JP2000126128A - 動体視力検査装置 - Google Patents

動体視力検査装置

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JP2000126128A
JP2000126128A JP10303895A JP30389598A JP2000126128A JP 2000126128 A JP2000126128 A JP 2000126128A JP 10303895 A JP10303895 A JP 10303895A JP 30389598 A JP30389598 A JP 30389598A JP 2000126128 A JP2000126128 A JP 2000126128A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検者が視標を判別してから応答するまでの
反応時間を考慮した動体視力検査装置を提供する。 【解決手段】 被検眼に向かって検査視標を移動する移
動手段を持ち、被検者が応答したときの視標位置に基づ
いて動体視力を測定する動体視力検査装置において、被
検者が検査視標の判読を認知してから応答するまでの反
応時間を考慮して動体視力を求める演算手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検眼の動体視力
を検査する動体視力検査装置に関する。
【0002】
【従来技術】車の運転時などにおける動くものの見え方
(動体視力)を検査するための動体視力検査装置が知ら
れている。この種の装置は、ランドルト環等の検査視標
を遠方から所定の速度で被検眼に向かって移動し、視標
を判読できたところで被検者が応答スイッチ等を押すこ
とにより、そのときの視標位置に基づいて動体視力を測
定している。
【0003】また、この種の装置は、被検者の視標の判
別応答に対する正誤を検査者が判断して入力する手動式
のものが一般的であったが、被検者が判別できた視標の
種類(ランドルト環の切れ目方向)に対してジョイステ
ィックを倒す操作により応答させるようにして、自動化
を図ったものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、被検者は視標
を判別できたことを認知してから応答スイッチ等を押す
までに多少の反応時間がかかる。しかし、従来装置にお
ける動体視力測定の結果は、応答スイッチの応答信号が
入力されたときの視標位置からそのまま算出されてお
り、その値は前記の反応時間が加えられた結果として表
されていたので、必ずしも動体視力の測定として的確で
はなかった。
【0005】本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、被
検者が視標を判別してから応答するまでの反応時間を考
慮した動体視力検査装置を提供することを技術課題とす
る。
【0006】また、被検者毎の反応時間を測定結果に反
映させ、適切なアドバイスが行える装置を提供すること
を技術課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0008】(1) 被検眼に向かって検査視標を移動
する移動手段を持ち、被検者が応答したときの視標位置
に基づいて動体視力を測定する動体視力検査装置におい
て、被検者が検査視標の判読を認知してから応答するま
での反応時間を考慮して動体視力を求める演算手段を備
えることを特徴とする。
【0009】(2) (1)の演算手段は、前記移動手
段による検査視標の移動速度に応じて前記反応時間を考
慮した補正データを求め、該補正データと被検者が応答
したときの視標位置とに基づいて動体視力を得ることを
特徴とする。
【0010】(3) (1)の動体視力検査装置におい
て、前記反応時間は多数の被検者によって統計的に得ら
れた値であることを特徴とする。
【0011】(4) (3)の動体視力検査装置におい
て、さらに前記反応時間は年齢又は性別の少なくとも一
方により区分けして可変されることを特徴とする。
【0012】(5) (1)の動体視力検査装置は、被
検者毎の前記反応時間を計測する反応時間計測手段を備
えることを特徴とする。
【0013】(6) (5)の反応時間計測手段は、被
検者が判読できる大きさの視標を呈示する視標呈示手段
と、該呈示された視標を被検者が判読したことを装置に
伝えるための入力手段と、前記視標が呈示されてから前
