JP2000147819A - 電子写真感光体および該電子写真感光体を用いた画像形成装置と画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体および該電子写真感光体を用いた画像形成装置と画像形成方法

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JP2000147819A JP11198047A JP19804799A JP2000147819A JP 2000147819 A JP2000147819 A JP 2000147819A JP 11198047 A JP11198047 A JP 11198047A JP 19804799 A JP19804799 A JP 19804799A JP 2000147819 A JP2000147819 A JP 2000147819A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質な画像を長期間にわたって保証するた
めに、感光体の摩耗を少なくし、かつコロナ生成物によ
る感光体表面の親水性化を防止する新規な技術開発を行
い、帯電露光の繰り返しによっても感光層表面が親水性
になり難く、画像流れや画像ボケの発生しにくい電子写
真感光体の提供。 【解決手段】 導電性支持体上に光導電性層を設けた電
子写真感光体において、該感光体が最表面層に長鎖アル
キル基含有尿素化合物を含有するものであることを特徴
とする電子写真感光体および該電子写真感光体を用いた
画像形成装置と画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精細な画像を形
成する電子写真感光体、該電子写真感光体を用いた画像
形成装置と画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】画像流れ防止のための感光体表面に関して
は、例えば以下の技術が挙げられる。 画像流れ防止のため感光体表面に水に対する接触角が
90度以上の保護層を設ける(特開平5−18861
8)。 画像流れ防止のため感光体表面抵抗低下を補完する物
質を塗布する。物質として電気抵抗が1014Ωcm以
上、比誘電率が1.5−4、融点が55℃以上のパラフ
ィンを使用(特開平5−210338)。
【0003】電子写真方式を用いた画像形成装置は複写
機、プリンタ、ファクシミリ及びそれらの機能を合わせ
持った複合機、更には、印刷機への応用など、情報処理
の多様化に対応可能な高速情報記録装置としてますます
その需要を拡大しつつある。画像形成装置のさらなる画
像形成速度の高速化、小型化、低コスト化が要求されて
おり、そのためには、装置を構成する画像形成部材の高
耐久化が必要である。中でも、主要画像形成部材の1つ
である感光体の高耐久化が望まれている。
【0004】電子写真方式の画像処理装置に使用する感
光体としては、導電性支持体上に光導電性でかつ、電気
絶縁性の高いアモルファスシリコン、Se、AsSe
、SeTe等の薄膜を真空蒸着法、スパッタリング
法、化学反応性蒸着法などの方法で形成した無機系感光
体とフタロシアニンなどのポリフィリン系化合物、キナ
クリドンなどの多環縮合化合物、スクエアリック化合
物、アゾ化合物顔料などの電荷発生物質とヒドラゾン化
合物、フェニルスチルペン化合物、ベンジジン化合物な
どの電荷輸送性物質、ポリカーボネート樹脂などの絶縁
性樹脂とで形成される光導電性絶縁膜を導電性支持体上
に設けた有機感光体(OPC感光体)がある。光導電性
層には電荷発生物質と電荷輸送物質とを絶縁性樹脂中に
一緒に分散させた単層型と電荷発生物質を含有した電荷
発生層上に輸送物質を絶縁性の樹脂中に分散、溶解させ
た電荷輸送層を積層させた積層型がある。OPC感光体
は無機感光体よりも製造コストが安価であり、無公害性
などの利点から、広く使用されている。
【0005】次にこのような感光体を使用する基本的な
電子写真画像形成装置を図1に基づいて説明する。帯電
手段1で帯電が施された光導電性感光体8に光源2を用
いて記録情報に基づいて変調された光で露光し感光体8
上に静電潜像を形成する。次に3の現像手段で例えば黒
色の場合はカーボンブラックのような着色微粒子と低融
点樹脂と電荷制御剤から形成されているトナーと呼ばれ
る帯電微粒子を感光体上に接触させ、静電潜像を顕像化
する。このトナー画像は4の転写装置で記録体7上に転
写される。転写は紙、フィルムなどに直接転写する場合
と、一度中間転写体にトナーを転写した後、中間転写体
を媒介して紙等の記録体に転写する方法がある。記録体
