JP2022016340A - 能動的閉塞キャンセルのためのイヤピース、聴覚装置及びシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】閉塞キャンセルを改善した聴覚装置及びイヤピースを提供する。
【解決手段】イヤピース2は、ユーザの耳の外耳道から音を受信する第1の入力トランスデューサ6と、外耳道に音を提供する出力トランスデューサ12と、出力トランスデューサ12及び第1の入力トランスデューサ6に接続され、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号10に基づいて、出力トランスデューサ信号14を生成する能動的閉塞キャンセルアルゴリズム18を備える処理ユニット16と、を備える。イヤピース2は、能動的閉塞キャンセルを改善する音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネル20と、通気チャネル20内に実装される音響通気反響キャンセルフィルタ22と、を備える。
【選択図】図1a
【解決手段】イヤピース2は、ユーザの耳の外耳道から音を受信する第1の入力トランスデューサ6と、外耳道に音を提供する出力トランスデューサ12と、出力トランスデューサ12及び第1の入力トランスデューサ6に接続され、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号10に基づいて、出力トランスデューサ信号14を生成する能動的閉塞キャンセルアルゴリズム18を備える処理ユニット16と、を備える。イヤピース2は、能動的閉塞キャンセルを改善する音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネル20と、通気チャネル20内に実装される音響通気反響キャンセルフィルタ22と、を備える。
【選択図】図1a
Description
本開示は、ユーザの耳に装着されるように構成されたシステム、聴覚装置、及びイヤピースに関する。イヤピースは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサを備える。第1の入力トランスデューサは、第1の入力トランスデューサ信号を供給するように構成される。イヤピースは、外耳道に音を提供するように構成される出力トランスデューサを備える。出力トランスデューサは、出力トランスデューサ信号を提供するように構成される。イヤピースは、出力トランスデューサ及び第1の入力トランスデューサに接続される処理ユニットを備える。処理ユニットは、能動的閉塞キャンセル(Active Occulusion Cancellation)を提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを備える。
閉塞は、補聴器のユーザのような、一部の聴覚装置のユーザにとって、長い間問題として認識されており、閉塞効果を低減するために継続的な努力がなされてきた。
閉塞効果を低減するための公知の解決策は、外耳道とその周辺との間の圧力を均等にするために、イヤピースまたはイヤモールドに通気口を提供することである。
さらに、能動的閉塞キャンセル(AOC)システムが開発されており、AOCシステムは、外耳道内に外耳道マイクロフォンを有し、レシーバと共にイヤモールドの先端に配置されている。
既知の解決策にもかかわらず、特に聴覚装置において、閉塞キャンセルの改善が依然として必要とされている。
ユーザの耳に装着されるように構成されたイヤピースが開示される。イヤピースは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサを備える。第1の入力トランスデューサは、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成される。イヤピースは、外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサを備える。出力トランスデューサは、出力トランスデューサ信号を提供するように構成される。イヤピースは、出力トランスデューサ及び第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットを備える。処理ユニットは、能動的閉塞キャンセル(AOC)を提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを備える。イヤピースは、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルを備え、音響ハイパスフィルタとしてさらに構成される。音響フィルタは、通気チャネル内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタを備える。音響フィルタは、外耳道内の低周波音を低減することによって、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成される。通気チャネルは、少なくとも間接的に、外耳道を周囲環境と流体的に接続し、音響ローパスフィルタとして動作するように構成され、それによって、外耳道内の低周波音を低減する。音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの反響を抑制するように構成される。
音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルを備える。音響フィルタは、さらに、音響ハイパスフィルタとして構成されてもよい。
補聴器のような聴覚装置を装着する人々の中には、強い閉塞効果を経験する人が存在する。これらの人々は、自身の声を邪魔に感じることがあり、また、聴覚装置のイヤモールドが耳に挿入されたときに、耳の中が圧迫された感覚、または密閉された感覚を感じることがある。
閉塞効果は、通気されていないイヤモールドのような物体が外耳道の出口を完全に塞ぐときに生じる。これは、発話時のその人自身の声、および歩行、走行、咀嚼などから運動/振動により誘発される音の、骨伝導音の振動を、イヤモールドの先端と鼓膜の間の空間に閉じ込める。通常、人々が話したり咀嚼したりするとき、これらの振動は、開いた外耳道を介して出ていくため、人は、これらの音の振動に気付かない。しかし、外耳道がイヤモールドによって塞がれると、振動は、反射されて鼓膜に向かって戻り、自身の声または運動が、より騒がしく感じられる。完全に開いた外耳道と比較して、閉塞効果は、外耳道内の低周波数(通常500Hz未満)での音圧を20dB以上高めることがある。
能動的閉塞キャンセルは、イヤピースまたは聴覚装置のユーザの閉塞効果を低減または除去するために使用され得る。
能動的閉塞キャンセルは、第1の音をキャンセルするように特に設計された第2の音を追加することによって、不要な音を低減するための方法である。これは、ノイズキャンセルとも呼ばれる能動的ノイズ制御(Active Noise Control)(ANC)、または能動的ノイズ削減(Active Noise Reduction)(ANR)において使用され得る。
音は圧力波で、圧縮と希薄化の交互の周期で構成される。能動的閉塞キャンセルを実行するイヤピース内の出力トランスデューサ(例えば、レシーバまたはスピーカ)は、元の音と同じ振幅を有するが、元の音に対して反転された位相(逆位相としても知られている)を有する音波を発する。波は干渉と呼ばれるプロセスにおいて結合して新しい波を形成し、相互に効果的にキャンセルしあう。これは、破壊的干渉と呼ばれる。
能動的閉塞キャンセルは、アナログ回路またはデジタル信号処理を使用することによって達成されてもよい。適応するアルゴリズムは、元の音、すなわち、耳内の入力トランスデューサ(例えば、外耳道マイクロフォン及び/または骨伝導ユニット)で受信された音の波形を分析し、次いで、特定のアルゴリズムに基づいて、シフトされた位相を有する等しい振幅の信号を生成するか、または元の信号の極性を反転するように設計される。この(逆位相の)反転された信号は、その上、増幅されてもよい。耳内の出力トランスデューサは、元の波形の振幅に正比例する音波を生成し、破壊的干渉を生成する。これは、知覚可能な閉塞効果の音量を効果的に減少させる。典型的には、アナログ回路またはデジタル信号処理は、さらに、出力トランスデューサに供給される所望のオーディオ信号のキャンセルを防止または低減するように構成されてもよい。所望のオーディオ信号は、例えば、マイクロフォンによって周囲環境から受信され、ユーザの聴力損失を補償するためにさらに処理されたサウンド信号、及び/またはユーザへの再生のために別の装置から受信されたオーディオ信号に基づいてもよい。
キャンセル信号を発する出力トランスデューサは、音の減衰が望まれる位置、すなわちユーザの耳に配置される。
非常に高い音圧レベル(SPL)は、顎運動によって生成されるサブソニックの周波数に加えて、自身の声によって、閉塞した外耳道において生成され得る。サブソニックのエネルギーレベルは、閉塞した外耳道内において、2Hzで140~145dBのSPLに達する可能性がある。これは、能動的閉塞キャンセル(AOC)を取り扱う上で重要な考察である。なぜなら、このような高い低周波数出力レベルは、出力トランスデューサ(レシーバ)をオーバードライブし、かつ/または第1の入力トランスデューサ(外耳道マイクロフォン)を飽和させる可能性があるからである。
この問題を緩和するために、音響フィルタを、システムに導入することができる。用語「主音経路」は、出力トランスデューサからユーザの鼓膜、及び/または第1の入力トランスデューサまでの音響経路を表す。音のフィルタリングは、主音経路のサイズ及び/または形状の変更によって、及び/または主音経路及び/または側方分岐チャネルのサイズ及び形状のバリエーションによって決定されるように、望ましくない周波数を部分的に反映する側方分岐チャネルを主音経路に実装することによって、インピーダンス不整合を導入することによって得られてもよい。イヤピースの出力音チャネルにおける1つまたは複数のより広いまたはより狭い断面積のような、変化する断面積の(直列)チャネルは、高周波数を反射することによって、ローパスフィルタとして機能する。ここで、断面積は、出力音チャネルの中心軸/ラインに垂直な断面積である。一方、イヤピースの出力音チャネルの側壁における1つまたは複数の開口または側方分岐チャネルのような、開口/側方分岐または一連の開口/側方分岐は、ハイパスフィルタとして機能し、低周波数を除去する。例として、通気チャネルは、それ自体がローパスフィルタとして機能する一方で、主音経路への側方分岐構成における開放端のチューブまたはチャネルとして実装されることによって、音響ハイパスフィルタ効果を主音経路に提供し得る。低周波数の性質から、主音経路への側方構成、すなわち側方チャネル分岐または側方チューブ分岐は、主音経路に沿った任意の場所に配置されてもよい。
例えば、直径1mm、長さ約2cmの通気口は、自身の声及び/またはサブソニック周波数のエネルギーレベルを管理可能に大幅に低減し得る。鼓膜及び/または入力トランスデューサにおけるエネルギーレベルは、この例では、閉塞された外耳道内において、2Hzで140~145dBのSPLから始まり、約45dBだけ、及び/または約95~100dBまで低下され得る。
しかしながら、通気口を備えることの有用性は、典型的な能動的閉塞キャンセル(AOC)アルゴリズムの能動的閉塞キャンセル(AOC)範囲内における周波数での通気反響が導入されることに起因して、可聴閉塞の量を増加させ得るため、代償を伴う。通気反響は、100~2000Hzの範囲内の周波数、例えば、150~250Hzの範囲内の周波数、例えば、約200Hzの周波数、例えば、1400~1600Hzの範囲内の周波数、例えば、約1500Hzの周波数であり得る。さらに、通気反響より低いところでの強力なロールオフは、約80Hzから600Hzの典型的なAOC周波数範囲内に到達し、これは、典型的なAOCアルゴリズムが扱えない位相の急激な変化により、典型的なAOCアルゴリズムの性能に大きな悪影響を及ぼす。
本発明は、通気口の利点を維持しながら、通気口がもたらす問題を解決することに関する。本発明は、イヤピースに音響フィルタを設けることで課題を解決する。結果として得られる/組み合わされた音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルを備え、さらに、音響ハイパスフィルタとして構成され、音響通気反響キャンセルフィルタが通気チャネル内に実装される。
