JP2000108255A - 樹脂シートの接着構造およびそれを用いた密封容器、並びに真空断熱パネル - Google Patents

樹脂シートの接着構造およびそれを用いた密封容器、並びに真空断熱パネル

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JP2000108255A
JP2000108255A JP10283969A JP28396998A JP2000108255A JP 2000108255 A JP2000108255 A JP 2000108255A JP 10283969 A JP10283969 A JP 10283969A JP 28396998 A JP28396998 A JP 28396998A JP 2000108255 A JP2000108255 A JP 2000108255A
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heat
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resin layer
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Toshiyuki Sugano
俊行 菅野
Takayuki Inuzuka
隆之 犬塚
Chisa Abe
千佐 安部
Yoshio Nishimoto
芳夫 西本
Shuichi Iwata
修一 岩田
Sho Yamada
祥 山田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂シート10を袋状にして断熱材11を挿
入して内部を真空にし、、挿入口を熱融着により密封し
た真空断熱パネル9において、熱融着部が挿入口に付着
した断熱材クズ等の異物に起因して、接着力および気密
性が劣化するのを防止し、信頼性の向上を図る。 【解決手段】 袋状樹脂シート10の熱融着層を内側表
面の低融点樹脂層13と2層目の高融点樹脂層12との
2層構造とし、熱融着時に低融点樹脂層13を断熱材ク
ズと共に溶融させて熱融着面から流出させ、高融点樹脂
層12同士の熱融着による接着部17aの端部に樹脂溜
まり18を形成し、接着部17aの接着力と気密性を確
保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、断熱を要する壁
面に用いる真空断熱パネル等の外殻機能を有する樹脂シ
ートに関し、特に熱融着による樹脂シートの接着構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3(a)は従来の真空断熱パネルを壁
に配設した冷蔵庫の斜視図であり、図3(b)は図3
(a)のA部の縦断面図で、従来の真空断熱パネルが配
設された冷蔵庫の壁の断面構造を示すものである。図に
示すように、真空断熱パネル1は、ガス遮蔽性を有する
包装材である樹脂シート2を袋状にして断熱芯材3(以
下、断熱材3と称す)とゲッター剤4とを挿入し、外周
縁部を熱融着した熱融着層2aにより密封し、内部を真
空状態に維持することにより形成され、冷蔵庫の壁5等
に組み込んだ状態で用いられる。冷蔵庫等の断熱箱体の
壁5内への真空断熱パネル1の配設は、おもに外箱6に
接着によって固定され、それらを内箱7と嵌合させたの
ちに、発泡ウレタン8を充填させることにより行なわれ
る。例えば特開昭60−243471号公報記載の真空
断熱パネル1では、断熱材3としての発泡ポリウレタン
フォーム粉砕品を袋状樹脂シート2としての合成樹脂袋
に投入してボード状に真空パックしたものが示され、そ
の真空断熱パネル1を壁5内へ配設し、隙間を発泡ウレ
タン8で充填する方法が提案されている。真空断熱パネ
ル1の形状は、通常、厚さが10〜20mmの板状であ
る。
【0003】真空断熱パネル1の断熱材3には、断熱特
性を向上させるために、断熱材3を構成する物質を伝わ
る熱(熱伝導)と透過する熱(輻射伝熱)との量を抑制
すること、また断熱特性を維持するために真空度悪化の
要因となる脱ガスが少ないことが要求される。これらの
特性を満足する断熱材3の材料として、パーライト(真
珠岩)、シリカあるいはガラスなどの無機材料や、発泡
ポリウレタン、発泡ポリスチレンなど有機材料が知られ
ている。また、真空断熱パネル1を壁5内に設置する
際、真空断熱パネル1を貼り付けた外箱6に内箱7を挿
入して合体させたのち、発泡ウレタン8の原料混合液を
注入して発泡成形させることによって断熱壁5を形成す
るため、真空断熱パネル1は大気圧および発泡ウレタン
8の発泡圧、さらには大気中および発泡ウレタン8の発
泡ガス雰囲気中に曝されるとともに、発泡ウレタン8発
泡時の硬化発熱による加熱も受けることとなる。このた
め、真空断熱パネル1が必要な断熱特性を確保維持する
ために、真空断熱パネル1の内部に、ガスの吸着機能を
