JP2000120862A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2000120862A
JP2000120862A JP29411098A JP29411098A JP2000120862A JP 2000120862 A JP2000120862 A JP 2000120862A JP 29411098 A JP29411098 A JP 29411098A JP 29411098 A JP29411098 A JP 29411098A JP 2000120862 A JP2000120862 A JP 2000120862A
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Sei Kojima
星 児島
Kenjiro Fujita
憲次郎 藤田
Katsutoshi Usuki
克俊 臼杵
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニュートラル制御を速やかに開始可能とし
て、その利点を最大限に発揮させることができる自動変
速機の変速制御装置を提供する。 【解決手段】 非走行レンジから走行レンジへの切換時
において(ステップS0)、停車条件判定手段にて停車
条件が成立しないときには、変速制御手段により摩擦係
合要素を解放状態から係合状態に切換操作し(ステップ
S4)、停車条件が成立したときには、摩擦係合要素を
解放状態から所定のスリップ係合状態に直接移行させて
(ステップS16)、早期にスリップ係合状態を開始す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の変速
制御装置に係り、詳しくは走行レンジでの停車中等にト
ルクコンバータによるクリープ現象を低減する変速制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、Dレンジ(走行レンジ)
で停車中の自動変速機は、次回の発進に備えるためにフ
ォワードクラッチを係合して変速機構を第1速段に保持
しており、エンジンのトルクがトルクコンバータを介し
て駆動輪に伝達されて、車両が僅かに前進する所謂クリ
ープ現象が生じている。シフトポジションをNレンジ
(非走行レンジ)に切換えれば、フォワードクラッチが
解放されるためクリープ現象は生じなくなるが、停車の
度にシフトポジションを切換えるのは煩雑なため、通常
の運転者はDレンジのままフットブレーキによりクリー
プ現象を押さえ込む操作を行っている。
【0003】しかしながら、このときのエンジンにはク
リープ現象の反作用として負荷トルクが加えられるた
め、その負荷トルクに抗してアイドル回転を維持するた
めに燃料消費量が増大する傾向がある上に、トルクコン
バータを介して駆動輪側に伝達されるエンジントルクと
制動力との拮抗により、不快なアイドル振動が発生する
という不具合がある。
【0004】そこで、例えばSAE960428(9
6,2,26発行)に記載の変速制御装置では、Dレンジ
において車速0、フットブレーキ操作、スロットル開度
0、1速段達成から所定時間経過等の条件が成立する
と、1速段を達成するために係合されていたフォワード
クラッチをクリープ現象が発生しない程度のスリップ量
に制御する所謂ニュートラル制御を実行し、これにより
トルクコンバータを介して伝達されるエンジントルクを
減少して、燃料消費量及びアイドル振動の低減を図って
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た自動変速機の変速制御装置ではニュートラル制御の開
始までに時間を要するという問題があった。詳述する
と、停車中にNレンジからDレンジへの切換に応じて解
放状態のフォワードクラッチが係合されるまでに約1秒
を要し、更に供給油圧の立上げによりクラッチが完全係
合に至りニュートラル制御を開始するまでの待機時間と
して約2秒を要し、その後に係合状態のフォワードクラ
ッチを所定スリップ量まで制御するために約1秒を要す
るため、トータルとして4秒程度はニュートラル制御の
開始が遅延する。よって、その間は上記した燃料消費量
とアイドル振動の低減効果を得られず、頻繁にN−D操
作する運転状況では無視できない問題であった。
