JP2000143206A - 燃料改質装置およびその制御方法 - Google Patents

燃料改質装置およびその制御方法

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JP2000143206A
JP2000143206A JP10316614A JP31661498A JP2000143206A JP 2000143206 A JP2000143206 A JP 2000143206A JP 10316614 A JP10316614 A JP 10316614A JP 31661498 A JP31661498 A JP 31661498A JP 2000143206 A JP2000143206 A JP 2000143206A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】改質触媒部の熱劣化が発生することを阻止する
とともに、所望の改質反応を円滑に遂行することを可能
にする。 【解決手段】改質器26は、改質室36に配置される第
1および第2改質触媒層38、40を備える。第1およ
び第2改質触媒層38、40は、改質用燃料の反応率が
90%以上であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布
を有するとともに、該第1および第2改質触媒層38、
40内のピーク温度とガス出口温度との差が100℃以
内に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素を含む改
質用燃料を改質することにより、水素を含む改質ガスを
生成する燃料改質装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電解質、例えば、固体高分子電解質膜を
挟んでアノード側電極とカソード側電極とを対設した燃
料電池セルを、セパレータによって挟持して複数積層す
ることにより構成された燃料電池スタックが開発され、
種々の用途に実用化されつつある。
【0003】この種の燃料電池スタックは、炭化水素、
例えば、メタノール水溶液の水蒸気改質により生成され
た水素を含む改質ガス(燃料ガス)をアノード側電極に
供給するとともに、酸化剤ガス(空気)をカソード側電
極に供給することにより、前記水素ガスがイオン化して
固体高分子電解質膜内を流れ、これにより燃料電池の外
部に電気エネルギが得られるように構成されている。
【0004】上記のように、メタノール水溶液を改質し
て水素を含む改質ガスを生成する水蒸気改質反応は、C
3 OH+H2 O→CO2 +3H2 と表される吸熱反応
である。従って、改質反応に必要な熱量を供給するため
に、通常、改質器内に複雑な伝熱構造を組み込むことが
行われており、構造が複雑化していた。
【0005】そこで、例えば、特開平9−315801
号公報や特開平7−335238号公報に開示されてい
るように、炭化水素を含有する原燃料ガスに酸素を供給
して発熱反応である酸化反応を行わせ、この酸化反応に
より放出される熱量を利用して吸熱反応である前記原燃
料ガスの改質反応を行う方法が知られている。これによ
り、構造の簡素化が可能になるという利点が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般的に酸
化反応速度が改質反応速度よりも大きいことが知られて
いる。このため、改質触媒のガス入口側の温度が上昇す
る一方、改質反応で重要な前記改質触媒のガス出口側の
温度が低下し易く、該改質触媒の内部には、ガス流れ方
向に沿って温度分布が生じている。
【0007】その際、改質反応を効率よく行うために、
改質触媒のガス出口側の温度を制御しようとすると、こ
の改質触媒のガス入口側の温度が局部的に前記改質触媒
の耐熱温度以上になってしまうおそれがある。これによ
り、発生する一酸化炭素の濃度が高くなり、改質触媒が
急激に熱劣化するという問題が指摘されている。一方、
改質触媒の熱劣化を防ぐために、この改質触媒のガス出
口側の温度を低く設定しようとすると、改質触媒の反応
効率が著しく低下してしまうという不具合がある。
【0008】本発明はこの種の問題を解決するものであ
り、改質触媒部の熱劣化の発生を確実に阻止するととも
に、所望の改質反応を円滑に遂行することが可能な燃料
改質装置およびその制御方法を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る燃料改質装
