JP2000103887A - プラスチック基材フィルム用ハードコート膜、ハードコートフィルム、コーティング溶液、プラスチック基材フィルム用ハードコート膜の形成方法、反射防止フィルム、熱線反射フィルム、及び紫外線遮蔽フィルム - Google Patents
プラスチック基材フィルム用ハードコート膜、ハードコートフィルム、コーティング溶液、プラスチック基材フィルム用ハードコート膜の形成方法、反射防止フィルム、熱線反射フィルム、及び紫外線遮蔽フィルムInfo
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Abstract
たハードコートフィルム自体のカールを防止し、且つハ
ードコートフィルムの表面の鉛筆硬度を2H〜5Hが可
能なプラスチック基材フィルム用ハードコート膜を提供
する。 【解決手段】 塗布液中に重合性官能基を有する1種以
上の有機成分と無機フィラーとを含む塗布液であって、
該有機成分の少なくとも1種が水素結合形成基を有さ
ず、且つ無機フィラーの少なくとも一部が重合性官能基
を有する塗布液を、プラスチック基材フィルム上に塗布
し、塗膜中の溶剤を乾燥した後、25℃〜100℃の温
度範囲で5秒〜5分間エージングを行い、その後硬化処
理を行う。有機成分と無機フィラーの少なくとも一部が
独立したネットワークを形成し、さらに有機成分と無機
フィラーの両者の重合性官能基の少なくとも一部が共有
結合を形成することで、硬度とフレキシビリティを併せ
持つハードコートフィルムとなる。
Description
スチック基材フィルム上に形成されるハードコート膜、
ハードコートフィルム、及びその製造方法に関し、さら
に詳しくは耐擦傷性に優れると同時にひび割れ防止性、
接着性、及びプラスチック基材の変形等による影響の防
止性に優れたハードコート膜、ハードコートフィルム、
及びその製造方法に関する。また、本発明は、前記ハー
ドコート膜上にさらに反射防止層を成形した反射防止フ
ィルムに関する。また、本発明は、前記ハードコート膜
上にさらに熱線反射層を成形した熱線反射フィルムに関
する。また、本発明は、前記ハードコート膜上にさらに
紫外線遮蔽層を成形した紫外線遮蔽フィルムに関する。
化の観点でガラス製品と置き換わりつつあるが、表面が
傷つき易いため、耐擦傷性を付与する目的でハードコー
トフィルムを貼り合わして用いる場合が多い。また、従
来のガラス製品に対しても、飛散防止のためにプラスチ
ックフィルムを貼り合わせる場合が増えているが、プラ
スチックフィルムは硬度不足のため、その表面にハード
コート膜を形成するのがほとんどである。
ック基材フィルム上に耐擦傷性能の高い樹脂として、通
常、熱硬化性樹脂、あるいは紫外線硬化型樹脂などの電
離放射線硬化型樹脂を直接、或いは1μm程度のプライ
マー層を介して3〜15μm程度の薄い塗膜を形成して
製造している(例えば、特開平7−151914号公
報)。
て、フィルム形成性の重合性官能基を有する有機成分中
に、硬度を高めるための無機フィラーを添加する試みが
行われている(例えば、特開平2−41362号公報
)。
来のハードコート膜は、塗膜厚みが薄いため下地のプラ
スチック基材フィルムが変形した場合にその影響がダイ
レクトにハードコート膜に及ぼされ、表面強度は低下
し、十分に満足できるものではなかった。
15μmよりも単に厚くすれば、得られたハードコート
フィルムの表面硬度は向上するが、割れや剥がれが生じ
易くなるのと同時に、硬化収縮によるカールが大きくな
り実用上使用できるハードコートフィルムとはならなか
った。
て、重合性官能基を有する有機成分中に、無機フィラー
を添加して得られたフィルムは表面硬度が向上するが、
割れや剥がれが生じ易くなるのと同時に、硬化収縮によ
るカールが大きくなり実用上使用できるハードコートフ
ィルムとはならなかった。
ムを使用したハードコートフィルムにおいて、前記した
問題点を解決し、プラスチック基材フィルムが変形した
場合の影響がハードコート膜に影響するのを防止し、ハ
ードコート膜の割れや剥がれを防止し、またハードコー
トフィルム自体のカールを防止し、且つハードコートフ
ィルムの表面の鉛筆硬度を2H〜5Hにすることができ
るプラスチック基材フィルム用ハードコート膜、該ハー
ドコート膜をプラスチック基材フィルムに適用したハー
ドコートフィルム、及びハードコート膜の形成方法を提
供することを目的とする。さらに本発明は、該ハードコ