【0006】本発明の目的は、ニュートラル制御を速や
かに開始可能として、その利点を最大限に発揮させるこ
とができる自動変速機の変速制御装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、非走行レンジから走行レンジへ
の切換時において、停車条件判定手段にて停車条件が成
立しないときには、変速制御手段により摩擦係合要素を
解放状態から完全係合状態に切換操作し、停車条件が成
立したときには、摩擦係合要素を解放状態から所定のス
リップ係合状態に移行させるように構成した。即ち、停
車条件の成立により車両の停止状態が推測されるときに
は、燃料消費量やアイドル振動の低減を目的として摩擦
係合要素を所定のスリップ係合状態に移行させるのであ
るが、このとき解放状態の摩擦係合要素を直接スリップ
係合状態に移行させている。従って、摩擦係合要素を一
旦係合した後にスリップ係合状態に移行させる場合に比
較して、スリップ係合状態の開始が早められる。又、摩
擦係合要素を一旦接続する際には変速ショックが避けら
れないが、スリップ係合状態に移行させるだけのため変
速ショックの発生が防止される。
【0008】請求項2の発明は請求項1の発明に加え
て、摩擦係合要素をソレノイドにより作動する油圧作動
式とし、そのソレノイドへの指令値を変速制御手段によ
りフィードバック制御して摩擦係合要素をスリップ係合
状態に移行させるようにし、更に、フィードバック制御
中の指令値の平均に基づいてフィードバック制御の初期
値を学習する初期値学習手段を設けた。従って、フィー
ドバック制御中に実際に用いられた指令値が初期値に反
映されて、常に適切な初期値に基づいてフィードバック
制御が開始される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した自動変
速機の変速制御装置の一実施例を説明する。図1に示す
ように、自動変速機1はエンジン2と結合された状態で
図示しない車両に搭載されている。エンジン2の出力軸
2aはトルクコンバータ3を介して変速機構4に連結さ
れ、その変速機構4はディファレンシャルギア5を介し
て車両の駆動輪と接続されている。エンジン2の出力軸
2aと共にトルクコンバータ3のポンプインペラ3aが
回転すると、ATF(オートマチック・トランスミッシ
ョン・フルード)を介してタービンランナ3bが回転駆
動され、その回転が変速機構4に伝達される。詳細は説
明しないが変速機構4は、複数組の遊星歯車機構、及び
その構成要素(サンギア、ピニオンギア、リングギア)
の動作を許容又は規制するクラッチやブレーキ類から構
成されており、それらのクラッチやブレーキの係合状態
を油圧源6から供給されるATFにより適宜切換えて、
所望の変速段を得ている。
【0010】ここで、自動変速機1がNレンジ(非走行
レンジ)からDレンジ(走行レンジ)に切換えられたと
き、変速機構4は発進に備えるために第1速段に切換え
られるが、これは変速機構4中のフォワードクラッチ7
(前進時に係合するクラッチ)と1速用ブレーキ8とを
共に係合することで実現される。そして、後述するよう
に、この摩擦係合要素としてのフォワードクラッチ7の
スリップ量を制御することでニュートラル制御が行われ
る。
【0011】車室内には、図示しない入出力装置、制御
プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置
(ROM,RAM,BURAM等)、中央処理装置(C
PU)、タイマカウンタ等を備えたA/T−CU(自動
変速機制御ユニット)11が設置されており、自動変速
機1の総合的な制御を行う。A/T−CU11の入力側
には、エンジン2の回転速度Neを検出するエンジン回
転速度センサ12、タービンランナ3bの回転速度Nt
を検出するタービン回転速度センサ13、車両の走行速
度Vsを検出する車速センサ14、フットブレーキの操
作を検出するストップランプスイッチ15、エンジン2
のスロットル開度θTH(=アクセル操作量)を検出する
スロットルセンサ16、ATF油温TOILを検出する油
温センサ17、及び運転者にて選択されたシフトポジシ
ョン(例えば、Nレンジ、Dレンジ、Pレンジ,Rレン
ジ等)を検出するためのシフトポジションセンサ18が
接続されている。又、A/T−CU11の出力側には、
