JP2000094587A - 複合フィルム - Google Patents

複合フィルム

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JP2000094587A
JP2000094587A JP10264212A JP26421298A JP2000094587A JP 2000094587 A JP2000094587 A JP 2000094587A JP 10264212 A JP10264212 A JP 10264212A JP 26421298 A JP26421298 A JP 26421298A JP 2000094587 A JP2000094587 A JP 2000094587A
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liquid crystalline
block copolymer
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polymer
crystalline polymer
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JP10264212A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Sumida
克彦 隅田
Yoshihiro Otsuka
喜弘 大塚
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶性ポリマーを構成要素としながらも、優
れた接着性を有し、種々の用途に使用できる複合フィル
ムを提供すること。 【解決手段】 サーモトロピック液晶性ポリマーを含有
する液晶性ポリマー層と、エポキシ化ジエン系ブロック
共重合体を含有する熱可塑性ポリマー層とで構成されて
いることを特徴とする複合フィルムを製造し用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶性ポリマーを構成
要素とし包装用フィルム等として好適な複合フィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、被包装体の種類が拡大するにつれ
て、用途に応じた種々の包装用フィルムが開発されてい
る。例えば、包装用フィルムとして、高強度フィルム、
高弾性フィルム、柔軟性フィルム、接着性フィルム、透
明性フィルム、導電性フィルム、遮光性フィルム、ガス
バリアー性フィルム、耐熱性フィルム、耐薬品性フィル
ムや、これらを複合化した複合フィルム等が知られてい
る。しかしながら、これらの包装用フィルムは、それぞ
れ構成ポリマーの特性が著しく異なるため、用途に応じ
て使い分けされており、1つのフィルムで複数の特性を
同時に満足するのが困難である。
【0003】一方、エンジニアプラスチックの領域に属
する液晶性ポリマーは、機械的性質、寸法安定性、耐熱
性、化学的安定性、ガスバリアー性等に優れる他、電気
的性質も良好であるため、種々の要求性能を満足するフ
ィルム用原料ポリマーとして注目されている。しかしな
がら、この液晶性ポリマーは、例えばポリテトラフルオ
ロエチレン等と同様に、接着性が十分でないため、フィ
ルム化してもその用途が著しく制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、液晶性ポリマーを構成要素としながらも、優れた接
着性を有し、種々の用途に使用できる複合フィルムを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、液晶性ポリマーに対して優れた接着性を有するポ
リマーを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、サーモトロピック液晶性ポリマーを含有する液晶性
ポリマー層と、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を
含有する熱可塑性ポリマー層とで構成された複合フィル
ムにより、上記課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本明細書において、液晶性ポリマ
ーとは、加熱によって軟化流動し成形可能となり、かつ
溶融時に複屈折を有する異方性溶融相を示すサーモトロ
ピック液晶ポリマーとその組成物を意味する。
【0007】またフィルムとは、当該技術分野でシート
等と呼ばれることのある比較的薄く、実質的に平らな構
造物全てを含む意味に用いる。
【0008】上記の液晶性ポリマーとしては、下記の構
成成分等からなるポリマーが挙げられる。
【0009】(1) 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカル
ボン酸の一種又は二種以上 (2) 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオー
ルの一種又は二種以上 (3) 芳香族ヒドロキシカルボン酸の一種又は二種以上 (4) 芳香族チオールカルボン酸の一種又は二種以上 (5) 芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの
一種又は二種以上 (6) 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの一種
又は二種以上。
【0010】上記構成成分からなる液晶性ポリマーとし
ては、 a) 構成成分(1) と(2) とからなるポリエステル、 b) 構成成分(3) からなるポリエステル、 c) 構成成分(1) と(2) と(3) とからなるポリエステ
ル、 d) 構成成分(4) からなるポリチオールエステル、 e) 構成成分(1) と(5) とからなるポリチオールエステ
ル、 f) 構成成分(1) と(4) と(5) とからなるポリチオール
エステル、 g) 構成成分(1) と(3) と(5) とからなるポリエステル
アミド、 h) 構成成分(1) と(2) と(3) と(5) とからなるポリエ
ステルアミド 等の組合せとして選択される。
【0011】なお、上記成分の組合せの範疇には含まれ
ないが、かかる液晶性ポリマーには芳香族ポリアゾメチ
ンが含まれ、具体例としてはポリ(ニトリロ−2−メチ
ル−1,4−フェニレンニトリロエチリジン−1,4−
フェニレンエチリジン)、ポリ(ニトリロ−2−メチル
−1,4−フェニレンニトリロメチリジン−1,4−フ
ェニレンメチリジン)、及びポリ(ニトリロ−2−クロ
ロ−1,4−フェニレンニトリロメチリジン−1,4−
フェニレンメチリジン)などが挙げられる。
【0012】更に上記成分の組合せの範疇には含まれな
いが、かかる液晶性ポリマーにはポリエステルカーボネ
ートが含まれる。このポリマーは本質的には4−オキシ
