JP2000103055A - インクジェットヘッドの駆動回路 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動回路

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JP2000103055A
JP2000103055A JP27874898A JP27874898A JP2000103055A JP 2000103055 A JP2000103055 A JP 2000103055A JP 27874898 A JP27874898 A JP 27874898A JP 27874898 A JP27874898 A JP 27874898A JP 2000103055 A JP2000103055 A JP 2000103055A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各ヘッド部の駆動信号の電圧波形を統一的に調
整可能であり、多ヘッド部化および各種の印字形態に対
応可能なインクジェットヘッドの駆動回路を提供する。 【解決手段】充電回路31に第1カレントミラー回路
(各トランジスタQ3、Q6、Q9)及び第1調整回路
(充電電流調整回路34)を設け、放電回路32に第2
カレントミラー回路(各トランジスタQ14、Q16、
Q18)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)を
設ける。そして、第1調整回路を介して第1カレントミ
ラー回路のソース側の電流値と出力側の電流値との比を
調整して、各ヘッド部30A、30Bの駆動信号の立ち
上がり時の電圧波形(傾き)を調整し、第2調整回路を
介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出
力側の電流値との比を調整して、各ヘッド部30A、3
0Bの駆動信号の立ち下がり時の電圧波形(傾き)を調
整する。各調整回路34、35はCPUにて制御され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに搭載され、複数の各ノズル開口に対応して圧電
素子を配置した複数のヘッド部を有するとともに、各ヘ
ッド部の圧電素子に対してコンデンサの充放電により発
生する駆動信号を印加することにより各ノズル開口から
インク滴を吐出するインクジェットヘッドの駆動回路に
関し、特に、各ヘッド部に共通する調整回路を設けるこ
とにより、その調整回路を介して各ヘッドにおける駆動
信号の電圧波形を統一的に調整することが可能であり、
もってインクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル
化)に容易に対応することが可能なインクジェットヘッ
ドの駆動回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧電型のインクジェットヘッ
ドにおけるように、インク吐出手段として圧電(ピエ
ゾ)素子が用いられているインクジェットヘッドでは、
ノズル開口に付設されたピエゾ素子に対して急峻に変化
する駆動信号(駆動電圧)を印加することによりピエゾ
素子に体積変動を発生してインク室の体積を変化させ、
ノズル開口からインク滴を用紙上に吐出して各種の記録
を行う。
【0003】ここに、ピエゾ素子は、その電気的特性が
キャパシタンスであることから、ピエゾ素子に印加され
る駆動信号の電圧波形を単純に矩形波にした場合には、
ピエゾ素子への入力電流が大きくなり、この結果、駆動
回路を破損してしまう虞がある。かかる事情を勘案し
て、従来ではインクジェットヘッドのピエゾ素子を駆動
する電圧波形として、ピエゾ素子への入力電流が小さく
なるように台形波や三角波が用いられている。このよう
に台形波や三角波を駆動電圧波形とした場合、その駆動
電圧の傾きはインクジェットヘッドにおけるインク吐出
速度、インク吐出量等に影響を与えることが分かってお
り、これより駆動電圧の傾きを制御する必要がある。
【0004】前記した要請を満足すべく従来におけるイ
ンクジェットヘッドの駆動回路では、コンデンサ(キャ
パシタンス)、定電流回路及び定電流回路の電流値を調
整する調整回路を使用し、定電流回路を介してキャパシ
タンスに電荷を充放電するとともに、定電流回路の電流
値に基づき駆動電圧の傾きを制御した電圧波形を生成
し、その電圧波形をアンプで増幅した後ピエゾ素子の駆
動を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来におけるインクジェットヘッドの駆動回路では、記録
のカラー化等に対応して複数のヘッド部をインクジェッ
トヘッドに設ける場合(ヘッド部は、使用されるインク
色数に応じて複数設けられ、各ヘッドにはそれぞれ複数
のノズル開口及びピエゾ素子が設けられる)、駆動信号
の電圧波形を生成する回路からアンプに流入する流入電
流が増加してしまうこととなり、これより1つのヘッド
部からインクの吐出を行う場合と複数のヘッド部からイ
ンクを吐出する場合とでは、駆動信号の電圧波形が変化
してしまう。
【0006】これを防止すべく従来においては、キャパ
シタンス、定電流回路、定電流回路の電流値を調整する
調整回路、及び、アンプを1つの駆動回路ユニットとし
て構成し、かかる駆動回路ユニットがヘッド部の数に応
じて複数個必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に
駆動信号の電圧波形を調整する必要がある。
【0007】また、各ヘッド部の駆動制御上、各ヘッド
部毎にノズルの駆動タイミングを任意の時間ずらす必要
がある場合にも、前記と同様に、複数の駆動回路ユニッ
トが必要となり、また、各駆動回路ユニット毎に駆動信
号の電圧波形を調整する必要がある。
【0008】本発明は前記従来における問題点を解消す
るためになされたものであり、各ヘッド部に共通する調
整回路を設けることにより、その調整回路を介して各ヘ
ッドにおける駆動信号の電圧波形を統一的に調整するこ
とが可能であり、もってインクジェットヘッドの多ヘッ
ド部化(多ノズル化)に容易に対応することが可能であ
り、且つ、各種の印字形態に容易に対応することが可能