有する吸着物質であるゲッター剤4が挿入され、経時的
な断熱特性の悪化の主因である袋状樹脂シート2の外部
からの透過ガスおよび内部で発生したガスによる真空度
の悪化を阻止する。
【0004】一方、真空断熱パネル1の樹脂シート2に
は、内部の真空度を維持して断熱特性を確保維持するた
めに、外部からのガスの侵入や透過を遮蔽または抑制す
ること、真空度悪化の要因となる脱ガスの少ないこと、
外周縁部を完全に気密封止するための優れた融着性およ
び外力による剥離などに対する接着力を有すること、成
形作業中の外層面の引っかきや磨滅など傷付に対して耐
性のあることなどが必要とされる。したがって、これら
の特性を満足するものとして、単一のフィルムではな
く、複数層以上で構成された多層シートが用いられ、す
なわち、内側表面が熱融着可能な熱可塑性樹脂、中間層
が外気の侵入を完全に遮断するためのアルミ箔などの金
属膜、および外層が傷付きなどに対して耐性のある樹脂
からなる多層シートを適用するのが一般的である。
【0005】例えば、特公平2−54479号公報記載
の真空断熱パネル1では、多層樹脂シート2の中間層の
金属膜を外気侵入ガス遮蔽のために特定厚さのアルミニ
ウム箔とし、外層にアルミニウム箔の表面保護と発泡ウ
レタン8との密着性を考慮した樹脂であるポリエチレン
テレフタレート、内層の熱可塑性樹脂がポリエチレンで
あるラミネートフイルムが提案されている。また、樹脂
シート2からの脱ガスを少なくするために、特開昭62
−10579号公報記載の樹脂シート2では、断熱材3
に直接接する面は金属膜とし、真空シール部のみにプラ
スチックフイルムを介在させる方法や、このほか、発泡
ウレタン8の硬化発熱温度場(100℃)に曝されても
熱融着密封が破れずかつ、ガス透過度の小さい熱融着フ
イルムとして、密度が0.94g/cc以上の高密度ポリエチ
レンまたはポリプロピレンを用いたものや、さらに、実
開昭62−12486号公報ではポリ塩化ビニリデンや
ポリアミドなどのガス遮蔽性フイルムの適用が提案され
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の真空断
熱パネル1の樹脂シート2において、樹脂シート2と垂
直方向のピンホールや侵入ガス、内層面からの脱ガスあ
るいは外層面の傷付耐性などには効果があるものの、外
周縁部の熱融着層の気密性や接着強度は十分でなかっ
た。すなわち、断熱材3として粉体、繊維あるいは脆い
発泡体が用いられるため、真空断熱パネル1成形におけ
る、樹脂シート2内面への断熱材3の挿入時や真空排気
時に飛散した粉末、繊維や発泡体クズなどの異物が熱融
着層2aに挟まれ、熱融着層2aの気密や接着力に支障
をきたし、ゲッター剤4の吸着能力を越える熱融着層2
aからのガス侵入により真空断熱パネル1内の圧力上昇
を招き、しばしば断熱特性の確保や長期間維持に問題を
起こしていた。
【0007】上記のような問題点を改善するために従来
から以下のような対応策がなされている。粉体や繊維状
の断熱材3の飛散防止のため、予め断熱材3を通気性の
ある袋に詰めて用いたり、型枠内で粉体や繊維同士を部
分的にバインダーで接着した成形体や発泡樹脂成形体を
断熱材3として用いる。また、樹脂シート2の三方を予
め封止して袋状にし、一方の挿入口から断熱材3を充填
し、真空封止工程では挿入口に付着した断熱材クズ等の
異物を掃除機あるいはアルコールなどで湿らせた布で清
掃した後、挿入口のみを熱融着する。しかし、これらの
対応策では若干の効果はあるものの挿入時に熱融着層2
aに付着する微細な異物を取り去るには不十分であっ
た。例えば、断熱材3の成形体は断熱特性発揮のため微
細な多孔質体で構成され概して脆く、挿入時の樹脂シー
ト2内面との摩擦により微細な断熱材クズが発生し、熱
融着層2a表面に静電気作用などで付着する。この断熱
材クズは上記のような簡単な清掃では取り去ることが困
難で、特に挿入口の隙間に挟込んだ断熱材クズは除去で
きず、挿入口の熱融着時に熱融着層2aに混入した状態
で接着され、真空断熱パネル1の冷蔵庫壁5への装着時
に、接着力不足による破損を招いたり、また、気密不良
により真空断熱パネル1内の真空度が悪化し、上述した
様に断熱特性の確保や長期間維持が困難となることがあ
った。
【0008】この発明は、上記のような問題点を解消す
るために成されたものであって、熱融着による接着時に
熱融着層に異物が混入しても気密性や接着力を十分に確
保する樹脂シートの接着構造を提供することを目的とす
る。さらに、この様な樹脂シートの接着構造を用いた、
接着力および気密性の良好な密封容器、並びに長期間に
わたり断熱特性の優れた真空断熱パネルを提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる請求項
1記載の樹脂シートの接着構造は、樹脂シート同士を熱
融着する接着構造であって、上記樹脂シートの熱融着層