本発明は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように通気チャネルを構成することによって、大きなサブソニック音圧レベルの問題を解決する。加えて、本発明は、通気口の音響質量/抵抗を増加させるために、通気口内に発泡体またはメッシュ材料のような音響通気反響キャンセルフィルタを挿入することによって、通気口がもたらす問題を解決する。これは、通気口を著しく長く及び/または狭くするのと同じ効果を提供することができるが、これらの矯正に伴うサイズの不利益はないため、小さなイヤピースまたは小さな耳内聴覚装置に最適である。したがって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成された通気チャネルが、音響通気反響キャンセルフィルタと共に、音響フィルタ、すなわち、結果として生じる/組み合わされた音響フィルタを提供することは、利点である。音響フィルタは、通常どおりに通気された装置と比較して能動的閉塞キャンセルを改善するように構成される。
改良された通気チャネルは、それ自体は「ハイパス」フィルタとして機能しない場合がある。その代わりに、それは、外耳道から周囲に低周波音を放出するローパスフィルタとして機能し得る。したがって、レシーバから鼓膜への音響経路全体(通気口を含む)は、所望の効果を提供するために、音響ハイパスフィルタとして動作し得る。
「通気反響(resonant、resonance)キャンセルフィルタ」という用語は、記載の全体にわたって互換的に使用され得る。このフィルタは、それ自体では反響しない場合がある。このフィルタは、通気口内の反響を「キャンセル」または抑制、または平滑化、または無効にするように設計されてもよい。
したがって、顎運動は、約2Hzでサブソニック音波を誘発し得、開放された通気口は、約80Hz~600Hzの全周波数範囲にわたって、AOCに悪影響を及ぼす可能性のある150Hz~350Hzの範囲内の「通気反響」を発生させることを代償に、サブソニック音波を低減し得る。
したがって、本発明が通気反響によるAOC性能への影響を低減することを目的とすることは、有益である。
本発明は、通気反響キャンセルフィルタを設けることによって、これを解決してもよい。通気反響キャンセルフィルタは、通気反響での損失を増加させ、通気反響の周波数を低下させるために、通気口内に配置された音響抵抗材料であってもよい。
音響ハイパスフィルタ構成のハイパスカットオフ周波数は、通気チャネルの形状及びサイズ、ならびに音響通気反響キャンセルフィルタの特性に依存するであろう。音響ハイパスフィルタ構成は、例えば、100Hz、または100Hzより低いカットオフ周波数を有するように構成されてもよい。
例(詳細は図の記載参照)として、60Rayls(Pa・s/m)の音響メッシュフィルタである音響通気反響キャンセルフィルタを備えた、長さ22mm、直径0.8mmの通気口を有するシミュレーションされたイヤピースの周波数応答が提供されている。音響通気反響キャンセルフィルタが通気反響を平滑化し、80~600HzのAOC範囲内の劇的な位相変化を回避するために必要とされ得るように、80~100Hzのターゲットに低周波数ロールオフを近づけ、一方で、大きな自身の声及び/またはサブソニックエネルギーレベルを回避するために、低周波数に向けた顕著なロールオフを提供する方法が示されている。
従って、音響通気反響キャンセルフィルタが、全周波数スペクトルにわたって音を減衰させる吸収的コンポーネント(absorptive component)であり得ることは有益である。通気チャネルは、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせる、反応的コンポーネント(reactive component)であってもよく、従って、低周波数がロールオフする、すなわち、低周波数が通過しない。抵抗性音響通気反響キャンセルフィルタが反応的(誘導的(inductive))通気口と組み合わされると、それらは、所望の解決策を提供する妥当な特性を有するある種の音響フィルタを生成する。
平均的な閉塞効果は、例えば100~400Hzのような、500Hz未満の低周波数における約15dB増幅で、最大30dBのピークがある。イヤピース内における能動的閉塞キャンセル(AOC)性能をシミュレーションする場合、音響通気反響キャンセルフィルタを持たない通気された装置は、非常に狭い減衰の帯域幅において、145~160Hz、例えば約150Hzで、2~4dBまたは約3dBのように、閉塞の減少が非常にわずかであり得る。通気口内に音響通気反響キャンセルフィルタを導入することによって、シミュレーションされたAOC性能は、+15dBの減衰に達する可能性がある。+15dBの減衰は、通気されていない構成と同等かほぼ同等であり、通気されていないイヤピースとほぼ同等の非常に広い帯域幅を有する可能性があり、かつ通気されていない構成よりも低周波数でのオーバーシュートが少ない。
音響通気反響キャンセルフィルタを通気チャネル内に実装することによって、ここで音響通気反響キャンセルフィルタは、全周波数スペクトルにわたって音を減衰させる吸収的コンポーネントであってもよく、通気チャネルは反応的コンポーネントであるが、この特定の構成では、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果が示され、そのため低周波数がロールオフし(すなわち、低周波数が通気チャネルに入らない/通らない)、妥当な特性、すなわちAOCアルゴリズム及び/またはAOCシステムが適切に動作するのための通気口の必要な特性を維持しながら、通気されていない装置のような良好なAOC性能を有する、ある種の音響フィルタが得られる。
したがって、通気口は、典型的なAOCアルゴリズムが全ての条件で動作するために必要であり得るが、性能が失われるという代償を伴う。したがって、音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルが、AOCアルゴリズム及び/またはAOCシステムが適切に動作するための、通気口の必要な特性を維持しながら、通気されていない装置のような良好なAOC性能をもたらすことが、本明細書のイヤピース/聴覚装置/聴覚保護装置/補聴器の利点である。したがって、イヤピースが、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタを備えることは有益である。なぜなら、音響フィルタが、外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成された通気チャネルを備え、音響フィルタが、さらに、通気チャネル内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタを備えるからである。音響通気反響キャンセルフィルタを有する通気チャネルが音響フィルタを提供することが、有益である。
イヤピースは、ユーザの耳に装着されるように構成される。イヤピースは、聴覚装置用のイヤピースであってもよい。イヤピースは、イヤモールドであってもよい。イヤピースは、聴覚装置であってもよい。イヤピースまたは聴覚装置は、一対のイヤピースまたは聴覚装置のうちの1つであってもよい。聴覚装置またはイヤピースは、耳内レシーバ(receiver-in-ear)(RIE)、耳道内レシーバ(receiver-in-canal)(RIC)、完全耳道内(completely-in-canal)(CIC)、耳内(in-the-ear)(ITE)装置などの、外耳道を閉塞する装置であってもよい。聴覚装置またはイヤピースは、イヤホン、ヘッドセット、補聴器、受動的または能動的聴覚保護などの聴覚保護装置であってもよい。イヤピースまたは聴覚装置は、バイノーラル補聴器、耳内(ITE)補聴器、耳道内(ITC)補聴器、完全耳道内(CIC)補聴器、耳掛け型(behind-the-ear)(BTE)補聴器、耳道内レシーバ(receiver-in-the-canal)(RIC)補聴器などであってもよい。イヤピースまたは聴覚装置は、デジタル聴覚装置であってもよい。イヤピースまたは聴覚装置は、ハンズフリーモバイル通信装置、音声認識装置などであってもよい。イヤピース、聴覚装置または補聴器は、イヤピース、聴覚装置または補聴器のユーザの聴力損失を補償するように構成された処理ユニットのために構成されてもよく、またはそのように構成された処理ユニットを備えてもよい。
イヤピースは、外耳道/鼓膜を向く第1の端部を有してもよい。イヤピースは、周囲を向く第2の端部を有してもよい。
イヤピースは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサを備える。第1の入力トランスデューサは、外耳道マイクロフォン/内耳マイクロフォン/内耳道マイクロフォン、骨伝導ユニットなどのマイクロフォンであってもよい。第1の入力トランスデューサは、外耳道/鼓膜を向くイヤピースの第1の端部に配置される。第1の入力トランスデューサは、イヤピースの第1の端部の第1の入力トランスデューサ開口に接続されてもよい。
第1の入力トランスデューサは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成される。外耳道からの音は、例えば、ユーザ自身の声及び/または顎運動によって生成されるサブソニック周波数を含むノイズであってもよい。音は、ユーザの歩行、走行、咀嚼などから誘発される運動/振動であってもよい。第1の入力トランスデューサは、第1の入力トランスデューサ信号を供給するように構成される。
第1の入力トランスデューサは、外耳道マイクロフォンであってもよい。第1の入力トランスデューサは、ITE、ITC、またはCIC補聴器ハウジングの先端部分などのイヤピースの先端部分、またはヘッドセット、聴覚保護装置、またはBTE補聴器のイヤプラグまたはイヤモールドの先端に配置された音入力部を備えてもよい。音入力部は、好ましくは、ユーザの鼓膜の前に存在する完全にまたは部分的に閉塞された外耳道ボリューム内において、外耳道の音圧の感知が妨害されないことを可能にする。すなわち、音入力部は、第1の入力トランスデューサ信号が妨害されずに受信されることを可能にする。
第1の入力トランスデューサは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成される。音は、体導音信号であってもよく、及び/または骨伝導信号であってもよく、及び/または低周波数信号であってもよい。体導音信号は、純粋な骨伝導信号のような骨伝導信号でなくてもよい。体導音信号は、第1の入力トランスデューサによって、イヤピースのユーザの外耳道内で受信される。体導音信号は、音声または発声が生成されるユーザの口及び喉からユーザの身体を介して送信される。体導音信号は、ユーザの骨、骨構造、軟骨、軟組織、組織、及び/または皮膚によってユーザの身体を通して送信される。体導音信号は、少なくとも部分的には身体の物質を介して送信され、体導音信号は、したがって、少なくとも部分的には振動信号であってもよい。また、ユーザの身体内には、空気空洞が存在し得るので、体導音信号は、少なくとも部分的に空気伝導信号であってもよい。したがって、体導音信号は、少なくとも部分的に音響信号であってもよい。
イヤピースは、外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサを備える。出力トランスデューサは、出力トランスデューサ信号を提供するように構成される。出力トランスデューサは、レシーバ、スピーカ、ラウドスピーカなどであってもよい。出力トランスデューサは、外耳道/鼓膜を向くイヤピースの第1の端部に配置されてもよい。出力トランスデューサは、イヤピースの第1の端部の出力トランスデューサ開口に接続されてもよい。出力トランスデューサは、ITE、ITC、またはCIC補聴器ハウジングの先端部分などのイヤピースの先端部分、またはヘッドセット、補聴器保護装置、またはBTE補聴器のイヤプラグまたはイヤモールドの先端に配置された音出力部を有してもよい。音出力部は、好ましくは、出力トランスデューサ信号が妨害されずに外耳道に提供されることを可能にする。
