JP2000127941A - 空気圧縮式リターダ装置 - Google Patents

空気圧縮式リターダ装置

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JP2000127941A
JP2000127941A JP10299257A JP29925798A JP2000127941A JP 2000127941 A JP2000127941 A JP 2000127941A JP 10299257 A JP10299257 A JP 10299257A JP 29925798 A JP29925798 A JP 29925798A JP 2000127941 A JP2000127941 A JP 2000127941A
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drive shaft
retarder
rotor
piston
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Hideki Nakamura
秀樹 中村
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Niigata Converter Co Ltd
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NIIGATA CONVERTER KK
Niigata Converter Co Ltd
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型でブレーキ容量が大きく、かつ、放熱器
を必要としないリターダ装置を提供する。 【構成】 クラッチの結合により車輪と連動する駆動軸
と、原動機と別体に形成された密閉空間内の空気を該駆
動軸により圧縮する空気圧縮機構と、圧縮圧力の最大近
傍で圧縮された空気を大気に開放する開閉機構と、前記
密閉空間内に空気を供給する吸気機構とを設け、駆動軸
が1回転する毎に、密閉空間内の空気を少なくとも1回
圧縮する空気式リターダ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係わる空気圧縮式リタ
ーダ装置は、トラック、バス、トレーラ、ディーゼルカ
ー等の大型車両の動力伝達系に取り付けて、常用ブレー
キ(主ブレーキ)の補助装置として利用するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、大型バスやトラック等のように
制動時の摩擦熱交換量が大きい大慣性の車両ではブレー
キシューの耐久性が問題になり、長い下り坂を走行する
場合など、ブレーキペダルにより作動する常用ブレーキ
(サービスブレーキ)を多用すると、フェード現象やベ
ーパロックにより制動力が極端に低下する原因となり危
険である。また、重量物を運搬するためのトレーラ・ト
ラクタの場合、下り坂走行時には牽引側のトラクタより
も被牽引側のトレーラ部分で大きな制動力を発揮させて
おかないと、急にブレーキを作動させたときにトレーラ
ハンチング現象やジャックナイフ現象を起こし易くな
り、非常に危険である。このため、従来からトレーラ側
にリターダと呼ばれる補助ブレーキ装置を取り付け、下
り坂を走行する際には常用ブレーキと併用して常用ブレ
ーキの使用回数を減らし、フェード現象の防止及びライ
ニング寿命の延長を図っている。このようなリターダ装
置は、前記フェードやベーパロック防止、ブレーキライ
ニング交換の延長のため、トレーラ、トラック、バス、
鉄道車両等の大型車両全般に使用されている。
【0003】従来から用いられている補助ブレーキ装置
としては、車輪側からプロペラシャフトを介して回転抵
抗体を駆動し、抵抗損失を生じさせて制動力を得る流体
式リターダや電磁式リターダと、エンジンのサイクルを
ブレーキ力に利用する排気ブレーキや圧縮開放式ブレー
キなどがあり、それぞれ次のような特徴を持っている。
すなわち、流体式リターダはブレーキ容量の大きなもの
までできるが、ロータとステータで構成されたハウジン
グ内に作動油を満たし、回転するロータから固定された
ステータに向けて作動油を送り込むにことによってロー
タに回転抵抗を発生させる。このため、作動油の攪拌、
ステータとの衝突損失によって発生するエネルギーの一
