JP2000124553A - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその製造方法

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JP2000124553A
JP2000124553A JP10295083A JP29508398A JP2000124553A JP 2000124553 A JP2000124553 A JP 2000124553A JP 10295083 A JP10295083 A JP 10295083A JP 29508398 A JP29508398 A JP 29508398A JP 2000124553 A JP2000124553 A JP 2000124553A
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plane
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semiconductor laser
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Chikashi Anayama
親志 穴山
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザ装置及びその製造方法に関し、
活性層自体に横方向のキャリア閉じ込め機構及び屈折率
分布を形成した擬似BH型半導体レーザを低コストで提
供する。 【解決手段】 InP段差基板1上に設けたウエル層が
InGaAsPからなる多重量子井戸構造の活性層4に
おける、少なくともウエル層の斜面3に沿った領域のA
s組成比を主面2に沿った領域のAs組成比より高くす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ装置及
びその製造方法に関するものであり、特に、光ファイバ
通信システムの光源として用いる赤外領域に発振波長を
有する段差基板を用いた横モード制御型の半導体レーザ
装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信は、大容量化と低コスト化
が進み、将来的には、各家庭に光ファイバを引き入れる
所謂FTTH(Fiber To The Home)
が目標となっており、この目標を実現するには、高性能
の光通信モジュールを低価格で提供することが必須であ
り、光通信モジュールを構成する光通信用の半導体レー
ザには、特に、低価格化と、高温動作とが要求されてい
る。
【0003】ここで、図3を参照して、従来より提案さ
れている光通信用半導体レーザを説明する。 図3(a)参照 図3(a)は、InP/InGaAsP系光通信用半導
体レーザの主流であるるBH(Buried Hete
ro)型半導体レーザの断面図であり、まず、n型In
P基板31上に、n側クラッド層を兼ねるn型InPバ
ッファ層32、InGaAsP歪MQW(多重量子井戸
構造)活性層33、及び、p型InPクラッド層34を
順次堆積させたのち、SiO2 マスク(図示せず)をマ
スクとしてn型InPバッファ層32に達するメサエッ
チングを行ってリッジ状メサ35を形成する。
【0004】次いで、SiO2 マスクを選択成長マスク
として用いて、リッジ状メサ35の側面に、クラッド層
を兼ねるn型InP埋込バッファ層36、クラッド層を
兼ねるp型InP埋込層37、クラッド層を兼ねるn型
InP電流ブロック層38、及び、クラッド層を兼ねる
p型InP埋込保護層39を順次成長させたのち、Si
2 マスクを除去し、次いで、全面に、p型InPクラ
ッド層40及びp型InGaAsコンタクト層41を順
次成長させることによって基本的積層構造を形成したも
のである。
【0005】この様なBH型半導体レーザにおいては、
活性層の上下左右に活性層と異なった組成の半導体層が
存在し、且つ、活性層の体積自体が小さいため、発振し
きい値電流Ithが小さいという特徴を有している。これ
は、活性層の両脇を異なる組成、従って、異なる屈折率
の半導体層にすることによって、横方向の光を閉じ込め
る機能をもたせると共に、活性層の体積を小さくするこ
とによって光を出すための電流を少なくし、それによっ
て、周波数特性を改善することが可能になっている。
【0006】図3(b)参照 図3(b)は、リッジ型半導体レーザの断面図であり、
まず、n型InP基板51上に、n側クラッド層を兼ね
るn型InPバッファ層52、InGaAsP歪MQW
活性層53、p型InPクラッド層54、p型InGa
AsPエッチングストップ層55、及び、p型InPク
ラッド層56を順次堆積させたのち、SiO2 マスク
(図示せず)をマスクとしてp型InGaAsPエッチ
ングストップ層55に達するようにp型InPクラッド
層56をメサエッチングしてリッジ状メサを形成し、次
いで、p型InGaAsPエッチングストップ層55の
露出部をエッチング除去する。
【0007】次いで、SiO2 マスクを選択成長マスク
として用いて、リッジ状メサの側面に、クラッド層を兼
ねるp型InP埋込層57、クラッド層を兼ねるn型I
nP電流ブロック層58、及び、クラッド層を兼ねるp
型InP埋込保護層59を順次成長させたのち、SiO
2 マスクを除去し、次いで、全面に、p型InPクラッ
ド層60及びp型InGaAsコンタクト層61を順次
成長させることによって基本的積層構造を形成したもの
である。
【0008】この様なリッジ型半導体レーザにおいて
は、活性層を直接加工することがないので、結晶欠陥等
