JP2000086879A - 光学ディスク用カートリッジホルダー - Google Patents

光学ディスク用カートリッジホルダー

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JP2000086879A
JP2000086879A JP10256810A JP25681098A JP2000086879A JP 2000086879 A JP2000086879 A JP 2000086879A JP 10256810 A JP10256810 A JP 10256810A JP 25681098 A JP25681098 A JP 25681098A JP 2000086879 A JP2000086879 A JP 2000086879A
Authority
JP
Japan
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component
weight
cartridge holder
rubber
polycarbonate resin
Prior art date
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Pending
Application number
JP10256810A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Ono
哲志 小野
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Chemicals Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Chemicals Ltd filed Critical Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐衝撃性に優れ難燃性及び外観が良好で且つ
セルフタップ部の強度にも優れる光学ディスク用カート
リッジホルダーを提供する 【解決手段】 芳香族ポリカーボネート樹脂86〜9
1.95重量%、リン酸エステル化合物6〜8重量%、
ポリシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合っ
た構造を有している複合ゴムに少なくとも一種のビニル
単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共
重合体及び/またはゴム質重合体が50重量%以上のア
クリル系グラフト共重合体2〜4重量%、エステル系内
部離型剤0.05〜1重量%及びフィブリル形成能を有
するポリテトラフルオロエチレン0〜1重量%からなる
実質的にハロゲン原子を含まない樹脂組成物より形成さ
れた部品を有する光学ディスク用カートリッジホルダ
ー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ディスク用カ
ートリッジホルダー(以下単にホルダーと略称すること
がある)に関する。さらに詳しくは、セルフタップ部の
強度、耐衝撃性に優れ、また外観及び難燃性にも優れる
CD−RW、PD、MO、DVD−RAM等の光学ディ
スク用カートリッジホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的
特性、寸法精度、電気特性等に優れ、エンジニアリング
プラスチックとして電気、電子機器分野、自動車分野、
OA分野等さまざまな分野において幅広く使用されてい
る。そして、これらの用途のなかでもOA分野、特にパ
ソコン本体及びその周辺機器に関係する用途では最近の
伸びは目覚しく、製品の種類としても多様なものが開発
され次々に上市されている。
【0003】また、コンピューター等において使用する
情報記録媒体として書き替え可能なものとしてはFD
(フロッピーディスク)のような磁気ディスクととも
に、CD−RW(書き替え可能型コンパクトディス
ク)、PD(相変化方式書き替え型光ディスク)、MO
(光磁気ディスク)、DVD−RAM(書き替え可能型
デジタルバーサタイルディスク)等の光学ディスクが代
表的に挙げられるが、記憶容量が大きい等の観点から今
後、光学ディスクが主流になると予測されている。これ
ら書き替え可能な光学ディスクは、記録面保護の観点か
ら、CD、CD−ROM、DVD−ROM等の読み取り
専用光学ディスクとは異なって、ディスクをカートリッ
ジに収納して使用する方式が主流である。そのため駆動
装置の面でも読み取り専用ディスクで使用されていたト
レイ方式によるディスクローディングシステムとは異な
った方式が必要になる。
【0004】書き替え可能な光学ディスクのディスクロ
ーディングシステムとしてはカートリッジごと駆動装置
本体にディスクを差し込むスロットインシステムが提唱
されているが、その場合、カートリッジを位置ずれのな
いよう差し込むガイドの役目を果たすカートリッジホル
ダーが駆動装置本体に付属されなければならない。
【0005】このカートリッジホルダーは従来のトレイ
状のものとは異なり、光学ディスクのカートリッジを、
かかるカートリッジの上下左右の4方向からガイドする
ものであり、ディスクの位置決めをするのにより確実な
方式である。
【0006】しかしながら、これにより、駆動装置全体
を通常のトレイ方式の場合と同様の大きさ(厚み)とす
るためには、単純にかかるカートリッジホルダーの上下
方向の厚みを、従来のトレイに対して1/2の厚みとし
なければならない。更にパソコン本体の小型化、すなわ
ち駆動装置本体の小型化の要求は近年ますます強くなっ
ており、これらの観点からカートリッジホルダーは場合
によっては1.0mm以下の厚みで設計されているた
め、1.0mm以下という極めて薄い厚みでの強度維持
が必要となる。また電子機器においてはその安全性の観
点から一般に難燃性が必要とされるため1.0mm以下
の厚さでも達成可能な高い難燃性が必要となる。更にか
かるホルダーは外部に露出する部材であるため良好な外
観も求められている。
【0007】更に加えて、かかるホルダーにおいては、
通常2分割に形成されたホルダーの上下をネジ止めによ
り固定して作成するため、2分割された一方また両方に
セルフタップ部が設けられており、このためセルフタッ
プ部の強度に優れていることも要求される。従ってこれ
らの高レベルな要求をすべて満足するためには、かかる
要求を満足する材料によりホルダーが形成される必要が
