JP2000103857A - シリコ―ンポリマ―の製造方法 - Google Patents

シリコ―ンポリマ―の製造方法

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JP2000103857A
JP2000103857A JP11240222A JP24022299A JP2000103857A JP 2000103857 A JP2000103857 A JP 2000103857A JP 11240222 A JP11240222 A JP 11240222A JP 24022299 A JP24022299 A JP 24022299A JP 2000103857 A JP2000103857 A JP 2000103857A
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silicone polymer
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John Currie
ジョン・カリー
Phillip Griffith
フィリップ・グリフィス
William Herron
ウィリアム・ヒロン
Richard Taylor
リチャード・テイラー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填剤の存在する場合でも効率よく反応でき
るオルガノシロキサンの重合触媒を用いたシリコーンポ
リマーの製造方法を提供すること。 【解決手段】 本発明は、1重量%未満、好ましくは
0.1重量%未満の揮発物質含有シリコーンポリマーの
製造方法であって、(i)水の存在下、充填剤の存在ま
たは非存在下、そしてホスファゼン塩基触媒と共に、縮
合重合による線状シラノール基含有シロキサンを、また
は開環重合によるシクロシロキサンを、あるいは前記線
状およびシクロシロキサンの混合物を、重合することに
よりストリッピングされていないシリコーンポリマーを
製造し、(ii)触媒を中和し;そして(iii)スト
リッピングされていないシリコーンポリマーを、好まし
くは200℃以上の温度でストリッピングするという連
続する工程を包含するシリコーンポリマーの製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホスファゼン塩基
により触媒される充填剤の存在または非存在下でのシロ
キサンの重合による、揮発物質含有量の低いシリコーン
ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】シクロシロキサンは、主に重
合反応のための出発物質として、シリコーン産業におけ
る重要な中間体である。シクロシロキサンの製造のため
のいくつかの一般的経路が知られている。ヒドロキシ末
端をブロックした線状ポリジオルガノシロキサンと一緒
に、それらは対応するジオルガノジハロシランの加水分
解の生成物として生成される。
【0003】シクロシロキサンの重合のための種々の触
媒が知られている。例としては、アルカリ金属水酸化
物、アルカリ金属アルコキシドまたはアルカリ金属水酸
化物とアルコールの錯体、アルカリ金属シラノレートお
よびホスホニトリルハライド(酸性ホスファゼンと呼ば
れることもある)が挙げられる。このような重合反応
は、実質的に溶媒の非存在下で、溶媒(例えば非極性ま
たは極性有機溶媒)中で、あるいはエマルジョン中で実
施され得る。エンドブロッキング剤を用いてポリマーの
分子量を調節しおよび/または官能性基を付加し、例え
ばビニル官能性末端基を付加し得る。重合は、触媒と反
応してそれを不活性にさせる中和剤を用いて終結し得
る。ほとんどの場合、中和後の触媒残渣および塩は、ポ
リマー物質中に残存し、これがシリコーンポリマーの何
らかの再平衡を引き起こして、シロキサン出発物質に戻
してしまうことがある。これらの残渣および塩は、望ま
しくは例えば濾過により除去される。揮発性物質、例え
ばシクロシロキサンは、典型的には120〜200℃の
温度で、200〜20000Paの減圧下で、ストリッ
ピングによりシリコーンポリマーから除去されて、典型
的には1.0〜5重量%の揮発性物質含量を有するシリ
コーンポリマーを生成する。より厳しい条件下でのスト
リッピングはシリコーンポリマーの分解を引き起こす。
【0004】シロキサンの重合によりシリコーンポリマ
ーを製造するための別の既知の方法は、シラノールまた
は線状シロキサンを含有するその他の加水分解可能なグ
ループの縮合重合である。例えば、英国特許第2311
994号には、0〜200℃の温度で、4.67×10
-4Nm-2の圧力で、シラノール含有オルガノシロキサン
を前記のオルガノシロキサンのポリ縮合に有効なある量
の過アルキル化ホスファゼン塩基と接触することを包含
するポリ縮合の実行方法が記載されている。好ましい過
アルキル化ホスファゼン塩基は、次式 R#N=P−{N=P(NR* 23n{R# 2N}3-n (式中、R#はC1-4アルキル基、R*はC1-10アルキル
基、そしてnは2または3である)を有する。
【0005】ホスファゼン塩基は、非常に強力な塩基で
あることが知られている。多数のホスファゼン塩基およ
びそれらの合成のための経路が文献に、例えばSchwesin
geret al, Liebigs Ann. 1996, 1055-1081に記載されて
いる。実験室規模でのシクロシロキサンの開環重合のた
めのホスファゼン塩基触媒の使用は、Molenberg と Moll