上に転写されたトナーは6の定着装置で記録体7上に定
着される。トナー転写後の感光体表面は図示されない除
電手段で表面に残った静電荷を除電された後、転写され
なかったトナーを5のクリーニング手段で清掃、次の情
報記録に供される。
【0006】このように感光体は画像形成過程で、例え
ば、現像剤、クリーニング部材、中間転写体、紙などの
記録体等種々の部材と接触し、部材との擦れなどにより
感光体表面が摩耗する。特に、OPC感光体は無機感光
体に比較して画像形成時に感光層が摩耗しやすく、その
ため帯電電位の低下、感度の低下を引き起こし、プリン
ト画像の濃度低下や地肌部汚れが発生し、感光体の耐久
性を低下させる原因の一つとなっている。OPC感光体
の感光層の摩耗を低減する方法は種々試みられている。
クリーニング部材の当接力を小さくする、感光体表面に
ステアリン酸亜鉛、ワックスなどの離型性物質を塗布
し、感光体とトナーの付着力を小さくし、クリーニング
時の感光体への負荷を少なくする、感光層に保護層を設
ける、さらに、感光層自身の機械強度アップを目的に電
荷輸送性高分子を用いた感光体の使用などの方法が提案
されている。
【0007】一方、感光体への帯電手段、転写手段、除
電手段としては、一般に導電性ワイヤーに高電圧を印加
してコロナ放電を生じさせ、電荷を生成されるコロナ放
電器が用いられる。また、最近は感光体に直接接触させ
た導電ローラに電圧印加を行って帯電させる接触帯電方
式などが提案されている。これらの方式はいずれも基本
的にコロナ放電現象を利用したものである。コロナ放電
を利用した帯電方法を使用した画像形成装置において
は、感光体表層の表面抵抗が低下したり、感光体の感光
特性が劣化したりして、画像品質が低下することが知ら
れている。特に、高湿度環境化においては、像担持体上
に形成された静電潜像に乱れが生じ、画像がボケ、最悪
の場合、画像が全く形成されなくなり(画像流れ)、感
光体の耐久寿命を低下させる原因の1つとなっている。
感光体の耐久性向上のために、感光体表面の摩耗を少な
くする上記の対策をとると、感光体表面の低抵抗化され
た部分がとりきれず、又低抵抗物質が蓄積するために、
画像流れはさらに顕著にあらわれる。
【0008】感光体表面の電気抵抗低下の原因として
は、コロナ放電の際、コロナ生成物、即ちオゾンや窒素
酸化物等の生成物が発生し、親水性のコロナ生成物が感
光体表面に付着、堆積したり、更にオゾンや、窒素酸化
物が感光体表面物質と酸化反応し、その表面に親水性の
低抵抗物質を生成すること、などが知られている。感光
体表面の低抵抗物質の影響を除去する方法として以下の
方法が提案されている。例えば、感光体をヒータで加熱
したり、熱風を吹き付けて感光体を乾燥させて湿度によ
る影響を小さくする方法がある(特開昭59−2085
58、特開昭61−13299、特開昭62−2620
65等)。これらの方法では親水性物質が感光体表面に
残留し、高湿度環境下では効果が充分発揮されない。
又、感光体表面に撥水性の材料で保護層を設ける方法が
ある(特開平5−188618等)。この方法でもプリ
ント枚数が多くなると保護層表面の低抵抗化が起こり充
分な効果が発揮されない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、高
品質な画像を長期間にわたって保証するために、感光体
の摩耗を少なくし、かつコロナ生成物による感光体表面
の親水性化を防止する新規な技術開発を行い、帯電露光
の繰り返しによっても感光層表面が親水性になり難く、
画像流れや画像ボケの発生しにくい電子写真感光体を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、導電性支持
体上に光導電性層を設けた電子写真感光体において、該
感光体の最表面層を長鎖アルキル基含有尿素化合物を含
有するものとすることによって、コロナ放電によって起
こる感光体表面の親水性化を低減し、高湿度環境化にお
ける感光体表面の低抵抗化を押さえ、画像ぼけ、画像流
れの発生を防止することが出来ることを見いだし、本発
明に到達することができた。
【0011】本発明で使用する尿素化合物は、尿素結合
(−NHCONH−)を有する化合物であれば、特にそ
の種類は制限されないが、好ましくは炭素数10以上、
さらに好ましくは10〜24の炭素数の長鎖アルキル基
を1個以上有する尿素化合物である。前記のような長鎖
アルキル基を有する化合物は、感光体表面の滑り性を良
くし、かつ、接触部材とのこすれによる摩耗を小さくす
る効果を奏する。また、電子写真画像形成装置内部は定
着装置の影響で高温となり、感光体周辺は50℃近くま