が表面の低融点樹脂層と2層目の高融点樹脂層との融点
の異なる樹脂層で構成され、熱融着時に上記低融点樹脂
層が溶融、流出して成る樹脂溜まりが、上記高融点樹脂
層同士の熱融着による接着部の端部に形成されたもので
ある。
【0010】またこの発明に係わる請求項2記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1において、低融点樹脂層
と高融点樹脂層との融点差を5〜40℃としたものであ
る。
【0011】またこの発明に係わる請求項3記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1または2において、低融
点樹脂層と高融点樹脂層とを構成する樹脂材料が、同一
の樹脂系であるものである。
【0012】またこの発明に係わる請求項4記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1〜3のいずれかにおい
て、低融点樹脂層を構成する樹脂材料がメタロセン直鎖
状低密度ポリエチレンであり、高融点樹脂層を構成する
樹脂材料が高密度ポリエチレンであるものである。
【0013】またこの発明に係わる請求項5記載の樹脂
シートの接着構造を用いた密封容器は、請求項1〜4の
いずれかに記載の樹脂シートを低融点樹脂層が内側にな
るように袋状にして充填材を覆い、その外周縁部を熱融
着により接着して密封したものである。
【0014】またこの発明に係わる請求項6記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項1
〜4のいずれかに記載の樹脂シートを低融点樹脂層が内
側になるように袋状にして断熱材を覆って内部を真空に
し、その外周縁部を熱融着により接着して密封したもの
である。
【0015】またこの発明に係わる請求項7記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項6
において、袋状樹脂シートが、内側表面の第1の樹脂膜
と外側表面の第2の樹脂膜と該両樹脂膜に挟まれた金属
膜とを有する積層膜で構成され、上記第1の樹脂膜が、
内側表面の低融点樹脂層と2層目の高融点樹脂層との2
層構造であるものである。
【0016】またこの発明に係わる請求項8記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項6
または7において、高融点樹脂層が樹脂シート全面に形
成され、低融点樹脂層が熱融着層部のみに形成されたも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1は、この発明
の実施の形態1による真空断熱パネルの構造を示した断
面図である。図において、9は真空断熱パネル、10は
袋状の樹脂シート、11は袋状樹脂シート10内部に充
填された断熱材、12、13は融点の異なる樹脂層で、
融点の低い方の樹脂層13(以下、低融点樹脂層13と
称す)が、融点の高い方の樹脂層12(以下、高融点樹
脂層12と称す)の内側に形成され、2層の樹脂層1
2、13で樹脂シート10の内側表面層である第1の樹
脂膜14を構成する。また、15は樹脂シート10の中
間層である金属膜、16は樹脂シート10の外側表面層
である第2の樹脂膜、17は袋状樹脂シート10の外周
縁部で、内側表面の低融点樹脂層13と2層目の高融点
樹脂層12との2層で構成され、熱融着される熱融着層
である。さらに、17aは熱融着後に、高融点樹脂層1
2同士の熱融着により形成された接着部、18は熱融着
時に低融点樹脂層13が溶融、流出して接着部17a端
部に形成された樹脂溜まり(フィレット)である。
【0018】なお、この真空断熱パネル9は断熱材11
を覆う袋状の樹脂シート10によって内部を真空にし、
その外周縁部を熱融着により密封して形成するが、図1
(a)は外周縁部の熱融着前の構造、図1(b)は外周
縁部の熱融着後の構造を示すものである。この様な真空
断熱パネル9は、例えば図2に示す真空パネル成型機1
9によって製造することができる。予め外周縁部の三方
向を熱融着した袋状樹脂シート10内に、断熱材11を
挿入し、真空パネル成形機19に設置して、所定の真空
度を確保した状態で、残った1方向を熱融着する。すな
わち、包状樹脂シート10内に断熱材11を挿入したも
のを、上下融着ヒータ21の間に熱融着層17(挿入口
部)が位置するように装着したのち、真空パネル成形機
19内を所定の真空度になるように真空調整用バルブ2
0によって調整する。そののち、シール用加圧装置22
を用いて挿入口を固定、高融点樹脂層12の融点を超え
る温度で熱融着したのちに上下融着ヒータ21を切っ
て、冷却後に真空を開放することによって真空断熱パネ
ル9が得られる。
【0019】真空断熱パネル9成形における真空度は、
0.01〜0.5torrであることが好ましい。0.