er, Macromol Rapid Commun. 16, 449-453(1995)に記
載されている。オクタメチルシクロテトラシロキサン
(D4、この場合、Dは−Si(CH32O−単位を表
す)は、メタノールと、ヘキサン中の1モル溶液として
用いられる下記のホスファゼン塩基Iの存在下でトルエ
ン溶液中で重合された。成分はすべて、反応前に注意深
く乾燥させ、反応は1ppm未満のO2およびH2Oを含
有するアルゴン雰囲気で実施した。メタノールをホスフ
ァゼン塩基により脱プロトン化してメトキシドイオンを
生成し、これが反応を開始させた。ホスファゼン塩基触
媒は、D4の重量を基礎にして少なくとも871ppm
の量で用いられた。同様の反応系は、Van DykeとClarso
nによりPoly Prep ACS Div Polym Chem 1996, 37, 668
で用いられている。この場合、D4のフェニルメチル類
似体であるテトラフェニルテトラメチルシクロテトラシ
ロキサンを重合した。触媒系はMolenbergとMollerの場
合と同一であったが、しかしD4の重量を基礎にしてよ
り高い濃度で用いられ、ここでも反応成分はすべて、予
め注意深く乾燥させた。
【0006】本発明者らは、このヘキサン/メタノール
活性化触媒を添加すると並外れた重合行動がもたらされ
ることを見出した。したがって、彼らは、好ましくは溶
媒を必要としない、再現可能な重合を生じる触媒媒質を
探求し、意外なことに、水の存在下でホスファゼン塩基
触媒を用いてシロキサンの重合を実行し得ることを見出
した。水の存在を確実にするためには、全体的に無水条
件を避けることで十分である。例えば2〜3分子の、非
常に少量の水が、重合を起こすのに十分であることが見
出された。さらに、従来技術の教示に対比して、例えば
メタノールを用いることにより、メトキシドイオンを生
成することは不可欠であるというわけではない、という
ことを本発明者らは見出した。驚くべきことに、重合効
率を保持または改良しつつ、従来技術で用いたよりも低
レベルのホスファゼン塩基触媒でも、水が存在する場合
には用い得る。
【0007】シロキサンの重合は、充填剤の存在下で起
こり得る。シリコーンポリマー−充填剤混合物は、種々
のシリコーンゴム組成物、シリコーン化合物およびグリ
ース等のための塩基としての使用が知られている。従来
の混合物は一般に、先ずシリコーンオリゴマーを所望の
粘度を有するシリコーンポリマーに重合し、次にその結
果得られたシリコーンポリマーを選択した充填剤と機械
的に混合することにより製造される。しかしながら、こ
のような方法は、2つの異なる種類の工程を包含し、即
ち別個の重合工程と混合工程とを必要とする。その結
果、この方法は、複雑で且つコストに基づいて不利益で
ある。さらに、このような方法では、充填剤を高粘度シ
リコーンポリマー中に混合し、分散することが難しく、
多量のエネルギーが消費される。この問題は、シリコー
ンポリマーの分子量がいわゆるゴムの場合と同じくらい
高い場合に、特に重要になる。
【0008】充填剤の存在下で重合を実行することによ
るこれらの問題を克服する試みがなされてきた。米国特
許第4,448,927号は、酸性または中性の補強充
填剤の存在下で、トリフルオロメタンスルホン酸により
触媒される、ヒドロキシ末端ブロックのポリジオルガノ
シロキサンおよび/またはポリジオルガノシクロシロキ
サンの重合方法を開示する。欧州特許出願第0,01
9,816号は、酸性または中性の補強充填剤の存在下
で、硫酸またはスルホン酸により触媒される、ヒドロキ
シ末端ブロックのポリジオルガノシロキサンおよび/ま
たはポリジオルガノシクロシロキサンのバルク重合の方
法を開示する。欧州特許出願第0.019,093号
は、無機補強または増量充填剤、および塩基性ジオルガ
ノシラノレート触媒の存在下での、ヒドロキシ末端ブロ
ックのポリジオルガノシロキサンの重合方法を開示す
る。米国特許第4,431,771号は、酸性または中
性の補強充填剤、ならびに硫酸、スルホン酸、過フッ化
アルカンスルホン酸および第四級アンモニウムカルボキ
シレートとカルボン酸の組合せから選択される触媒の存
在下での、ヒドロキシ末端ブロックのポリジオルガノシ
ロキサンの重合を開示する。これらの方法は線状の出発
物質を用いて首尾良くなされたが、一方それらはシクロ
シロキサンを用いた場合には、重合速度が一般に遅すぎ
ると考えられているので、あまりうまく行かなかった。
【0009】
【発明の効果】したがって、本発明者らは、ホスファゼ
ン塩基触媒が、充填剤の存在または非存在下で、シロキ
サンの重合に十分適している、ということを見出した。
本発明者らは、ホスファゼン塩基により触媒されるシロ
キサンの重合により製造されるシリコーンポリマーは、
従来の触媒を用いて製造されるシリコーンポリマーを上
回る増強された熱安定性を示すということを見出した。
この増強された熱安定性は、触媒中和後に生成物中に残
存する非常に低レベルの触媒残渣によるものである。し
たがって、増強された熱安定性を示すシリコーンポリマ
ーのストリッピングは、従来の触媒を用いて製造される
シリコーンポリマーのストリッピングに用いられる温度
より相対的に高い温度で実行できて、その結果、最終シ
リコーンポリマー中の揮発性物質含量が相対的に低くな
る。触媒残渣が少ないことは、濾過工程が通常は必要な
いことをも意味する。あらゆる疑義を避けるために、本
明細書での「包含する(comprising)」は、「〜から成