前記した油圧源6からの作動油を切換制御して変速機構
4のクラッチやブレーキを作動させるための多数のソレ
ノイド19が接続されている。A/T−CU11はスロ
ットル開度θTH及び車速Vsに基づき、図示しない変速
点マップに従って変速機構4のクラッチ及びブレーキの
係合状態を切換え、変速制御を実行する。
【0012】次に、上記のように構成された自動変速機
の変速制御装置によるニュートラル制御を実行状況を、
図2乃至図4のフローチャート及び図5のタイムチャー
トに従って説明する。A/T−CU11は、図2及び図
3に示すニュートラル制御ルーチンを所定時間毎に実行
する。まず、ステップS0で運転者によるNレンジから
Dレンジへの切換がシフトポジションセンサ18にて検
出されたか否かを判定し、切換が検出されずにNO(否
定)の判定を下したときには、そのままルーチンを終了
する。Nレンジでのフォワードクラッチ7は解放状態に
保持されているため、トルクコンバータ3のタービンラ
ンナ3bはATFの伝達による回転を許容され、図5に
示すようにタービン回転速度Ntはエンジン回転速度Ne
より若干低い値で安定している。
【0013】そして、運転者によるDレンジへの切換が
検出されてステップS0の判定がYES(肯定)になる
と、ステップS2に移行してニュートラル制御の開始条
件が成立したか否かを判定する。本実施例では以下の開
始条件が設定されており、その全てが満たされたとき、
つまり、車両がほぼ停止状態にあると推測されるときに
開始条件が成立したと見なす。
【0014】1)ストップランプスイッチ15にてブレ
ーキ操作が検出されたこと。 2)スロットルセンサ16にてアクセル非操作(スロッ
トル開度が所定量未満)が検出されたこと。 3)車速センサ14にて検出された走行速度Vsが所定
値未満であること。 ステップS2で開始条件が成立しないときにはNO(否
定)の判定を下し、ステップS4で通常の変速処理を実
行する。即ち、この場合には、ニュートラル制御を行う
ことなく、ソレノイド19によりフォワードクラッチ7
を係合して、直ちに変速機構4を第1速段に切換える。
尚、Nレンジでは1速用ブレーキ8が係合しているの
で、ニュートラル制御せずに1速へ変速させるときはフ
ォワードクラッチ7のみ係合させることで第1変速段が
達成される。
【0015】又、ステップS2でニュートラル制御の開
始条件が成立したとしてYES(肯定)の判定を下した
ときには、ステップS6以降の処理によりニュートラル
制御を実行する。ステップS6ではニュートラル制御を
開始してから予め設定された所定時間TFが経過したか
否かを判定する。未だ所定時間TFが経過せずに判定が
NOのときには、ステップS8でフォワードクラッチ7
用のソレノイド19のデューティ率Dを100%に保持
し(図5のポイントa)、ステップS10でニュートラ
ル制御の解除条件が成立したか否かを判定する。
【0016】本実施例では以下の解除条件が設定されて
おり、そのいずれかが満たされたとき、つまり運転者の
発進意志が推測されるときに解除条件が成立したと見な
す。 1)ストップランプスイッチ15にてブレーキ操作の中
止が検出されたこと。 2)スロットルセンサ16にてアクセル操作(スロット
ル開度が所定値以上)が検出されたこと。
【0017】3)車速センサ14にて検出された走行速
度Vsが所定値以上であること。 尚、以降の説明は、実際にニュートラル制御が開始され
た後にステップS10で解除条件が成立したものと仮定
して続ける。当初は何れの解除条件も満たされないた
め、ステップS10でニュートラル制御の解除条件が成
立していないとしてNOの判定を下し、ステップS6に
戻る。そして、以上の処理の繰り返しにより、図5に示
すように、ソレノイド19のデューティ率Dが100%
に保持されて、解放状態のフォワードクラッチ7は油圧
の急な立ち上がりに伴って係合側に操作される。所定時
間TFが経過してステップS6の判定がYESになる
と、ステップS12に移行して、ピストンとクラッチプ
レート間の隙間、及びクラッチプレート同士の隙間をな
くすためのピストン無効ストローク解消(以下、がた詰
めという)の条件が成立したか否かを判定し、判定がN
Oのときにはフォワードクラッチ7用のソレノイド19
のデューティ率Dを予め設定された所定値DA(例え