なインクジェットヘッドの駆動回路を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、複数のノズル開
口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少なくと
も2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧電素子
に対して駆動信号を印加することにより各開口からイン
クを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路におい
て、前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド
部毎に対応して設けられたコンデンサと、前記各コンデ
ンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号に基
づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、前記各コ
ンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電信号
に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを備
え、前記充電回路には第1カレントミラー回路が設けら
れるとともに、前記各接続端子は第1カレントミラー回
路に存在し、前記第1カレントミラー回路のソース側と
出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波
形を調整する第1調整回路が設けられ、前記第1調整回
路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御信
号の信号電圧に比例した電流値を生成する吸い込み型の
電圧電流変換回路から成り、前記第1カレントミラー回
路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に比例
した電流値に制御することを特徴とする。
【0010】請求項1のインクジェットヘッドの駆動回
路では、充電回路に対して充電信号が印加されると、充
電回路の第1カレントミラー回路を介して各ヘッド部に
対応して設けられたコンデンサが充電される。また、放
電回路に対して放電信号が印加されると、各コンデンサ
が放電される。このように、各コンデンサの充放電を行
うことに基づき各ヘッドの圧電素子に駆動信号が印加さ
れ、各ノズル開口からインク滴が吐出されて文字等の記
録が行われる。
【0011】このとき、第1調整回路の調整状態に基づ
き、各コンデンサへの充電特性、即ち、駆動信号の立ち
上がり時における電圧波形(傾き)が設定される。ここ
に、第1カレントミラー回路は、その出力側において各
接続端子への出力電流値を同一とし、また、その電流値
をソース側の電流値に比例させる作用を行い、従って、
第1調整回路を介して第1カレントミラー回路のソース
側の電流値と出力側の電流値との比を調整することによ
り、複数の各ヘッド部における圧電素子への駆動信号の
立ち上がり時における電圧波形(傾き)を調整すること
が可能となる。これにより、1つの共通の第1調整回路
を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の
立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整すること
が可能となり、インクジェットヘッドの多ヘッド部化
(多ノズル化)に容易に対応することが可能となる。
【0012】また、第1調整回路は前記駆動信号の電圧
波形を調整するための制御信号にて制御可能であり、各
ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上がり
時における電圧波形(傾き)は、当該制御信号の信号電
圧を調整することにより任意に設定することができる。
これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載され
るインクジェットプリンタが複数種類の印字解像度を有
する場合においても、当該制御信号の信号電圧を適宜設
定することにより、各印字解像度に応じてフレキシブル
に対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に
対応することができる。
【0013】さらに、各ヘッド部に対して、駆動信号の
立ち上がり時における電圧波形(傾き)を個別に設定す
ることが可能になるため、ヘッド部の特性のバラツキに
対応した最適な駆動信号の電圧波形を設定することがで
きる。そのため、従来、特性が規格外であり使用不可と
して選別されていたヘッド部についても、そのヘッド部
に対応して駆動信号の電圧波形を最適に設定することで
十分に使用することが可能になるため、ヘッド部の歩留
まり向上につながるという効果もある。
【0014】ところで、インクジェットヘッドの印字方
式には、コンデンサの充電時に駆動信号により圧電素子
を変形させてノズル開口からインク滴を吐出し、コンデ
ンサの放電時にインク室内にインクを吸入する方式(以
下、充電吐出方式と呼ぶ)が存在するが、かかる充電吐
出方式では、特に、コンデンサの充電時における駆動信
号の電圧波形がインク吐出速度、インク吐出量等に影響
を及ぼすことから、かかる点で、第1調整回路を介して
各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち上が
り時における電圧波形を統一的に調整することが可能と
なる請求項1の駆動回路は、充電吐出方式のインクジェ
ットヘッドに適用して好適なものである。
【0015】また、請求項2に記載のインクジェットヘ
ッドの駆動回路は、請求項1に記載のインクジェットヘ
ッドの駆動回路において、前記放電回路には第2カレン
トミラー回路が設けられるとともに、前記各接続端子は
第2カレントミラー回路に存在し、前記第2カレントミ
ラー回路のソース側と出力側の電流値の比を変化させて
前記駆動信号の電圧波形を調整する第2調整回路が設け
られ、前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を
調整するための制御信号の信号電圧に比例した電流値を
