JP2000103051A - 伝動ベルト表面へのマ―クの印字方法 - Google Patents

伝動ベルト表面へのマ―クの印字方法

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JP2000103051A
JP2000103051A JP14948099A JP14948099A JP2000103051A JP 2000103051 A JP2000103051 A JP 2000103051A JP 14948099 A JP14948099 A JP 14948099A JP 14948099 A JP14948099 A JP 14948099A JP 2000103051 A JP2000103051 A JP 2000103051A
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mark
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transmission belt
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JP14948099A
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Kenichiro Kamei
健一郎 亀井
Yasunori Matsuo
康則 松尾
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト表面に商標、ロット番号、製造年月、
サイズ、グレード表示等のマークを確実に印刷し、印刷
したマークが容易に消えることがない伝動ベルト表面へ
のマークの印字方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 ベルト表面にマークを印刷する方法であ
り、大気中で発生させたプラズマ45を成型したベルト
1表面に触れさせることで表面改質を行った後、この表
面にインクジェットプリンタでマーク10を印刷する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歯付ベルト、平ベル
ト、コグドベルト、リブドベルトなどの伝動ベルト表面
へのマークの印字方法に係り、詳しくは平坦な背面、コ
グ部、歯部、リブ部などの凹凸面を有するベルト表面に
商標、ロット番号、製造年月、サイズ、グレード表示等
のマークを確実に印刷し、印刷したマークが容易に消え
ることがない伝動ベルト表面へのマークの印字方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の伝動ベルトでは、予めマーク印刷
されたフィルム又は離型紙などをベルト表面に熱圧着す
る転写方式によりマーク印刷を行っていた(特開平5−
42754号公報や特開平5−104654号公報参
照)。しかし、フィルム又は離型紙などの厚みがベルト
表面に段差を発生させるため、この段差面が搬送中のプ
リペイドカードや紙幣の読み取り精度を悪くして誤作動
を起こしたり、発音が発生する問題があった。
【0003】このような問題を解決するために改良され
たベルトに、インクジェットプリンタを用いてベルトマ
ークを印刷したものがある(特開平7−238992号
公報参照)。これはインクジェットプリンタによりベル
トの外表面に直接にインクを噴射することでベルトマー
クを印刷するものである。具体的には、加硫したベルト
スリーブを所定幅に切断したベルトを用意し、これをベ
ルト支持台上に一定数並べて固定した後、上記支持台を
所定位置へ移動させ、インクジェットプリンタを動作さ
せ、そのインクヘッドよりインクを上記ベルトに向けて
噴射し、所望のマーク形状を構成するように印刷するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、成型した後の
伝動ベルト表面にはシリコンオイルのような離型剤が付
着したままであるため、インクジェットプリンタでマー
クを印刷した場合、印刷したマークとベルト表面の密着
性が欠けるために、早期にマークの剥離があった。その
ため、健康上好ましくないシンナー等の溶剤を浸した布
で表面を拭くことで離型剤を除去した後、マークを印刷
していた。ただ、コグ部、歯部、溝状部(リブ部)など
の凹凸面を有するベルト表面に付着して離型剤の除去で