で温度が上昇することがあるので、使用する前記尿素化
合物は55℃以上の融点をもつことが望ましい。本発明
に用いる感光体としては、光導電性層の構造が前述の如
き積層型、単層型いずれの場合でも良いが、コロナ放電
によって、感度低下、帯電性の低下など感光特性に影響
を受けやすい電荷発生物質がコロナ生成物やオゾンと直
接接触しない積層型がより好ましい。
【0012】本発明で使用される長鎖アルキル基を1個
以上有する尿素化合物としては、例えば、以下のものが
ある。N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C18
37NHCONHC)、N−フェニル−N′−ス
テアリル尿素(C1837NHCONHC )、
N−ステアリル−N′−ステアリル尿素(C1837
NHCONHC18 37)、N−ラウリル−N′−ス
テアリル尿素(C1837NHCONHC
12 25)、N−ラウリル−N′−ラウリル尿素(C
1525NHCONHC12 25)、N−ブチル−
N′−ラウリル尿素(C1225NHCONHC
)、ヘキサメチレンビスステアリル尿素(C18
37NHCONH) (CH、キシレンビスステ
アリル尿素(C1837NHCONHCH (m
−C)、トルイレンビスステアリル尿素(C18
37NHCONHCH (m−C)、ジフ
ェニルメタンビスラウリル尿素(C1225NHCO
NHC (CH)、ジフェニルメタンビスス
テアリル尿素(C1837NHCONHC
(CH
【0013】感光体最表面へ尿素化合物を含有する層の
付着方法としては、 1.感光層表面に尿素化合物粉末微粒子を付着した布、
ブラシ、ローラ、ブレードなどを感光体表面に接触させ
て付着する、 2.尿素化合物を成形器にいれ、加熱溶融、加圧などの
方法で棒状に加工した成形品を感光体表面に直接押し当
てて塗布する方法、 3.成形品からブラシ等で一旦、掻き取った尿素化合物
粉体を感光体に擦りつけて付着させる方法 等のいずれの方法でも良い。又、表面に尿素化合物を付
着した感光体を用いて画像形成する方法としては、
(1)画像形成装置へ装着前に予め表面に尿素化合物を
付着した感光体を用いる画像形成する方法、(2)画像
形成装置内で感光体表面に尿素化合物を付着させながら
画像形成する方法、(3)(1)と(2)を併用する方
法のいずれの方法でもよいが、画像形成装置内に尿素化
合物の付着手段を設け、画像形成中に尿素化合物を感光
体表面に供給する、(2)、(3)の方法がより好まし
い。
【0014】画像装置内での付着方法としては、尿素化
合物粉末微粒子を付着した布、ブラシ、ローラ、ブレー
ドなどを感光体表面に接触させて付着する方法、尿素化
合物粉体微粒子を現像剤中に含有させ現像時に付着させ
る方法、尿素化合物を成形器にいれ、加熱溶融、加圧な
どの方法で棒状に加工した成形品を感光体表面に直接押
し当てて塗布する方法、成形品からブラシ等で一旦、掻
き取った尿素化合物粉体を感光体に擦りつけて付着させ
る方法等のいずれの方法でも良い。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。
【0016】実施例1 N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NH
CONHC)粉末(日本化成社製ハクリーンS
B)を電気炉で120℃で30分加熱溶融した液をアル
ミニウム製の成形治具に入れ、室温雰囲気下に取り出
し、2時間自然冷却を行った。成形治具からN−ブチル
−N′−ステアリル尿素の成形体を取り出し7mm×3
mm×300mmの形にカットし尿素化合物成形体を作
成した。
【0017】この尿素化合物成形体を図2に示す尿素化
合物塗布装置に取り付け、感光体表面に塗布した。この
尿素化合物塗布装置の構成は以下のようになっている。
装置は回転可能な被塗布体(例えばドラム状感光体)1
と尿素化合物塗布ユニット50からなっている。塗布ユ
ニット50は尿素化合物成形体54を図示しないアルミ
ニウム板に両面テープで貼り付けられている。54に表
面に溝をつけたステンレス製の掻き取りバー53が接触
しており、更にその表面にナイロン製の毛を植毛したブ
ラシローラー52が接触している。このブラシローラー
が被塗布体表面と接触し、バーを回転させて54から掻
き取った尿素化合物微粉末を同じく回転する52によっ
て感光体表面に付着させる。51はウレタン製のブレー
ドであり、感光体表面に付着した感光体表面に擦りつけ
る。シート状感光体表面に塗布する場合はアルミドラム
上にシート状感光体を貼り付けて塗布した。感光体はア