イヤピースは、出力トランスデューサ及び第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットを備える。処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたは能動的閉塞キャンセルユニットを備える。
したがって、能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを含む処理ユニットは、第1の入力トランスデューサ信号を受信し、第1の入力トランスデューサ信号を処理し、キャンセル信号を出力トランスデューサに提供する。出力トランスデューサは、キャンセル信号を含む出力トランスデューサ信号を提供する。
より多くの入力信号、例えば、周囲を向くイヤピースの第2の端部に配置された第2の入力トランスデューサからの第2の入力トランスデューサ信号が、処理ユニットに供給されてもよい。これは、イヤピースが、ユーザの聴力損失を補償するための補聴器である場合にあてはまり得る。この場合、能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを含む処理ユニットは、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号を受信し、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号を処理し、出力トランスデューサにキャンセル信号を提供し、出力トランスデューサは、キャンセル信号を含む出力トランスデューサ信号を提供する。したがって、能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを含む処理ユニットは、第1の入力トランスデューサ信号及び第2の入力トランスデューサ信号を受信し、第1の入力トランスデューサ信号及び第2の入力トランスデューサ信号を処理し、キャンセル信号を出力トランスデューサに提供し、出力トランスデューサは、キャンセル信号を含む出力トランスデューサ信号を提供する。能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを備える処理ユニットは、聴覚補償アルゴリズムまたは聴覚補償ユニットをさらに備えてもよく、第1の入力トランスデューサ信号は、能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを使用することによって処理され、第2の入力トランスデューサ信号は、聴覚補償アルゴリズムまたはユニットを使用することによって処理される。
処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを備える。出力トランスデューサからの出力トランスデューサ信号は、第1の入力トランスデューサ信号をキャンセルするように特別に設計/処理/生成されてもよい。これは、能動的閉塞キャンセルを提供する。出力トランスデューサ信号は、第1の入力トランスデューサ信号に対して、同じ振幅であるが、反転された位相(逆位相としても知られる)を有する音波であってもよい。出力トランスデューサ信号の音波は、第1の入力トランスデューサ信号と逆位相の音波であってもよい。したがって、出力トランスデューサ信号は、第1の入力トランスデューサ信号とは反転した音であっても、反対向きの位相であってもよい。音波は結合して新しい波を形成し、この波は効果的に互いに打ち消し合い、これは、破壊的干渉と呼ばれる。
能動的閉塞キャンセルアルゴリズムは、処理ユニット内に能動的閉塞キャンセルユニットを備えてもよく、または処理ユニット内の能動的閉塞キャンセルユニットであってもよい。能動的閉塞キャンセルアルゴリズムは、閉塞信号、すなわち第1の入力トランスデューサ信号の一部の能動的閉塞キャンセルの計算を実行するための、明確に定義されたコンピュータ実装可能命令の有限シーケンス(finite sequence)であってもよい。能動的閉塞キャンセルアルゴリズムは、音信号、すなわち、第1の入力トランスデューサ信号の計算及びデータ処理を実行するための仕様(specification)として使用されてもよい。
イヤピースは、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される通気チャネルを備える。音響フィルタは、通気チャネル内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタを備える。したがって、イヤピースは、外耳道を通気するための通気チャネルを備える。通気チャネルは、主音経路に、サブソニックの閉塞/圧力上昇を取り除く音響ハイパスフィルタ効果を発揮させるように構成されている。通気チャネルは、音響通気反響キャンセルフィルタを備える。通気チャネルと音響通気反響キャンセルフィルタの組合せは、音響フィルタを提供する。あるいは、イヤピースは、外耳道を通気するための通気チャネルを備えてもよく、通気チャネルは、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタを備える。
したがって、イヤピースは、外耳道を通気するための通気チャネルをさらに備える。通気チャネルは、外耳道を通気するためのものであり、すなわち、外耳道内の音圧を低減するためのものである。通気チャネルは、イヤピースの第1の端部に、すなわち外耳道に、第1の通気開口を備えてもよい。通気チャネルは、イヤピースの第2の端部に、すなわち周囲に向かう、第2の通気開口を備えてもよい。
通気チャネルは、約22mmの長さを有してもよい。通気チャネルは、約0.8mmの直径を有してもよい。
ただし、通気チャネルの寸法は、異なってもよい。通気チャネルのサイズは、(フィルタと組み合わせて、)必要に応じて、所望の周波数応答を形成するように設計され得る。したがって、通気チャネルの長さは、0.1~3cmの範囲内であってもよい。したがって、通気チャネルの直径は、0.5~2mmの範囲内であってもよい。
通気チャネルは、長さ2cm未満、長さ1cm未満、長さ0.5cm未満、または長さ0.25cm未満などの短い通気チャネルであってもよい。短い通気チャネルは、イヤピースが意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道内の鼓膜を向く第1の端部と、周囲を向く第2の端部とを備えてもよい。短い通気チャネルは、イヤピースの第1の端部及び/またはイヤピースの先端部の側壁において、周囲に向かってイヤピースから抜け出てもよい。したがって、短い通気チャネルの第2の端部は、イヤピースの第1の端部にあってもよい。側壁の厚さは、短い通気チャネルの長さに対応する/短い通気チャネルの長さと同じであってもよい。側壁の厚さ及び/または短い通気チャネルの長さは、約0.5~1mmであってもよい。
通気チャネルは、第1入力トランスデューサを飽和から保護する。通気チャネルは、出力トランスデューサがオーバードライブされないように保護する。このため、通気チャネルは、第1の入力トランスデューサ信号が、処理ユニット(DSP)にとって解釈可能であること、及び出力トランスデューサが、処理ユニットによって再生するよう指示されたものを実行/提供/出力することができることを保証する。これは、第1の入力トランスデューサ信号がそれほど大きくないため、出力トランスデューサが必要なキャンセル信号を送出することができない可能性があるからである。したがって、その目的は、入力信号の一部、すなわち閉塞の部分のキャンセルをしようとすることだけであってもよい。
通気チャネルまたは短い通気チャネルは、能動的閉塞キャンセルを改善するために構成された音響通気反響キャンセルフィルタを備える。音響通気反響キャンセルフィルタは、物理的フィルタ、機械的フィルタ等であってもよい。音響通気反響キャンセルフィルタは、発泡体、メッシュ、布(cloth)、織物(textile)、布地(fabric)、プラスチック、金属及び/または金属合金で作られてもよい。
「通気反響(resonant、resonance)キャンセルフィルタ」という用語は、記載の全体にわたって互換的に使用され得る。このフィルタは、それ自体では反響しない場合がある。このフィルタは、通気口内の反響を「キャンセル」または抑制、または平滑化、または無効に、するように設計され得る。
通気チャネル内の音響通気反響キャンセルフィルタによって、通気チャネルの音響質量/音響抵抗が増加することを提供することが有益である。
音響通気反響キャンセルフィルタと共に通気チャネルが音響フィルタを提供することが有益である。
この音響フィルタが、通気反響を平滑化し、80~600HzのAOC範囲内の劇的な位相変化を回避するために必要とされ得るように、80~100Hz以下のターゲットに低周波数ロールオフを押下げ、一方で、大きなサブソニックエネルギーレベルを回避するために、低周波数に向けた顕著なロールオフを提供することは、有益である。
通気チャネル内の音響通気反響キャンセルフィルタによって、AOC性能が+15dBの減衰に到達し得ることを提供することは有益である。この減衰は、通気されていない構成と同等、または略同等であり、かつ、好ましい、通気されていないイヤピースとほぼ同一の非常に広い帯域幅を有し得る。
通気チャネル内の音響通気反響キャンセルフィルタが、AOCが適切に動作するための通気口の必要な特性を維持しつつ、通気されていない装置のような良好なAOC性能をもたらすことが有益である。
処理ユニットは、処理された出力信号を生成するための所定のまたは適応的な処理方式に従って、第1の入力トランスデューサ信号を受信して処理するように適合されてもよい。出力トランスデューサは、処理された出力信号を受信し、対応する音響信号、すなわち出力トランスデューサ信号に変換して、ユーザの外耳道内の外耳道音圧を生成するように構成されてもよい。第1の入力トランスデューサは、外耳道音圧を受信し、処理ユニットに提供される電子外耳道信号に変換するように構成されてもよい。
イヤピースは、ヘッドセット、聴覚保護装置、または聴覚器具もしくは補聴器などの、異なるタイプの頭部装着型の聴覚装置または通信装置を備え得る、頭部ウェアラブル聴覚装置に用いられてもよい。補聴器などの聴覚装置は、ユーザの外耳道にフィットするような形状及びサイズのハウジング、シェル、またはハウジング部分を有する、耳内(ITE)、耳道内(ITC)、または完全耳道内(CIC)装置として具現化されてもよい。ハウジングまたはシェルは、アンビエントマイクロフォンであり得る第2の入力トランスデューサ、処理ユニット、第1の入力トランスデューサ、及び出力トランスデューサを収容してもよい。あるいは、イヤピースは、ユーザの外耳道に挿入するためのイヤモールドまたはイヤプラグなどのイヤピースを備える、耳内レシーバ(RIC)、または従来の耳掛け型(BTE)装置として具現化される、補聴器などの聴覚装置に用いられてもよい。BTE聴覚装置は、BTE聴覚装置のハウジング内に配置されたトランスデューサによって生成された音圧を、ユーザの外耳道に伝達するように構成された可撓性の音声チューブを含んでもよい。この実施形態では、第1の入力トランスデューサは、イヤピース内に配置されてもよい。一方、第2の入力トランスデューサ、処理ユニット、及び出力トランスデューサは、BTE聴覚装置ハウジング内に配置されてもよい。外耳道信号は、適当な電気ケーブルまたは別の有線、または無線の通信チャネルを介して処理ユニットに伝達されてもよい。第2の入力トランスデューサは、頭部装着型の聴覚装置のハウジングの内側に配置されてもよい。第2の入力トランスデューサは、頭部装着型の聴覚装置のハウジングを通って延びる適切な音響チャネル、ポート、または開口を介して、周囲音、環境音、またはアンビエント音を感知または検出してもよい。
また、イヤピースのためのシステムが開示される。イヤピースは、ユーザの耳に装着されるように構成される。当該システムは、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された第1の入力トランスデューサと、外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された出力トランスデューサと、出力トランスデューサ及び第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、処理ユニットと、を備える。ここで、当該システムは、さらに、能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される通気チャネルと、通気チャネル内に実装される音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルを備える。音響フィルタは、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成されてもよい。システムは、能動的閉塞キャンセル(AOC)システムであってもよい。