る(consisting of)」と「〜を含む(including)」を
意味する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、1重量
%未満の揮発物質含有シリコーンポリマーの製造方法で
あって、(i)水の存在下、充填剤の存在または非存在
下、そしてホスファゼン塩基と共に、縮合重合による線
状シラノール基含有シロキサンを、または開環重合によ
るシクロシロキサンを、あるいは前記線状およびシクロ
シロキサンの混合物を、重合することによりストリッピ
ングされていないシリコーンポリマーを製造し;(i
i)触媒を中和し;そして(iii)ストリッピングさ
れていないシリコーンポリマーをストリッピングすると
いう工程を包含する方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】ここで「揮発性物質」の用語は、
シリコーンポリマーの分解温度よりも低い沸点を有する
流動性物質を意味する。この流動性物質は、シリコーン
ポリマーと混じり、重合反応の結果として存在する。揮
発性物質は、実質的に未反応のシロキサン出発物質から
なるが、例えば溶媒や水のような少量のその他の物質も
含む。
【0012】本発明の方法によって製造されたシリコー
ンポリマーは、1重量%未満の、好ましくは0.5重量
%以下の、更に好ましくは0.1重量%(1000重量
ppm)以下の、(例えば、0.01〜0.1重量%
(100〜1000重量ppm))、最も好ましくは
0.01重量%(100重量ppm)以下の揮発性物質
含有量を有する。これは従来の触媒を使用して製造され
たシリコーンポリマーについての典型的な揮発性物質含
有量の1.0〜5.0重量%と対比される。
【0013】本発明の方法の工程(i)において、ホスフ
ァゼン塩基は存在する痕跡量の水と反応し、非常に活性
の水酸イオンを生成し、これが重合を開始する。ホスフ
ァゼン塩基は、存在するある種のその他の化学基、例え
ばシラノール又はアルコールとも反応し、同様に活性な
重合開始種を生成する。ホスファゼン塩基は、重合開始
に活性であるフッ化物や水酸化物のように強アニオン性
を持ったイオンの形態であり得る。
【0014】ホスファゼン塩基は重合のための非常に強
力な触媒であるので、相対的に低い比率で、例えばシロ
キサンの重量を基礎にして1〜750重量ppmの量で
存在し得る。好ましい範囲は1〜500重量ppm、さ
らに好ましくは10〜100ppmである。実際に用い
られる触媒の比率は、求める重合生成物によって選択さ
れる。
【0015】最も簡単な場合、充填剤またはシロキサン
出発物質を乾燥するための特別な工程は採用せずに、十
分な水が開環重合反応のために簡単に提供される。反応
中に存在する水の割合は、ホスファゼン塩基1モル当た
り好ましくは少なくとも0.5モル、さらに好ましくは
0.5〜10モル、最も好ましくは1〜10モルであ
る。より高い比率の水を用いることが可能で、これは、
以下でさらに詳細に記載するように、重合反応全体をよ
り大きく制御し得るという利点を有する。
【0016】原則として、あらゆるホスファゼン塩基が
本発明に用いるのに適している。ホスファゼン塩基は、
以下のコア構造P=N−P=N(式中、Nの遊離の原子
価は水素、炭化水素、−P=Nまたは=P−Nに連結さ
れ、Pの遊離の原子価は−Nまたは=Nに連結される)
を有する。広範囲の適切なホスファゼン塩基が、Schwes
ingerら(前記参照)に記載されている。いくつかのホ
スファゼン塩基は、Fluka Chemie AG, Switzerlandから
市販されている。ホスファゼン塩基は、好ましくは少な
くとも3つのP原子を有する。いくつかの好ましいホス
ファゼン塩基は、以下の一般式を有する: ((R1 2N)3P=N-)x(R1 2N)3-xP=NR2 {((R1 2N)3P=N-)x(R1 2N)3-xP-N(H)R2+{A-} {((R1 2N)3P=N-)y(R1 2N)4-yP}+{A}-
または {(R1 2N)3P=N-(P(NR1 22=N)z-P+(NR1 23
{A}- (式中、R1は各々の位置で同一でもまたは異なっても
よく、水素または任意に置換された炭化水素基、好まし
くはC1〜C4のアルキル基であり、あるいは同一N原子
に結合した2つのR1基は連結して複素環式環、好まし
くは5または6員環を完成してもよく;R2は水素また
は任意に置換された炭化水素基、好ましくはC1〜C20
のアルキル基、さらに好ましくはC1〜C10のアルキル
基であり;xは1、2または3、好ましくは2または3
であり;yは1、2、3または4、好ましくは2、3ま
たは4であり;zは1〜10の整数、好ましくは1、2
または3であり;そしてAは陰イオン、好ましくはフッ
化物、水酸化物、シラノレート、アルコキシド、炭酸塩
または重炭酸塩である)。
【0017】式{(R1 2N)3P=N-(P(NR1 22=N)z-P+
(NR1 23}{A}- の化合物は、線状ホスホニトリルハライド化合物、好ま
しくは塩化物を、第二アミン、金属アミドおよび第四級
アンモニウムハライドから選択される化合物と反応させ
てアミノ化ホスファゼン物質を生成し、その後イオン交
換反応により陰イオンを求核試薬で置換することを含む
方法によって作られる。ホスホニトリルハライド化合物
およびそれらの製造方法は、当業界で周知である。例え
ば特に有用な一方法としては、適切な溶媒の存在下での
PCl5とNH4Clの反応が挙げられる。