置では、改質触媒部が配置される改質室に改質用燃料、
水蒸気および酸素が供給され、いわゆる、オートサーマ
ル方式により、この改質触媒部で酸化反応と改質反応と
が同時に行われる。具体的には、CH3 OH→CO+2
2 (但し、反応量は少ない)と、CH3 OH+3/2
2 →CO2 +2H2 O(発熱反応)と、CH3 OH+
2 O→CO2 +3H2 (吸熱反応)とが同時に遂行さ
れ、外部から熱を供給するために改質器内に複雑な伝熱
構造を配置することが不要となり、装置全体の構成が有
効に簡素化される。
【0010】さらに、改質触媒部は、改質用燃料の反応
率が90%であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布
を有するとともに、前記改質触媒部内のピーク温度と該
改質触媒部のガス出口温度との差が100℃以内に設定
されている。ここで、改質用燃料の反応率とは、CH3
OH→CO+2H2 と、CH3 OH+H2 O→CO2
3H2 (吸熱反応)と、CH3 OH+3/2O2 →CO
2 +2H2 O(発熱反応)との反応が同時に進行する中
で、供給されたメタノールが上記のいずれかの反応を起
こす割合をいう。
【0011】従って、ピーク温度を改質触媒部の耐熱温
度以下に抑えて改質触媒部の熱劣化を防ぐとともに、改
質反応で重要なガス出口温度を高く維持することがで
き、改質反応が効率よく遂行される。しかも、改質触媒
部の全体の温度が均一になり、その上、前記改質触媒部
がガス流れ方向に沿って大幅に肉薄化され、圧損を有効
に減少させることが可能になる。また、肉薄化によって
改質触媒部を小さなスペースに多段に配置することが容
易となり、装置全体を有効に小型化することができる。
【0012】また、改質触媒部のガス入口面から内方に
向かってこの改質触媒部のガス流れ方向の厚さの1/4
以内の位置でピーク温度を検出している。このため、改
質触媒部内でのピーク温度の検出が高精度かつ良好に遂
行される。さらに改質用燃料がメタノールであり、この
メタノールの改質処理が良好に行われて、例えば、水素
を含む改質ガスを、燃料電池に対して効率的に供給する
ことができる。
【0013】また、本発明では、改質触媒部内のピーク
温度を検出し、この検出されたピーク温度に基づいて燃
料改質装置が制御される。これにより、改質触媒部を熱
劣化させることがなく、前記改質触媒部を最高効率で使
用することが可能になる。しかも、改質触媒部を最高効
率で使用することができるため、必要な触媒量を少なく
することができる。さらに、燃料改質装置の制御は、改
質室に供給される酸素を含む空気の量を制御することに
より行われるため、改質触媒部のピーク温度を、レスポ
ンスよく迅速に制御することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施形態に係る
燃料改質装置10を組み込む燃料電池システム12の概
略構成図である。燃料電池システム12は、炭化水素を
含む改質用燃料を改質することにより水素ガスを生成す
る本実施形態に係る燃料改質装置10と、この燃料改質
装置10から改質ガスが供給されるとともに、酸化剤ガ
スとして空気が供給され、前記改質ガス中の水素ガスと
前記空気中の酸素とにより発電を行う燃料電池スタック
14とを備える。炭化水素としては、メタノール、天然
ガスまたはメタン等が使用可能である。
【0015】燃料改質装置10は、炭化水素、例えば、
メタノールを貯留するメタノールタンク16と、燃料電
池スタック14から気液分離器17a、17bを通して
排出される生成水等を貯留する水タンク18と、前記メ
タノールタンク16および前記水タンク18からそれぞ
れ所定量のメタノールおよび水が供給されてメタノール
水溶液を混合する混合器20と、前記混合器20から供
給されるメタノール水溶液を蒸発させるための蒸発器2
2と、前記蒸発器22に蒸発熱を供給する触媒燃焼器2
4と、前記蒸発器22から導入される水蒸気が混在され
たメタノール(以下、改質用燃料という)を改質して水
素ガスを含む改質ガスを生成する改質器26と、この改
質器26から導出される改質ガス中の一酸化炭素を除去
するCO除去器28とを備える。
【0016】触媒燃焼器24とCO除去器28とには、
エアー供給器30からそれぞれエアーが供給されるとと
もに、改質器26と前記CO除去器28との間には、改
質ガスの温度を低下させるための熱交換器32が配置さ
