JP4694020B2 - 漂白洗浄剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は漂白洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、しみ汚れや肌着の黄ばみを除去する目的から洗浄剤に過酸化水素や無機過酸化物などの酸素系漂白剤が用いられている。また、漂白効果増強のために漂白活性化剤や漂白触媒を用いる試みがなされている。
【0003】
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミンが一般的に用いられている。また、米国特許4778618号公報にはアルカノイルグリコイルオキシベンゼンスルホン酸塩が漂白活性化剤として有用であることが開示されている。特公昭63−12520号公報、特開平7−316591号公報にはアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸又はアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸を漂白活性化剤として用いる技術が開示されている。しかしながらこれら漂白活性化剤は酸素系漂白剤に比べて優れた漂白効果を有するものの、強力漂白剤と知られている次亜塩素酸塩などの塩素系漂白剤と比べると、まだ十分満足できる漂白効果を得ることはできない。
【0004】
これに対して漂白触媒は非常に高い漂白効果を有するものであり、近年多数の研究が行われている。特開平4−216899号公報にはマンガン触媒が優れた漂白効果を有することが示されている。また、特表平10−513215号公報にはコバルト触媒が硬表面用漂白剤として有用であることが開示されている。しかしながら、漂白触媒は紅茶汚れや赤ワイン汚れ等の親水性の汚れには塩素系漂白剤並みの漂白効果を有するが、肌着の黄ばみやカレー汚れ等の親油性汚れには効果が低いという問題がある。また、漂白触媒は多々にして洗濯中に衣料等を劣化させるという重要な課題があり、この改善が強く求められている。
【0005】
衣料の劣化を改善する目的で特開平9−25499号公報には漂白触媒と粘土鉱物化合物を併用する技術が開示されている。特表平9−511774号公報には遊離基捕捉酸化防止剤物質を併用する技術が開示されている。特表平9−511775号公報には、特定の漂白活性化剤等と金属錯体を併用した布帛損傷の少ない洗濯漂白組成物が開示されている。しかしながら、これら技術においても衣類の劣化を満足できるレベルまで防ぐことはできない。
【0006】
一方、特表2000−515194号公報には大環状テトラアミド配位子とした金属錯体が漂白触媒として有用であることが開示されている。しかしながら、この漂白触媒では満足できる漂白効果を得ることができず、特に親油性汚れ漂白に効果が低いという問題がある。また、漂白活性化剤との併用も示唆されているが、ここで開示されている漂白活性化剤を併用しても、今だ満足できる漂白効果とは言えない。
【0007】
従って本発明の課題は衣料の劣化を引き起こさず、親油性汚れ及び親水性汚れの何れも高い漂白効果を有する漂白洗浄剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)下記一般式(1)で表される化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数5〜15のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数5〜15のアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸及びこれらの塩から選ばれる漂白活性化剤〔以下、(b)成分という〕、並びに(c)無機過酸化物〔以下、(c)成分という〕を含有する漂白洗浄剤組成物に関する。
【0009】
【化2】
【0010】
[式中:R1は炭素数2〜8のアルキレン基、アルケニレン基、フェニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、好ましくはフェニレン基であり、R2、R3、R4は、同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数1〜8、好ましくは1〜6のアルキレン基もしくはアルケニレン基もしくはシクロアルキレン基もしくはシクロアルケニレン基、又はフェニレン基、好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。また、R1、R2、R3、R4は、それぞれヒドロキシ基、アルコキシ基、ハロゲン基、アミノ基、硫酸基、スルホン酸基、ニトロ基、カルボン酸基から選ばれる置換基を有していても良い。MはI、II、III、IV、V、VI、VII又はVIIIの酸化状態を有する遷移金属から選択される。Xは、化学量論基準で化合物の電荷と平衡する任意の対イオンである。]
【0011】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