【0018】第二アミンはホスホニトリルハライドとの
反応のための好ましい試薬であり、適切な第二アミンは
式R3 2NHを有する。ここで、R3は炭素数が10まで
の炭化水素基であるか、両方のR3基が窒素原子ととも
に複素環基、例えばピロリジン基、ピロール基またはピ
リジン基を形成する。好ましくは、R3基は低級アルキ
ル基、さらに好ましくはメチル基であるか、あるいは二
つのR3基はピロリジン環を形成する。適切な好ましい
第二アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミ
ン、ジプロピルアミンおよびピロリジンが挙げられる。
好ましくは、交換されたハライドを捕捉できる物質、例
えばトリエチルアミンのようなアミンの存在下で、反応
は実行される。その結果生じる副産物(例えばトリエチ
ルアンモニウムクロリド)を次に、例えば濾過により反
応混合物から除去する。反応は、ホスホニトリルクロリ
ドおよび線状ホスファゼン塩基のための適切な溶媒の存
在下で実行され得る。適切な溶媒としては、芳香族溶
媒、例えばトルエンが挙げられる。この方法で生成され
る線状ホスファゼン物質を次にイオン交換反応(好まし
くはイオン交換樹脂)に通して、それにより陰イオンを
硬い求核試薬、好ましくはヒドロキシルまたはアルコキ
シ、最も好ましくはヒドロキシルと置換せねばならな
い。適切なイオン交換系としては、あらゆる既知のイオ
ン交換系、例えばイオン交換樹脂が挙げられるが、さら
に詳細な説明は示さない。ホスファゼンは、好ましくは
イオン交換系を通す前に適切な媒質中に分散される。適
切な媒質としては、水、アルコールおよびそれらの混合
物が挙げられる。
【0019】本発明で用いるのに特に好ましいホスファ
ゼン塩基化合物においては、R1はメチルであり、R2
tirt.ブチルまたはtirt.オクチルであり、x
は3であり、yは4であり、そしてAはフッ化物または
水酸化物である。好ましい化合物は、次のホスファゼン
塩基Iである。
【0020】
【化1】
【0021】重合は、溶媒の非存在または存在下で実行
し得る。適切な溶媒は、液体炭化水素またはシリコーン
流体である。ホスファゼン塩基触媒は、炭化水素溶媒、
例えばヘキサンまたはヘプタン中に希釈し得るし、ある
いはシリコーン流体中に分散し得る。ホスファゼン塩基
触媒が最初にヘキサンのような溶媒中にある場合には、
ヘキサンは減圧下で蒸発により除去され得るし、シリコ
ーン流体中に分散された触媒は安定な透明溶液を生じ
る。このシリコーンへ分散した触媒を重合反応に用いる
場合、触媒は均一に分散して再現可能な結果を生じる。
触媒はまた水中に溶解され得るが、これは下記のよう
に、重合反応全体を温和にし、そして大きな制御を可能
にすると言う利点を有する。
【0022】重合反応は室温又は加熱下で実行し得る。
触媒活性が下記のように温和にされる場合には、例えば
100℃またはそれ以上に加熱するのが適切である。重
合に要する時間は、選択した系の中での触媒の活性に、
そして所望のポリマー物質によっている。例えば、温和
にしない場合には、ホスファゼン塩基触媒はD4のよう
なシクロシロキサンを高分子ポリシロキサンゴムに数秒
以内に変換するのに十分に活性である。
【0023】シラノール含有シロキサンの縮合反応のた
めの出発物質は、ケイ素結合したヒドロキシル基または
加水分解可能基、例えばアルコキシまたはアリールオキ
シ基を有するオルガノシロキサン類であり、これらはそ
の場でシラノール基を形成し得る。これらの例として
は、例えば一般式R4O(SiR5 2O)tH(式中、R4
は水素あるいは炭素数が8までのアルキルまたはアリー
ル基であり、R5は各々同一であっても異なってもよ
く、好ましくは炭素数1〜18の1価の炭化水素基また
は好ましくは炭素数が1〜18のハロゲン化炭化水素基
を表わし、tは少なくとも2の整数である)を有するオ
ルガノシロキサンが挙げられる。好ましくは、R5は炭
素数が1〜6のアルキル基、さらに好ましくはメチル基
を表す。tの値は、好ましくはオルガノポリシロキサン
の平均粘度が25℃で200mm2/sを超えないよう
な値である。
【0024】適切なオルガノシロキサンは、ポリマー鎖
中に存在するケイ素結合ヒドロキシル基またはその他の
シラノール形成性の加水分解可能基を有し得るが、しか
し、好ましくはこれらは末端基中に存在する。末端ケイ
素に結合したヒドロキシル基を有するオルガノシロキサ
ンは当業界で周知であって、市販されている。それらは
当業界で既知の技法により、例えばクロロシランの加水
分解、加水分解により生成される線状および環状物質の
分離、そしてその後の線状物質の重合により製造され
る。好ましくは、適切なオルガノシロキサンは各末端基
に1個のケイ素結合したヒドロキシル基を有し、そして
少なくとも80%のR5基がメチル基を表わす。ホスフ
ァゼン塩基触媒が用いられる重合工程において試薬とし
て用いるのに適したオルガノシロキサンとしては、末端
ヒドロキシジオルガノシロキサン単位を有するオルガノ
シロキサン、例えばヒドロキシルジメチルシロキサン末
端ブロックしたポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル
ジメチルシロキサン末端ブロックしたポリジメチルポリ
メチルフェニルシロキサンコポリマーが挙げられる。開
環重合反応のための出発物質は、シクロシロキサン(環
状シロキサンとしても知られている)である。有用な環
状シロキサンは周知の市販物質である。それらは一般式
(R2SiO)n(式中、Rは水素、あるいは炭素数8ま
