JP2000087091A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非イオン性界面活性剤のしみだしがなく、洗
浄力に優れ、長期保存後の溶解性に優れた洗浄剤組成物
を得る。 【解決手段】 （ａ）陰イオン性界面活性剤、（ｂ）４
０℃未満の融点を有する非イオン性界面活性剤、（ｃ）
ＪＩＳ Ｋ ６２２０の方法により測定される吸油能が
１００ｍｌ／１００ｇ以上であるアルカリ耐性アルミノ
珪酸塩及び（ｄ）アルカリ剤を、それぞれ特定比率で含
有する洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は洗浄剤組成物に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】常温で液体から半固体の非イオン性界面
活性剤を配合した洗剤において、アルミノ珪酸塩等の吸
油担体を添加することにより、非イオン性界面活性剤の
しみ出しを抑制した衣料用洗浄剤組成物が知られてい
る。

【０００３】しかしながら、製造初期は流動性に優れる
が、経日における非イオン性界面活性剤のしみだしが完
全に抑制されなかったり、洗剤が吸湿した際に水不溶分
が発生する等のおそれがあった。また、ｐＨの高いアル
カリ性条件下においては、アルミノ珪酸塩からの珪酸化
合物、例えばＳｉＯ₂ の溶出により長期保存後の洗剤の
溶解性が劣化して洗浄力の低下等の商品価値を損ねるお
それもあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非イ
オン性界面活性剤のしみ出し防止性、洗浄力及び長期保
存後の溶解性が著しく改善された洗浄剤組成物を提供す
ることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、下記の成分
（ａ）〜（ｄ）を含有し、且つ成分（ａ）と成分（ｂ）
の重量比が（ａ）／（ｂ）＝５／１〜４／６、成分
（ａ）及び成分（ｂ）の合計が１５〜５０重量％、成分
（ｂ）と成分（ｃ）の重量比が（ｂ）／（ｃ）＝２０／
１〜１／５である洗浄剤組成物に関する。 （ａ）：陰イオン性界面活性剤 （ｂ）：４０℃未満の融点を有する非イオン性界面活性
剤 （ｃ）：ＪＩＳ Ｋ ６２２０の方法により測定される
吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上（無水換算）である
アルカリ耐性アルミノ珪酸塩 （ｄ）：アルカリ剤 １０〜６０重量％

【０００６】

【発明の実施の形態】陰イオン性界面活性剤〔成分
（ａ）〕としては、例えば炭素数１０〜１８のアルコー
ルの硫酸エステル塩、炭素数８〜２０のアルコールのア
ルコキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフ
ィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂
肪酸アルキルエステル塩等が挙げられる。特にアルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルコールの硫酸エステル塩及
びアルコールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩が
好ましい。特にアルキル鎖の炭素数が１２〜１４の直鎖
アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数１２〜１８のア
ルコールの硫酸エステル塩が好ましく、対イオンは、ア
ルカリ金属類が好ましく、特にナトリウム及び／又はカ
リウムが好ましい。

【０００７】融点４０℃未満の非イオン性界面活性剤
〔成分（ｂ）〕としては、例えば洗浄力の点から、ポリ
オキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマーが好ましい。特に、ポリオ
キシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、中でも炭
素数１０〜１８のアルコールにエチレンオキシドを平均
で４〜２０モル付加したポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルが好ましい。また、グリフィン（Ｇｒｉｆｆｉ
ｎ）法に基づくＨＬＢは６．５〜１４．０のものが好ま
しい。融点はＦＰ８００サーモシステムのメトラーＦＰ
８１（Ｍｅｔｔｌｅｒ Ｉｎｓｔｒｕｍｅｎｔｅ ＡＧ
製）を用い、昇温速度０．２℃／分で測定される。

【０００８】本発明において、成分（ａ）と成分（ｂ）
は、両者の合計で組成物中に１５〜５０重量％、好まし
くは２０〜４０重量％配合される。この範囲において良
好な洗浄力が得られ、その他の成分の配合量の自由度も
高くなる。また、成分（ａ）と成分（ｂ）は、（ａ）／
（ｂ）＝５／１〜４／６、好ましくは５／１〜１．１／
１の重量比で配合される。この重量比が４／６未満で
は、成分（ｂ）のしみだしが抑えきれなくなるばかり
か、親水性汚れに対する洗浄力が不十分となる。またこ
の重量比が５／１を超えると、油性汚れに対する洗浄力
が不十分となる。

