JP2000143328A - 断熱被覆組成物 - Google Patents

断熱被覆組成物

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JP2000143328A
JP2000143328A JP31582698A JP31582698A JP2000143328A JP 2000143328 A JP2000143328 A JP 2000143328A JP 31582698 A JP31582698 A JP 31582698A JP 31582698 A JP31582698 A JP 31582698A JP 2000143328 A JP2000143328 A JP 2000143328A
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heat insulating
coating composition
insulating coating
liquid
solution
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JP31582698A
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Yoshimasa Hayashi
好正 林
Kazufusa Mitani
一房 三谷
Kozo Hayashi
宏三 林
Kyoichi Fujimoto
恭一 藤本
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Obayashi Corp
Tokiwa Electric Co Ltd
Original Assignee
Obayashi Corp
Tokiwa Electric Co Ltd
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱性、不燃性、軽量等の特性を満たしつ
つ、流動性の確保及び可使時間の短縮化をともに図り、
断熱被覆作業の効率を高めることのできる断熱被覆組成
物を提供する。 【解決手段】 断熱被覆組成物は第1液及び第2液から
なる。第1液は、無機発泡体粒子を主材とするフィラ
と、アルカリ金属ケイ酸塩を主成分とする水ガラスから
なるバインダとを含む。第2液は硬化剤としてのホウ酸
亜鉛の水溶液を含む。断熱被覆組成物の使用に際して
は、第1液に第2液を混合して撹拌し、これを吹付け又
はてこ塗りにより壁等の被塗物に塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅等における天
井、壁、床等の断熱施工材料として用いられる断熱被覆
組成物に関し、より詳しくは吹付け又はてこ塗りにより
壁面等に塗布される断熱被覆組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】建物の高層化、集合住宅の増加等により
軽量で耐火性、断熱性等に優れた建材を効率的に造るこ
とのできる技術が求められている。この技術の代表的な
ものとして、発泡ウレタン等の発泡性合成樹脂を、所定
厚みとなるように壁等の基体に吹付け、さらにその上に
石膏ボードを張付けるものがある。また、セメントにエ
アミルクを混合したものを吹付ける技術や、セメントに
軽量材を混和したものを吹付ける技術も知られている。
軽量材としては種々提案されており、例えば、パーライ
ト、シラスバルーン等の無機発泡体、発泡スチレンビー
ズ、塩化ビニリデン系樹脂の発泡粒子(特開平6−15
7110号公報参照)がある。さらには、セメントペー
ストに対する軽量材の分散性向上、軽量材の接着力向上
等を目的として、歴青物質及び表面活性剤を添加する技
術(特開昭59−30755号公報参照)、軽量材表面
への水分の浸透防止、同表面の機械的強度向上等を目的
として、軽量材を有機質はっ水性化合物によって被覆す
る技術(特開昭53−88026号公報参照)も提案さ
れている。吹付けに代えて、上述した各種組成物をこて
を用いて壁等に塗布する技術もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、施工現場で
の吹付け作業やてこ塗り作業に際しては、作業の効率の
高いことが重要である。この観点からは、材料(組成
物)は適度な流動性を有して吹付けやてこ塗りがしやす
く、また、塗布後はできるだけ早く硬化(乾燥)するこ
と、すなわち可使時間の短いことが望ましい。しかしな
がら、前述した従来の各種組成物は、どちらかといえ
ば、施工後の硬化体の要求特性(断熱性、不燃性、軽量
等)を満たすことに主眼をおいて開発されており、作業