ベンゾイル単位、ジオキシフェニル単位、ジオキシカル
ボニル単位及びテレフタロイル単位を含んでいる。
【0013】前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフ
タル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4″
−トリフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4′−ジカルボン
酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、ジ
フェノキシブタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニ
ルエタン−4,4′−ジカルボン酸、イソフタル酸、ジ
フェニルエーテル−3,3′−ジカルボン酸、ジフェノ
キシエタン−3,3′−ジカルボン酸、ジフェニルエタ
ン−3,3′−ジカルボン酸、ナフタレン−1,6−ジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;芳香族ジカルボ
ン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例
えば、クロロテレフタル酸、ジクロロテレフタル酸、ブ
ロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジメチルテレ
フタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテレフタル
酸、エトキシテレフタル酸等が挙げられる。
【0014】脂環族ジカルボン酸としては、トランス−
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シス−1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;脂環族ジカルボ
ン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、例
えば、トランス−1,4−(1−メチル)シクロヘキサ
ンジカルボン酸、トランス−1,4−(1−クロロ)シ
クロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
【0015】芳香族ジオールとしては、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、
4,4″−ジヒドロキシトリフェニル、2,6−ナフタ
レンジオール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,
3′−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオール、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳
香族ジオール;芳香族ジオールのアルキル、アルコキシ
またはハロゲン置換体、例えば、クロロハイドロキノ
ン、メチルハイドロキノン、1−ブチルハイドロキノ
ン、フェニルハイドロキノン、メトキシハイドロキノ
ン、フェノキシハイドロキノン、4−クロロレゾルシ
ン、4−メチルレゾルシン等が挙げられる。
【0016】脂環族ジオールとしては、トランス−1,
4−シクロヘキサンジオール、シス−1,4−シクロヘ
キサンジオール、トランス−1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、トランス−1,3−シクロヘキサンジオー
ル、シス−1,2−シクロヘキサンジオール、トランス
−1,3−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジ
オール;脂環族ジオールのアルキル、アルコキシまたは
ハロゲン置換体、例えば、トランス−1,4−(1−メ
チル)シクロヘキサンジオール、トランス−1,4−
(1−クロロ)シクロヘキサンジオール等が挙げられ
る。
【0017】脂肪族ジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール等の直鎖状又は分岐状脂
肪族ジオールが挙げられる。
【0018】芳香族ヒドロキシカルボン酸としては、4
−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−1−ナ
フトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸;芳香族ヒド
ロキシカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲ
ン置換体、例えば、3−メチル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,
6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ
−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−
ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2
−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナ
フトエ酸、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,
3−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジク
ロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3−ブロモ−4−ヒドロキシ安
息香酸、6−ヒドロキシ−5−クロロ−2−ナフトエ
酸、6−ヒドロキシ−7−クロロ−2−ナフトエ酸、6
−ヒドロキシ−5,7−ジクロロ−2−ナフトエ酸等が
挙げられる。
【0019】芳香族メルカプトカルボン酸としては、4
−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香酸、6−
メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト−2−ナ
フトエ酸等が挙げられる。
【0020】芳香族ジチオールとしては、ベンゼン−
1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオール、
ナフタレン−2,6−ジチオール、ナフタレン−2,7
−ジチオール等が挙げられる。
【0021】芳香族メルカプトフェノールとしては、4
−メルカプトフェノール、3−メルカプトフェノール、
2−メルカプトフェノール等が挙げられる。
