JP3474319B2 - 摺動性樹脂組成物及びこれから形成された成形品 - Google Patents

摺動性樹脂組成物及びこれから形成された成形品

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JP3474319B2
JP3474319B2 JP15602995A JP15602995A JP3474319B2 JP 3474319 B2 JP3474319 B2 JP 3474319B2 JP 15602995 A JP15602995 A JP 15602995A JP 15602995 A JP15602995 A JP 15602995A JP 3474319 B2 JP3474319 B2 JP 3474319B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動性樹脂組成物及び
これから形成された成形品に関し、詳しくは優れた耐摩
擦、摩耗特性を有し、かつ薄肉部の成形加工性および耐
衝撃性に優れた芳香族ポリカーボネートを含有した摺動
性樹脂組成物及びこれから形成された成形品に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、機械的
強度、電気特性などに優れ、エンジニアリングプラスチ
ックとして電気、電子機器分野、自動車分野などさまざ
まな分野に.おいて幅広く利用されている。
【0003】最近OA機器の摺動部品に摺動特性の優れ
た材料を使用するケースが増加してきた。従来、摺動特
性を向上させるために、グリース、オイル等を塗布する
ケースがあったが最近の精密機械においてグリースやオ
イルを塗布して使用するとグリースやオイルの微粒子が
内部の部品に悪影響することがあり摺動特性を向上させ
た樹脂が要求されてきた。芳香族ポリカーボネート樹脂
の摺動特性を向上させる為に従来からポリテトラフルオ
ロエチレンを添加する方法、シリコンオイルを添加する
方法(特公昭36−7641)、ポリテトラフルオロエ
チレンとポリオレフィンの併用(特開昭48−4084
9)などが提案され使用されてきた。しかし最近のOA
機器における軽薄短小化のために薄肉部の成形加工性及
び耐衝撃性に優れた摺動性芳香族ポリカーボネート樹脂
が要求される様になってきたが従来の技術では十分とは
言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】摺動性を改良する目的
で芳香族ポリカーボネート樹脂にポリテトラフルオロエ
チレンを添加すると成形加工性の低下、あるいは、衝撃
特性の低下が起こり、改良が求められていた。特に肉厚
の薄い製品を射出成形する場合、高圧、高速での成形が
要求され、成形性の悪い材料では成形品の寸法精度(特
に反り)に問題が発生し改良が求められていた。
【0005】本発明の目的は、優れた耐摩擦、摩耗特性
を有し、かつ薄肉部の成形加工性及び耐衝撃性に優れた
芳香族ポリカーボネートを含有した摺動性樹脂組成物及
びこれから形成された成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成すべく鋭意研究を重ねた結果、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂にポリテトラフルオロエチレンを添加した樹脂組
成物に熱可塑性グラフト共重合体を添加することにより
薄肉部の成形性に優れ、その結果得られる成形品は寸法
精度に優れ、かつ衝撃強度及び摺動性に優れた樹脂組成
物が得られることを見い出し本発明に到達した。すなわ
ち本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂(a成
分)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(b成分)、及
びジエン系ゴム成分にシアン化ビニル化合物及び芳香族
ビニル化合物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体
(c成分)からなり、a成分、b成分、及びc成分の割
合はそれらの合計を100重量%とした場合、a成分が
40〜94重量%、b成分が3〜30重量%、及びc成
分が3〜57重量%である摺動性樹脂組成物及びそれか
ら形成された成形品、が提供される。
【0007】本発明において使用するa成分の芳香族ポ
リカーボネート樹脂は、通常2価フェノールとカーボネ
ート前駆体との溶液法あるいは溶融法で反応せしめて製
造される。これらの製造方法について基本的な手段を簡
単に説明する。
【0008】カーボネート前駆物質として例えばホスゲ
ンを使用する反応では、通常酸結合剤および溶媒の存在
下に反応を行う。酸結合剤としては例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物または
ピリジン等のアミン化合物が用いられる。溶媒としては
例えば塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素が用いられる。また反応促進のために例えば第三
級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の触媒を用いる
こともできる。その際、反応温度は通常0〜40℃であ
り、反応時間は数分〜5時間である。
【0009】カーボネート前駆物質として炭酸ジエステ
ルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所
定割合の芳香族ジヒドロキシ成分を炭酸ジエステルと加
熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノ
ール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生
