成工程が不要となるという合理化の効果も得ること
ができる。
【0020】
【実施例】<実施例1>まず、正極板の作成に際して正極
用原料として一酸化鉛と金属鉛との混合粉体と鉛丹とを
混合した鉛粉を用いた。鉛丹としては一酸化鉛をさらに
酸化させたものであり、15重量%の一酸化鉛を含有す
るものである。この鉛粉にアセチレンブラックを鉛粉重
量に対して1.5重量%添加し、そこにアクリル樹脂繊
維のエマルジョンの水性ディスパージョンを加えさらに
練合した。このとき、水性ディスパージョンの添加量は
鉛粉とアセチレンブラックとの合計重量に対して2重量
%となるように調整した。これを本発明の活物質ペース
トAとする。
【0021】比較のため、表1に示す構成で活物質ペー
ストを作成した。なお、鉛粉とアセチレンブラックの組
成はすべて同一とした。
【0022】
【表1】
【0023】表1のペーストを鉛−カルシウム系合金の
鋳造格子に充填した。練り液に希硫酸を用いた活物質ペ
ーストB、C、DおよびEについては65℃、85RH
%中で48時間熟成乾燥を行った。練り液に希硫酸を混
合していない活物質ペーストA、Fについて110℃中
で2時間の真空乾燥を行い未化成の正極板を得た。これ
らの正極板を2枚と常法に従って製造した未化成の負極
板3枚とをガラス繊維からなるマット状のセパレータと
ともに群構成し、ABS樹脂製の電槽に挿入し、これに
38重量%の希硫酸を加えて電槽化成を行い、2V5.
5Ahの密閉形鉛蓄電池を作成した。これらの電池を使
用した活物質ペースト記号と対応させてそれぞれ電池
A、B、C、D、EおよびFとした。なお、電池容量は
充填された活物質量の理論容量を記載した。
【0024】本発明の実施例による電池Aと従来例の電
池B、CおよびD、そして比較例の電池EおよびFを比
較的高率の1CAと3CAの定電流で放電したときの電
圧特性をそれぞれ図1、図2に示す。またこれらの各電
池を2.45Vの定電圧(最大電流1CA)で5時間充
電し、1CAで終止電圧1.3Vまで放電する充放電を
繰り返すサイクル寿命試験を行った。なお、放電容量が
初期放電容量の50%以下となった時点で寿命とした。
これらの結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】図1、2から明らかなように各電池の高率
放電特性を比較すると、本実施例の電池Aは他の従来例
および比較例の電池B〜Fに比較して高容量化している
ことがわかる。これはまた、特に放電率が高い場合に効
果がより顕著であることがわかる。これはアクリル樹脂
繊維がフッ素樹脂繊維に比べて撥水性が低いことによ
り、活物質と電解液との親和性が向上したためと考えら
れる。
【0027】一方、サイクル寿命に関しては本実施例の
電池では800サイクルと他の従来例および比較例の電
池より優れた寿命特性を有していることがわかる。これ
らのことから、本発明を適用することにより優れた高率
放電特性と長寿命を兼ね備えた鉛蓄電池を構成できるこ
とが確認できた。
【0028】また、特に活物質ペーストの練り液に硫酸
を用いない電池AおよびFの製造工程に関して従来では
熟成工程として温度と湿度を調整した槽内で18時間か
ら24時間の放置が必要であるが、本発明による手法を
用いると2時間の真空乾燥だけであり、大幅な製造工程
の短縮が可能となる。さらに従来の製造工程によれば熟
成の進行度合により放電特性が変化し、最終的には電池
の特性ばらつきの原因となっていたが、本発明によれば
熟成工程が不要となるため、このような特性ばらつきを
抑制することができる。
【0029】<実施例2>厚みが50μm、幅32mm、
長さ200mmのPb−5%Sn合金の集電体に実施例
1で示した活物質ペースト(A、B、C、D、Eおよび
F)を0.5mmの厚みで充填した。活物質ペーストは
充填ホッパー下を集電体を通過させて充填する。集電体
の送り方向は集電体長手方向と一致させた。
【0030】本発明による活物質ペーストAおよび比較
例2による活物質ペーストEについては充填厚みのばら
つき(3σ)は0.03mmであり、集電体上に比較的
均一な厚みで充填することが可能であった。しかしなが
ら、従来例の活物質ペースト(B、CおよびD)につい
ては充填厚みのばらつき(3σ)は0.7mmであり、
そのばらつきは大であった。また、ペーストが充填され
ず集電体が露出した部分も発生した。比較例1のペース
トEについては充填厚みのばらつき(3σ)は0.2m
mであり、従来例に比較して大幅に改善されるものの本
発明例に比較して依然、ばらつきは大であった。これは
活物質ペーストの性状に起因するものであり、従来例お
よび比較例1の活物質ペーストは非常に固いことによる
ものである。
【0031】次に図3に示した寸法を測定することによ
り活物質ペースト充填後の各極板の変形度合を調査し
た。本発明の活物質ペーストAを充填した極板について
は集電体の変形は殆ど見られなかった。従来例および比
較例1の活物質ペースト(B、C、DおよびE)を充填
した極板については集電体の変形が発生した。変形方向
としては活物質充填面を内側方向としてのそりと集電体
送り方向(長手方向)に対して直角方向(幅方向)への
変形がみられた。その変形量としてはそりの量が5〜8
mm、幅方向の変形が2〜3mmであった。また、比較
例2の活物質ペーストを用いた極板についてはそり量が
0.5mm、幅方向の変形が0.8mmであった。この
ような変形が発生した場合、その後の極板群構成時にお
いて正・負極板とセパレータとの位置ずれが生じ正・負
極間が短絡する場合がある。本発明の構成によればこの
ような変形を抑制することが可能であった。そしてこの
変形は集電体の厚みにより影響を受ける。特に集電体の
厚みが0.6mm以下とする場合には急激に変形しやす
くなるため、本発明の構成は集電体の厚みが0.6mm
以下の場合に特に有効である。
【0032】充填後の各極板は充填された活物質ペース
トの種類に応じて実施例1に示したものと同じ乾燥ある