記入力手段を使用するまでの時間を計測する計測手段
と、を備えることを特徴とする。
【0014】(7) (5)の動体視力検査装置におい
て、前記反応時間計測手段により得られた反応時間を前
記演算手段により求められた動体視力値とともに印字出
力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0015】(8) 被検眼に向かって検査視標を移動
する移動手段と、該移動手段により移動する前記検査視
標を被検者が判読できたことを伝える応答手段とを備
え、前記応答手段により応答したときの視標位置に基づ
いて動体視力を測定する動体視力検査装置において、被
検者が検査視標の判読を認知してから前記応答手段によ
り応答するまでの反応時間を計測する反応時間計測手段
と、該反応時間計測手段による計測結果に基づいて得ら
れる情報を表示する表示手段と、を備えることを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】<実施形態1>図1は本形態の装置の外観
を示した図である。1は装置本体であり、2は被検者が
装置内を覗き込み、後述する光学系により筐体内に呈示
される検査視標を観察するための検査窓である。装置本
体1の側面には検者が操作する操作パネル3が配置され
ている。
【0018】装置本体1の下部の前側には被検者が操作
する操作部が装置本体1の筐体と一体的に設けられてい
る。4は動体視力検査時に呈示される検査視標(実施形
態ではランドルト環視標を使用している)が判別できた
ときに押すための応答ボタンであり、応答ボタン4を押
すとその時点で視標が停止し、消えるようになってい
る。また、静止視力検査時には視標の判別ができないと
きに使用される。応答ボタン4はジョイスティック5を
挟んで左右に同じものが設けてあり、右利き、左利き等
により検者が操作しやすい方で応答できるようになって
いる。
【0019】ジョイスティック5は被検者自身で検査を
行う自動検査モード時に使用する。被検者が判別したラ
ンドルト環視標の切れ目方向と同じ方向にジョイスティ
ック5を倒す(前後左右方向に倒す)ことで、応答を入
力することができる。6は自動検査モード時に被検者自
身で検査を始めるときに使用するスタートボタンであ
り、7は音声ガイドの音量を調節するための音量ツマミ
である。音声ガイドの声は装置本体1内部に配置されて
いるスピーカ9によって発生する。
【0020】8は検査結果を印字出力するプリンタであ
る。10は開閉扉であり、その内部には視標の見かけ上
の速度を変更することのできる速度切替スイッチが内蔵
されており、20〜60km/hの間で10km/h毎に変更
できるようになっている。普段は30km/hに設定され
ている。
【0021】図2は操作パネル3のスイッチ構成を示す
図である。30は検査モード(手動検査モード、半自動
検査モード、自動検査モード)を選択するスイッチ、3
1は検査する対象の被検眼(左、右、両眼)の選択を行
うスイッチ、32は静止視力検査を選択及び開始するた
めのスイッチである。33は静止視力を検査する際に視
力値の選択を行うための視力値スイッチであり、視力値
0.1から1.6まで16段階に選択可能となってい
る。選択した視力値は表示器33aに表示される。35
は視標スイッチ部で、ランドルト環視標の切れ目方向を
上下左右の4方向で入力する4つのスイッチが設けられ
ている。また、呈示された視標の種類は4つのスイッチ
に対応して設けられたランプ35aの点灯により知るこ
とができるようになっている。36は誤回答用の入力ス
イッチである。
【0022】34は動体視力検査を選択、開始するスイ
ッチである。37は動体視力検査時における検査回数を
表示するためのランプ37aと、その視力値が表示され
る表示器37b等を持つ表示部である。38は印刷スイ
ッチである。図3は装置の光学系と制御系の要部を示す
図である。10は視標板11に設けられた視標を照明す
るための照明光源である。視標板11には4種類(上下
左右に切れ目を持つ)のランドルト環視標が同心円上に
配置されており、回転装置21の回転により視標を選択
する。
【0023】照明光源10の点灯により視標板11上の
視標は照明され、視標板11からの視標光束はプリズム
12によって反射し、レンズ群13を通りミラー14を
反射してレンズ群15に向かう。レンズ群13、15は
アフォーカル系にするために配置されており、レンズ群
13からレンズ群15間の距離はレンズ群13の焦点距