部が作動油の温度を上昇させ、作動油を冷却するための
冷却器が不可欠であり、冷却器への配管も必要になる。
【0004】また、電磁式リターダは、磁界の中で回転
するロータが、磁界を切ることによって発生する渦電流
により減速されるものであるが、渦電流は熱エネルギー
に変換されるため、ロータ自身を放熱ファンにして自己
冷却している。空冷式なので冷却器を別に設ける必要は
ないが、本体が比較的高温になるため、可燃物運搬車な
どに搭載する場合には、加熱防止のための熱シールドの
取り付け等が必要になる。エンジンの排気弁の開放タイ
ミングをブレーキ時に外部から操作し、圧縮行程の終了
時にシリンダ内の空気を放出することで制動力を増加さ
せる、圧縮開放式エンジンブレーキがあり、一般の排気
ブレーキの 1.6倍程度のブレーキ力が得られるが、給・
排気弁のほかに、圧縮行程の空気を逃がすための第3バ
ルブ、及び給・排気弁と第3バルブとを連動させる制御
機構が必要となり、エンジンの構造が複雑になり高価に
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、流体式
及び電磁式リターダは、回転抵抗体の抵抗損失が熱エネ
ルギーに変換されるので放熱の問題があり、ブレーキ容
量は放熱能力で抑えられてしまう難点がある。また、圧
縮開放式エンジンブレーキはエンジンの構造が複雑にな
り、高価になる。本発明は、これらの問題を解決するた
めになされたもので、小型でブレーキ容量が大きく、し
かも放熱器を必要としないリターダ装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【問題を解決するための手段】請求項1に記載された空
気圧縮式リターダ装置は、車両の動力伝達系に取り付け
て主ブレーキの補助として使うリターダ装置において、
動力伝達系に配置されたクラッチの結合により車輪と連
動する駆動軸と、原動機と別体に形成された密閉空間内
の空気を前記駆動軸の回転によって圧縮する空気圧縮機
構と、前記密閉空間内の圧縮空気を圧縮圧の最大近傍で
大気に開放する開閉機構と、前記密閉空間内に新しい空
気を供給する吸気機構とを設け、前記駆動軸が一回転す
る毎に、密閉空間内の空気を少なくとも一回圧縮するよ
うに構成したことを特徴としている。
【0007】請求項2に記載された空気圧縮式リターダ
装置は、請求項1記載の空気圧縮式リターダ装置におい
て、駆動軸をクランク軸状に形成し、該駆動軸をロッド
を介してシリンダ内摺動自在に嵌装されたピストンに連
結し、駆動軸の回転運動をピストンの往復運動に変換し
て、ピストンに接する密閉空間内の空気を圧縮する空気
圧縮機構としたことを特徴としている。
【0008】請求項3に記載された空気圧縮式リターダ
装置は、請求項1記載の空気圧縮式リターダ装置におい
て、軸直角方向の断面形状が長円のロータを、長円の一
方の半円中心を軸心として駆動軸に同心に固定し、この
駆動軸を中空のロータケース内に同心に配置すると共
に、該ロータにはロータケース内周を押圧する径方向可
動のシールプレートを設け、ロータケースにはロータの
外周を押圧する径方向可動のシールプレートを設け、更
に、ロータとロータケースの両側面に当接するサイドプ
レートを設け、前記ロータケース及びサイドプレートを
ケーシングに回転不能に固定して、シールプレートとロ
ータケースとサイドプレートとで囲まれた密閉空間内の
空気を駆動軸の回転で圧縮する空気圧縮機構としたこと
を特徴としている。
【0009】
【実施例】図1は、動力伝達系における本発明の空気圧
縮式リターダ装置の概略配置例を示したものであり、図
1(a)は一般車両に組み込んだ場合を、図1(b)は
トレ−ラに組み込んだ場合を示している。図1(a)に
示すように、一般車両の場合では、トランスミッション
2の出力軸部から増速歯車、減速歯車等の回転数調整機
構7と、リターダをオン・オフするためのクラッチ8を
介して、プロペラシャフト4と並列にリターダ装置3が
配置される。ただし、リターダ装置3は基本的にはトラ
ンスミッション2とディファレンシヤル5の間であれば
どこに配置してもよい。また、回転数調整機構7及びク
ラッチ8をトランスミッション2に内蔵させ、トランス
ミッションとリターダ装置3を一体に形成してもよい。
トレーラの場合は、エンジンを搭載していないので、図
