JP2000105232A - 抗HBs抗体測定試薬の製造方法 - Google Patents

抗HBs抗体測定試薬の製造方法

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JP2000105232A
JP2000105232A JP10275208A JP27520898A JP2000105232A JP 2000105232 A JP2000105232 A JP 2000105232A JP 10275208 A JP10275208 A JP 10275208A JP 27520898 A JP27520898 A JP 27520898A JP 2000105232 A JP2000105232 A JP 2000105232A
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antigen
small
surfactant
hbs antigen
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Atsushi Doi
淳 土居
Masahiro Furuya
昌弘 古谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗原活性を保持した小粒子化HBs抗原を用
いる抗HBs抗体測定試薬の製造方法を提供する。 【解決手段】 小粒子化HBs抗原を用いる抗HBs抗
体測定試薬の製造方法であって、上記小粒子化HBs抗
原は、界面活性剤及びタンパク質変性剤からなる群より
選択される少なくとも1種をHBs抗原溶液に添加する
ことにより小粒子化処理されたものであることを特徴と
する抗HBs抗体測定試薬の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗HBs抗体測定
試薬の製造方法に関し、詳しくは、小粒子化HBs抗原
を用いる抗HBs抗体測定試薬の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】B型肝炎ウイルス(HBV)感染時の患
者血清中には、直径42nmのDane粒子と呼ばれる
二本鎖DNAウイルスの他に、直径22nmの小型球状
粒子や同じ外径で長さ50〜700nmの管状粒子が存
在することが知られている。これらHBVには、HBV
の外被(surface)、芯(core)に対応する
表面抗原(HBs抗原)、核抗原(HBc抗原)等が存
在する。
【0003】このような各抗原に対する抗体の検出は、
臨床診断上重要である。特に、HBs抗体は、HBVに
対する感染防御抗体であるので、過去にHBVの感染が
あり既に排除されている場合やHBVワクチン接種後で
ある場合に血中に検出される。従って、HBs抗体が陽
性であることは、HBVに対して抵抗性があり、再感染
のおそれがないことを示すものである。
【0004】血中のHBs抗体の定量的測定法として
は、通常、抗原抗体反応を利用した免疫測定法が用いら
れ、例えば、HBs抗原を血球やラテックス等の不溶性
担体に担持させた血球凝集法やラテックス凝集法等が挙
げられる。
【0005】血球凝集法やラテックス凝集法は、精製し
たHBs抗原をラテックスや血球等に担持させ、これを
HBs抗体含有検体と混合させる。抗原抗体反応の結
果、ラテックスや血球が抗体により架橋され、凝集が生
じ、この凝集度を測定することにより検体中のHBs抗
体を定量することができる。
【0006】ラテックスや血球に担持させる抗原量は、
多ければ多いほど反応性が増加し、試薬の測定感度が向
上する。しかしながら、HBs抗原は分子量300万〜
400万という巨大分子であるために、担体(ラテック
スや血球)の表面積当たりの担持分子数が少なくなり、
充分な試薬感度を得ることが困難であった。そのため、
HBs抗原を小粒子化処理して、これを不溶性担体に担
持させることができれば、従来の試薬に比べて測定感度
の向上が可能となる。
【0007】特開平6−138123号公報には、HB
s抗原を還元剤、例えば10%ジチオスレイトールを用
いてHBs抗原のジスルフィド(−SS−)結合を開裂
し、分子量が50万〜100万の小粒子化処理したHB
s抗原を調製し、これを用いて酵素標識体を調製する方
法が開示されている。しかしながら、このような方法で