離とレンズ群15の焦点距離との和となっている。
【0024】レンズ群15を通過した光束はプリズム1
6へ入射する。プリズム16は入射された光束を左右に
分け、ミラー17Rとミラー17L(紙面の裏側方向に
あり、図では省略している)により視標光束をそれぞれ
反射させて被検者の左右の被検眼へ入射させる。
【0025】また、プリズム12は移動装置22によっ
て移動され、光学的に被検眼と視標との距離を見かけ上
48m〜3mまで変更することが可能である。視標板1
1上の視標は、被検眼と視標との距離が48mのときに
視力値1.6、30mのときに視力値1.0、3mのと
きに視力値0.1となるように設計されている。
【0026】18は検査窓2に配置された保護ガラスで
あり、ミラー17R、17Lに合せて左右に1ずつあ
る。また、片眼検査を行う際には、保護ガラス18の手
前の光路上に図示無きシャッタが挿入されるようになっ
ている。
【0027】20は装置の制御部であり、パネル部3、
応答ボタン4、ジョイスティック5が接続されている。
制御部20はこれらから入力される信号により、照明光
源10の点灯、回転装置21、移動装置22、音声ガイ
ド発生部23の作動を制御する。
【0028】また、制御部20は応答ボタン4(若しく
はジョイステック5)からの応答信号の入力によって視
標を停止させると、その位置データとメモリ24に記憶
されている被検者の反応動作ロス時間(被検者が検査視
標を認識してから実際に検査視標を止めるまでにかかる
ロス時間)を考慮した補正データとに基づいて被検者の
動体視力を算出する。
【0029】反応動作ロス時間を考慮した動体視力値の
算出について説明する。一般に、被検者が移動してくる
視標の判別を認識してから応答ボタン4を押すまでの反
応動作には時間的なロスがあり、その反応動作のロス時
間分、検査視標は前進している。応答ボタン4の入力信
号によって停止した視標位置に対応する動体視力値をそ
のまま測定結果としたのでは、被検者が視標の判別を認
識した時点での値とは異なることになる。そこで、被検
者の反応動作のロス時間を考慮することにより、視標の
停止位置から求まる動体視力値を補正する。
【0030】この補正に当たって、本形態では統計的に
得られた平均的な反応動作ロス時間を使用する。使用す
る反応動作ロス時間は次のようにして得た。被検者が楽
に見える視力値を持つランドルト環(例えば予め測定し
て得た静止視力の2段階ほどの低めの視標や、確実に見
える0.1視標等)を呈示し、視標を呈示した瞬間から
被検者が応答スイッチを押すまでの反応時間を調べた。
この視標を呈示するにあたっては、被検者に視標の切れ
目の方向が判ったらすぐに入力ボタンを押すように指示
した。また、視標の呈示は暗い状態から急に明るくする
のではなく、視標を呈示するときと同じ明るさの無視標
チャート(ランドルト環が描かれていない)を最初から
呈示しておくことで見づらさを少なくし、反応動作ロス
時間の検出に影響を及ぼさないようにした。被検者は老
若男女問わずランダムに選択された多数の者で行い数回
同様な方法にて実施し、その平均を求めた。その結果、
反応動作ロス時間は0.15秒ほどであることが統計的
に求められた。なお、反応動作ロス時間をさらに正確に
計るために、動体視力装置にて使用される入力手段と同
じ形態のもの(応答ボタンやジョイスティック)を使用
するとよい。
【0031】このようにして得られた反応動作ロス時間
に基づいて補正した動体視力値の算出方法を、図4を使
用して説明する。図4の上段は移動する視標の見かけ上
の距離を示し、下段は各距離に対応する動体視力値(Ki
netic Visual Acuity:以降KVA値と言う)を示して
いる。KVA値は、48mの視標位置で1.6、3mの
視標位置で0.1となり、3m近づく毎に0.1ずつK
VA値が下がっていく。ここで、検査視標の移動速度を
30km/hとした場合、48m地点から3mまでの4
5m間を5.4秒で移動するので、KVA値の0.1区
間(3m)は0.36秒で移動する。
【0032】前記の反応ロス時間0.15秒をKVA値
に換算する。視標はKVA値の0.1区間を0.36秒
で移動するので、反応ロス時間0.15秒はKVA値で
約0.04に相当する。これは被検者が検査視標を認識
してから実際に応答ボタン4を押して検査視標を止める
までの反応ロス時間の間に、KVA値で0.04分だけ
低くなっていることとなる。したがって、応答信号の入
力があった時点のKVA値より、補正データとして0.