【0022】芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン
としては、4−アミノフェノール、N−メチル−4−ア
ミノフェノール、1,4−フェニレンジアミン、N−メ
チル−1,4−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチ
ル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノフェノー
ル、3−メチル−4−アミノフェノール、2−クロロ−
4−アミノフェノール、4−アミノ−1−ナフトール、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニル、4−アミノ
−4′−ヒドロキシジフェニルエーテル、4−アミノ−
4′−ヒドロキシジフェニルメタン、4−アミノ−4′
−ヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミ
ノフェニルスルフィド(チオジアニリン)、4,4′−
ジアミノジフェニルスルホン、2,5−ジアミノトルエ
ン、4,4′−エチレンジアニリン、4,4′−ジアミ
ノジフェノキシエタン、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン(メチレンジアニリン)、4,4′−ジアミノジ
フェニルエーテル(オキシジアニリン)等が挙げられ
る。
【0023】上記各構成成分からなる前記ポリマーa)な
いしh)は、構成成分及びポリマー中の組成比、シーケン
ス分布によっては、溶融時に複屈折を有しないものも存
在するが、本発明で用いられるポリマーは上記ポリマー
のうち溶融時に複屈折を有するものに限られる。
【0024】本発明で用いられる液晶性ポリマーは、従
来公知の方法で製造することができる。
【0025】本発明で好適に用いられる完全芳香族ポリ
マーは、一般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、
従って、溶液加工には不向きである。しかしながら、こ
れらのポリマーは通常の溶融加工法により容易に加工す
ることができる。なお、特に好ましい完全芳香族ポリマ
ーはペンタフルオロフェノールにはいくらか可溶であ
る。
【0026】本発明で使用される液晶性ポリマーは、成
膜性等を損わない範囲で適宜の分子量を有していてもよ
い。例えば、好適な完全芳香族ポリエステルは、通常重
量平均分子量が約2,000 〜200,000 、好ましくは約10,0
00〜50,000、特に好ましくは約20,000〜25,000である。
また好適な完全芳香族ポリエステルアミドは、通常、分
子量が約5,000 〜50,000、好ましくは約10,000〜30,00
0、例えば、15,000〜17,000である。分子量の測定は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーならびにその
他のポリマーの溶融形成を伴なわない標準的測定法、例
えば圧縮成形フィルムについて赤外分光法により末端基
を定量することにより実施できる。またペンタフルオロ
フェノール溶液にして光散乱法を用いて分子量を測定す
ることもできる。
【0027】上記の完全芳香族ポリエステルアミドは、
温度60℃でペンタフルオロフェノールに0.1重量%
濃度で溶解したときに、少なくとも約2.0dl/g、
例えば約2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)
を一般に示す。
【0028】特に好ましい異方性溶融相を形成するポリ
エステルは、6−ヒドロキシ−2−ナフトイル、2,6
−ジヒドロキシナフタレン及び2,6−ジカルボキシナ
フタレン等のナフタレン部分単位を約10モル%以上の量
で含有する。好ましいポリエステルアミドは、上記ナフ
タレン部分と、4−アミノフェノール又は1,4−フェ
ニレンジアミンからなる部分との反復単位を含有するも
のである。具体的には以下の通りである。
【0029】(A) 本質的に下記反復単位I 及びIIから
なるポリエステル;
【化1】 I
【化2】 II このポリエステルは、単位I を約10〜90モル%及び
単位IIを約10〜90モル%含有する。一態様において
単位I は約65〜85モル%(例えば、約75モル%)
の量まで存在する。他の態様において、単位IIは約15
〜35モル%、好ましくは約20〜30モル%の低濃度
の量で存在する。また環に結合している水素原子の少な
くとも一部は、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン
原子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合
せからなる群から選ばれた置換基で置換されていてもよ
い。
【0030】(B) 本質的に下記の反復単位II、III 及
びIVからなるポリエステル;
【化3】 II
【化4】 III
【化5】 IV このポリエステルは単位IIを約30〜70モル%含有す
る。このポリエステルは、好ましくは、単位IIを約40
〜60モル%、単位III を約20〜30モル%及び単位
IVを約20〜30モル%含有する。また環に結合してい
る水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のアルコ
キシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及
びこれらの組み合せからなる群から選ばれた置換基によ
り置換されていてもよい。
【0031】(C) 本質的に下記反復単位II、IV、V 及
びVIからなるポリエステル;
【化6】 II
【化7】 IV
【化8】 V
【化9】 VI (式中、Rはメチル基、クロロ、ブロモまたはこれらの
組み合せを意味し、芳香環上の水素原子に対する置換基
である) このポリエステルは、単位IIを約20〜60モル%、単
位IVを約5〜35モル%、単位V を約5〜18モル%及
び単位VIを約20〜40モル%含有する。このポリエス
テルは、好ましくは、単位IIを約35〜45モル%、単
位IVを約15〜25モル%、単位V を約10〜15モル
%及び単位VIを約25〜35モル%含有する。ただし、
単位IVとV の合計モル濃度は単位VIのモル濃度に実質的
に等しい。また、環に結合している水素原子の少なくと
も一部は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の
アルコキシ基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニ
ル基およびこれらの組み合せからなる群から選ばれた置
換基により置換されていてもよい。この完全芳香族ポリ
エステルは、温度60℃でペンタフルオロフェノールに
0.3W/V%の濃度で溶解したとき、少なくとも2.