ルミニウム蒸着を施した75μmポリエチレンテレフタ
レートフィルムのアルミニウム膜上に下式(1)で示さ
れるアゾ顔料2.5重量部とポリビニルブチラール樹脂
1重量部とからなる約0.2μmの電荷発生層、該層上
に下式(2)で示されるαフェニルスチルベン化合物8
重量部とZタイプポリカーボネート樹脂10重量部とか
らなる電荷輸送層20μmを積層したシート状積層型感
光体を用いた。
【0018】
【化1】
【化2】
【0019】感光体を80mmφアルミニウムドラム2
1表面に貼り付け、前記尿素化合物成形体を取り付けた
尿素化合物塗布ユニット50にセットし、アルミニウム
ドラム21を50回転させて尿素化合物を感光体上面に
塗布した。
【0020】次に静電特性測定装置(川口電機製作所製
EPA8100)を用いて、この感光体に1000rp
mで帯電と露光の繰り返しを所定時間行ってコロナ放電
処理した後、感光体表面の親水性物質形成程度の代用特
性として、純水に対する接触角(θ)の測定を行った。
【0021】次に図1に示した画像形成装置を用いて下
記の如く、常温、常湿環境下で感光体にコロナ放電処理
を行い、25℃、40−60%RH環境下、30℃、9
0%RH環境下でコロナ放電処理前後の感光体を用いて
画像評価を行った。感光体8は直径80mm、長さ30
0mm、厚さ1mmのアルミニウム製円筒状管上に酸化
チタン粉末と熱硬化性樹脂とからなる厚さ3μmの下引
き層、前式(1)のアゾ顔料2.5重量部とポリビニル
ブチラール樹脂1重量部からなる厚さ0.2μmの電荷
発生層、前式(2)のαフェニルスチルベン8重量部と
Zタイプポリカーボネート樹脂10重量部とからなる厚
さ30μmの電荷輸送層からなる積層型感光体を用い
た。この感光体は前記尿素化合物塗布装置にてドラムを
50回転させN−ブチル−N′−ステアリル尿素を塗布
したものである。
【0022】次に感光体表面にスコロトロンチャージャ
ーで−800Vの帯電、白色光露光で−20Vの光減衰
を3000回繰り返し、ドラム感光体にコロナ放電処理
を行った。コロナ放電処理の感光体に1のスコロトロン
帯電器で−800Vの帯電を行い、2の画像情報に対応
して変調された780nmの半導体レーザ光を露光し、
露光部位を−50Vとし、感光体上に静電潜像を形成し
た。現像はキャリアーと負帯電トナーとからなる2成分
現像剤を用いて反転現像を行った。コロナ転写方式で、
紙上にトナー画像を転写した。転写はコロトロン帯電器
に+4.5KV印加し、画像転写された記録紙は6のロ
ール定着器で定着した。
【0023】残留トナーのクリーニングと感光体表面へ
の尿素化合物の塗布はクリーニングユニット5を用いて
実施した。20−25℃、40−60%RH環境下、3
0℃、90%RH環境下ともに画像流れのない良好なプ
リントが得られた。プリント終了後の感光体の感光層の
厚みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0024】実施例2 N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NH
CONHC)の代わりにN−フェニル−N′−ス
テアリル尿素(C1837NHCONHC
(日本化成社製ハクリーンSPH)を用いた以外は実施
例1と同様に実施した。
【0025】比較例1 尿素化合物質を感光体表面に塗布しない以外は実施例1
と同様に実施した。
【0026】比較例2 尿素化合物の代わりにステアリン酸亜鉛粉末を実施例1
と同様に成形したバーを用いて、感光体表面にステアリ
ン酸亜鉛を塗布しながら実施例1と同様に実施した。
【0027】実施例1、2、比較例1、2のコロナ放電
による接触角変化の結果を図3に、画像評価結果を表1
に示す。尿素化合物を塗布しない感光体はコロナ放電に
よって急激に表面が親水性になり、高湿度環境下で画像
流れが発生する(比較例1)。従来、感光体表面の離型
性を改良するために用いられているステアリン酸亜鉛は
親水性防止効果はあるものの効果が少なく、高湿環境下
で画像ボケが発生する(比較例2)。本発明感光体は親
水性防止効果が高く、常温湿度、高温湿度環境下で画像
ボケ、画像流れ共に発生せず、感光体の長寿命化が計れ
た(実施例1、2)。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3 N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NH
CONHC)粉末(日本化成社製ハクリーンS
B)を用いて実施例1と同様にして尿素化合物成形体を
作成した。この尿素化合物成形体をセットした図2に示