成するアルコールまたはフェノール類の沸点等により異
なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はそ
の初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノ
ール類を留出させながら反応を完結させる。また反応を
促進するために通常エステル交換反応に使用される触媒
を使用することもできる。前記エステル交換反応に使用
される炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカー
ボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニ
ル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。こ
れらのうち特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0010】上記2価フェノールの代表的な例を挙げる
と、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
[ビスフェノールA]、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1ビス(4ヒドロキシフェニル)エタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル
フェニル)プロパン、2,2−(4−ヒドロキシ−3−
メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルフォン等があげられる。好ましい2価フェノ
ールはビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特に
ビスフェノールAを主原料とするものである。また、カ
ーボネート前駆体としてはカルボニルハライド、カルボ
ニルエステルまたはハロホルメート等が挙げられ、具体
的にはホスゲン、ジフェニルカーボネート、2価フェノ
ールのジハロホルメート及びそれらの混合物である。ポ
リカーボネート樹脂を製造するに当たり、前記2価フェ
ノールを単独でまたは2種以上を使用することができ
る。また、適当な分子量調節剤、分岐剤、反応を促進す
るための触媒等も使用できる。かくして得られた芳香族
ポリカーボネート樹脂の2種以上を混合しても差し支え
ない。
【0011】本発明に使用されるb成分のポリテトラフ
ルオロエチレン樹脂は、通常乾性の潤滑剤として使用さ
れるものである。好ましくは、微粉末状であり、微粉末
の粒子径は、パークロルエチレン中に分散させた分散液
を光透過法により測定する方法で平均0.1〜100μ
mのものである。又ポリテトラフルオロエチレン微粉末
の融点は、DSC法測定で320℃以上のものが好まし
い。ポリテトラフルオロエチレン微粉末は再凝集しやす
いので再凝集し難くする為に焼成処理等の処理を施した
ものもあり、これらも好ましく使用できる。これらはダ
イキン工業(株)よりルブロンL−5、L−2として、
また旭アイシ−アイフロロポリマーズ(株)よりL15
0J、L169J、L170J、L172Jとして、ま
た三井・デュポンフロロケミカル(株)よりテフロンT
LP−10F−1として市販されており容易に入手可能
である。
【0012】本発明においてc成分として使用する熱可
塑性グラフト共重合体は、通常ABS樹脂と称される樹
脂を使用することができる。この熱可塑性グラフト共重
合体を形成するジエン系ゴム成分としては、例えばポリ
ブタジエン,ポリイソプレン及びスチレン−ブタジエン
共重合体等のガラス転移点が10℃以下のゴムが使用さ
れ、その割合はc成分中5〜80重量%であるのが好ま
しい。ジエン系ゴム成分にグラフトされるシアン化ビニ
ル化合物としては、例えばアクリルニトリル,メタアク
リルニトリル等を挙げることができ、このシアン化ビニ
ル化合物のc成分中の含有割合は50〜5重量%が好ま
しい。又ジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニ
ル化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタアク
リロニトリルを挙げることができ、このシアン化ビニル
化合物のc成分中の含有割合は、50〜5重量%が好ま
しい。又ジエン系ゴム成分にグラフトされる芳香族ビニ
ル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン及び核置換スチレンを挙げることができ、この芳香族
ビニル化合物の含有割合はc成分中50〜95重量%が
好ましい。さらにメチル(メタ)アクリレート、エチル
アクリレート、無水マレイン酸、N置換マレイミド等を
混合使用することができる。この熱可塑性グラフト共重
合体(c成分)は、塊状重合、懸濁重合または乳化重合
のいずれの方法で製造されたものでも良く、また共重合
の方法も一段で共重合しても、また多段で共重合しても
良い。さらにb成分は、一種のみならず二種以上を混合
して使用することができる。
【0013】上記a〜c成分の配合割合は、それらの合
計を100重量%とした時、a成分40〜94重量%、
b成分3〜30重量%、c成分3〜57重量%の範囲で
ある。a成分が40重量%未満では耐熱性(特に荷重た
わみ温度)の低下が起こり好ましくない。又94重量%
を超えると流動性が低下し成形加工性の低下が起こる。
b成分が3重量%未満では充分な耐摩擦、摩耗特性が得
られず、又30重量%を超えると機械的強度(耐衝撃
性)が著しく低下する。又、c成分が3重量%未満では
充分な成形加工性が得られず、又57重量%を超えると
耐熱性(荷重たわみ温度)及び機械的強度(耐衝撃性)
が低下する。