0dl/g、例えば2.0〜10.0dl/gの対数粘
度を一般に示す。
【0032】(D) 本質的に下記反復単位I 、II、VII
及びVIIIからなるポリエステル;
【化10】 I
【化11】 II
【化12】 VII(式中、Arは少なくとも1個の芳香族環を含む2
価基を意味する)で示されるジオキシアリール単位
【化13】 VIII (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシア
リール単位 このポリエステルは、単位I を約20〜40モル%、単
位IIを10モル%を越え、約50モル%以下、単位VII
を5モル%を越え、約30モル%以下、及び単位VIIIを
5モル%を越え、約30モル%以下の量で含有する。こ
のポリエステルは、好ましくは、単位I を約20〜30
モル%、例えば、約25モル%、単位IIを約25〜40
モル%、例えば、約35モル%、単位VII を約15〜2
5モル%、例えば、約20モル%、及び単位VIIIを約1
5〜25モル%、例えば、約20モル%含有する。ま
た、環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこ
れらの組み合せからなる群から選ばれた置換基で置換さ
れていてもよい。
【0033】単位VII とVIIIは、ポリマー主鎖内でこれ
らの単位を両側の他の単位に結げている2価の結合が、
1または2以上の芳香環上で対称的配置にある(例え
ば、ナフタレン環上に存在するときは互いにパラの位置
か、または対角環上に配置されている)と言う意味で対
称的であるのが好ましい。ただし、レゾルシノール及び
イソフタル酸から誘導されるような非対称単位も使用で
きる。
【0034】好ましいジオキシアリール単位VII は
【化14】 であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは
【化15】 である。
【0035】(E) 本質的に下記反復単位I 、VII 、VII
Iからなるポリエステル;
【化16】 I
【化17】 VII (式中、Arは前記に同じ)で示されるジオキシアリー
ル単位
【化18】 VIII (式中、Arは前記に同じ)で示されるジカルボキシア
リール単位 このポリエステルは、単位I を約10〜90モル%、単
位VII を5〜45モル%及び単位VIIIを5〜45モル%
の量で含有する。このポリエステルは、好ましくは単位
I を約20〜80モル%、単位VII を約10〜40モル
%及び単位VIIIを約10〜40 モル%含有する。さら
に好ましくは、このポリエステルは、約60〜80モル
%の単位I 、約10〜20モル%の単位VII 、及び約1
0〜20モル%の単位VIIIを含有する。また環に結合し
ている水素原子の少なくとも一部は、炭素数1〜4のア
ルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原
子、フェニル基、置換フェニル基及びこれらの組み合せ
よりなる群から選ばれた置換基で置換されていてもよ
い。
【0036】好ましいジオキシアリール単位VII は
【化19】 であり、好ましいジカルボキシアリール単位VIIIは
【化20】 である。
【0037】(F) 本質的に下記反復単位I 、IX、X 及
びVII からなるポリエステルアミド
【化21】 I
【化22】 IX (式中、Aは少なくとも1個の芳香環を含む2価基また
は2価トランス−シクロヘキサン基を意味する)で表わ
される単位
【化23】 X (式中、Arは前記に同じ。YはO、NHまたはNR、
ZはNHまたはNRをそれぞれ意味し、Rは炭素数1〜
4のアルキル基またはアリール基を意味する)で表わさ
れる単位
【化24】 VII (式中、Arは前記に同じ)で表わされるジオキシアリ
ール単位 このポリエステルアミドは、単位I を約10〜90モル
%、単位IXを5〜45モル%、単位X を5〜45モル
%、及び単位VII を約0〜40モル%の量で含有する。
また環に結合している水素原子の少なくとも一部は、炭
素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基及びこ
れらの組み合せよりなる群から選ばれた置換基より置換
されていてもよい。
【0038】好ましいジカルボキシアリール単位IXは
【化25】 であり、好ましい単位X は
【化26】 または
【化27】 であり、好ましいジオキシアリール単位VII は
【化28】 である。
【0039】更に、本発明の異方性溶融相を形成するポ
リマーには、一つのポリマー鎖の一部が上記異方性溶融
相を形成するポリマーのセグメントから構成され、残り
の部分が異方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグ
メントから構成されるポリマーも含まれる。
【0040】上記液晶性ポリマーは、通常、熱変形温度
が80〜400℃、好ましくは120〜350℃程度で
あり、耐熱性に優れる。特に熱変形温度150〜250
℃の液晶性ポリマーは成膜性に優れるので好ましい。ま
た弾性率1×10kgf/cm2以上、引張り強度20
00kgf/cm2以上であり、機械的特性にも優れ
る。また膜厚25μmで、酸素ガス及び炭酸ガス透過性
が1.0cc/m2・24時間・気圧以下、水蒸気透過
率が約1.5g/m2・24時間・気圧以下であり、ガ
スバリア性にも優れる。さらには、温度70℃、相対湿
度96%で500時間放置しても0.003〜0.02
%程度しか変化せず、寸法安定性にも優れている。
【0041】上記液晶性ポリマーは、液晶性ポリマー層
に少なくとも50重量%、好ましくは75重量%以上含
有される。
【0042】本発明に使用される異方性溶融相を形成す
る溶融加工可能なポリマー組成物は、その他の異方性