【０００９】本発明の成分（ｃ）は、ＪＩＳ Ｋ ６２
２０の方法により測定される吸油能が１００ｍｌ／１０
０ｇ以上（無水換算）であるアルカリ耐性アルミノ珪酸
塩である。ここで「アルカリ耐性アルミノ珪酸塩」と
は、２０℃の２０重量％炭酸ナトリウム水溶液に１６時
間懸濁した際のＳｉＯ₂ 溶出量が３０ｍｇ／１０ｇ以
下、好ましくは２５ｍｇ／１０ｇ以下、特に好ましくは
２０ｍｇ／１０ｇ以下のアルミノ珪酸塩である。該アル
ミノ珪酸塩は、アルカリ性条件下の長期間の貯蔵におい
ても加水分解を殆ど受けないために、洗剤粒子を構成す
る粉体原料間で形成される不溶性塊の原因となる遊離の
珪酸化合物が生成しにくく、洗浄剤組成物の溶解性劣化
を著しく改善する点で好ましい。また、カチオン交換能
は１００ＣａＣＯ₃ ｍｇ／ｇ以上が好ましい。

【００１０】本発明の成分（ｃ）としては、高吸油性で
且つ陽イオン交換能に優れる点で、下記組成を有する非
晶質アルミノ珪酸塩が好適である。 ａ(Ｍ₂Ｏ)・Ａｌ₂Ｏ₃・ｂ(ＳｉＯ₂)・ｃ(Ｈ₂Ｏ) 〔式中、Ｍはアルカリ金属原子、ａ＝０．７〜２、ｂ＝
０．８〜４、ｃ＞０である。〕特に次の一般式 Ｎａ₂Ｏ・Ａｌ₂Ｏ₃・ｂ(ＳｉＯ₂)・ｃ(Ｈ₂Ｏ) 〔式中、ｂは１．８〜３．２、ｃは１〜６の数であ
る。〕で表されるものが好ましい。上記の非晶質アルミ
ノ珪酸塩は、特開平６−１７９８９９号公報記載の方法
に倣い得ることができる。

【００１１】本発明においては、成分（ｂ）と成分
（ｃ）の重量比は（ｂ）／（ｃ）＝２０／１〜１／５、
好ましくは１０／１〜１／４であり、この比率が２０／
１を超えると非イオン性界面活性剤のしみだしを十分に
抑えることができず、また１／５未満になると洗剤粒子
の製造が困難となる。

【００１２】成分（ｄ）のアルカリ剤としては、デンス
灰や軽灰と総称されている炭酸ナトリウム、セスキ炭酸
ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸
塩、並びに無定形の非晶質のアルカリ金属珪酸塩が挙げ
られる。例えば、ＪＩＳ １号、２号、３号珪酸ナトリ
ウム等の水ガラスや粉末珪酸ナトリウム、及びこれら化
合物を焼成により遊離のシラノール（Ｓｉ−Ｏ−Ｈ）基
を減少させた珪酸化合物、例えばＢｒｉｔｅｓｉｌ Ｃ
２０、Ｂｒｉｔｅｓｉｌ Ｈ２０、Ｂｒｉｔｅｓｉｌ
Ｃ２４、Ｂｒｉｔｅｓｉｌ Ｈ２４（何れもＴｈｅ Ｐ
Ｑ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ、登録商標）やＮＡＢＩＯ
Ｎ１５（ＲＨＯＮＥ−ＢＯＵＬＥＮＣ、登録商標）等の
市販品を用いることができる。これらは単独でも併用し
てもよい。アルカリ剤を配合することは洗浄性能の向上
のみならず、洗剤乾燥時の粒子の骨格形成において効果
的であり、比較的硬く、流動性に優れた洗剤を得ること
ができる。

