JP2000117405A - ビレットの連続鋳造方法及び装置 - Google Patents
ビレットの連続鋳造方法及び装置Info
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Abstract
析セメンタイトを軽減する連続鋳造方法及び装置を提供
する。 【解決手段】 160mm角以下のビレット連続鋳造にお
いて、鋳片を曲げ戻す前での鋳片断面における上面及び
下面の凝固厚みを30mm以上確保し、曲げ戻し開始後
から凝固を完了するまで少なくとも100秒以上放冷す
ることを特徴とするビレットの連続鋳造方法及び装置。
さらに、鋳片中心固相率0.2以上の部分で軽圧下を行
う。
Description
鋳造する際に生じるCの偏析の悪化を防止する技術に関
する。
に20数年前から連続鋳造による鋳片の製造をおこなっ
てきた。
する濃化溶鋼の偏析である。この偏析した部分の成分濃
度が高いときには、例えばビレットやブルームから製造
した線材の場合には、線材に伸線する際に、硬さが違う
ことにより破断が生じる。
と特に顕著になる。その理由はビレットを鋳造した後に
線材を製造する際に生じる、初析セメンタイトが有ると
それを起点として伸線中に割れが生じ断線にいたる為で
ある。
レット鋳造での中心偏析においては、例えば鋳造温度を
なるべく低くすることにより、鋳片の中心部を等軸晶化
してCの偏析を分散させた後に、伸線するという学術論
文も報告されている。
ると、温度が低いことで鋳造トラブルが生じる確率が増
加する。鋳造トラブルとしては、例えば、ノズル詰ま
り、ビレット鋳型内表面に凝固した鋼が発生して鋳造出
来なくなる、等が有る。
片のC偏析を低減して線材での初析セメンタイトを軽減
する連続鋳造方法を提供することを目的とする。
りである。 (1)160mm角以下のビレット連続鋳造において、鋳
片を曲げ戻す前での鋳片断面における上面及び下面の凝
固厚みを30mm以上確保し、曲げ戻し開始後から凝固
を完了するまでの間に少なくとも100秒以上放冷する
ことを特徴とするビレットの連続鋳造方法。 (2)鋳片中心固相率0.2以上の部分で軽圧下を行う
ことを特徴とする上記(1)に記載のビレットの連続鋳
造方法。 (3)最終凝固位置が下記の式(2),(3)の条件を満たす
時、下記の式(1)で示される長さ以上の放冷帯を曲げ戻
し開始以降に設けることを特徴にするビレットの連続鋳
造装置 Lc=100*Vc/60 (1) L-Lb>100*Vc/60 (2) L=(d/2)2*Vc/K2 (3) ここで、Lcは放冷帯の最小長さ(m) Vcは鋳造速度(m/min) Lは(3)式で決まる凝固完了長さ(m) Lbは鋳込み開始から曲げ戻し点までの距離(m) dは鋳片の厚み(mm) Kは凝固係数,鋳造機により異なるが通常は20から30(mm
/min0.5) (4)最終凝固位置が下記の式(2),(3)の条件を満たす
時、下記の式(1)で示される長さ以上の放冷帯と軽圧下
帯を曲げ戻し開始以降に設けることを特徴にするビレッ
トの連続鋳造装置 Lc=100*Vc/60 (1) L-Lb>100*Vc/60 (2) L=(d/2)2*Vc/K2 (3) ここで、Lcは放冷帯の最小長さ+軽圧下帯長さ(m) Vcは鋳造速度(m/min) Lは(3)式で決まる凝固完了長さ(m) Lbは鋳込み開始から曲げ戻し点までの距離(m) dは鋳片の厚み(mm) Kは凝固係数,鋳造機により異なるが通常は20から30(mm
/min0.5) 尚、ここでいう、鋳片断面の上面及び下面というのは、
鋳造後の鋳片がモールドを過ぎて水平に曲げ戻された状
態における鋳片断面の上面及び下面を意味しており、曲
げ戻し時に大きな応力を受ける面を指している。
程の省略可能な160mm角以下の鋳片を製造するビレッ
ト連鋳機であって、湾曲状に鋳造して曲げ戻しを行う連
続鋳造機を対象にする。
関係する鋳片内の偏析について成分解析した。その結
果、鋳片内においてC偏析を生じる部位は、中心部の偏
析のみではなく、鋳片厚みの中間部で割れる凝固割れ