得られたHBs抗原は、抗原活性に関与するジスルフィ
ド結合まで開裂するため、活性の低下が生じ、目的とす
る試薬感度を向上させることはできなかった。従って、
抗原活性を保持した小粒子化HBs抗原を調製し、これ
を試薬化する方法が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、抗原活性を保持した小粒子化HBs抗原を用いる
抗HBs抗体測定試薬の製造方法を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、小粒子化HB
s抗原を用いる抗HBs抗体測定試薬の製造方法であっ
て、上記小粒子化HBs抗原は、界面活性剤及びタンパ
ク質変性剤からなる群より選択される少なくとも1種を
HBs抗原溶液に添加することにより小粒子化処理され
たものである抗HBs抗体測定試薬の製造方法である。
【0010】本発明の抗HBs抗体測定試薬の製造方法
は、小粒子化HBs抗原を用いるものである。上記小粒
子化HBs抗原は、界面活性剤及びタンパク質変性剤か
らなる群より選択される少なくとも1種をHBs抗原溶
液に添加することにより小粒子化処理されたものであ
る。上記小粒子化処理を行うことによって、抗原活性を
保持した小粒子化HBs抗原を得ることができる。本明
細書中において、小粒子化HBs抗原とは、HBs抗原
を界面活性剤及びタンパク質変性剤からなる群より選択
される少なくとも1種で処理することによって得られ
る、低分子量化したHBs抗原を意味する。
【0011】上記界面活性剤としては、脂質を除去可能
なものであれば特に限定されず、例えば、ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS、cmc=8.2mM)、ドデシル
スルホン硫酸ナトリウム(cmc=9.8mM)、コー
ル酸ナトリウム(cmc=14mM)、デオキシコール
酸ナトリウム(cmc=5mM)、タウロデオキシコー
ル酸ナトリウム(cmc=4mM)等の陰イオン性界面
活性剤;セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(C
16TAB、cmc=0.92mM)、ドデシルピリジ
ニウムクロライド(cmc=16mM)等の陽イオン性
界面活性剤;3−[(コールアミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−1−プロパンスルホン酸(CHAPS、
cmc=8mM)、3−[(コールアミドプロピル)ジ
メチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンス
ルホン酸(CHAPSO、cmc=8mM)等の両性界
面活性剤;オクチルグルコシド(OG、cmc=25m
M)、オクチルチオグルコシド(cmc=9mM)、ノ
ナノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−9、cm
c=25mM)、デカノイル−N−メチルグルカミド
(MEGA−10、cmc=7mM)、ポリオキシエチ
レン ドデシルエーテル(Briji、cmc=0.0
02〜0.3mM)、ポリオキシエチレンi−オクチル
フェニルエーテル(TritonX−100、cmc=
0.24mM:TritonX−114、cmc=0.
20mM:TritonX−165、cmc=0.43
mM)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(Nonidet P−40、cmc=0.29m
M)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(Spa
n)、ポリオキシエチレンソルビトールエステル(Tw
een、cmc=0.012〜0.059mM)等の非
イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0012】上記界面活性剤は、溶液中の濃度により、
その存在形態が異なり、薄い濃度ではモノマーとして存
在するが、ある濃度以上ではミセルを形成するようにな
る。上記ミセルは、複数のモノマーがコンパクトに集合
した会合体であり、親水性(極性)部分が外側を向いて
水と接し、疎水性(非極性)部分が内側に隠されたよう