による素子特性の劣化の影響が比較的少ないという特徴
があり、GaAs系半導体レーザの様に、結晶欠陥がレ
ーザの寿命に強く影響する様な場合に良く用いられてい
るストライプ構造である。
【0009】しかし、この様な従来の半導体レーザにお
いて各種の問題があり、例えば、図3(a)に示したB
H型半導体レーザの場合には、活性層をエッチングによ
り加工するので、その部分で生ずる結晶欠陥や、不純物
等によって素子特性が若干劣化してしまうという問題が
ある。
【0010】また、図3(b)に示したリッジ型半導体
レーザにおいては、活性層自体がレーザ発振領域以外に
も横方向に延在しており、且つ、p型InP埋込層57
及びn型InP電流ブロック層58がp型クラッド層5
6と同じInP層で構成されているので、活性層の横方
向に等価的な屈折率分布が形成されずアンチガイド構造
となっているので、光横モードを安定にできないという
致命的欠陥がある。また、活性層の体積が大きいのでし
きい値電流Ithが比較的高くなり、InP系光通信用半
導体レーザとしては、あまり採用されていないものであ
る。
【0011】この様に、BH型半導体レーザ及びリッジ
型半導体レーザには夫々問題点があるが、両者の長所の
みを同時に採用することにより理想的な構成が得られる
ものと考えられ、具体的には、活性層を直接加工成形す
るプロセスなしにストライプ幅を小さくすることがで
き、且つ、活性層の横方向に屈折率変化をつけることが
できることが理想である。
【0012】そこで、本発明者等は、AlGaInP系
の短波長半導体レーザにおいて、この様なBH型半導体
レーザ及びリッジ型半導体レーザの長所のみを同時に採
用した一回成長型半導体レーザを提案(必要ならば、特
開平6−45708号公報参照)しているので、この一
回成長型半導体レーザ、即ち、屈曲導波型のS3 レーザ
(Self−aligned Stepped Sub
strate Laser:エスキューブレーザ)を図
4乃至図6を参照して説明する。
【0013】図4(a)参照 図4(a)は一回成長型半導体レーザの斜視図であり、
主面が(100)面のn型GaAs基板71に斜面がほ
ぼ(311)A面となる段差を形成したのち、この上に
MOVPE法(有機金属気相成長法)を用いて、n型G
aAsバッファ層72、n型GaInP中間層73、n
型AlGaInPクラッド層74、MQW活性層75、
p型AlGaInPクラッド層76、周辺部がn型Al
GaInP電流ブロック層77となり中央部がp型Al
GaInP電流チャネル層78となるp側第2クラッド
層、p型AlGaInPクラッド層79、p型GaIn
P中間層80、及び、p型GaAsコンタクト層81を
順次成長させたものである。なお、(311)A面は、
III 族元素(この場合はGa)が表面に現れている(3
11)面である。
【0014】この場合、周辺部がn型AlGaInP電
流ブロック層77となり中央部がp型AlGaInP電
流チャネル層78からなるp側第2クラッド層の成長工
程において、不純物ドーピングの結晶面方位依存性を利
用して、一回の結晶成長工程で電流狭窄機構を形成して
いるので、この事情を図4(b)を参照して説明する。 図4(b)参照 図4(b)はZnとSeを同時ドーピングしてAl0.35
Ga0.15In0.5 P層を成長した場合のAl0.35Ga
0.15In0.5 P層におけるキャリア濃度の面方位依存性
を示す図であり、横軸は(100)面から(111)A
面方向へのオフ角を表している。
【0015】図において、白丸及び黒丸で表しているよ
うに、(711)A面近傍でキャリア濃度が最低になる
ので、不純物を同じ量ドーピングした場合には、n>7
の(n11)A面ではn型層が得られ、m≦7の(m1
1)A面ではp型層が得られることになり、n型GaA
s基板71の斜面、即ち、(311)A面に沿って成長
したAl0.35Ga0.15In0.5 P層はほぼ(411)A
面となり、p型層になるが、n型GaAs基板71の平
坦面、即ち、(100)面に沿って成長した部分は、
(100)面であるのでn型層になる。なお、このn及
びmの値は不純物のドーピング量、ドーピング比等に依
存するので、格別臨界的な意味はない。
【0016】この様なキャリア濃度の面方位依存性は、
不純物の取り込み効率に面方位依存性があるためである
ので、この事情を図5を参照して説明する。 図5(a)参照 図5(a)は、p型不純物であるZn及びMgの取り込
み効率の面方位依存性を示す図であり、(100)面か
ら(111)A面方向及び(111)B面方向へのオフ
角を有する基板にZn及びMgを含んだ成長ガスからA
lGaInP層を成長させた場合の、AlGaInP層
における不純物の相対的な取り込み効率を示したもので
ある。
【0017】黒丸及び黒四角で示すのはC−V測定(容
量測定)で測定した相対的キャリア濃度であり、また、
白丸及び白四角で示すのはSIMS(Secondar
yIon Mass Spectroscopy)で測
定した相対的不純物濃度であり、これらの差によって不
純物の活性化率が分かると共に、結晶の面方位による不
純物濃度の差、即ち、相対的な不純物の取り込み効率の
面方位依存性が分かる。なお、丸はA方向を示し、四角
はB方向を示す。
【0018】図から明らかなように、Znの場合には、
A方向についてはオフ角が大きくなるにしたがって、即
ち、(n11)のnが小さくなるにしたがって、不純物
濃度及びキャリア濃度が上昇し、オフ角が25°、即
ち、(311)面近傍で、最大になり、以後低下してい
くが、(111)A面においても(100)面の6倍程
度の濃度を有している。この場合、不純物濃度とキャリ