ある。尚ここでセルフタップ部の強度とは、セルフタッ
プネジを締め付ける際に締め付けに対するかかる部分の
耐性、その繰返し時の耐性及び締め付けられたネジが固
定でき得る強度等のセルフタップ部における破壊に対す
る耐性をいう。
【0008】かかる成形品に対して、従来から知られて
いるハロゲン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネー
ト樹脂を用いると、ハロゲン系難燃剤配合による強度低
下があり、1.0mm以下の厚みでの強度維持が困難で
あり、且つセルフタップ部の強度も低くなる。また、一
般にハロゲン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネー
ト樹脂は、流動性にも劣るために1.0mm以下の厚み
での成形加工が困難となり、得られるホルダーの外観に
変色やシルバーストリークが生じる等の問題が生じ、一
方かかる問題を避けるため芳香族ポリカーボネート樹脂
の分子量を低下させた場合には、セルフタップ部の強度
が全く実用性のないものになってしまう。すなわちハロ
ゲン系難燃剤を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂か
ら形成されたホルダーは要求される特性を満足するもの
ではなかった。
【0009】特公昭58−13587号公報には、ポリ
カーボネート樹脂に芳香族スルホン酸金属塩を配合した
樹脂組成物が記載されているが、かかる樹脂組成物から
ホルダーを形成した場合も、ハロゲン系難燃剤を配合し
た場合と同様、得られたホルダーは要求される特性のす
べてを満足するものとはならない。
【0010】また特開平7−316409号公報には、
ポリカーボネート樹脂、リン酸エステル化合物、複合ゴ
ム系グラフト共重合体、及びポリテトラフルオロエチレ
ンからなる樹脂組成物が開示されているが、かかる樹脂
組成物から形成されたホルダーにおいても、ホルダーの
特性として特に必要なタップ強度を満足するものではな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐衝
撃性に優れ難燃性及び外観が良好で且つセルフタップ部
の強度にも優れるCD−RW、PD、MO、DVD−R
AM等の光学ディスク用カートリッジホルダーを提供す
ることにある。本発明者は、この目的を達成せんとして
鋭意研究を重ねた結果、特定の芳香族ポリカーボネート
樹脂、特定量のリン酸エステル化合物、特定量の特定ゴ
ム成分からなる樹脂組成物に、及び特定の内部離型剤を
配合した樹脂組成物から形成された光学ディスク用カー
トリッジホルダーが、上記に示す高レベルの条件を満足
するものであることを見出し、本発明に到達した。
【0012】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、以下のa成分〜e成分の合計が100重量%である
樹脂組成物であって、実質的にハロゲン原子を含まない
粘度平均分子量18,000〜25,000の芳香族ポ
リカーボネート樹脂(a成分)86〜91.95重量
%、リン酸エステル化合物(b成分)6〜8重量%、ポ
リシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った
構造を有している複合ゴムに少なくとも一種のビニル単
量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重
合体及び/またはゴム質重合体が50重量%以上のアク
リル系グラフト共重合体(c成分)2〜4重量%、エス
テル系内部離型剤(d成分)0.05〜1重量%及びフ
ィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン
(e成分)0〜1重量%からなる実質的にハロゲン原子
を含まない樹脂組成物(A成分)より形成された部品を
有する光学ディスク用カートリッジホルダーが提供され
る。
【0013】本発明のa成分として使用される芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、通常二価フェノールとカーボネ
ート前駆体との溶液法あるいは溶融法で反応せしめて製
造される。二価フェノールの代表的な例を挙げると、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビ
スフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)プロパン、2,2−(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフォン等があげられる。好ましい二価フェ
ノールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特
にビスフェノールAを主原料とするものである。また、
カーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カル
ボニルエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具
体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、二価フェ
ノールのジハロホルメート及びそれらの混合物である。
ポリカーボネート樹脂を製造するに当たり、前記二価フ
ェノールを単独でまたは2種以上を使用することができ
る。かくして得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の2
種以上を混合しても差し支えない。かかる芳香族ポリカ
ーボネート樹脂を製造するにあたって、適当な分子量調
節剤、分岐剤、反応を促進するための触媒等を使用して
もよい。
【0014】芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する基
本的な手段を簡単に説明する。カーボネート前駆物質と
してホスゲンを使用する溶媒法(界面重合法)の場合、
通常酸結合剤及び溶媒の存在下に反応を行う。酸結合剤
としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物
が用いられる。溶媒としては例えば塩化メチレン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また
反応促進のために例えば第三級アミンまたは第四級アン