効率向上の点では十分でない。
【0004】そこで、本発明の課題は、断熱性、不燃
性、軽量等の要求特性を満たしつつ、流動性の確保及び
可使時間の短縮化をともに図り、断熱被覆作業の効率を
高めることのできる新規な断熱被覆組成物を提供するこ
とである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の第1の
発明は、無機発泡体粒子を主材とするフィラ、及びアル
カリ金属ケイ酸塩を主成分とする水ガラスからなるバイ
ンダを含む第1液と、硬化剤の水性液を含む第2液とか
らなる。
【0006】上記第1の発明によると、第1液及び第2
液は、これらが互いに混合される前には、それぞれ液状
(スラリ状を含む)をなしている。使用(吹付け又はこ
て塗り)に際し第1液及び第2液が混合された直後にも
断熱被覆組成物は流動性を有している。混合により、両
液の間で化学反応(硬化反応)が起こる。詳しくは、水
ガラスの表面官能基であるシラノール基(Si-OH)
が縮合反応して水を分離しSi-O-Siとなる。硬化反
応が進むに従い組成物の流動性が低下し、フィラとの硬
化体が形成される。硬化の反応速度は、硬化剤の種類や
使用量(濃度)に応じて異なる。
【0007】得られた硬化体中の無機発泡体粒子は比重
が極めて小さく、熱伝導率が低く、しかも軟化開始温度
や融点が高い。このため、硬化体は軽く、耐熱性等にお
いても特に優れている。また、前述した脱水縮合反応に
より硬化体が結晶水を実質的に含まないことも、軽量化
に寄与している。
【0008】請求項2に記載の第2の発明は、第1の発
明の構成に加え、前記硬化剤がホウ酸亜鉛を含んでい
る。
【0009】上記第2の発明によると、硬化剤中のホウ
酸亜鉛は水ガラスの硬化(ゲル化)を促進するだけでな
く、その硬化速度を調整する機能をも発揮する。これ
は、以下のような現象によるものと考えられる。第1液
に第2液が混合されると、第2液中のホウ酸亜鉛の表面
においては、化学結合していたホウ酸と亜鉛とが溶解す
る。これらのホウ酸及び亜鉛と、第1液中のアルカリ金
属ケイ酸塩のアルカリ金属とが反応し、新たな化合物を
形成し、これによってアルカリ金属が固定化される。ア
ルカリ金属を失ったケイ酸塩はゲル化して、ホウ酸亜鉛
の微粉末の表面に析出し、ガラス状の固体となる。この
ようにしてケイ酸ゲルの析出が進行し、拡大したケイ酸
ゲルは、隣接するホウ酸亜鉛の微粉末の表面に析出した
ケイ酸ゲルと一体化し、全体がゲル化する。そして、こ
のゲル化は、第2液中のホウ酸亜鉛の量が少ない場合に
は比較的ゆっくり進行するが、多くなるに従い速く進行
する。
【0010】請求項3に記載の第3の発明は、第1又は
第2の発明の構成に加え、前記フィラが10μm以下の
粒径を有するマイクロシリカバルーンを含んでいる。
【0011】上記第3の発明によると、マイクロシリカ
バルーンは硬化体中の固体分率を高め、バインダの脱水
縮合反応にともなう収縮を抑制する機能(収縮止め機
能)を発揮し、硬化体にクラックが入るのを防止する。
【0012】請求項4に記載の第4の発明は、第1乃至
第3のいずれか1つの発明の構成に加え、前記フィラが
貝殻を粉砕してなる貝殻粉を含んでいる。
【0013】上記第4の発明によると、貝殻は、一般に
密に結合した結晶構造を有しており、それ自体強固であ
る。また、貝殻粉は貝殻を粉砕して得たものであり、全
体として扁平状の粒子形状をなし、表面に微細な突起を
有している。このため、水ガラスと硬化剤との反応に際
しては、それらが貝殻粉の表面に密着した状態で硬化
し、貝殻粉を相互に接着し結合して硬化体の強度を高め
る。
【0014】請求項5に記載の第5の発明は、第1乃至
第4のいずれか1つの発明の構成に加え、前記フィラが
珪藻土及び炭粉の少なくとも一方を含んでいる。
【0015】上記第5の発明によると、珪藻土及び炭粉
はいずれも微細な孔を非常に多く有しており、硬化体中
において調湿機能を発揮する。すなわち、屋内が多湿の
ときには過剰分の水蒸気を吸収(吸湿)して内包し、そ
の水蒸気を、屋内が乾燥したときに放出(放湿)し、屋
内の湿度を略一定に維持する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。上述のように、本発明の断熱被覆組成物は第1液及
び第2液からなる。第1液は、アルカリ金属ケイ酸塩を
主成分とする水ガラスからなる化学反応形(脱水縮合
形)のバインダと、無機発泡体粒子を主材とし、かつ前
記バインダ中に分散されたフィラとを含んでいる。
【0017】バインダはフィラを結合するためのもので
ある。バインダとしては、水の添加により水和反応を起
こして硬化するタイプ(例えば、ポルトランドセメン
ト、石こう)や、溶媒である水や有機溶剤が蒸発あるい