一般式(1)において、R1は、アルキレン基、フェニレン基が好ましく、さらにフェニレン基が好ましく、特にオルトフェニレン基が好ましい。またR2、R4は炭素数1〜8、更に1〜6のアルキレン基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基である。MはFeが最も好ましく、Xはアンモニウム塩、特に炭素数2〜10のアルキル基が4個結合したテトラアルキルアンモニウム塩が好ましい。一般式(1)の化合物は、例えば特表平2000−515152号公報に記載の方法で合成することができる。
【0012】
<(b)成分>
本発明の(b)成分の具体的に好ましい化合物としてはオクタノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、オクタノイルオキシ−p−(又は−o−)ベンゼンカルボン酸又はその塩、ノナノイルオキシ−p−(又は−o−)ベンゼンカルボン酸又はその塩、デカノイルオキシ−p−(又は−o−)ベンゼンカルボン酸又はその塩、ドデカノイルオキシ−p−(又は−o−)ベンゼンカルボン酸又はその塩であり、特にノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、ドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩、デカノイルオキシ−p−ベンゼンカルボン酸又はその塩が好ましく、漂白効果の点からドデカノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸塩が最も好ましい。
【0013】
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アルカノールアミン塩、アンモニウム塩を挙げることができ、溶解性の点からナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が好適である。
【0014】
<(c)成分>
本発明の(c)成分としては、過酸化水素、過炭酸塩あるいは過ホウ酸塩が好ましい。また、ゼオライトを含有する洗浄剤に使用する場合には、被覆した過炭酸ナトリウムを使用することが好ましい。被覆した過炭酸ナトリウムとしては、公知の方法で製造することができ、例えば特開昭59−196399号公報(過炭酸ナトリウムをホウ酸塩で被覆)、に掲載されている方法を挙げることができる。
【0015】
<漂白洗浄剤組成物>
本発明の漂白洗浄剤組成物は(a)成分を好ましくは0.0001〜5質量%、さらに好ましくは0.0001〜3質量%、特に好ましくは0.001〜2質量%含有する。また、(b)成分を好ましくは0.01〜20質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%含有する。また、(c)成分を好ましくは0.5〜99質量%、より好ましくは1〜95質量%、特に好ましくは1〜90質量%含有する。
【0016】
また、本発明では優れた漂白効果及び衣料劣化防止効果を付与するために、(a)成分/(b)成分の質量比は、1/5000〜1/4、特に1/1000〜1/10が好適である。さらに(c)/[(a)+(b)]の質量比は、1000/1〜1/1、特に500/1〜1/1が好適である。
【0017】
本発明の(a)成分及び(b)成分は造粒物として組成物に配合することが好ましく、(a)成分と(b)成分を別々の造粒物として配合してもよく、(a)成分と(b)成分を同一の造粒物としたものを用いても差し支えない。造粒物中の(a)成分及び/又は(b)成分の含有量は、好ましくは0.01〜90質量%、より好ましくは0.1〜85質量%、特に好ましくは1〜80質量%である。これらはポリオキシエチレン及び脂肪酸から選ばれるバインダー物質を用いて製剤化されるのが好ましい。ポリオキシエチレンとしては好ましくは重量平均分子量2千〜2万、より好ましくは4千〜1万、特に好ましくは4千〜8千のものが良好である。また、脂肪酸としては好ましくは炭素数8〜20、より好ましくは10〜18、特に好ましくは12〜18であり、これらはナトリウムあるいはカリウム石鹸の状態であってもよい。このようなバインダー物質は造粒物中に0.5〜99質量%、好ましくは1〜99質量%、より好ましくは5〜90質量%使用する。
【0018】
