JP2000102098A - 補聴器等の耳装着用外来音処理装置 - Google Patents

補聴器等の耳装着用外来音処理装置

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JP2000102098A JP10267575A JP26757598A JP2000102098A JP 2000102098 A JP2000102098 A JP 2000102098A JP 10267575 A JP10267575 A JP 10267575A JP 26757598 A JP26757598 A JP 26757598A JP 2000102098 A JP2000102098 A JP 2000102098A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外来音リークによる妨害の少ない補聴器等の耳
装着用外来音処理装置を提供する。 【解決手段】マイク2で検出された外来音をDSP信号
処理部13で話速変換してレシーバ4から外耳道に出力
すると共に、上記外来音を位相制御部17で位相制御
し、且つ利得制御部18で利得制御を行って外耳道にリ
ークするリーク音の抑圧音を生成し、これをレシーバ4
から出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、補聴器等の耳装
着用外来音処理装置に関し、特に、外来リーク音による
妨害の少ない装置に関する。
【0002】
【従来の技術】外耳道に装着して外来音をアナログ的ま
たはデジタル的に処理する装置として代表的なものに補
聴器がある。また、補聴器は、単に外来音を増幅処理や
位相処理をして、レシーバから外耳道に出力する機能を
持つだけであるが、これに加えて、マイクで受信した外
来音(音声)をデジタル化して話速変換処理を行うよう
にした話速変換補聴器が提案されている。通常、この話
速変換補聴器は、外来の音声の話速を音声ピッチを変え
ることなく遅くするようにして、話者の話した内容の理
解が補聴器装着者にとって容易になるように支援するも
のである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、話速変換補聴
器や、外来の音声の音質を大きく変えるフィルタなどを
内蔵した補聴器では、補聴器と外耳道の隙間から外耳道
内部にリークする音のために、外来音の認識に混乱が生
じてしまう不都合がある。特に、難聴の程度がそれほど
悪くない場合や、構造的、形状的に補聴器が耳にフィッ
トしていない場合にこの傾向が強く、また、自分の耳に
フィットする形状の補聴器をオーダーメイドで作製する
場合には費用が高くなるという問題があった。
【0004】この発明の目的は、外来音リークによる妨
害の少ない補聴器等の耳装着用外来音処理装置を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、外来
音をデジタル処理してレシーバに出力するデジタル処理
部と、前記外来音が外耳道内にリークする音を抑圧する
リーク音抑圧手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0006】デジタル処理部では、外来音をフィルタを
通してレシーバに出力したり、話速変換処理をしてレシ
ーバに出力する。この時同時に、リーク音抑圧手段が外
耳道内への外来音リークを電気的、または物理的に抑圧
する。リーク音の抑圧によって、レシーバからの出力と
外来音リークとのdB比が大きくなり、装置の装着者が
認識できる音がレシーバから出力される外来音だけとな
る。
【0007】請求項2の発明は、装置本体と外耳道間の
密閉度を評価する密閉度評価手段を備え、前記リーク音
抑圧手段は、評価された密閉度に応じてリークする音の
抑圧制御を行うことを特徴とする。
【0008】装置本体と外耳道間の密閉度は、装置自体
の形状が外耳道の形状と一致していなかったり、または
外耳道に適切に装置本体が装着されていない場合に悪く
なる。この密閉度の評価をテスト音源を用いることによ
って行い、その評価された密閉度に応じてリーク音の抑
圧制御を行う。従って、密閉度が悪いほど抑圧度を大き
くする。
【0009】請求項3の発明は、前記密閉度評価手段