モニウム塩等の触媒を用いることもできる。分子量調節
剤としては例えばフェノール、またはp−tert−ブ
チルフェノールのようなアルキル置換フェノール、及び
4−(2−フェニルイソプロピル)フェノールのような
アルアルキル置換フェノール等の末端停止剤を用いるこ
とが望ましいが、末端停止剤及び必要に応じて分岐剤
を、それぞれ反応の初期からまたは反応の途中から添加
する。その際、反応温度は通常0〜40℃であり、反応
時間は数分〜5時間である。反応中のpHは10以上に
保つのが好ましい。尚、結果として得られた分子鎖末端
の全てが末端停止剤に由来の構造を有する必要はない。
【0015】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応(溶融法)では、不活性ガ
ス雰囲気下に所定割合の二価フェノール成分及び必要に
応じて分岐剤等を炭酸ジエステルと加熱しながら攪拌し
て、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
る方法により行われる。反応温度は生成するアルコール
またはフェノール類の沸点等により異なるが、通常12
0〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧に
して生成するアルコールまたはフェノール類を留出させ
ながら反応を完結させる。また反応を促進するために、
アルカリ金属化合物や含窒素塩基性化合物等の現在公知
のエステル交換反応に使用される触媒を使用することも
できる。前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエス
テルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジナフ
チルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチ
ルカーボネート等が挙げられる。これらのうち特にジフ
ェニルカーボネートが好ましい。また末端停止剤として
ジフェニルカーボネートやメチル(2−フェニルオキシ
カルボニルオキシ)ベンゼンカルボキシレート等を、反
応の初期段階でまたは反応の途中段階で添加すること、
及び反応終了直前に従来公知の各種触媒失活剤を添加す
ることも好ましく行われる。
【0016】本発明のa成分の芳香族ポリカーボネート
樹脂は、上記芳香族ポリカーボネート樹脂であって、か
つ実質的にハロゲン原子を含まないものである。実質的
にハロゲン原子を含まないとは、上記の製造方法以外に
更にハロゲン系難燃剤の如く、ハロゲン原子を含有する
化合物を配合しないことをいい、上記芳香族ポリカーボ
ネートの製造方法において残留する数100ppmオー
ダーの微量の塩素系溶媒他までも対象とするものではな
い。更にかかるa成分の芳香族ポリカーボネート樹脂
は、18,000〜25,000の粘度平均分子量を有
するものであり、更に好ましくは19,000〜23,
000の粘度平均分子量である。尚かかる粘度平均分子
量は、粘度平均分子量の異なる2種以上の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂の混合により達成されるものであっても
よい。粘度平均分子量が18,000未満となると強
度、特にセルフタップ部の強度が十分ではなく、25,
000を越えると成形性が著しく低下し、極めて過酷な
条件でホルダーを作成することになるため、ホルダー成
形品が変色またはシルバーストリーク等が発生し、また
熱劣化により強度の低下を生ずることにもなる。
【0017】尚、本発明で言う粘度平均分子量(M)は
塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7
gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を
次式に挿入して求めたものである。 ηsp/C=[η]+0.45×[η]2C [η]=1.23×10-40.83 (但し、[η]は極限粘度であり、Cはポリマー濃度で
0.7である。)
【0018】本発明のb成分として使用されるリン酸エ
ステル化合物としては、下記式で示されるリン酸エステ
ル系化合物が挙げられる。
【0019】
【化1】
【0020】(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、
レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メ
タン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、
またはn数の異なるリン酸エステルのブレンドの場合は
0〜5の平均値であり、R1、R2、R3及びR4はそれぞ
れ独立してフェノール、クレゾール、キシレノール、イ
ソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−クミル
フェノールから誘導されるものである。)
【0021】更に好ましくは、上記式中のXは、ハイド
ロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから誘導
されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ1で
あり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異なるリ
ン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値であ
り、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立してフェノー
ル、クレゾール、キシレノールから誘導されるものであ
る。
【0022】また特に好ましくは、Xはレゾルシノール
から誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞれ
1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3、及
びR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレノー
ルから誘導されるものである。
【0023】かかるリン酸エステル系難燃剤の中でも、
モノホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェ
ート、縮合リン酸エステルとしてはレゾルシノールビス
(ジキシレニルホスフェート)が、難燃性が良好であり
かつ成形時の流動性が良好である等の理由により好まし
く使用できる。
【0024】本発明はc成分としてポリシロキサンゴム
成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが
分離できないように相互に絡み合った構造を有している
複合ゴムに少なくとも一種のビニル単量体がグラフト重
合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体、及び/また
はゴム質重合体が50重量%以上のアクリル系グラフト
共重合体を使用する。
【0025】かかるゴム系グラフト共重合体の内、ポリ
シロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレー
トゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構
造を有している複合ゴムに少なくとも一種のビニル単量
体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合
体は、まず3員環以上の各種の環状オルガノシロキサ
ン、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタ
メチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペン
タシロキサン等と、架橋剤及び/またはグラフト交叉剤
を用いて乳化重合によりポリオルガノシロキサンゴムの
ラテックスを調整し、次にアルキル(メタ)アクリレー
ト単量体、架橋剤及びグラフト交叉剤とをポリオルガノ
シロキサンゴムのラテックスに含浸させてから重合する
ことによって得られる。
【0026】ここで用いるアルキル(メタ)アクリレー
ト単量体としてはメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルア
クリレート及びヘキシルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙
げられるが、特にn−ブチルアクリレートが好ましい。
【0027】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物、メチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステルを挙げ
ることができ、これらは単独でまたは二種以上組み合わ
せて用いられる。尚、かかる複合ゴムグラフト重合体
は、グラフト重合させるビニル系単量体がグラフトされ
ずに遊離したビニル系単量体の重合体または共重合体と
の混合物であってもよく、また更にかかるビニル系単量
体の重合体または共重合体を複合ゴムグラフト重合体に
混合したものであってもよい。
【0028】この複合ゴム系グラフト共重合体中のポリ
オルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分の架橋網目が相互に絡んだ構造を有
しているためそれぞれのゴム成分はアセトンやトルエン
等の通常の有機溶媒では分離・抽出できないものであ
り、またかかる構造を有しているためこれを配合するこ
とにより衝撃強度の優れた成形品を得ることができる。
この複合ゴム系グラフト共重合体に代えてポリオルガノ
シロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレー
トゴム成分をそれぞれ単独でまたは単に混合して用いた
のでは衝撃強度の高い成形品を得ることは困難である。
ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム成分の割合は、両ゴム成分の合計
量を100重量%とすると、ポリオルガノシロキサンゴ
ム成分10〜90重量%とポリアルキル(メタ)アクリ
レートゴム成分90〜10重量%の範囲を取ることがで
きる。また、複合ゴムの平均粒径は、通常0.08〜
0.6μm程度である。この複合ゴム系グラフト共重合
体は市販品として三菱レイヨン(株)製メタブレンS−
2001、SRK−200等があり、容易に入手でき
る。
【0029】また、本発明のc成分におけるゴム質重合
体が50重量%以上のアクリル系グラフト共重合体と
は、いわゆるMBS樹脂及びアクリル酸エステル系コア
−シェルグラフト共重合体であってかかるグラフト共重
合体100重量%中、ゴム質重合体を50重量%以上含
有するものをいう。
【0030】ここで、MBS樹脂とは、ポリブタジエン
やブタジエン−スチレン共重合体等のブタジエン系ゴム
質重合体にメタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合
物、及びシアン化ビニル化合物の一種以上を塊状重合、
懸濁重合、塊状懸濁重合、溶液重合あるいは乳化重合等
の方法、特に好ましくは乳化重合の方法でグラフト重合
してなるものである。したがって文字どおりメタクリル
酸エステル成分、及び芳香族ビニル化合物を必須成分と
するものではない。ここに、ブタジエン成分の量はMB
S樹脂100重量%中、50〜85重量%、好ましくは
55〜75重量%である。ブタジエン成分の量が50重
量%未満では得られる組成物の耐衝撃性が低く、85重
量%を超えると得られる組成物のタップ強度が低下し好
ましくない。ここでメタクリル酸エステルとしては、メ
チルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート等の炭素数1〜4のアルキルエステルを挙げる
ことができ、特にメチルメタクリレートが好ましい。芳
香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン等を挙げることができ、特に
スチレンが好ましい。シアン化ビニル化合物としては、
アクリロニトリル、メタクリロニトリルを挙げることが
できる。
【0031】上記の中でも、グラフト重合する成分とし
ては、メタクリル酸エステルを必須成分とするものであ
り、メタクリル酸エステルと芳香族ビニル化合物の組み
合わせが好ましく、最も好ましくはメタクリル酸エステ
ルのみを有する場合であり、かかる中でもメタクリル酸
メチルのみを含有する場合が好ましい。かかるグラフト
共重合体は市販品としては呉羽化学工業(株)製パラロ