での任意に置換されたアルキル、アルケニル、アリー
ル、アルカリルまたはアラルキル基を表わし、nは3〜
12の値の整数を表す)を有する。Rは、例えばハロゲ
ン、例えばフッ素または塩素により置換され得る。アル
キル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、トリ
フルオロプロピル、n−ブチル、sec−ブチルおよび
tert−ブチルであり得る。アルケニル基は、例えば
ビニル、アリル、プロペニルおよびブテニルであり得
る。アリールおよびアラルキル基は、例えばフェニル、
トリルおよびベンジルであり得る。好ましい基は、メチ
ル、エチル、フェニル、ビニルおよびトリフルオロプロ
ピルである。好ましくは、全R基の少なくとも80%が
メチルまたはフェニルであり、最も好ましくはメチルで
ある。実質的にすべてのR基がメチルであるのが最も好
ましい。好ましくは、nの値は3〜6、最も好ましくは
4または5である。適切な環状シロキサンの例は、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタシロキサン、ペンタ(メチルビニル)シクロペンタ
シロキサン、テトラ(フェニルメチル)シクロテトラシ
ロキサンおよびペンタメチルヒドロシクロペンタシロキ
サンである。特に適切な市販の一物質は、オクタメチル
シクロテトラシロキサンとデカメチルシクロペンタシロ
キサンの混合物である。Rがメチルである場合、化合物
はDnと呼ばれる。例えばn=4である場合には、化合
物はD4と呼ばれる。
【0025】ホスファゼン塩基触媒の調製中に、空気は
非常に迅速に触媒溶液と反応して、濁りのある物質を生
じ、これが結局は不溶性の液相となる、ということを我
々は見出した。これは、触媒と水および/またはCO2
とが反応して不溶性水酸化物または炭酸塩を生じるため
であると考えられる。触媒のこの脱活性化は、例えば加
熱により、不活性ガスによる清浄化によりまたは混合物
を減圧下に置くことにより逆転し得る、ということも我
々は見出した。これにより、重合反応を温和にしまたは
制御することが可能になる。これは、反応が温和でない
場合に起こる非常に急速な反応の観点から、特に有益で
ある。これらの反応に用いられる非常に低いレベル(1
〜10ppmという低さ)の触媒のために、水およびC
2との反応は、反応を制御し、再現可能な結果を得る
ことを考慮に入れる必要がある。大過剰量の水の中にホ
スファゼン塩基(水中では非常に可溶性で且つ非常に安
定している)を溶解することにより、触媒活性はより制
御可能になり、生成するポリマーは低分子量を有する。
これは、水が触媒阻害剤として、そしてエンドブロッカ
ーとしても作用することにより引き起こされる。この水
の阻害作用は、例えば加熱により、存在する水の量を低
減することにより低減し得る。100℃より低い温度で
は、重合速度は、水および/またはCO2の存在下では
相対的に遅く、例えばゴム状の粘度に達するのに24時
間以上を要する。100℃以上の(例えば100〜15
0℃)温度では、重合は、水および/またはCO2の存
在下ではるかに速くなり、例えば5〜60分でゴム状の
粘度に達する。反応のこのような制御は、水がアルコー
ル(例えばC1〜C6のアルコール、例えばメタノールま
たはエタノール)と混合された場合、またはアルコール
に置換された場合にも成し遂げられる。
【0026】シロキサン出発物質とホスファゼン塩基触
媒の混合物を空気および/またはCO2に曝露すること
により重合を阻止し得る、ということも我々は見出し
た。その後、例えば混合物を加熱する(例えば100℃
〜140℃、2〜3分間)ことによって、空気および/
またはCO2を単に除去することにより、重合を開始し
得る(「コマンド重合」)。D4触媒混合物(2〜50
ppmの触媒)は、20℃で長期間(7日間まで)、空
気および/またはCO2の存在下で安定である。反応混
合物は一般に、あらゆる溶解したCO2を除去するため
に、触媒の添加前に不活性ガス、好ましくは窒素を用い
て清浄化される。非常に急速な反応のために、反応混合
物は激しく混合されて、触媒は確実に均質に分散され
る。混合が不適切であると、触媒が反応に添加される
時、それはゴムのビーズ内にカプセル封入され、その後
触媒は、ある場合にはゴム粒子から外に拡散して、反応
を遅くする。
【0027】本発明の方法は、高分子量の、例えば1×
106〜100×106の分子量のゴムの製造に用い得
る。シリコーンポリマーの分子量は、末端基の濃度によ
り限定され、そして付加末端基の非存在下で、触媒濃度
により決定される。本発明に用いられる触媒は、充填剤
の存在下でも、低い触媒濃度で、合理的な時間に、ポリ
マーを生じるのに十分な活性を有する。これらの高分子
量ポリマーの使用には、充填剤を用いても用いなくて
も、高稠度ゴム、油管路用の抵抗低減添加剤、身体ケア
用製品およびシーラントを含む。ホスファゼン塩基触媒
は、シロキサンの重量を基礎にして非常に低濃度(2〜
500ppm)で用いると、中等度乃至低い温度(20
〜100℃)で、非常に迅速に(10秒〜8時間)、非常
に高分子量(1,000,000〜100,000,0
00)を有するポリマーを生成する、ということを我々
は見出した。重合中の分子量変化は、重合中の反応をサ
ンプリングすることによりモニタリングし、GPC(ゲ
ル透過クロマトグラフィー)により各試料を分析して分
子量を決定することができる。非常に高分子量のポリマ
ーが、ほとんど即時に得られる。本方法は超高分子量の