は、一定の音を生成して外部に出力するテスト音源装置
と、外耳道内の音を検出する外耳道マイクと、デジタル
処理部の動作を停止させて外耳道マイクの検出音に基づ
いて密閉度を評価する手段と、を備えてなることを特徴
とする。
【0010】密閉度を評価する時、テスト音源装置で一
定の音を生成して外部に出力し、この外部出力された音
を外耳道マイクで拾う。この時、外耳道マイクで拾われ
た音は外耳道内にリークした音である。密閉度評価手段
は、この時の外耳道マイクの検出音に基づいて密閉度を
評価する。この時デジタル処理部の動作は停止しておく
必要がある。したがって、外耳道マイクの検出音が大き
ければ、密閉度が悪いと評価される。
【0011】請求項4の発明は、前記リーク音抑圧手段
は、電気音響的な抑圧音を生成して前記レシーバに出力
する抑圧音生成部を備えることを特徴とする。
【0012】外来音リーク音の抑圧は、電気音響的な抑
圧音を生成することによって、すなわち、電気的処理に
よって形成した音響伝搬波による抑圧音を生成するによ
って行う。電気的な処理は、例えば、位相制御や振幅制
御である。下記のように、理想的には、外来音リーク音
に逆位相で同一レベルの抑圧音を生成することで、抑圧
の効果を最大に出来る。なお、請求項4で密閉度評価手
段を設ける場合は、密閉度は、装置本体と外耳道間の物
理的な密閉状態と抑圧音による電気音響的な密閉度合い
との総合的な値である。
【0013】請求項5の発明は、前記抑圧音生成部は外
来音と逆相の音を抑圧音として生成する位相制御部を含
むことを特徴とする。
【0014】外来音と逆相の音を抑圧音として生成する
ことで、位相的に外耳道内へのリーク音がキャンセルさ
れるようになるから、実質的に外耳道内へのリーク音抑
圧を実現できる。
【0015】請求項6の発明は、前記抑圧音生成部は外
来音の利得調整を行う利得調整部を、さらに含むことを
特徴とする。
【0016】外耳道内にリークする音を抑圧するための
抑圧音は、最も望ましくは、リークする音と逆相で、且
つ、振幅が同じものが生成できるようにすることであ
る。そこで、この発明では、外来音の利得調整を行うこ
とによって外耳道内へのリーク音と同じ振幅の抑圧音の
生成を可能にする。
【0017】請求項7の発明は、前記デジタル処理部と
前記抑圧音生成部との入力用マイク及びレシーバが共通
であることを特徴とする。
【0018】デジタル処理部と抑圧音生成部の入力用マ
イクおよびレシーバを共通にすることで装置全体の構造
を簡単にすることができる。
【0019】請求項8の発明は、前記リーク音抑圧手段
は、外周が膨らみ可能な外耳道接触部と、この外耳道接
触部の膨らみの程度を調整する調整部とを備えることを
特徴とする。
【0020】この発明では、外耳道内への外来音リーク
音を物理的に抑圧する。すなわち、装置に設けられてい
る外耳道接触部をその外周が膨らみ可能な構造とし、調
整部によってこの膨らみの程度を調整する。このため、
この調整部を適宜調整することで外耳道接触部を外耳道
にぴったり合わせる(フィットさせる)ことが可能にな
る。この時、密閉度評価手段によって評価された密閉度
に応じて膨らみの程度を調整することで、適切なフィッ
ト状態を設定できるようになる。なお、外耳道接触部の
膨らみの程度の調整は、外耳道接触部に空気等を注入す
ることで行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態であ
る話速変換補聴器の装着状態を示す図である。補聴器本
体1には、外来音を取り込むマイク2と、このマイク2
で取り込まれた外来音に対して増幅処理や話速変換処理
などの加工をデジタル的に行うデジタル処理部3と、デ
ジタル加工された音を外耳道5内に出力するレシーバ4
とを備えている。外来音6は補聴器本体1のマイク2に
取り込まれる一方、補聴器本体1と外耳道5との隙間7
から外来リーク音8として外耳道5内に漏れる。この実
施形態の補聴器では、この外来のリーク音8を電気音響
的処理によって抑圧し、装着者にとって実質的に補聴器
本体1を通過した加工音のみが認識できるようにする。
【0022】図2は、上記補聴器の構成図である。
【0023】デジタル処理部3は、マイク2から取り込
んだアナログ信号を適当なレベルに増幅するアンプ10