また、該造粒物には(b)成分である漂白活性化剤の洗濯浴中での溶解性を改善するために、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はこれらの混合物を好ましくは0〜50質量%、より好ましくは5〜45質量%、特に好ましくは10〜40質量%配合する。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、アルキル基の炭素数は10〜14が好ましく、好ましくはエチレンオキシド(以下EOという)及び/又はプロピレンオキシド(以下POという)の付加体、より好ましくはEOとPOのブロック付加体である。平均付加モル数はEO、PO、あるいはEOとPOの混合の何れも場合も、合計で好ましくは4〜30、より好ましくは5〜15であり、EO/POのモル比は、好ましくは5/1〜1/5、より好ましくは3/1〜1/2である。また、アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜18であり、しかもナトリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましく、特にラウリル硫酸エステルナトリウム又はミリスチル硫酸エステルナトリウムが好ましい。また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましく、またナトリウム塩が良好である。ここでオキシエチレン基の平均重合度(以下、平均重合度をPOEで示す)は1〜10、好ましくは1〜5が良好であり、特にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸エステルナトリウム(POE=2〜5)が良好である。
【0019】
本発明では上記成分を任意の方法で混合し造粒することができる。また、バインダー物質は予め融解して添加することで好ましい結果を得ることができる。バインダー物質は40〜100℃、好ましくは50〜100℃、より好ましくは50〜90℃で融解させて添加する。これらは均一になるまで攪拌混合された後、通常の造粒機により製剤化される。好ましい造粒法として押し出し造粒を挙げることができ、平均粒径が500μm〜5000μm、好ましくは500〜3000μmの造粒物にすることが好ましい。また、その他の造粒法としてはブリケット機による錠剤形状にすることも好ましい造粒法として挙げることができる。
【0020】
また、本発明では(b)成分である漂白活性化剤の安定性を向上させる目的で所望により造粒物中に酸性物質を配合してもよい。酸性物質としては有機カルボン酸類が好ましく、特にこはく酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。このような酸性物質の配合量は好ましくは造粒物中0.5〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、最も好ましくは1〜10質量%が好適である。
【0021】
本発明の漂白洗浄剤組成物は、漂白洗浄効果を向上させる目的で界面活性剤を含有することが好ましい。具体例としてはアルキル基の炭素数が10〜20、好ましくは10〜15のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基の炭素数が8〜18、好ましくは10〜14のアルキル硫酸エステル塩、アルキル基の炭素数が8〜18、好ましくは10〜14のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の好ましいEO平均付加モル数は1〜20、より好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜5である。これら陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が好ましい。また、上記以外の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、或いは両性界面活性剤を配合してもよい。具体例としては、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン或いはこれらのコポリマー、ポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキシド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド等の非イオン界面活性剤、アミンオキシド、スルホベタイン、カルボベタイン等の両性界面活性剤、或いは第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。特に炭素数10〜20、好ましくは10〜18のアルキル基若しくはアルケニル基と、平均縮合度4〜20、好ましくは4〜15のポリオキシエチレン鎖を分子内に有するポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテル、又は炭素数8〜18、好ましくは10〜18のアルキル基あるいはヤシ油もしくは牛脂由来のアルキル基組成を有する脂肪酸もしくはそのナトリウムあるいはカリウム塩を配合することが好ましい。本発明において界面活性剤の好ましい配合量は、漂白洗浄力、泡立ち性の点で、組成物中に好ましくは0.1〜60質量%、より好ましくは0.1〜50質量%、特に好ましくは0.5〜40質量%である。
【0022】
