JP2000142026A

JP2000142026A - 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ成形用金型

Info

Publication number: JP2000142026A
Application number: JP10319164A
Authority: JP
Inventors: Takuzo Sano; 拓三佐野; Shiro Umezawa; 志郎梅沢; Naoya Amino; 直也網野; Yasuhiro Ishikawa; 泰弘石川
Original assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Current assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date: 1998-11-10
Filing date: 1998-11-10
Publication date: 2000-05-23

Abstract

(57)【要約】【課題】成形されたタイヤの表面の光沢度を上げ、タ
イヤの外観を向上させることが出来る空気入りタイヤ、
空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ成形用金型に関す
るものである。【解決手段】この発明では、成形されたタイヤのトレ
ッド部２あるいはサイド部３を、タイヤの外観を向上さ
せる目的から表面粗さ（Ｒａ：単位長さ当たりの面積）
が、触針式表面粗さ計（JIS B 0651：触針式表面粗さ測
定器）で計測した時、1.5 〜20μm の範囲になるように
形成し、タイヤの表面の光沢度を上げている。上記のよ
うな光沢度のあるタイヤを製造するには、図２に示すよ
うなアルミニュウムまたはアルミニュウム合金により成
形した金型４（この実施形態では、金型を構成するセグ
メントピースの一部を示している）を使用し、この金型
４の成形表面４ａを、粒径0.15〜20mmのビーズショット
５により成形してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、空気入りタイ
ヤ、空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ成形用金型に
係わり、更に詳しくは成形されたタイヤの表面の光沢度
を上げ、タイヤの外観を向上させることが出来る空気入
りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法及びタイヤ成形用
金型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にタイヤ成形用金型は、工作機械等
の切削加工によってパターンを彫る作業が行われている
が、機械加工はバリ等が残るため、切削加工後の表面を
ガラスビーズ等でビーズショットを行って仕上げを行っ
ている。しかし、金型表面には上記ビーズショットのた
めに微細な凹凸が成形され、この凹凸は成形されるタイ
ヤの表面にも転写されることになる。このタイヤ表面の
微細な凹凸は、光を乱反射させるためタイヤ表面が白っ
ぽく見え、タイヤの外観を悪化させると言う問題があっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、成形された
タイヤ表面の光沢度は、タイヤを成形する成形用金型の
表面粗さに対応するものと考えられ、従って、成形用金
型の表面粗さを一定の粗さに仕上げると、成形されるタ
イヤ表面も光沢度の良いものが製造出来ると考えらてい
た。

【０００４】然しながら、発明者等がタイヤ表面の凹凸
の大きさと、タイヤ表面の光沢度との関係を実験等によ
り調べた結果、成形用金型の表面粗さの全てとタイヤ表
面の光沢度とは必ずしも対応するものではないことが判
った。即ち、タイヤ表面の光沢度は、金型表面に形成さ
れる凹凸のうち、光沢度を著しく悪化させる凹凸のサイ
ズが存在することが判り、通常のビーズショットを行っ
た際に出来る凹凸サイズの領域（通常のビーズショット
を行った時の表面粗さＲａ＝1.1 程度・Ｒａの値とは、
単位長さ当たりの面積）が、光沢度を著しく悪化させる
領域であることが判った。

【０００５】この発明の目的は、金型切削加工後の金型
表面をショットするビーズのサイズを所定のサイズにす
ることで、成形されるタイヤの表面の光沢度を上げ、タ
イヤの外観を向上させることが出来る空気入りタイヤを
提供することにある。また、この発明は表面粗さを最適
な表面粗さとした金型を使用してタイヤを製造すること
により、タイヤの生産性及び性能を悪化させることな
く、表面が光沢度のある外観の良好なタイヤを製造する
ことが出来る空気入りタイヤの製造方法を提供すること
にある。