04分加えることにより反応ロス時間を相殺した、KV
A値が得られることとなる。
【0033】例えば、応答信号の入力により、移動して
くる視標が34.2mの距離(図4のA地点)、すなわ
ちKVA値1.14のところで停止したとする。これを
表示単位ステップにするためにそのまま四捨五入すれば
KVA値1.1となるが、このデータに補正データであ
るKVA値0.04を加えることにより、1.14+
0.04=1.18(図4のB地点)となる。よって補
正後の四捨五入されたKVA値は1.2と1段階良くな
る。
【0034】また、設定速度を変えた場合、30km/
hでの補正データであるKVA値0.04を基準にし
て、20km/hでは0.04×20/30=0.02
7であるから、補正データとしてはこれを四捨五入にて
KVA値0.03とする。同様な算出方法により、40
km/hでは0.05、50km/hでは0.07、6
0km/mでは0.08を補正データとする。
【0035】例えば、設定速度が60km/hのとき、
検査視標が停止した地点がKVA値0.94であるなら
ば補正データ0.08を加え1.02とすればよく、補
正後の被検者のKVA値は四捨五入して1.0となる。
【0036】以上は検査視標が48m〜3m間で止めら
れた場合のKVA値の補正方法であるが、検査視標は3
mの地点(KVA値0.1)にて移動限界となるため、
検査視標が3m地点に達した後に応答入力信号があった
場合は以下の補正方法によりKVA値を求める。
【0037】図5は設定速度30km/hにおいて検査
視標が3m地点に到着してからの補正方法を示す図であ
る。KVA値は最終的に小数点第2位を四捨五入して表
示されるため、仮に検査視標が3m地点以降も移動でき
るものとして考えると、設定速度30km/hにおいて
はC地点(3m地点到達時間から0.18秒後の地点)
からD地点(3m地点到達時間から0.18秒前の地
点)まではKVA値0.1となる。
【0038】したがって、反応動作ロス時間を考慮すれ
ば、3m地点到達時間から0.18秒に反応動作ロス時
間0.15秒を加えた0.33秒までをKVA値0.1
とする。つまり、3m地点にて検査視標が停止後0.3
3秒以内に応答信号の入力があればKVA値は0.1と
なる。3m地点到達からの時間の計測は制御部20にお
いて動体視力測定開始時から計っていても良いし、3m
地点に検査視標が到達してから時間を計り始めても良
い。また、0.33秒以内に応答信号の入力がなかった
場合は、KVA値は0.1未満とされる。
【0039】以上のような構成を持つ装置において、動
体視力測定の動作を説明する(検査モードは手動検査モ
ードとする)。
【0040】動体視力スイッチ34が押されると、制御
部20は視標距離を48m(視力1.6)になるように
プリズム12を動かした後、見かけ上30km/hの速度
で被検眼に向かって視標が近づいてくるようにプリズム
12の移動制御を行う。視標種類は制御部20によりラ
ンダムに決定されており、その種類はランプ35aの点
灯により確認できる。
【0041】被検者は向かってくる視標を観察しながら
視標の判別ができたところで、応答ボタン4を押す。応
答ボタン4が押されると制御部20は直ちにプリズム1
2の移動を止めると共に、照明光源10を消灯して視標
を見えなくする。又同時に制御部20は視標を止めた見
かけ上の位置から求めた動体視力値(KVA値)と前述
したKVA値の補正データを使用し、補正後のKVA値
を算出する。このKVA値は反応動作ロス時間が考慮さ
れた値となっているため、従来のKVA値に比べ信頼度
が高くなっている。
【0042】被検者には応答ボタン4を押した後、口頭
にてランドルト環視標の切れ目方向を答えてもらう。被
検者が答えた視標方向と選択ランプ35aが点灯してい
る視標方向とが合っていた場合は動体視力スイッチ34
を押して2回目の検査を行う。被検者が答えた視標方向
と選択ランプ35aが点灯している視標方向とが違って
いた場合には誤解答であるので、誤解答入力スイッチ3
6を押して誤解答をチェックする。誤解答入力スイッチ
36が押されるとその時の測定結果は記録されずもう一
度、同回目の検査を行う。このようにして正答したもの
だけの集計を取り、合計5回の検査が終了すると平均の
KVA値が表示部37に表示され、動体視力検査を終了
する。検査結果は印刷スイッチ38を押すことによりプ
リンタ8よりプリントアウトされる。
【0043】以上におけるKVA値の補正方法は、年齢
性別を問わず一律に反応動作ロス時間を所定時間(0.