また、聴覚装置が開示される。聴覚装置は、ユーザの耳に装着されるように構成される。当該聴覚装置は、ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された第1の入力トランスデューサと、外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された出力トランスデューサと、出力トランスデューサ及び第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号に基づいて出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたは能動的閉塞キャンセルユニットを備える、処理ユニットと、を備える。前記聴覚装置は、さらに、能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される通気チャネルと、通気チャネル内に実装される音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える。音響フィルタは、外耳道を通気するための通気チャネルを備える。音響フィルタは、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの増大した音響抵抗を提供するように構成される。これは、増大した音響抵抗/音響質量が、フラットな、すなわち頂部(局所的最大値)を持たない周波数振幅応答を提供し、80~100Hz以下の周波数で良好にロールオフするため、有益である。したがって、増大した音響抵抗は、AOCアルゴリズムのための最適動作条件を生み出すために、80Hzを超える関連周波数において、フラットな周波数応答を提供し、トランスデューサを保護するために、これよりも低い周波数において、音圧レベルが良好に、すなわち、速すぎたり遅すぎたりしないでロールオフすることを確実にする。
いくつかの実施形態では、音響フィルタは、能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットによって生成される出力トランスデューサ信号を最適化するように構成される。
音響フィルタの音響通気反響キャンセルフィルタは、第1の入力トランスデューサ及び/または出力トランスデューサを保護するために、通気口の低周波数ロールオフが始まるまで、通気反響を無効にすることによって、フラットな周波数応答を保証する。フラットな周波数応答は、音響通気反響キャンセルフィルタのない通気チャネルと比較して、AOC性能を改善するが、通気されていない装置と同様に、入力/出力トランスデューサの損傷のリスクを生じさせる。音響フィルタは、通気チャネルの通気反響を平滑化し、80~600HzのAOC範囲内の劇的な位相変化を回避するために好ましい、40~100Hz、例えば50~80Hzに、低周波数ロールオフを近づけ、一方、大きなサブソニックエネルギーレベルを回避するために、低周波数に向けた顕著なロールオフを提供する。
一部の実施形態では、通気チャネルは、ユーザの外耳道内におけるサブソニック/低周波数の音圧レベルの低減を提供する。通気チャネルが低周波数の音圧の低減を提供することは、有益である。通気チャネルは、外耳道からの音圧の一部を放出する。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの変更された/平滑化された周波数応答を提供する。音響通気反響キャンセルフィルタが、通気反響を平滑化し、80~600HzのAOC範囲内の劇的な位相変化を回避するために必要とされ得るように、80~100Hz以下のターゲットに低周波数ロールオフを近づけ、一方で、大きなサブソニックエネルギーレベルを回避するために、低周波数に向けた顕著なロールオフを提供することは、有益である。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、物理的フィルタまたは機械的フィルタである。したがって、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネル内に挿入/実装可能な物理的/機械的フィルタである。音響通気反響キャンセルフィルタは、全周波数スペクトルにわたって音を減衰させる吸収的コンポーネントである。通気口は反応的コンポーネントであって、この特定の構成では、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を発揮させるように作用するため、低周波数がロールオフする、すなわち低周波数が通過しない。抵抗性音響通気反響キャンセルフィルタが反応的(誘導的)通気口と組み合わされると、それらは、所望の解決策を提供する妥当な特性を有するある種の音響フィルタを生成する。
いくつかの実施態様において、音響通気反響キャンセルフィルタは、発泡体、メッシュ、プラスチック、布、織物、布地、金属合金及び/または金属で構成される。音響通気反響キャンセルフィルタは、織物の網目で作られてもよい。音響通気反響キャンセルフィルタは、膜であってもよい。音響通気反響キャンセルフィルタは、モノフィラメントファイバを含んでもよい。音響通気反響キャンセルフィルタは、15~300マイクロメートル(μm)の範囲内の孔径を有してもよい。音響通気反響キャンセルフィルタは、30~300マイクロメートル(μm)の範囲内の厚さを有してもよい。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、音響インピーダンス値を備え/音響インピーダンス値によって定義される。音響インピーダンスは、音圧の音響ボリューム流量に対する比として定義され、単位はPa・s/m3であり、m2あたりのRaylsとも呼ばれる。比音響インピーダンスは、音圧の基準流量に対する比である。これは、単位面積あたりの流量、すなわち音響ボリューム速度と同じであり、単位は、Pa・s/mまたは、単にRaylsである。このように、比音響インピーダンスは、所与のボリューム速度を有する音波が多孔質媒体を通過するときに生じる圧力を決定する多孔質媒体の密度及び減衰パラメータを記述し、媒体自体の断面積によってはスケールされない。比音響インピーダンスに代えて、音響インピーダンスパラメータが利用される場合、結果として生じる圧力は、与えられたフィルタ(媒体)の断面積でスケールする。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、60Rayls(Pa・s/m)のような、10~500Rayls(Pa・s/m)の範囲内の比音響インピーダンス値を有する。したがって、音響インピーダンス値は、10~400Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または10~300Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または10~200Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または10~100Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または10~80Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または20~70Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または30~65Rayls(Pa・s/m)の範囲内、または35~65Rayls(Pa・s/m)の範囲内であってもよい。したがって、音響インピーダンス値は、約35Rayls(Pa・s/m)、または40Rayls(Pa・s/m)、または約45Rayls(Pa・s/m)、または約50Rayls(Pa・s/m)、または約55Rayls(Pa・s/m)、または約60Rayls(Pa・s/m)、または約65Rayls(Pa・s/m)であってもよい。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、表面サイズ及び/または密度を備え、または、表面サイズ及び/または密度によって定義される。
いくつかの実施形態では、通気チャネルは、イヤピースが意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの耳の鼓膜を向く第1の端部及び/または第1の端部開口と、周囲を向く第2の端部及び/または第2の端部開口とを備える。いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの第2の端部及び/または第2の端部開口に配置される。しかしながら、通気チャネル内の音響通気反響キャンセルフィルタの位置は、性能の点で問題にならない場合があるので、音響通気反響キャンセルフィルタは通気チャネル内の任意の場所に配置することができる。いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの第1の端部及び/または第1の端部開口に配置される。いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの中央に配置される。
音響通気反響キャンセルフィルタは、通気チャネルの中央ではなく、通気チャネルの一方の端部に配置しやすいため、音響通気反響キャンセルフィルタを、通気チャネルの第2の端部、及び/または、第2の端部開口、または、第1の端部、及び/または、第1の端部開口に配置することは、有益である。さらに、通気チャネルの第2の端部は、水及び汚れの典型的な到来元である周囲を向くため、音響通気反響キャンセルフィルタが、水及び汚れからの保護を提供するようにさらに構成されている場合、音響通気反響キャンセルフィルタを、通気チャネルの第2の端部に配置することは、有益であり得る。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、水及び汚れからの保護を提供するようにさらに構成される。音響通気反響キャンセルフィルタが、水及び汚れから保護することは、有益である。第2の端部及び/または第2の端部開口は、水及び汚れの典型的な到来元である周囲を向くため、音響通気反響キャンセルフィルタが、通気チャネルの第2の端部及び/または第2の端部開口に配置された場合、有益である。音響通気反響キャンセルフィルタは、疎水性であってもよく、従って水及び汚れを寄せ付けなくてもよい。
いくつかの実施形態では、音響通気反響キャンセルフィルタは、フレーム内に配置されてもよい。フレームは、通気チャネル内に音響通気反響キャンセルフィルタを固定するために、通気チャネル内に押し込まれる/スライドされるか、または、第1または第2の端部開口を覆うように位置/配置されるように構成される。
いくつかの実施形態では、イヤピースは、聴覚装置の一部を形成する。イヤピースは、聴覚装置の耳内レシーバ(RIE)部分であってもよく、耳掛け型(BTE)のイヤピースであってもよい。イヤピースは、耳内(ITE)であってもよく、イヤホン、ヘッドセット用イヤピース、あらゆる補聴器用のイヤピースなどであってもよい。聴覚装置は、外耳道/鼓膜に向かう第1の端部と、周囲に向かう第2の端部とを、備えてもよい。