【００１３】特にアルカリ強度、アルカリ緩衝能及び金
属イオン封鎖能の点で結晶性珪酸塩が好ましい。結晶性
珪酸塩は、０．１重量％分散液の最大ｐＨ値が１１以上
（２５℃）であり、更に該０．１重量％分散液１リット
ルをｐＨ１０にするのに必要な０．１ＮのＨＣｌ水溶液
の量が５ｍｌ以上であるものが好ましく、中でも、Ｓｉ
Ｏ₂／Ｍ₂Ｏ（但し、Ｍはアルカリ金属原子である）が
０．５〜３．２、特に１．５〜２．６の結晶性珪酸塩が
好ましい。

【００１４】また結晶性珪酸塩は、好ましくはその平均
粒径（粒度分布のメジアン径）が０．１〜２０μｍ、よ
り好ましくは１〜１０μｍである。

【００１５】上記結晶性珪酸塩は、特開平５−２７９０
１３号公報第３欄第１７行〜第６欄第２４行（特に５０
０〜１０００℃で焼成して結晶化させる方法が好まし
い。）、特開平７−８９７１２号公報第２欄右下欄第１
８行〜第４頁右上欄第３行（特に第２表の珪酸塩が好ま
しい。）記載の方法により得られる。

【００１６】上記結晶性珪酸塩は、例えば、クラリアン
ト社より商品名「Ｎａ−ＳＫＳ−６」(δ−Ｎａ₂Ｓｉ₂
Ｏ₅)として、粉末状、顆粒状のものが入手できる。

【００１７】成分（ｄ）は洗浄性能の点で１０〜６０重
量％、好ましくは１５〜４５重量％、より好ましくは２
０〜３５重量％配合される。成分（ｄ）としては結晶性
珪酸塩を含むアルカリ剤が特に好ましい。

【００１８】本発明の洗浄剤組成物は、一般にゼオライ
トといわれている結晶性アルミノ珪酸塩を配合すること
ができる。結晶性アルミノ珪酸塩としては、Ａ型、Ｘ
型、Ｐ型ゼオライトに代表される平均一次粒径が０．１
〜１０μｍ、好ましくは０．１〜５μｍの合成ゼオライ
トが好適に使用される。結晶性アルミノ珪酸塩は、組成
物中に好ましくは５〜５０重量％、より好ましくは１０
〜４０重量％配合される。

【００１９】本発明の洗浄剤組成物は、金属イオンを封
鎖する機能を有する他、固体粒子汚れを衣料から分散さ
せる作用とその粒子が衣料へ再付着（再汚染）するのを
防ぐ作用がある点で、カルボン酸系ポリマーを配合する
ことができる。分子量が１０００〜１０万の下記の
（Ｘ）式で表されるポリマー又は／及び（Ｙ）式で表さ
れるポリマー等のカルボン酸系ポリマーを配合すること
が好ましい。

【００２０】

【化１】

【００２１】（式中、Ｚは炭素数２〜８のオレフィン、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタリルスル
ホン酸等の（無水）マレイン酸、又はマレイン酸塩と共
重合可能なモノマー、ｍはコポリマーの分子量が１００
０〜１０万を示すような値である。ＭはＮａ、Ｋ、ＮＨ
₄ 、Ｈである。）

【００２２】

【化２】

【００２３】（式中、ｐは単独重合可能なモノマーであ
り、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等がその例
である。ｌはホモポリマーの分子量が１０００〜１０万
を示すような値である。ホモポリマーはＮａ、Ｋ、ＮＨ
₄ 塩となっている。） これらのカルボン酸系ポリマーの中でアクリル酸−マレ
イン酸コポリマーの塩とポリアクリル酸塩（Ｎａ、Ｋ、
ＮＨ₄ 塩）が、特に優れている。分子量は１０００〜８
００００が適している。（Ｘ）式のコポリマー又は／及
び（Ｙ）式のホモポリマーの配合量は、それぞれ１〜２
０重量％、特に２〜１０重量％が好ましい。