ア濃度とはほとんど差がないので、即ち、不純物の活性
化率に面方位依存性が見られないので、この結果は不純
物の取り込み効率の面方位依存性を表していることにな
る。
【0019】一方、B方向については、不純物の取り込
み効率の面方位依存性はあまり見られず、寧ろ(11
1)B面では、(100)面の半分になっている。ま
た、Mgの場合にも、Znとほぼ同様な傾向が見られる
が、Znより面方位依存性が小さい。
【0020】図5(b)参照 図5(b)は、n型不純物であるSeの取り込み効率の
面方位依存性を示す図であり、Seについては、p型不
純物と逆の傾向が見られ、A方向においてはオフ角が大
きくなるに連れて不純物の取り込み効率が低下し、一
方、B方向においてはオフ角が大きくなるに連れて不純
物の取り込み効率が増加する。
【0021】したがって、異なる面方位を持つ半導体表
面に対し、Zn或いはMgからなるp型不純物及びSe
からなるn型不純物を同時にドーピングすることによ
り、p型領域とn型領域とを同時に成長させることがで
きるという上述の図4(b)の結果を説明することがで
きる。
【0022】この様に、従来の1回成長型半導体レーザ
はMOVPE法における不純物ドーピングの面方位依存
性を利用して電流狭窄機構を形成しているので、埋め込
み構造や、拡散を用いることなく、連続した一回成長工
程で活性層の横方向に電流狭窄機構と屈折率分布の両方
を形成することができるので、高歩留りで且つ低価格で
半導体レーザを製造することができる。
【0023】また、この一回成長型半導体レーザはロス
ガイド構造、即ち、光吸収損失による複素屈折率導波構
造ではないため、光の吸収損失を考慮しなくて良く、そ
のため、高効率で低消費電力であり、また、低非点収差
特性が得られるという利点がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】この様な一回成長型半
導体レーザに関する技術事項をInP/InGaAsP
系半導体レーザに適用することによって優れた特性を有
する光通信用半導体レーザが安価に得られるものと期待
され、本出願人等によって既に一般論として示唆(例え
ば、特開平7−263805号公報参照)されている
が、その詳細な構成については必ずしも明らかなもので
はなかった。
【0025】即ち、同公開公報においては、その尚書き
において、単に、基板としてInP基板を用いても良い
こと、及び、クラッド層としてInPクラッド層を用い
ても良いとするだけであり、その具体的内容については
何ら開示がなされていないものである。
【0026】また、InP/InGaAsP系半導体レ
ーザを単に一回成長型半導体レーザとして構成しても、
横方向の電流狭窄及び活性層自体の横方向の屈折率分
布、即ち、活性層の斜面に沿った領域と平坦な主面に沿
った領域との間のキャリア閉じ込めと屈折率分布とが、
光通信用半導体レーザとしては必ずしも充分なものでは
ないと考えられた。
【0027】したがって、本発明は、活性層自体に横方
向のキャリア閉じ込め機構及び屈折率分布を形成した擬
似BH型半導体レーザを低コストで提供することを目的
とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理的構
成の説明図であり、この図1を参照して本発明における
課題を解決するための手段を説明する。 図1参照 (1)本発明は、nをn>7の実数とし、n′を2≦
n′≦7の実数とし、n″を3≦n″≦7の実数とした
場合、(100)面または(n11)A面のいずれかを
主面2とし、(n′11)A面を斜面3とする段差基板
1を用いると共に、(100)面または(n11)A面
のいずれかを主面2とし、(n″11)A面を斜面3と
する活性層4、活性層4上に、斜面3に沿った領域の正
孔濃度が主面2に沿った領域の正孔濃度より高いp側第
1クラッド層5、及び、主面2においてn型電流ブロッ
ク層8となり斜面3においてp型電流チャネル層7とな
るp側第2クラッド層6を少なくとも設けた半導体レー
ザ装置において、段差基板1としてInP基板を用いる
と共に、活性層4として、ウエル層がInGaAsPか
らなる多重量子井戸構造活性層を用い、少なくともウエ
ル層の斜面3に沿った領域のAs組成比が主面2に沿っ
た領域のAs組成比より高いことを特徴とする。
【0029】この様に、段差基板1の面方位を上記のよ
うに選定すると共に、活性層4をウエル層がInGaA
sPからなる多重量子井戸構造活性層とし、Asの取り
込み効率の面方位依存性を利用して、少なくともウエル
層の斜面3に沿った領域を高As組成領域9とし、主面
2に沿った領域を低As組成領域10とすることによっ
て、活性層4自体の横方向に屈折率分布及び禁制帯幅分
布を形成することができるので、従来の1回成長型半導
体レーザに比べて横方向の光閉じ込め及びキャリア閉じ
込めを高めた擬似BH型半導体レーザとすることがで
き、それによって、素子特性を向上することができる。
【0030】また、通常のp型不純物の場合には、A面
についてはオフ角が大きくなるにしたがって、即ち、
n′又はn″が小さくなるにしたがって不純物濃度及び
キャリア濃度が上昇するので、n′,n″<nとするだ
けで斜面3に沿った領域おける正孔濃度を主面2に沿っ
た領域における正孔濃度より高くすることができる。な
お、(100)面は、(n11)面のnを無限大∞にし
た場合に相当する。
【0031】(2)また、本発明は、上記(1)におい
て、n型電流ブロック層8及びp型電流チャネル層7
が、Zn,Mg,Cdの内の1つと、S,Seのいずれ
かとを同時に含んでいることを特徴とする。
【0032】一般に、A面においてはp型不純物の取り