いくつかの実施形態では、イヤピースは、周囲から音を受信するように構成された第2の入力トランスデューサをさらに備え、第2の入力トランスデューサは、処理ユニットに接続される。第2の入力トランスデューサは、周囲を向く端部である、イヤピースまたは聴覚装置の第2の端部に配置されてもよい。第2の入力トランスデューサは、指向性または全指向性のマイクロフォンまたは入力トランスデューサなどのマイクロフォンであってもよい。第2の入力トランスデューサは、処理ユニットで処理され、出力トランスデューサを介してユーザの耳に出力される音を、周囲から受信してもよい。イヤピースが、補聴器である/補聴器用である場合、処理ユニットは、ユーザの聴力損失を補償するために第2の入力トランスデューサからの音を処理してもよい。第2の入力トランスデューサは、ユーザの外耳道の外側に配置されるように構成され、第2の入力トランスデューサは、ユーザの周囲からの音を検出するように構成されてもよい。第2の入力トランスデューサは、任意の方向を向くことで、任意の方向から来る音をピックアップしてもよい。第2の入力トランスデューサは、イヤピースの外側に配置されてもよい。第2の入力トランスデューサは、例えば、完全耳道内(CIC)聴覚装置及び/または耳内(ITE)聴覚装置において、聴覚装置のフェースプレートに配置されてもよい。第2の入力トランスデューサは、例えば、耳掛け型(BTE)聴覚装置及び/または耳道内レシーバ(RIC)聴覚装置において、ユーザの耳の後ろに配置されてもよい。
第2の入力トランスデューサは、第2の入力トランスデューサ信号を生成するように構成される。第2の入力トランスデューサは、第2の入力トランスデューサ信号を処理ユニットに供給するために、処理ユニットに接続される。
出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを含む処理ユニットは、第1の入力トランスデューサ信号及び第2の入力トランスデューサ信号の両方に基づいて、能動的閉塞キャンセル及び/または能動的ノイズキャンセルを提供してもよい。
いくつかの実施形態では、イヤピースは、周囲の音のノイズキャンセルのために構成されたノイズキャンセル装置である。この場合、イヤピースは、周囲からの音を捕捉する第2の入力トランスデューサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、イヤピースは、ユーザの聴力損失を補償するように構成された補聴器に用いられてもよい。したがって、処理ユニットは、ユーザの聴力損失を補償するために、第2の入力トランスデューサ及び/または第1の入力トランスデューサからの音を処理してもよい。能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニットを備える処理ユニットは、聴覚補償アルゴリズムまたは聴覚補償ユニットをさらに備えてもよい。第2の入力トランスデューサからの音は、聴力補償アルゴリズムまたはユニットを使用することによって処理されてもよい。能動的閉塞キャンセルアルゴリズムまたはユニット及び聴覚補償アルゴリズムまたはユニットからの出力は、能動的閉塞キャンセルを含む出力トランスデューサ信号を提供するために、加算器において加算されてもよい。
いくつかの実施形態では、イヤピースは、ユーザの耳にオーディオを送信するように構成されたヘッドセットに用いられる。したがって、ヘッドセットは、音楽のようなオーディオを聴くため、及び/または、電話で離れた相手と通話を行うために、使用されてもよい。
イヤピースは、イヤモールドシェルを有するイヤモールドであってもよい/イヤモールドを有してもよい。イヤモールドシェルは、外面を有してもよい。外面は、イヤピースのユーザの耳甲介に及び/または外耳道内にフィットするように構成されてもよい。
イヤピースは、軸に沿って延在してもよい。軸は、イヤピースの長手方向と平行であってもよい。軸は、外耳道軸と実質的に平行(すなわち2~5度以内)であってもよい。
イヤピースは、イヤピースがユーザによって装着されたときに、ユーザの鼓膜に面する先端面を有する先端(遠位端)となる、第1の端部を有してもよい。軸は、先端面に対して垂直であってもよく、または実質的に垂直であってもよい。先端面は、平坦であっても、湾曲していてもよい。さらに、イヤピースは、近位端である第2の端部を有してもよい。イヤピースは、イヤピースがユーザによって装着されたときに、鼓膜とは反対側を向く近位面を有してもよい。
イヤピースは、第1の入力トランスデューサを備える。第1の入力トランスデューサは、外耳道からの/外耳道内の音を受信するための第1の入力トランスデューサ開口に接続された、外耳道マイクロフォンであってもよい。外耳道マイクロフォンとして動作する第1の入力トランスデューサは、イヤピース/イヤモールドシェル/ハウジング内の第1の入力トランスデューサチューブ及び/または第1の入力トランスデューサチャネルによって形成される第1の入力トランスデューサダクトを介して、第1の入力トランスデューサ開口に接続されてもよい。第1の入力トランスデューサ開口は、外耳道軸に対して垂直であってもよく、または、例えば、70度~110度の範囲内の角度で傾いていてもよい。したがって、第1の入力トランスデューサ開口は、ユーザの外耳道を向いてもよい。
第1の入力トランスデューサ開口は、先端から(軸に沿って測定される)第1の距離にある第1の位置に配置されてもよい。第1の距離は、0~8mmの範囲内またはそれ以上であってもよい。第1の入力トランスデューサ開口は、先端付近または先端に配置されてもよい。例えば、第1の距離は、2mm未満であってもよい。第1の入力トランスデューサ開口は、イヤモールドの先端と近位端との間に配置されてもよい。第1の入力トランスデューサ開口は、先端と鼓膜との間に配置されてもよい。第1の入力トランスデューサ開口は、少なくとも0.5mmの直径を有してもよい。
イヤピースは、出力トランスデューサ開口を備えてもよい。イヤピースは、外耳道内で音を生成するために、出力トランスデューサ開口に接続された出力トランスデューサを備えてもよい。出力トランスデューサは、イヤモールドシェル内の出力トランスデューサチューブ及び/または出力トランスデューサチャネルによって形成される出力トランスデューサダクトを介して、出力トランスデューサ開口に接続されてもよい。出力トランスデューサ開口は、外耳道軸に対して垂直であってもよく、または、例えば、70度~110度の範囲内の角度で傾いていてもよい。したがって、出力トランスデューサ開口は、ユーザの外耳道を向いてもよい。
出力トランスデューサ開口は、先端から(軸に沿って測定される)第2の距離にある第2の位置に配置されてもよい。第2の距離は、0~8mmの範囲内またはそれ以上であってもよい。
第1の入力トランスデューサ開口及び出力トランスデューサ開口は、例えば、第1の入力トランスデューサ開口及び出力トランスデューサ開口が、例えば、外耳道軸に垂直な横断面において、一致するように、接続されてもよい。第1の入力トランスデューサの音入力部、通気チャネルの第1の端部、及び出力トランスデューサの音出力部は、イヤピースの第1の開口において一致してもよい。先端コンポーネントは、イヤピースの第1の開口に配置されてもよい。先端コンポーネントは、ドーム形状であってもよく、発泡体または可撓性プラスチック材料から作製されてもよい。
あるいは、第1の入力トランスデューサ開口及び出力トランスデューサ開口は、外耳道軸に垂直な横断面において、例えば、第1の入力トランスデューサ開口及び出力トランスデューサ開口が、横断面において一致しないように、分離されてもよい。出力トランスデューサ開口は、少なくとも0.5mmの直径を有してもよい。
イヤピースは、外耳道を通気するための通気開口を有する通気チャネルを備えてもよい。第1の入力トランスデューサ開口と通気開口は、例えば、第1の入力トランスデューサ開口と通気開口とが一致するように接続されてもよい。通気開口は、少なくとも0.5mmの直径を有してもよい。あるいは、第1の入力トランスデューサ開口と通気開口とは、外耳道軸に垂直な横断面において、第1の入力トランスデューサ開口と通気開口とが一致しないように、分離されてもよい。通気口は、少なくとも0.5mmの直径を有してもよい。
通気チャネルは、真っ直ぐであってもよい。通気チャネルは、その第1の端部と第2の端部との間に1つまたは複数の屈曲部を有するように、屈曲していてもよい。
聴覚装置は、オーディオ通信のためのヘッドセットまたはイヤホンであってもよい。聴覚装置は、例えば、大音量の/衝撃の音を保護するための聴覚保護装置であってもよい。聴覚装置は、ユーザの聴力損失を補償するための補聴器であってもよい。補聴器は、例えば、耳内タイプの補聴器、例えば、耳道内タイプの補聴器等、例えば、完全耳道内レシーバタイプの補聴器等、例えば、耳内レシーバタイプの補聴器等、あらゆる補聴器であってもよい。
聴覚装置は、音源からの音響音信号をオーディオ信号に変換するように構成された1つまたは複数の入力トランスデューサを備えてもよい。オーディオ信号は、ユーザの聴力損失を補償するために処理ユニットにおいて処理されるように構成される。処理されたオーディオ信号は、出力トランスデューサによって処理された音響信号に変換されるように構成される。
聴覚装置は、バイノーラル聴覚装置であってもよい。聴覚装置は、バイノーラル聴覚装置の第1の聴覚装置及び/または第2の聴覚装置であってもよい。
聴覚装置は、例えば、別の聴覚装置、またはアクセサリ装置、または周辺装置と通信するように構成されるように、1つまたは複数の他の装置と通信するように構成された装置であってもよい。
本発明は、上記及び以下に記載されるイヤピース、ならびに対応するイヤピース、イヤモールド、聴覚装置、システム、方法、ネットワーク、キット、使用及び/または製品手段を含む異なる態様に関する。各態様は、第1の記載態様に関連して説明される1つまたは複数の利益及び利点をもたらす。各態様は、第1の記載態様に関連して説明されるとともに、/または添付の特許請求の範囲に開示される実施形態に対応する、1つまたは複数の実施形態を有する。
上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を示す。したがって、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明しない。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。図面は、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明としても、特許請求の範囲に記載された発明の範囲に対する限定としても意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様または利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様または利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、またはそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施することができる。
図1aは、ユーザの耳4に装着されるように構成されたイヤピース2の一例を概略的に示す。イヤピース2は、ユーザの耳4の外耳道8からの音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサ6を備える。第1の入力トランスデューサ6は、第1の入力トランスデューサ信号10を供給するように構成される。イヤピース2は、外耳道8に音を供給するように構成された出力トランスデューサ12を備える。出力トランスデューサ12は、出力トランスデューサ信号14を供給するように構成される。イヤピース2は、出力トランスデューサ12及び第1の入力トランスデューサ6に接続された処理ユニット16を備える。処理ユニット16は、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号10に基づいて出力トランスデューサ信号14を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズム18を備える。イヤピース2は、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道(8)を通気するための通気チャネル(20)を備え、さらに、音響ハイパスフィルタとして構成される。音響フィルタは、通気チャネル内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタ(22)を備える。音響フィルタは、音響フィルタが通気チャネル(20)を備え、音響通気反響キャンセルフィルタ(22)としてさらに構成され、音響通気反響キャンセルフィルタ(22)が通気チャネル(20)内に実装される結果として生じる/組み合わされた音響フィルタである。