本発明の漂白洗浄剤組成物には、漂白洗浄効果を高めるために、アルカリ金属炭酸塩を配合することが好ましい。アルカリ金属炭酸塩としては、安定性の上で、ナトリウム塩が好ましく、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム及びセスキ炭酸ナトリウムを挙げることができる。最も好ましいものは炭酸ナトリウムであり、漂白活性化剤粒子や、無機過酸化物と共に別途ドライブレンドしてもよく、その際は平均粒径が100〜500μmのものを使用することが好ましい。また、界面活性剤、ゼオライト及びその他洗浄助剤と共に、スラリーあるいは捏和された緊密混合物を形成し、それを乾燥することで得られる洗剤生地の粒子として配合してもよい。アルカリ金属炭酸塩は、漂白洗浄剤組成物中に、好ましくは0.5〜60質量%、より好ましくは1〜50質量%配合される。
【0023】
本発明の漂白洗浄剤組成物には、珪酸塩を配合することが好ましい。珪酸塩は1〜3号珪酸ナトリウム等の非晶質珪酸ナトリウム、特開平7−89712号公報、特開昭60−227895号公報及び Phys. Chem. Glasses. 7, p127-p138(1966)、Z.Kristallogr., 129, p396-p404(1969)に記載されている結晶性珪酸塩、並びにクラリアント社より商品名「Na−SKS−6」(δ−Na2Si2O5)として市販されている結晶性珪酸ナトリウムが好ましい。
【0024】
なお、本発明でいう珪酸塩は20℃のイオン交換水に0.1質量%分散した場合の最大pHが11以上であり、上記分散液1Lに対してpHを10にするために0.1NのHCl水溶液を5ml以上必要とするアルカリ能に優れるものであり、ゼオライトである結晶性アルミノ珪酸塩とは区別される。
【0025】
非晶質珪酸塩は、前記の界面活性剤やアルカリ金属炭酸塩や、その他洗浄助剤と共に洗剤生地に配合するか、又は別途造粒してドライブレンドすることにより漂白洗浄剤組成物中に配合されるが、洗剤生地として配合する場合は、非晶質珪酸塩は、粒子を強固にする骨格形成剤として作用することから好ましい。また、結晶性珪酸塩は、イオン交換能を損なわないよう、漂白洗浄剤組成物にドライブレンドすることが好ましい。珪酸塩は、漂白洗浄剤組成物中に、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%配合される。
【0026】
本発明では漂白洗浄性能を向上させるためにポリマー成分を配合することが好ましく、ポリマー成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリヒドロキシアクリル酸等のホモポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーなどのカルボン酸系ポリマーの他に、ポリエチレングリコール等の非イオン性ポリマーを挙げることができる。これらの中でも特に重量平均分子量5千〜2万のポリアクリル酸もしくはポリヒドロキシアクリル酸又はそれらの塩、重量平均分子量3万〜8万のアクリル酸/マレイン酸(モル比2/8〜8/2)のコポリマー及び、重量平均分子量4千〜1万のポリエチレングリコールが好ましい。配合量は好ましくは0.05〜20質量%、より好ましくは0.1〜10質量%である。
【0027】
本発明ではセルラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素を配合することが好ましく、特に好アルカリ性微生物バチルス・エスピー KSM−635(FERM BP−1485)又はその変異株から生産されるアルカリセルラーゼを使用することでさらに漂白洗浄効果を向上させる目的で好ましい。このアルカリセルラーゼはカルボキシメチルセルロースを基質とした時の至適pHが7以上であるか、或いはpH8以上での相対活性が至適条件に対し50%以上である。市販されている酵素造粒物として具体的にはKAC500(花王(株)製)が挙げられる。
【0028】
また、本発明ではアルカリプロテアーゼを配合することが好ましい。このようなプロテアーゼとしては、バチルス エスピー KSM−K16(微工研菌寄第11418号)、バチルス エスピー KSM−K14(微工研菌寄第12587号)から生産されるアルカリプロテアーゼが良好である。市販されているプロテアーゼとしては、アルカラーゼ、サビナーゼ(ノボ・ノルディック社製)、マクサペム(ジェネンコア社製)、KAP4.3G(花王(株)製)などが挙げられる。
【0029】
本発明で用いる酵素は、培養液をろ過、濃縮した濃縮液を乾燥して得られる酵素粉末を造粒した形態で配合することが好ましく、造粒物中の酵素粉末の含有量は0.5〜30質量%、更に0.8〜25質量%が安定性の点から好適である。また、このような酵素造粒物は、漂白洗浄剤組成物中に0.1〜10質量%、更に0.2〜8質量%、特に0.3〜5質量%含有されることが好ましい。
【0030】
本発明の漂白洗浄剤組成物には、水道水中のカルシウムやマグネシウム等の濃度を低下させたり、粒子の粉末物性を向上させるための平均粒径が0.1〜10μmのA型又はP型ゼオライト等の金属イオン交換体、重金属による漂白種の分解を抑制するエチレンジアミン四酢酸塩、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩等の金属イオン補足剤、シリコーンオイルとシリカをポリエチレングリコールやセルロース系化合物に担持した消泡剤、洗剤生地の増量剤としてのぼう硝(硫酸ナトリウム)、その他蛍光染料、香料等を配合することができる。