【００２４】本発明の洗浄剤組成物は、漂白剤又は漂白
活性化剤を配合することができる。漂白剤としては、過
炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム（１水塩が好まし
い）、又は硫酸ナトリウム過酸化水素付加体等が挙げら
れ、特に過炭酸ナトリウムが好ましく、洗剤に配合する
場合、特にゼオライト等のアルミノ珪酸塩と併用する場
合はホウ酸ナトリウムにて被覆することが好ましい。漂
白剤の配合量は０．５〜１２重量％、特に１〜８重量％
が好ましい。また、漂白活性化剤としては、遷移金属塩
もしくは遷移金属を有機性の金属キレート剤にてキレー
トしたもの、カルボン酸塩のエステルもしくはアミド化
合物、又は有機塩素化化合物等がある。本発明では特に
カルボン酸塩のエステルもしくはアミド化合物が特に好
ましく、具体的にはテトラアセチルエチレンジアミン
（ＴＡＥＤ）、アセトキシベンゼンスルホン酸塩、特開
昭５９−２２９９９号公報、特開昭６３−２５８４４７
号公報又は特開平６−３１６７００号公報記載の有機過
酸前駆体が挙げられる。漂白活性化剤の配合量は０．５
〜６重量％、特に１〜４重量％が好ましい。

【００２５】本発明の洗浄剤組成物は、結晶性アルミノ
珪酸塩、カルボン酸系ポリマー以外の金属イオン封鎖
剤、酸剤、増量剤、中性塩、酵素、酵素安定化剤、ケー
キング防止剤、酸化防止剤、蛍光染料、香料、消泡剤、
その他の公知の洗剤成分を配合できる。

【００２６】本発明の洗浄剤組成物の平均粒径は、好ま
しい粉末物性を得るために２００〜１０００μｍ、特に
２００〜６００μｍであることが望ましい。また、本発
明の洗浄剤組成物の嵩密度は０．５〜１．２ｇ／ｃ
ｍ³ 、好ましくは０．６〜１．０ｇ／ｃｍ³ 程度であ
る。

【００２７】

【発明の効果】本発明によれば、非イオン性界面活性剤
のしみだしがなく、洗浄力に優れ、長期の保存において
も溶解性に優れた洗浄剤組成物が得られる。

【００２８】

【実施例】実施例１ ＜洗剤の製造方法＞表１に示す組成及び配合量の洗剤粒
子を、以下のいずれかの方法で製造した。

【００２９】（１）製造方法１ ゼオライトの５重量％分、非晶質アルミノ珪酸塩、酵
素、香料及び結晶性珪酸塩以外の成分で含水率５０重量
％の水性スラリーを調製し、噴霧乾燥した。次いでスク
リュー押し出し造粒機により造粒し、洗剤粒子を得た。
造粒粒子をロータリーキルンに入れ、ゼオライト５重量
％分、非晶質アルミノ珪酸塩、酵素、結晶性珪酸塩をブ
レンドし、同時に香料をスプレーし最終洗剤粒子を得
た。

【００３０】（２）製造方法２ ゼオライトの７重量％分、ＡＥの３重量％分、非晶質ア
ルミノ珪酸塩、酵素、香料及び結晶性珪酸塩以外の各成
分で含水率５０重量％の水性スラリーを調製し、噴霧乾
燥した。得られた噴霧乾燥粒子、ＡＥ３重量％分、ゼオ
ライト４重量％分をハイスピードミキサー（撹袢転動造
粒機、深江工業（株））に投入し、造粒を行った。更に
ゼオライト３重量％分、非晶質アルミノ珪酸塩を加えて
表面改質を行い造粒生地を得た。得られた造粒粒子をロ
ータリーキルンに入れ、酵素、結晶性珪酸塩をブレンド
し、同時に香料をスプレーし最終洗剤粒子を得た。

【００３１】（３）製造方法３ ＡＥ、非晶質アルミノ珪酸塩、酵素、香料及び結晶性珪
酸塩以外の各成分で含水率４５重量％の水性スラリーを
調製し、噴霧乾燥を行った。得られた噴霧乾燥粒子、非
晶質アルミノ珪酸塩４．０重量％及び結晶性珪酸塩をレ
ディゲミキサー（撹袢転動造粒機、松坂技研（株）製）
に投入し撹袢を開始した。そこにＡＥをスプレーするこ
とにより添加し、造粒を行った。次いで非晶質アルミノ
珪酸塩２．５重量％を投入し、表面改質を行った。得ら
れた造粒粒子をロータリーキルンに入れ、残りの非晶質
アルミノ珪酸塩、酵素をブレンドし、同時に香料をスプ
レーし最終洗剤粒子を得た。