音圧24は、顎運動26によって生成されるサブソニック周波数に加え、自身の声26によって、閉塞した外耳道8内に生成され得る。
第1の入力トランスデューサ6は、第1の端部30、例えば、イヤピース2の先端部分に配置された音入力部28を有してもよく、好ましくは、ユーザの鼓膜の前に存在する完全にまたは部分的に閉塞された外耳道8のボリューム内において、外耳道の音圧24を妨害されずに感知することが可能となる。
イヤピース2は、第1の端部30の反対側にある第2の端部34を有し、第2の端部34は、イヤピース2がユーザによって装着されたときに、周囲を向く。
通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜を向く第1の端部36と、周囲を向く第2の端部32とを有する。通気チャネル20の第1の端部は、第1の端部30、例えば、イヤピース2の先端に配置されてもよい。
通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対して、開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブとして構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することによって変化させることができる。音響通気反響キャンセルフィルタ22は、通気チャネル20の第2の端部32内に、または、第2の端部32に、配置されてもよい。音響通気反響キャンセルフィルタ22は、第1の端部36よりも第2の端部32に近い通気チャネル20の一部に配置されてもよい。
通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第2の端部34に位置する。
先端コンポーネント38は、イヤピース2の第1の端部30に配置されてもよい。先端コンポーネント38は、イヤピース2の先端部分に配置/取り付け可能であってもよい。先端コンポ―ネントは、ドーム形状であってもよく、発泡体または可撓性プラスチック材料から作製されてもよい。
図1bは、ユーザの耳4に装着されるように構成されたイヤピース2の一例を概略的に示す。イヤピース2は、ユーザの耳4の外耳道8からの音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサ6を備える。第1の入力トランスデューサ6は、第1の入力トランスデューサ信号10を供給するように構成される。イヤピース2は、外耳道8に音を供給するように構成された出力トランスデューサ12を備える。出力トランスデューサ12は、出力トランスデューサ信号14を供給するように構成される。イヤピース2は、出力トランスデューサ12及び第1の入力トランスデューサ6に接続された処理ユニット16を備える。処理ユニット16は、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号10に基づいて出力トランスデューサ信号14を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズム18を備える。イヤピース2は、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道(8)を通気するための通気チャネル(20)を備え、さらに、音響ハイパスフィルタとして構成される。音響フィルタは、通気チャネル(20)内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタ(22)を備える。音響フィルタは、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成された通気チャネル(20)と、通気チャネル(20)内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタ(22)と、を備える結果としての/組み合わされた音響フィルタである。
音圧は、顎運動26によって生成されるサブソニック周波数に加え、自身の声26によって、閉塞した外耳道8内に生成され得る。
第1の入力トランスデューサ6は、第1の端部30、例えば、イヤピース2の先端部分に配置された音入力部を有してもよく、好ましくは、ユーザの鼓膜の前に存在する完全にまたは部分的に閉塞された外耳道8のボリューム内において、外耳道の音圧を妨害されずに感知することが可能となる。
イヤピース2は、第1の端部30の反対側にある第2の端部34を有し、第2の端部34は、イヤピース2がユーザによって装着されたときに周囲を向く。
通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜を向く第1の端部と、周囲を向く第2の端部32とを有する。
通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対する開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブによって構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。イヤピース2内の出力音チャネルを含む主音経路は、音、例えば出力トランスデューサ信号14を外耳道8に供給する。開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブは、出力音チャネルの側壁に設けられる。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することによって変化させることができる。
音響通気反響キャンセルフィルタ22は、通気チャネル20の第2の端部32内に、または第2の端部32に配置されてもよい。音響通気反響キャンセルフィルタ22は、第1の端部36よりも第2の端部32に近い通気チャネル20の一部に配置されてもよい。
通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第2の端部34にある。
第1の入力トランスデューサ6の音入力部、通気チャネル20の第1の端部、及び出力トランスデューサ12の出口は、イヤピース2の第1の開口40において一致してもよい。先端コンポーネント38は、イヤピース2の第1の開口40及び/または第1の端部30に配置されてもよい。先端コンポーネント38は、イヤピース2の先端部分に配置/取り付け可能であってもよい。先端コンポーネントは、ドーム形状であってもよく、発泡体または可撓性プラスチック材料から作製されてもよい。
図1cは、図1bのイヤピースに類似する、ユーザの耳4に装着されるように構成されたイヤピース2の一例を概略的に示す。図1cのイヤピース2は、通気チャネル20が、外耳道8を通気するための短い通気チャネル20である点において、図1bのイヤピース2とは異なる。
短い通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対する開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブによって構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。イヤピース2内の出力音チャネルを含む主音経路は、音、例えば出力トランスデューサ信号14を外耳道8に供給する。開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブは、出力音チャネルの側壁に設けられる。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することによって変化させてもよい。
短い通気チャネル20は、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響通気反響キャンセルフィルタ22を備える。短い通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜を向く第1の端部と、周囲を向く第2の端部32とを有し、すなわち、短い通気チャネル20は、イヤピース2の第1の端部及び/またはイヤピース2の先端部分の側壁において、周囲に向かってイヤピース2から抜け出ている。したがって、短い通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第1の端部30に位置する。側壁の厚さは、短い通気チャネル20の長さに対応する/同じであってもよい。側壁の厚さ及び/または短い通気チャネル20の長さは、約0.5~1mmであってもよい。図1cの短い通気チャネルは、図1aのイヤピースに類似したイヤピースにも実装することができる。
図2a、図2b、及び図2cは、ユーザの耳4に装着されるように構成されたイヤピース2の例を概略的に示す。ここで、イヤピースは補聴器などの聴覚装置である。イヤピース2は、ユーザの耳4の外耳道8からの音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサ6を備える。第1の入力トランスデューサ6は、第1の入力トランスデューサ信号10を供給するように構成される。イヤピース2は、外耳道8に音を供給するように構成された出力トランスデューサ12を備える。出力トランスデューサ12は、出力トランスデューサ信号14を供給するように構成される。イヤピース2は、出力トランスデューサ12及び第1の入力トランスデューサ6に接続された処理ユニット16を備える。処理ユニット16は、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも第1の入力トランスデューサ信号10に基づいて出力トランスデューサ信号14を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズム18を備える。イヤピース2は、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響フィルタをさらに備える。音響フィルタは、外耳道(8)を通気するための通気チャネル(20)を備え、さらに、音響ハイパスフィルタとして構成される。音響フィルタは、通気チャネル(20)内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタ(22)を備える。音響フィルタは、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成された通気チャネル(20)と、通気チャネル(20)内に実装された音響通気反響キャンセルフィルタ(22)と、を備える結果としての/組み合わされた音響フィルタである。
イヤピース2は、周囲から音を受信するように構成された第2の入力トランスデューサ42をさらに備える。第2の入力トランスデューサ42は、第2の入力トランスデューサ信号44を生成するように構成される。第2の入力トランスデューサ42は、第2の入力トランスデューサ信号44を処理ユニット16に供給するために処理ユニット16に接続される。
図2aでは、通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜を向く第1の端部36と、周囲を向く第2の端部32と、を有する。通気チャネル20の第1の端部は、第1の端部30、例えば、イヤピース2の先端部に配置されてもよい。
通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対する開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブによって構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することによって変化させることができる。
音響通気反響キャンセルフィルタ22は、通気チャネル20の第2の端部32に配置されてもよい。音響通気反響キャンセルフィルタ22は、第1の端部36よりも第2の端部32に近い通気チャネル20の一部に配置されてもよい。
通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第2の端部34にある。
図2bでは、通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜に向いた第1の端部と、周囲に向いた第2の端部32とを有する。