込み効率の面方位依存性とn型不純物の取り込み効率の
面方位依存性とは互いに逆の傾向を有するので、p型不
純物とn型不純物とを同時ドープすることによって、主
面2に沿って成長する領域をn型層とし、斜面3に沿っ
て成長する領域をp型層とすることができ、それによっ
て、電流狭窄機構を形成することができる。
【0033】(3)本発明は、上記(1)において、n
型電流ブロック層8において、Zn,Mg,Cdの内の
1つがドープされた層と、S,Seのいずれかがドープ
された層とが交互に積層され、且つ、p型電流チャネル
層7において、Zn,Mg,Cdの内の1つがドープさ
れた層と、Zn,Mg,Cdの内の1つと、S,Seの
いずれかが同時にドープされた層とが交互に積層された
ことを特徴とする。
【0034】p側第2クラッド層6に対して、p型不純
物とn型不純物とを交互にドープした場合、p型不純物
とn型不純物の取り込み効率の面方位依存性及び傾向の
違いによって形成されたキャリア濃度分布によって、斜
面3に沿った領域においてはp型不純物が不純物濃度差
による拡散原理によりn型層に進入してp型不純物とn
型不純物とが混在化したp型電流チャネル層7となる。
一方、主面2に沿った領域においては、p型不純物は不
純物濃度差によってブロックされて拡散が生ぜず、且
つ、n型不純物の拡散は殆ど起こらないので、pnpn
pn・・構造のドーピングプロファイルになるが、これ
らの層は全て薄いのでキャリアの拡散によりp型ドープ
部分が空乏化して均一なn型電流ブロック層8となる。
【0035】(4)また、本発明は、上記(1)乃至
(3)のいずれかにおいて、段差基板1と活性層4との
間に、厚さが0.5μm以上のInPクラッド層を設け
たことを特徴とする。
【0036】この様に、段差基板1と活性層4との間
に、厚さが0.5μm以上のInPクラッド層を設ける
ことによって、斜面3の面方位のばらつきを抑えること
ができ、素子特性に優れた半導体レーザを再現性良く製
造することができる。
【0037】(5)また、本発明は、上記(1)乃至
(4)において、活性層4を構成するバリア層及び光ガ
イド層の少なくとも一方を、Al1-x-y Inx Gay
s(但し、0<x<1,0≦y<1)から構成すること
を特徴とする。
【0038】(6)また、本発明は、上記(1)乃至
(5)のいずれかにおいて、p側クラッド層の一部を、
Al1-v-w Inv Gaw As(但し、0<v<1,0≦
w<1)から構成することを特徴とする。
【0039】活性層4としてInGaAsPをウエル層
とする多重量子井戸構造活性層を用い、且つ、少なくと
も、電流狭窄機構を構成するp側第2クラッド層の部分
をInPで構成した場合には、上記の様な不純物の取り
込み効率の面方位依存性が殆ど見られないが、禁制帯幅
が大きく且つΔEC に起因するスパイクの小さなAlI
nGaAsを活性層4を構成するバリア層または光ガイ
ド層、或いは、p側クラッド層の一部として用いること
によって、より特性の優れた半導体レーザを構成するこ
とが可能になる。
【0040】(7)また、本発明は、nをn>7の実数
とし、n′を2≦n′≦7の実数とし、n″を3≦n″
≦7の実数とした場合、(100)面または(n11)
A面のいずれかを主面2とし、(n′11)A面を斜面
3とする段差基板1を用いると共に、(100)面また
は(n11)A面のいずれかを主面2とし、(n″1
1)A面を斜面3とする活性層4、p側第1クラッド層
5、及び、p側第2クラッド層6を少なくとも設けた半
導体レーザ装置の製造方法において、段差基板1として
InP基板を用いると共に、活性層4として、ウエル層
がInGaAsPからなる多重量子井戸構造活性層を用
い、少なくともウエル層の斜面3に沿った領域のAs組
成比が主面2に沿った領域のAs組成比より高くなるよ
うに有機金属気相成長法を用いて製造することを特徴と
する。
【0041】この様に、成長方法として有機金属気相成
長法(MOVPE法)を用いることによって、活性層4
の斜面3に沿った領域のAs組成比を主面2に沿った領
域のAs組成比より高くすることができ、特に、活性層
4を多重量子井戸構造とすることによって、活性層4に
転位を発生させることなくAs組成分布を形成すること
ができる。
【0042】即ち、本発明者は、従来の知見からは予測
し得ないAs取り込み効率の面方位依存性を発見し、こ
の現象を多重量子井戸構造と組み合わせることによっ
て、一回成長法を用いて、活性層4の横方向のキャリア
閉じ込め及び光閉じ込の良好な光通信用InGaAsP
系半導体レーザを活性層4に転位等を発生させることな
く製造することを可能にしたものである。
【0043】(8)また、本発明は、上記(7)におい
て、p側第1クラッド層5を成長させる際に、不純物の
取り込み効率の面方位依存性を利用して、段差基板1の
斜面3に沿った領域の正孔濃度を、主面2に沿った領域
の正孔濃度より高くすることを特徴とする。
【0044】(9)また、本発明は、上記(7)または
(8)において、p側第2クラッド層6を成長させる際
に、p型不純物とn型不純物の取り込み効率の面方位依
存性の違いを利用して、段差基板1の斜面3に沿った領
域をp型電流チャネル層7とし、主面2に沿った領域を
n型電流ブロック層8としたことを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】ここで、図2を参照して、本発明
の実施の形態の擬似BH型半導体レーザを説明する。な
お、図2(a)は擬似BH型半導体レーザの断面図であ
り、また、図2(b)は、InPにおける不純物の取り
込み効率の面方位依存性の説明図である。 図2(a)参照 まず、(100)面から(111)A面に6°オフした