【００３２】＜性能評価＞ （ｉ）非イオン性界面活性剤のしみだし試験 ４Ａ濾紙からなる長さ×幅×高さが１００ｍｍ×６０ｍ
ｍ×４０ｍｍの箱の中に２００ｇの洗剤粒子を充填し、
防湿ケースに入れる。そのケースを３０℃の恒温槽中に
１カ月放置後、濾紙製箱から洗剤粒子を取り出す。濾紙
製箱を十分にエアーブローし、洗剤粒子を完全に取り除
いた後、エタノールを溶媒として濾紙に染み出した非イ
オン性界面活性剤を抽出する。内標準としてデカノール
を添加し、抽出液を濃縮した後、ガスクロマトグラフィ
ーにて分析を行い非イオン性界面活性剤のしみだし量と
した。

【００３３】（ii）洗浄力試験 （人工汚染布の調製） 下記組成の人工汚染液を布に付着して人工汚染布を調製
した。人工汚染液の布への付着は、グラビアロールコー
ターを用いて人工汚染液を布に印刷することで行った。
人工汚染液を布に付着させ人工汚染布を作製する工程
は、グラビアロールのセル容量５８ｃｍ³ ／ｃｍ² 、塗
布速度１．０ｍ／ｍｉｎ、乾燥温度１００℃、乾燥時間
１分で行った。布は木綿金巾２００３布（谷頭商店製）
を使用した。人工汚染液の組成は、ラウリン酸０．４重
量％、ミリスチン酸３．１重量％、ペンタデカン酸２．
３重量％、パルミチン酸６．２重量％、ヘプタデカン酸
０．４重量％、ステアリン酸１．６重量％、オレイン酸
７．８重量％、トリオレイン１３．１重量％、パルミチ
ン酸ｎ−ヘキサデシル２．２重量％、スクアレン６．５
重量％、卵白レシチン液晶物１．９重量％、鹿沼赤土
８．１重量％、カーボンブラック０．０１重量％及びバ
ランス量の水である。

【００３４】（洗浄条件及び評価方法）評価用洗剤水溶
液１リットルに、上記で作成した１０ｃｍ×１０ｃｍの
人工汚染布を５枚入れ、ターゴトメーターにて１００ｒ
ｐｍで洗浄した。洗浄条件は、洗浄時間：１０分、洗浄
剤濃度：０．０６７重量％、水の硬度：４°ＤＨ、水
温：２０℃、すすぎ：水道水にて５分間であった。洗浄
力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の５５０ｎｍに
おける反射率を自記色彩計（島津製作所製）にて測定
し、次式によって洗浄率（％）を求め、５枚の測定平均
値を洗浄力として示した。本試験において洗浄率が６０
％以上であることが好ましい。

【００３５】

【数１】

【００３６】(iii) 保存溶解性試験 洗剤粒子を洗剤用カートン（花王（株）アタックに使用
のもの）に５００ｇ充填し、温度３０℃、相対湿度６０
％の条件下に１２０日保存した。保存後、充填洗剤の上
部より一部をサンプリングし、溶解水量：１リットル、
洗剤濃度：０．０６７重量％、水温：２０℃、硬度：４
゜ＤＨ、溶解時間：１０分、攪拌方法：マグネティック
スターラーの条件で溶解させた。溶解液を目開き７４μ
ｍの金属メッシュにて濾過し、メッシュを１０５℃で１
時間乾燥した。乾燥前後のメッシュ重量から、下記式に
より洗剤粒子の残存率を求めた。