通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対する開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブによって構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。イヤピース2内の出力音チャネルを含む主音経路は、音、例えば出力トランスデューサ信号14を外耳道8に供給する。開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブは、出力音チャネルの側壁に設けられる。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することによって変化させることができる。
音響通気反響キャンセルフィルタ22は、通気チャネル20の第2の端部32内に配置されてもよい。音響通気反響キャンセルフィルタ22は、第1の端部36よりも第2の端部32に近い通気チャネル20の一部に配置されてもよい。
通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第2の端部34にある。
第1の入力トランスデューサ6の音入力部、通気チャネル20の第1の端部、及び出力トランスデューサ12の出口は、イヤピース2の第1の開口40において一致してもよい。先端コンポーネント38は、イヤピース2の第1の開口40及び/または第1の端部に配置されてもよい。先端コンポーネント38は、イヤピース2の先端部分に配置/取り付け可能であってもよい。先端コンポーネントは、ドーム形状であってもよく、発泡体または可撓性プラスチック材料から作製されてもよい。
図2cは、図2bのイヤピースに類似する、ユーザの耳4に装着されるように構成されたイヤピース2の一例を概略的に示す。図2cのイヤピース2は、通気チャネル20が、外耳道8を通気するための短い通気チャネル20である点において、図2bのイヤピース2とは異なる。
短い通気チャネル20は、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように、すなわち、主音経路に対する開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブによって構成される。主音経路は、出力トランスデューサ12からの出力トランスデューサ信号14を、ユーザの鼓膜及び/または第1の入力トランスデューサ6に供給する。イヤピース2内の出力音チャネルを含む主音経路は、音、例えば出力トランスデューサ信号14を外耳道8に供給する。開放端の側方分岐チャネルまたは側方分岐チューブは、出力音チャネルの側壁に設けられる。音響ハイパスフィルタの特性は、通気チャネル20のサイズ及び/または形状を調整することよって変化させることができる。
短い通気チャネル20は、能動的閉塞キャンセルを改善するように構成された音響通気反響キャンセルフィルタ22を備える。短い通気チャネル20は、イヤピース2が意図された動作位置に装着されたときに、ユーザの外耳道8内の鼓膜を向く第1の端部と、周囲を向く第2の端部32とを有し、すなわち、短い通気チャネル20は、イヤピース2の第1の端部30及び/またはイヤピース2の先端部分の側壁において、周囲に向かってイヤピース2から抜け出ている。したがって、短い通気チャネル20の第2の端部32は、イヤピース2の第1の端部30にある。側壁の厚さは、短い通気チャネル20の長さに対応する/同じであってもよい。側壁の厚さ及び/または短い通気チャネル20の長さは、約0.5~1mmであってもよい。図2cの短い通気チャネルは、図2aのイヤピースに類似したイヤピースにも実装することができる。
図3は、異なる通気設定に対するイヤシミュレータにおける圧力応答を示すグラフである。測定された音圧レベル(Sound pressure level)(SPL)(dB)は、x軸に表示される測定された周波数(Hz)における機能/結果として、y軸に表示される。3つの異なる通気設定、すなわち、イヤピースに通気口がないことに対応する閉じた通気口(均一な破線で表示)と、イヤピースに通気口があることに対応する開いた通気口(不均一な破線で表示)と、本発明のイヤピースに対応する音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気口(実線で表示)と、が表示される。
図3のイヤピースに通気口がないことに対応する「閉じた通気口」(均一な破線で表示)のグラフを参照すると、顎運動によって発生するサブソニック周波数に加え、自身の声が原因で、閉塞した外耳道内で非常に高い音圧レベル(SPL)が発生する可能性があることが理解される。サブソニックレベルは、閉塞した外耳道において2Hzで143dBのSPLに達し得る。このことは能動的閉塞キャンセル(AOC)を取り扱う上で重要な考察である。というのも、このような高い低周波数出力レベルは、出力トランスデューサ(レシーバ)をオーバードライブし、かつ/または第1の入力トランスデューサ(外耳道マイクロフォン)を飽和させる可能性があるからである。
図3のイヤピースに通気チャネルのような通気口があることに対応する、「開いた通気口」(不均一な破線で表示)のグラフを参照すると、例えば、(2cmの長さの)1mmの通気口は、自身の声及び/またはサブソニック周波数のエネルギーレベルを管理できる程度にかなり低下させ得るが、それでも高い状態(~98dB)にとどまり得ることが理解される。
しかしながら、通気口を有することの有用性は、150~350Hzでの通気反響の導入によって、可聴閉塞の量が増加するため、代償を生じる。さらに、典型的な能動的閉塞キャンセル(AOC)アルゴリズムの能動的閉塞キャンセル(AOC)範囲内にわたる通気反響期間後の強力なロールオフは、典型的なAOCアルゴリズムが扱えない位相の激しい変化により、典型的なAOCアルゴリズムの性能に大きな悪影響を及ぼす。
図3の本発明のイヤピースに対応する「音響フィルタを備える通気口」(実線で表示)のグラフを参照すると、本発明が、通気口の利点を保ちながら、通気口がもたらす問題を解決することに関することが理解される。本発明は、通気口の音響質量/抵抗を増加させるために、通気口内に発泡材料のような音響通気反響キャンセルフィルタを挿入することによって問題を解決する。これは、通気口を著しく長く及び/または狭くするのと同じ効果をもたらすことができるが、これらの矯正に伴うサイズの不利益はないため、小さなイヤピースまたは小さな耳内聴覚装置に最適である。
図3の音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルを有する本発明のイヤピースに対応する「音響フィルタを備える通気口」(実線で表示)のグラフを参照すると、イヤピースの周波数応答をシミュレートする場合、音響フィルタが、どのように、通気反響を平滑化し、80~600HzのAOC範囲内の劇的な位相変化を回避するために必要とされ得るように、80~100Hzのターゲットに低周波数ロールオフを近づけ、一方、大きな自身の声及び/またはサブソニックエネルギーレベルを回避するために、低周波数に向けた顕著なロールオフを提供するかが、理解される。シミレーションされたイヤピースの例として、シミュレーションされた装置の通気口は、長さ22mm、直径0.8mmとしてもよく、音響通気反響キャンセルフィルタは、60Rayls(Pa・s/m)のメッシュフィルタである。
図4は、異なる通気設定に対する閉塞応答を示すグラフである。測定された閉塞減衰(dB)は、x軸に表示されている測定された周波数(Hz)の機能/結果としてy軸に表示される。3つの異なる通気設定、すなわち、イヤピースに通気口がないことに対応する閉じた通気口(均一な破線で表示)と、イヤピースに通気チャネルがあることに対応する開いた通気口(不均一な破線で表示)と、音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルを有する、本発明のイヤピースに対応する音響フィルタを備える通気口(実線で表示)と、が表示される。
図4のイヤピースに通気チャネルのような通気口があることに対応する「開いた通気口」(不均一な破線で表示)のグラフを参照すると、イヤピース内の能動的閉塞キャンセル(AOC)性能をシミュレーションする場合、音響通気反響キャンセルフィルタを有さない通気された装置は、145~160Hz、例えば約150Hzで数dB、例えば2~4dBまたは約3dBの閉塞しか減少せず、非常に狭い帯域幅の減衰を生じ得ることが理解される。
図4の、音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルを有する、本発明のイヤピースに対応する「音響フィルタを備える通気口」(実線で表示)のグラフを参照すると、通気口内に音響通気反響キャンセルフィルタを導入することによって、シミュレーションされたAOC性能は、+15dBの減衰に到達する可能性があることが理解される。これは、通気されていない構成(イヤピース内に通気口を有さないことに対応する「閉じた通気口」(破線で表示)のグラフを参照)と同等、またはほぼ同等であり、かつ、通気されていないイヤピースとほぼ同一の非常に広い帯域幅であり得る。
したがって、通気チャネルのような通気口は、典型的な能動的閉塞キャンセル(AOC)アルゴリズムがいかなる状況においても作動するために必要であり得るが、それは、性能を失う代償を生じることを示している(イヤピース内に通気口を有することに対応する「開いた通気口」(不均一な破線で表示)のグラフを参照)。
図4の、音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルを有する、本発明のイヤピースに対応する「音響フィルタを備える通気口」(実線で表示)のグラフを参照すると、AOCアルゴリズム及び/またはAOCシステムが適切に作動するために、通気口の必要な特性を維持しながら、音響通気反響キャンセルフィルタを備える通気チャネルが、通気されていない装置のような良好なAOC性能をもたらすことが、本発明のイヤピース/聴覚装置/聴覚保護装置/補聴器の利点であることが理解される。
特定の特徴が示され、説明されたが、それらは、特許請求の範囲に記載された発明を限定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が行われてもよいことが、当業者には明らかになるであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。特許請求の範囲に記載された発明は、全ての代替物、修正物、及び均等物を包含することが意図される。
(項目)
(項目1)ユーザの耳に装着されるように構成されるイヤピースであって、前記ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記第1の入力トランスデューサと、前記外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記出力トランスデューサと、前記出力トランスデューサ及び前記第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、前記処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも前記第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、前記出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、前記処理ユニットと、を備え、前記イヤピースは、さらに、前記能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備え、前記音響フィルタは、前記外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される前記通気チャネルと、前記通気チャネルに実装された音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える、イヤピース。