いは熟成乾燥を行い正極板とした。電池の構成は正極
板、負極板ともに同一の長さでセパレータとして厚み
0.6mm、幅40mm、長さ210mmのガラスマッ
トを用い、セパレータを中心として正・負極板を配置
し、巻回して円筒形の電池(2V3.8Ah)を構成し
た。なお電池の外形寸法はφ23.0mm,高さ43m
mで、理論容量が3.8Ahである。これらの電池の区
分を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】なお、実施例2においては極板を巻回した
時の活物質の脱落量を測定した。これは極板の巻回し前
後の活物質量の重量変化を測定し、この値の全活物質重
量に対する比率(%)を算出することにより求め、この
数値を活物質脱落率(%)とした。その結果、本発明の
構成によれば活物質脱落率は1〜1.8%であった。一
方、従来例4、5および6と比較例3については活物質
脱落率は11〜18%であった。比較例4の活物質脱落
率は5.2%であった。このように本発明の構成によれ
ば集電体からの活物質の脱落を抑制できた。
【0035】次に表3で示した構成の各電池について1
0A定電流放電時における放電特性を図4に示す。その
結果本発明の構成によれば高率放電特性を向上させる効
果を有することが確認できた。また、これらの各電池の
サイクル寿命試験を行った。試験条件は放電10A(終
止電圧1.3V/セル)、充電2.45V/セル(最大
電流1CA)5時間とした。放電持続時間が試験開始当
初の50%以下となった時点で寿命終了とした。これら
の結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4に示した結果から本発明の構成により
寿命特性が顕著に向上していることが確認できた。
【0038】本発明の実施例1および実施例2とも活物
質原料に鉛丹を含有した鉛粉を用いたがこの鉛粉中に2
酸化鉛、硫酸鉛あるいは塩基性硫酸鉛を添加した場合に
も本実施例と同様な効果が認められた。また、アクリル
を主成分とするエマルジョンの代わりにアクリルースチ
レン樹脂のエマルジョンを用いても本実施例と同様な結
果が得られた。また、アセチレンブラックの変わりにケ
ッチェンブラックなど他の非晶質カーボンを用いても同
様な結果が得られることを確認した。
【0039】しかし、黒鉛のような結晶性の高いカーボ
ンを添加して本実施例と同様の方法で電池を試作し、そ
の特性を評価したが効果は少なかった。この原因は明ら
かではないが、結晶性の高いカーボンでは化成充電によ
って硫酸と反応し、CmHSO4・2H2SO4が生成され
る。このように結晶性の高いカーボンはその多くが極板
中に残存して非晶質カーボンにみられるような多孔質な
活物質を形成しないたもと考えられる。
【0040】
【発明の効果】以上にように本発明によれば、活物質の
多孔度を上げることによっても高率放電特性と寿命特性
の双方を改善することができる。また、その活物質ペー
ストの性状が薄型極板を造るのに好都合であるととも
に、活物質の性状も脱落が少ないものを提供することが
できる。このような特性は特に極板を巻回して構成する
電池に大変好都合であり、安定した放電性能・寿命性能
を得ることができる。さらには従来、長時間を要してい
た熟成工程が不要となることから、製造工程の短縮化が
可能となり、工業上、大変有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における電池の1CA放電時の放電電
圧特性を示す図
【図2】実施例1における電池の10CA放電時の放電
電圧特性を示す図
【図3】実施例2における活物質ペースト充填後の極板
の変形を示す図
【図4】実施例2における電池の10A放電時の放電電
圧特性を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久間 義文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H028 AA05 BB06 BB07 CC12 EE01 EE06 HH05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛合金製の集電体表面に活物質層が形成
    された正極板を備えた鉛蓄電池であって、前記活物質中
    にカーボンを含有するとともに、前記活物質は三次元網
    目構造で結びついているアクリルもしくはアクリル−ス
    チレン系の樹脂で囲まれていることを特徴とする鉛蓄電
    池。
  2. 【請求項2】 カーボンが非晶質であることを特徴とす
    る請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 正極板、保液性セパレータおよび負極板
    とが巻回されていることを特徴とする請求項1あるいは
    2に記載の鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 金属鉛および鉛酸化物の混合粉体を主成
    分とする粉末合剤にカーボン粉末を添加し、これにアク
    リルもしくはアクリル−スチレンを主成分とするエマル
    ジョンを溶媒に分散させた液を加えて練合した無硫酸ペ
    ーストを、鉛合金製の集電体に充填することにより正極
    板を得ることを特徴とする鉛蓄電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 鉛合金製の集電体の厚みを0.6mm以
    下とすることを特徴とする請求項4に記載の鉛蓄電池の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 正極板を保液性セパレータおよび負極板
    とともに巻回したことを特徴とする請求項4あるいは5
    に記載の鉛蓄電池の製造方法。
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