生成する吐き出し型の電圧電流変換回路から成り、前記
第2カレントミラー回路のソース側の電流値を前記制御
信号の信号電圧に比例した電流値に制御することを特徴
とする。
【0016】請求項2のインクジェットヘッドの駆動回
路では、第2調整回路の調整状態に基づき、各コンデン
サへの放電特性、即ち、駆動信号の立ち下がり時におけ
る電圧波形(傾き)が設定される。ここに、第2カレン
トミラー回路は、その出力側において各接続端子への出
力電流値を同一とし、また、その電流値をソース側の電
流値に比例させる作用を行い、従って、第2調整回路を
介して第2カレントミラー回路のソース側の電流値と出
力側の電流値との比を調整することにより、複数の各ヘ
ッド部における圧電素子への駆動信号の立ち下がり時に
おける電圧波形(傾き)を調整することが可能となる。
これにより、1つの共通の第2調整回路を介して各ヘッ
ド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時に
おける電圧波形を統一的に調整することが可能となり、
インクジェットヘッドの多ヘッド部化(多ノズル化)に
容易に対応することが可能となる。
【0017】また、第2調整回路は前記駆動信号の電圧
波形を調整するための制御信号にて制御可能であり、各
ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり
時における電圧波形(傾き)は、当該制御信号の信号電
圧を調整することにより任意に設定することができる。
これにより、例えば、インクジェットヘッドが搭載され
るインクジェットプリンタが複数種類の印字解像度を有
する場合においても、当該制御信号の信号電圧を適宜設
定することにより、各印字解像度に応じてフレキシブル
に対応することが可能となり、各種の印字形態に容易に
対応することができる。
【0018】さらに、各ヘッド部に対して、駆動信号の
立ち下がり時における電圧波形(傾き)を個別に設定す
ることが可能になるため、ヘッド部の特性のバラツキに
対応した最適な駆動信号の電圧波形を設定することがで
きる。そのため、従来、特性が規格外であり使用不可と
して選別されていたヘッド部についても、そのヘッド部
に対応して駆動信号の電圧波形を最適に設定することで
十分に使用することが可能になるため、ヘッド部の歩留
まり向上につながるという効果もある。
【0019】ところで、インクジェットヘッドの印字方
式には、前記充電吐出方式に加えて、コンデンサの充電
時に駆動信号により圧電素子を変形させてインク室から
インクを吸入し、所定のタイミングでコンデンサを放電
し、そのコンデンサの放電時にノズル開口からインク滴
を吐出する方式(以下、放電吐出方式と呼ぶ)が存在す
るが、かかる放電吐出方式では、特に、コンデンサの放
電時における駆動信号の電圧波形がインク吐出速度、イ
ンク吐出量等に影響を及ぼす。そのため、第1調整回路
を介して各ヘッド部の圧電素子に印加される駆動信号の
立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整すること
が可能となることに加え、第2調整回路を介して各ヘッ
ド部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時に
おける電圧波形を統一的に調整することが可能となる請
求項2の駆動回路は、前記充電吐出方式あるいは前記放
電吐出方式のいずれの方式のインクジェットヘッドにも
適用することができる。
【0020】また、請求項3に記載の発明は、複数のノ
ズル開口のそれぞれに対応させて圧電素子を配置した少
なくとも2つのヘッド部を有し、各ヘッド部における圧
電素子に対して駆動信号を印加することにより各開口か
らインクを吐出するインクジェットヘッドの駆動回路に
おいて、前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘ
ッド部毎に対応して設けられたコンデンサと、前記各コ
ンデンサに接続される複数の接続端子を有し、充電信号
に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路と、前記
各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、放電
信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路とを
備え、前記放電回路には第2カレントミラー回路が設け
られるとともに、前記各接続端子は第2カレントミラー
回路に存在し、前記第2カレントミラー回路のソース側
と出力側の電流値の比を変化させて前記駆動信号の電圧
波形を調整する第2調整回路が設けられ、前記第2調整
回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整するための制御
信号の信号電圧に比例した電流値を生成する吐き出し型
の電圧電流変換回路から成り、前記第2カレントミラー
回路のソース側の電流値を前記制御信号の信号電圧に比
例した電流値に制御することを特徴とする。
【0021】請求項3のインクジェットヘッドの駆動回
路では、前記した請求項2に記載のインクジェットヘッ
ドの駆動回路と同様に、第2調整回路を介して各ヘッド
部の圧電素子に印加される駆動信号の立ち下がり時にお
ける電圧波形を統一的に調整することが可能となるた
め、前記放電吐出方式のインクジェットヘッドに適用し
て好適なものである。
【0022】ところで、請求項4に記載の発明のよう
に、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェッ
トヘッドの駆動回路において、前記調整回路は、オペア
ンプを含んで構成してもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図面と共に説明する。先ず、インクジェットヘッ
ドが搭載されるインクジェットプリンタの制御系の概略
構成について図1に基づき説明する。図1はインクジェ
ットプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロッ
ク図である。
【0024】図1において、インクジェットプリンタの
制御系はCPU2を核として構成されており、CPU2