1(b)に示すように、ディファレンシヤル10にクラ
ッチ8を介してリターダ装置3を結合する配置となる。
図1から明らかなように、リターダ装置3は、クラッチ
8の結合により車輪に連結され、車輪にブレーキ力を作
用させる。
【0010】図2及び図3は、本発明を適用した空気圧
縮式リターダ装置の第1実施例の構造を示す図で、リタ
ーダ駆動軸が1回転する毎に、密閉空間内の空気を1回
圧縮する単動タイプを示すものである。図2はリターダ
駆動軸心線に沿う断面図を、図3は図2のA−A断面図
を表す。図2及び図3に示すように、クランク軸状に形
成されたリターダ駆動軸11は、軸受け16を介してケ
ーシング15に回転自在に軸支され、このリターダ駆動
軸11には歯車12が一体に固定されていて、カム21
と一体に回転する図示されていない歯車とかみ合ってい
る。ケーシング15にはシリンダ部19が設けられ、円
筒のピストン14が図の上下方向摺動自在に嵌装されて
いて、前記ピストン14は、リターダ駆動軸11に揺動
可能に連結されたロッド13に連結されている。
【0011】シリンダ部19の上端は、カバー20で液
密に保持されて圧力室22を形成し、排気弁17及び吸
気弁18の開閉によって、圧力室22内の空気を排気口
23または図示してない吸気口を介して大気に連通させ
る。排気弁17及び吸気弁18は、ばね25の戻し力で
閉方向に押しつけられていて、歯車12に連動するカム
21で押し上げられて開く構造になっている。排気弁1
7及び吸気弁18は軸方向に並列に配置され、ぞれぞれ
の開閉タイミングはカム21の位相をずらしてセットす
ることにより調整され、排気弁17は、リターダ駆動軸
11が図の位置から矢印方向に約90゜回転したときに
開くようセットされている。その時、吸気弁18は閉じ
た状態にあり、リターダ駆動軸11がさらに回転すると
開くように、図示してない吸気弁用カムの取り付け角度
が設定されている。
【0012】リターダ装置の入力側に配置されたクラッ
チが結合されると、車輪の回転力が該クラッチを介して
リターダ駆動軸11に伝達され、空気圧縮機構24が作
動する。すなわち、リターダ駆動軸11の回転によって
ピストン14が圧力室22内の空気を圧縮する方向に移
動し、圧縮された空気の反力が抵抗となってリターダ駆
動軸11の回転を制止する力として作用するので、リタ
ーダ駆動軸11に連結された車輪にブレーキ力を作用さ
せる。このブレーキ力は、ピストン14が最上位置に達
した時点で最大となり、このとき排気弁17が開いて、
圧縮されて温度が上昇した空気が大気に排出される。そ
して、リターダ駆動軸11が回転してピストン14が下
降し始めると、前記排気弁17が閉じると共に吸気弁1
8が開き始め、新しい低温の空気が圧力室22内に取り
入れられる。さらに、リターダ駆動軸11が回転する
と、吸気弁18が閉じると共にピストン14が再び図の
上方向に移動して、再び圧縮が開始される。このよう
に、リターダ駆動軸11が1回転する毎に、圧力室22
内の空気を1回圧縮する。また、図には示してないが、
圧力室22内に吸入される空気量を減らすことにより圧
縮エネルギーを減少させ、リターダ装置のブレーキ力を
調整可能にする目的で、吸気弁18の吸気口につながる
吸気回路には電動の絞り弁が設けてある。このように、
リターダ装置専用の構造にしてあるので、ディーゼルエ
ンジンとは異なり燃焼と無関係になり、最大圧縮圧力は
エンジン爆発圧力の1/3程度に設定でき、シリンダー
やケーシングなどの強度をエンジンより低く設計でき
る。また、空気の圧縮エネルギーをブレーキ力に利用
し、不要となった高温の空気を大気中に放出するので、
放熱器の必要がない。さらに、本発明のリターダ駆動軸
11は、原動機の被駆動体である車輪側から廻されるの
で、エンジンのようなデッドポイントが生じず、フライ
ホイールは不要である。本実施例では1シリンダーの構
造のものを示したが、より大きなブレーキ力を得るため
に、軸方向に複数のシリンダーを並列に配置して、複数
の空気圧縮機構を形成することも可能である。
【0013】図4は、本発明を適用した空気圧縮式リタ
ーダ装置の第2実施例の構造を示す図で、リターダ駆動
軸が1回転する毎に、密閉空間内の空気を2回圧縮する
復動タイプを示したものである。図4は第1実施例の図
3に相当するもので、空気圧縮機構29の駆動軸直角方
向の断面を表したものである。軸方向の構造は図示して