は被塗物中に吸収されることにより固化するタイプ(例
えば、シリカゾル、リン酸塩)等がよく知られている。
しかし、ここでは化学反応(脱水縮合反応)により硬化
するタイプ(化学反応形)が採用され、その中でも特に
水ガラスからなるバインダが使用されている。
【0018】水ガラスは、一般式M2 O・nSiO2
表されるアルカリ金属ケイ酸塩を主成分とする、粘性の
ある水性溶液であり、硬化してガラス質のシリケートポ
リマーを形成する。式中Mはアルカリ金属であり、ナト
リウム(Na)、カリウム(K)又はリチウム(Li)
である。nはM2 OとSiO2 とのモル比であり、一般
に1.6〜4.5である。アルカリ金属の種類はバイン
ダの性能を左右する要素であり、一般に接着強さはNa
>K>Liの順に小さくなり、耐水性はLi>K>Na
の順に小さくなる。
【0019】水ガラスはセラミックス、金属等に対する
接着性に優れしかも不燃性であることから、無機質塗料
や無機接着剤のバインダ(結合剤)として、また不燃性
パネルやボードの製造時のバインダとして等、幅広く利
用されている。このような水ガラスとしては、安価で、
またJIS規格品として容易に入手可能なケイ酸ナトリ
ウムの水ガラスを特に好適に用いることができる。ま
た、このケイ酸ナトリウムの水ガラスに、ケイ酸リチウ
ムの水ガラスを混合して用いることもより好ましい。そ
れによって硬化後の耐水性をより高めることができる。
水ガラスとしては、前述した水ガラスに加えて、同様の
無機ポリマーを形成するリン酸塩やシリカゾルが併用さ
れてもよい。なお、水ガラスの好ましい配合割合は20
〜80重量%である。
【0020】フィラの主材である無機発泡体粒子は、内
部が中実ではなく完全又は不完全に中空状になっている
粒子であり、主に増量材として用いられる。無機質発泡
体としては、例えば、シリカバルーン、シラスバルーン
等のガラスバルーン、アルミナシリカバルーン等のセラ
ミックバルーン、焼成バーミキュライト、パーライト等
が挙げられる。そして、これらの中でもシリカバルーン
は比重が小さく、しかも耐熱性等においても優れてい
る。具体的には、シリカバルーンは50〜750μmの
粒径を有し、タップ密度が0.14〜0.23g/cm
3 、粒子密度が0.7〜0.9g/cm3 と小さく、ま
た、熱伝導率が0.052kcal/mh℃と低く、さらに、
軟化開始温度が900〜1000℃、融点が1200〜
1300℃と高い。
【0021】硬化体の改質を目的として、無機発泡体粒
子以外にも、以下に示す種々の材料をフィラとして用い
てもよい。その1つとして、10μm以下の粒径を有す
るマイクロシリカバルーンが挙げられる。詳しくは、化
学反応形のバインダでは、溶媒が水であり、硬化反応が
脱水縮合であることから、硬化時には、溶媒水と反応副
生成水の蒸発に起因する体積収縮が見られる。硬化収縮
はクラックや歪みを発生し、水の蒸発は発泡や気孔を生
成し、硬化体の凝集力を低下させるおそれがある。これ
に対し、マイクロシリカバルーンは硬化体中の固体分率
を高め、バインダの脱水縮合反応にともなう収縮を抑制
し(収縮止め機能を発揮し)、クラックの発生を防止す
る。そのほかにも、マイクロシリカバルーンは、硬化体
の強度向上、軽量化、平滑性付与といった機能も発揮す
る。
【0022】さらに、硬化体の強度を高め、クラックの
発生を防止するためにフィラの一材料として無機繊維を
用いてもよい。無機繊維としては、例えば、ガラス繊
維、ロックウール繊維等の鉱物繊維、ステンレス繊維等
の金属繊維、カーボン繊維、アルミナ繊維、アルミナシ
リカ繊維、チタン酸カリウム繊維等のセラミック繊維、
ウィスカー等の無機化合物繊維、等が挙げられる。これ
らの中でも、安価である点でガラス繊維が好適である。
無機繊維の好ましい繊維長は50μm〜15mmであ
り、好ましい配合割合は1〜10重量%である。
【0023】同様の目的のために、牡蠣等の貝殻の粉状
体(以下、貝殻粉という)、牛の骨、卵の殻等をフィラ
の一材料として用いてもよい。貝殻は、一般に密に結合
した結晶構造を有しており、そのほとんどが純粋な炭酸
カルシウムからなる。貝殻粉は廃棄物である貝殻を洗浄
等によって適度に清浄化処理し、ロールミル、ジェット
粉砕機等の粉砕機によって粉砕して得たものであり、通
常の鉱物等の粉砕物のような球状の形状ではなく扁平状
の粒子形状をなし、しかもその表面に微細な突起を有し
ている。従って、貝殻粉は体積比が大きく、水中ではカ
チオンに帯電して安定的に浮遊したスラリを形成する。
また、水ガラスと硬化剤との反応に際しては、それらが
貝殻粉の表面に密着した状態で硬化し、貝殻粉を相互に
接着し結合する。
【0024】また、調湿性の付与を目的として、珪藻