ート膜上に反射防止層を形成してなるハード性能が付与
された反射防止フィルムを提供すること、該ハードコー
ト膜上に熱線反射層を形成してなるハード性能が付与さ
れた熱線反射フィルムを提供すること、或いは該ハード
コート膜上に紫外線遮蔽層を形成してなるハード性能が
付与された紫外線遮蔽フィルムを提供することを目的と
する。
によって達成される。即ち、本発明は、重合性官能基を
有する1種以上の有機成分と無機フィラーとを含む塗膜
成分から形成されており、該有機成分の少なくとも1種
が水素結合形成基を有さず、且つ無機フィラーの少なく
とも一部が重合性官能基を有することを特徴とするプラ
スチック基材フィルム用ハードコート膜である。
用ハードコート膜の製造方法は、塗布液中に重合性官能
基を有する1種以上の有機成分と無機フィラーとを含む
塗布液であって、該有機成分の少なくとも1種が水素結
合形成基を有さず、且つ無機フィラーの少なくとも一部
が重合性官能基を有する塗布液を、プラスチック基材フ
ィルム上に塗布し、塗膜中の溶剤を乾燥した後、25℃
〜100℃の温度範囲で5秒〜5分間エージングを行
い、その後硬化処理を行うことを特徴とする。
材フィルムに適用されてなるハードコートフィルムは、
プラスチック基材フィルム上の少なくとも一方の面にコ
ーティング処理等によりハードコート膜が形成されてハ
ード性が付与されたものである。
ドコート膜は、その無機フィラーの少なくとも一部が網
目状に連結していることが、ハードコート膜の割れや剥
がれを防止し、ハードコートフィルム自体のカールを防
止し、同時にハードコートフィルムの表面の鉛筆硬度を
高めるために望ましい。
用ハードコート膜は、有機成分と無機フィラーの少なく
とも一部が独立したネットワークを形成し、さらに有機
成分と無機フィラーの両者の重合性官能基の少なくとも
一部が共有結合を形成することで、無機フィラーの充填
効果により、ハードコート膜の割れや剥がれを防止し、
ハードコートフィルム自体のカールを防止し、同時にハ
ードコートフィルムの表面の鉛筆硬度を高める。好まし
くは、有機成分のネットワークと無機フィラーのネット
ワークの両者の少なくとも一部が独立して存在し、他
方、有機成分のネットワークと無機フィラーのネットワ
ークの両者の重合性官能基の少なくとも一部が共有結合
を形成することにより、両者のネットワークがお互いを
補強しあうことになり、前記の効果がさらに高まる。
コート膜は重合性官能基を有する1種以上の有機成分と
無機フィラーとからなり、且つ該有機成分の少なくとも
1種が水素結合形成基を有しないので、有機成分が重合
することにより得られる有機成分のネットワークと無機
フィラー粒子同士の凝集力により形成される無機フィラ
ーのネットワークがある程度独立し、しかも無機フィラ
ーの少なくもと一部に、重合性官能基を持たせることで
前記有機成分のネットワークと共有結合をするため、両
者のネットワークが部分的に絡み合う構造をとることが
でき、このような構造が、塗膜の高硬度とフレキシビリ
ティー性を両立させることができ、塗膜強度を著しく向
上させることができる。即ち、本発明のハードコート膜
がプラスチック基材フィルムに適用されてなるハードコ
ートフィルムは、表面の鉛筆硬度が高いのにかかわら
ず、ハードコート膜の割れや剥がれを防ぐことができ、
ハードコートフィルム自体のカールの発生を防止するこ
とができる。
コート膜の有機成分中に水酸基やカルボキシル基、アミ
ド基等の水素結合形成基が多数存在すると、無機フィラ
ー粒子の表面と有機成分が強固な水素結合を形成し、結
果として無機フィラー粒子同士のネットワーク構造を破
壊し、ハードコート膜中に局所的に無機フィラー粒子が
凝集する構造をつくりやすくなるため、得られたフィル
ムの表面硬度は向上するが、割れや剥がれが生じ易くな
のと同時に、硬化収縮によるカールが大きくなり実用上
使用できるハードコートフィルムとはならないという不
都合を生じてしまう。したがって、1種以上の有機成分
の少なくとも1種は水素結合形成基を持たないことが必
須である。
発明を更に詳しく説明する。
は粒子径が0.01μm〜0.3μmの範囲であり、こ
の範囲が高分子鎖のセグメント運動を妨げず、独立した
ネットワークを形成しやすい範囲であり、しかも塗膜の
透明性を損なわない範囲である。0.01μm未満であ
れば、独立したネットワークの形成が困難となり好まし
くなく、0.3μmを越えれば、透明性が損なわれるの
で好ましくない。
超微粒子が大きな表面積に起因する強い凝集力により塗