ば、30%)まで低下させた後(図5のポイントb)、
ステップS10を経てステップS6に戻る。
【0018】よって、油圧の立ち上がりは緩やかにな
り、フォワードクラッチ7の操作も緩慢なものとなり、
フォワードクラッチ7は係合ショックを生ずることなく
緩やかに係合され始めて、タービン回転速度Ntが次第
に低下する。前記ステップS12では、がた詰め完了条
件をトルクコンバータ3のスリップ量ΔN(=Ne−N
t)に基づいて判定している。即ち、タービン回転速度
Ntが低下し始めて前回処理時よりも大きなスリップ量
ΔNが算出されたとき、そのスリップ量ΔNを基準値Δ
N0として記憶しておく。そして、タービン回転速度Nt
が更に低下して、基準値ΔN0より所定量(例えば15
0rpm)大きなスリップ量ΔNが算出されたときに、が
た詰め完了条件が成立したと見なして、YESの判定を
下す。
【0019】従って、この時点でフォワードクラッチ7
はがた詰めが解消されて、係合直前まで操作されること
になる。尚、このようにスリップ量ΔNを算出すること
なくタービン回転速度Ntのみに着目し、タービン回転
速度Ntが所定量(例えば150rpm)低下したときに、
がた詰め完了条件が成立したと見なしてもよい。ステッ
プS12の判定がYESになるとA/T−CU11はス
テップS16に移行し、トルクコンバータのスリップ量
ΔNが予め設定された目標値となるように、ソレノイド
19のデューティ率Dをフィードバック制御する。詳述
すると、A/T−CU11に備えられた記憶装置には、
デューティ率Dに関するベース値DS0及び学習値DSL
が、エンジン回転速度NeとATF油温TOILに応じたマ
ップとしてそれぞれ記憶されており、がた詰め完了条件
が成立すると、その時点のエンジン回転速度Ne及びA
TF油温TOILからベース値DS0と学習値DSLを決定し
て、それらを加算した値(DS0+DSL)をデューティ率
Dの初期値DSとして用いて、フィードバック制御を開
始する(図5のポイントc)。
【0020】本実施例では、前記したステップS2の処
理を実行するときのA/T−CU11が停車条件判定手
段として機能し、ステップS0、ステップS4乃至ステ
ップS8、ステップS12乃至ステップS16の処理を
実行するときのA/T−CU11が変速制御手段として
機能する。次いで、ステップS18で初期値DSの学習
処理を行う。まず、図4に示すDS学習ルーチンのステ
ップS52で学習値更新条件が成立したか否かを判定
し、ステップS54で予め設定された判定時間TA(例
えば、1.5sec)が経過したか否かを判定する。いず
れかのステップSの判定がNOの場合には、そのままこ
のDS学習ルーチンを終了する。
【0021】本実施例では、以下の学習値更新条件が設
定されている。 1)エンジン回転速度Neの変動が所定量以下であるこ
と。 2)トルクコンバータ3のスリップ量ΔNと目標値との
差が所定量以下であること。 3)デューティ率Dの変動が所定量以下であること。
【0022】つまり、1)については、エンジン回転速
度Neの変動に伴って油圧源6のライン圧が不安定にな
ると、フィードバック制御にハンチングを生ずることが
予想され、2)については、スリップ量ΔNが目標値付
近に収束していない場合には、不適切なフィードバック
制御が推測され、3)については、低温時にはフォワー
ドクラッチ7を解放しても高粘度のATFにより動力伝
達がなされることから、デューティ率Dが不適切に小側
に制御される事態が予想される。よって、これらの場合
には、そのときのデューティ率Dに基づいて学習値DSL
を更新すべきでないとして、ルーチンを終了しているの
である。
【0023】一方、ステップS52及びステップS54
の判定が共にYESの場合、つまり、学習値更新条件が
判定時間TAだけ継続して成立し(図5のポイント
e)、安定したフィードバック制御が行われていると推
測される場合には、そのときのデューティ率Dが適切で
あると見なして、以下のように学習値DSLを更新する。
まず、ステップS56で判定時間TA中にフィードバッ
ク制御に用いられたデューティ率Dの平均値Daveを算
出する。次いで、ステップS58で判定時間TAの開始
時(図5のポイントd)のエンジン回転速度NeとAT
F油温TOILに基づいてマップからベース値DS0及び学