な構造をとっている。このミセルの状態でタンパク質の
疎水部分との相互作用が大きくなるため、HBs抗原を
小粒子化処理する場合には、ミセルが形成される濃度
(臨界ミセル濃度:critical micelle
concentration、以下cmcともい
う。)以上の濃度を存在させることが好ましい。
【0013】上記タンパク質変性剤としては、タンパク
質の高次構造をほぐしポリペプチド側鎖間の水素結合、
疎水性相互作用を解離するものであれば特に限定され
ず、例えば、グアニジン塩酸塩、尿素等が挙げられる。
上記タンパク質変成剤の使用濃度は、処理するHBs抗
原濃度によって異なるが、0.1〜8Mの範囲が好まし
い。上記界面活性剤及びタンパク質変性剤は、それぞれ
単独で用いても、混合して用いてもよい。
【0014】上記界面活性剤及び/又はタンパク質変性
剤に加えて、更に、少量であるならば、還元剤を添加し
てもよい。上記還元剤は、タンパク質のジスルフィド結
合を解離させるものであれば特に限定されず、例えば、
β−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミ
ン、ジチオスレイトール、ジチオエリスルトール、水素
化ホウ素ナトリウム、モノチオリン酸等が挙げられる。
【0015】上記還元剤の使用濃度としては、処理する
HBs抗原の濃度によって異なるが、通常は溶液中の濃
度が0.001〜10mMの範囲で用いることができ
る。0.001mM未満であると、その効果が発揮でき
ない場合があり、10mMを超えると、抗原活性に必要
な分子内ジスルフィド結合まで解離する。
【0016】本発明の小粒子化HBs抗原は、上記界面
活性剤及びタンパク質変性剤からなる群より選択される
少なくとも1種を溶解させた溶液と、HBs抗原溶液と
を混合し、反応させることにより得ることができる。
【0017】上記HBs抗原溶液の希釈液としては特に
限定されず、例えば、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グ
ッド緩衝液、グリシン緩衝液、トリス塩酸緩衝液等が挙
げられる。上記希釈液のイオン強度としては、HBs抗
原を希釈するのに好適なものであれば特に限定されない
が、NaClを0.05〜1Mとなるようにしたものが
好ましい。上記希釈液のpHは特に限定されないが、
4.5〜9.0の範囲が好ましい。
【0018】上記界面活性剤及びタンパク質変性剤から
なる群より選択される少なくとも1種、又は、それに還
元剤を添加したものを溶解させておく緩衝液としては特
に限定されず、上記HBs抗原の希釈液で例示したもの
等が挙げられる。上記HBs抗原の処理濃度としては特
に限定されず、0.001〜10mg/mLが通常用い
られる。
【0019】上記小粒子化処理反応は、例えば10〜6
0℃等の一定温度条件下で1〜10時間インキュベーシ
ョンするだけでも小粒子化HBs抗原を調製することが
できるが、更に、攪拌操作、超音波処理又は加熱処理等
を行うことによって、小粒子化反応を促進することもで
きる。
【0020】本発明においては、上記小粒子化HBs抗
原を用いて、抗HBs抗体測定試薬の製造を行う。上記
小粒子化HBs抗原は、不溶性担体に担持されたもので
あることが好ましい。
【0021】上記不溶性担体としては、疎水性の表面を
有する不活性担体、及び、部分的に疎水性表面を有する
不活性担体が挙げられ、例えば、ラテックス、プラスチ
ックビーズ、プラスチックプレート等の合成高分子化合
物からなるもの;シリカ等の無機材料からなるもの;タ
ンニン酸処理した赤血球;ニトロセルロース等の高分子
膜等が挙げられる。なかでも、工業的に安定した品質で
大量生産しうるラテックス;プラスチックビーズ、プラ
スチックプレート等のプラスチック成型品が好ましい。
【0022】上記不溶性担体の表面には、化学結合を目
的とする種々の官能基が存在してもよく、また、アビジ
ン−ビオチン等の親和性を利用して物質を固定化するた
めのスペーサー等を有していてもよい。
【0023】特に、検査の全自動化処理による検査時間
の短縮及び省力化が可能なこと等から、ラテックスがよ
り好ましい。上記ラテックスとしては、ポリスチレン
系、合成ゴム系等特に限定されないが、好ましくはポリ
スチレン系のものである。上記ラテックスの平均粒径は
0.05μm〜2.0μmのものが好ましく、より好ま