膜中で強固な網目状のネットワークを形成するので好ま
しい。金属酸化物には、超微粒子状のシリカ、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、ITO、等が挙
げられる。無機フィラーがマトリックス樹脂中に分散さ
れ、無機フィラーがある一定範囲濃度の場合には、網目
構造状に凝集することができ、パーコレーション作用に
より網目構造が形成される。
無機フィラーの少なくとも一部に重合性官能基を導入さ
せたものである。無機フィラーの持つ重合性官能基の量
は、無機フィラー1グラム当たり0.01μモル〜10
mモルの範囲にあることが好ましい。重合性官能基量が
これ以下であると有機成分との間に共有結合を形成せ
ず、これ以上の場合は無機フィラー同士のネットワーク
構造が崩れ、無機フィラー粒子の凝集が起こるため塗膜
の強度が極端に落ち好ましくない。
なくともその1種が分子1モルに対して4モル以上の重
合性官能基を持つ電離放射線硬化型樹脂材料であり、熱
や紫外線、電子線などにより重合して、3次元網目状の
ネットワークを形成することができるものである。この
時、有機成分中に水酸基やカルボキシル基、アミド基等
の水素結合形成基が存在すると、金属酸化物超微粒子の
表面と強固な水素結合を形成し、結果として粒子同士の
ネットワーク構造を破壊し、膜中に局所的に粒子が凝集
する構造となりやすくなり、得られるハードコート膜に
フレキシビリティー性が欠如するため、該有機成分の少
なくとも1種は水素結合形成基を持たないことが望まし
い。
子量は数平均分子量で千〜3万の範囲にあることが好ま
しい。分子量が千以下の場合、強いネットワークを形成
せず、3万以上の場合、分子量が大きすぎて無機フィラ
ーのネットワーク形成を阻害するため好ましくない。
合性官能基を有し、しかも水素結合形成基を有しない有
機成分は、具体的には、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアク
リレート等の多官能アクリレート類や、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リエステルアクリレート、ポリアクリルアクリレート等
の1分子中に4モル以上の重合性官能基を有するオリゴ
マーやポリマー類が挙げられる。
との割合は重量比で2:8〜7:3の範囲であることが
好ましく、特に好ましくは、3:7〜6:4である。従
来のハードコート膜に含ませる無機フィラーの量は有機
成分7に対して3程度であるが、本発明においては、有
機成分の少なくとも1種が水素結合形成基を有しない重
合性官能基を有する有機成分を使用することにより、無
機フィラーの添加量を従来添加されていた量よりもはる
かに多くすることができるので、硬度を高くすることが
でき、しかも無機フィラーのネットワーク構造の形成が
容易となる。しかしながら、無機フィラーの量が増えす
ぎると塗膜の硬度は向上するが非常に脆い膜となる。一
方、有機成分量が多すぎると、塗膜の硬度が極端に低下
する。
るプラスチック基材フィルムには、4B以上HB以下の
硬度の範囲のものが有効に使用できる。このようなプラ
スチック基材フィルには、例えば、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムが好適に使用できる。ハードコートフ
ィルムが貼付される被対象物の表面の視認性が要求され
る場合には、透明なプラスチック基材フィルムが使用さ
れる。ハードコート膜自体の鉛筆硬度は2H以上5H以
下である。
鉛筆硬度」とは、100μm以上のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に材料の乾燥厚みで約5μm塗工さ
れた膜をJISK5400に準じた鉛筆硬度試験によっ
て測定した鉛筆硬度である。該鉛筆硬度試験は、5回の
鉛筆硬度試験の内、1回以上の傷などの外観異常が認め
られなかった場合に使用した鉛筆についての硬度を求め
るものである。例えば、3Hの鉛筆を用いて、5回の試
験を行い、1回でも外観異常が生じなければ、その材料
の鉛筆硬度は少なくとも3Hである。
ルムの鉛筆硬度」とは、種々のプラスチック基材フィル
ムに対してハードコート膜が形成されてなるハードコー
トフィルムについて、JISK5400に準じた鉛筆硬
度試験によって測定した鉛筆硬度であり、前記「ハード
コート膜自体の鉛筆硬度」と同様に判定したものであ