ないが、第1実施例における図2と同様に、クランク軸
状に形成されたリターダ駆動軸30が、軸受けを介して
下部ケース37に回転自在に軸支された構造になってい
る。図4に示すように、ケーシングはシリンダケース3
9と下部ケース37とに分割され、中間にロッド受ケ3
8を挟んで下部ケースにボルト締めされて一体に形成さ
れている。リターダ駆動軸30にはリンクピン31を介
してリンク32が回転自在に結合され、リンク32の他
端にはリンクピン31を介してロッド33が結合されて
いる。このロッド33は摺動自在にロッド受ケ38に支
持されていて、ロッドの他端にはピストン34が一体に
固定されている。前記ピストン34は、シリンダケース
39のシリンダ部内に摺動自在に嵌装され、シリンダケ
ース39とロッド受ケ38で囲まれた密閉空間を2つに
分割して、第1圧力室35と第2圧力室36を形成して
いる。
【0014】バルブボディ40は、シリンダケース39
にボルト締めで固定されており、該シリンダケースに
は、カム45により開閉する第1バルブ41及び第2バ
ルブ42が組み込まれている。前記カム45は略おむす
び形で、リターダ駆動軸30に連動して回転するよう形
成され、カム45の外周部には、第1バルブ41と第2
バルブ42の端部がばねの力で押しつけられているの
で、カムの回転により前記バルブ41,42が開閉す
る。この例では、リターダ駆動軸30が図の矢印方向に
1回転すると、連動するカム45も同方向に1回転する
よう構成されている。そして、バルブボディ40及びシ
リンダケース39には、前記バルブ41,42の開閉に
より各圧力室35,36と空気出入口とを連通する、第
1空気孔43及び第2空気孔44が設けてある。
【0015】第1実施例と同様に、リターダ装置の入力
側に配置されたクラッチが結合されると、車輪の回転力
が該クラッチを介してリターダ駆動軸30に伝達され、
空気圧縮機構29が作動する。すなわち、リターダ駆動
軸30が図の矢印方向に回転すると、ピストン34が第
1圧力室35内の空気を圧縮する方向に移動し、圧縮さ
れた空気のエネルギーが抵抗となってリターダ駆動軸3
0の回転を制止する力として働くので、車輪にブレーキ
力を作用させる。このブレーキ力は、ピストン34が最
上位置に達した時点で最大となり、このとき第1バルブ
41が開き、圧縮されて温度が上昇した第1圧力室35
内の空気が空気出入口46から大気に排出される。リタ
ーダ駆動軸30がさらに回転してピストン34が下降し
始めると、前記第1バルブ41は開口を継続すると共に
第2バルブ42が閉じ始め、新しい低温の空気が第1圧
力室35内に取り入れられる。さらにリターダ駆動軸3
0が回転すると、第2バルブ42が完全に閉じて第2圧
力室36内の空気がピストン34によって圧縮され、ピ
ストン34が図の最下端位置まで下降すると第2バルブ
42が開き、第2圧力室36内の空気が空気出入口46
から大気に排出される。このように、この実施例ではリ
ターダ駆動軸30が1回転する毎に、圧力室内の空気を
2回圧縮するので、シリンダ径とピストンストロークが
第1実施例と同じでも2倍のブレーキ力が得られ、より
小型で軽量にすることが可能になる。また、本実施例で
は1シリンダーの構造のものを示してあるが、実施例1
の場合と同様に、より大きなブレーキ力を得るために軸
方向に複数のシリンダーを並列に配置して、複数の空気
圧縮機構を形成することが可能である。
【0016】図5及び図6は、本発明を適用した空気圧
縮式リターダ装置の第3実施例の構造を示す図で、リタ
ーダ駆動軸が1回転する毎に、密閉空間内の空気を1回
圧縮する回転圧縮タイプを示したものである。図5はリ
ターダ駆動軸心線に沿う断面図を、図6は図5のB−B
断面を表しており、実施例1及び実施例2と同様に、リ
ターダ装置の入力側に配置されたクラッチが結合される
と、車輪の回転力が該クラッチを介してリターダ駆動軸
50に伝達され、空気圧縮機構49が作動する。図5及
び図6に示すように、リターダ駆動軸50には、軸直角
方向の断面形状が長円のロータ57が、長円の一方の半
円中心を軸心にして一体に固定されていて、該リターダ
駆動軸は、ケーシング52及びケーシング52に取り外
し可能に固定されたエンドカバー53に、軸受けを介し
て回転自在に軸支されている。前記リターダ駆動軸50
は中空円筒状のロータケース56内に同心に挿入され、