習値DSLを読み出して、それらの値DS0,DSLより求め
た初期値DSを平均値Daveから減算して(Dave−DS)
差ΔDSを求め、図6のマップに基づいて差ΔDSから補
正量ΔDSLを決定する。
【0024】次いで、ステップS60で前記ステップS
58で読み出した学習値DSLに補正量ΔDSLを加算して
(DSL+ΔDSL)新たな学習値DSLを決定し、前記アド
レスの値を更新する。図6から明らかなように、平均値
Daveに比較してマップから求めた初期値DSが過小であ
った場合には、大きな差ΔDS(プラス側)に基づいて
同じく大きな補正量ΔDSLが決定されて、学習値DSLが
大側に更新され、逆に平均値Daveに比較して初期値DS
が過大であった場合には、小さな差ΔDS(マイナス
側)に基づいて同じく小さな補正量ΔDSLが決定され
て、学習値DSLが小側に更新される。
【0025】尚、ステップS52及びステップS54の
条件を満たしさえすれば、この学習処理はニュートラル
制御中に繰り返し実行され、その結果、安定したフィー
ドバック制御でのデューティ率Dに基づいてマップ中の
各アドレスの学習値DSLが順次更新されて、初期値DS
の最適化が図られる。そして、本実施例では、このステ
ップS18の処理(DS学習ルーチン)を実行するとき
のA/T−CU11が初期値学習手段として機能する。
【0026】以上のように、ニュートラル制御中はステ
ップS16でデューティ率Dのフィードバック制御が、
ステップS18でそのデューティ率Dの初期値DSの学
習処理が繰り返され、ステップS10でニュートラル制
御の解除条件が成立したとしてYESの判定を下すと
(図5のポイントf)、ステップS20に移行する。ス
テップS20ではニュートラル制御に用いた最後のデュ
ーティ率Dを初期値として、ポイントfの時点のエンジ
ン回転速度Neから設定した変化率ΔNT1に従ってター
ビン回転速度NTが低下するように、デューティ率Dを
フィードバック制御し、ステップS22でタービン回転
速度NTが所定量(例えば、300rpm)未満か否かを判
定する。ステップS20の処理によりタービン回転速度
NTが次第に低下して所定量を下回ると(図5のポイン
トg)、ステップS22でYESの判定を下してステッ
プS24に移行する。
【0027】ステップS24では前記ステップS20の
処理で用いた最後のデューティ率Dを初期値として、ポ
イントgの時点のエンジン回転速度Neから設定した変
化率ΔNT2(<ΔNT1)に従ってタービン回転速度NT
が低下するように、デューティ率Dをフィードバック制
御する。タービン回転速度NTの低下速度はより緩やか
なものとなり、ステップS26でタービン回転速度NT
が所定量(例えば、100rpm)未満になったとしてY
ESの判定を下すと(図5のポイントh)、ステップS
28に移行する。ステップS28では、前記ステップS
24の処理で用いた最後のデューティ率Dに所定値を加
算した値DEを出力し、ステップS30で予め設定され
た所定時間TEが経過したか否かを判定する。
【0028】ステップS28の繰り返しによりフォワー
ドクラッチ7が係合され、タービン回転速度NTは、こ
の時点の車速Vsに対応する値まで低下する。所定時間
TEが経過してステップS30の判定がYESとなると
(図5のポイントi)、ステップS32でデューティ率
Dを100%に保持して、このルーチンを終了する。よ
って、油圧の立上げに伴ってフォワードクラッチ7が完
全に係合されて第1変速段への切換が完了し、図5に示
すように、運転者によるアクセル操作によりエンジン回
転速度Neが上昇すると、エンジン2の出力軸2aの回
転がトルクコンバータ3を介して変速機構4側に伝達さ
れて、車両が発進する。尚、ニュートラル制御の解除条
件が成立(運転者の発進の意志表示)してから実際に第
1変速段への切換が完了するまでの所要時間はごく短い
ため、この発進時に運転者が違和感を抱くことはない。
【0029】そして、本実施例では、運転者にてNレン
ジからDレンジへの切換が行われて、ニュートラル制御
の開始条件が成立したときに、フォワードクラッチ7を
解放状態から直接ニュートラル制御に移行させている。
従って、フォワードクラッチ7を一旦係合した後にニュ
ートラル制御を開始する従来例のように、フォワードク
ラッチを係合するまでの約1秒、及び、それに伴う供給