【０００６】更に、ショットするビーズサイズをタイヤ
表面の光沢度に最適なサイズを選択して金型の表面を仕
上げることにより、金型の生産性を向上させることが出
来ると共に、金型のコストダウンを図ることが出来るタ
イヤ成形用金型を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、この発明の空気入りタイヤは、成形された
タイヤの表面粗さ（ＲａＴ）が、触針式表面粗さ計で計
測した時、1.5 〜20μm の範囲になるように構成したこ
とを要旨とするものである。また、この発明の空気入り
タイヤの製造方法は、金型表面粗さ（Ｒａｘ）を成形さ
れるタイヤ表面粗さ（ＲａＴ）よりも粗く成形した金型
を用いて加硫成形し、該成形されたタイヤの表面粗さ
（ＲａＴ）が、触針式表面粗さ計で計測した時、1.5 〜
20μm の範囲となるように製造することを要旨とするも
のである。

【０００８】更に、この発明のタイヤ成形用金型は、触
針式表面粗さ計で計測した時、その表面粗さ（Ｒａｘ）
が1.5 〜20μm の範囲にある空気入りタイヤを製造する
タイヤ成形用金型であって、前記金型の表面を、粒径0.
15〜20mmのビーズショットにより成形したことを要旨と
するものである。

【０００９】この発明は、上記のように構成され、金型
切削加工後の金型表面をショットするビーズのサイズを
最適な粒度を選択して使用することで、タイヤ表面光沢
度に最適な表面粗さに形成し、この金型を使用してタイ
ヤを製造することにより、タイヤの表面の光沢度を上げ
て、タイヤの外観を向上させることが出来るようにした
ものである。また、このような方法によりタイヤを製造
することで、タイヤの生産性及び性能を悪化させること
なく、表面が光沢のある外観の良好タイヤを製造するこ
とが出来、更に金型の生産性を向上させて、金型のコス
トダウンも図ることが出来るものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発
明の実施形態を説明する。図１は、この発明を実施した
空気入りタイヤ１の一部切欠した斜視図を示し、２はタ
イヤトレッド部、３はサイド部を示し、この発明では、
成形されたタイヤのトレッド部２あるいはサイド部３
を、タイヤの外観を向上させる目的から表面粗さ（Ｒ
ａ：単位長さ当たりの面積）が、触針式表面粗さ計（JI
S B 0651：触針式表面粗さ測定器）で計測した時、1.5
〜20μm の範囲になるように形成し、タイヤの表面の光
沢度を上げている。

【００１１】上記のような光沢度のあるタイヤを製造す
るには、図２に示すようなアルミニュウムまたはアルミ
ニュウム合金により成形した金型４（この実施形態で
は、金型を構成するセグメントピースの一部を示してい
る）を使用し、この金型４の成形表面４ａを、粒径0.15
〜20mmのビーズショット５により成形してある。なお、
ショットする材質としては、ガラスビーズ，プラスチッ
クビーズ，カーボンランダム，ステンレス等を用い、３
〜７kg /cm²のショット圧力で、３０〜６０秒ショット
して表面を加工する。

【００１２】即ち、金型４の表面粗さ（Ｒａｘ）を成形
されるタイヤ表面粗さ（ＲａＴ）よりも粗く成形し、そ
の金型４を用いて加硫成形することで、成形されたタイ
ヤの表面粗さ（ＲａＴ）は、触針式表面粗さ計で計測し
た時、1.5 〜20μm の範囲となり、光沢度のあるタイヤ
を製造することが出来るものである。

【００１３】次に、空気入りタイヤに対応するゴムサン
プルと、タイヤ金型の表面粗さとの関係について実験し
た結果を説明する。６０ショト〜６００ショットの粒径
の異なるビースショットを行い、４種類の試験金型を作
製した。〔ショット方法〕ショットする材質：ガラスビーズ，プラスチックビー
ズ，カーボンランダム，ステンレス等を用いる。圧力：通常３〜７kg /cm²、今回の実施例におけるモー
ルド作成条件５Kg/cm² シッョト時間：３０〜６０秒金型：アルミニュウムを使用した。