01torr未満の場合、真空排気時間が著しく長く成
形効率が悪くなり、0.5torrを越える場合、真空
度が低いため断熱材11の断熱特性が十分に発揮できな
い。
【0020】断熱材11は、真空状態のパネル形状を保
持し、断熱機能を有するものである。形状保持のために
所定の強度を有すること、断熱性能発揮のために断熱材
11を構成する物質を伝わる熱(熱伝導)と透過する熱
(輻射伝熱)との量を抑制すること、材料に熱が伝達し
にくく、材料間の接触面積が少なく、熱伝導を断熱方向
と直角の面方向に制御することが必要であり、また断熱
特性を維持するために真空度悪化の要因となる脱ガスが
少ないことが要求される。例えば、パーライト(真珠
岩)、シリカあるいはガラスなど無機材料の粉体、マッ
ト、多孔質成形体や、ポリウレタン、ポリスチレンなど
有機材料の粉体、発泡体があげられるが、断熱特性、成
形作業性や熱融着面への異物混入が少ない点から無機多
孔質成形体や樹脂発泡体が好ましい。
【0021】また、真空断熱パネル9は、通常冷蔵庫や
保冷車などの断熱を要する壁面に組み込んで用いられる
が(図3参照)、真空断熱パネル9を壁内に設置する
際、真空断熱パネル9を貼り付けた外箱に内箱を挿入し
て合体させたのち、発泡ウレタンの原料混合液を注入し
て発泡成形させることによって断熱壁を形成するため、
真空断熱パネルは大気圧および発泡ウレタンの発泡圧、
さらには大気中および発泡ウレタンの発泡ガス雰囲気中
に曝されるとともに、発泡ウレタン発泡時の硬化発熱に
よる加熱も受けることとなる。このため、真空断熱パネ
ル9が必要な断熱特性を確保維持するために、真空断熱
パネル9の内部に、ガスの吸着機能を有する吸着物質で
あるゲッター剤(図示せず)が必要に応じて挿入され、
経時的な断熱特性の悪化の主因である袋状樹脂シート1
0の外部からの透過ガスおよび内部で発生したガスによ
る真空度の悪化を阻止する。
【0022】一方、真空断熱パネル9の樹脂シート10
には、内部の真空度を維持して断熱性能を確保維持する
ために、外部からのガスの侵入や透過を遮蔽または抑制
すること、真空度悪化の要因となる脱ガスの少ないこ
と、外周縁部を完全に気密封止するための優れた融着性
および外力による剥離などに対する接着力を有するこ
と、成形作業中の外層面の引っかきや磨滅など傷付に対
して耐性のあることなどが必要とされる。図1に示すよ
うに、樹脂シート10は、中間層に金属膜15と、内側
に2層の樹脂層12、13から成る第1の樹脂膜14
と、外郭最外側の第2の樹脂膜16とから成り、内側よ
り1層目の低融点樹脂層13は2層目の高融点樹脂層1
2より融点の低い樹脂で構成され、低融点樹脂層13は
樹脂シート10の外周縁部の熱融着層17の部分のみに
形成される。中間層の金属膜15により樹脂シート10
の直角方向からの侵入ガスを遮蔽し、最外側の第2の樹
脂膜16は引っかきや磨滅から金属膜15を保護する。
【0023】また、真空断熱パネル9成形における樹脂
シート1内面への断熱材11挿入時や真空排気時に、断
熱材11は飛散し易く、粉末、繊維や発泡体クズなどの
断熱材クズが、しばしば挿入口(熱融着層17)に挟ま
れるものであるが、熱融着時に、内面より1層目の低融
点樹脂層13は溶融して、熱融着層17表面に付着した
断熱材クズとともに接着部17a端部に押し出されフィ
レット18を形成する。これにより、接着部17aは、
断熱材クズを含むことなく2層目の高融点樹脂層12の
熱融着により形成され、外周縁部を完全に気密封止する
ための優れた融着性および外力による剥離などに対する
接着力を確保できる。さらに、接着部17a端部にフィ
レット18が形成されることにより、接着部17aの接
着力はより強固になる。また、挿入口の異物除去のため
の清掃などの処理も不要になる。
【0024】侵入ガスを遮蔽する中間層の金属膜15と
しては、例えばアルミニウム、ステンレススチール、銅
などの金属からなる金属膜15があげられる。なかで
も、屈曲性、伸び、比重の点で、アルミニウムからなる
金属膜15が望ましい。金属膜15の厚みは、5〜20
μmであることが望ましく、5μm未満の場合は、ピン
ホールの発生が著しく増加し、20μmを越える場合
は、真空断熱パネル9端部、すなわち接着部17a近傍
の断面方向の熱伝導により断熱特性が悪化する傾向があ
る。
【0025】引っかきや磨滅から金属膜15を保護する
最外側の第2の樹脂膜16には、成形作業中に傷付きな
どに対して耐性のある樹脂からなり、例えばナイロン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリブチレ
ンテレフタレートなどがあげられる。なかでも、耐磨耗
性、屈曲性の点で、ナイロン、ポリエチレンテレフタレ
ートが望ましい。第2の樹脂膜16の厚みは、10〜5
0μmであることが望ましく、10μm未満の場合は、
金属膜15を充分保護することができず、50μmを越
える場合は、剛くなり作業性が損なわれる傾向がある。
【0026】第1の樹脂膜14は、融点以上の温度で溶
解融合し、融点以下に冷却することによって固着シール
する熱融着可能な熱可塑性樹脂であり、例えばポリエチ
レン、エチレンービニルアルコールコポリマー、ポリア
クリロニトリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、塩化
ビニリデン、ポリエステルなどがあげられる。なかで
も、熱融着部の接着強度、ガス遮蔽性、融点の点で、ポ
リエチレンが望ましい。第1の樹脂膜14の2層の樹脂
層12、13の樹脂組成の組み合わせは、特に限定され
るものではないが、樹脂層12、13を構成する樹脂材
料が、同一の樹脂系であるのが熱融着工程における樹脂
の相溶性の点より望ましく、接着強度、ガス遮蔽性の優
れた接着部17aを形成できる。
【0027】第1の樹脂膜14の内側表面の低融点樹脂
層13は熱融着時に溶融流動し、付着した断熱材クズを
熱融着面より流し出すと共に接着部17a端部でフィレ
ット18を形成し接着を強固にするものであり、融点や
溶融流動性(メルトフローレイト)、フィレット18形
成の点よりメタロセン触媒により合成された直鎖状低密
度ポリエチレンが最も望ましい。2層目の高融点樹脂層
12は熱融着による接着部17aの接着力と断面方向の
気密性を確保するもので、ガス遮蔽性、融点の点で高密
度ポリエチレンが望ましい。
【0028】2層の樹脂層12、13の融点差は5〜4
0℃が望ましく、5℃以下だと熱融着時に低融点樹脂層
13の溶融樹脂が熱融着面より流出しにくく気密性の確
保が困難となり断熱特性の悪化を招く。また、40℃を
越えるとフィレット18が形成されにくくなり接着部1
7aの強固な接着力が得られなくなる傾向がある。ここ
で融点は、JIS K7121(プラスチックの転移温度測定
法)によって測定することができる。
【0029】また、低融点樹脂層13の厚みは、10〜
50μmであることが望ましい。10μm未満の場合
は、溶融樹脂の流出量が少なく、断熱材クズを十分には
流し出せず、接着部17aの気密性の確保が困難とな
り、50μmを越える場合は、低融点樹脂層13が熱融
着面に残留するため、この樹脂層13からガスが透過し
真空断熱パネル9の断熱特性の悪化を招く傾向にある。
この低融点樹脂層13は樹脂シート10の内側で高融点
樹脂層12に貼り合わせて形成するので、全面に形成し
ても良いが、図1に示すように、外周縁部の熱融着層1
7部のみに形成するのが望ましい。この場合、冷蔵庫の
壁面などへの真空断熱パネル9の配設時の発泡ウレタン
硬化発熱の影響による真空断熱パネル9の真空度の悪化
が抑制できる。これは、低融点樹脂層13は高融点樹脂
層12に比べ脱ガスが多く、特に加温場において顕著に
なる傾向にあり、発泡ウレタンの硬化発熱(約100
℃)による低融点樹脂層13からの脱ガスを最小限に抑
えることができるためである。
【0030】2層目の高融点樹脂層12の厚みは、20
〜100μmであることが望ましい。20μm未満の場
合は、熱融着面の接着強度が充分にえられず、100μ
mを越える場合は、接着部17a断面方向からのガスの
透過量が多くなり十分な気密性が得られなくなる傾向が
ある。
【0031】
【実施例】次に、上記実施の形態1を実施例に基づいて
以下に説明するが、これらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1〜5.断熱材11に、厚さが20mm、面の大
きさが200×200mmの連続気泡ポリウレタンフォ
ーム(クラボウ(株)製)を用い、樹脂シート10に
は、外面から、第2の樹脂膜16としてのナイロン(厚
さ35μm)、金属膜15としてのアルミ箔(厚さ6μ
m)および第1の樹脂膜14の高融点樹脂層12として
の2層目熱融着シート12(厚さ50μm)から成るラ
ミネートフイルムを基材樹脂シート10a(図示せず)
とし、この基材樹脂シート10aの内面に第1の樹脂膜
14の低融点樹脂層13としての1層目熱融着シート1
3を後から貼り合わせて用いた。この樹脂シート10を
袋状にして断熱材11を挿入し、図2に示す真空パネル
成形機19により真空断熱パネル9を試作した。
【0032】それぞれの実施例では、樹脂シート10の
1層目および2層目の熱融着シート13、12に融点、
メルトフローインデックス、気体透過度等、特性の異な
る樹脂を用い、それぞれについて真空断熱パネル9にお
ける樹脂シート10の接着部17aの接着強度および真
空断熱パネル9の断熱特性を評価した。また、熱融着シ
ートが単層の樹脂シート2を用いた従来の真空断熱パネ
ル1についても、樹脂シート2にそれぞれ異なる樹脂を
用いて、比較例1、比較例2および比較例3として上記
実施例と同様に作製し、評価した。上記実施例の1層目
および2層目の熱融着シート13、12および比較例の
熱融着シートに用いたそれぞれの樹脂の特性を表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】断熱材11の挿入された袋状樹脂シート1
0内部を真空にし、熱融着により挿入口を密封する真空
封止工程での挿入口の接着部17a部の接着力は、JIS
K 6854(接着剤の剥離接着強さ試験法)に準拠しT型剥
離にて評価した。剥離試験の試験片は真空断熱パネル9
の接着部17aから、直角方向に幅25mmで、長さ70
mmを短冊状に切り取って採取し、オートグラフ(島津製
作所製)にて測定した。また、真空断熱パネル9の断熱
性は、初期特性として室温放置24時間後に、また、長
期断熱特性として70℃の雰囲気下で1000時間の放置後