は、コーナー部の除去作業が大変困難で時間を要するも
のであった。しかも、この方法では自動化ラインに組み
込めない問題を抱えていた。
【0005】本発明はこのような問題点を改善するもの
であり、平坦な背面、コグ部、歯部、リブ部などの凹凸
面を有するベルト表面に商標、ロット番号、製造年月、
サイズ、グレード表示等のマークを確実に印刷し、印刷
したマークが容易に消えることがない伝動ベルト表面へ
のマークの印字方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明は、ベルト表面にマークを印刷する方法におい
て、大気中で発生させたプラズマを成型したベルト表面
に触れさせることで表面改質を行った後、該表面にイン
クジェットプリンタでマークを印刷する伝動ベルト表面
へのマークの印字方法にある。
【0007】本発明では、高度に電離した気体であるプ
ラズマをベルトの凹凸表面にまんべんなく触れさせるこ
とで表面に付着していた離型剤等を気化、あるいは炭素
数を減少させて表面改質(汚れの除去)を行った後、イ
ンクジェットプリンタでマークを印刷するものであり、
印刷したマークが強固にベルト表面に付着することにな
る。とりわけ、コグ部、歯部、リブ部などの凹凸面を有
するベルト表面にマークを印刷する場合には、マークを
強固にベルト表面に付着させる効果が大きい。
【0008】本願の請求項2記載の発明では、電極間の
大気中に発生させたプラズマを圧縮空気によってベルト
表面に供給し、ベルト表面に付着している離型剤等の有
機物質を除去して表面を改質する伝動ベルト表面へのマ
ークの印字方法にある。
【0009】本願の請求項3記載の発明では、伝動ベル
トがベルト表面に長手方向に沿って所定間隔の歯部を有
している歯付ベルトである伝動ベルト表面へのマークの
印字方法にある。
【0010】本願の請求項4記載の発明では、伝動ベル
トがベルト表面に長手方向に沿って所定間隔のコグ部を
有しているコグドベルトである伝動ベルト表面へのマー
クの印字方法にある。
【0011】本願の請求項5記載の発明では、伝動ベル
トがベルト表面に複数の溝状部とリブ部を交互に有して
いるリブドベルトである伝動ベルト表面へのマークの印
字方法にある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態の図を用
いて説明する。図1は本発明方法によって得られたマー
ク付き動力伝動ベルトの一つである歯付ベルトの断面斜
視図であり、歯付ベルト1はベルト長手方向に沿って複
数の歯部2と、心線3を埋設した背部4、そして歯部表
面6および歯底部7の表面を被覆した歯布5とからなっ
ている。
【0013】前記歯部2及び背部4に使用されるゴム
は、水素化ニトリルゴムを始めとして、クロロスルホン
化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン
化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなどの
耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。水素化ニトリ
ルゴムは水素添加率が80%以上であり、耐熱性及び耐
オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が良い。
水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性
及び耐オゾン性は極度に低下する。上記ゴムの中には配
合剤として、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン
酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤とし
て硫黄、有機過酸化物があるが、これらの配合剤や加硫
剤は、特に制限されない。
【0014】上記心線3としては、Eガラスまたは高強
度ガラスの5〜9μmのフィラメントを撚り合わせたも
のを、ゴムコンパウンドからなる保護剤あるいは接着剤
であるRFL液等で処理されたものである。また、有機
繊維としては応力に対して伸びが小さく、引張強度が大
きいパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノー
ラ)の0.5〜2.5デニールのフィラメントを撚り合
わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液と
ゴムコンパウンドとの接着剤で処理された撚りコードが
使用される。しかし、本発明ではこれらに限定されるこ
とはない。上記心線3の直径は、0.6〜1.10mm
の範囲設定されるが、0.6mm未満では心線3の引張
強さが低く、高負荷伝動に耐えることができない。一
方、1.10mmを越えると、ベルト寸法上成立しな
い。
【0015】歯布5として用いられる帆布は、6ナイロ
ン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等であ
って、単独あるいは混合されたものであってもよい。歯
布5の経糸(ベルト幅方向)や緯糸(ベルト長さ方向)
の構成も前記繊維のフィラメント糸または紡績糸であ
り、織構成も平織物、綾織物、朱子織物でいずれでもよ
い。なお、緯糸には伸縮性を有するウレタン弾性糸を一
部使用するのが好ましい。
【0016】上記歯布5はRFL液、イソシアネート溶
液あるいはエポキシ溶液によって処理される。RFL液
はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックス
に混合したものであり、ここで使用するラテックスとし
てはスチレン.ブタジエン.ビニルピリジン三元共重合
体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリエチ
レン、エピクロルヒドリンなどのラテックスである。
【0017】しかして、上記歯付ベルト1においては、
背部4はゴム層からなり、その外表面である表面9はプ
ーリに当接する駆動面で、商標、製造年月、ロット番
号、グレード等に代表されるマーク10を付着するが、
この前に成型したベルト表面のうちマークを存在させる
領域11をプラズマにより改質する。
【0018】この方法では、大気中において高周波、高
電圧を付与した電極間での放電等により発生させた高度
に電離した気体、即ちプラズマを成型したベルト表面に
注入し触れさせることで表面に付着していた離型剤等の
有機物質の炭素数を減らしてこれを除去するか、もしく
はこれを気化して表面の汚れを除去することで表面改質
できる。尚、この方法ではベルト表面の温度は向上しな
いために、心線等の損傷は起こらない。
【0019】プラズマ発生装置40の具体的例として
は、図3に示すように、ケース41に収容された一対の
正電極42と負電極43が被処理物であるベルト1(1
3)を設置し、移動させる搬送ベルト44の上側に配置
され、上記電極42、43の間に高周波、高電圧を印加
して電極間の大気中にプラズマ45を発生させる。プラ
ズマ45は送風装置46から発生した圧縮空気によって
ベルト表面9に送られ、ここに付着している離型剤等の
有機物質を気化、あるいは炭素数を減少させて表面改質
する。
【0020】続いて、上記ベルト表面のマークの印刷を
行った。このマ−クの印刷方法は、図4に示すように、
移動可能な支持台17上にベルト1(13)を設置固定
した後、X軸方向駆動機構18とY軸方向駆動機構19を
備えたプリンタヘッド20を用いて行う。
【0021】プリンタヘッド20はインクを噴射し、帆
布1の表面にマーク10を印刷するが、このプリンタヘ
ッド20はここに図示しないインクジェットプリンタに
接続されており、インクを噴射する等の動作をプリンタ
の支持に基づいて行う。プリンタがプリンタヘッド20
に指令する内容には、例えばインクを噴射するかあるい
は停止するか、あるいは噴射するインクの色や量の選択
等がある。
【0022】プリンタヘッド20の移動は、X軸方向駆
動機構18とY軸方向駆動機構19を動作させることに
よる。上記の駆動機構18および駆動機構19は、例え
ば動力源としてサーボモータを用いることができ、ここ
で図示しないシーケンサからの指令に基づいて動作す
る。
【0023】プリンタヘッド20の移動は、まずベルト
表面とプリンタヘッド20のヘッド面との距離を一定に
保つように前進させる。プリンタヘッド20よりインク
を噴射しながらX軸方向へ移動してマーク10の一行分
の印刷が終了する。
【0024】次に、プリンタヘッド20をY軸方向へ移
動して行をずらし、上記と同様にマーク10の一行分の
印刷を行う。これをベルト1(13)の幅分だけ行い、
全ての印刷を終了する。全ての印刷を終了すると、プリ