と、量子化する時のエリアシングを防ぐためのアンチエ
リアシングフィルタ等からなるフィルタ11と、A/D
変換器12と信号処理をDSPで行うDSP信号処理部
13と、DSP信号処理によって得られた結果をD/A
変換するD/A変換器14と、スムージングフィルタ等
からなるフィルタ15と、フィルタ出力を適当なレベル
に増幅するドライバ16とで構成されている。図3は、
上記DSP信号処理部13の機能ブロック図である。す
なわち、このDSP信号処理部13は、位相制御部13
a、利得制御部13bおよび話速変換部13cを含んで
いる。話速変換部13cは、マイク2で取り込まれた外
来音から、音声ピッチ波形や繰り返し波形を検出し、そ
の波形を1ないし複数波形分元の信号に挿入することに
よって、音声ピッチを変えずに話す速度を遅くする処理
を行う。ピッチ検出については、例えば自己相関法を用
いることができ、また、話速変換には、例えば特開平7
−77999号公報に示されているような音声時間圧縮
伸張方法を使用することができる。位相制御部13a
は、外来音の位相に対して逆相となる音を抑圧音として
生成し、利得制御部13bは、その抑圧音のレベル、す
なわち利得を制御する。加算器13dは話速変換部13
cの出力と、位相制御部13aおよび利得制御部13b
で各々制御された出力とを加算してD/A変換部14に
出力する。
【0024】DSP信号処理部13を上記図3のように
構成することで、外耳道5内にリークした外来リーク音
8はレシーバ4からの出力に含まれる抑圧音成分によっ
て音響的にキャンセルされ、話速変換された音のみが認
識されるようになる。なお、位相制御部13aは、レシ
ーバ4から最終的に出力される抑圧音が外来リーク音8
の逆相となるように位相制御を行うもので、設計に際し
ては、マイク2、アンプ10、ドライバ16、レシーバ
4等の位相特性が考慮される。また、利得制御部13b
はレシーバ4から最終的に出力される抑圧音が外来リー
ク音と同じレベルとなるように利得制御するものであ
る。
【0025】図4は、位相制御部と利得制御部をアナロ
グ的に処理する補聴器の構成図である。
【0026】図2に示す補聴器では、DSP信号処理部
13で話速変換に加えて外来音リーク音の抑圧処理も行
っているが、マイク2からレシーバ4までの距離は数cm
しかないためにこの距離時間は数10μsec にしかなら
ず、実際には、この距離時間の間に位相制御と利得制御
を行うことが、DSPチップの現時点の性能では困難で
ある。そこで、位相制御および利得制御をアナログ的に
処理することによってこの問題を解決するのが、図4に
示す補聴器である。
【0027】なお、図4に示す補聴器では、DSP信号
処理部13は話速変換だけを行う。加算器19は、アナ
ログ的にフィルタ15の出力と利得制御部18の出力を
加算してドライバ16に出力する。位相制御部17と利
得制御部の機能は図3の13a、13bとそれぞれ同じ
である。
【0028】図5は、この発明の他の実施形態の補聴器
の構成図である。
【0029】この補聴器は、図4に示す補聴器に、テス
ト音源20、ドライバ21、レシーバ22からなるテス
ト音源装置と、外耳道5内の音を検出する外耳道マイク
23と、このマイク23の検出信号を適当なレベルに増
幅するアンプ24と、テストモードを設定するテストス
イッチ25と、テストモードが設定された時に、DSP
信号処理部13の動作を停止し(従って、話速変換動作
を停止し)、且つ、テスト音源装置を作動させてその時
の外耳道マイク23の検出音(位相・利得制御したテス
ト音とリーク音との合成音)に基づいて密閉度を評価
し、その評価結果に応じて位相制御部17および利得制
御部18の制御量を調整する制御部26とを追加したも
のである。
【0030】この補聴器は次のように動作する。
【0031】テストスイッチ25がオンすることによっ
てテストモードが設定されると、制御部26はテスト音
源20を駆動する。テストスイッチはボタンスイッチで
あり、手動でオンし、自動的にオフする。テスト音源2
0から出力された信号はドライバ21で適当なレベルに
増幅されレシーバ22から音響として外部に放出され
る。制御部26は、同時にDSP信号処理部13の動作
を停止させてマイク2から入力された信号がDSP信号
処理部13で加工されてレシーバ4から外耳道5内に出