【0014】本発明で使用するd成分の鱗片状無機充填
剤としては、タルク・マイカを挙げることができる。こ
のd成分の無機充填剤は、鱗片状であることが本発明の
目的を達成するために必要であり、他の充填剤、例えば
グラスファイバーではその目的は達成されない。d成分
の無機充填剤の平均粒子径は、約1.2〜3.5μmの
ものが望ましい。
【0015】配合割合は、請求項1記載の摺動性樹脂組
成物100重量部に対し、3〜50重量部である。3重
量部未満では、剛性が不十分であり、50重量部を越え
ると機械的強度(特に耐衝撃性)が低下する。又、鱗片
状の無機充填剤以外、例えばガラス繊維、炭素繊維等の
繊維状の無機充填剤を使用すると、剛性は得られるが外
観の悪化、成形品の反りが発生するため好ましくない。
【0016】本発明において使用するe成分の弾性共重
合体としては、ブタジエン由来の繰り返し単位を含有す
るゴムの存在下、メタクリル酸エステル、アクリル酸エ
ステル及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選ばれた
二種以上のモノマーを共重合して得られるものである。
ブタジエン由来の繰り返し単位を含有するゴムとして
は、例えばポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジ
エン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。メ
タクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸オクチルを挙げることができる。アクリル酸エス
テルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル等が挙げ
られる。又、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アル
コキシスチレン、ハロゲン化スチレン等が挙げられる。
【0017】上記弾性共重合体は塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、乳化重合のいずれの重合法で製造したもので
あってもよく、共重合の方式は一段グラフトであっても
多段グラフトであっても差し支えない。又、製造の際に
副生するグラフト成分のみのコポリマーとの混合物であ
ってもよい。かかる弾性共重合体は市販されており容易
に入手することが可能である。例えば鐘淵化学工業
(株)のカネエースBシリーズ、三菱レーヨン(株)の
メタブレンCシリーズ、呉羽化学工業(株)のEXLシ
リーズ、HIAシリーズ、BTAシリーズ、KCAシリ
ーズ等が挙げられる。
【0018】本発明に使用するf成分とは、ポリオルガ
ノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った
構造を有している複合ゴムに一種又は二種以上のビニル
系単量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト
共重合体である。本発明において使用される複合ゴム系
グラフト共重合体を得るには、まず3員環以上の各種の
環状オルガノシロキサン、例えばヘキサメチルシクロト
リシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、
デカメチルシクロペンタシロキサン等と、架橋剤及び/
又はグラフト交叉剤を用いて乳化重合によりポリオルガ
ノシロキサンゴムのラテックスを調整し、次にアルキル
(メタ)アクリレート単量体、架橋剤及びグラフト交叉
剤とをポリオルガノシロキサンゴムのラテックスに含浸
させてから重合することによって得られる。ここで用い
られるアルキル(メタ)アクリレート単量体としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘ
キシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート等のアルキルメタクリレートが挙げられるが、特に
n−ブチルアクリレートを用いることが好ましい。
【0019】この複合ゴムにグラフト重合させるビニル
系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の
芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のシアン化ビニル化合物、メチルメタクリレー
ト、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル
酸エステル、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル等が挙
げられ、これらは単独もしくは2種以上組み合わせて用
いられる。なかでも、特に好ましいものとしては、三菱
レイヨン(株)よりメタブレンS−2001あるいはR
K−120、RK−200という商品名で市販されてい
るものが挙げられる。
【0020】配合割合は請求項1記載の摺動性樹脂組成
物100重量部に対し、e成分1〜20重量部及び/又
はf成分1〜20重量部である。かつe成分とf成分の
合計量は20重量部を超えないものとする。e成分及び
/又はf成分が1重量部未満では衝撃改良が不十分であ
り、e成分とf成分の合計量が20重量部を越えると耐
熱性・剛性が低下する。
【0021】本発明において使用するg成分の難燃剤と
は、芳香族ポリカーボネート樹脂またはABS樹脂に使
用可能とされるハロゲン系またはリン系の難燃剤であっ
てもよい。例えば、ハロゲン系難燃剤としては芳香族ハ
ロゲン化合物、ハロゲン化エポキシ樹脂、ハロゲン化ポ
リカーボネート樹脂、ハロゲン化芳香族ビニル系重合
体、ハロゲン化シアヌレート樹脂、ハロゲン化ポリフェ