15秒)としていたが、例えば年齢や性別毎に反応動作
ロス時間の補正データを取っておき、各被検者の年齢性
別に合せて設定を換えることで、さらに精度よくKVA
値の測定が可能となる。この場合、予め年齢性別毎のデ
ータをメモリ24に記憶させておき、図6のように操作
パネル3の年令性別入力用のスイッチ40を設ける。
【0044】スイッチ40が1回押されたら年令入力モ
ードとし、入力する年令を視力値スイッチ33で設定す
る。もう一度押されたら性別入力モードとして、同様に
視力値スイッチ33で設定する。この設定により、対応
する反応動作ロス時間の補正データがメモリ24から呼
び出されて動体視力値の補正が行われる。
【0045】<実施形態2>先の形態では、統計的に求
めた反応動作ロス時間を補正データの基礎としたが、実
施形態2では動体視力検査を行う前に各被検者毎に反応
動作ロス時間を計測し、これを補正データとして使用す
ることにより、さらに精度良く測定結果が選られるよう
にする。反応動作ロス時間は他の計測装置で計測したも
のを実施形態1の装置に入力しても良いが、これは手間
であるので、実施形態2では反応動作ロス時間を計測す
る機構が組み込まれた装置例としている。
【0046】図7は実施形態2の装置の操作パネルを示
す図であり、50は反応時間測定用のスイッチである。
他の構成は基本的に実施形態1と同様であるので(視標
板11には無視標チャートが追加されている)、その説
明は省略する。
【0047】以下、実施形態2の装置における動作を、
実施形態1と異なる部分を中心に説明する(図8のフロ
ーチャート参照)。なお、各構成要素については実施形
態1と同一の符号を用いて説明する。また、検査モード
は実施形態1と同様に手動検査モードとする。
【0048】まず、初めに被検者の静止視力を測定す
る。被検者に測定窓2から装置内部を覗き込むように指
示し、検査する眼をスイッチ31で選択する。静止視力
スイッチ32で静止視力の検査を選択したら、視力値ス
イッチ33の操作により視力値を選び、また、視標スイ
ッチ部35の4つの視標スイッチにより視標の方向(種
類)を選択する。制御部20は視標板11を回転させて
選択された視標を光路上に置くとともに、照明光源10
により照明される視標の光学的距離が指示された視力値
に相当するようにプリズム12を移動させる。
【0049】検者は、この状態で被検者に視標の切れ目
方向が判別できるか尋ねながら検査を進める。視力値と
視標の種類を変えながら検査を行い、同一視力値視標で
3個中2個以上の正答が得られれば、その視力があるも
のとする。
【0050】次に反応時間測定スイッチ50を押して被
検者の反応時間を測定する。スイッチ50が押されると
制御部20は視標を呈示するときと同じ明るさの無視標
チャート(ランドルト環が描かれていない)を呈示す
る。これは明るさが変わることによる視標の見づらさを
少なくし、反応動作ロス時間の検出に影響を及ぼさない
ようにするためである。
【0051】検査視標を呈示するにあたって、検者は被
検者に視標の切れ目の方向が判ったらすぐに応答ボタン
4を押すように指示した後、反応動作ロス時間の測定を
行う。視標スイッチ部35を使用し、視標の方向を選択
すると共に被検者に視標を呈示する。選択された視標は
選択ランプ35aが点灯する。また、呈示される視標の
視力値は先程求めておいた静止視力値より2段階低めの
視力値が呈示されるように制御部20により制御されて
いる。この場合、被検者が楽に見える視力値を持った検
査視標であれば良いため、2段階低めに限らず、設定に
よって3段階低めの視力値にしたり、視力値0.1の固
定検査視標としてもよい。
【0052】被検者は検査視標が呈示された瞬間に方向
を判別し、応答ボタン4にて判別できたことを応答入力
する。応答ボタン4が押されると制御部20は検査視標
を消すと共に、検査視標が呈示されてから応答ボタンが
押されるまで(応答信号が入力さるまで)の反応時間を
計測し記憶する。
【0053】被検者には応答ボタン4を押した後、口頭
にてランドルト環視標の切れ目方向を答えてもらう。被
検者の答えが正答の場合はスイッチ50を押して2回目
の検査を行う。被検者の答えが誤答の場合に誤解答入力
スイッチ36を押す。誤解答入力スイッチ36が押され