物質の製造に使用することができる。このことは、重合
のために必要な非常に低い触媒濃度のためであり、その
結果、生成するポリマーの分子量は、触媒濃度と等しい
末端基の濃度によっている。しかしながら、2ppmと
いった非常に低い触媒濃度では、得られる分子量は反応
時間に伴って増大する、ということを我々は見出した。
本方法は、触媒の拡散によって制限され、これはこれら
の高分子量ポリマー中では非常に遅い。
【0028】高分子量ゴムに代わるものとして、本発明
の方法を平衡反応で用いて、シリコーン流体を、例えば
25℃で1〜150,000mm2/sの粘度範囲で生
成し得る。エンドブロッカーは、所望の分子量のポリマ
ーを生成するために算出された割合で添加される。適切
なエンドブロッカーは、例えば160より大きい分子量
範囲のポリシロキサン、特に一般式MDxM(ここで、
Mは(CH33SiO1 /2であり、Dは−Si(CH3
22/2−であり、xは0〜20の値を有する)のポリジ
メチルシロキサンである。エンドブロッカーは、1つ又
はそれ以上の官能基、例えばヒドロキシ、ビニルまたは
水素を有する。水もヒドロキシ官能基の導入を伴ってエ
ンドブロッカーとしても作用する。
【0029】本発明の方法においては、重合は充填剤の
存在下で起こる。そのように生成された充填剤を含有す
るシリコーンポリマーは、電気絶縁グリース、シーラン
トとして、またはシリコーンエラストマーの製造に有用
な強化ポリマー混合物として用いるのに適している。本
発明に使用可能な充填剤は、種類によって、レオロジー
制御添加剤、補強剤、増量剤または導電性を付与するた
めの薬剤等として作用し得る。充填剤は、補強充填剤、
例えばヒュームドシリカ、沈降シリカ、ゲル生成シリ
カ、ヒュームド二酸化チタンまたはカーボンブラックで
あり得るし、あるいは増量充填剤、例えば石英粉末、ア
ルミノケイ酸塩、酸化アルミニウム、ケイ酸ジルコニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸
化鉄、炭酸カルシウム、クレー、二酸化チタン、マイ
カ、ガラス粉末または黒鉛であり得る。
【0030】好ましい充填剤は、シリコーンエラストマ
ー用の微粉砕した補強充填剤である。このような充填剤
の例としては、カーボンブラック;例えばヒュームドシ
リカ、沈降シリカ、ゲル生成シリカ、珪藻土およびヒュ
ームド二酸化チタンのような非晶質シリカが挙げられ
る。補強充填剤はコロイド範囲の粒子サイズ、ならびに
50m2/gより大きい、通常150m2/gより大きい
比表面積を有する。最も有用な補強充填剤は、少なくと
も150m2/gの比表面積を有するヒュームドシリカ
である。シリカ充填剤は、好ましくは、疎水性化剤によ
り表面処理される。適切な疎水性化剤としては、短いポ
リジメチルシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、シ
ラン、シラノール末端ブロックしたジメチルシロキサン
または脂肪酸が挙げられる。好ましくは、充填剤の表面
にジまたはトリオルガノシリル基を存在させることとな
る疎水性化剤が用いられる。
【0031】用いられる充填剤の量は、充填剤の種類
に、そしてシリコーンポリマーの用途に依存している。
強力な補強充填剤、例えばヒュームドシリカまたは沈降
シリカは、一般に、全シロキサン100重量部当たり1
〜70重量部で用いられる。最高の補強性能は、この範
囲の添加に対して得られる。その他の充填剤は、全シロ
キサン100重量部当たり1〜200重量部で用い得る
が、最適な量は実験によりほぼ決定される。充填剤は単
一充填剤であるか、あるいはそれらがすべて補強充填剤
であるか、すべて増量充填剤であるか、または両方の種
類の充填剤の混合であるかにかかわらす、2つまたはそ
れ以上の充填剤を同時に用い得る。
【0032】この方法により製造可能な充填剤を含有す
るシリコーンポリマーは、硬化してシリコーンエラスト
マーとなる硬化可能な組成物を製造するのに有用であ
る。それらは、高粘度ポリジオルガノシロキサンと充填
剤の従来の混合物と類似した方法で用い得る。一般的方
法は、有機ペルオキシド加硫剤を充填剤を含むポリジオ
ルガノシロキサン混合物に添加する方法である。シリコ
ーンエラストマーに用いるのに適した有機ペルオキシド
加硫剤は周知である。ポリジオルガノシロキサンがいか
なるビニル基も含有しない場合は、このようなポリジオ
ルガノシロキサンにおける反応を引き起こすのに有効な
有機ペルオキシドを用いて加硫させるのが好ましい。こ
のような有機ペルオキシドは「非ビニル特異的」と標識
され、ベンゾイルペルオキシドおよび2,4−ジクロロ
ベンゾイルペルオキシドといったような有機ペルオキシ
ドにより代表される。ポリジオルガノシロキサンがビニ
ル基を含有する場合は、それは「非ビニル特異的」また
は「ビニル特異的」有機ペルオキシドのいずれでも加硫
され得る。ビニル特異的有機ペルオキシドの代表例は、
ジ−tirt.ブチルペルオキシドおよび2,5−ビス
−(tertブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘ
キサンである。硬化シリコーンエラストマーの特性は、
組成物を硬化するのに用いられる加硫剤の種類および量
により変えることができる。このような選択による典型
的変化は、当業界で十分認識されている。有機ペルオキ
シド加硫剤は、充填剤を含むポリジオルガノシロキサン
100重量部当たり0.1〜5重量部、好ましくは0.