しくは、0.1μm〜0.5μmのものである。
【0024】上記不溶性担体への担持方法としては、例
えば、本発明によって得られた小粒子化HBs抗原をそ
のまま、又は、好適な緩衝液で希釈し、若しくは、透析
処理を行って界面活性剤等を除去して、これをHBs抗
原液とする。上記HBs抗原液と上記不溶性担体とを、
pH4.5〜9.0の水性媒体中で接触させ、所定時間
インキュベートすることによりHBs抗原を不溶性担体
に固定化することができる。
【0025】上記不溶性担体への担持においては、界面
活性剤の濃度はcmc濃度以下にして行うことが好まし
い。即ち、不溶性担体への小粒子化HBs抗原の担持と
は、両者の疎水性相互作用に基づく物理吸着であるた
め、界面活性剤がミセル状態で存在している場合、疎水
性相互作用が妨害されるためである。上記界面活性剤の
濃度がcmc濃度以下になるとモノマーとして存在する
ため、透析等の処理によって界面活性剤の濃度を低下さ
せることができる。
【0026】上記不溶性担体とのインキュベーション終
了後、試薬の非特異的反応を抑制することを目的とし
て、ウシ血清アルブミン溶液等でブロッキング操作等を
行い、その後、遠心分離操作等により抗原担持不溶性担
体を回収することができる。洗浄操作を数回行った後、
適当な緩衝液を用いて、希釈、保存する。
【0027】上記小粒子化HBs抗原を担持させた不溶
性担体を保存する液、及び、抗原抗体反応の反応液とし
て使用する水性媒体としては特に限定されず、例えば、
上記HBs抗原の希釈緩衝液として例示したもの等の一
般に用いられている緩衝液が好ましい。
【0028】上記酵素標識した小粒子化HBs抗原、及
び、上記不溶性担体に担持させた小粒子化HBs抗原
は、免疫測定試薬として使用した場合、高感度な免疫測
定法を行うことができる。例えば、上記不溶性担体に担
持させた小粒子化HBs抗原と検体とを混合して、免疫
凝集反応後、この凝集を検出することにより、検体中の
HBs抗体の量を測定することができる。
【0029】上記HBs抗原は、タンパク質、脂質及び
リン脂質から構成されている巨大分子であることが知ら
れている。巨大分子の形成には、主としてリン脂質が関
与しており、タンパク質の疎水部がリン脂質膜の疎水部
に埋没することにより、安定な構造に保たれている考え
られる。更に、タンパク質間のジスルフィド結合や非共
有結合(水素結合、疎水性結合等)等の安定化により、
巨大分子を形成していると推定される。
【0030】本発明は、界面活性剤やタンパク質変性剤
を用いることによって、巨大分子の形成の要因であると
考えられるリン脂質やタンパク質間の非共有結合を除去
する。上記界面活性剤は、タンパク質の疎水部に相互作
用してタンパク質と脂質を分離することにより、また、
上記タンパク質変性剤は、タンパク質間の水素結合や疎
水相互作用等の非共有結合を解離させることにより、抗
原活性を保持した小粒子化HBs抗原を得ることができ
る。
【0031】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0032】実施例1 小粒子化HBs抗原の調製
(1) (1)試薬及び材料 HBs抗原:ヒト陽性血漿より精製した。精製方法は、
塩化セシウム溶液及びショ糖溶液による密度勾配法によ
り小型球状粒子抗原を回収し、更にゲル濾過法により精
製した。得られたHBs抗原を、50mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.5)+0.2M NaClを用い
て4mg/mLとなるように調製し、これをHBs抗原
液とした。 小粒子化用液:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)+0.2MNaClに、オクチルグルコシド
(同仁化学社製)を60mMとなるように添加して、こ
れを小粒子化用液とした。 HBs抗原量測定用キット:ヘキストジャパン社製のエ
ンザイグノストHBsAg モノクローナルを用いた。
【0033】(2)小粒子化方法及びジスルフィド反応 HBs抗原溶液2mL及び小粒子化用液2mLを混合
し、25℃にて2時間インキュベーションした。この粒
子化抗原含有液の少量を適当量希釈して、この液の抗原
性をHBs抗原測定キットを用いて測定した結果、小粒