土、炭粉、ゼオライト、セピオライト等をフィラの一材
料として用いてもよい。調湿性とは、室内の湿度を一定
に保つ性質であり、呼吸性、吸・放湿性とも呼ばれる性
質である。珪藻土は、珪藻という単細胞の藻類が海底や
湖底に沈積し、体内の原形質が分解し、珪酸を主体とし
た遺殻が集積して、地層を形成した珪質の堆積岩であ
り、一般式SiO2 ・xH 2 Oで表される。珪藻土はい
ずれも円形、針状舟形等の殻(セル)の集合体からな
り、微細な孔を非常に多く有する。珪藻土は微細多孔質
な構造のために密度が小さく、熱絶縁性に富み、化学的
にも侵されにくい性質を有する。
【0025】炭粉は炭を粉砕して粉状としたものであ
り、200〜500μmの粒径を有する。炭は、周知の
ように、樹木、竹等の植物を焼くことにより形成された
もので、一種のハニカム構造をした多孔質な状態になっ
ている。すなわち、炭では、植物が有する、水や養分の
通った大小の管(管状組織)がそのまま空隙となって残
っていて比表面積が非常に大きく、この構造が吸水性,
保水性、調湿性等を発揮する。樹木としては、松、杉等
の針葉樹、ブナ、ナラ等の広葉樹を用いることができ
る。代表的な炭としては木炭がある。木炭には、一般に
白炭(しろずみ)と黒炭(くろずみ)の2種類がある。
白炭とは、表面が白い灰で覆われており、折ったときの
断面が銀白色に近い、つやのある硬い炭であり、黒炭と
は、つやのない真っ黒な外観で、折ったときの断面もま
た黒く、簡単に切ることのできる柔らかい炭である。
【0026】ゼオライトは元素の周期表の1A族及び2
A族の元素、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウ
ム、カルシウム等の元素の結晶性アルミノケイ酸塩であ
って、天然に産出されるものと人工的に合成されるもの
とがある。ゼオライトの骨格構造には連通した空隙があ
り、陽イオンや水分子で占められている。そして、熱が
加えられることにより水分子が除去され、空隙が気体、
塩類、その他の物質を吸着する。天然ゼオライトとして
はモルテナイト系パウダーが代表的である。また、合成
ゼオライトとしては、シリカ源にケイ酸ナトリウム、ア
ルミ源にアルミン酸ナトリウムを用いたパウダーが代表
的である。
【0027】セピオライトは、通称、マウンテンレザー
(山皮)、マウンテンコルク、マウンテンウッドと呼ば
れている微細な繊維状の含水ケイ酸マグネシウム粘土鉱
物である。セピオライトは、レンガを交互に積み重ねた
ような三次元鎖状の結晶構造を持ち、その鎖状の隙間に
は繊維の長さ方向に沿ってトンネル状の細孔が形成され
ている。
【0028】なお、吹付け時やこて塗り時の周囲の状
況、例えば気温等、に応じ第1液に粘度調整剤を適宜加
えてもよい。粘度調整剤としては、例えばセピオライ
ト、炭酸カルシウムウィスカ、マイクロシリカバルーン
等が挙げられる。例えば、セピオライトの場合、タレを
防止するためには、第1液100重量部に対し約5重量
部添加することが望ましい。
【0029】一方、第2液は硬化剤の水溶液を含んでい
る。硬化剤を用いることの主な目的は、水ガラスの硬化
時間を短縮することであり、また水不溶性、耐熱性を向
上することである。すなわち、前述したバインダとして
の水ガラスは、そのままでも乾燥によって硬化する。し
かし、硬化時間が比較的長く、またそのように硬化した
水ガラスは、水不溶性、耐熱性がなお十分ではないこ
と、炭酸ガスと反応して炭酸ソーダ等のアルカリ金属炭
酸塩を析出すること、等の問題点がある。そのため、水
ガラスには硬化剤を併用することが一般的である。
【0030】代表的な硬化剤は、酸化亜鉛等の多価金属
の酸化物、水酸化カルシウム等の多価金属の水酸化物、
ケイ酸カルシウム等のケイ化物、ケイ弗化ナトリウム等
のケイ弗化物、ホウ酸カリウム等のホウ酸塩、リン酸ア
ルミニウム等のリン酸塩、あるいはリン酸と金属酸化物
との混合焼成物等である。
【0031】しかし、水ガラスの硬化剤としては、特に
ホウ酸亜鉛の水溶液が有利である。ホウ酸亜鉛は、古く
から塗料や樹脂成形品の難燃剤として使用されているも
ので、一般に、2ZnO・3B23 ・3.5H2 Oの組
成で示される水和物であるが、加熱によって容易に無水
和物となる。本発明では、ホウ酸亜鉛はこれらの水和物
及び無水和物のいずれの形態でも同等に使用することが
できる。使用するホウ酸亜鉛の粒径は任意であるが、比
較的小さい方が反応性及び分散性の点から好ましく、平
均粒径1〜100μmのものが特に好ましい。従って、
ホウ酸亜鉛としては、難燃剤として市販されているもの
をそのまま好適に用いることができる。
【0032】そして、ホウ酸亜鉛の添加量に応じ、断熱