ンタヘッド20は待機位置へ戻る。
【0025】図5はマ−クの印字を行うためのシステム
構成を示している。マ−ク10を印刷するシステムは、
パソコン22、インクジェットプリンタ23、センサ2
4、シーケンサ25、駆動機構として21、18、19
により構成されている。シーケンサ25は、DA変換機
25aと位置決めユニット25bを備えている。支持台
駆動機構21は、インバータ式可変速機構21aと誘導
電動機21bとを備えていえる。また、X軸方向駆動機
構18とY軸方向駆動機構19とは、それぞれサーボア
ンプ18a、19aとサーボモータ18b、19bを備
えている。
【0026】パソコン22により、シーケンサ25およ
びインクジェットプリンタ23の動作に関する設定を行
うが、インクジェットプリンタ23に対して設定する内
容としては、印刷するマークの文字やインクの色等であ
る。一方、シーケンサ25に対して設定する内容には、
支持台駆動機構21、X軸方向駆動機構18、Y軸方向
駆動機構19の動作に関するパラメータである。
【0027】X軸方向駆動機構18の動作に関するパラ
メータとしては、プリンタヘッド20がX軸方向に移動
すべき距離に関するパラメータであり、またY軸方向駆
動機構19の動作に関するパラメータとしては、マーク
10の行数に関するパラメータである。
【0028】長手方向(緯糸方向)に配列した一組のマ
ーク10の行が幅方向(経糸方向)へ複数列に配置され
ている。マーク10の行間隔はベルトスリーブを所定幅
に切断する際、各周囲方向に配列した一組のマーク5が
残存するように切断されるような充分な間隔を有してい
る。
【0029】図2は本発明の方法によって得られた平ベ
ルト13の断面斜視図であり、該ベルト13が内部にロ
ープ等の心線3をゴム層14中に埋設した構造からな
り、表面15はプーリを当接させる駆動面になってい
る。この表面15はゴム層14のみからなり、商標、製
造年月、ロット番号、グレード等に代表される種々のマ
ーク10を印刷している。また、本発明では、ゴムに限
定されることなくウレタンエラストマーを使用してもよ
いことは言うまでもない。
【0030】このようにベルト表面では、高度に電離し
た気体であるプラズマをベルト表面に触れさせることで
表面に付着していた離型剤等を気化、あるいは炭素数を
減少させて汚れを除去して表面改質を行った後、インク
ジェットプリンタでマークを印刷するものであり、印刷
したマークが強固にベルト表面に付着することになる。
【0031】また、図7は本発明方法によって得られた
マーク付き伝動ベルトであるダブルコグドベルトの断面
斜視図である。このベルト50は接着ゴム層51内に心
線52が埋め込まれ、接着ゴム層51の上部、下部には
伸張ゴム層53、圧縮ゴム層54が配置されている。伸
張ゴム層53と圧縮ゴム層54には、それぞれ一定ピッ
チでベルト長手方向に沿ったコグ部55、56が設けら
れ、それぞれのコグ部55、56表面にカバー帆布57
を積層している。そして、上部のコグ部55の表面58
にはマーク10が付着している。
【0032】上記圧縮ゴム層54および伸張ゴム層53
になるゴムは、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタ
ジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水
素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボ
ン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム材単独、またはこ
れらの混合物に、例えばパラ系アラミド繊維(商品名:
トワロン、ケブラー、テクノーラ)、ナイロン、ポリエ
ステル、ビニロン、綿等の短繊維をベルト幅方向へ配向
している。この短繊維の添加量は、ゴム100重量部に
対して5〜40重量部である。 接着ゴム層51には、
上記短繊維を含めてもよいが、好ましくは含めない。上
記ゴムの中には配合剤として、カーボンブラック、亜鉛
華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、
また加硫剤として硫黄、有機過酸化物があるが、これら
の配合剤や加硫剤は、特に制限されない。
【0033】上記心線52としては、ポリエステル繊
維、アラミド繊維等のコードを接着剤であるRFL液等