【0031】
本発明では上述の洗浄剤成分を粉末ないしは塊状で使用でき、組成物の製造方法は特に限定されることはなく、従来より公知の方法を用いることができる。好ましくは高嵩密度の粒状の組成物である。高嵩密度化は、例えば、洗剤の噴霧乾燥粒子に非イオン界面活性剤を噴霧して高密度化する方法や、また吸油担体を含む粉体成分に直接非イオン界面活性剤を吸蔵させながら高密度化する方法津が挙げられる。具体的には、特開昭61−69897号公報、特開昭61−69899号公報、特開昭61−69900号公報、特開平2−222498号公報、特開平2−222499号公報、特開平3−33199号公報、特開平5−86400号公報、特開平5−209200号公報、特開平9−87690号公報及びWO99/29830号公報に記載の方法を挙げることができる。また、ゼオライトは、造粒物の表面改質剤として使用するために、少量を造粒中又は造粒終了直前に添加してもよい。また、結晶性珪酸塩を配合する場合、結晶性珪酸塩は高嵩密度化時に添加するか、ドライブレンドにて添加した方が好ましい。またアルカリ金属炭酸塩を配合する場合はスラリー中、造粒中又はドライブレンドの何れに添加してもよい。
【0032】
本発明の漂白洗浄剤組成物の平均粒径は、好ましい粉末物性を得るために200〜1000μm、特に200〜600μmであることが望ましい。また、本発明の漂白洗浄剤組成物の嵩密度は、好ましくは0.5〜1.2g/cm3、より好ましくは0.6〜1.0g/cm3である。
【0033】
本発明の漂白洗浄剤組成物は洗濯機洗浄、漬け置き洗浄などの洗浄方法、並びに衣類や水の量、汚れの度合い、機械の使用方法などにより、それぞれの洗浄に適した濃度にして使用することができる。例えば、洗濯機洗浄の場合、0.03〜0.3質量%の濃度、漬け置き洗浄では0.1〜2質量%の濃度で使用することが好ましい。
【0034】
【実施例】
以下の化合物を用い、下記の製造例により造粒物を調製した。
【0035】
【化3】
【0036】
・AS;ラウリル硫酸エステルナトリウム
・ES;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム(EO平均付加モル数3)
・POEO;ラウリルアルコールにEOを平均2モル、POを平均3モル、EOを平均3モル、この順にブロック状に付加させたもの
・PEG;ポリエチレングリコール(重量平均分子量8千、アルドリッチ社製)
・FA;ミリスチン酸
・こはく酸。
【0037】
製造例1−1(造粒物a−1の製造)
漂白触媒(A)5質量部、PEG95質量部の割合で合計5000gになるように深江工業(株)製ハイスピードミキサー(FS−GC−10型)に仕込んだ(PEG及びFAは予め80℃で融解したものを用いた)。ジャケット温度を80℃、主軸回転数200回転/分、解砕羽根の回転数1500回転/分で混合・昇温し、粉体の温度が70℃になったところで抜き出した。次いで得られた混合物を押し出し造粒機(不二パウダル(株)製、ペレッターダブルEXD−100型)により孔径800μmのスクリーンを通して押し出しした。得られた押し出し物を振動冷却器(不二パウダル(株)製、バイブロ/フロードライヤーVDF/6000型)で冷却した後、整粒機(不二パウダル(株)製、ナイフカッターFL−200型)にて解砕した。得られた解砕物を分級し、平均粒径900μmの造粒物a−1とした。
【0038】
製造例1−2(造粒物a’−1の製造)
漂白触媒(A)を漂白触媒(B)に変更した以外は製造例1−1と同様の方法で造粒物a−2を製造した。
【0039】
製造例1−3(造粒物a’−2の製造)
漂白触媒(A)を漂白触媒(C)に変更した以外は製造例1−1と同様の方法で造粒物a’−1を製造した。
【0040】
製造例1−4(造粒物b−1の製造)
ハイスピードミキサーへの仕込み原料をドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム70質量部、POEO5質量部、ES5質量部、こはく酸5質量部、PEG15質量部とした以外は製造例1−1と同様の方法で造粒物b−1を製造した。
【0041】
製造例1−5(造粒物b’−1の製造)
製造例1−4においてドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムをノナノイルグリコイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムに変更した以外は同様の方法で造粒物b’−1を製造した。
【0042】
製造例6(造粒物ab−1の製造)
ハイスピードミキサーへの仕込み原料を漂白触媒(A)0.5質量部、ノナノイルオキシ−p−ベンゼンスルホン酸ナトリウム65質量部、POEO5質量部、ES5質量部、こはく酸5質量部、PEG19.5質量部とした以外は製造例1−1と同様の方法で造粒物ab−1を製造した。
【0043】