(以下に内部割れと称す)も影響していることが解り、
これらの対策を検討した。
戻し時点で凝固厚みを30mm以上確保すれば割れが防
止出来ることが解った。鋳造長さと凝固厚みの関係は伝
熱計算を用いて求めることができる。鋳造速度と冷却水
量(1kgの鋳片を冷却するのに必要な水量)との関係
になる。その計算結果に基づき、曲げ戻し時点での凝固
厚みを30mm以上にするための冷却水量と鋳造速度と
の関係を求めることができる。
用いて鋳造し、鋳造長さ7mで曲げ戻しを行う場合に、
曲げ戻し時点で凝固厚みを30mm以上とする場合の冷
却水量と鋳造速度の関係についての例を示すと、 冷却水量>A*鋳造速度+B (4) の関係になる。 ここでA=1.5 B=−3 この関係は差分法を用いた数値計算で容易に求めること
が出来る。計算結果は曲げ戻し点での割れ発生位置から
凝固殻厚を求められるとともに、ビレットの表面温度を
測定する事で計算結果のあわせ込みを行い係数はおよそ
10%程度の精度で推定出来る。
し、オイル鋳造とパウダー鋳造でも異なるが(4)式の
関係は鋳造機によらず成り立つと考えられる。
固厚みを30mm以上確保するためには、(4)式から
明らかなように冷却水量を増大あるいは鋳造速度を低下
することが有効である。ところが、極端に冷却水量を増
加させるか、鋳造速度を低下させると、線材段階でC偏
析に起因する初析セメンタイトが生成した。この場合の
線材でのC偏析率(=偏析部のmaxC濃度/母材C濃
度)は1.8程度であった。
した。
固の場合には冷却速度が低いほど、偏析部に生成する共
晶の体積が小さくなり、これは、凝固時に界面に濃化し
た銅が固体内で拡散した結果、液相中に濃化する量が減
少して偏析が軽減したと考えられている。しかし、線材
の初析セメンタイトに及ぼす凝固中冷却の影響に関する
知見は無かった。
での時間がC偏析にどのように影響するかを検討した。
この結果、水冷を停止してから凝固するまでの時間が2
0秒の場合には線材でのC偏析度が1.6であったもの
が、水冷を停止してから凝固するまでの時間が130秒
の場合には1.3に軽減した。
成分濃度を測定してこれの最大濃度を線材の全体を化学
分析で求めたC濃度で割った値を用いた。
濃度が0.9%の場合に1.3程度であり、C濃度がこ
れより低い場合には緩和される可能性が有るが、この値
を限界値として設定すると、図1に実線で示す様に実験
データから解析すると水冷を停止してから凝固が完了す
るまでの時間が100秒以上である必要がある。
部のC偏析を低減することができた。一方、鋳片内に
は、V状偏析と呼ばれる斜めの線状に成分が濃化する偏
析が残存する場合がある。このV状偏析は、凝固する途
中で凝固収縮に起因する溶鋼流動が生じることにより発
生している。これにより、偏析部の面積が増加するので
線材の偏析にも影響する。これを防止するために、中心
固相率が0.2以上の部分の軽圧下を行った。軽圧下を
行う際には,曲げ戻し後から軽圧下出側までの長さを放
冷帯の長さとした。これは、軽圧下により実際の凝固完
了位置が変化する為に定量化が難しいので軽圧下出側を
最終凝固位置とした。この場合の放冷開始後から軽圧下
帯出側を通過するまでの時間と偏析度の関係を図1に●
で示すが、ほぼ,実線と同じ線上に有る。これにより、
ビレットでのV状偏析は軽減して偏析粒を円形換算する
と軽圧下前は4mm程度有ったものが3mm以下になっ
た。この結果、線材での初析セメンタイト以外の偏析成
分,例えばP偏析による断線の確率は著しく低減した。
好ましくは、鋳片の中心固相率が0.2以上0.8以下
の部分について軽圧下を行うことで確実にV状偏析を低
減することができる。
中心部の温度)/(液相線温度−固相線温度)であり、
該鋳片中心部の温度は、鋳型内およびその後の鋳片への
スプレー冷却による抜熱量より計算される。
の最小長さを決定する必要がある。これは上記知見より
式(1)に示すように、100秒間放冷する距離が必要に
なる。また、このときの必要条件として、放冷帯内で凝
固が完了しない条件を満たす必要がある。これは、(3)