5〜2.0重量部の量で存在し得る。
【0033】ヒドロキシル末端基を有するシリコーンポ
リマーを生成する本発明の方法の実施態様は、硬化剤を
さらに混合して、硬化性組成物を生ずる。本質的に無水
の混合物中のヒドロキシル含有ポリジオルガノシロキサ
ンを硬化剤と組合せて1部の硬化性組成物を生ずる多数
の方法が知られている。この組成物は、大気に曝される
と、硬化してシリコーンエラストマーとなる。三官能価
および四官能価シランは架橋剤ならびに短重合性架橋剤
として使用可能である。使用される官能基は、中でも、
アセトキシ基、アルコキシ基、アミノ基およびアミド基
である。これらの系のための一般的触媒としては、金属
カルボキシレート、アルキル金属カルボキシレート、ア
ルキル金属アルコキシドおよびチタネートが挙げられ
る。好ましい触媒は、オクタン酸第一錫、ジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫ジラウレート、テトラブチルチ
タネート、ジブチル錫ジメトキシドおよびテトライソプ
ロピルチタネートが挙げられる。
【0034】ビニルおよびアリル基といったようなポリ
マー分子当たり2つまたはそれ以上の不飽和1価脂肪族
基を含有するシリコーンポリマーは、分子当たり平均2
つより多いケイ素結合した水素原子を有するオルガノ水
素シロキサン、そしてポリジオルガノシロキサン100
万重量部当たり少なくとも1重量部の白金を与えるのに
十分な量のヒドロシリル化触媒、例えば白金含有触媒と
を包含する硬化剤と組合せることができる。オルガノ水
素シロキサンは、ポリジオルガノシロキサン中の不飽和
1価脂肪族基当たり少なくとも1個のケイ素結合した水
素原子を与えるのに十分な量で存在する。混合物中のポ
リジオルガノシロキサンは、好ましくは、0.01〜
2.0モル%の不飽和1価脂肪族基を含有する。
【0035】本発明の方法で製造することのできる充填
剤を含むシリコーンポリマーは、シリコーンポリマー・
充填剤混合物とともに普通に用いられる添加剤、例えば
増粘剤、顔料、熱安定添加剤、耐油性添加剤および難燃
性添加剤とも組み合せることができる。
【0036】本発明の方法の工程(ii)において、触
媒は中和され、生成物は安定化し更なる反応が阻止され
る。適切な中和剤は酢酸、シリルホスフェート、ポリア
クリル酸塩素置換シラン、またはシリルホスホネートの
ような酸を含む。理論的には、中和剤対触媒のモル比が
1:1が触媒を中和するために十分である。しかし、実
際にはモル過剰の中和剤が用いられ、例えば反応条件に
よって中和剤と触媒のモル比が5:1またはそれ以上で
ある。
【0037】本発明の方法の工程(iii)において、
ストリッピング前のシリコーンポリマーは揮発物質を除
去するためにストリッピングされる。例えば120〜2
00℃の温度で、200〜20000Paの減圧下で、
従来の触媒を用いて製造されるシリコーンポリマーをス
トリッピングするために用いられる条件下で、このスト
リッピングを実行し得る。しかしながら、本発明の方法
により製造されるシリコーンポリマーは、従来の触媒を
用いて製造されるシリコーンポリマーが分解する温度で
ストリッピング前のシリコーンポリマーをストリッピン
グすることにより、従来の触媒を用いて製造されるシリ
コーンポリマーより低い揮発性物質含有量とすることが
できる。これは、本発明の方法で製造されるストリッピ
ング前のシリコーンポリマーの熱安定性の増強のために
可能であって、これは、重合後の生成物中に残存する触
媒残渣が非常に低レベルであるせいである。したがっ
て、ストリッピングは200℃以上の温度で、シリコー
ンポリマーが分解する温度のすぐ下の温度までで行うこ
とができ、例えば、ストリッピングされる特定のシリコ
ーンポリマーによって500℃までの温度で、例えば2
50、300、350、400、450または500℃
までの温度で実行し得る。ストリッピングの温度が高い
ほど、揮発性物質の除去はより効果的になる。ストリッ
ピングは、普通は減圧下で、例えば200〜20000
Paで実行される。ストリッピングは、一般的な装置、
例えば回転薄膜蒸発器又は押し出し器を使用して行い得
る。本発明をさらに実施例によって説明する。
【0038】
【実施例】実施例1:開環重合 オクタメチルテトラシクロシロキサン、(オクタメチル
テトラシクロシロキサンに基づき)粘度4.5mm2
sのジメチルビニルを末端基とするポリジメチルシロキ
サンを0.16重量%および前記のホスファゼン触媒I
を0.001%(10ppm)を、2連スクリュウ押し
出し機(直径24mm、長さ:直径の比が30:1)の
中で、温度160℃で一緒に反応させ、約575,00
0の平均分子量を有するジメチルビニル末端のポリジメ
チルシロキサンを得た。
【0039】実施例2:中和 前記実施例1で得たシリコーンポリマーを、モル比の過
剰が12.5で実施例1の反応が行われるように、押し
出し機の下流にシリルホスホネートを供給することによ
って、押し出し機中で中和した。
【0040】実施例3:ストリッピング 実施例2の中和されたシリコーンポリマーのサンプルを
温度170℃、圧力12150Paでz−翼ミキサー中
でストリッピングし、揮発物質を除去した。この結果を
下記の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例4:熱重量分析 実施例2の中和したシリコーンポリマーのサンプル(E