す尿素化合物塗布機能付きのクリーニングユニット50
を図1に略図を示した複写試験機のクリーニング装置5
の代わりに取り付け、複写装置内で尿素化合物を感光体
表面に塗布しながら、20−25℃、55−70%RH
環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30
℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイク
ルを10回繰り返して、画像評価を行った。
【0030】感光体は直径80mm、長さ300mm、
厚さ1mmのアルミニウム製円筒状管上に実施例1と同
じ下引き層、電荷発生層、電荷輸送層からなる積層型感
光体を用いた。プリント前の感光体の感光層の膜厚は3
0μmであった。感光体にスコロトロン帯電器1で−8
00Vの帯電を行い、書き込み光源2の画像情報に対応
して変調された780nmの半導体レーザを露光し、露
光部電位を−50Vとし、感光体上に静電潜像を形成し
た。現像はキャリアーと負帯電トナーとからなる2成分
現像剤を用いて反転現像を行った。コロナ転写方式で、
紙上にトナー画像を転写した。転写はコロトロン帯電器
1に+4.5KV印加し、画像転写された記録紙はロー
ル定着器6で定着した。転写後の感光体表面の残留電荷
は図示しないACコロナ除電器を用いて除電を行った。
【0031】残留トナーのクリーニングと感光体表面へ
の尿素化合物の塗布は尿素化合物塗布機能付きのクリー
ニングユニット50を用いて実施した。クリーニングは
主にウレタンゴム製のブレード51を感光体の回転に対
してカウンター方向に設置し感光体に押し当てることで
おこなった。クリーニングブレードは感光体の摩耗を極
力少なくするようにブレード圧を設定した。尿素化合物
の感光体表面への塗布は以下のごとく行った。尿素化合
物の成形体54を図示しないアルミニウム板に両面テー
プで貼り付けクリーニングユニットに設置した。尿素化
合物の成形体54に表面に溝をつけたステンレス製の掻
き取りバー53を接触させ、更に表面にナイロン製の毛
を植毛したブラシローラー52に接触させた。バーを回
転させて54から掻き取った尿素化合物微粉末を同じく
回転するブラシローラー52によって感光体表面に付着
させた。20−25℃、40−60%RH環境下、30
℃、90%RH環境下ともに画像流れのない良好なプリ
ントが得られた。プリント終了後の感光体の感光層の厚
みは摩耗がほとんどなく30μmであった。
【0032】実施例4 N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NH
CONHC)の代わりにN−フェニル−N′−ス
テアリル尿素(C1837NHCONHC
(日本化成社製ハクリーンSPH)を用いた以外は実施
例3と同様に実施した。20−25℃、55−70%R
H環境下で連続3000枚のプリントを行った後、30
℃、90%RH環境下で10枚のプリントを行うサイク
ルを10回繰り返した後の感光体の感光層の厚みは摩耗
がほとんどなく30μmであった。
【0033】実施例5 N−ブチル−N′−ステアリル尿素(C1837NH
CONHC)の代わりにヘキサメチレンビスステ
アリル尿素(C1837NHCONH)(CH
(日本化成社製ハクリーンSH)を用い電気炉の温度
を180℃に設定した以外は実施例3と同様に実施し
た。20−25℃、55−70%RH環境下で連続30
00枚のプリントを行った後、30℃、90%RH環境
下で10枚のプリントを行うサイクルを10回繰り返し
た後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんどなく30
μmであった。
【0034】比較例3 尿素化合物の代わりにステアリン酸亜鉛粉末を実施例3
と同様に成形したバーを用いて、感光体表面にステアリ
ン酸亜鉛を塗布しながら実施例3と同様にプリントテス
トを行った。20−25℃、55−70%RH環境下で
連続3000枚のプリントを行った後、30℃、90%
RH環境下で10枚のプリントを行うサイクルを10回
繰り返した後の感光体の感光層の厚みは摩耗がほとんど
なく30μmであった。
【0035】比較例4 尿素化合物を感光体表面に塗布しない以外は実施例3と
同様の条件でプリントした。20−25℃、55−70
%RH環境下では3000枚連続プリントで画像流れ、
地肌汚れのない良好な画像であったが、その後、30
℃、90%RHでの画像評価テストでは画像流れが発生
した。上述の実施例3−5、比較例3,4の結果を表2
に示す。
【0036】
【表2】 上表中、Kは1,000を示す。