被覆組成物の硬化(ゲル化)時間と水に対する溶解の程
度が変化する。一般には、ホウ酸亜鉛の添加量が少ない
と硬化時間が長くて水に可溶であるが、添加量が多くな
るに従い硬化時間が短くなり水に不溶となる傾向にあ
る。硬化時間を短くして2液型の断熱被覆組成物とする
には、水ガラス100重量部に対してホウ酸亜鉛を10
〜20重量部添加することが望ましい。なお、ホウ酸亜
鉛に加えて他の硬化剤を併用することもできる。しか
し、この場合には、硬化速度の遅い硬化剤が、硬化剤と
してよりはむしろ充填剤として用いられたり、耐食性等
の改善剤として用いられるべきである。
【0033】上述したように断熱被覆組成物は第1液及
び第2液からなる2液型の構成を採っている。第1液及
び第2液は、これらが互いに混合される前にはいずれも
液状(第1液はスラリ状)をなしており、別々の容器に
入れられて保管される。この保管時には各液は化学的に
安定している。
【0034】第1液及び第2液は、使用(住宅等の建造
物における壁面の断熱施工)に際し、混合された後スプ
レーガンのタンクに注入される、あるいは、同タンク内
に注入された後混合される。混合により、第1液及び第
2液の間で化学反応(硬化反応)が起こる。詳しくは、
第1液中のバインダ、すなわち、アルカリ金属ケイ酸塩
を主成分とする水ガラスにおいて、その表面官能基であ
るシラノール基(Si-OH)が縮合反応により水を分
離し、Si-O-Siとなる。
【0035】混合直後には、断熱被覆組成物は適度な流
動性を有している。このため、スプレーガンを操作する
ことによって、そのノズルから断熱被覆組成物を噴射
し、被塗物に吹付けることができる。また、吹付けに代
えててこ塗りをすることもできる。なお、吹付け又はて
こ塗りに適した粘度は約1500cpsである。また、ス
プレーガンによる吹付圧力は10kgf/cm2 以上である
ことが好ましい。
【0036】ここで、被塗物としては、超軽量コンクリ
ート等からなる下地層としての躯体であったり、モルタ
ル層を介して躯体に張付けられたハニカム構造材であっ
たりする。ハニカム構造材は多数の柱状セルの集合体で
あり、壁等の心材として用いられるものである。ハニカ
ム構造材を被塗物とした場合には、各柱状セルの内部空
間を通してモルタル層に向け断熱被覆組成物が吹付けら
れる。同組成物はモルタル層上に塗布されるとともに、
柱状セルの内部空間に充填される。また、躯体を被塗物
とした場合には、断熱被覆組成物がスプレーにより同躯
体に直接吹付けられる。吹付けられた断熱被覆組成物中
のバインダは被塗物との界面で接着力を発現する。
【0037】一方、前記硬化反応が進むに従い組成物の
流動性が低下し、フィラとの硬化体が形成される。この
硬化体の形成に際しては、硬化剤として用いたホウ酸亜
鉛が次のように作用するものと考えられる。第1液に第
2液が混合されると、すなわち、アルカリ金属ケイ酸塩
の水溶液(pH=12)にホウ酸亜鉛の微粉末が添加さ
れると、化学結合していたホウ酸と亜鉛とが、その粒子
表面において溶解する。この溶解したホウ酸及び亜鉛と
ケイ酸塩のアルカリ金属とが反応し、新たな化合物を形
成し、これによってアルカリ金属が固定化される。アル
カリ金属を失ったケイ酸塩はゲル化して、ホウ酸亜鉛の
微粉末の表面に析出し、ガラス状の固体となる。このよ
うにしてケイ酸ゲルの析出が進行し、拡大したケイ酸ゲ
ルは、隣接するホウ酸亜鉛の微粉末の表面に析出したケ
イ酸ゲルと一体化し、全体がゲル化する。そして、この
ゲル化の速度は、第2液中に多く含まれたホウ酸亜鉛に
よって速められる。
【0038】得られた硬化体は軽量である。これは、硬
化体の多くの部分を占めるフィラ、特に無機発泡体粒子
の比重が極めて小さいからである。また、バインダの硬
化に際し脱水縮合反応が起こり、硬化体が結晶水を実質
的に含まず、微細な多くの孔を有していることも軽量化
に寄与している。この点は、バインダとしてセメント等
の水和形を用いた場合と大きく異なる。水和形バインダ
を用いた場合、硬化の際に水を取込んでゆくことから、
施工時に加えた水がそのまま残り、その分重量が増加す
る。これに対し、水ガラスからなるバインダを用いた場
合には、施工時に加えた水は乾燥時に蒸発するため、水
を取込むことによる重量増は実質上ない。
【0039】また、硬化体は耐熱性、不燃性、断熱性等
に関して優れている。これは、硬化体の多くを占め、そ
の硬化体の特性に大きく作用する無機発泡体粒子が、低
い熱伝導率、高い軟化開始温度及び高い融点を有してい
るからである。また、硬化体において無機発泡体粒子以
外の部分が無機材料によって形成されていることも、硬
化体が優れた耐熱性等を発揮する要因となっている。
【0040】さらに、硬化体は使用可能な温度範囲が広