るとその時の測定結果は記録されずもう一度、同回目の
測定を行う。このようにして正答したものだけの集計を
取り、計5回の測定が終了すると平均の反応動作ロス時
間を算出し、表示部33a、37bを使って表示され
る。なお、この場合5回の計測の平均を取っているが、
中間値を選択したり、検査値の上下限値を除いた3つの
平均でもよい。また、検者の判断によりその集計数を変
更することも可能である。
【0054】反応時間の測定ができたら、スイッチ34
を押して前述した動体視力測定を行う。動体視力測定に
おけるKVA値の補正に際しては、補正データとして先
に求められた平均の反応動作ロス時間が使用される。静
止視力値及び動体視力値の測定結果は、印刷スイッチ3
8を押すことによりプリンタ8より反応時間の測定結果
と共にプリントアウトされる。
【0055】以上のように各被検者毎の反応時間を予め
求めておくことができるため、より正確なKVA値が得
られる。また、KVA値とともに反応時間の結果が合せ
てプリントアウトされるため、この両者によりさらに詳
しく個別にアドバイスを行うことができる。
【0056】例えば、A被検者及びB被検者において、
共に静止視力値=0.8であり、両者の反応時間の測定
結果と反応時間を考慮したKVA値の結果が下記の関係
になったとする(反応時間を考慮しない従来の測定方法
では共にKVA値=0.4となるケースである)。 A被検者:反応時間=0.05秒、反応時間を考慮した
KVA値=0.4 B被検者:反応時間=1.50秒、反応時間を考慮した
KVA値=0.8
【0057】静止視力に比べ、A被検者はKVA値の低
下が大きく、B被検者は少ない。したがって、視機能の
観点からはB被検者の方が良好であることが解る。反応
時間はA被検者の方が良好で、B被検者は遅い。車の運
転においては、眼から入った情報を判断して手足の操作
を行うまでの一連の時間が必要であり、従来の測定方法
はこの反応時間を含んで測定していると言えなくない
が、それを「動体視力の低下」と誤った結果に結びつけ
ていたことになる。
【0058】上記の例の場合、KVA値と反応時間の結
果から、A被検者はKVA値を高める必要があることが
解り、「適切な眼鏡等を用いて静止視力共々高めること
を勧める」といったアドバイスができる。一方、B被検
者は視機能自体は悪くないが、反応時間が良好でないの
で、「とっさの時には、日ごろからどう対応するかの心
構えを持つように」といったアドバイスが行える。反応
時間の善し悪しについては、統計的に得られた時間を基
準にすれば良い。なお、従来の測定方法によるKVA値
も得て、総合的な評価の意味で合せてプリント出力する
のも効果的であるし、単に従来の測定方法で得られるK
VA値と反応時間の測定結果とを表示器に表示したり、
プリント出力するだけでも、被検者毎に有効なアドバイ
スを行うことができる。また測定値だけでなく反応時間
やKVA値に基づいたメッセージを表示、プリント出力
することも考えられる。
【0059】以上説明した実施形態1、2では、応答ボ
タン4を使用し、手の操作によって視標判別を行う構成
としたが(足によるスイッチ操作にすることもできる
が)、細かい指の操作が不得手な被検者の場合、手足自
体が不自由な被検者の場合には、音声にて視標判別を行
う構成にすれば都合が良い。たとえば、図9のように被
検者が応答するためのマイク60と声の認識を行う音声
認識部61を設け、選択スイッチ62の選択により、応
答ボタン4(又はジョイスティック5)による応答信号
の入力に代えて音声で応答できるようにする。この場合
「ハイ、イイエ、ウエ、シタ、ミギ、ヒダリ」程度の言
葉を認識できるようにしておけば良く、音声認識ソフト
などの複雑で高価な処理手段を設けずに済む。装置側で
は音声による応答信号の入力によって、応答ボタン4
(又はジョイスティック5)の信号が入力されたときと
同様な処理を行って、動体視力測定、反応時間の測定を
行う。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被検者が視標を判別してから応答するまでの反応時間を
含んだ値を改善して、より的確な測定結果を得ることが
できる。また、被検者毎の反応時間を測定することによ