溶融相を形成するポリマー、異方性溶融相を形成しな
い熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、低分子有機化合
物、無機物のうち少なくとも一種を含有していてもよ
い。なお、組成物中の異方性溶融相を形成するポリマー
と他の成分とは熱力学的に相溶していてもよい。
【0043】上記の熱可塑性樹脂としては、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共
重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ア
イオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレン、アクリル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、
BS樹脂、ASA樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロ
ニトリル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテ
ル、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリフェニレンオキシド等が含まれる。
【0044】上記の熱硬化性樹脂としては、例えばフ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、アルキド樹脂等が含まれる。
【0045】上記の低分子有機化合物としては、例え
ば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物
質、すなわち、可塑剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の
耐侯・耐光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料等
の着色剤、発泡剤、更に、ジビニル系化合物、過酸化物
や加硫剤等の架橋剤及び流動性や離型性の改善のための
滑剤として使用される低分子有機化合物が含まれる。
【0046】さらに上記の無機物としては、例えば、
熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂に通常添加される物質、
すなわち、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミッ
ク繊維、ボロン繊維、アスベスト等の一般無機繊維、炭
酸カルシウム、高分散性けい酸、アルミナ、水酸化アル
ミニウム、タルク粉、マイカ、ガラスフレーク、ガラス
ビーズ、石英粉、けい砂、各種金属粉末、カーボンブラ
ック、硫酸バリウム、焼石こう等の粉末物質及び炭酸け
い素、ボロンナイトライトや窒化けい素等の無機化合
物、ウイスカーや金属ウイスカー等が含まれる。
【0047】上記液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリ
マー層の膜厚は特に制限されないが、通常、1〜500
μm、好ましくは10〜250μm程度である。
【0048】また、熱可塑性ポリマー層に含有されるエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、上記液晶性ポリ
マー層に対して接着性を有するものであれば特に限定さ
れない。このエポキシ化ジエン系ブロック共重合体は、
溶融状態及び冷却固化状態の液晶性ポリマー層に対して
優れた接着性を示す。
【0049】本発明でいうジエンブロック共重合体と
は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックとか
らなるブロック共重合体をいい、ビニル芳香族化合物と
共役ジエン化合物の共重合比(モル基準)は5/95〜
70/30であり、特に10/90〜60/40の共重
合比が好ましい。また、本発明に供するブロック共重合
体の数平均分子量は5,000〜600,000、好ま
しくは10,000〜500,000の範囲であり、分
子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)]は10以下である。またブ
ロック重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あ
るいはこれらの任意の組み合わせのいずれであってもよ
い。
【0050】例えば、X−Y−X、Y−X−Y−X、
(X−Y−)4 Si、X−Y−X−Y−X等の構造を有
するビニル芳香族化合物(X)ブロック−共役ジエン化
合物(Y)ブロック共重合体である。さらにジエンブロ
ック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和結合は、部分
的に水素添加したものでもよい。
【0051】エポキシ変性ジエン系ブロック重合体を構
成するビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチ
ルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、
1,1−ジフェニルスチレン等のうちから1種または2
種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3
−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等のう
ちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエ
ン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