油圧の立上げとニュートラル制御を開始するまでの待機
時間の約2秒が不要となる。又、その後に所定スリップ
量まで制御する所要時間についても、係合状態からニュ
ートラル制御に移行する従来例では、大幅な油圧変化の
ために1秒程度を要するのに対し、解放状態からニュー
トラル制御に移行する本実施例では、図5から明らかな
ように僅かな油圧変化で可能なため、その所要時間は無
視できる範囲内である。その結果、トータルで4秒程度
はニュートラル制御の開始を早めて、より早期にニュー
トラル制御の効果、即ち燃料消費量とアイドル振動の低
減効果を得ることができる。
【0030】しかも、従来例では、ニュートラル制御を
行う場合でも必ずフォワードクラッチを解放状態から係
合状態に切換えるため、その際の油圧急増による変速シ
ョックはある程度避けられない。これに対して本実施例
では、解放状態からニュートラル制御に移行するだけの
ため油圧は急増せず、且つその後の係合時には油圧は急
増するものの、ニュートラル制御で事前にがた詰めされ
ていることから変速ショックの要因とはならない。停車
時の運転者は変速ショックを敏感に感じ取る傾向がある
が、このように変速ショックが生じないことから、それ
による不快感を防止して良好な運転環境を提供すること
ができる。
【0031】一方、ニュートラル制御中において、学習
値更新条件が成立して安定したフィードバック制御が行
われていると推測されるときには、そのときのデューテ
ィ率Dに基づいて初期値DSを学習している。従って、
安定したフィードバック制御でのデューティ率Dが初期
値DSに反映され、常に適切な初期値DSに基づいてニュ
ートラル制御を開始してデューティ率Dを速やかに収束
させ、もって、より早期に適切なスリップ量を実現し
て、ニュートラル制御の利点を最大限に発揮させること
ができる。
【0032】しかも、学習値DSLの更新には、デューテ
ィ率Dをそのまま用いることなく、判定時間TA中の平
均値Daveを用いているため、誤動作を防止して学習値
DSLの適正値への収束を速やかに行うことができるとい
う効果を奏する。この理由を以下に説明する。上述した
如く初期値DSの学習値更新条件として、 1)エンジン回転速度Neの変動が所定量以下であるこ
と。
【0033】2)トルクコンバータ3のスリップ量ΔN
と目標値との差が所定量以下であること。 3)デューティ率Dの変動が所定量以下であること。 とし、判定時間TAの間、継続してこの学習値更新条件
が成立したときに、初期値DSの学習(学習値DSLの更
新)を実施するように設定している。
【0034】ここで、図7に示すように、学習値更新条
件成立時のデューティ率DがD1であったとして、次周
期のときD0に低下した(図7のポイントx)とする。
この低下量が上記所定量であれば学習条件は外れない。
そして、判定時間TA中デューティ率D0のままであった
ところ、判定時間TA終了時点で外乱(エンジン回転速
度Neの変動等)によりデューティ率DがD0からD2に
上昇した(図7のポイントy)とする。このときの学習
値更新条件3)は、始めて学習値更新条件が成立した時
点のデューティ率(本説明ではD1)を基準として以後
の学習値更新条件3)の成立有無を判断するため、その
上昇量が上記所定量の2倍であったとしても学習条件は
成立と判定される。
【0035】このとき、判定時間TA終了時点でのデュ
ーティ率Dに基づき学習値DSLを補正しようとすると、
本来ならばデューティ率D0をフィードバック制御の収
束値とすべきであるにも拘わらず、外乱により突出して
しまったD2を収束値として判定してしまうため、学習
値DSLは誤った更新が行われてしまうことになり、学習
の収束が遅れてしまう。
【0036】本実施例では、この判定時間TAにおける
デューティ率Dの平均値Daveに基づき学習値DSLを更
新するので瞬間的な外乱が発生しても収束デューティ率
を略D0とすることができるため、誤学習することなく
学習値DSLの収束を速やかに行うことができるのであ
る。以上で実施例の説明を終えるが、本発明の態様はこ
の実施例に限定されるものではない。例えば、上記実施
例ではがた詰め処理について、デューティ率Dを100
%から所定値DAまで段階的に低下させたが、要はフォ
ワードクラッチ7の無効ストロークを解消できればよい
ため、例えば、がた詰め区間においてデューティ率Dを