れている。蒸発器22と改質器26と熱交換器32とC
O除去器28と触媒燃焼器24とは、経路34a〜34
cを介して連結され、循環流路を構成している(図2参
照)。
【0017】図3に示すように、改質器26は、改質室
36に配置される第1および第2改質触媒層(改質触媒
部)38、40と、前記改質室36にメタノール水溶
液、水蒸気および酸素含有ガス、例えば、空気を供給し
て前記第1および第2改質触媒層38、40で酸化反応
と改質反応とを同時に行わせるための供給機構42と、
前記第1および第2改質触媒層38、40の上流側に配
置され、始動時に該第1および第2改質触媒層38、4
0に、直接、加熱用燃焼ガスを供給するための始動用燃
焼機構44とを備える。
【0018】図2および図3に示すように、燃焼機構4
4は、改質器26にガス流れ方向(矢印A方向)上流側
に対応しかつ第1および第2改質触媒層38、40と同
心的に設けられており、この燃焼機構44は燃焼室46
に燃料、例えば、メタノールを供給するためのインジェ
クタ48と、着火用プラグであるグロープラグ49とを
備える。このインジェクタ48は、燃料経路50を介し
てメタノールタンク16に接続されている(図1参
照)。
【0019】インジェクタ48の先端側周囲には、図3
に示すように、エアーノズル52が装着され、このエア
ーノズル52は、燃焼室46に向かって開口する4つの
エアー導出口54a〜54dを設けている。エアーノズ
ル52は、第1エアー経路56を介してエアー供給器5
8(またはエアー供給器30)に接続されている(図1
参照)。
【0020】供給機構42は、図2および図3に示すよ
うに、燃焼機構44の下流側に配置されており、インジ
ェクタ48の下流側でかつ第1改質触媒層38の上流側
に位置して燃料ガス(改質用燃料および水蒸気)と空気
(酸化用および希釈用)とが混合または独立して供給さ
れる供給口60を設けている。供給口60は、経路34
aを介して蒸発器22に連結されるとともに、この経路
34aの途上に設けられたジョイント部62は、例え
ば、エアー供給器30に第2エアー経路64を介して連
通している。供給口60は、二重壁内の開口60aを介
して複数の導入口60bから流路室66に連通する。
【0021】改質器26は、燃焼室46に連通する流路
室66から第1改質触媒層38に向かって拡径する円錐
状のガス供給流路68を形成するディフューザ部70を
備える。ディフューザ部70の拡径する端部には、略円
筒状のケース72がねじ止めされており、このケース7
2内に第1および第2改質触媒層38、40が装着され
る。
【0022】第1および第2改質触媒層38、40は、
銅または銅・亜鉛系触媒で構成されており、ドーナツ形
状のハニカム構造に設定されている。ハニカム構造は、
ペレット状の触媒に比べて熱伝導率がよく、ピーク温度
を下げるのに有効である。各ハニカムのメッシュは、3
00〜800セル/IN2 に設定されており、それぞれ
の面方向が改質室36内のガスの流れ方向(矢印A方
向)に直交して並列されている。
【0023】第1および第2改質触媒層38、40のガ
ス流れ方向の上流側に第1および第2整流板74a、7
4bが固定される。第1および第2整流板74a、74
bは、適切な圧力損失を有しており、第1および第2改
質触媒層38、40へのガスの流れを均等化するととも
に、各触媒層面内の流れを均等化する。
【0024】第1および第2改質触媒層38、40は、
負荷(改質用燃料の流量)に対して、図4に示すような
特性を有している。すなわち、第1および第2改質触媒
層38、40に供給される改質用燃料の単位時間当たり
の流量が少ないと、この改質用燃料が前記第1および第
2改質触媒層38、40に滞留する時間が長くなる。従
って、改質用燃料の改質反応が十分に進行し、CH3
H→CO+2H2 、CH3 OH+H2 O→CO2 +3H
2 (吸熱反応)、CH3 OH+3/2O2 →CO2 +2
2 O(発熱反応)のいずれかの反応を起こす割合(す
なわち、反応率)が増加する。一方、改質用燃料の単位
時間当たりの流量が増加すると、第1および第2改質触
媒層38、40に滞留する時間が短くなり、前記改質用
燃料が未反応のまま通過する割合が増えてしまう。これ
により、改質用燃料の流量が増大すると、この改質用燃
料の反応率が減少することになる。
【0025】ここで、改質用燃料の反応率を90%以下
にした場合、未反応のメタノールが大量に発生し、この
未反応のメタノールが、直接、燃料電池セルに供給され