は、予めメモリ4に記憶された各種動作プログラムに従
って、インクジェットヘッド18におけるスイッチ素子
8、ヘッド駆動回路6、及び、駆動制御回路10の駆動
制御を行う。
【0025】ここに、インクジェットヘッド18は、複
数のノズル開口(図示せず)のそれぞれに対応して圧電
素子12を配置した複数のヘッド部30A等(図2、図
3参照)を有しており、また、各圧電素子12に接続さ
れたスイッチ素子8は、CPU2からの制御信号に従っ
てヘッド駆動回路6と圧電素子12とを選択的に接続す
るアナログスイッチ素子である。尚、インクジェットヘ
ッド18は、4色(ブラック、マゼンタ、イエロー、シ
アン)のインクによりフルカラーで印字可能なヘッドで
あり、インクの各色数に対応して4つのヘッド部(図2
では、その内2つのヘッド部30、30Bが示されてい
る)が設けられている。
【0026】また、ヘッド駆動回路6は、CPU2から
の各種制御信号に基づき、各圧電素子12を駆動する駆
動信号を出力するものであり、かかる駆動信号は、スイ
ッチ素子8を介して各ヘッド部30A、30Bにおける
圧電素子12に印加され、これにより各ノズル開口から
インク滴が用紙上に吐出されて各種の記録が行われる。
尚、ヘッド駆動回路6の詳細な構成については後述す
る。
【0027】更に、駆動制御回路10は、CPU2から
の制御信号に基づいて、キャリジモータ14及び用紙送
りモータ16を駆動するものである。ここに、キャリッ
ジモータ14は、タイミングベルトを介してキャリッジ
上のインクジェットヘッド18を移動させ、また、用紙
送りモータ16は、ベルト、回転軸、ローラ等を介して
用紙を搬送するものである。
【0028】また、後述するヘッド部の駆動信号波形を
ヘッド部毎に調整するための情報を記憶する電気的に書
き換え可能な不揮発性メモリ5と、CPU2から出力さ
れる駆動信号波形を調整するためのデジタル信号をヘッ
ド駆動回路6へのアナログ信号に変換するD/A変換器
3とが設けられている。
【0029】次に、ヘッド駆動回路6について図2に基
づき説明する。図2はヘッド駆動回路6を示す回路図で
ある。図2において、ヘッド駆動回路6は、大別して、
充電回路31、放電回路32、電流増幅回路33、充電
電流調整回路34、放電電流調整回路35、及び、充電
回路31と電流増幅回路33との間に接続されたコンデ
ンサC1、C2から構成されている。かかるヘッド駆動
回路6中、Q2、Q3、Q5、Q6、Q8、Q9、Q1
1、Q13、Q21は、PNPトランジスタであり、ま
た、Q1、Q4、Q7、Q10、Q12、Q14、Q1
5、Q16、Q17、Q18、Q19、Q20は、NP
Nトランジスタである。R1〜R32は、抵抗器であ
る。OP1、OP2は、オペアンプである。C1、C2
は、コンデンサである。20は充電信号入力端子であ
り、充電回路31により各コンデンサC1、C2を充電
する際に充電信号が入力される。21及び22は、各ヘ
ッド部30A、30Bを独立して個別に駆動する際にC
PU2から制御信号が選択的に入力される制御信号入力
端子であり、例えば、ヘッド部30Aを駆動する場合に
は制御信号入力端子21に制御信号が入力されてコンデ
ンサC1の充電が行われる。23は放電信号入力端子で
あり、放電回路32により各コンデンサC1、C2を放
電する際に放電信号が入力される。24及び25は、各
ヘッド部30A、30Bを独立して個別に駆動すべくコ
ンデンサC1、C2の放電を行う際にCPU2から制御
信号が選択的に入力される制御信号入力端子であり、例
えば、コンデンサC1の放電を行う場合には制御信号入
力端子24に制御信号が入力されてコンデンサC1の放
電が行われる。26、27は、それぞれヘッド30A、
30Bに対応し、各ヘッド部30A、30Bに対して駆
動信号が出力される出力端子である。50は、充電電流
調整回路34を制御する際にCPU2からの制御信号が
入力される制御信号入力端子である。51は、放電電流
調整回路35を制御する際にCPU2からの制御信号が
入力される制御信号入力端子である。
【0030】ここに、充電回路31において、PNPト
ランジスタQ3、Q6、Q9は、所謂、第1カレントミ
ラー回路を構成しておりPNPトランジスタQ3がソー
ス側、PNPトランジスタQ6、Q9が出力側となって
いる。尚、NPNトランジスタQ1、PNPトランジス
タQ2はPNPトランジスタQ3を、NPNトランジス
タQ4、PNPトランジスタQ5はPNPトランジスタ
Q6を、NPNトランジスタQ7、PNPトランジスタ
Q8はPNPトランジスタQ9を、それぞれ充電信号入
力端子20からの充電信号、制御信号入力端子21、2
2からの制御信号に基づいてオン、オフするためのもの
である。
【0031】そして、充電電流調整回路34において、
片電源動作を行うオペアンプOP1の出力端子はNPN
トランジスタQ20のベースに接続され、オペアンプO
P1の反転入力端子はトランジスタQ20のエミッタに
接続されると共に抵抗器R31を介して接地され、オペ
アンプOP1の非反転入力端子は制御信号入力端子50
に接続され、トランジスタQ20のコレクタは抵抗器R
6を介して充電回路31のPNPトランジスタQ3のコ
レクタおよびベースに接続されている。そして、オペア
ンプOP1は、反転入力端子の電圧(トランジスタQ2
0のエミッタ電圧)が非反転入力端子の電圧(制御信号
入力端子50に入力される制御信号の信号電圧)と等し
くなるようにトランジスタQ20を制御することで、ト
ランジスタQ20のコレクタ電流(抵抗器R6に流れる
電流)を制御する。つまり、充電電流調整回路34は吸
い込み型の電圧電流変換回路を構成し、抵抗器R6に流
れる電流(トランジスタQ3のエミッタからベースとコ
レクタに流れる電流)を、CPU2から制御信号入力端
子50に入力される制御信号の信号電圧に比例した電流
値に制御する。尚、抵抗器R6は、トランジスタQ20
に流れる電流を制限することにより、トランジスタQ2
0の発熱を抑制するために設けられている。このよう
に、充電電流調整回路34はCPU2にて制御可能な第
1調整回路を構成している。
【0032】また、放電回路32において、NPNトラ
ンジスタQ15、Q17、Q19は、第2カレントミラ
ー回路を構成しており、NPNトランジスタQ15がソ
ース側、NPNトランジスタQ17、19が出力側とな