【0052】本発明に供するブロック重合体の製造方法
としては上記した構造を有するものであればどのような
製造方法もとることもできる。例えば、特公昭40−2
3798号、特公昭47−3252号、特公昭48−2
423号、特願昭49−105970号、特願昭50−
27094号、特公昭46−32415号、特開昭59
−166518号、特公昭49−36957号、特公昭
43−17979号、特公昭46−32415号、特公
昭56−28925号などの各公報に記載された方法に
より、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成
することができる。さらに特公昭42−8704号公
報、特公昭43−6636号公報、あるいは特開昭59
−133203号公報に記載された方法により、不活性
溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明
に供する部分的に水添したブロック共重合体を合成する
ことができる。本発明では上記したジエンブロック共重
合体をエポキシ化することにより本発明で使用されるエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体が得られる。
【0053】本発明におけるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中で
ハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と
反応させることにより得ることができる。過酸類として
は過ギ酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができ
る。ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して
触媒効果を得ることができる。
【0054】エポキシ化剤の量には厳密な制限はなく、
それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポ
キシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブ
ロック共重合体等の可変要因によって決まる。
【0055】得られたエポキシ化ジエン系共重合体の単
離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈澱させる方法、重合
体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方
法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0056】また、エポキシ化ジエン系ブロック共重合
体は、熱可塑性ポリマー層に10重量%以上含有され、
前記の熱可塑性樹脂、低分子有機化合物やロジン・
ロジン誘導体、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂な
どの粘着付与剤、ポリオレフィン系やパラフィン系など
のワックス等、無機物等を含有していてもよい。
【0057】また、本発明の複合フィルムには、エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体以外のエラストマー成分
を適量用いてもよい。例えば、ブタジエンエラストマ
ー、イソプレンエラストマー、クロロプレンエラストマ
ー、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレン−プ
ロピレンターポリマー、ブチルエラストマー、アクリル
エラストマー、テトラフロロエチレン・パーフロロメチ
ルエーテル系エラストマー、フロロシリコンエラストマ
ー、エピクロルヒドリンエラストマー、多硫化エラスト
マー、エチレン−ブテン共重合体エラストマー、スチレ
ン−ブタジエンジブロック共重合体エラストマー、スチ
レン−ブタジエントリブロック共重合体エラストマー、
スチレン−イソプレンジブロック共重合体エラストマ
ー、スチレン−イソプレントリブロック共重合体エラス
トマー、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合
体エラストマー、水素添加スチレン−ブタジエントリブ
ロック共重合体エラストマー、水素添加スチレン−イソ
プレンジブロック共重合体エラストマー等が挙げられ
る。
【0058】上記エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
を含有する熱可塑性ポリマー層の膜厚は、接着性を損わ
ない範囲であれば特に制限されないが、通常0.5〜5
0μm程度で十分な接着性を確保できる。
【0059】本発明の複合フィルムは、従来慣用の方
法、例えばドライラミネート法、押出しラミネート法、
共押出し多層成形法等で形成することができる。なお、
ラミネート加工に際しては、コロナ放電処理、スパッタ
リング処理、高周波処理、火炎処理、クロム酸処理、溶
剤エッチング処理、アンダーコート処理等や、これらを
組合せた表面処理を施してラミネートしてもよい。
【0060】さらには、本発明の複合フィルムは、ロー
ル延伸、ベルト延伸、テンター延伸、チューブ延伸等の
延伸手段により、適宜の倍率に一軸または二軸延伸され
ていてもよい。なお、液晶性ポリマー層及び熱可塑性ポ
リマー層のうち少なくとも一方が延伸されていればよ
い。
【0061】本発明の複合フィルムは、例えば第1図の
(A)に示すように、液晶性ポリマー層(1a)と熱可塑性
ポリマー層(2a)とが積層された二層構造であってもよ
く、(B)に示すように、液晶性ポリマー層(1b)の一方
の面に複数の熱可塑性ポリマー層(2b)(12b) が形成され