の熱伝導率をオートラムダ(英弘精機(株)製)にて測
定した。その測定結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例1〜3では、高密度ポリエチレン
(厚さ50μm)を2層目熱融着シート12に用いたラ
ミネートフイルム(東洋アルミ(株)製)を基材樹脂シ
ート10aとし、面の大きさが250×250mmに切
り出す。この基材樹脂シート10aの高密度ポリエチレ
ンシート面の上から、1層目熱融着シート13となる直
鎖状低密度ポリエチレン(三菱化学(株)製:LL-UF)
を押出成形した幅10×250mm、厚さ50μm(実施例
1)、30μm(実施例2)、15μm(実施例3)の
短冊状シート(1層目熱融着シート13)を基材樹脂シ
ート10aの外周縁部にそれぞれ10mm幅に重ね、125
℃に加熱したコテにてスポット的に仮止めして樹脂シー
ト10を得た。この樹脂シート10を2枚重ね、三方の
外周縁部10mm幅を温度135℃にてあらかじめ熱融着し
た袋状樹脂シート10の一方の挿入口より、断熱材11
としての連続気泡ポリウレタンフォームを挿入し、真空
パネル成形機19に装着して、真空度0.05torr、温度13
5℃、熱融着幅10mm、熱融着ギャップ100μmの条件
にて挿入口を熱融着より接着し、真空断熱パネル9を作
成した。ここでは、断熱材11を挿入した袋状樹脂シー
ト10を真空パネル成形機19に装着する際に、挿入口
に付着した断熱材クズをアルコールで湿らせた布で注意
深くふき取ってから装着した。
【0037】実施例4では1層目熱融着シート13とし
て、直鎖状低密度ポリエチレンの代わりに、厚さ30μ
mのメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン((株)興人
製:メタロエース)を用い、その他は上記実施例1〜3
と同様にした。また、実施例5では2層目熱融着シート
12を高密度ポリエチレンの代わりに厚さ50μmポリ
プロピレンとした基材樹脂シート10a(東洋アルミ
(株)製)を用いて上記実施例2と同様に作成し、評価
した。なお、実施例5における熱融着時の温度はポリエ
チレンの融点以上の165℃とした。
【0038】また、比較例1、比較例2および比較例3
では、熱融着シートが単層で高密度ポリエチレン(比較
例1)、ポリプロピレン(比較例2)、直鎖状低密度ポ
リエチレン(比較例3)を用いたものを、上記実施例と
同様に作製し、評価した。なお、これらの熱融着シート
の厚さはいずれも80μmとした。また、比較例3の直
鎖状低密度ポリエチレンは実施例1の1層目熱融着シー
ト13と同じものを用いた。
【0039】表2の結果から、実施例1〜5および比較
例3の接着部17aの接着強さは優れた剥離強度を示
し、比較例1〜2の約2倍の値を示す。とくにメタロセ
ン直鎖状低密度ポリエチレンを用いた実施例4は接着部
17aの樹脂層剥離ではなく樹脂シート10が引張破壊
した。また、初期断熱特性である室温24時間放置後の
熱伝導率は実施例1〜5および比較例1〜3すべてにお
いて8mW/m・K以下の優れた値を示す。一方、長期
断熱特性の指標となる70℃の雰囲気下で1000時間の放
置(加速劣化)後の熱伝導率は実施例1〜5で10mW
/m・K以下の優れた値を示すが、熱融着シートが単層
の従来の樹脂シート1で成形した比較例1〜3は15〜
21mW/m・Kと劣化の傾向を示し、特に比較例3の
断熱特性の劣化が著しい。
【0040】比較例1〜2に比べ、実施例1〜5で接着
部17aの剥離強度が大きいのは、1層目熱融着シート
13の融点が低くかつメルトフローレイトが大きいた
め、断熱材11の挿入口の熱融着時(2層目熱融着シー
ト(高融点樹脂層)12の融点以上での加熱・加圧)
に、1層目熱融着シート(低融点樹脂層)13が溶融流
動し、熱融着面から押し出され接着部17a端部にフィ
レット18を形成したためと考えられる。すなわち、1
層目熱融着シート13である直鎖状低密度ポリエチレン
やメタロセン直鎖状低密度ポリエチレンが接着部17a
端部でフィレット18を形成したことにより実質上の接
合面積を増加させたことが剥離強度が大きくなった主な
原因と考えられる。なお、熱融着シートが単層の比較例
のうち剥離強度の良い直鎖状低密度ポリエチレンを用い
た比較例3は外周縁部にフィレットを形成し、比較例
1、2の高密度ポリエチレンやポリプロピレンではフィ
レットは見られなかった。
【0041】また、実施例1〜5で70℃の雰囲気下で
1000時間の放置(加速劣化)後も熱伝導率が良いのは、
ガス透過度の比較的大きい1層目熱融着シート13が接
着部17a端部に押し出されてフィレット18となり、
熱融着による接着部17aはガス遮蔽性の優れた2層目
熱融着シート12の樹脂で溶融接合されるため気密性が
保持されたものと考えられる。すなわち、フィレット1
8が2層目熱融着シート12の接着部17a端部を覆う
ため、気密性が向上し真空悪化が防がれたためと考えら
れる。一方、比較例3の加速劣化後の熱伝導率の悪化が
著しいのは、成形後の熱融着部の気体透過度が比較的大
きい直鎖状低密度ポリエチレンのみで形成されるため、
熱融着断面方向の気密性が保持できず真空悪化を招いた
ものと考えられる。
【0042】実施例6〜7.真空封止工程での袋状樹脂