っている。尚、NPNトランジスタQ14はNPNトラ
ンジスタQ15を、NPNトランジスタQ16はNPN
トランジスタQ17を、NPNトランジスタQ18はN
PNトランジスタQ19をそれぞれ放電信号入力端子2
3からの放電信号、制御信号入力端子24、25からの
制御信号に基づいてオン、オフするためのものである。
【0033】そして、放電電流調整回路35において、
片電源動作を行うオペアンプOP2の出力端子はPNP
トランジスタQ21のベースに接続され、オペアンプO
P2の反転入力端子はトランジスタQ21のエミッタに
接続されると共に抵抗器R32を介して電源Vccに接
続され、オペアンプOP2の非反転入力端子は制御信号
入力端子51に接続され、トランジスタQ21のコレク
タは抵抗器R22を介して放電回路32のNPNトラン
ジスタQ15のコレクタおよびベースに接続されてい
る。そして、オペアンプOP2は、反転入力端子の電圧
(トランジスタQ21のエミッタ電圧)が非反転入力端
子の電圧(制御信号入力端子51に入力される制御信号
の信号電圧)と等しくなるようにトランジスタQ21を
制御することで、トランジスタQ21のコレクタ電流
(抵抗器R22に流れる電流)を制御する。つまり、放
電電流調整回路35は吐き出し型の電圧電流変換回路を
構成し、抵抗器R22に流れる電流(トランジスタQ1
5のベースとコレクタからエミッタに流れる電流)を、
CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信
号の信号電圧に比例した電流値に制御する。尚、抵抗器
R22は、トランジスタQ21に流れる電流を制限する
ことにより、トランジスタQ21の発熱を抑制するため
に設けられている。このように、放電電流調整回路35
はCPU2にて制御可能な第2調整回路を構成してい
る。
【0034】更に、コンデンサC1は、PNPトランジ
スタQ6により充電されNPNトランジスタQ17によ
り放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生する
ものである。同様に、コンデンサC2は、PNPトラン
ジスタQ9により充電されNPNトランジスタQ19に
より放電されることにより駆動信号の電圧波形を発生す
るものである。
【0035】また、電流増幅回路33において、PNP
トランジスタQ11とNPNトランジスタQ10、及
び、PNPトランジスタQ13とNPNトランジスタQ
12は、それぞれプッシュプル回路を構成しており、コ
ンデンサC1、C2で発生した電圧波形を有する駆動信
号を電流増幅するものである。
【0036】尚、抵抗器R5、R12、R18、R2
1、R25、R29は、第1及び第2カレントミラー回
路を構成する各トランジスタ間の特性のバラツキにより
生ずる出力側の電流比のバラツキを抑えるためのもので
ある。また、抵抗器R11は、PNPトランジスタQ6
が飽和した時のベース電流を制限するものであり、抵抗
器R17は、PNPトランジスタQ9が飽和した時のベ
ース電流を制限するものである。更に、抵抗器R26
は、NPNトランジスタQ17が飽和した時のベース電
流を制限するものであり、抵抗器R30は、NPNトラ
ンジスタQ19が飽和した時のベース電流を制限するも
のである。
【0037】続いて、前記のように構成されるヘッド駆
動回路6の動作について説明する。先ず、ヘッド部30
Aを駆動する場合、充電信号入力端子20を介して充電
信号が入力されると、NPNトランジスタQ1がオン状
態になり、また、それによりPNPトランジスタQ2が
オン状態になり、PNPトランジスタQ3のエミッタか
らベースとコレクタに、充電電流調整回路34にて電流
値が制御された電流が流れる。同様に、放電信号入力端
子23を介して放電信号が入力されると、NPNトラン
ジスタQ14がオン状態になり、NPNトランジスタQ
15のベースとコレクタからエミッタに、放電電流調整
回路35にて電流値が制御された電流が流れる。
【0038】次に、制御信号入力端子21から制御信号
が入力され、NPNトランジスタQ4がオン状態にな
り、また、それによりPNPトランジスタQ5がオン状
態になり、PNPトランジスタQ6のコレクタに、充電
電流調整回路34にて調整された電流値に比例した電流
が流れる。これにより、コンデンサC1が充電される。
コンデンサC1の電位が上がり、PNPトランジスタQ
6が飽和すると充電は停止する。そして、制御信号入力
端子21への制御信号の入力を停止すると、NPNトラ
ンジスタQ4がオフ状態になり、また、それによりPN
PトランジスタQ5がオフ状態になり、PNPトランジ
スタQ6には、電流が流れなくなる。
【0039】続いて、制御信号入力端子24から制御信
号が入力されると、NPNトランジスタQ16がオン状
態になり、NPNトランジスタQ17のコレクタに、放
電電流調整回路35にて調整された電流値に比例した電
流が流れる。これにより、コンデンサC1が放電され
る。コンデンサC1の電位が下がり、NPNトランジス
タQ17が飽和すると放電は停止する。そして、制御信
号入力端子24への制御信号の入力を停止すると、NP
NトランジスタQ16がオフ状態になり、また、それに
よりPNPトランジスタQ17がオフ状態になり、電流
が流れなくなる。
【0040】前記したコンデンサC1の充放電動作によ
りコンデンサC1には、台形状の電圧波形を有する駆動
信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ1
1とNPNトランジスタQ10からなる電流増幅回路に
より増幅された後、出力端子26を介してヘッド部30
Aに出力される。
【0041】このとき、駆動信号の台形状電圧波形にお
いて、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、CPU2
から制御信号入力端子50に入力される制御信号にて制
御される充電電流調整回路34の調整状態に基づき、コ
ンデンサC1への充電特性に従って設定される。また、
同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、
CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信