イドEXL2602等があり、容易に入手できる。
【0032】アクリル酸エステル系コア−シェルグラフ
ト共重合体とは、アルキル基における炭素数が2〜12
個であるアクリル酸のアルキルエステル70〜95重量
%とブタジエンで代表される共役ジエン型二重結合を持
つ多官能性重合性単量体30〜5重量%とを必須成分と
し、0.01〜3重量%の架橋剤を添加して乳化重合法
により共重合させて得られる架橋ゴム共重合体からなる
コア50〜75重量%に、50〜80重量%のスチレン
と50〜20重量%のメチルメタクリレートとのモノマ
ー混合物を0.01〜2重量%の架橋剤の存在下にグラ
フト重合させてなるか、または10〜50重量%のアク
リロニトリル、10〜80重量%のスチレン及び10〜
50重量%のメチルメタクリレートとのモノマー混合物
を0.01〜2重量%の架橋剤の存在下にグラフト重合
させてなる中間層45〜10重量%を形成し、次いでメ
チルメタクリレートを0.01〜2重量%の架橋剤の存
在下にグラフト重合させてなるシェル5〜25重量%を
形成してなるものである。かかるアクリル酸エステル系
コア−シェルグラフト共重合体として、呉羽化学工業
(株)から商品名「HIA−15」、「HIA−2
8」、「HIA−30」として市販されている樹脂が好
適に用いられる。
【0033】本発明のd成分として使用されるエステル
系内部離型剤としては、脂肪酸と脂肪族アルコールとの
エステル、脂肪酸と芳香族アルコールとのエステル、脂
肪酸と多価アルコールとの部分エステルあるいは全エス
テル、脂肪酸とポリグリコールとの部分エステルあるい
は全エステル、エポキシエステル、エステル系天然ワッ
クス類等が挙げられる。通常成形時に成形品の金型への
固着を防止する離型剤としては、上述のエステル系以外
に、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
パラフィンワックス等の炭化水素系、ステアリン酸アミ
ド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド系内部離型剤等
が挙げられるが、炭化水素系内部離型剤はポリカーボネ
ート樹脂との相溶性が低いために、ポリカーボネート樹
脂は炭化水素系内部離型剤配合によりタップ強度が著し
く低下してしまう。また、脂肪酸アミド系内部離型剤は
アミド基の塩基性が高いためにポリカーボネート樹脂に
配合した場合、ポリカーボネート樹脂を分解してしまう
ため実用的ではない。エステル系内部離型剤としては、
例えば理研ビタミン(株)よりグリセリン脂肪酸エステ
ル「リケマールS−100A」(商品名)として、ある
いは、ヘキスト(株)よりモンタン酸エステル「ヘキス
トワックスE」(商品名)として市販されている。
【0034】本発明においては、上記のa成分、b成
分、c成分及びd成分に加えて、更にe成分としてフィ
ブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンを配
合した材料よりカートリッジホルダーを得ることも、カ
ートリッジホルダーに要求される種々の特性を低下させ
ることなく、更に高度な難燃性を付与できる点で好まし
く行うことができる。ここでe成分として使用するフィ
ブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンとし
ては、重合体中に容易に分散し、且つ重合体同士を結合
して繊維状材料を作る傾向を示すものである。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンはAST
M規格でタイプ3に分類される。フィブリル形成能を有
するポリテトラフルオロエチレンとしては、例えば三井
・デュポンフロロケミカル(株)よりテフロン6Jまた
はテフロン30Jとして、あるいはダイキン化学工業
(株)よりポリフロンF−201LまたはポリフロンF
A500として市販されている。またかかるフィブリル
形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、固体状
態のもの、及び分散媒中に分散混合させたディスパージ
ョン形態のいずれかの態様のものも使用可能であるが、
分散剤成分がポリカーボネート樹脂に悪影響を与える場
合があるため、特に固体状態のものが好ましく使用でき
る。
【0035】上記において説明した、本発明におけるa
成分の芳香族ポリカーボネート樹脂の配合割合として
は、a成分〜d成分及び任意にe成分からなる樹脂組成
物であるA成分100重量%中、86〜91.95重量
%が好ましい。a成分の配合割合が、86重量%未満で
は強度維持が困難であり、91.95重量%を越えると
成形性(流動性)に劣るため実用的ではない。b成分で
あるリン酸エステル化合物の配合割合としては、A成分
100重量%中6〜8重量%と、極めて限定された量で
ある。リン酸エステル化合物の配合割合が、6重量%未
満では流動性が不十分であるため熱負荷等の高い成形条
件が必要となり、得られるカートリッジホルダーの強度
を逆に低下させる。8重量%を越えると耐熱性や、耐衝
撃性等の強度が低下してしまう。
【0036】本発明のc成分の配合量は、A成分100
重量%中2〜4重量%と極めて限定された量である。c
成分の配合量が2重量%未満では、強度維持が困難であ
り、4重量%を越えるとセルフタップ部の強度が不足す
る。またd成分であるエステル系内部離型剤の配合割合
は、A成分100重量%中0.05〜1重量%である。
d成分が0.05重量%未満ではセルフタップ部の強度
が不十分となり、1重量%を越えると得られた成形品の
耐衝撃性等の強度維持、及びセルフタップ部の強度が不
足するため適当ではない。
【0037】更にe成分の配合割合としてはA成分10
0重量%中、0〜1重量%であるが、好ましくは0.0
5〜1重量%、特に好ましくは0.1〜0.3重量%で
ある。0.05〜1重量%が機械的特性を損なうことな
く難燃性を大幅に向上させることが可能であるので好ま
しく使用できる範囲である。
【0038】本発明のカートリッジホルダーは、実質的
にa成分、b成分、c成分、d成分及び任意にe成分か
らなる樹脂組成物(A成分)より形成されるものである
が、本発明のA成分からなる樹脂組成物と実質的に同等
の特性を維持できる範囲であれば、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリア
ミド、アクリル樹脂、ポリアリレート等の他の熱可塑性
樹脂が混合されたものも使用可能である。更に本発明の