主面を有するSnドープn型InP基板11上にフォト
レジスト(図示せず)を塗布し、150μm間隔で幅1
50μmのストライプ状開口部を有するレジストパター
ンをフォトリソグラフィー工程によって形成する。
【0046】次いで、レジストパターンをマスクとして
HCl系エッチャントを用いてエッチングすることによ
って主面に対する傾斜角が約14°以上、即ち、(10
0)面に対するオフ角が20°以上の斜面を有する深さ
0.3μmの溝を形成する。
【0047】次いで、バッファ層からコンタクト層まで
全ての層をMOVPE法によって連続成長させるもので
あるが、この場合、全体の成長工程を通して、成長圧力
は50Torr、成長効率は約800μm/mol、キ
ャリアガスの水素を含めた総流量は8000sccmで
ある。
【0048】まず、段差が形成されたn型InP基板1
1上に、基板温度を620℃とした状態で、TMI(ト
リメチルインジウム)及びPH3 を用いて、PH3 /T
MI比が120となり、成長速度が1μm/時となるよ
うに原料ガスを流すと共に、Si2 6 を不純物源とし
て流すことによってキャリア濃度が7×1017cm-3
厚さが0.5μm以上、例えば、0.5μmのn側クラ
ッド層を兼ねるn型InPバッファ層12を成長させ
る。
【0049】この場合、n型InPバッファ層12を
0.5μm以上の厚さに成長させることによって、斜面
に表れる面は(411)A面付近の面方位に落ち着くよ
うになり、また、不純物としてSi2 6 、即ち、Si
を用いているので、取り込み効率の面方位依存性は小さ
く、斜面における電子濃度と主面にける電子濃度とはほ
ぼ均一になる。
【0050】次いで、InGaAsPMQW活性層13
を成長させるが、まず、基板温度を同じく620℃とし
た状態で、TMI、TEG(トリエチルガリウム)、A
sH 3 、及び、PH3 を用いて、V族/III 族比が80
となり、成長速度が0.5μm/時となるように原料ガ
スを流すと共に、Si2 6 を不純物源として流すこと
によってキャリア濃度が5×1017cm-3で厚さが70
nmでPL波長が1.05μm組成の無歪のn型In
0.893 Ga0.107 As0.230.77光ガイド層を成長させ
たのち、同じ条件の下でSi2 6 の供給を止めた状態
で、厚さ30nmでPL波長が1.05μm組成の無歪
のノン・ドープIn0.893 Ga0.107 As 0.230.77
ガイド層を成長させる。なお、InGaAsPにおける
組成比は、斜面に沿った領域における組成比を表してお
り、以下同じである。
【0051】次いで、基板温度を同じく620℃とした
状態で、TMI、TEG、AsH3、及び、PH3 を用
いて、V族/III 族比が70となり、成長速度が0.5
μm/時となるように原料ガスを流すことによって、厚
さが6nm(=60Å)で圧縮歪が1%のノン・ドープ
In0.899 Ga0.101 As0.530.47ウエル層、及び、
基板温度を同じく620℃とした状態で、TMI、TE
G、AsH3 、及び、PH3 を用いて、V族/III 族比
が80となり、成長速度が0.5μm/時となるように
原料ガスを流すことによって、厚さが10nm(=10
0Å)で、PL波長が1.1μm組成の無歪のノン・ド
ープIn0.855 Ga0.145 As0.320. 68バリア層を、
ウエル層が8層、バリア層が7層となるように交互に成
長させることによって歪MQW領域を成長させる。
【0052】次いで、基板温度を同じく620℃とした
状態で、TMI、TEG、AsH3、及び、PH3 を用
いて、V族/III 族比が80となり、成長速度が0.5
μm/時となるように原料ガスを流すことによって、厚
さが100nm(=0.1μm)でPL波長が1.05
μm組成の無歪のノン・ドープIn0.893 Ga0.107
0.230.77光ガイド層を成長させることによって、I
nGaAsPMQW活性層13が形成される。
【0053】このInGaAsPMQW活性層13の成
長過程において、斜面に沿った領域においてはAs濃度
が高まって高As組成領域21となり、一方、主面に沿
った領域におけるAs濃度は相対的に低くなって低As
組成領域22となるので、斜面に沿ったレーザ発振領域
である高As組成領域21の実効的な禁制帯幅を主面に
沿った低As組成領域22より50meV以上高くする
ことができるので、活性層中で横方向へのキャリアの移
動がなくなり、且つ、段差以外の要因、即ち、As組成
分布によって横方向の屈折率分布も形成することができ
るので、BH構造に近い電流閉じ込め及び光閉じ込めが
可能になる。
【0054】次いで、基板温度を620℃とした状態
で、TMI及びPH3 を用いて、PH 3 /TMI比が1
20となり、成長速度が1μm/時となるように原料ガ
スを流すと共に、DEZn(ジエチル亜鉛)を不純物源
として流すことによって斜面部におけるキャリア濃度が
7×1017cm-3で厚さが0.3μmのp側第1クラッ
ド層となるp型InPクラッド層14を成長させる。
【0055】図2(b)参照 この成長過程において、図に示すようにZnの取り込み
効率に面方位依存性があるので、p型InPクラッド層
14の斜面に沿った領域における不純物濃度は、主面に
沿った領域における不純物濃度より1桁以上高濃度にな
る。
【0056】次いで、基板温度を620℃とした状態
で、TMI及びPH3 を用いて、PH 3 /TMI比が1
20となり、成長速度が1μm/時となるように原料ガ
スを流すと共に、DEZnとH2 Seとを交互に流して
夫々10nmずつ30ペア成長させて全体の厚さが0.