号にて制御される放電電流調整回路35の調整状態に基
づき、コンデンサC1の放電特性に従って設定される。
【0042】次に、ヘッド部30Bを駆動する場合に
は、前記動作と同様に、制御信号入力端子22から制御
信号が入力されると、NPNトランジスタQ7がオン状
態になり、また、それによりPNPトランジスタQ8が
オン状態になり、PNPトランジスタQ9のコレクタ
に、充電電流調整回路34にて調整された電流値に比例
した電流が流れる。これにより、コンデンサC2が充電
される。コンデンサC2の電位が上がり、PNPトラン
ジスタQ9が飽和すると充電は停止する。そして、制御
信号入力端子22への制御信号の入力を停止すると、N
PNトランジスタQ7をオフ状態になり、また、それに
よりPNPトランジスタQ8がオフ状態になり、PNP
トランジスタQ9には、電流が流れなくなる。
【0043】続いて、制御信号入力端子25から制御信
号が入力されると、NPNトランジスタQ18がオン状
態になり、NPNトランジスタQ19のコレクタに、放
電電流調整回路35にて調整された電流値に比例した電
流が流れる。これにより、コンデンサC2が放電され
る。コンデンサC2の電位が下がり、NPNトランジス
タQ19が飽和すると放電は停止する。
【0044】前記したコンデンサC2の充放電動作によ
りコンデンサC2には、台形状の電圧波形を有する駆動
信号が発生し、この駆動信号がPNPトランジスタQ1
3とNPNトランジスタQ12からなる電流増幅回路に
より増幅された後、出力端子27を介してヘッド部30
Bに出力される。
【0045】このとき、駆動信号の台形状電圧波形にお
いて、駆動信号の立ち上がり時の電圧傾きは、CPU2
から制御信号入力端子50に入力される制御信号にて制
御される充電電流調整回路34の調整状態に基づき、コ
ンデンサC2への充電特性に従って設定される。また、
同様に、駆動信号の立ち下がり時における電圧傾きは、
CPU2から制御信号入力端子51に入力される制御信
号にて制御される放電電流調整回路35の調整状態に基
づき、コンデンサC2の放電特性に従って設定される。
【0046】前記のように各出力端子26、27から出
力された駆動信号は、CPU2による制御下にスイッチ
素子8を介して選択された圧電素子12に対して印加さ
れ、これにより各ノズル開口からインク滴が吐出されて
所望の記録が行われる。以上詳細に説明した通り、ヘッ
ド駆動回路6では、充電回路31における第1カレント
ミラー回路(各トランジスタQ3、Q6、Q9により構
成される)が、その出力側において各コンデンサC1、
C2への出力電流値を同一とし、また、その電流値をソ
ース側の電流値に比例させる作用を行い、また、放電回
路32における第2カレントミラー回路(各トランジス
タQ14、Q16、Q18により構成される)が、第1
カレントミラー回路と同様、その出力側において各コン
デンサC1、C2への出力電流値を同一とし、また、そ
の電流値をソース側の電流値に比例させる作用を行う。
【0047】従って、第1調整回路(充電電流調整回路
34)を介して第1カレントミラー回路のソース側の電
流値と出力側の電流値との比を調整することにより、複
数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧電素子12へ
の駆動信号の立ち上がり時における電圧波形(傾き)を
調整することが可能となり、また、第2調整回路(放電
電流調整回路35)を介して第2カレントミラー回路の
ソース側の電流値と出力側の電流値との比を調整するこ
とにより、複数の各ヘッド部30A、30Bにおける圧
電素子への駆動信号の立ち下がり時における電圧波形
(傾き)を調整することが可能となるものである。
【0048】これにより、充電回路31側にて1つの共
通の第1調整回路(充電電流調整回路34)を介して各
ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆
動信号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整
するとともに、放電回路32側にて1つの共通の第2調
整回路(放電電流調整回路35)を介して各ヘッド部3
0A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立
ち下がり時における電圧波形を統一的に調整することが
可能となり、この結果、インクジェットヘッド18の多
ヘッド部化(多ノズル化)に容易に対応することができ
るものである。
【0049】また、ヘッド駆動回路6では、少なくとも
第1調整回路(充電電流調整回路34)を介して各ヘッ
ド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信
号の立ち上がり時における電圧波形を統一的に調整する
ことが可能であることから、前記充電吐出方式のインク
ジェットヘッド18に適用することができ、また、少な
くとも第2調整回路(放電電流調整回路35)を介して
各ヘッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される
駆動信号の立ち下がり時における電圧波形を統一的に調
整することが可能であることから、前記放電吐出方式の
インクジェットヘッド18に適用することができる。更
に、第1調整回路(充電電流調整回路34)及び第2調
整回路(放電電流調整回路35)を介して各ヘッド部3
0A、30Bの圧電素子12に印加される駆動信号の立
ち上がり時及び立ち下がり時における電圧波形を統一的
に調整することが可能でもあることから、前記充電吐出
方式あるいは前記放電吐出方式のいずれのインクジェッ
トヘッド18にも適用することができるものである。
【0050】更に、各制御信号入力端子21、22に対
しては、それぞれ独立して制御信号を入力することが可
能であり、従って、前記各出力端子26、27より出力
される駆動信号を任意の時間ずらせて発生させることも
できる。加えて、第1調整回路(充電電流調整回路3
4)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)はCP
U2にて制御可能であり、各ヘッド部30A、30Bの
圧電素子12に印加される駆動信号の立ち上がり時及び
立ち下がり時における電圧波形(傾き)は、CPU2か