で処理されたものである。アラミド繊維は応力に対して
伸びが小さく、引張強度が大きいパラ系アラミド繊維
(商品名:ケブラー、テクノーラ)の0.5〜2.5デ
ニールのフィラメントを撚り合わせ、RFL液、エポキ
シ溶液、イソシアネート溶液とゴムコンパウンドとの接
着剤で処理された撚りコードが使用される。しかし、本
発明ではこれらに限定されることはない。上記心線52
の直径は、0.6〜1.10mmの範囲設定されるが、
0.6mm未満では心線3の引張強さが低く、高負荷伝
動に耐えることができない。一方、1.10mmを越え
ると、ベルト寸法上成立しない。
【0034】カバー帆布57は綿、ポリエステル繊維、
ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した
布で、経糸と緯糸との交差角が90〜120°程度の広
角度帆布でもよい。上記カバー帆布57は、RFL処理
した後、ゴム組成物をフィリクション・コーチングして
ゴム付帆布とする。RFL液はレゾルシンとホルマリン
との初期縮合物をラテックスに混合したものであり、こ
こで使用するラテックスとしてはクロロプレン、スチレ
ン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体、水素化
ニトリル、NBRなどである。
【0035】しかして、ダブルコグドベルト1の伸張ゴ
ム層53の表面58に商標、製造年月、ロット番号、グ
レード等に代表されるマーク10を印刷するが、この前
に成型したベルト表面のうちマークを存在させる領域1
1をプラズマにより改質した後、前述の通り該表面にイ
ンクジェットプリンタでマークを印刷する。
【0036】図8は本発明の方法によって得られたダブ
ルリブドベルト60の断面斜視図であり、このベルト6
0はロープ等の心線61を接着ゴム層62に埋設し、接
着ゴム層62の一方の側にベルト長手方向に延びる複数
のVリブからなるリブ部63と溝状部64を交互に有
し、他方の側にも同様のリブ部63と溝状部64をもっ
た構成になっている。そして、リブ部63の表面68は
ゴム層のみからなり、商標、製造年月、ロット番号、グ
レード等に代表される種々のマーク10を印刷してい
る。また、本発明では、ゴムに限定されることなくウレ
タンエラストマーを使用してもよいことは言うまでもな
い。
【0037】このようにベルト表面では、前述の通り高
度に電離した気体であるプラズマをベルト表面に触れさ
せることで表面に付着していた離型剤等を気化、あるい
は炭素数を減少させて表面改質を行った後、インクジェ
ットプリンタでマークを印刷するものであり、印刷した
マークが強固にベルト表面に付着することになる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1、比較例1(歯付ベルト) 140デニールの66ナイロンの経糸と、280デニー
ルの66ナイロンと140デニールのウレタン弾性糸か
らなる緯糸によって織物を製織した後、織物を水中で振
動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで収縮させた後、
水素化ニトリルゴム組成物からなるゴム糊に浸漬、乾燥
し、更に水素化ニトリルゴム組成物のゴムシートを上記
織物に圧着して歯布とした。
【0039】次に、心線として素線径9μmのEガラス
フィラメントを所定本数引き揃えて、保護剤および接着
剤であるRFL液に浸漬し、乾燥後、下撚りを行って子
縄とし、その子縄を所定本数引き揃えて下撚りとは逆方
向に上撚りを施してS、Z一対の撚りコードを作製し
た。
【0040】各歯布をエンドレス状の筒状体に仕上げ、
これを金型にセットした。その上からS、Z一対のコー
ドを交互に巻き付け、その上に水素化ニトリルゴム組成
物の圧延シートを巻き付け、通常の圧入による加硫方法
によって加硫後、加硫スリーブを所定の幅に切断して個
々のベルトを作製した。ベルトサイズは、歯数:10
5、ベルト幅:19.1mm、歯ピッチ:8mmで、ベ
ルトの歯型はSTPDであった。
【0041】次に、図3に示すようなプラズマ発生装置
を使用して、プラズマをベルト表面に触れさせることに
より、ベルト表面に付着している離型剤等の有機物質を
除去して表面の改質を行なった。
【0042】上記ベルトを2軸の歯付きプーリに懸架し
て所定の速度で走行させ、また同時にインクジェットプ
リンターのヘッドを移動させてインクジェットプリンタ