60μmのp側InP第2クラッド層を成長させる。
【0057】このp側InP第2クラッド層において
は、斜面に沿った領域におけるZn濃度が1.4×10
18cm-3になるようにDEZnの流量を制御した下で、
主面に沿った領域におけるSe濃度が7×1017cm-3
になるように制御している。
【0058】再び、図2(b)参照 この様に不純物濃度を設定することによって、斜面に沿
った領域におけるZn濃度はSe濃度より1桁以上高く
なるので不純物濃度差による拡散原理によりZnがn型
ドープ層に進入して、初め1.4×1018cm-3だった
ものが平均化されて7×1017cm-3のp型キャリア濃
度となり、斜面に沿った部分全体がp型InP電流チャ
ネル層16に変換される。
【0059】一方、主面に沿った部分においては、Zn
濃度は1.4×1018cm-3より1桁低くなるので、7
×1017cm-3のSeにブロックされて拡散が生ぜず、
且つ、Seの拡散は殆ど起こらないので、pnpnpn
・・構造のドーピングプロファイルになるが、これらの
層は全て薄いのでキャリアの拡散によりp型ドープ部分
が空乏化して均一なn型InP電流ブロック層15とな
り、このn型InP電流ブロック層15によって電流狭
窄が行われる。
【0060】再び、図2(a)参照 次いで、基板温度を620℃とした状態で、TMI及び
PH3 を用いて、PH 3 /TMI比が120となり、成
長速度が2μm/時となるように原料ガスを流すと共
に、DEZnを不純物源として流すことによって斜面部
におけるキャリア濃度が7×1017cm-3で厚さが2.
0μmのp型InPバッファ層17を成長させる。
【0061】次いで、基板温度を620℃とした状態
で、TMI、TEG、AsH3 、及び、PH3 を用い
て、V族/III 族比が80となり、成長速度が0.5μ
m/時となるように原料ガスを流すと共に、DEZnを
不純物源として流すことによって斜面部におけるキャリ
ア濃度が1×1018cm-3で厚さが50nmでPL波長
が1.20μm組成の無歪のp型InGaAsP中間層
18、即ち、p型In0.78 3 Ga0.217 As0.480.52
中間層を成長させる。なお、このp型InGaAsP中
間層18は、電子親和力χの差によって形成される正孔
に対する障壁となるスパイクの影響を小さくするために
設けるものである。
【0062】次いで、基板温度を600℃とした状態
で、TMI、TEG、及び、AsH3を用いて、V族/I
II 族比が40となり、成長速度が0.5μm/時とな
るように原料ガスを流すと共に、DMZn(ジメチルZ
n)を不純物源として流すことによって斜面部における
キャリア濃度が2×1019cm-3で厚さが0.1μmで
無歪のp型InGaAsコンタクト層19を成長させ
る。
【0063】最後に、基板温度を600℃とした状態
で、TMI及びPH3 を用いて、PH 3 /TMI比が1
20となり、成長速度が1μm/時となるように原料ガ
スを流して厚さが0.1μmのアンドープInP保護層
20を成長させ、以上のMOVPE法による連続結晶成
長終了後、PH3 を流しながら温度を下げ、400℃を
切った時点でPH3 の供給を停止し、それ以降、室温ま
で降温したのちMOVPE装置から成長層12〜20の
形成されたn型InP基板11を取り出す。
【0064】次いで、図示しないものの、HBr液によ
ってアンドープInPキャップ層20を完全に除去した
のち、10μm幅の素子分離領域を形成し、p側電極と
して露出したp型InGaAsコンタクト層19上にT
i/Pt/Au系電極を設け、一方、n型InP基板1
1の裏面には、裏面を研磨して成長層12〜19を含め
た厚さが100μm程度になるように薄くしたのち、n
側電極としてAu・Ge/Au電極を形成する。
【0065】次いで、幅300μm、長さ400μmの
チップに劈開して、pサイドアップ(p−side u
p)でヒートシンクにボンディングすることによって半
導体レーザ装置が完成する。
【0066】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、Asの取り込み効率の面方位依存性という現象は、
本発明者によって始めて確認されたと信ずるものであっ
て、従来の知見からは全く認識し得ない事項であり、こ
の様な新規な現象利用すると共に、活性層としてAsと
Pとがほぼ同様含まれるInGaAsP層を用い、且
つ、薄いウエル層を複数層有するMQW構造とすること
によって転位を生ずることなく1回成長によって活性層
の横方向に室温における実効的なキャリア閉じ込め効果
が得られる程度のAs組成分布を形成し、BH構造に近
い横方向のキャリア閉じ込め機構と横方向の光閉じ込め
機構を同時に形成することができる。
【0067】即ち、InGaAsPにおけるAs組成比
が小さい場合には、室温における実効的にキャリア閉じ
込め機構或いは横方向の光閉じ込め機構が形成される程
度、例えば、50meV程度の禁制帯幅差をもたらすA
s組成分布を形成することができず、また、活性層とし
て、バルクをInGaAsP層を用いた場合には、As
組成分布の発生に伴って活性層に掛かる歪みがアンバラ
ンスになるので、活性層に転位等が発生し易くなる。
【0068】さらに、活性層を歪MQW構造としている
ので、歪によるAs組成分布の拡大効果も期待すること
ができ、上記の様な具体的構成によって、光通信用半導