く、強度が高い。0℃以下であっても硬化体にクラック
が発生しにくく、100℃を越えても硬化体が分解しな
い。これは、低温下で氷結したり、高温下で蒸発したり
する水(結晶水)が硬化体中に実質的に含まれないから
である。
【0041】フィラとして、無機発泡体粒子に加えて他
の材料が用いられた場合には、その材料の種類に応じて
硬化体に種々の性質が付与され、又は改質される。マイ
クロシリカバルーンの添加により硬化時の収縮が抑えら
れ、クラックの発生が防止されるとともに平滑性が付与
される。無機繊維、貝殻粉等の添加により、硬化体の強
度が高められる。珪藻土、炭粉等の添加により調湿性が
付与される。なお、これらは無機材料からなる(貝殻粉
等も実質的に炭酸カルシウムからなる無機物である)の
で、これらの添加により耐熱性、不燃性、断熱性等が損
なわれることはない。
【0042】また、バインダとして水ガラスを用いてい
ることから、硬化体には脱水縮合反応にともない微細な
孔ができている。これらの細孔は、上述した珪藻土等に
よる調湿機能を長期にわたって発揮させ続ける。すなわ
ち、細孔がある分、吸湿・放湿に関わる箇所の表面積が
広くなる。この点は、バインダとしてセメント等の水和
形のバインダを用いた場合と異なる。水和形のバインダ
の場合、硬化体は細孔を有しない中実体となり、珪藻土
等が吸・放湿機能を発揮する箇所が少ない。
【0043】加えて、水ガラスからなるバインダはそれ
自体粘着性を有しており、フィラに添加されたときから
初期接着性に優れた特性を発揮する。バインダとフィラ
とからなるスラリにおいても、施工上必要な初期接着性
とチクソ性とを、特別な添加剤を用いなくても保持す
る。
【0044】従って、上述したように吹付けやてこ塗り
により壁面等に塗布される本断熱被覆組成物は、住宅等
の建造物における天井、壁、床、間仕切り、扉等の断熱
施工材料として好適である。さらに、貝殻粉等をフィラ
の一成分として用いることにより、上述したような硬化
体の改質にとどまらず、これらの材料の有効利用を図る
ことができる。すなわち、例えば牡蠣は、その身の部分
に比較して大きな殻を有し、その殻が廃棄物として多量
に生ずる。この殻は固く、なかには鋭利な凹凸を有する
ものもあるため、飼料等として利用することができず、
また、漁網を損傷する等のために海に投棄することもで
きず、その処理に困窮している。これに対し、上記のよ
うに粉砕して粉末状にしたうえでフィラとして用いるこ
とにより、廃棄物としての貝殻を有効利用でき、廃棄物
処理問題の解決に資することができる。加えて、貝殻粉
は安価であるため、これを用いたことによるコストの上
昇は最小限ですむ。
【0045】
【実施例】(第1実施例)第1実施例の断熱被覆組成物
における第1液は、フィラと、水ガラスからなるバイン
ダとを含む。フィラは、無機発泡体粒子としてのシリカ
バルーン(株式会社シラックスウ製 商品名:SILAX P
B-09L)と、無機繊維としてのガラス繊維(日東紡績株
式会社製)とからなる。SILAX PB-09Lは、シラス中の
火山ガラス粒子を焼成により加熱膨張させた、独立気泡
を有する発泡粒である。バインダとしての水ガラスはケ
イ酸ソーダJIS3号からなる。一方、第2液は、硬化
剤としてのホウ酸亜鉛(水沢化学株式会社製 商品名:
アルカネックスFRC-500)と水との分散液からなる。断
熱被覆組成物の各組成及び成分の詳細を下記表1に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】上記各成分を用いて第1液及び第2液をそ
れぞれ調合した。第1液の調合に際しては、シリカバル
ーンにガラス繊維及び水ガラスを添加した後、撹拌して
スラリ状にした。第2液の調合に際しては、水にホウ酸
亜鉛を添加及び撹拌して分散させた。そして、第1液に
第2液を少しずつ加え、均一に混合し、スプレーガンの
タンクに入れた。混合開始から約10分が経過して硬化
反応がある程度進み、粘度が約1500cpsとなったと
ころで、常温下でスプレーガンを操作し、吹付距離50
0mmという吹付け条件のもとで被塗物(躯体の垂直
面)に向けて噴射した。断熱被覆組成物は被塗物に付着
した後、タレやたるみを発生することなくすぐに乾燥硬
化した。その結果、微細な孔を多数有する硬化体が形成
された。
【0048】この硬化体の物性を測定したところ、みか
け比重が約0.35と軽く、熱伝導率が0.05kcal/
mh℃と低かった。また、硬化体の防火性能を、建設省告
示第1828号により規定された表面試験及び基材試験
に従って測定した。両試験は、不燃材料として適してい
るかどうかの判定を行う際に用いられる試験である。
【0049】表面試験は、縦・横ともに220mmの試