力されないようにする。このため、マイク2で検出され
たテスト音源の信号は位相制御部17および利得制御部
18の経路のみ通過してレシーバ4から外耳道5内に音
響として放出される。同時に、この時、テスト音源から
放出されるテスト音は外耳道内にリークしているから、
この外耳道5内に位相制御部17、利得制御部18を通
過して放出された音とテスト音のリーク音の合成音がマ
イク23で拾われ、そのレベルが制御部26によって検
出される。制御部26は、この時、マイク23で検出さ
れた信号のレベルで密閉度を評価する。すなわち、レベ
ルが大きければ大きいほど密閉度が十分でないと評価す
る。なお、ここでいう密閉度は、装置本体と外耳道間の
物理的な密閉度に、そのときに位相制御部17と利得制
御部18を通過して抑圧音として放出されている逆相の
音による音響的密閉度を加えた総合的な密閉度である。
この評価にしたがい、レベルの大きさが最小となるよ
う、位相制御部17および利得制御部18の制御量を調
整し、最小となった時点でその値を固定する。
【0032】以上の処理でテストモードを終了すると、
テストスイッチ25をオフして、通常の動作モードに移
る。通常の動作モードでは、制御部26はテスト音源2
0の動作を停止し、DSP信号処理部13の動作を開始
する。これにより、図4に示す補聴器と同じ動作を行
う。
【0033】図6は、上記補聴器の構成図である。
【0034】レシーバ22、テストスイッチ25、マイ
ク2は、補聴器本体1の外部露出部に設けられている。
また、レシーバ4とマイク23は補聴器本体の外耳道側
に設けられている。このような配置構造により、テスト
モードにおいては、レシーバ22から放出されたテスト
音はマイク2に入力し、位相制御と利得制御を受けてレ
シーバ4から外耳道5内部に放出されるとともに、その
音と外耳道5への接触部から外耳道内部へリークした音
との合成音がマイク23で検出される。制御部は、この
マイク23での検出音が最小になるように、位相制御と
利得制御の制御量を調整する。通常モードにおいは、外
来音がマイク2から検出され、話速変換された加工音と
テストモードにて得られた位相・利得制御量に基づいた
リーク音抑圧音との合成音がレシーバ4から外耳道5に
放出される。このとき、リーク音抑圧音は外来音リーク
音をキャンセルするから、補聴器装着者は、上記加工音
のみ認識出来る。
【0035】図7は、上記制御部26の動作を示すフロ
ーチャートである。補聴器使用者によってテストスイッ
チ25がオンされると、ST2以下の動作が行われる。
【0036】すなわち、ST2でDSP信号処理部13
の動作を停止して話速変換機能をオフし、ST3、ST
4、ST5でテスト音源の作動と位相・利得制御量の調
整をマイク23の入力信号レベルが最小になるまで行
う。この場合、補聴器本体3が耳にフィットするように
装着されていなければ、制御部26は装置本体と外耳道
間の密閉度が悪いと評価し、リーク音を抑圧するための
抑圧音を大きくするべく、位相制御および利得制御の制
御量を調整して設定する。ST6でそれらの制御量が設
定されると、ST7でテスト音源装置の動作をオフし、
テストスイッチ25を自動的にオフしてDSP信号処理
部13の動作を開始し、元のST1に戻る。
【0037】以上の動作により、補聴器の装着時にテス
トスイッチ25を一度オンすることによって、自動的に
位相制御部17および利得制御部18の制御量を適切な
大きさに自動設定することができる。
【0038】なお、難聴の程度に応じて上記制御量に手
動で可変することができるオフセット量を加えるように
することも可能である。また、上記実施形態では、位相
制御部17および利得制御部18の制御量を共に自動設
定するようにしたが、位相制御量を固定にしておき、利
得制御量のみ自動設定するようにしてもよい。
【0039】図8は、この発明の他の実施形態である補
聴器の構成を示している。
【0040】この補聴器は、補聴器本体1と、これとは
別体に構成される比較的大型の制御部本体30とで構成
され、制御部本体30は、例えば、胸のポケットに収納
可能な大きさ・形状に設計されている。
【0041】制御部本体30は、テスト音源20、ドラ
イバ21、レシーバ22からなるテスト音源装置と、後
述の外耳道接触部31の空気孔31aへの空気圧を制御