る。なお、このハードコートフィルムの鉛筆硬度は、ハ
ードコート膜の材質、ハードコート膜の厚み、ハードコ
ート膜以外の他の層(プラスチック基材フィルムを含め
た層)によって影響される。
ハードコートフィルムに反射防止性を付与しても良く、
例えば、ハードコート膜の表面にさらに反射防止層を形
成することにより達成できる。反射防止層は、ハードコ
ート層の表面に以下〜のような形成方法が挙げられ
る。 厚み0.1μm程度のMgF2 などの極薄膜を反射防
止層とする方法。 金属蒸着膜を形成して反射防止層とする方法。 光の屈折率がハードコート膜の屈折率よりも低い材料
の低屈折率層(屈折率:1.46以下)を設けて反射防
止層とする方法。 高屈折率層がハードコート膜に接し、その上に低屈折
率層を設けて反射防止層とする方法。例えば、反射防止
層におけるハードコート膜に接する部位に高屈折率を有
する金属酸化物の超微粒子層を偏在させてもよい。 前記の層構成を繰返し積層して設けて反射防止層と
する方法。 中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層を設けて反射防
止層とする方法。
て、ハードコート膜は、有機成分と無機フィラーが独立
したネットワークを形成することが塗膜の強度とフレキ
シビリティーを共に向上させる上で必須となる。このよ
うな独立したネットワークを形成するために、プラスチ
ック基材フィルム上に塗布した塗膜の溶剤を乾燥させた
後、25℃〜100℃の温度範囲で5秒〜5分間エージ
ングを行うことにより、有機成分中で無機フィラーの網
目構造を発達させる(パーコレーション)ことができ
る。次いで、塗膜を電離放射線の照射等により硬化させ
て、独立したネットワークを形成した本発明のハードコ
ート膜を得る。
する有機成分の粘度、ガラス転移温度、塗膜の厚み等の
条件を変更することにより適宜調節する必要があるが、
そのいずれの場合も上記範囲内のエージングで好ましい
特性となる。
コートフィルムに熱線反射性を付与しても良く、例え
ば、ハードコート層の表面にさらにITOやATO等の
高屈折率な導電膜を形成させることで達成できる。
コートフィルムに紫外線遮蔽性を付与しても良く、例え
ば、ハードコート層の表面にさらにチタニアや酸化亜鉛
等の紫外線吸収能の大きな材料の薄膜を形成させること
で達成できる。
ードコート膜を実施例を用いて説明する。
0」(一次粒子の平均粒子径12nm):商品名、日本
アエロジル(株)製)20.0gを撹拌しながらγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシランの3重量%の
テトラヒドロフラン溶液10mlをガラス製パスツール
ピペットを用いて約2分間かけて滴下した。その後、こ
の溶液を窒素気流下で1時間加熱撹拌して表面にメタク
リロイル基を導入した。
た後に超微粒子シリカを取り出し、減圧乾燥法で溶剤を
除去した後にめのう乳鉢ですり潰してメタクリロイル基
を導入した超微粒子シリカを得た。導入された重合性官
能基量は元素分析法によりシリカ1グラム当り0.13
μmolであった。
に電離放射線硬化型樹脂(DPHA:商品名、日本化薬
(株)製)と上記手法により得られたメタクリロイル基
導入超微粒子シリカを重量比で1:1の組成で、総固形
分量が10重量%となるように調製し、コーティング溶
液を得た。
易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(A435
0:商品名、東洋紡(株)製)を用い、上記コーティン
グ溶液をバーコート法により塗布し、溶剤乾燥後更に6
0℃で5分間保持した後、加速電圧175kV、照射線
量10Mradの電子線で硬化させた。最終硬化後の塗
膜の厚みは約6μmであった。
より、プラスチック基材フィルム上にハードコート層と
して、電離放射線硬化型樹脂(DPHA:商品名、日本
化薬(株)製)とメタクリロイル基の導入処理を行わな
かったシリカ超微粒子からなるコーティング溶液から最
終硬化膜厚約6μmの塗膜を作製した。
チック基材フィルム上に前記実施例1と同様の電離放射
線硬化型樹脂のみをドライ厚みで約6μmとなるように
塗工し、加速電圧175kV、照射線量10Mradの
電子線で硬化させた。
チック基材フィルム上に前記実施例1と同様の電離放射
線硬化型樹脂とメタクリロイル基導入コロイダルシリカ
を固形分重量比で2:8の混合物をドライ厚みで約6μ