目的を損なわない範囲であれば、核剤(例えば、ステア
リン酸ナトリウム、エチレン−アクリル酸ナトリウム共
重合体等)、安定剤(例えば、リン酸エステル、亜リン
酸エステル等)、酸化防止剤(例えば、ヒンダードフェ
ノール系化合物等)、光安定剤、着色剤、発泡剤、帯電
防止剤等の一般に微量配合される各種の添加剤を配合す
ることも可能である。
【0039】本発明のA成分を製造するには、任意の方
法が採用される。例えば実質的にハロゲン原子を含まな
い芳香族ポリカーボネート樹脂、リン酸エステル化合
物、フィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチ
レン、衝撃改質剤、エステル系離型剤及び適宜その他の
添加剤を例えばV型ブレンダー等の混合手段を用いて充
分に混合した後、ベント式二軸ルーダーに代表される溶
融混練機で溶融混練、及びペレタイザー等の機器により
ペレット化される。
【0040】本発明のカートリッジホルダーは通常、上
記ペレットを射出成形して薄肉成形品を製造する方法等
の一般に工業的に用いられる方法を適宜用いて製造する
ことが可能である。かかる射出成形においては、通常の
コールドランナー方式の成形法だけでなく、ランナーレ
スを可能とするホットランナーによって製造することも
可能である。また射出成形においても、通常の成形方法
だけでなくガスアシスト射出成形、射出圧縮成形、超高
速射出成形等を使用することができる。
【0041】尚、本発明のカートリッジホルダーとは、
基本的な構造として、光ディスクカートリッジの上下左
右の四方をガイドする構造を有するものであり、通常上
下部分を形成する厚みが1.2mm以下、好ましくは
1.0mm以下から構成されるものである。カートリッ
ジホルダーの部品構成としては、一体成形されたもの、
2分割された成形部品を組み合わせ一体化したもの、3
分割以上に成形された部品を組み合わせ一体化したもの
等の各種の構成が可能なものである。
【0042】本発明のA成分である樹脂組成物は、当然
一体成形された構造のものについても良好なカートリッ
ジホルダーを提供し得るが、より高い効果を発揮するの
は、2分割以上に成形された部品を組み合わせ一体化し
た場合であり、特に部品中にセルフタップ部を有する場
合である。尚、一体成形された場合は反りの点で成形品
の精度がやや劣り、またセルフタップネジ以外の方法で
2分割以上の部品を組み合わせる場合も、精度の点でや
や劣るため、基本的には2分割以上に成形された部品を
セルフタップネジにより組み合わせて一体化する方法が
採られる。
【0043】2分割以上の成形品を一体化するためのセ
ルフタップ部は、構成する部品の全部に有する場合、ま
たは一部に有する場合のいずれもが本発明の対象となる
が、一般には一部の部品に有するものである場合が多
い。
【0044】また2分割以上の部品により構成される場
合には、その一部を本発明におけるA成分以外の他の材
料で置き換えたものも本発明でいうカートリッジホルダ
ーの対象となる。セルフタップ部を有しない部品や、外
部に露出されない部分は、本発明が目的とするところの
要求を満足する必要がないからである。一方でセルフタ
ップ部を有する場合は、本発明のA成分から形成される
必要がある。
【0045】尚、本発明におけるA成分以外の他の材料
としては、目的に応じて各種の樹脂を使用できるが、代
表的なものとしては、ポリカーボネート樹脂、ABS、
AS、ASA、HIPS等のスチレン系樹脂、変性ポリ
フェニレンエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、及びこれ
ら樹脂をベースとして各種のポリマーブレンドや添加剤
付与により改質されたもの、例えば難燃タイプ、高衝撃
タイプ、高流動タイプ、摺動タイプ等を使用することが
できる。また本発明のカートリッジホルダーはかかる成
形体の上に更にコーティング、塗装、メッキ等の2次加
工を施し、美観の向上、帯電防止性の付与、撥水性の付
与といった機能性を付与することも可能である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて更に説明す
るが、本発明はそれに限定されるものではない。尚、評
価としては以下の項目について実施した。
【0047】(1)材料特性 (1−)難燃性 UL規格に従って作成した厚さ0.8mmの試験片を用
いて試験を行った。試験の結果に基づいてUL−94V
−0、V−1及びV−2のいずれかの等級に評価した。 (1−)耐衝撃性(アイゾット衝撃強さ) ASTM規格D−256に従って作成した厚さ1/8の
試験片に対し、アイゾットノッチ付衝撃試験を行った。 (1−)成形性(流動性) JIS規格 K6719に従って、測定温度280℃、
荷重2,160gにてMFR値を測定した。
【0048】(2)カートリッジホルダー成形品の特性 (2−)セルフタップ特性 図1〜図3に示すカートリッジホルダー成形品(天板ま
たは底板部分はほぼ均一な肉厚であり、その平均肉厚は
0.9mmである)のうち、カートリッジホルダー上カ
バー部品におけるセルフタップ部(ボス外径4.0m
m、下穴径1.6mm)において、以下の項目について
測定を行った。
【0049】(2−−a)破壊トルク値:手動トルク
ドライバー((株)ハイオス製デジタルトルクテスター
HD−50)にてタップタイトネジ(日東精工(株)製
Pタイト:呼び径2.0mm、呼び長さ4.0mm)を
締め付けて締め付け時の破壊トルクを測定した。破壊ト
ルク値が高いほどセルフタップネジ締め付け時における
ボスの破壊が少なく良好である。この場合4.0kgf
・cm以上であることが実用的に好ましい。
【0050】(2−−b)引き抜き荷重:手動トルク
ドライバー((株)ハイオス製デジタルトルクテスター
HD−50)にてタップタイトネジ(日東精工(株)製
Pタイト;呼び径2.0mm、呼び長さ4.0mm)
を、厚み0.8mmの鋼板を、1.8mm径の孔を通し
て締め付け時の破壊トルクの80%で締め付けた後、鋼
板部分を引っ張る治具を備えたつけた引張試験機
((株)オリエンテック製テンシロンUCT−1T)を
用いて、タップタイトネジを試験片から引き抜くときの
最大荷重を測定した。
【0051】(2−−c)繰返し試験:オートストッ
プ機能のトルク値を約4.0kgf・cmに設定した電
動ドライバー((株)ハイオス製クラッチ式トルク自動
制御電動ドライバーCL−4000)を用いて、タップ
タイトネジ((日東精工(株)製Pタイト;呼び径2.