ると、該燃料電池セルの発電性能が低下してしまい、好
ましくない。このため、例えば、改質器26の後段に未
反応のメタノールを処理する変成器を設けることがある
が、システム構成要素が増加し、容積および重量の増加
を惹起して好ましくない。従って、第1および第2改質
触媒層38、40の反応率が90%以上、より好ましく
は95%以上になるように最大負荷を設定する。
【0026】一方、燃料改質装置10は、オートサーマ
ル方式を採用しており、第1および第2改質触媒層3
8、40では、酸化反応と改質反応とが共存する。この
ため、第1および第2改質触媒層38、40のガス流れ
方向(厚さ方向)の位置に対して、図5に示すように、
ガス入口側からガス出口側に向かって温度が急激に上昇
し、ピーク温度に達した後に、温度がなだらかに低下し
ていく温度分布が存在している。これは、第1および第
2改質触媒層38、40内では、酸化反応の方が改質反
応よりも反応速度が速く、ガス入口側で酸化反応の発熱
により温度が急激に上昇し、その後、吸熱反応である改
質反応が起こるからである。
【0027】この場合、反応率を下げることにより、ピ
ーク温度とガス出入口温度との差を小さくすることが考
えられるが、上記のように、反応率が下がることによっ
て未反応のメタノールが大量に発生するという問題があ
る。一方、反応率を高い状態に維持してピーク温度とガ
ス出入口温度との差を所定の範囲内に納めるためには、
第1および第2改質触媒層38、40の厚さを適切に設
定する必要がある。
【0028】そこで、本実施形態では、第1および第2
改質触媒層38、40が、それぞれの内部におけるピー
ク温度とガス出口温度との差が100℃以内、より好ま
しくは50℃以内になる位置、すなわち、図5中、ガス
流れ方向の位置に相当する厚さhに設定されている。
【0029】図6に示すように、改質触媒層Mに原料ガ
ス(燃料ガス)を導入して改質ガスを生成する際、この
改質触媒層Mのピーク温度を一定にした場合、前記改質
触媒層Mの厚さhを変更すると、図7に示すメタノール
反応率の変化が現れた。従って、改質触媒層Mの厚さh
が薄ければ薄いほど、メタノール反応率が高くなって性
能の向上が図られており、本実施形態では、第1および
第2改質触媒層38、40の厚さhが5mm〜40mm
の範囲内、より好ましくは、10mm〜30mmの範囲
内に設定されるとともに、外径が150mm〜250m
m程度に設定されている。
【0030】図3に示すように、第1および第2改質触
媒層38、40の間には、改質用燃料ガスがいずれか一
方のみを通過するようにガス流路形成手段76が配置さ
れる。ガス流路形成手段76は、例えば、SUS製の板
材で構成されており、第1改質触媒層38の中央空洞部
分38aに挿入される筒状部78と、この筒状部78の
端部からガス流れ方向に沿って拡径する円錐部80と、
この円錐部80の端部に一体的に設けられ、第2改質触
媒層40の外周を覆うリング部82とを有する。
【0031】筒状部78の先端には、ガス流れ方向とは
逆方向に向かって縮径する絞り形状部84が一体成形さ
れている。絞り形状部84の形状を適切に選定すること
により、第1および第2改質触媒層38、40に流入す
るガスの分配状態を容易に調整することができる。第2
改質触媒層40の中央空洞部分40aには、円錐状のカ
バー部材86が装着されている。
【0032】図2に示すように、触媒燃焼器24とCO
除去器28とにそれぞれ接続される経路34b、34c
のジョイント部88には、三方弁90が設けられてお
り、この三方弁90は、前記経路34bと燃料電池スタ
ック14とが連通する位置と、該経路34bと経路34
cとが連通する位置とに切り換え自在である。この経路
34cには、燃料電池スタック14から排出される排出
成分中の未反応水素ガス等のガスを導入するための導入
口92が配置されている。
【0033】図8に示すように、第1および第2改質触
媒層38、40には、この第1および第2改質触媒層3
8、40のピーク温度を検出するための温度センサ(温
度検出手段)94が配置される。第1および第2改質触
媒層38、40は、ガス流れ方向(矢印A方向)に沿っ
て温度分布を有しており、そのガス入口側から酸化反応
支配領域96となる部分が存在し、この酸化反応支配領
域96の終端側からガス出口側にわたって改質反応支配
領域98となる部分が存在している。
【0034】ピーク温度は、酸化反応支配領域96と改