ていてもよい。また(C)に示すように、液晶性ポリマ
ー層(1c)の両面に熱可塑性ポリマー層(2c)(12c) が形成
されていてもよく、(D)に示すように、液晶性ポリマ
ー層(1d)の一方の面に複数の熱可塑性ポリマー層(2d)(1
2d) が形成され、他方の面に熱可塑性ポリマー層(22d)
が形成されていてもよい。更には、(E)に示すよう
に、複数の液晶性ポリマー層(1e)(11e)と複数の熱可塑
性ポリマー層(2e)(12e) とが交互に積層されていてもよ
い。
【0062】本発明の複合フィルムにおいて、液晶性ポ
リマー層と熱可塑性ポリマー層との積層形態は、図示の
構造に限定されるものではなく、種々の形態で構成する
ことができるが、複合フィルムの表裏層のうち少なくと
も一方の層が、熱可塑性ポリマー層で構成されているの
が好ましい。このような積層形態の複合フィルムでは、
少なくとも一方の面に熱可塑性ポリマー層が存在するの
で、該熱可塑性ポリマー層同士を容易かつ強固に接着さ
せることができる。
【0063】上記熱可塑性ポリマー層が、ヒートシール
性やホットメルト接着性、特に高分子材料、金属材料及
びガラスに対するホットメルト接着性を有すると、加
熱、加圧により被包装体や被接着物を容易かつ確実に包
装することができる。
【0064】また熱可塑性ポリマー層は、液晶性ポリマ
ー層の全面に亘り形成されていてもよく、部分的に、例
えば背貼り部等に対応する箇所に形成されていてもよ
い。
【0065】また液晶性ポリマー層の表面にはメッキ処
理等が施されていてもよい。
【0066】本発明の複合フィルムは、機械的性質、耐
熱性、ガスバリアー性、寸法安定性、化学的安定性、耐
薬品性及び電気的特性等に優れる液晶性ポリマー層と、
接着性に優れる熱可塑性ポリマー層とで構成されている
ため、種々の被包装物の個装、内装、外装、製袋用フィ
ルムとして使用でき、1つのフィルムで種々の内容物を
保護することができる。例えば、レトルト食品、電子レ
ンジ用食品等の食品用包装材、油性調理材料の包装材、
薬品用包装材、化粧品用包装材、芳香性物質の保香性包
装材等の他、例えば、机、実験台等の保護フィルム等の
種々の用途に使用できる。
【0067】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0068】(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の
調整) 調整例1 攪拌機、還流冷却管、および温度計を備えたジャケット
付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレ
ンのブロック共重合体a[スチレン/ブタジエン重量比
=40/60]300g、酢酸エチル1500gを仕込
み溶解した。ついで過酢酸の30wt%酢酸エチル溶液
165gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間エポキ
シ化反応をおこなった。反応液を常温にもどして反応器
より取り出し、多量のメタノ−ルを加えて重合体を析出
させ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ変性重合体を得
た。得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重合体をエ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体Aとする(重合体の
エポキシ当量490)。
【0069】調整例2 攪拌機、および温度計を備えたジャケット付反応器にポ
リスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンのブロック
共重合体[スチレン/ブタジエン重量比=20/80]
300g、シクロヘキサン3000gを仕込み溶解し、
温度60℃、水添触媒としてジ−P−トリルビス(1−
シクロペンタジエニル)チタニウム/シクロヘキサン溶
液(濃度1ミリモル/リットル)40ミリリットルと、
n−ブチルリチウム溶液(濃度5ミリモル/リットル)
8ミリリットルとを0℃、2.0kg/cm2の水素圧
下で混合したものを添加、水素分圧2.5kg/cm2
にて60分間反応させた。得られた部分水添重合体溶液
は、減圧乾燥により溶剤を除去した(ブタジエン部全体
の水添率80%)。この部分水添重合体300g、シク
ロヘキサン1500gを仕込み溶解した。ついで過酢酸
の30重量%酢酸エチル溶液200gを連続滴下させ、
攪拌下40℃で3時間エポキシ化反応をおこなった。反
応液を常温にもどして反応器より取り出し、多量のメタ
ノールを加えて重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥
させエポキシ変性重合体を得た。得られたエポキシ化ジ
エン系ブロック共重合体を重合体Bとする(重合体のエ
ポキシ当量460)。
【0070】調整例3 攪拌機、および温度計を備えたジャケット付反応器にポ
リスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンのブロック
共重合体[スチレン/イソプレン重量比=30/70]
300g、シクロヘキサン2500gを仕込み溶解し、
水添触媒としてニッケル触媒を加え、水素分圧15kg
/cm2、温度150℃、にて3時間反応させた。得ら
れた部分水添重合体溶液は、減圧乾燥により溶剤を除去
した(ブタジエン部全体の水添率85%)。この部分水
添重合体300g、シクロヘキサン1500gを仕込み
溶解した。ついで過酢酸の30重量%酢酸エチル溶液1
50gを連続滴下させ、攪拌下40℃で3時間エポキシ
化反応をおこなった。反応液を常温にもどして反応器よ
り取り出し、多量のメタノールを加えて重合体を析出さ