する圧力制御部32と、テストスイッチ25と制御部2
6を備えている。なお、この他に、バッテリなども内蔵
している。この補聴器では、外耳道接触部31の空気孔
31aの圧力を適当な大きさに調整してその周囲を膨ら
ませて外耳道5にフィットさせることにより、リーク音
を物理的にシャットアウトして抑圧する。
【0042】図9は上記補聴器の概略の構造図を示して
いる。
【0043】外耳道5に接触する外耳道接触部31内に
は空気孔31aが設けられており、圧力制御パイプ33
によってこの空気孔31aと圧力制御部32が連通して
いる。圧力制御部32によってパイプ33を介して空気
孔31aの圧力を高めると、外耳道接触部31の周囲が
膨らみ、外耳道5との接触圧が高まる。または、接触面
積が大きくなる。すなわち、外耳道接触部31が外耳道
5にフィットするように作用する。反対に、空気孔31
aの圧力を下げると、上記接触圧が小さくなる。
【0044】制御部26は次のように動作する。
【0045】制御部本体30のテストスイッチ22をオ
ンすると、制御部26はテスト音源20を駆動して、レ
シーバ22から外に対して漏れ評価用のテスト音を放出
する。同時に、制御部26は、DSP信号処理部13の
動作を停止させ、話速変換された音がレシーバ4から外
耳道5内に放出されないようにする。漏れ評価用テスト
音は外耳道5内から外耳道マイク23で拾われ、この検
出音に基づいて補聴器本体3の外耳道5に対する密閉度
を評価する。この実施形態で言う密閉度は、装置本体と
外耳道間の物理的な密閉度である。制御部26は、その
評価結果に応じて、空気孔31aの圧力を圧力制御部3
2によって制御し、外耳道接触部31の膨らみの程度を
調整する。制御部26は、外耳道マイク23の検出信号
のレベルが最小になった時点でテスト音源20の動作を
停止し、且つ、DSP信号処理部13の動作を開始し、
テストスイッチ25をオフ状態に設定する。以下、通常
の動作モードになり、マイク2で検出した外来音の信号
に対する話速変換処理が行われてレシーバ4から外耳道
5内に出力される。
【0046】図10は、上記制御部26の動作を示すフ
ローチャートである。図7に示すフローチャートと相違
する点は、ST4とST6であり、それぞれ、位相制御
量および利得制御量を調整するか圧力を調整するかの相
違である。その他は同一である。なお、図9に示す補聴
器では、補聴器本体3と制御部本体30とを別体に構成
したが、一体に構成することも可能であり、また、制御
部本体30の一部を補聴器本体3に内蔵させることも可
能である。また、空気孔31aの圧力を最適な状態に設
定した時、その圧力の程度によっては痛みを感じたりす
るなどの不具合が生じる場合は、圧力設定値の上限値を
設定するようにすることも可能である。さらに、図5に
示す補聴器と図8に示す補聴器とを組み合わせるように
してもよい。すなわち、外耳道接触部31をある程度だ
け膨らませておき、その状態で生じるリーク音を図5に
示す構成により抑圧することも可能である。
【0047】また、上記実施形態では音声の速度を遅く
する話速変換補聴器を示したが、音声速度を速くする話
速変換装置であっても良い。また、話速変換補聴器に限
らず、特定の周波数の音を強調するデジタルフィルタを
内蔵した補聴器等、外来音と音色、音質を異ならせる処
理をデジタル処理で行う外来音処理装置にもこの発明を
適用可能である。
【0048】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、デジタル処理
部では、装置の装着時に、装着状態が悪かったり装置と
外耳道間に音漏れする隙間があっても、外来音リークを
自動的に抑圧するために、外来音を加工した音が聞きに
くくなるという不都合がなくなる。
【0049】請求項2の発明によれば、装置本体と外耳
道間の密閉度に応じて自動的に最適なリーク音抑圧を行
うことが出来る。
【0050】請求項3の発明によれば、テスト音源を使
って密閉度を評価しているため、リーク音抑圧のための
条件設定をテストモードにおいて事前に正しく行うこと
が出来る。
【0051】請求項4の発明によれば、電気音響的な抑
圧により、装置本体と外耳道との密着性があまりよくな
くても、抑圧効果を出すことが出来るから、装置本体を