を動作させ、白色のインクをそのヘッドより上記ベルト
に向けて噴射し、マークの窪みにインクを付着した。
【0043】一方、プラズマにより表面改質を行なわず
に、直接インクジェットプリンタを用いてベルト表面に
直接マークを印刷したものを使用した。
【0044】上記2種類の歯付ベルトを、多軸屈曲走行
試験機に装着して走行させ、マーク消失の有無を調べ
た。上記多軸屈曲走行試験機30は、図6に示すように
駆動プーリ31(歯数24)と、2つの固定した従動プ
ーリ32、33(各歯数24)と1つの移動可能な従動
プーリ34(歯数24)を相対向して配置し、各プーリ
間にプーリ径32mmφのアイラープーリ35、36、
37、38を置いたものである。そして、走行条件とし
ては、雰囲気環境温度100°C、軸荷重60kgf、
駆動プーリ16の回転数5500rpmである。
【0045】この結果よると、プラズマにより表面処理
した後にマークを刻印した歯付ベルトは、ベルトの寿命
までマークの消失がなく、一方表面処理をせずにマーク
を印刷した歯付ベルトは走行時間中にマークが消失し始
めており、ベルトの寿命の時にはマークが部分的に消失
していた。
【0046】実施例2、比較例2(ローエッジダブルコ
グドベルト) 6.6ナイロンからなる210デニールの経糸と6.6
ナイロンの140デニールと6.6ナイロンのスパンデ
ックス140デニールを撚り合わせた緯糸からなる綾織
物の歯部帆布の上にコグ形成ゴム層になる厚さ5mmの
SBRからなる未加硫ゴムシートを積層したものを、歯
部と溝部とを交互に配した平坦な金型の上に設置し、1
50°Cに温度調節した加熱プレスして凹状部と凸状部
を交互に有する加硫した積層体を作製した。この積層体
の所定距離を置いた2つの凸状部の頂部を切断した後、
これを円筒状になるように各端部面にゴム糊を塗布して
突き合わせ、接合部分の平坦な背面にゴム引きした所定
幅の帆布を積層した後、加熱したプレスして加圧して円
筒状の母型を作製した。
【0047】心線として、1,100デニールのポリエ
チレンテレフタレート繊維を上撚り数11.4回/10
cm、下撚り数21.0回/10cmで上下逆方向に撚
糸して2×3の撚り構成とし、トータルデニール6,6
00の未処理コードを準備した。次いで、この未処理コ
ードをイソシアネート系接着剤でプレディプした後、約
170〜180°Cで乾燥し,RFL液に浸漬した後、
200〜240°Cで延伸熱固定処理を行なって処理コ
ードとした。
【0048】カバー帆布として、綿の紡績糸を使用し平
織帆布を用いた。これらの帆布をRFL液に浸漬した
後、150°Cで2分間熱処理して処理帆布とした。そ
の後、これらの処理帆布にゴム組成物をフリクション・
コーチングしたゴム付帆布を用意した。
【0049】圧縮ゴム層と伸張ゴム層はアラミドの短繊
維を含んだクロロプレンゴムからなるゴム組成物を用
い、また接着ゴム層は短繊維を含まないクロロプレンゴ
ムからなるゴム組成物を用いた。
【0050】コグパッドは、1枚の補強布と圧縮ゴム層
の未加硫ゴムシートと接着ゴム層の未加硫ゴムシートを
積層し、歯部と溝部とを交互に配した平坦な金型に設置
し、80°Cで加圧することによってコグ部を型付けし
たコグパッドを形成した。
【0051】これらの材料を用意した後、平坦なモール
ドに装着した内母型にコグパッドを巻き付け、更に心
線、平坦な伸張ゴム層、補強布を順次巻き付けて成形体
を作製した。続いて、上記円筒状の母型を挿入し、ジャ
ケットを被せた後、このモールドを加硫缶に移して加硫
し、ベルトスリーブを得た。このスリーブをカッターに
よってV状に切断して個々のローエッジダブルコグドベ
ルトに仕上げた。 得られたローエッジダブルコグドベ
ルトは、上幅36.5mm、厚み16.5mm、長さ1
310mm、上コグ部の深さ5.0mm、下コグ部の深
さ5.0mmであり、上下コグ部ピッチ10.7mmで
あった。
【0052】次に、図3に示すようなプラズマ発生装置
を使用して、プラズマを凹凸をもったベルト表面に触れ
させることにより、ベルト表面に付着している離型剤等
の有機物質を除去して表面の改質を行なった。
【0053】上記ベルトを2軸のプーリに懸架して所定
の速度で走行させ、また同時にインクジェットプリンタ
ーのヘッドを移動させてインクジェットプリンタを動作
させ、白色のインクをそのヘッドより上記ベルトに向け
て噴射し、マークの窪みにインクを付着した。