質反応支配領域98との境界部位に発生するものであ
り、温度センサ94は、ガス入口側の面から内方に距離
Sだけ離間したピーク温度位置に設定される。この距離
Sは、第1および第2改質触媒層38、40の厚さhの
1/4以内の位置、具体的には、この厚さhが20mm
である際に1mm〜5mm程度の位置に設定される。な
お、第1および第2改質触媒層38、40のピーク温度
は、この第1および第2改質触媒層38、40の面内温
度分布により位置がばらつくため、温度センサ94を複
数箇所に設置することが好ましい。
【0035】温度センサ94は、ECU100に接続さ
れるとともに、このECU100は、蒸発器22から導
出される改質用燃料に空気を送るための空気供給弁10
2を制御する。
【0036】蒸発器22には、所定量のメタノール水溶
液を供給するための燃料供給弁104が接続され、CO
除去器28には、COを選択酸化するためのエアーを供
給する空気供給弁106が接続され、前記燃料供給弁1
04および前記空気供給弁106がECU100により
制御される。具体的には、改質器26の出口温度からC
O濃度が検出されるため、供給される燃料の量とこのC
O濃度とに基づいて、発生されるCOの量が検出され
る。従って、空気供給弁106は、CO+1/2O2
CO2 を満たす量の空気を供給するように制御される。
【0037】このように構成される燃料改質装置10の
動作について、以下に説明する。
【0038】先ず、燃料改質装置10の始動時には、始
動暖気モードとして経路34b、34cが三方弁90を
介して燃料電池スタック14と遮断状態にある。そこ
で、燃焼機構44を構成する第1エアー経路56からエ
アーノズル52を介して燃焼室46にエアーが供給さ
れ、この燃焼室46内に渦流が形成される。この状態
で、グロープラグ49が駆動されてこのグロープラグ4
9の温度が所定温度になったとき、メタノールタンク1
6からインジェクタ48にメタノールが供給される。
【0039】メタノールは、インジェクタ48を介して
燃焼室46内に噴霧されるとともに、このメタノールに
エアーによる渦流が作用して、前記メタノールの微粒化
および拡散化が図られる。このため、燃焼室46内で
は、グロープラグ49の加熱作用下にメタノールが燃焼
し、この燃焼室46内でのみ保炎がなされる。
【0040】次いで、第2エアー経路64から各導入口
60bを介して流路室66に希釈用エアーが導入され
る。従って、燃焼室46で生成される高温の燃焼ガスに
エアーが混合され、この燃焼ガスの温度が調整された状
態で、前記燃料ガスが改質室36に配置されている第1
および第2改質触媒層38、40に直接供給される。さ
らに、第1および第2改質触媒層38、40が所定の温
度に昇温した後、混合器20を介してメタノールおよび
水が所定の混合比に混合されたメタノール水溶液が蒸発
器22に供給される。
【0041】蒸発器22では、触媒燃焼器24で発生し
た高温の燃焼ガスと蒸発ガスとが熱交換されることによ
ってメタノール水溶液が蒸気化し、第2エアー経路64
から送られるエアーと混合されて供給機構42を構成す
る各導入口60bから改質器26内に供給される一方、
インジェクタ48から燃焼室46内へのメタノールの供
給が停止される。ここで、第1エアー経路56からエア
ーノズル52を介して燃焼室46側にエアーが継続して
供給されており、インジェクタ48自体の温度を有効に
低減している。
【0042】蒸発器22から経路34aに供給された改
質用燃料ガスは、第2エアー経路64から噴射されるエ
アーと混合されて改質器26内に導入された後、ディフ
ューザ部70側に送られる。このディフューザ部70で
は、メタノール、水蒸気および酸素を含む改質用燃料ガ
スがその一部をガス供給流路68に沿って第1改質触媒
層38に送られる一方、他の部分がこの第1改質触媒層
38の中央空洞部分38aに嵌挿された筒状部78の内
部を通って第2改質触媒層40に送られる。
【0043】第1および第2改質触媒層38、40で
は、改質用燃料ガス中のメタノール、水蒸気および酸素
によって発熱反応である酸化反応と吸熱反応である改質
反応とが同時に行われる。これにより、外部から改質反
応に必要な熱を供給する必要がないため、改質器26内
に複雑な伝熱構造を用いる必要がなく、この改質器26
全体の構造を一挙に簡素化することができる。しかも、
改質器26内の発熱反応によって改質反応に必要な熱が
供給されるため、負荷変動に対する応答性がよく、水素
ガスを含む改質ガスを効率的に生成することが可能にな