子化操作前の抗原液とほぼ同等の抗原活性を保持してい
ることを確認した。
【0034】(3)分子量の測定 この操作で得られた小粒子化HBs抗原の分子量分布を
調べるために高速液体クロマトグラフィーによる解析を
行った。高速液体クロマトグラフィーは島津社製HPL
C−10Aシステムを、カラムは東ソー社製のゲル濾過
クロマト用カラムTSKgelG4000SWXLを用
い、溶離液として50mMリン酸ナトリウム緩衝液(p
H7.5)+0.1M NaClにオクチルグルコシド
30mM添加した液を用いた。検出は280nmの吸光
度を測定することにより行い、また分子量標準物質とし
て東ソー社製のTSK標準ポリエチレンオキシドを用い
て較正曲線を作製し、これをもとに分子量分布を求め
た。その結果、分子量分布60〜90万付近にピークが
認められた。
【0035】実施例2 小粒子化HBs抗原の調製
(2) (1)試薬及び材料 小粒子化用液として下記のものを使用したこと以外は、
実施例1と同様のものを使用した。 小粒子化用液:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)+0.2MNaClに、オクチルグルコシド
(同仁化学社製)を70mM、グアニジン塩酸塩(和光
純薬社製)を6Mとなるように、それぞれ添加して、こ
れを小粒子化用液とした。
【0036】(2)小粒子化方法 実施例1と同様に行った。この粒子化抗原含有液の少量
を適当量希釈して、この液の抗原性をHBs抗原測定キ
ットを用いて測定した結果、小粒子化操作前の抗原液と
ほぼ同等の抗原活性を保持していることを確認した。
【0037】(3)分子量の測定 実施例1と同様にして行った結果、約40〜60万付近
にピークが認められた。
【0038】実施例3 小粒子化HBs抗原の調製
(3) (1)試薬及び材料 小粒子化用液として下記のものを使用したこと以外は、
実施例1と同様のものを使用した。 小粒子化用液:50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.5)+0.2MNaClに、MEGA−9(同仁化
学社製)を50mM、尿素(和光純薬社製)を8Mとな
るように、それぞれ添加して、これを小粒子化用液とし
た。
【0039】(2)小粒子化方法 実施例1と同様に行った。この粒子化抗原含有液の少量
を適当量希釈して、この液の抗原性をHBs抗原測定キ
ットを用いて測定した結果、小粒子化操作前の抗原液と
ほぼ同等の抗原活性を保持していることを確認した。
【0040】(3)分子量の測定 実施例1と同様にして行った結果、約40〜60万付近
にメインピークが出現した。
【0041】実施例4 小粒子化HBs抗原の調製
(4) (1)試薬及び材料 小粒子化用液として下記のものを使用したこと以外は、
実施例1と同様のものを使用した。小粒子化用液:50
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)+0.2M
NaClに、CHAPS(同仁化学社製)を40mM、
グアニジン塩酸塩(和光純薬社製)を8M、ジチオスレ
イトール(和光純薬社製)を1mMとなるように、それ
ぞれ添加して、これを小粒子化用液とした。
【0042】(2)小粒子化方法 実施例1と同様に行った。 この粒子化抗原含有液の少量を適当量希釈して、この液
の抗原性をHBs抗原測定キットを用いて測定した結
果、小粒子化操作前の抗原液とほぼ同等の抗原活性を保
持していることを確認した。
【0043】(3)分子量の測定 実施例1と同様にして行った結果、約20〜40万付近
にメインピークが出現した。
【0044】実施例5 HBs抗体試薬用ラテックス試
薬の調製(1) (1)HBs抗原感作ラテックス試薬の調製 実施例1で得られた小粒子化HBs抗原を50mMリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)を用いて1.0mg
/mLに希釈し、この液7.5mLに、平均粒径0.3
μmのポリスチレンラテックス(固形分10%(W/
V)、積水化学工業社製)0.5mLと0.1MNaC
lを添加した36mMリン酸ナトリウム緩衝液2mLと
を添加し、30℃にて60分間攪拌した。次いで、この
液にウシ血清アルブミン(BSA)を1重量%含有する
リン酸−食塩緩衝液(0.05Mリン酸緩衝液(pH