【００３７】

【数２】

【００３８】

【表１】

【００３９】以下に、表１中の各成分について詳述す
る。 ・ＬＡＳ：直鎖アルキル（炭素数１２〜１３）ベンゼン
スルホン酸ナトリウム ・ＡＳ：アルキル（炭素数１２〜１８）硫酸ナトリウム ・α−ＳＦＥ：α−オレフィンスルホン酸ナトリウム
（炭素数１６〜１８） ・ＡＥ：ポリオキシエチレンアルキル（炭素数１２〜１
６）エーテル、エチレンオキサイド平均付加モル数９．
５ ・石鹸：牛脂脂肪酸ナトリウム ・ゼオライト：４Ａ型ゼオライト、平均粒子径３μｍ
（東ソー（株）製） ・非晶質アルミノケイ酸塩１：特開平６−１７９８９９
号公報第１０頁記載の合成例Ｂ−１により得られた非晶
質アルミノ珪酸塩。吸油能は２８５ｍｌ／１００ｇ。こ
の非晶質アルミノ珪酸塩を２０重量％炭酸ナトリウム水
溶液に１６時間（２５℃）懸濁した後のＳｉＯ₂ 溶出量
は６．２ｍｇ／１０ｇであった。 ・非晶質アルミノ珪酸塩２：韓仏化学社製のチキソレッ
クス２５を用いた。２０重量％炭酸ナトリウム水溶液に
１６時間（２５℃）懸濁した後のＳｉＯ₂ 溶出量は１３
７ｍｇ／１０ｇであった。吸油能は２７０ｍｌ／１００
ｇであった。 ・非晶質珪酸塩：１号ケイ酸ナトリウム（東ソー（株）
製） ・結晶性珪酸塩：粉末ＳＫＳ−６（ヘキストトクヤマ
（株）製）を粉砕して平均粒径５０μｍとしたもの ・ポリアクリル酸ナトリウム：ポリエチレングリコール
を標準とする時の重量平均分子量が８０００のもの ・蛍光染料：チノパールＣＢＳ−Ｘ（チバガイギー社
製）とホワイテックスＳＡ（住友化学（株）製）の等量
混合物 ・酵素：サビナーゼ１８．０Ｔ Ｔｙｐｅ Ｗｈｉｔ
ｅ、セルザイム０．１Ｔ、ターマミル６０Ｔ（何れもノ
ボノルディスク社製）の等量混合物。

【００４０】（結果）表１に示すように、本発明品１〜
４は非イオン性界面活性剤のしみ出しがなく、長期の保
存においても溶解性に優れる。一方、（ａ）／（ｂ）の
重量比が５／１を超える場合（比較品１）は、油性汚れ
に対する洗浄力が不十分であり、（ａ）／（ｂ）の重量
比が４／６未満の場合（比較品２）は、非イオン性界面
活性剤のしみ出しを抑えきれない。また、（ｂ）／
（ｃ）の重量比が２０／１を超える（比較品３）と、非
イオン性界面活性剤のしみ出しを十分に抑えることがで
きない。更にアルカリ耐性に乏しいアルミノ珪酸塩を用
いた場合（比較品４）は、貯蔵後の溶解性の劣化を生じ
るので好ましくない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｃ１１Ｄ 3:10） (72)発明者 西條 宏之 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内 Ｆターム(参考） 4H003 AB03 AB15 AB27 AC08 BA10 DA01 EA12 EA15 EA16 EA25 EA28 EB30 EC01 FA16 FA28 FA32 FA41

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下記の成分（ａ）〜（ｄ）を含有し、且
   つ成分（ａ）と成分（ｂ）の重量比が（ａ）／（ｂ）＝
   ５／１〜４／６、成分（ａ）及び成分（ｂ）の合計が１
   ５〜５０重量％、成分（ｂ）と成分（ｃ）の重量比が
   （ｂ）／（ｃ）＝２０／１〜１／５である洗浄剤組成
   物。 （ａ）：陰イオン性界面活性剤 （ｂ）：４０℃未満の融点を有する非イオン性界面活性
   剤 （ｃ）：ＪＩＳ Ｋ ６２２０の方法により測定される
   吸油能が１００ｍｌ／１００ｇ以上（無水換算）である
   アルカリ耐性アルミノ珪酸塩 （ｄ）：アルカリ剤 １０〜６０重量％
2. 【請求項２】 成分（ｃ）が、下記の組成を有する非晶
   質アルミノ珪酸塩である請求項１記載の洗浄剤組成物。 ａ(Ｍ₂Ｏ)・Ａｌ₂Ｏ₃・ｂ(ＳｉＯ₂)・ｃ(Ｈ₂Ｏ) 〔式中、Ｍはアルカリ金属原子、ａ＝０．７〜２、ｂ＝
   ０．８〜４、ｃ＞０である。〕
3. 【請求項３】 成分（ｄ）が、ＳｉＯ₂／Ｍ₂Ｏ（但し、
   Ｍはアルカリ金属原子である）が０．５〜３．２である
   結晶性珪酸塩を含む請求項１又は２記載の洗浄剤組成
   物。