る。
【0044】第1改質触媒層38を通って生成された改
質ガスおよび第2改質触媒層40を通って生成された改
質ガスは、熱交換器32に導入されて所定の温度に冷却
される。次いで、改質ガスは、CO除去器28に導入さ
れてこの前記改質ガス中のCOが酸化されて選択的に反
応除去された後、必要に応じて触媒燃焼器24に送られ
る。そして、改質器26から安定した改質ガスが生成さ
れ始めると、三方弁90が切り換えられて燃料電池スタ
ック14にこの改質ガスが供給される。
【0045】この場合、本実施形態では、第1および第
2改質触媒層38、40内のピーク温度とガス出口温度
との差が100℃以内、より好ましくは50℃以内に設
定されている。このため、一定のピーク温度(例えば、
300℃〜350℃の範囲のピーク温度)に対して、特
に改質反応で重要なガス出口温度を高く設定することが
できる。これにより、第1および第2改質触媒層38、
40の熱劣化を有効に防止するとともに、改質反応が活
発に行われ、前記第1および第2改質触媒層38、40
を全体として有効に利用することができるという効果が
得られる。
【0046】しかも、必要な触媒量を低減することが可
能になり、改質器26全体の小型・軽量化および低コス
ト化が容易に図られる。さらに、第1および第2改質触
媒層38、40の厚さhを相当に薄く設定することがで
きるため、全体の温度が均一化され、前記第1および第
2改質触媒層38、40の圧損を低減し得るという利点
がある。
【0047】ところで、本実施形態では、改質器26内
に第1および第2改質触媒層38、40内のピーク温度
を検出する温度センサ94が配置されている。第1およ
び第2改質触媒層38、40が、例えば、銅系の触媒で
ある場合には、耐久性を考慮して300℃程度のピーク
温度で運転することが好ましい。
【0048】このため、温度センサ94を介して第1お
よび第2改質触媒層38、40のピーク温度を検出し、
この検出された温度が300℃よりも低い場合には、E
CU100が空気供給弁102を駆動して改質器26に
供給される酸素(空気)の供給量を増加させる。これに
より、第1および第2改質触媒層38、40の酸化反応
支配領域96での燃焼反応(発熱反応)がより進み、ピ
ーク温度を300℃まで上げることができる。
【0049】このように、本実施形態では、第1および
第2改質触媒層38、40の内部のピーク温度を一定に
維持することができ、前記第1および第2改質触媒層3
8、40に局部的な熱劣化が発生することを阻止すると
ともに、前記第1および第2改質触媒層38、40を高
効率で有効に使用することが可能になるという効果が得
られる。しかも、第1および第2改質触媒層38、40
を高効率で使用することができるため、必要な触媒量を
少なくすることが可能となり、改質器26全体の小型化
および低コスト化が容易に図られる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る燃料改質装置では、改質触
媒部において、改質用燃料の反応率が90%以上であ
り、かつその内部のピーク温度とガス出口温度との差が
100℃以内に設定されるため、特に改質反応で重要な
ガス出口温度を高くするとともに、改質触媒部全体の温
度を均一化することができる。しかも、改質触媒部の厚
さが肉薄となるために、圧損を大幅に低減することが可
能になる。さらに、ヒートスポットによる一酸化炭素の
発生量を少なくすることができる。
【0051】また、本発明に係る燃料改質装置の制御方
法では、改質触媒部内のピーク温度を検出し、このピー
ク温度に基づいて燃料改質装置を制御するため、前記改
質触媒部の熱劣化を阻止して高効率で使用し得るととも
に、必要な触媒量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料改質装置を組み込
む燃料電池システムの概略構成説明図である。
【図2】前記燃料改質装置の斜視説明図である。
【図3】前記燃料改質装置を構成する改質器の断面説明
図である。
【図4】改質用燃料の流量と反応率との関係を説明する
図である。
【図5】改質触媒層の厚さ方向の位置と触媒層温度との
関係を説明する図である。
【図6】改質触媒層の厚さの違いによるメタノール反応
率の変化を検出する実験結果を示す図である。
【図7】前記実験により得られたメタノール反応率の変
化を示す図である。
【図8】改質器内に装着された温度センサおよびECU
の説明図である。