ら各制御信号入力端子50、51へ出力される制御信号
の信号電圧を調整することにより任意に設定することが
できる。
【0051】つまり、CPU2が設定したい値を示すデ
ジタル値をD/A変換器3に出力すると、D/A変換器
3から当該設定値に対応した信号電圧が各制御信号入力
端子50、51へ出力される。これにより、例えば、イ
ンクジェットヘッド18が搭載されるインクジェットプ
リンタが3種類の印字解像度(例えば、300dpi、
600dpi、1200dpi)を有する場合において
も、CPU2から各制御信号入力端子50、51へ出力
される制御信号の信号電圧を適宜設定することにより、
各印字解像度に応じてフレキシブルに対応することが可
能となり、各種の印字形態に容易に対応することができ
る。
【0052】また、各ヘッド部30A、30Bに対し
て、駆動信号の立ち上がり時及び立ち下がり時における
電圧波形(傾き)をヘッド部30A、30B毎に(ある
いは、プリンタ毎に)個別に設定することが可能にな
る。そのため、例えば、出荷時の検査結果に基づいてヘ
ッド部30A、30B毎に設定した電圧波形の設定値を
不揮発性メモリ5に記憶させておき、CPU2により当
該設定値に基づいて各ヘッド部30A、30Bの制御を
行うことにより、各ヘッド部30A、30Bの特性のバ
ラツキに対応した最適な駆動信号の電圧波形を容易に設
定することができる。そのため、従来、特性が規格外で
あり使用不可として選別されていたヘッド部について
も、そのヘッド部に対応して駆動信号の電圧波形を最適
に設定することで十分に使用することが可能になるた
め、ヘッド部の歩留まり向上につながるという効果もあ
る。
【0053】尚、本発明は前記実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、本
発明は以下のように変更してもよく、その場合でも、上
記実施形態と同様の作用および効果を得ることができ
る。
【0054】(1)第1調整回路(充電電流調整回路3
4)及び第2調整回路(放電電流調整回路35)を、プ
ラス・マイナスの2電源動作を行うオペアンプを用いて
具体化してもよい。 (2)図2に示すように、第2調整回路(放電電流調整
回路35)を、吸い込み型の電圧電流変換回路61とカ
レントミラー回路62とを組み合わせて具体化してもよ
い。吸い込み型の電圧電流変換回路61において、片電
源動作を行うオペアンプOP2の出力端子はNPNトラ
ンジスタQ22のベースに接続され、オペアンプOP2
の反転入力端子はトランジスタQ22のエミッタに接続
されると共に抵抗器R33を介して接地され、オペアン
プOP2の非反転入力端子は制御信号入力端子51に接
続され、トランジスタQ22のコレクタはカレントミラ
ー回路62に接続されている。カレントミラー回路62
はPNPトランジスタQ23、Q24から構成され、ト
ランジスタQ23のコレクタはトランジスタQ22にコ
レクタに接続され、トランジスタQ24のコレクタは抵
抗器R22を介して放電回路32のNPNトランジスタ
Q15のコレクタおよびベースに接続されている。吸い
込み型の電圧電流変換回路61は、カレントミラー回路
62におけるトランジスタQ23のエミッタからコレク
タとベースに流れる電流を、CPU2から制御信号入力
端子51に入力される制御信号の信号電圧に比例した電
流値に制御する。そのため、カレントミラー回路62に
おけるトランジスタQ24のエミッタとベースからコレ
クタに流れる電流(抵抗器R22に流れる電流)につい
ても、CPU2から制御信号入力端子51に入力される
制御信号の信号電圧に比例した電流値に制御される。す
なわち、第2調整回路(放電電流調整回路35)は、図
2に示すように吐き出し型の電圧電流変換回路にて具体
化することも可能であり、図3に示すように吸い込み型
の電圧電流変換回路61とカレントミラー回路62とを
組み合わせて具体化することも可能である。
【0055】(3)充電回路31の少なくとも各トラン
ジスタQ3、Q6、Q8を1つの半導体チップ(シリコ
ンウェハ)上に形成する。各トランジスタQ3、Q6、
Q8により構成されるカレントミラー回路において、各
トランジスタQ3、Q6、Q8のコレクタに流れる電流
値はトランジスタの特性により決定される。そのため、
各トランジスタQ3、Q6、Q8をディスクリート構成
で個別の素子にすると、その個々のトランジスタの特性
の差により、各コンデンサC1、C2の充電時の電流値
に差が生じる。しかし、各トランジスタQ3、Q6、Q
8をモノリシック構成で1つの半導体チップ上に形成す
れば、その個々のトランジスタの特性はほとんど同一に
なり、各コンデンサC1、C2の充電時の電流値も等し
くなることから、各ヘッド部30A、30Bの圧電素子
12に印加される駆動信号の立ち上がり時における電圧
波形(傾き)を等しくすることができる。尚、この場合
には、各トランジスタQ3、Q6、Q8の特性のバラツ
キを抑えるための各抵抗器R5、R12、R18を省く
こともできる。
【0056】同様に、放電回路32の少なくとも各トラ
ンジスタQ15、Q17、Q19を1つの半導体チップ
(シリコンウェハ)上に形成すれば、その個々のトラン
ジスタの特性はほとんど同一になり、各コンデンサC
1、C2の放電時の電流値も等しくなることから、各ヘ
ッド部30A、30Bの圧電素子12に印加される駆動
信号の立ち下がり時における電圧波形(傾き)を等しく
することができる。尚、この場合には、各トランジスタ
Q15、Q17、Q19の特性のバラツキを抑えるため
の各抵抗器R21、R25、R29を省くこともでき
る。
【0057】尚、各トランジスタQ3、Q6、Q8だけ
でなく充電回路31を構成する全てのトランジスタを1
つの半導体チップ上に形成してもよく、同様に、各トラ
ンジスタQ15、Q17、Q19だけでなく放電回路3
2の少なくとも各トランジスタQ15、Q17、Q19
を1つの半導体チップ上に形成してもよい。さらに、ヘ
ッド駆動回路6を構成する全てのトランジスタを1つの
半導体チップ上に形成してもよい。
【0058】また、各トランジスタQ3、Q6、Q8
(各トランジスタQ15、Q17、Q19)をディスク
リート構成で個別の素子にした場合でも、各トランジス
タを熱結合することにより、特性をほとんど同一にして