験体を加熱炉で10分間加熱し、その加熱炉の排気温度
を測定するとともに、加熱にともない発生する煙の量
(単位面積当りの発煙係数)を求めるべく、煙を透過す
る光量を所定時間毎に測定する試験方法である。そし
て、防火上有害な変形、有害なガスの発生、溶融、亀裂
がなく、加熱終了後30秒以上残炎がなく、排気温度曲
線が標準温度曲線を越えず、単位面積当りの発煙係数が
30以下である場合に、不燃材料として適する(合格)
としている。ここでは、厚み45mm、重量655gの
試験体を用いている。測定結果を図1に示す。排気温度
曲線は常に標準温度曲線よりも低く、発煙係数は1CA
であった。また、変形、ガスの発生、溶融、亀裂がな
く、残炎時間は0(秒)であり、試験体が不燃材料とし
て適していることがわかった。
【0050】基材試験は、予め炉内温度が740℃〜7
60℃に温度調整された加熱炉に、供試材料から採取し
た試験体を挿入し、20分間にわたり炉内温度の変化を
測定する試験方法である。そして、炉内温度が調整温度
よりも50℃を越えない場合に不燃材料として適する
(合格)としている。ここでは、縦40mm、横40m
m、厚み50mm、重量24gを有する試験体を用い、
調整温度を753℃とした。測定結果を図2に示す。炉
内最高温度は776℃となり、調整温度と最高温度との
差は23℃であり、試験体が不燃材料として適している
ことがわかった。
【0051】(第2実施例)第2実施例の断熱被覆組成
物は、フィラとしてさらにマイクロシリカバルーン(株
式会社シラックスウ製 商品名:MS101)が用いられて
いる。それ以外の点は第1実施例と同様である。断熱被
覆組成物の各組成及び成分の詳細を下記表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】上記各成分を用いてスラリ状の第1液と第
2液とをそれぞれ調合し、これらを混合した後、第1実
施例と同様の条件でスプレーガンによって被塗物に吹付
けた。断熱被覆組成物は被塗物への付着後、タレやたる
みを発生することなくすぐに乾燥硬化した。得られた硬
化体は第1実施例と同程度のみかけ比重、熱伝導率及び
不燃性を示した。硬化体の表面を観察したところ、硬化
時の収縮にともなうクラックや歪みは見られず、また第
1実施例よりも平滑性に優れていた。
【0054】(第3実施例)第3実施例の断熱被覆組成
物は、フィラとしてさらに珪藻土(株式会社ビーエルエ
ム製 商品名:BLパウダー)が用いられている。BL
パウダーは、白色・赤色・灰色の3種の珪藻土及びその
他の土や石粉に、セメント系や石灰系の固化剤及び細骨
材を混合した微細な粒子である。それ以外の点は第1実
施例と同様である。断熱被覆組成物の各組成及び成分の
詳細を下記表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】上記各成分を用いてスラリ状の第1液と第
2液とをそれぞれ調合し、これらを混合した後、第1実
施例と同様の条件でスプレーガンによって被塗物に吹付
けた。断熱被覆組成物は被塗物への付着後、タレやたる
みを発生することなくすぐに乾燥硬化した。得られた硬
化体は第1実施例と同程度のみかけ比重、熱伝導率及び
不燃性を示した。
【0057】また、住宅の模型を用い、その壁に硬化体
を組込み、屋外の気温及び湿度を測定するとともに、屋
内の気温及び湿度を測定してみた。屋外では、気温が上
がると湿度が下がり、気温が下がると湿度が上がるが、
室内では、外気温の変化とは関係なく湿度が略一定の値
に保たれた。
【0058】(第4実施例)第4実施例の断熱被覆組成
物は、フィラとして、さらに牡蠣殻粉が用いられてい
る。牡蠣殻粉は、廃棄物である牡蠣殻を洗浄等によって
適度に清浄化処理し、ロールミル、ジェット粉砕機等の
粉砕機によって粉砕して得たものであり、中心粒子径が
約150μmで、30μm程度の粒子から300μm程
度までの粒子を含む。それ以外の点は第1実施例と同様
である。断熱被覆組成物の各組成及び成分の詳細を下記
表4に示す。
【0059】
【表4】
【0060】上記各成分を用いてスラリ状の第1液と第
2液とをそれぞれ調合し、これらを混合した後、第1実
施例と同様の条件でスプレーガンによって被塗物に吹付
けた。断熱被覆組成物は被塗物への付着後、タレやたる
みを発生することなくすぐに乾燥硬化した。得られた硬
化体は第1実施例と同程度のみかけ比重、熱伝導率及び
不燃性を示したほか、表面にクラックの発生が見られな
かった。
【0061】(第5実施例)第5実施例の断熱被覆組成
物は、フィラとしてさらに木炭粉が用いられている。こ
の木炭粉は木炭を機械的に粉砕して得たものであり、微
細な粉状となっている。それ以外の点は第1実施例と同