mとなるように塗工し、加速電圧175kV、照射線量
10Mradの電子線で硬化させた。
チック基材フィルム上に前記実施例1と同様の電離放射
線硬化型樹脂とメタクリロイル基導入コロイダルシリカ
を固形分重量比で1:1の混合物をドライ厚みで約6μ
mとなるように塗工し、溶剤乾燥後すぐに加速電圧17
5kV、照射線量10Mradの電子線で硬化させた。
チック基材フィルム上に前記実施例1と同様のメタクリ
ロイル基導入コロイダルシリカと水酸基含有電離放射線
硬化型樹脂(SR−399:商品名、日本化薬(株)
製)を固形分重量比で1:1の混合物を前記実施例と同
様の手法でドライ厚みで約6μmとなるように塗工し、
加速電圧175kV、照射線量10Mradの電子線で
硬化させた。
各ハードコートフィルムの表面、及びハードコート膜形
成材料自体の鉛筆硬度を下記の表1に示す。また、得ら
れた各ハードコートフィルムのカールの程度を〇印(カ
ールが全く認められない:10cm×20cmにカット
したフィルムをガラス板上に水平に置き、中心付近のガ
ラスに接しているところを基準にして端部のより大きく
反り返っているところが基準に対して1cm以内に留ま
っている場合)、×印(明らかなカールが認められる:
先の指標で端部が2cm以上浮いている場合)、△(ご
く僅かなカールが認められる:先の指標で端部が1〜2
cmの範囲の場合)で評価した結果も合わせて下記の表
1に示す。また、得られた各ハードコートフィルムの密
着性の評価を、1.5mm角の100個の被検体につい
ての密着性の良好なものの被検体の個数の割合を下記の
表1に示す。
ハードコート層上に反射防止層としてITOを膜厚27
nm、SiO2 を膜厚24nm、ITOを膜厚75n
m、SiO2 を膜厚92nmの順にスパッタリング法に
より形成することによって反射防止フィルムを得た。こ
の反射防止膜表面の鉛筆硬度は3Hであった。
ハードコート層上に熱線反射層としてITOを膜厚50
0nmとなるようにスパッタリング法にて形成すること
によって熱線反射フィルムを得た。この熱線反射層表面
の鉛筆硬度は3Hであった。
ハードコート層上に紫外線遮蔽層としてTiO2 を膜厚
100nmとなるようにスパッタリング法にて形成する
ことによって紫外線遮蔽フィルムを得た。この紫外線遮
蔽層表面の鉛筆硬度は3Hであった。
離放射線硬化型樹脂材料と無機フィラーを特定の比率で
配合した実施例の系で良好な結果を示した。
し、少なくともその1種が水素結合成形基を有しない1
種以上の有機成分と、少なくとも1部が重合性官能基を
有する無機フィラーとからなり、膜中で上記無機フィラ
ーの少なくとも一部が網目状に連結していると有機成分
と無機フィラーの少なくとも一部が独立したネットワー
クを形成しながら一部に共有結合を形成させることで、
無機フィラーの充填効果によるカールの防止と同時に、
両者のネットワークがお互いを補強しあうことにより、
ハードコート膜自体の鉛筆硬度が向上し、且つハードコ
ート膜の割れや剥がれを防ぐことができ、ハードコート
フィルム自体のカールの発生を防止するプラスチック基
材フィルム用ハードコート膜を提供することができ、さ
らに該ハード性能と該フレキシビリティが付与された反
射防止フィルム、熱線反射フィルム、紫外線遮蔽フィル
ムを提供することができる。
Claims (16)
- 【請求項1】 重合性官能基を有する1種以上の有機成
分と無機フィラーとを含む塗膜成分から形成されてお
り、該有機成分の少なくとも1種が水素結合形成基を有
さず、且つ無機フィラーの少なくとも一部が重合性官能
基を有することを特徴とするプラスチック基材フィルム
用ハードコート膜。 - 【請求項2】 膜中で前記無機フィラーの少なくとも一
部が網目状に連結していることを特徴とする請求項1記
載のプラスチック基材フィルム用ハードコート膜。 - 【請求項3】 膜中で前記有機成分と前記無機フィラー
の少なくとも一部が独立したネットワークを形成してい
ることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチック
基材フィルム用ハードコート膜。 - 【請求項4】 膜中で前記有機成分の重合性官能基の少
なくとも一部と、前記無機フィラーの重合性官能基の少
なくとも一部が共有結合を形成していることを特徴とす
る請求項1、2又は3記載のプラスチック基材フィルム
用ハードコート膜。 - 【請求項5】 前記有機成分の少なくとも1種が分子1
モル中に4モル以上の重合性官能基を有する電離放射線