ニルエーテル、ハロゲン化ポリフェニルチオエーテル等
があげられ、好ましくはデカブロモジフェニルオキサイ
ド、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化
ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ビスフェノ
ール系ポリカーボネート樹脂、ブロム化ポリスチレン樹
脂、ブロム化架橋ポリスチレン樹脂、ブロム化ビスフェ
ノールシアヌレート樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド、ポリジブロムフェニレンオキサイド、デカブロ
モジフェニルオキサイドビスフェノール縮合物(テトラ
ブロムビスフェノールA、そのオリゴマーなど)であ
る。またリン系難燃剤としては、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブトキシコチルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オク
チルジフェニルホスフェートなどの非ハロゲンリン酸エ
ステル、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス
(ジクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3ジブ
ロモプロピル)2,3−ジクロロプロピルホスフェー
ト、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェー
ト、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート
など含ハロゲンリン酸エステルなどが挙げられる。
【0022】本発明におけるg成分の配合割合は請求項
1記載の摺動性樹脂組成物100重量部、又は請求項2
記載の高剛性摺動性樹脂組成物100重量部、又は請求
項3記載の高衝撃摺動性樹脂組成物100重量部、又は
請求項4記載の高剛性、高衝撃摺動性樹脂組成物100
重量部に対し、1〜30重量部である。g成分が1重量
部未満では難燃効果が不十分であり、30重量部を超え
ると成形時の熱安定性が低下する。
【0023】本発明においては、難燃剤の効果を更に増
大させる効果を有する難燃助剤を使用することができる
がその例としてはモリブデン化合物、アンチモン化合物
等をあげることができ、特に好ましくは、アンチモン酸
ナトリウム、三酸化アンチモンである。
【0024】本発明においては、難燃性能を更に向上さ
せる為にフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロ
エチレンを添加することができる。フィブリル形成能を
有するポリテトラフルオロエチレンはASTM規格にお
いてタイプIIIに分類されているものである。フィブリ
ル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、UL
規格の垂直燃焼テストにおいて試験片の燃焼テスト時に
溶融滴下防止性能を有している為、これらのフィブリル
形成能を有するポリテトラフルオロエチレンは、一層の
難燃効果を与えるものである。これらのフィブリル形成
能を有するポリテトラフルオロエチレンは、例えば三井
・デュポンフロロケミカル(株)より、テフロン6Jと
して、あるいはダイキン化学工業(株)よりポリフロン
として市販されており容易に入手できる。
【0025】フィブリル形成能を有するポリテトラフル
オロエチレンの添加量は請求項5記載の難燃性摺動性樹
脂組成物100重量部に対し、0.1〜1重量部が好ま
しい。0.1重量部未満では溶融滴下防止性能が十分で
なく、又1重量部を超えると外観が悪くなる。
【0026】本発明の樹脂組成物は、上記各成分をタン
ブラー・V型ブレンダー・ナウターミキサー・バンバリ
ーミキサー・混練ロール・押し出し機等の混合機により
混合して製造する事が出来る。更に、本発明の目的を損
なわない範囲でポリエステル・ポリアミド・ポリフェニ
レンエーテル等の他の樹脂、又、本発明の樹脂組成物に
は必要に応じてその効果が発現する量の種々の添加剤、
例えば安定剤・離型剤・紫外線吸収剤・染顔料等が含ま
れても差し支えない。例えば、亜燐酸エステル系、燐酸
エステル系の熱安定剤は特に好ましい。かくして得られ
た樹脂組成物は、押出成形・射出成形・圧縮成形等の方
法で容易に成形可能であり、又ブロー成形・真空成形等
にも適用でき、電子電気・OAの摺動部品として最適で
ある。
【0027】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。
【0028】[実施例1〜12、比較例1〜4]表1記
載の各成分を表1記載の配合割合でV型ブレンダーで混
合後、径30mmφのベント式二軸押出機[(株)日本製
鋼所製TEX30XSST]により、シリンダー温度2
40℃でペレット化した。このペレットを100℃で5
時間乾燥後射出成形機[FANUC(株)製T−150
D]でシリンダー温度250℃、金型温度60℃で各種
試験片を作成し、下記の方法で評価を行った。 剛性 :ASTM D−790に従って曲げ弾性
率を測定した。 耐衝撃性 :ASTM D−256に従ってアイゾッ
トノッチ付きインパクトを測定した。 耐熱性 :ASTM D−648に従って18.6
kgf /cm2 荷重にて荷重たわみ温度を測定した。 成形加工性 :シリンダー温度260℃、射出圧力10
00kgf /cm2 でアルキメデス型スパイラルフロ−(厚
さ2mm)により流動長を測定した。薄肉成形性の目安と
しては25cm以上あれば良好である。25cm以上あれば
○、25cm未満を×とした。 外観 :50×80×2mmt の角板を目視にて測
定した。無機充填剤の影響が少なく良好なものを○、無