体レーザに要求される特性を有するInP/InGaA
sP系半導体レーザを安価に提供できるものであり、本
発明の商業的価値は非常に大きいものである。
【0069】なお、上記の実施の形態の説明において
は、ZnとSeとを交互にドープすることによってn型
電流ブロック層とp型電流チャネル層とを形成している
が、同時ドープによってn型電流ブロック層とp型電流
チャネル層とを形成しても良いものであり、その場合に
は、ZnとSeを同時にドープすることによって、上述
の図2(b)から分かるように、ZnとSeの取り込み
効率の面方位依存性の傾向の違いにより、主面に沿った
領域がn型電流ブロック層となり、このn型電流ブロッ
ク層によって電流狭窄が行われる。
【0070】また、上記の実施の形態の説明において
は、p型不純物としてZnを用いているが、Mg或いは
Cdを用いても良いものであり、また、n型不純物とし
てはSeを用いているが、Sを用いても良いものであ
る。
【0071】また、上記の実施の形態の説明において
は、基板を主面を(100)面から(111)A面方向
に6°オフした基板を用いているが、(100)面を用
いても良く、或いは、(100)面から(111)A面
に方向に所定角度オフして(n11)A面(但し、実数
nは、n>7)とした基板を用いても良く、その場合に
は、斜面の面方位は(411)A面に限られるものでは
なく、(n′11)A面(但し、実数n′は、2≦n′
≦7)であれば良い。
【0072】また、上記の実施の形態の説明において
は、クラッド層としてInPを用いているが、クラッド
層の一部をAl1-v-w Inv Gaw As(但し、0<v
<1,0≦w<1)に置き換えても良く、また、InG
aAsPバリア層或いはInGaAsP光ガイド層をA
1-x-y Inx Gay As(但し、0<x<1,0≦y
<1、x<v)に置き換えても良く、MQW活性層を構
成するウエル層にAsとPとがほぼ同じ濃度で含まれて
いれば良い。
【0073】この様なAlInGaAs系半導体は広禁
制帯幅で且つ、ΔEC に起因するスパイクの発生が小さ
いためクラッド層として好適な材料であるが、AlIn
GaAsを用いた場合には、Alを含んでいるため成長
層の加工後の側面成長が困難であり、且つ、不純物の取
り込み効率の面方位依存性がほとんど見られないため電
流狭窄機構を自己形成することは困難であるが、上述の
様にMQW活性層を構成するウエル層にAsとPとがほ
ぼ同じ濃度で含まれ、且つ、電流狭窄機構を形成するp
側第2クラッド層をInPで構成すれば、他のクラッド
層、或いは、バリア層及び光ガイド層をAlInGaA
sで構成しても、1回成長法によってBH構造と同様の
閉じ込め構造を有する半導体レーザを製造することがで
きる。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば、As組成分布の面方位
依存性を利用してMQW活性層を形成しているので、1
回成長法によって活性層に横方向のキャリア閉じ込め構
造と光閉じ込め構造を成長層に転位を発生させることな
く自己形成することができ、それによって、光通信用半
導体レーザに要求される特性温度及び低電流しきい値等
の素子特性を満たす半導体レーザを高歩留りで、低価格
で製造することができ、FTTHの普及・発展に寄与す
るところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の擬似BH型半導体レーザ
の説明図である。
【図3】従来の光通信用半導体レーザの説明図である。
【図4】従来の一回成長型半導体レーザの説明図であ
る。
【図5】従来のAlGaInPにおける不純物の取り込
み効率の面方位依存性の説明図である。
【符号の説明】
1 段差基板 2 主面 3 斜面 4 活性層 5 p側第1クラッド層 6 p側第2クラッド層 7 p型電流チャネル層 8 n型電流ブロック層 9 高As組成領域 10 低As組成領域 11 n型InP基板 12 n型InPバッファ層 13 InGaAsPMQW活性層 14 p型InPクラッド層 15 n型InP電流ブロック層 16 p型InP電流チャネル層 17 p型InPクラッド層 18 p型InGaAsP中間層 19 p型InGaAsコンタクト層 20 アンドープInPキャップ層 21 高As組成領域 22 低As組成領域 31 n型InP基板 32 n型InPバッファ層 33 InGaAsP歪MQW活性層 34 p型InPクラッド層 35 リッジ状メサ 36 n型InP埋込バッファ層 37 p型InP埋込層 38 n型InP電流ブロック層 39 p型InP埋込保護層 40 p型InPクラッド層 41 p型InGaAsコンタクト層 51 n型InP基板 52 n型InPバッファ層 53 InGaAsP歪MQW活性層 54 p型InPクラッド層 55 p型InGaAsエッチングストップ層 56 p型InPクラッド層 57 p型InP埋込層 58 n型InP電流ブロック層 59 p型InP埋込保護層 60 p型InPクラッド層 61 p型InGaAsコンタクト層 71 n型GaAs基板 72 n型GaAsバッファ層 73 n型GaInP中間層 74 n型AlGaInPクラッド層 75 MQW活性層 76 p型AlGaInPクラッド層 77 n型AlGaInP電流ブロック層 78 p型AlGaInP電流チャネル層 79 p型AlGaInPクラッド層 80 p型GaInP中間層 81 p型GaAsコンタクト層