様である。断熱被覆組成物の各組成及び成分の詳細を下
記表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】上記各成分を用いてスラリ状の第1液と第
2液とをそれぞれ調合し、これらを混合した後、第1実
施例と同様の条件でスプレーガンによって被塗物に吹付
けた。断熱被覆組成物は被塗物への付着後、タレやたる
みを発生することなくすぐに乾燥硬化した。得られた硬
化体は第1実施例と同程度のみかけ比重、熱伝導率及び
不燃性を示したほか、表面にクラックの発生が見られな
かった。また、住宅の模型を用い、その壁に硬化体を組
込み、屋外の気温及び湿度を測定するとともに、屋内の
気温及び湿度を測定したところ、室内では第3実施例と
同様に、外気温の変化とは関係なく湿度が略一定の値に
保たれた。
【0064】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、断
熱性、不燃性、軽量等の要求特性を満たしつつ、流動性
の確保及び可使時間の短縮化をともに図り、断熱被覆作
業の効率を高めることができる。
【0065】第2の発明によれば、比較的硬化作用の高
いホウ酸亜鉛を硬化剤として用い、その添加量を調整す
ることによりバインダの硬化時間を簡単に調整でき、第
1の発明の効果を一層確実なものとすることができる。
【0066】第3の発明によれば、第1又は第2の発明
の効果に加え、フィラの一成分としてマイクロバルーン
を用いることにより、硬化体が収縮するのを抑制すると
ともに、クラックが発生するのを防止できる。
【0067】第4の発明によれば、第1乃至第3のいず
れか1つの発明の効果に加え、フィラの一成分として貝
殻粉を用いることにより、硬化体の強度を高めることが
できる。また、貝殻粉は廃棄物である牡蠣等の貝殻を粉
砕したものであるため、廃棄処理問題の解決にも貢献す
ることができる。
【0068】第5の発明によれば、第1乃至第4のいず
れか1つの発明の効果に加え、フィラの一成分として、
多孔質で調湿機能を有する珪藻土及び炭粉の少なくとも
一方を用いることにより、屋内の湿度を略一定に保つこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例において、表面試験に従って排気温
度及び発煙係数の変化を測定した結果を示すグラフであ
る。
【図2】第1実施例において、基材試験に従って炉内温
度の変化を測定した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 一房 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株式 会社大林組技術研究所内 (72)発明者 林 宏三 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 (72)発明者 藤本 恭一 岐阜県各務原市金属団地65番地 株式会社 常盤電機内 Fターム(参考) 2E001 DD01 DE01 FA03 FA11 FA14 GA03 GA06 GA08 GA82 HA11 HA21 JA00 JA14 JC09 LA04 4G012 PA03 PA05 PA07 PA12 PA25 PB05 PC10 4G019 LA03 LB01 LC02 LD01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機発泡体粒子を主材とするフィラ、及
    びアルカリ金属ケイ酸塩を主成分とする水ガラスからな
    るバインダを含む第1液と、 硬化剤の水性液を含む第2液とからなることを特徴とす
    る断熱被覆組成物。
  2. 【請求項2】 前記硬化剤はホウ酸亜鉛を含むことを特
    徴とする請求項1に記載の断熱被覆組成物。
  3. 【請求項3】 前記フィラは10μm以下の粒径を有す
    るマイクロシリカバルーンを含むことを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の断熱被覆組成物。
  4. 【請求項4】 前記フィラは貝殻を粉砕してなる貝殻粉
    を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1つに記載の断熱被覆組成物。
  5. 【請求項5】 前記フィラは珪藻土及び炭粉の少なくと
    も一方を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    いずれか1つに記載の断熱被覆組成物。
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