機充填剤の影響で外観の悪いものを×で示した。 燃焼性 :UL規格94Vに従い燃焼試験を実施し
た。 摩擦・摩耗性:外径25mm、内径20mmの円筒状試験片
を成形し、摩擦試験機[(株)オリエンテック製フリク
トロン摩擦摩耗試験機]を用いてスラスト摩擦摩耗試験
を行った。相手材料としては、機械構造用炭素鋼(S−
45C)を用い無潤滑の状態で行い、動摩擦係数を測定
した。すべり速度は、20cm/sec の条件で行った。 なお、表1記載の各成分を示す記号は下記の通りであ
る。 (A)PC:芳香族ポリカーボネート樹脂(a成分)
[帝人化成(株)製L−1225、粘度平均分子量22
500] (B)PTFE:ポリテトラフルオロエチレン樹脂(b
成分)[ダイキン工業(株)製ルブロンL−5、平均粒
子径約7μm] (C)ABS:熱可塑性グラフト共重合体(c成分)
[三井東圧化学(株)製ABS樹脂サンタックUT−6
1] (D)タルク:鱗片状無機充填剤(d成分)[日本タル
ク(株)製タルクP−3、平均粒子径約2.8μm] CS:チョップドガラス繊維[日東紡(株)製3PE−
941、直径13μm、カット長6mm] (E)MBS:弾性重合体(e成分)[呉羽化学工業
(株)製パラロイドEXL−2602] (F)S剤:複合ゴム系グラフト共重合体(f成分)
[三菱レイヨン(株)製メタブレンS−2001] (G)FR−1:テトラブロモビスフェノールAのカー
ボネートオリゴマーであるハロゲン系難燃剤(g成分)
[帝人化成(株)製FG−7000] (G)FR−2:トリフェニルホスフェートであるリン
系難燃剤(g成分)[大八化学製(株)製TPP] FR−3:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオ
ロエチレン[ダイキン工業(株)製ポリフロンF−20
1L]
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、任意の成型方
法、例えば射出成形等に適用できる。また、耐衝撃性、
剛性および耐摩擦、摩耗特性に優れ、軽薄短小の傾向が
進むOA機器、家電製品の摺動部品として最適の樹脂組
成物である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 27:18) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 69/00,55/00 - 55/04 C08K 7/00 - 7/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリカーボネート樹脂(a成
    分)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(通常乾性の潤
    滑剤として使用されるもの)(b成分)、及びジエン系
    ゴム成分にシアン化ビニル化合物及び芳香族ビニル化合
    物をグラフトした熱可塑性グラフト共重合体(c成分)
    からなり、a成分、b成分、及びc成分の割合はそれら
    の合計を100重量%とした場合、a成分が40〜94
    重量%、b成分が3〜30重量%、及びc成分が3〜5
    7重量%である摺動性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の摺動性樹脂組成物100
    重量部に対し、鱗片状無機充填剤(d成分)3〜50重
    量部を配合してなることを特徴とする高剛性摺動性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の摺動性樹脂組成物100
    重量部に対し、ブタジエン由来の繰り返し単位を含有す
    るゴムの存在下で、メタクリル酸エステル、アクリル酸
    エステル及び芳香族ビニル化合物よりなる群から選ばれ
    た二種以上のモノマーを共重合して得られる弾性共重合
    体(e成分)1〜20重量部及び/又はポリオルガノシ
    ロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレート
    ゴム成分とが分離できないように相互に絡み合った構造
    を有している複合ゴムに一種叉はニ種以上のビニル系単
    量体がグラフト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重
    合体(f成分)1〜20重量部を配合し、かつe成分と
    f成分の合計で20重量部を超えない量を配合してなる
    ことを特徴とする高衝撃摺動性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の高剛性摺動性樹脂組成物
    100重量部に対して、請求項3記載のe成分1〜20
    重量部及び/又はf成分1〜20重量部を配合し、かつ
    e成分とf成分の合計で20重量部を超えない量を配合
    してなることを特徴とする高剛性、高衝撃摺動性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の摺動性樹脂組成物100
    重量部、又は請求項2記載の高剛性摺動性樹脂組成物1
    00重量部、又は請求項3記載の高衝撃摺動性樹脂組成
    物100重量部、又は請求項4記載の高剛性、高衝撃摺
    動性樹脂組成物100重量部に対し、難燃剤(g成分)
    1〜30重量部を配合してなることを特徴とする難燃性
    摺動性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項からなる摺
    動性樹脂組成物から形成された成形品。
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