X1として引用する)を試験し、以下のようにそれらの
分解温度を決定した。シリコーンポリマーのサンプル
を、その重量を記録するロードセルに載せる。サンプル
の温度を徐々に上げてゆき、シリコーンポリマーの分解
温度の到達した時、解重合が起こり、シリコーンポリマ
ーはもとのシクロシロキサンに変化し、これは取り除か
れる。ロードセルがこの全体にわたってサンプルの重量
を記録し、したがって温度の関数としてシリコーンポリ
マーサンプルの分解を記録する。熱重量分析はまた、従
来のカリウムシラノレート触媒を使用したオクタメチル
テトラシクロシロキサンの開環重合によって製造される
ジメチルビニル末端ポリジメチルシロキサンゴム(CO
MP1として引用する)についても行った。試験の結果
を下記の表2に示す。
【0043】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フィリップ・グリフィス イギリス国、ヴェイル・オブ・グラモーガ ン・シーエフ64・2エルワイ、ピナース、 ランドー、レックウイズ・ロード、ウェイ サイド (72)発明者 ウィリアム・ヒロン イギリス国、ヴェイル・オブ・グラモーガ ン・シーエフ71・7エイワイ、カウブリッ ジ、ジェレインツ・ウェイ 27 (72)発明者 リチャード・テイラー イギリス国、ヴェイル・オブ・グラモーガ ン・シーエフ62・8エイチティ、バリー、 セイント・ポールズ・アベニュー 11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1重量%未満の揮発物質含有シリコーン
    ポリマーの製造方法であって、(i)水の存在下、充填
    剤の存在または非存在下、そしてホスファゼン塩基触媒
    と共に、縮合重合による線状シラノール基含有シロキサ
    ンを、または開環重合によるシクロシロキサンを、ある
    いは前記線状およびシクロシロキサンの混合物を、重合
    することによりストリッピングされていないシリコーン
    ポリマーを製造し;(ii)触媒を中和し;そして(i
    ii)ストリッピングされていないシリコーンポリマー
    をストリッピングするという連続する工程を包含するシ
    リコーンポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコーンポリマーが0.1重量%以下
    の揮発物質含有量であることを特徴とする請求項1の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 シリコーンポリマーが0.01重量%以
    下の揮発物質含有量であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水がホスファゼン塩基の1モル当たり
    0.5から10モルの量で存在することを特徴とする請
    求項1、2または3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 ホスファゼン塩基がシロキサンの重量に
    基づき2〜200重量ppmの量で存在し、そして水が
    ホスファゼン塩基1モル当たり少なくとも1モルの量で
    存在することをさらに特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホスファゼン塩基が以下の一般式: ((R1 2N)3P=N-)x(R1 2N)3-xP=NR2 {((R1 2N)3P=N-)x(R1 2N)3-xP-N(H)R2+{A-} {((R1 2N)3P=N-)y(R1 2N)4-yP}+{A}-
    または {(R1 2N)3P=N-(P(NR1 22=N)z-P+(NR1 23
    {A}- (ここで、R1は各々の位置で同一でもまたは異なって
    もよく、水素原子または任意に置換された炭化水素基で
    あり、あるいは同一N原子に結合した2つのR1基は連
    結して複素環式環を完成してもよく、R2は水素原子ま
    たは任意に置換された炭化水素基であり、xは1、2ま
    たは3であり、yは1、2、3または4であり、zは1
    〜10の整数であり、そしてAは陰イオンである)の1
    つであることをさらに特徴とする請求項1〜5のいずれ
    かに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 触媒活性を阻害する薬剤または条件が最
    初に存在し、そして次に阻害剤または阻害条件の作用を
    低減することにより重合が開始されることをさらに特徴
    とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 阻害剤が二酸化炭素および/または過剰
    の水であり、重合反応が加熱により開始されることをさ
    らに特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ストリッピングが少なくとも200℃の
    温度で行われることをさらに特徴とする請求項1〜8の
    いずれかに記載の製造方法。
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