このロータケース56及びロータ57の軸方向両側面に
は、両者に同時に当接する段付き円盤状のサイドプレー
ト54が設けてあって、液密の密閉空間である圧力室5
1を形成している。また、ロータケース56はサイドプ
レート54と一体の状態で、複数のピン55によって回
転不能にケーシング52に固定され、エンドカバー53
で軸方向の移動が押さえられている。
【0017】ロータ57には軸方向に溝が設けてあり、
ばね60による半径方向可動の平板のシールプレート6
1が、ロータケース56の内径を押圧する状態で挿入さ
れていて、該溝とロータ外周とを連通するバランス孔6
5が、ロータ57の回転進み側に設けてある。一方、ロ
ータケース56には、ケーシング52の排出口69に連
通する排気ポート67が設けてあり、該排気ポートを挟
んだ円周方向両側位置には軸方向の溝が設けてある。こ
の溝には、ばねによって半径方向可動に第1仕切り板5
8と第2仕切り板59が挿入され、それぞれロータ57
の外周に押しつけられている。また、第2仕切り板59
からロータ回転方向に進んだ位置には、ケーシング52
の吸入口68に連通する吸気ポート66が設けてあり、
新しい空気が圧力室51に取り入れられる。前記第1仕
切り板58の溝底には連通孔70が貫通していて、ケー
シング52に設置された逆止弁71の入口に連通してい
る。
【0018】図7及び図8は、図5及び図6に示したリ
ターダ装置における空気圧縮時の作動説明図で、図7
(a)は吸気ポートが閉じられた圧縮開始直後の状態を
示し、図7(b)は、圧縮行程が終了に近づき排気行程
に移行する前の状態を示している。また、図8は、図7
(a)の状態におけるシールプレート部の拡大説明図で
ある。図7(a)及び図8に示すように、リターダ駆動
軸と一体のロータ57が図の矢印方向に回転すると、ロ
ータ57に挿入されたシールプレート61が吸気ポート
66を通過し、ロータケース56、第1仕切り板58、
シールプレート61及びサイドプレート54で囲まれた
圧力室51が形成される。さらに回転すると圧力室51
内の空気が徐々に圧縮されるが、このとき、シールプレ
ート61は図8に示すように作動する。すなわち、シー
ルプレート61には、バランス孔65を通過した圧縮側
の高圧空気が背面側に作用し、ロータケース56に接す
る作用面側には幅Xの範囲に高圧が作用し、幅Yの範囲
に大気圧が作用する。従って、シールプレート61の作
用面側には、ばね60の反力に加えて圧縮圧と大気圧の
差に基づく荷重が図の矢印方向に作用するので、圧縮圧
力に比例してシールプレート61の押し付け力が増加
し、圧縮空気の漏れをシールする。
【0019】図7(b)に示すように、ロータ軸がさら
に回転すると圧縮行程は終了に近づく。このとき、第1
仕切り板58及び第2仕切り板59は、それぞればね6
2,64でロータ57に押し付けられていて、第1仕切
り板58は圧力室51の空気が排気ポート67に流入す
るのを防止し、第2仕切り板59は高温の排出空気が吸
い込み側に流入するのを防止する。また、圧縮行程から
排気行程に移行するには、シールプレート61が第1仕
切り板58を乗り越えて通過する必要がある。しかし、
圧縮行程の終了付近では圧縮圧力が高圧になって、第1
仕切り板58と溝との間の微小のサイドクリアランスを
通過して、圧縮空気の漏れがばね室63側に作用する。
このため、圧縮行程の終了付近では第1仕切り板58の
押しつけ力が高くなり、シールプレート61と強く衝突
する。これを防止するために逆止弁71が設けてあり、
圧力室51内の圧力が所定値以上に上昇すると、前記サ
イドクリアランスからの圧縮空気の漏れを逆止弁71か
ら排出させ、ばね室63内の圧力を弱めて、第1仕切り
板58とロータ57とのシール部から排気ポート67へ
圧縮空気を逃げやすくしてある。なお、前記逆止弁71
は、ばね74によって押し付けられたボール76で連通
孔70を塞ぐ構造になっていて、逆止弁71の出口はオ
リフィス72で絞られているので、逆止弁71から排出
される圧縮空気の漏れ量が限定され、圧縮された高温の
空気の大部分は、シールプレート61が第1仕切り板5
8を通過した後に、排気ポート67から排出される。こ
のように、この実施例ではリターダ駆動軸が1回転する
毎に圧力室内の空気を1回圧縮するが、往復ピストン圧
縮タイプに比べ構造が簡単で、圧力室の容積が大きく取
れる。また、本実施例は圧力室が1つの構造であるが、