硬化型樹脂材料であることを特徴とする請求項1、2、
3又は4記載のプラスチック基材フィルム用ハードコー
ト膜。 - 【請求項6】 前記無機フィラーの少なくとも一部が、
1グラム当たり0.01μモル以上10mモルの重合性
官能基を有することを特徴とする請求項1、2、3、4
又は5記載のプラスチック基材フィルム用ハードコート
膜。 - 【請求項7】 前記有機成分の分子量が数平均分子量で
千〜3万の範囲であることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5又は6記載のプラスチック基材フィルム用ハ
ードコート膜。 - 【請求項8】 前記無機フィラーが金属酸化物超微粒子
であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6
又は7記載のプラスチック基材フィルム用ハードコート
膜。 - 【請求項9】 前記無機フィラーの一次粒子径が0.0
1〜0.3μmであることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5、6、7又は8記載のプラスチック基材フィ
ルム用ハードコート膜。 - 【請求項10】 前記有機成分と前記無機フィラーとの
割合が重量比で2:8〜7:3の範囲であることを特徴
とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記
載のプラスチック基材フィルム用ハードコート膜。 - 【請求項11】 プラスチック基材フィルム上に請求項
1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のプ
ラスチック基材フィルム用ハードコート膜を設けてなる
ハードコートフィルムであって、該ハードコート膜が適
用されるプラスチック基材フィルムの鉛筆硬度が4B以
上HB以下で、且つ該ハードコート膜自体の鉛筆硬度が
2H以上5H以下であることを特徴とするハードコート
フィルム。 - 【請求項12】 請求項1、5、6、7、8、9又は1
0記載の有機成分と無機フィラーとを含むプラスチック
基材フィルム用ハードコート膜を形成するためのコーテ
ィング溶液。 - 【請求項13】 請求項12記載のコーティング溶液を
プラスチック基材フィルム上に塗布し、塗膜中の溶剤を
乾燥した後、25℃〜100℃の温度範囲で5秒〜5分
間エージングを行い、その後硬化処理を行うことを特徴
とするハードコート膜の形成方法。 - 【請求項14】 プラスチック基材フィルム上に請求項
1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のプ
ラスチック基材フィルム用ハードコート膜を設け、さら
に該ハードコート膜上に反射防止層を形成してなること
を特徴とする反射防止フィルム。 - 【請求項15】 プラスチック基材フィルム上に請求項
1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のプ
ラスチック基材フィルム用ハードコート膜を設け、さら
に該ハードコート膜上に熱線反射層を形成してなること
を特徴とする熱線反射フィルム。 - 【請求項16】 プラスチック基材フィルム上に請求項
1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のプ
ラスチック基材フィルム用ハードコート膜を設け、さら
に該ハードコート膜上に紫外線遮蔽層を形成してなるこ
とを特徴とする紫外線遮蔽フィルム。
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JP10272220A JP2000103887A (ja) | 1998-09-25 | 1998-09-25 | プラスチック基材フィルム用ハードコート膜、ハードコートフィルム、コーティング溶液、プラスチック基材フィルム用ハードコート膜の形成方法、反射防止フィルム、熱線反射フィルム、及び紫外線遮蔽フィルム |
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US10/046,171 US6638606B2 (en) | 1998-09-25 | 2002-01-16 | Hardcoat film |
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