外耳道の形状に合わせる加工を特に行わなくてもよいと
いう点がある。
【0052】請求項5、6の発明によれば、位相、利得
制御によってに外耳道内へのリーク音がキャンセルされ
るようになるから、抑圧のための構成が簡単である利点
がある。
【0053】請求項7の発明では、デジタル処理部と抑
圧音生成部の入力用マイクおよびレシーバを共通である
ため、装置全体の構造を簡単にすることができる。
【0054】請求項8の発明によれば、装置本体の形状
が外耳道に合わなくても、調整部によって合わせること
が出来るから、装置本体の形状を装着者毎に個々に造る
必要がなく、その分コスト低減に寄与出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である補聴器の装着状態を示
す図
【図2】上記補聴器の構成図
【図3】上記補聴器のDSP信号処理部の機能ブロック
【図4】本発明の他の実施形態の補聴器の構成図
【図5】本発明のさらに他の実施形態の補聴器の構成図
【図6】上記補聴器の構造図
【図7】上記補聴器の制御部の動作を示すフローチャー
【図8】本発明の更に他の実施形態の補聴器構成図
【図9】上記補聴器の構造図
【図10】上記補聴器の制御部動作を示すフローチャー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三木 晃 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 谷高 幸司 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 大脇 浩 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 (72)発明者 河本 晃一 静岡県浜松市中沢町10番1号 ヤマハ株式 会社内 Fターム(参考) 5D045 AB30 BA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外来音をデジタル処理してレシーバに出
    力するデジタル処理部と、前記外来音が外耳道内にリー
    クする音を抑圧するリーク音抑圧手段と、を備えてなる
    補聴器等の耳装着用外来音処理装置。
  2. 【請求項2】 装置本体と外耳道間の密閉度を評価する
    密閉度評価手段を備え、前記リーク音抑圧手段は、評価
    された密閉度に応じてリークする音の抑圧制御を行う、
    請求項1に記載の補聴器等の耳装着用外来音処理装置。
  3. 【請求項3】 前記密閉度評価手段は、一定の音を生成
    して外部に出力するテスト音源装置と、外耳道内の音を
    検出する外耳道マイクと、デジタル処理部の動作を停止
    させて外耳道マイクの検出音に基づいて密閉度を評価す
    る手段と、を備えてなる、請求項2に記載の補聴器等の
    耳装着用外来音処理装置。
  4. 【請求項4】 前記リーク音抑圧手段は、電気音響的な
    抑圧音を生成して前記レシーバに出力する抑圧音生成部
    を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の補聴器等の
    耳装着用外来音処理装置。
  5. 【請求項5】 前記抑圧音生成部は外来音と逆相の音を
    抑圧音として生成する位相制御部を含む、請求項4記載
    の補聴器等の耳装着用外来音処理装置。
  6. 【請求項6】 前記抑圧音生成部は外来音の利得調整を
    行う利得調整部を、さらに含む、請求項5記載の補聴器
    等の耳装着用外来音処理装置。
  7. 【請求項7】 前記デジタル処理部と前記抑圧音生成部
    との入力用マイク及びレシーバが共通である、請求項1
    〜6のいずれかに記載の補聴器等の耳装着用外来音処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記リーク音抑圧手段は、外周が膨らみ
    可能な外耳道接触部と、この外耳道接触部の膨らみの程
    度を調整する調整部とを備える、請求項1〜3のいずれ
    かに記載の補聴器等の耳装着用外来音処理装置。
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