より大きなブレーキ力を得るために、吸気ポート66の
相対位置をずらしたロータケース及びロータを軸方向に
タンデムに配置することにより、複数の空気圧縮機構を
容易に形成できる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気圧縮
式リターダ装置では、空気の圧縮エネルーギーをブレー
キ力に利用しているので大きなブレーキ力が得られると
共に、リターダ駆動軸が1回転する毎に、少なくとも1
回は密閉空間内の空気を圧縮するので、装置全体を小
型、軽量にすることができる。さらに、ブレーキ力とし
て利用した高温の圧縮空気は、瞬間的に大気中に放出さ
れるので、放熱器を設置する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した空気圧縮式リターダ装置の概
略配置例を示した図である。
【図2】本発明を適用した空気圧縮式リターダ装置の第
1実施例の構造を示した図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明を適用した空気圧縮式リターダ装置の第
2実施例の構造を示した図である。
【図5】本発明を適用した空気圧縮式リターダ装置の第
3実施例の構造を示した図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明を適用した第3実施例の作動説明図であ
る。
【図8】図7(a)におけるシールプレート部の拡大説
明図である。
【符号の説明】 1 エンジン 2 トランスミッション 3 リターダ装置 6,9 車輪 8 クラッチ 11,30,50 リターダ駆動軸 13,33 ロッド 14,34 ピストン 15 ケーシング 17 排気弁 18 吸気弁 19 シリンダ部 21,45 カム 22,51 圧力室 24,29,49 空気圧縮機構 31 リンクピン 32 リンク 35 第1圧力室 36 第2圧力室 37 下部ケース 39 シリンダケース 41 第1バルブ 42 第2バルブ 52 ケーシング 53 エンドカバー 54 サイドプレート 55 ピン 56 ロータケース 57 ロータ 58 第1仕切り板 59 第2仕切り板 61 シールプレート 65 バランス孔 70 連通孔 71 逆止弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の動力伝達系に取り付けて主ブレー
    キの補助として使うリターダ装置において、動力伝達系
    に配置されたクラッチの結合により車輪と連動する駆動
    軸と、原動機と別体に形成された密閉空間内の空気を前
    記駆動軸の回転によって圧縮する空気圧縮機構と、前記
    密閉空間内の圧縮空気を圧縮圧の最大近傍で大気に開放
    する開閉機構と、前記密閉空間内に新しい空気を供給す
    る吸気機構とを設け、前記駆動軸が1回転する毎に、密
    閉空間内の空気を少なくとも1回圧縮するように構成し
    たことを特徴とする空気圧縮式リターダ装置。
  2. 【請求項2】 駆動軸をクランク軸状に形成し、該駆動
    軸をロッドを介してシリンダ内摺動自在に嵌装されたピ
    ストンに連結し、駆動軸の回転運動をピストンの往復運
    動に変換して、ピストンに接する密閉空間内の空気を圧
    縮する空気圧縮機構とした請求項1に記載の空気圧縮式
    リターダ装置。
  3. 【請求項3】 軸直角方向の断面形状が長円のロータ
    を、長円の一方の半円中心を軸心として駆動軸に同心に
    固定し、この駆動軸を中空のロータケース内に同心に配
    置すると共に、該ロータにはロータケース内周を押圧す
    る径方向可動のシールプレートを設け、ロータケースに
    はロータの外周を押圧する径方向可動のシールプレート
    を設け、更に、ロータとロータケースの両側面に当接す
    るサイドプレートを設け、前記ロータケース及びサイド
    プレートをケーシングに回転不能に固定して、シールプ
    レートとロータケースとサイドプレートとで囲まれた密
    閉空間内の空気を駆動軸の回転で圧縮する空気圧縮機構
    とした請求項1に記載の空気圧縮式リターダ装置。
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