り、これを測定結果に反映させたり、その反応時間の結
果から被検者に対して適切なアドバイスを行うことがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】装置の外観を示す図である。
【図2】操作パネルの詳細を示す図である。
【図3】光学系と制御系を示す図である。
【図4】視標の見かけ上の距離と各距離に対応する動体
視力値を示す図である。
【図5】検査視標が3m地点に到着後からの動体視力値
の補正方法を示した図である。
【図6】補正データに年令性別が含まれる場合の操作パ
ネルの詳細を示す図である。
【図7】被検者毎に補正データを求める場合の操作パネ
ルの詳細を示す図である。
【図8】反応時間を測定する際の流れを示したフローチ
ャートである。
【図9】音声による入力機構を備えた場合の制御系ブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 装置本体 3 操作パネル 4 応答ボタン 5 ジョイスティック 8 プリンタ 20 制御部 22 移動装置 40 スイッチ 50 反応時間測定スイッチ 60 マイク 61 音声認識部 62 選択スイッチ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼に向かって検査視標を移動する移
    動手段を持ち、被検者が応答したときの視標位置に基づ
    いて動体視力を測定する動体視力検査装置において、被
    検者が検査視標の判読を認知してから応答するまでの反
    応時間を考慮して動体視力を求める演算手段を備えるこ
    とを特徴とする動体視力検査装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の演算手段は、前記移動手段に
    よる検査視標の移動速度に応じて前記反応時間を考慮し
    た補正データを求め、該補正データと被検者が応答した
    ときの視標位置とに基づいて動体視力を得ることを特徴
    とする動体視力検査装置。
  3. 【請求項3】 請求項1の動体視力検査装置において、
    前記反応時間は多数の被検者によって統計的に得られた
    値であることを特徴とする動体視力検査装置。
  4. 【請求項4】 請求項3の動体視力検査装置において、
    さらに前記反応時間は年齢又は性別の少なくとも一方に
    より区分けして可変されることを特徴とする動体視力検
    査装置。
  5. 【請求項5】 請求項1の動体視力検査装置は、被検者
    毎の前記反応時間を計測する反応時間計測手段を備える
    ことを特徴とする動体視力検査装置。
  6. 【請求項6】 請求項5の反応時間計測手段は、被検者
    が判読できる大きさの視標を呈示する視標呈示手段と、
    該呈示された視標を被検者が判読したことを装置に伝え
    るための入力手段と、前記視標が呈示されてから前記入
    力手段を使用するまでの時間を計測する計測手段と、を
    備えることを特徴とする動体視力検査装置。
  7. 【請求項7】 請求項5の動体視力検査装置において、
    前記反応時間計測手段により得られた反応時間を前記演
    算手段により求められた動体視力値とともに印字出力す
    る出力手段を備えることを特徴とする動体視力検査装
    置。
  8. 【請求項8】 被検眼に向かって検査視標を移動する移
    動手段と、該移動手段により移動する前記検査視標を被
    検者が判読できたことを伝える応答手段とを備え、前記
    応答手段により応答したときの視標位置に基づいて動体
    視力を測定する動体視力検査装置において、被検者が検
    査視標の判読を認知してから前記応答手段により応答す
    るまでの反応時間を計測する反応時間計測手段と、該反
    応時間計測手段による計測結果に基づいて得られる情報
    を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする動体
    視力検査装置。
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