【符号の説明】
10…燃料改質装置 12…燃料電池シ
ステム 16…メタノールタンク 18…水タンク 20…混合器 22…蒸発器 24…触媒燃焼器 26…改質器 28…CO除去器 36…改質室 38、40…改質触媒層 42…供給機構 44…燃焼機構 76…ガス流路形
成手段 94…温度センサ 96…酸化反応支
配領域 98…改質反応支配領域 100…ECU 102、106…空気供給弁 104…燃料供給
フロントページの続き (72)発明者 立原 隆宏 埼玉県和光市中央1−4−1 株式会社本 田技術研究所内 (72)発明者 小谷 保紀 埼玉県和光市中央1−4−1 株式会社本 田技術研究所内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EA07 EB16 EB43 5H027 BA01 BA16 KK42 MM12

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素を含む改質用燃料を改質すること
    により、水素を含む改質ガスを生成する燃料改質装置で
    あって、 改質室に配置される改質触媒部と、 前記改質室に前記改質用燃料、水蒸気および酸素を含有
    するガスを供給して前記改質触媒部で酸化反応と改質反
    応とを同時に行わせるための供給機構と、 を備え、 前記改質触媒部は、前記改質用燃料の反応率が90%以
    上であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布を有する
    とともに、該改質触媒部内のピーク温度と該改質触媒部
    のガス出口温度との差が100℃以内に設定されること
    を特徴とする燃料改質装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の燃料改質装置において、前
    記改質触媒部の前記ガス流れ方向の厚さに対して該改質
    触媒部のガス入口面から内方に1/4以内の位置に配置
    され、前記ピーク温度を検出するための温度検出手段を
    備えることを特徴とする燃料改質装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の燃料改質装置にお
    いて、前記改質用燃料はメタノールであることを特徴と
    する燃料改質装置。
  4. 【請求項4】炭化水素を含む改質用燃料を改質すること
    により、水素を含む改質ガスを生成する燃料改質装置の
    制御方法であって、 改質室に前記改質用燃料、水蒸気および酸素を含有する
    ガスを供給して改質触媒部で酸化反応と改質反応とを同
    時に行う工程と、 前記改質触媒部内のピーク温度を検出する工程と、 前記検出されたピーク温度に基づいて、前記燃料改質装
    置を制御する工程と、 を有することを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の制御方法において、前記検
    出されたピーク温度に基づいて、前記改質室に供給され
    る酸素を含む空気の量を制御することを特徴とする燃料
    改質装置の制御方法。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の制御方法におい
    て、前記改質触媒部は、前記改質用燃料の反応率が90
    %以上であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布を有
    するとともに、該改質触媒部内のピーク温度と該改質触
    媒部のガス出口温度との差が100℃以内であることを
    特徴とする燃料改質装置の制御方法。
  7. 【請求項7】請求項4乃至6のいずれか1項に記載の制
    御方法において、前記ピーク温度は、前記改質触媒部の
    ガス流れ方向の厚さに対して該改質触媒層部のガス入口
    面から内方に1/4以内の位置で検出することを特徴と
    する燃料改質装置の制御方法。
  8. 【請求項8】請求項4乃至7のいずれか1項に記載の制
    御方法において、前記改質用燃料は、メタノールである
    ことを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
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