7.0)、0.1MNaCl、以下PBSともいう)を
添加し、30℃にて60分間攪拌した後、4℃にて20
分間、18000rpmで遠心分離することにより洗浄
した。洗浄操作は3回行った。得られた沈殿物にBSA
を1重量%含有するPBSを10mL添加し、ラテック
スを懸濁した後、超音波破砕機にて分散処理を行い、固
形分0.1%(W/V)のHBs抗原感作ラテックス液
を調製した。
【0045】(2)検体希釈液の調製 平均分子量500,000のポリエチレングリコール
(以下、PEGともいう:和光純薬社製)を、BSAを
1重量%含有するPBSに、0.9重量%の濃度となる
ように溶解した。
【0046】(3)HBs抗体測定試薬 本実施例のHBs抗体測定試薬は、上記(1)項のHB
s抗原感作ラテックスからなる第1試薬と、上記(2)
項のPEG溶液からなる第2試薬とから構成される2液
系の試薬である。
【0047】(4)標準HBs抗体液 HBs抗体を0、300、600、1200、1800
mIU/mL濃度で含むヒト血清を標準品として使用し
た。
【0048】(5)測定方法 検体20μLと上記(2)項の検体希釈液120μLを
混合し、37℃で適時保持した後、上記(1)項のHB
s抗原感作ラテックス液120μLを添加攪拌した。こ
の後、1分後及び5分後の波長750nmでの吸光度を
測定し、この差を吸光度変化量(△Abs)とした。測
定は日立自動分析7150形を使用した。標準HBs抗
体液を測定して、検量線を作成した。得られた結果を表
1及び図1に示す。
【0049】実施例6 HBs抗体測定用ラテックス試
薬の調製(2) 実施例3で得られた小粒子化HBs抗原を用いた以外
は、実施例5と同様にしてHBs抗体測定用のラテック
ス試薬を調製し、検量線を作成した。得られた結果を表
1及び図1に示す。
【0050】比較例1 ラテックスに感作する抗原を、実施例1で調製した小粒
子化HBs抗原の代わりに小粒子化処理していない精製
HBs抗原を用いた以外は実施例5と同様に行った。得
られた結果を表1及び図1に示す。
【0051】比較例2 ラテックスに感作する抗原を、実施例1において、小粒
子化用液の70mMオクチルグルコシド、8M尿素の代
わりに、100mMジチオスレイトールを用いて調製し
た小粒子化HBs抗原を用いたこと以外は実施例5と同
様に行った。得られた結果を表1及び図1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の抗HBs抗体測定試薬の製造方
法は、上述の構成よりなるので、活性を保持した小粒子
化HBs抗原を用いることにより、高感度な抗HBs抗
体測定試薬、特に、抗HBs抗体測定用ラテックス凝集
試薬を調製することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5及び6並びに比較例1及び2における
抗HBs抗体の抗体量と吸光度変化量との関係を示すグ
ラフである。縦軸は吸光度変化量、横軸は抗HBs抗体
の抗体量を示す単位(mIU/mL)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小粒子化HBs抗原を用いる抗HBs抗
    体測定試薬の製造方法であって、前記小粒子化HBs抗
    原は、界面活性剤及びタンパク質変性剤からなる群より
    選択される少なくとも1種をHBs抗原溶液に添加する
    ことにより小粒子化処理されたものであることを特徴と
    する抗HBs抗体測定試薬の製造方法。
  2. 【請求項2】 小粒子化HBs抗原は、不溶性担体に担
    持させるものである請求項1記載の抗HBs抗体測定試
    薬の製造方法。
JP10275208A 1998-09-29 1998-09-29 抗HBs抗体測定試薬の製造方法 Pending JP2000105232A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018529978A (ja) * 2015-07-28 2018-10-11 フォルシュンクツェントラム ボルステル ライプニッツ ランゲンツェントラム エンドトキシンの測定のための、改良された細菌エンドトキシン試験

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