【0037】
【効果】1.請求項1 感光体表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を設け
ることで、感光体表面の親水性化を防止し、特に高温湿
度下での画像ボケ、画像流れのない高精細な画像を得る
ことが出来、感光体寿命を向上できる。 2.請求項2 積層型感光体の表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合
物を含有させることで、画像ボケ、画像流れの発生しな
い長寿命の感光体を提供できる。 3.請求項3 表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を含有した感
光体を用いることで画像ボケ、画像流れのない画像形成
装置を提供できる。 4.請求項4 装置内にて長鎖アルキル基を有する尿素化合物を感光体
表面に付着することで画像ボケ、画像流れのない画像を
より安定に供給でき、感光体の長寿命化が計れる画像形
成装置が提供できる。 5.請求項5 表面に長鎖アルキル基を有する尿素化合物を含有した感
光体を用いることで画像ボケ、画像流れのない鮮明な画
像を安定に形成できる画像形成方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子写真装置の概略図である。
【図2】尿素化合物塗布装置の概略図である。
【図3】コロナ放電による感光体表面に純水に対する接
触角の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 帯電手段 2 書き込み光源 3 現像装置 4 転写装置 5 クリーニング装置 6 定着装置 7 記録体 8 光導電性感光体 21 ドラムまたはシート状感光体貼り付け用ドラム 50 尿素化合物塗布機能付きクリーニングユニット 51 ウレタンゴム製ブレード 52 ナイロン繊維植毛ブラシローラー 53 ステンレス製掻き取りバー 54 尿素化合物成形体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に光導電性層を設けた電
    子写真感光体において、該感光体が最表面層に長鎖アル
    キル基含有尿素化合物を含有するものであることを特徴
    とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 光導電性層が電荷発生層と電荷輸送層か
    らなるものである請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 感光体上に帯電と露光により静電潜像を
    形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形
    成し、該トナー画像を記録体に転写する手段を有する画
    像形成装置において、感光体として、請求項1〜2のい
    ずれかに記載の感光体を用いたことを特徴とする画像形
    成装置。
  4. 【請求項4】 感光体上に帯電と露光により静電潜像を
    形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形
    成し、該トナー画像を記録体に転写する手段を有する画
    像形成装置において、感光体表面に長鎖アルキル基含有
    尿素化合物を塗布する手段を有することを特徴とする画
    像形成装置。
  5. 【請求項5】 感光体上に帯電と露光により静電潜像を
    形成し、該静電潜像にトナーを供給してトナー画像を形
    成し、該トナー画像を記録体に転写する画像形成方法に
    おいて、感光体として、請求項1〜2のいずれかの項に
    記載の電子写真感光体を用いることを特徴とする画像形
    成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008292568A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成方法
JP2011059575A (ja) * 2009-09-14 2011-03-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及び画像形成システム
JP2016017999A (ja) * 2014-07-04 2016-02-01 キヤノン株式会社 電子写真感光体、プロセスカートリッジ、および電子写真装置

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