シート10挿入口への断熱材クズ等の異物の混入を模擬
するため、実施例6、7では、挿入口の清掃を取りや
め、代わりに、平均粒径70μmの溶融シリカ(1%重
量)を純水とイソプロピルアルコール等量混合の溶媒に
分散させた分散液を、挿入口に噴霧し、強制的に熱融着
層17に異物を付着させる異物処理を実施した後、熱融
着して真空断熱パネル9を作製した。実施例6は厚さ3
0μmの直鎖状低密度ポリエチレンを、実施例7は厚さ
30μmのメタロセン直鎖状低密度ポリエチレンをそれ
ぞれ1層目熱融着シート13として用いた。また、比較
例4として、熱融着シートが単層で厚さ80μmの高密
度ポリエチレンのものを用いて実施例6、7と同様に作
製し評価した。その測定結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3の結果、熱融着シート13、12を2
層とした実施例6、7は異物処理を行ったにもかかわら
ず、挿入口を清掃した同一樹脂シート10構成の実施例
2、4と同様に、剥離強度、初期および加速劣化後の熱
伝導率のいずれも良好な値を示すが、熱融着シートが単
層の比較例4では剥離強度、初期および加速劣化後の熱
伝導率のいずれも悪く、特に加速劣化後の熱伝導率は挿
入口を清掃した同一樹脂シート10構成の比較例1と比
べて、著しく劣る値を示す。これは、熱融着シート1
3、12を2層とした実施例6、7では、熱融着層17
表面に付着して、接合やガス遮蔽の障害となる異物が、
熱融着時に1層目熱融着シート(低融点樹脂層)13の
溶融、流出と共に熱融着面より流出したため、すなわち
熱融着層17に付着した異物が1層目熱融着シート13
の流出により取り除かれた(セルフクリーニングされ
た)結果、接着部17aの強固な接着力や、真空断熱パ
ネル9の優れた断熱特性が得られたものと考えられる。
一方、熱融着シートが単層の比較例4では製造工程での
挿入口への異物混入を想定して意識的に付着させた異物
が、そのまま、熱融着部に挟まれた形態で融着され、こ
の熱融着部への異物の介在により剥離強度やガス遮蔽性
の低下を招き、加速劣化後の断熱特性の著しく悪化した
ものと考えられる。
【0045】なお、上記実施例を含む実施の形態では、
真空断熱パネル9について示したが、熱融着により樹脂
シート10を接着する接着構造において、熱融着層17
が低融点樹脂層13と高融点樹脂層12との2層構造で
構成され、熱融着時に低融点樹脂層13が溶融し熱融着
部から流出して、高融点樹脂層12同士の熱融着による
接着部17aの端部にフィレット18を形成したもので
あれば良く、強固な接着力と良好な気密性が得られる。
また、例えば、樹脂シート10を袋状にしてレトルト食
品等を充填した密封容器にも適用でき、接着部17aの
接着力と気密性が確保され、信頼性の高い密封容器が得
られる。
【0046】
【発明の効果】この発明に係わる請求項1記載の樹脂シ
ートの接着構造は、樹脂シート同士を熱融着する接着構
造であって、上記樹脂シートの熱融着層が表面の低融点
樹脂層と2層目の高融点樹脂層との融点の異なる樹脂層
で構成され、熱融着時に上記低融点樹脂層が溶融、流出
して成る樹脂溜まりが、上記高融点樹脂層同士の熱融着
による接着部の端部に形成されたため、接着部の強固な
接着力と良好な気密性が得られる。
【0047】またこの発明に係わる請求項2記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1において、低融点樹脂層
と高融点樹脂層との融点差を5〜40℃としたため、熱
融着時に低融点樹脂層が確実に溶融、流出して接着部の
端部に樹脂溜まりを形成し、、接着部の強固な接着力と
良好な気密性が確実に得られる。
【0048】またこの発明に係わる請求項3記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1または2において、低融
点樹脂層と高融点樹脂層とを構成する樹脂材料が、同一
の樹脂系であるため、樹脂層の相溶性が良好で、接着部
の強固な接着力と良好な気密性が確実に得られる。
【0049】またこの発明に係わる請求項4記載の樹脂
シートの接着構造は、請求項1〜3のいずれかにおい
て、低融点樹脂層を構成する樹脂材料がメタロセン直鎖
状低密度ポリエチレンであり、高融点樹脂層を構成する
樹脂材料が高密度ポリエチレンであるため、接着部の接
着力および気密性が一層良好なものとなる。
【0050】またこの発明に係わる請求項5記載の樹脂
シートの接着構造を用いた密封容器は、請求項1〜4の
いずれかに記載の樹脂シートを低融点樹脂層が内側にな
るように袋状にして充填材を覆い、その外周縁部を熱融
着により接着して密封したため、接着部の強固な接着力
と良好な気密性が得られ、信頼性の高い密封容器が得ら
れる。
【0051】またこの発明に係わる請求項6記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項1
〜4のいずれかに記載の樹脂シートを低融点樹脂層が内
側になるように袋状にして断熱材を覆って内部を真空に
し、その外周縁部を熱融着により接着して密封したた
め、接着部の強固な接着力と良好な気密性が得られ、断
熱特性の良い信頼性の高い真空断熱パネルが得られる。