【００１４】試作した金型により、下記の表１の配合ゴ
ムを１６０°Ｃで２０分間加硫し、表面粗さ試験、光沢
度試験に供した。表面粗さ試験は、JIS B 0651（触針式
表面粗さ測定器）に従い、触針式表面粗さ計を用いて、
表面粗さ（Ｒａ：単位長さ当たりの面積）の値を測定し
た。作製したゴムサンプルと金型の表面粗さ（μｍ）と
の関係は、下記の表２に示す通りである。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【表２】

【００１７】また光沢度計を用いて、ゴムサンプルの光
沢度を測定した結果を表３に示す。

【表３】ゴムサンプルの表面粗さ（Ｒａ）と光沢度の関係を図３
のグラフに示す。図３から明らかなように、水平面に対
して６０°方向の反射光量が光沢度において優れている
ことが判った。

【００１８】

【発明の効果】この発明は、上記のように成形されたタ
イヤの表面粗さ（ＲａＴ）が、触針式表面粗さ計で計測
した時、1.5 〜20μm の範囲にとなるようにしたので、
成形されるタイヤの表面の光沢度を上げ、タイヤの外観
を向上させることが出来る効果がある。また、金型表面
粗さ（Ｒａｘ）を成形されるタイヤ表面粗さ（ＲａＴ）
よりも粗く成形した金型を用いて加硫成形し、該成形さ
れたタイヤの表面粗さ（ＲａＴ）が、触針式表面粗さ計
で計測した時、1.5 〜20μm の範囲となるように製造す
るので、タイヤの生産性及び性能を悪化させることな
く、表面が光沢度のある外観の良好タイヤを製造するこ
とが出来る効果がある。

【００１９】更に、触針式表面粗さ計で計測した時、そ
の表面粗さ（ＲａＴ）が1.5 〜20μm の範囲にある空気
入りタイヤを製造するタイヤ成形用金型であって、前記
金型の表面を、粒径0.15〜20mmのビーズショットにより
成形したので、金型の生産性を向上させることが出来る
と共に、金型のコストダウンを図ることが出来、更に表
面が光沢度のある外観の良好タイヤを製造することが出
来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明を実施した空気入りタイヤの一部切欠
した斜視図である。

【図２】アルミニュウムまたはアルミニュウム合金によ
り成形した金型（この実施形態では、金型を構成するセ
グメントピースの一部を示している）の斜視図である。

【図３】ゴムサンプルの表面粗さ（Ｒａ）と光沢度の関
係を示すグラフである。

【符号の説明】

１空気入りタイヤ２タイヤトレ
ッド部３サイド部４金型４ａ成形表面５ビーズシ
ョットＲａＴタイヤ表面粗さＲａｘ金型表
面粗さ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者網野直也神奈川県平塚市追分２番１号横浜ゴム株式会社平塚製造所内 (72)発明者石川泰弘神奈川県平塚市追分２番１号横浜ゴム株式会社平塚製造所内Ｆターム(参考） 4F202 AH20 CA21 CB01 CU01 CU14

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】成形されたタイヤの表面粗さ（ＲａＴ）
が、触針式表面粗さ計で計測した時、1.5 〜20μm の範
囲にある空気入りタイヤ。
【請求項２】前記成形されたタイヤの表面粗さ（Ｒａ
Ｔ）が、少なくともタイヤのトレッド部あるいはサイド
部である請求項１に記載の空気入りタイヤ。
【請求項３】金型表面粗さ（Ｒａｘ）を成形されるタ
イヤ表面粗さ（ＲａＴ）よりも粗く成形した金型を用い
て加硫成形し、該成形されたタイヤの表面粗さ（Ｒａ
Ｔ）が、触針式表面粗さ計で計測した時、1.5 〜20μm
の範囲となるように製造する空気入りタイヤの製造方
法。
【請求項４】触針式表面粗さ計で計測した時、その表
面粗さ（ＲａＴ）が1.5 〜20μm の範囲にある空気入り
タイヤを製造するタイヤ成形用金型であって、前記金
型の表面を、粒径0.15〜20mmのビーズショットにより成
形したタイヤ成形用金型。