(項目1)ユーザの耳に装着されるように構成されるイヤピースであって、前記ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記第1の入力トランスデューサと、前記外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記出力トランスデューサと、前記出力トランスデューサ及び前記第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、前記処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも前記第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、前記出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、前記処理ユニットと、を備え、前記イヤピースは、さらに、前記能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備え、前記音響フィルタは、前記外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される前記通気チャネルと、前記通気チャネルに実装された音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える、イヤピース。
(項目2)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、前記通気チャネルの増大した音響抵抗を提供するように構成される、項目1に記載のイヤピース。
(項目3)前記音響フィルタは、前記能動的閉塞キャンセルアルゴリズムによって生成される前記出力トランスデューサ信号を最適化するように構成される、項目1または2に記載のイヤピース。
(項目4)前記通気チャネルは、前記ユーザの前記外耳道におけるサブソニック/低周波数の音圧レベルの低減を提供する、項目1から3のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目5)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、前記通気チャネルの変更された/平滑化された周波数応答を提供する、項目1から4のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目6)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、物理的/機械的フィルタである、項目1から5のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目7)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、発泡体、メッシュ、布、織物、布地、及び/または金属で構成される、項目1から6のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目8)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、音響インピーダンス値を備え/音響インピーダンス値によって定義される、項目1から7のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目9)前記音響通気反響キャンセルフィルタが、10~500レイル(Pa・s/m)の範囲内、例えば60レイル(Pa・s/m)の音響インピーダンス値を有する、項目1から8のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目10)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、表面サイズ及び/または密度を備え、または、表面サイズ及び/または密度によって定義される、項目1から9のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目11)前記通気チャネルは、前記イヤピースが意図された動作位置に装着されたときに、前記ユーザの耳の鼓膜を向く第1の端部と、周囲を向く第2の端部とを有し、前記音響通気反響キャンセルフィルタは、前記通気チャネルの前記第2の端部に配置される、項目1から10のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目12)前記音響通気反響キャンセルフィルタは、さらに、水や汚れから保護するように構成されている、項目1から11のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目13)前記音響通気反響キャンセルフィルタが、フレーム内に配置され、前記フレームは、前記通気チャネル内に前記音響通気反響キャンセルフィルタを固定するために、前記通気チャネル内に押し込まれる/スライドされるように構成される、項目1から12のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目14)前記イヤピースは、聴覚装置の一部を形成する、項目1から13のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目15)前記イヤピースは、周囲から音を受信するように構成された第2の入力トランスデューサをさらに備え、前記第2の入力トランスデューサは、前記処理ユニットに接続される、項目1から14のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目16)前記イヤピースは、前記ユーザの聴力損失を補償するように構成された補聴器に用いられる、項目1から15のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目17)前記イヤピースは、前記ユーザの耳にオーディオを送信するように構成されたヘッドセットに用いられる、項目1から16のいずれか一項に記載のイヤピース。
(項目18)イヤピースのためのシステムであって、前記イヤピースは、ユーザの耳に装着されるように構成されており、前記システムは、前記ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記第1の入力トランスデューサと、前記外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記出力トランスデューサと、前記出力トランスデューサ及び前記第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、前記処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも前記第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、前記出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、前記処理ユニットと、を備え、前記システムは、さらに、前記能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備え、前記音響フィルタは、前記外耳道を通気するための通気チャネルであって、主音経路に音響ハイパスフィルタ効果を生じさせるように構成される前記通気チャネルと、前記通気チャネルに実装された音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える、システム。
2:イヤピース、4:耳、6:第1の入力トランスデューサ、8:外耳道、10:第1の入力トランスデューサ信号、12:出力トランスデューサ、14:出力トランスデューサ信号、16:処理ユニット、18:能動的閉塞キャンセルアルゴリズム、20:通気チャネル、22:音響通気反響キャンセルフィルタ、24:音圧、26:自身の声及び顎運動,及び,顎運動によって生成されるサブソニック周波数、28:音入力部、30:イヤピースの第1の端部、32:通気チャネルの第2端部、34:イヤピースの第2端部、36:通気チャネルの第1の端部、38:先端コンポーネント、40:イヤピースの第1の開口、42:第2の入力トランスデューサ、44:第2の入力トランスデューサ信号
Claims (10)
- ユーザの耳に装着されるように構成されるイヤピースであって、
前記ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記第1の入力トランスデューサと、
前記外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記出力トランスデューサと、
前記出力トランスデューサ及び前記第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、前記処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも前記第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、前記出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、前記処理ユニットと、を備え、
前記イヤピースは、さらに、前記能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備え、
前記音響フィルタは、
前記外耳道を通気するための通気チャネルと、
前記通気チャネルに実装された音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える、イヤピース。 - 前記音響通気反響キャンセルフィルタは、前記通気チャネルの増大した音響抵抗を提供するように構成される、請求項1に記載のイヤピース。
- 前記音響フィルタは、前記能動的閉塞キャンセルアルゴリズムによって生成される前記出力トランスデューサ信号を最適化するように構成される、請求項1または2に記載のイヤピース。
- 前記通気チャネルは、前記ユーザの前記外耳道におけるサブソニック/低周波数の音圧レベルの低減を提供する、請求項1から3のいずれか一項に記載のイヤピース。
- 前記音響通気反響キャンセルフィルタは、前記通気チャネルの変更された/平滑化された周波数応答を提供する、請求項1から4のいずれか一項に記載のイヤピース。
- 前記音響通気反響キャンセルフィルタは、物理的/機械的フィルタである、請求項1から5のいずれか一項に記載のイヤピース。
- 前記音響通気反響キャンセルフィルタは、音響インピーダンス値を備え/音響インピーダンス値によって定義される、請求項1から6のいずれか一項に記載のイヤピース。
- 前記音響通気反響キャンセルフィルタは、表面サイズ及び/または密度を備え、または、表面サイズ及び/または密度によって定義される、請求項1から7のいずれか一項に記載のイヤピース。
- 前記イヤピースは、前記ユーザの聴力損失を補償するように構成された補聴器に用いられる、請求項1から8のいずれか一項に記載のイヤピース。
- イヤピースのためのシステムであって、
前記イヤピースは、ユーザの耳に装着されるように構成されており、
前記システムは、
前記ユーザの耳の外耳道から音を受信するように構成された第1の入力トランスデューサであって、第1の入力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記第1の入力トランスデューサと、
前記外耳道に音を提供するように構成された出力トランスデューサであって、出力トランスデューサ信号を提供するように構成された前記出力トランスデューサと、
前記出力トランスデューサ及び前記第1の入力トランスデューサに接続された処理ユニットであって、前記処理ユニットは、能動的閉塞キャンセルを提供するために、少なくとも前記第1の入力トランスデューサ信号に基づいて、前記出力トランスデューサ信号を生成するように構成された能動的閉塞キャンセルアルゴリズムを含む、前記処理ユニットと、を備え、
前記システムは、さらに、前記能動的閉塞キャンセルを改善するために構成される音響フィルタを備え、
前記音響フィルタは、
前記外耳道を通気するための通気チャネルと、
前記通気チャネルに実装された音響通気反響キャンセルフィルタと、を備える、システム。
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