0mm、呼び長さ4.0mm)を繰返して締め付け及び
緩めを行い、20回連続して行った場合にボス部分の破
壊が生じないか否かを確認した。破壊が生じたものを
×、20回行っても破壊が生じないものを○とした。か
かる特性が不十分であると、組み付けミスや修理の場合
に繰返し実施されるネジの締め付けに対する耐性が不十
分であり好ましくない。
【0052】(2−)面衝撃特性(破壊エネルギー) 図1〜図3に示されたカートリッジホルダー上カバー部
品の成形品(平均肉厚:0.9mm)の平坦部を40m
m×50mmの大きさに切り出し、高速面衝撃試験機
((株)島津製作所製高速面衝撃試験機ハイドロショッ
トHTM−1)にて、ポンチ径1/2インチ、下穴径1
インチ、平均速度7.0m/sのスピードで高速面衝撃
試験を行い、破壊までに要するエネルギー(破壊エネル
ギー)を測定した。破壊エネルギーが10.0J以上で
あることが実用上の面強度を考えた場合は好ましい。
【0053】(2−)成形品外観 図1〜図3に示されたカートリッジホルダー上カバー部
品の成形品を得た場合の外観について目視にて観察し
た。特に変色、くもり、シルバーストリーク等がない場
合は○、これらが発生している場合は×とした。
【0054】[実施例1〜4及び、比較例1〜9]表1
記載のハロゲン原子を含まない芳香族ポリカーボネート
樹脂、リン酸エステル化合物、フィブリル形成能を有す
るポリテトラフルオロエチレン、衝撃改質剤、エステル
系離型剤を表1記載の量(重量%で表示)タンブラーに
て配合し、径30mmの二軸ルーダー[(株)神戸製鋼
所KTX−30]にて、シリンダー温度260℃で押出
してペレットを得た。得られたペレットを105℃で5
時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形機[ファ
ナック(株)T−150D]によりシリンダー温度29
0℃、金型温度70℃で試験片及びカートリッジホルダ
ー成形品を成形した。
【0055】また、表1に記載の使用した原材料等は以
下の通りである。 (a成分)PC−1:芳香族ポリカーボネート樹脂(ビ
スフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均分子
量22,500の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝人化
成(株)製 パンライト L−1225) (a成分以外)PC−2:芳香族ポリカーボネート樹脂
(ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均
分子量30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝
人化成(株)製 パンライト K−1300) (a成分以外)PC−3:芳香族ポリカーボネート樹脂
(ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均
分子量15,500の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝
人化成(株)製 パンライト AD−5503) (b成分)FP−1:リン酸エステル化合物(トリフェ
ニルホスフェート(大八化学(株)製 S−4)) (b成分)FP−2:縮合リン酸エステル化合物(レゾ
ルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(大八化
学(株)製 FP−500)) (b成分以外)FR:ハロゲン系難燃剤(臭素化ビスフ
ェノールAカーボネートオリゴマー(帝人化成(株)製
ファイヤガードFG−7000)) (c成分)IM−1:複合ゴム系グラフト共重合体(三
菱レイヨン(株)製 メタブレン S−2001) (c成分)IM−2:アクリル系グラフト共重合体(呉
羽化学(株)製 パラロイドEXL2602) (d成分)RW−1:モンタン酸エステル系離型剤(ヘ
キスト社製 ヘキストワックス E) (d成分以外)RW−2:オレフィン系離型剤(低分子
量ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製 HW40
5MP)) (e成分)PTFE:フィブリル形成能を有するポリテ
トラフルオロエチレン;フィブリル化ポリテトラフルオ
ロエチレン(ダイキン工業(株)製 ポリフロンFA−
500)
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】この表から以下のことが明らかである。実
施例1と比較例1及び2との比較から、本発明のa成分
以外の芳香族ポリカーボネート樹脂を使用して得られた
光学ディスク用カートリッジホルダーは、良好な外観や
十分なセルフタップ部の強度等の必要な特性を満足しな
いことがわかる。また実施例2と比較例3及び4との比
較から、b成分のリン酸エステル化合物が適量でない場
合は、やはり十分な強度、外観を有さず、更に比較例5
に示す如く他の化合物を使用した場合も必要な特性を満
足しない。比較例6からはゴム成分が適量でないとセル
フタップ部の強度が十分でなく、比較例7〜9より離型
剤成分が適量でなかったり、特定のもの以外の場合は、
特にセルフタップ部の強度が不十分となりやすいことが
わかる。
【0059】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明の組成
物から得られた光学ディスク用カートリッジホルダー
は、難燃性、成形性(流動性)及び耐衝撃性が改良され
ており、且つセルフタップ部の強度にも優れているため
CD−RW、PD、DVD−RAM等の光学ディスク用
の駆動装置に使用するカートリッジホルダーとして極め