式に示す、凝固完了長さから曲げ戻し点までの距離を引
いた長さが放冷帯長さより大きければ((2)式)良い。
の実施の形態を説明する。
鋳造機を用いて鋳造した。鋳造長さ7mにおいて曲げ戻
しを行う。炭素濃度は0.4−0.9%である。
ウダーを用いた鋳造で、120〜130mmの鋳片を製
造する場合には、図2に示すような線1の左側が曲げ戻
し前の凝固殻厚みが30mm以上となる冷却条件の範囲で
あり割れが発生しなかった。
てから凝固が完了する時間と線材でのC偏析度との関係
を調べた。図1に対応して時間が長くなることによりC
偏析度は減少して100秒以上の領域では初析セメンタ
イトの発生が見られず線材では満足が得られた。
タイトの発生が見られた。
2m設置した。鋳造速度は2.8m/minから3.2m/minの範囲で
鋳造を行った。この場合の軽圧下帯での固相率は入り側
で0.2〜0.5程度であるが、出側の固相率は、軽圧
下している為不明確であるが、1に近い値であると推定
させる。
あったがいずれの場合にも初析セメンタイトの発生は無
く、且つP偏析による破断も発生しなかった。また、軽
圧下帯の位置を上流側にずらして、放冷帯を2m設けた後
に軽圧下帯を2m設置し,鋳造速度を2.4m/minで実験的に
鋳造した場合には放冷の時間が100秒以下になり、0.9%
のC濃度の溶鋼を鋳造した場合には初析セメンタイトの
発生が見られた。
連続鋳造において高炭素鋼線材のC偏析を軽減する技術
が出来た。この発明の効果としては、従来はブルームで
製造したあとに分塊工程を通してビレットを製造してい
たことに比べて分塊工程を省略出来、製造に要するエネ
ルギーも少なくて済み、エネルギーの削減のメリットが
ある。
偏析度との関係(図中実線)、放冷開始から軽圧下帯出
側までの時間とC偏析度との関係(図中●)を表した図
の発生状況を示した図
Claims (4)
- 【請求項1】 160mm角以下のビレット連続鋳造にお
いて、鋳片を曲げ戻す前での鋳片断面における上面及び
下面の凝固厚みを30mm以上確保し、曲げ戻し開始後
から凝固を完了するまでの間に少なくとも100秒以上
放冷することを特徴とするビレットの連続鋳造方法。 - 【請求項2】 鋳片中心固相率0.2以上の部分で軽圧
下を行うことを特徴とする請求項1に記載のビレットの
連続鋳造方法。 - 【請求項3】 最終凝固位置が下記の式(2),(3)の条件
を満たす時、下記の式(1)で示される長さ以上の放冷帯
を曲げ戻し開始以降に設けることを特徴にするビレット
の連続鋳造装置。 Lc=100*Vc/60 (1) L-Lb>100*Vc/60 (2) L=(d/2)2*Vc/K2 (3) ここで、Lcは放冷帯の最小長さ(m) Vcは鋳造速度(m/min) Lは(3)式で決まる凝固完了長さ(m) Lbは鋳込み開始から曲げ戻し点までの距離(m) dは鋳片の厚み(mm) Kは凝固係数,鋳造機により異なるが通常は20から30(mm
/min0.5) - 【請求項4】 最終凝固位置が下記の式(2),(3)の条件
を満たす時、下記の式(1)で示される長さ以上の放冷帯
を曲げ戻し開始以降に設けた後に軽圧下帯を設置するこ
とを特徴にするビレットの連続鋳造装置。 Lc=100*Vc/60 (1) L-Lb>100*Vc/60 (2) L=(d/2)2*Vc/K2 (3) ここで、Lcは放冷帯の最小長さ+軽圧下帯長さ(m) Vcは鋳造速度(m/min) Lは(3)式で決まる凝固完了長さ(m) Lbは鋳込み開始から曲げ戻し点までの距離(m) dは鋳片の厚み(mm) Kは凝固係数,鋳造機により異なるが通常は20から30(mm
/min0.5)
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JP2010029899A (ja) * | 2008-07-28 | 2010-02-12 | Nippon Steel Corp | ビレットの連続鋳造方法 |
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