製造例2(被覆された過炭酸ナトリウムPC−1の調製方法)
特開昭59−196399号公報の実施例1に基づいてメタホウ酸ナトリウム・4水和物を過炭酸ナトリウムに対して3%被覆してPC−1を得た。
【0044】
製造例3(洗剤生地の製造)
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アルキル基の炭素数が12のもの)2kg、ラウリル硫酸エステルナトリウム0.5kg、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(炭素数12,13の一級分岐鎖アルコールにEOを平均10モル付加させたもの)0.3kg、アクリル酸−マレイン酸コポリマー(モル比80:20のもの、重量平均分子量4万)0.3kg、脂肪酸塩(牛脂、Na塩)0.3kg、炭酸ナトリウム0.6kg、1号珪酸ナトリウム1.5kg、4A型ゼオライト(平均粒径0.3μm)1.5kg、ぼう硝0.4kg、PEG0.1kgから60%固形分の水スラリーを調製し、これを噴霧乾燥して得られた粒子を深江工業(株)製ハイスピードミキサー(FS−GC−10型)に入れ造粒を行い洗剤生地(平均粒径400μm、嵩密度750g/L)を得た。
【0045】
実施例
上記の方法で調製した造粒物、被覆過炭酸ナトリウムPC−1、洗剤生地を用いて表1の漂白洗浄剤組成物を調製した。これら組成物の漂白洗浄効果及び衣料劣化防止効果を下記の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0046】
<漂白洗浄効果>
表1に示す組成物10gを2Lの水道水に溶解させ、下記のように調製したカレー汚染布又は紅茶汚染布を5枚ずつを該溶液に60分間浸漬させた。その後水道水ですすぎ、乾燥させ下式によって漂白率を算出した。
【0047】
【数1】
【0048】
反射率は日本電色工業(株)製NDR−101DPで460nmフィルターを使用して測定した。
【0049】
*紅茶汚染布の調製
日東紅茶(黄色パッケ−ジ)80gを3Lのイオン交換水にて約15分間煮沸後、糊抜きしたさらし木綿でこし、この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、約2時間程度放置後、布を取りだし自然乾燥させ、洗液に色がつかなくなるまで水洗し、脱水、プレス後、10cm×10cmの試験片として実験に供した。
【0050】
*カレー汚染布の調製
ハウス食品製レトルトカレー(カレーマルシェ)の固形分をメッシュで除去した後、得られた液を沸騰するまで加熱した。この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、約2時間程度放置後、布を取りだし、余分に付着しているカレー液をへらで除去し自然乾燥させた。プレス後、10cm×10cmの試験片として実験に供した。
【0051】
<衣料劣化防止効果>
赤色ポロシャツ(シンメン株社製ポロシャツS−701レッド)5枚を表1の組成物を用いて洗濯した(東芝製2槽式洗濯機VH−360S1、表1の組成物濃度0.0667質量%、水道水30L使用、水温20℃、10分間洗浄、1分間脱水後、30Lの水道水を注水して5分間すすぎを行った。脱水後室内で自然乾燥させた)。30回洗濯を繰り返した後の衣料の状態を以下の基準で判定した。5枚の平均点を求め、平均点が1以上2未満を○、2以上2.5未満を□、2.5以上3.5未満を△、3.5以上を×として表1に示した。
【0052】
判定基準
1:ほとんど新品衣料と差がない
2:やや色褪せしているが気にならない程度である。
【0053】
3:色褪せしており、袖口の糸がほつれなどの繊維の傷みがみられる
4:かなりの色褪せと、繊維の傷みがみられる
5:衣料が裂けるなどの著しい傷みがみられる。
【0054】
【表1】
【0055】
・KAP4.3G;プロテアーゼ(花王(株)製)
・KAC500;セルラーゼ(花王(株)製)
・炭酸ナトリウム;デンス灰
Claims (1)
- (a)下記一般式(1)で表される化合物、(b)テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数5〜15のアルカノイルオキシベンゼンスルホン酸、炭素数5〜15のアルカノイルオキシベンゼンカルボン酸及びこれらの塩から選ばれる漂白活性化剤、並びに(c)無機過酸化物を含有する漂白洗浄剤組成物であって、
(b)が、(b)を0.1〜85質量%、ポリオキシエチレン及び脂肪酸から選ばれるバインダー物質を5〜90質量%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はこれらの混合物を5〜45質量%、こはく酸、マレイン酸、フマール酸、クエン酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸から選ばれる少なくとも1種の酸性物質を0.5〜20質量%含有する造粒物として配合されている、
漂白洗浄剤組成物。
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