せ、濾別後水洗し、乾燥させエポキシ変性重合体を得
た。得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重合体を重
合体Cとする(重合体のエポキシ当量750)。
【0071】実施例1 前記反復単位I 、IIで構成されたポリエステル(A) から
なる液晶性ポリマー(ポリプラスチック(株)製、商品
名ベクトラA900)のペレットを、通常のTダイ押出
機を用いて厚み40μmのフィルムに成形した。この液
晶性ポリマーフィルムの表面をコロナ放電処理し、エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体Aを押出しラミネート
法で膜厚15μmにラミネートすることにより、第1図
の(A)に示す液晶性ポリマー層(1a)の片面に熱可塑性
ポリマー層(2a)が積層された構造の複合フィルムを作製
した。
【0072】実施例2、3及び4 実施例1のエポキシ化ジエン系ブロック共重合体Aに代
えて、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体B、エポキ
シ化ジエン系ブロック共重合体C,エポキシ化ブロック
共重合体Aとセプトン2002(クラレ製、スチレンー
イソプレンブロック共重合体の水素添加物)の50/5
0重量比組成物Dを用い、通常の共押出し機を用いて、
膜厚40μmの液晶性ポリマー層(1a)と膜厚15μmの
熱可塑性ポリマー層(2a)とからなる第1図の(A)に示
す構造の複合フィルムを作製した。
【0073】比較例1 前記反復単位I 、IIで構成されたポリエステル(A) から
なる液晶性ポリマー(ポリプラスチック(株)製、商品
名ベクトラA900)のペレットを、通常のTダイ押出
機を用いて厚み40μmのフィルムに成形した。この液
晶性ポリマーフィルムの表面をコロナ放電処理し、グリ
シジル変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学工
業(株)製、商品名ボンドファースト7B)を押出しラ
ミネート法で膜厚15μmにラミネートすることによ
り、第1図の(A)に示すように液晶性ポリマー層(1a)
の片面に熱可塑性ポリマー層(2a)が積層された構造の複
合フィルムを作製した。
【0074】比較例2及び3 実施例1で得られた未処理の液晶性ポリマーフィルム
(比較例2)と、表面をコロナ放電処理した液晶性ポリ
マーフィルム(比較例3)を用いた。
【0075】そして、上記各実施例及び比較例1で得ら
れたフィルムについては図1の(A)に示す熱可塑性ポ
リマー層(2a)にナイロン6フィルムを熱接着し、ナイロ
ン6に対するT−剥離強度をJIS K 6854に準
じて測定した。また、比較例2及び3については、液晶
性ポリマーフィルムに直接ナイロン6フィルムを熱接着
し、ナイロン6に対するT−剥離強度をJIS K 6
854に準じて測定した。測定結果を表1に示す。
【0076】
【表1】 表より明らかなように、各実施例の複合フィルムは、液
晶性ポリマーを構成要素としながらも、熱可塑性ポリマ
ー層を形成することにより、接着強度を著しく高めるこ
とができる。また上記結果からエポキシ化ジエン系ブロ
ック共重合体が液晶性ポリマーフィルムに対して強固に
接着することが判明した。
【0077】
【発明の効果】本発明の複合フィルムは、サーモトロピ
ック液晶性ポリマーを含有する液晶性ポリマー層と、エ
ポキシ化ジエン系ブロック共重合体を含有する熱可塑性
ポリマー層とで構成されているので、液晶性ポリマーを
構成要素としながらも、優れた接着性を有し、1つのフ
ィルムで種々の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)(C)(D)(E)はそれぞれ本
発明の複合フィルムの積層形態の一例を示す概略断面図
である。
【符号の説明】
(1a)(1b)(1c)(1d)(1e)(11e) …液晶性ポリマ
ー層 (2a)(2b)(2c)(2d)(2e)(12b)(12c)(12d) (12e)(22d)…熱
可塑性ポリマー層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーモトロピック液晶性ポリマーを含有す
    る液晶性ポリマー層と、エポキシ化ジエン系ブロック共
    重合体を含有する熱可塑性ポリマー層とで構成されてい
    ることを特徴とする複合フィルム。
  2. 【請求項2】表裏層のうち少なくとも一方の層が、エポ
    キシ化ジエン系ブロック共重合体を含有する熱可塑性ポ
    リマー層で構成されている請求項1記載の複合フィル
    ム。
  3. 【請求項3】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を含
    有する熱可塑性ポリマー層が、ヒートシール性を有する
    請求項2記載の複合フィルム。
  4. 【請求項4】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体を含
    有する熱可塑性ポリマー層が、ホットメルト接着性を有
    する請求項2記載の複合フィルム。
  5. 【請求項5】エポキシ化ジエン系ブロック共重合体が、
    同一分子内にビニル芳香族を主体とする重合体ブロック
    と、部分的にエポキシを含む共役ジエン化合物を主体と
    する重合体ブロックまたは部分的にエポキシを含む水素
    化共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックからな
    ることを特徴とする請求項1から4に記載の複合フィル
    ム。
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