て有用であり、その奏する工業的効果は極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学ディスクドライブの概要を模式的に表す図
である。
【図2】カートリッジホルダーを上方から見た概要図で
ある。
【図3】カートリッジホルダーを下方から見た概要図で
ある。
【符号の説明】
1 光学ディスクドライブ本体 2 カートリッジホルダー 3 カートリッジホルダー上カバー部品(セルフタッ
プ用ボスあり) 4 カートリッジホルダー下カバー部品 5 セルフタップ用ボス部(4個所、下カバー側から
ネジ止め)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月9日(1998.12.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】また、表1に記載の使用した原材料等は以
下の通りである。 (a成分)PC−1:芳香族ポリカーボネート樹脂(ビ
スフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均分子
量22,500の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝人化
成(株)製 パンライト L−1225) (a成分以外)PC−2:芳香族ポリカーボネート樹脂
(ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均
分子量30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝
人化成(株)製 パンライト K−1300) (a成分以外)PC−3:芳香族ポリカーボネート樹脂
(ビスフェノールAとホスゲンより製造される粘度平均
分子量15,500の芳香族ポリカーボネート樹脂、帝
人化成(株)製 パンライト AD−5503) (b成分)FP−1:リン酸エステル化合物(トリフェ
ニルホスフェート(大八化学(株)製 S−4)) (b成分)FP−2:縮合リン酸エステル化合物(レゾ
ルシノールビス(ジキシレニルホスフェート)(旭電化
工業(株)製 アデカスタブ FP−500)) (b成分以外)FR:ハロゲン系難燃剤(臭素化ビスフ
ェノールAカーボネートオリゴマー(帝人化成(株)製
ファイヤガードFG−7000)) (c成分)IM−1:複合ゴム系グラフト共重合体(三
菱レイヨン(株)製 メタブレン S−2001) (c成分)IM−2:アクリル系グラフト共重合体(呉
羽化学(株)製 パラロイドEXL2602) (d成分)RW−1:モンタン酸エステル系離型剤(ヘ
キスト社製 ヘキストワックス E) (d成分以外)RW−2:オレフィン系離型剤(低分子
量ポリエチレン(三井石油化学工業(株)製 HW40
5MP)) (e成分)PTFE:フィブリル形成能を有するポリテ
トラフルオロエチレン;フィブリル化ポリテトラフルオ
ロエチレン(ダイキン工業(株)製 ポリフロンFA−
500)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51:04 27:18 83:10)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下のa成分〜e成分の合計が100重
    量%である樹脂組成物であって、実質的にハロゲン原子
    を含まない粘度平均分子量18,000〜25,000
    の芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)86〜91.
    95重量%、リン酸エステル化合物(b成分)6〜8重
    量%、ポリシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)
    アクリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡
    み合った構造を有している複合ゴムに少なくとも一種の
    ビニル単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラ
    フト共重合体及び/またはゴム質重合体が50重量%以
    上のアクリル系グラフト共重合体(c成分)2〜4重量
    %、エステル系内部離型剤(d成分)0.05〜1重量
    %及びフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエ
    チレン(e成分)0〜1重量%からなる実質的にハロゲ
    ン原子を含まない樹脂組成物(A成分)より形成された
    部品を有する光学ディスク用カートリッジホルダー。
  2. 【請求項2】 A成分から形成された部品がセルフタッ
    プ部を有するものである請求項1に記載の光学ディスク
    用カートリッジホルダー。
  3. 【請求項3】 a成分の粘度平均分子量が19,000
    〜23,000である請求項1または2のいずれか1項
    に記載の光学ディスク用カートリッジホルダー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002317110A (ja) * 2001-04-20 2002-10-31 Asahi Kasei Corp ポリカーボネート系着色難燃樹脂組成物およびその製法
JP2008143997A (ja) * 2006-12-08 2008-06-26 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート樹脂組成物

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