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 nをn>7の実数とし、n′を2≦n′
    ≦7の実数とし、n″を3≦n″≦7の実数とした場
    合、(100)面または(n11)A面のいずれかを主
    面とし、(n′11)A面を斜面とする段差基板を用い
    ると共に、(100)面または(n11)A面のいずれ
    かを主面とし、(n″11)A面を斜面とする活性層、
    前記活性層上に、前記斜面に沿った領域の正孔濃度が前
    記主面に沿った領域の正孔濃度より高いp側第1クラッ
    ド層、及び、前記主面においてn型電流ブロック層とな
    り前記斜面においてp型電流チャネル層となるp側第2
    クラッド層を少なくとも設けた半導体レーザ装置におい
    て、前記段差基板としてInP基板を用いると共に、前
    記活性層として、ウエル層がInGaAsPからなる多
    重量子井戸構造活性層を用い、少なくとも前記ウエル層
    の前記斜面に沿った領域のAs組成比が前記主面に沿っ
    た領域のAs組成比より高いことを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
  2. 【請求項2】 上記n型電流ブロック層及びp型電流チ
    ャネル層が、Zn,Mg,Cdの内の1つと、S,Se
    のいずれかとを同時に含んでいることを特徴とする請求
    項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 上記n型電流ブロック層において、Z
    n,Mg,Cdの内の1つがドープされた層と、S,S
    eのいずれかがドープされた層とが交互に積層され、且
    つ、上記p型電流チャネル層において、Zn,Mg,C
    dの内の1つがドープされた層と、Zn,Mg,Cdの
    内の1つと、S,Seのいずれかが同時にドープされた
    層とが交互に積層されたことを特徴とする請求項1記載
    の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 上記段差基板と上記活性層との間に、厚
    さが0.5μm以上のInPクラッド層を設けたことを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導
    体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 上記活性層を構成するバリア層及び光ガ
    イド層の少なくとも一方を、Al1-x-y Inx Gay
    s(但し、0<x<1,0≦y<1)から構成すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半
    導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 上記p側クラッド層の一部を、Al
    1-v-w Inv Gaw As(但し、0<v<1,0≦w<
    1)から構成することを特徴とする請求項1乃至5のい
    ずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 nをn>7の実数とし、n′を2≦n′
    ≦7の実数とし、n″を3≦n″≦7の実数とした場
    合、(100)面または(n11)A面のいずれかを主
    面とし、(n′11)A面を斜面とする段差基板を用い
    ると共に、(100)面または(n11)A面のいずれ
    かを主面とし、(n″11)A面を斜面とする活性層、
    p側第1クラッド層、及び、p側第2クラッド層を少な
    くとも設けた半導体レーザ装置の製造方法において、前
    記段差基板としてInP基板を用いると共に、前記活性
    層として、ウエル層がInGaAsPからなる多重量子
    井戸構造活性層を用い、少なくとも前記ウエル層の前記
    斜面に沿った領域のAs組成比が前記主面に沿った領域
    のAs組成比より高くなるように有機金属気相成長法を
    用いて製造することを特徴とする半導体レーザ装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 上記p側第1クラッド層を成長させる際
    に、不純物の取り込み効率の面方位依存性を利用して、
    上記段差基板の斜面に沿った領域の正孔濃度を、主面に
    沿った領域の正孔濃度より高くすることを特徴とする請
    求項7記載の半導体レーザ装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 上記p側第2クラッド層を成長させる際
    に、p型不純物とn型不純物の取り込み効率の面方位依
    存性の違いを利用して、上記段差基板の斜面に沿った領
    域をp型電流チャネル層とし、主面に沿った領域をn型
    電流ブロック層としたことを特徴とする請求項7または
    8に記載の半導体レーザ装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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