【0052】またこの発明に係わる請求項7記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項6
において、袋状樹脂シートが、内側表面の第1の樹脂膜
と外側表面の第2の樹脂膜と該両樹脂膜に挟まれた金属
膜とを有する積層膜で構成され、上記第1の樹脂膜が、
内側表面の低融点樹脂層と2層目の高融点樹脂層との2
層構造であるため、接着部の強固な接着力と良好な気密
性が得られると共に、外気侵入ガスの遮蔽性が良好で、
長期間断熱特性の良い信頼性の高い真空断熱パネルが得
られる。
【0053】またこの発明に係わる請求項8記載の樹脂
シートの接着構造を用いた真空断熱パネルは、請求項6
または7において、高融点樹脂層が樹脂シート全面に形
成され、低融点樹脂層が熱融着層部のみに形成されたた
め、低融点樹脂層からの脱ガスが抑制され、さらに断熱
特性が良好な信頼性の高い真空断熱パネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による真空断熱パネ
ルの構造を示す断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による真空パネル成
型機の構造を示す断面図である。
【図3】 従来の真空断熱パネルおよびその適用例を示
す断面図である。
【符号の説明】
9 真空断熱パネル、10 樹脂シート、11 断熱
材、12 高融点樹脂層(2層目熱融着シート)、13
低融点樹脂層(1層目熱融着シート)、14 第1の
樹脂膜、15 金属膜、16 第2の樹脂膜、17 熱
融着層、17a 接着部、18 樹脂溜まり。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 千佐 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 西本 芳夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 岩田 修一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山田 祥 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H036 AA08 AB29 AC01 AE13 3L102 JA01 JA07 MA01 MA02 MA03 MB24 MB25 MB26 4F100 GB48 JD01 JJ02 JK06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂シート同士を熱融着する接着構造に
    おいて、上記樹脂シートの熱融着層が表面の低融点樹脂
    層と2層目の高融点樹脂層との融点の異なる樹脂層で構
    成され、熱融着時に上記低融点樹脂層が溶融、流出して
    成る樹脂溜まりが、上記高融点樹脂層同士の熱融着によ
    る接着部の端部に形成されたことを特徴とする樹脂シー
    トの接着構造。
  2. 【請求項2】 低融点樹脂層と高融点樹脂層との融点差
    を5〜40℃としたことを特徴とする請求項1記載の樹
    脂シートの接着構造。
  3. 【請求項3】 低融点樹脂層と高融点樹脂層とを構成す
    る樹脂材料が、同一の樹脂系であることを特徴とする請
    求項1または2記載の樹脂シートの接着構造。
  4. 【請求項4】 低融点樹脂層を構成する樹脂材料がメタ
    ロセン直鎖状低密度ポリエチレンであり、高融点樹脂層
    を構成する樹脂材料が高密度ポリエチレンであることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂シート
    の接着構造。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂シ
    ートを低融点樹脂層が内側になるように袋状にして充填
    材を覆い、その外周縁部を熱融着により接着して密封し
    たことを特徴とする、樹脂シートの接着構造を用いた密
    封容器。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂シ
    ートを低融点樹脂層が内側になるように袋状にして断熱
    材を覆って内部を真空にし、その外周縁部を熱融着によ
    り接着して密封したことを特徴とする、樹脂シートの接
    着構造を用いた真空断熱パネル。
  7. 【請求項7】 袋状樹脂シートが、内側表面の第1の樹
    脂膜と外側表面の第2の樹脂膜と該両樹脂膜に挟まれた
    金属膜とを有する積層膜で構成され、上記第1の樹脂膜
    が、内側表面の低融点樹脂層と2層目の高融点樹脂層と
    の2層構造であることを特徴とする請求項6記載の樹脂
    シートの接着構造を用いた真空断熱パネル。
  8. 【請求項8】 高融点樹脂層が樹脂シート全面に形成さ
    れ、低融点樹脂層が熱融着層部のみに形成されたことを
    特徴とする請求項6または7記載の樹脂シートの接着構
    造を用いた真空断熱パネル。
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