【0054】一方、プラズマにより表面改質を行なわず
に、直接インクジェットプリンタを用いてベルト表面に
直接マークを印刷したものを使用した。
【0055】この結果よると、プラズマにより表面処理
した後にマークを印刷したローエッジダブルコグドベル
トは、ゴク部の表面を織物で3回拭き取っても容易にマ
ークの消失がなかったが、一方表面処理をせずにマーク
を印刷したベルトは織物で拭き取るとマークの消失する
個所が出現した。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項に係る発
明では、成型したベルト表面にプラズマを注入すること
で表面に付着していた離型剤等を気化、あるいは炭素数
を減少させて表面改質を行った後、インクジェットプリ
ンタでマークを印刷するものであり、印刷したマークが
ベルト表面に強固に付着し、容易に剥離することがな
い。
【0057】また、コグ部、歯部、リブ部などの凹凸面
を有する伝動ベルトの表面にマークを印刷する方法にお
いても、大気中で発生させたプラズマを成型したベルト
表面に触れさせることで表面改質を行った後、該表面に
インクジェットプリンタでマークを印刷する伝動ベルト
表面へのマークの印字方法にあり、高度に電離した気体
であるプラズマをベルトの凹凸表面にまんべんなく触れ
させることで表面に付着していた離型剤等を気化、ある
いは炭素数を減少させて汚れを除去した後、インクジェ
ットプリンタでマークを印刷するものであり、印刷した
マークが強固にベルト表面に付着することになる。とり
わけ、コグ部、歯部、リブ部などの凹凸面を有するベル
ト表面にマークを印刷する場合には、マークを強固にベ
ルト表面に付着させる効果が大きい
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって得られたマーク付き伝動
ベルトの一つである歯付ベルトの断面斜視図である。
【図2】本発明の方法によって得られた平ベルトの断面
斜視図である。
【図3】プラズマ発生装置の概略図である。
【図4】ベルト表面にマークを印字する状態を示す図で
ある。
【図5】マークを印字するシステムの構成を示す図であ
る。
【図6】多軸屈曲走行試験機の概略図である。
【図7】本発明の方法によって得られたマーク付き伝動
ベルトの一つであるダブルコグドベルトの断面斜視図で
ある。
【図8】本発明の方法によって得られたダブルリブドベ
ルトの断面斜視図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 9 表面 10 マーク 11 マークを存在させる領域 13 平ベルト 15 表面 20 プリンタヘッド 40 プラズマ発生装置 42 正電極 43 負電極 45 プラズマ 46 送風装置 50 ダブルコグドベルト 51 接着ゴム層 52 心線 53 伸張ゴム層 54 圧縮ゴム層 55 コグ部 56 コグ部 58 表面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト表面にマークを印刷する方法にお
    いて、大気中で発生させたプラズマを成型したベルト表
    面に触れさせることで表面改質を行った後、該表面にイ
    ンクジェットプリンタでマークを印刷することを特徴と
    する伝動ベルト表面へのマークの印字方法。
  2. 【請求項2】 電極間の大気中に発生させたプラズマを
    圧縮空気によってベルト表面に供給し、ベルト表面に付
    着している離型剤等の有機物質を除去して表面を改質す
    る請求項1記載の伝動ベルト表面へのマークの印字方
    法。
  3. 【請求項3】 伝動ベルトがベルト表面に長手方向に沿
    って所定間隔の歯部を有している歯付ベルトである請求
    項1または2記載の伝動ベルト表面へのマークの印字方
    法。
  4. 【請求項4】 伝動ベルトがベルト表面に長手方向に沿
    って所定間隔のコグ部を有しているコグドベルトである
    請求項1または2記載の伝動ベルト表面へのマークの印
    字方法。
  5. 【請求項5】 伝動ベルトがベルト表面に複数の溝状部
    とリブ部を交互に有しているリブドベルトである請求項
    1または2記載の伝動ベルト表面へのマークの印字方
    法。
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