上記と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態のインクジェッ
トプリンタの制御系の概略構成を模式的に示すブロック
図。
【図2】一実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図。
【図3】別の実施形態のヘッド駆動回路を示す回路図。
【符号の説明】
2…CPU 4…メモリ 6…ヘッド駆動回路 8…スイッチ素子 10…駆動回路 12…圧電素子 14…キャリジモータ 16…用紙送りモータ 18…インクジェットヘッド 31…充電回路 32…放電回路 33…電流増幅回路 34…充電電流調整回路 35…放電電流調整回路 30A、30B…ヘッド部 R1〜R33…抵抗器 C1、C2…コンデンサ Q1〜Q24…トランジスタ OP1、OP2…オペアンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口のそれぞれに対応させ
    て圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有
    し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印
    加することにより各開口からインクを吐出するインクジ
    ェットヘッドの駆動回路において、 前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎
    に対応して設けられたコンデンサと、 前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、
    充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路
    と、 前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、
    放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路
    とを備え、 前記充電回路には第1カレントミラー回路が設けられる
    とともに、前記各接続端子は第1カレントミラー回路に
    存在し、 前記第1カレントミラー回路のソース側と出力側の電流
    値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する
    第1調整回路が設けられ、 前記第1調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整す
    るための制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成す
    る吸い込み型の電圧電流変換回路から成り、前記第1カ
    レントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の
    信号電圧に比例した電流値に制御することを特徴とする
    インクジェットヘッドの駆動回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の駆動回路において、 前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられる
    とともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に
    存在し、 前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流
    値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する
    第2調整回路が設けられ、 前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整す
    るための制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成す
    る吐き出し型の電圧電流変換回路から成り、前記第2カ
    レントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の
    信号電圧に比例した電流値に制御することを特徴とする
    インクジェットヘッドの駆動回路。
  3. 【請求項3】 複数のノズル開口のそれぞれに対応させ
    て圧電素子を配置した少なくとも2つのヘッド部を有
    し、各ヘッド部における圧電素子に対して駆動信号を印
    加することにより各開口からインクを吐出するインクジ
    ェットヘッドの駆動回路において、 前記圧電素子に前記駆動信号を供給すべく各ヘッド部毎
    に対応して設けられたコンデンサと、 前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、
    充電信号に基づき前記各コンデンサを充電する充電回路
    と、 前記各コンデンサに接続される複数の接続端子を有し、
    放電信号に基づき前記各コンデンサを放電する放電回路
    とを備え、 前記放電回路には第2カレントミラー回路が設けられる
    とともに、前記各接続端子は第2カレントミラー回路に
    存在し、 前記第2カレントミラー回路のソース側と出力側の電流
    値の比を変化させて前記駆動信号の電圧波形を調整する
    第2調整回路が設けられ、 前記第2調整回路は、前記駆動信号の電圧波形を調整す
    るための制御信号の信号電圧に比例した電流値を生成す
    る吐き出し型の電圧電流変換回路から成り、前記第2カ
    レントミラー回路のソース側の電流値を前記制御信号の
    信号電圧に比例した電流値に制御することを特徴とする
    インクジェットヘッドの駆動回路。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェットヘッドの駆動回路において、 前記調整回路は、オペアンプを含むことを特徴とするイ
    ンクジェットヘッドの駆動回路。
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