連続的に低下させてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の自動変速
機の変速制御装置によれば、解放状態の摩擦係合要素を
一旦接続することなく直接スリップ係合状態に移行させ
るため、スリップ係合状態の開始が早めることができ、
より早期にスリップ係合状態による効果、即ち燃料消費
量やアイドル振動の低減効果を得ることができ、しか
も、摩擦係合要素を一旦接続したときの変速ショックの
発生が防止されるため、変速ショックによる不快感を防
止して良好な運転環境を提供することができる。
【0038】請求項2の自動変速機の変速制御装置によ
れば、摩擦係合要素をスリップ係合状態にするときのフ
ィードバック制御の指令値の平均に基づいて、フィード
バック制御の初期値を学習するようにしたため、誤学習
することなく常に適切な初期値に基づいてフィードバッ
ク制御を開始して指令値を速やかに収束させ、もって、
より早期に適切なスリップ係合状態を実現して、この制
御の利点を最大限に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の自動変速機の変速制御装置を示す全体
構成図である。
【図2】A/T−CUが実行するニュートラル制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図3】A/T−CUが実行するニュートラル制御ルー
チンを示すフローチャートである。
【図4】A/T−CUが実行するDS学習ルーチンを示
すフローチャートである。
【図5】ニュートラル制御の実行状況を表すタイムチャ
ートである。
【図6】学習値DSLの補正量ΔDSLを決定するためのマ
ップを示す説明図である。
【図7】平均デューティ率に基づく学習補正を説明する
説明図である。
【符号の説明】
7 フォワードクラッチ(摩擦係合要素) 11 A/T−CU(停車条件判定手段、変速制御手
段、初期値学習手段) 19 ソレノイド D デューティ率(指令値) DS 初期値
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月11日(1998.11.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非走行レンジで解放され、走行レンジで
    係合する摩擦係合要素を備えた自動変速機の変速制御装
    置において、 予め設定された停車条件が成立しているか否かを判定す
    る停車条件判定手段と、 非走行レンジから走行レンジへの切換時に、前記停車条
    件判定手段にて停車条件の成立が判定されなかったとき
    に、前記摩擦係合要素を解放状態から完全係合状態に切
    換操作し、停車条件の成立が判定されたときに、前記摩
    擦係合要素を解放状態から所定のスリップ係合状態に移
    行させる変速制御手段とを備えたことを特徴とする自動
    変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記摩擦係合要素は、ソレノイドにより
    給排を制御された作動油で作動する油圧作動式であり、
    前記変速制御手段は、摩擦係合要素のピストン無効スト
    ロークを解消した後に、前記ソレノイドに出力する指令
    値をフィードバック制御して摩擦係合要素を前記スリッ
    プ係合状態に移行させるものであり、前記フィードバッ
    ク制御中に変速制御手段からソレノイドに出力される指
    令値の平均に基づいて、フィードバック制御の開始時の
    初期値を学習する初期値学習手段を備えたものである請
    求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010107010A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Fuji Heavy Ind Ltd 自動変速機の制御装置
KR20160132210A (ko) * 2015-05-07 2016-11-17 현대자동차주식회사 변속단 자동제어 방법 및 시스템

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