JP2000085064A - 深絞り成形用複合フィルム - Google Patents
深絞り成形用複合フィルムInfo
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Abstract
剛性を備える、リクローザブルタイプガスパック包装用
途の深絞り成形用複合フィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む
支持層、エチレン−ビニルアルコール樹脂又はエチレン
−ビニルアルコール樹脂及びポリアミド樹脂を含むバリ
ア層及びシール層を含む深絞り成形用複合フィルムにお
いて、支持層の最外層がポリエチレンナフタレート樹脂
を含むことを特徴とする複合フィルム。
Description
の複合フィルムに係り、特にリクローザブルタイプのガ
スパック包装体へ成形する際のシール時取られの問題が
無く、且つ成形性に優れた複合フィルムに関する。
グ、ソーセージ等の食品を入れて、不活性ガスを注入し
ながら蓋材でシールして包装するガスパック包装が多用
されている。この蓋材の周縁部を底材に嵌合する形状と
し、何度も開封することができる、いわゆるリクローザ
ブルタイプの包装が広く使用されるようになった。この
リクローザブル用途のフィルムには、通常のガスパック
包装用途の複合フィルムに要求される成形性、酸素遮断
性に加えて、開封による変形を防止するための剛性が必
要とされる。
の複合フィルムとして、支持層にポリ塩化ビニル樹脂
(以下「PVC」と称することがある)、ポリエチレンテレ
フタレート樹脂(以下「PET」と称することがある)また
はポリカーボネート樹脂(以下「PC」と称することがあ
る)を用いて、ガスバリアーフィルムとドライラミネー
トして、又は共押出しして作成したフィルムが使用され
ている。
ーフィルムとのドライラミネート品は、エージング時に
PVC中の添加剤と接着層中の硬化剤とが反応して発泡し
易いため、ラミネート条件及びエージング条件の管理が
厳しくなるいう問題がある。さらに近年は、PVCの廃棄
物処理時に塩素系ガスが発生するという環境面での問題
から食品用途には敬遠されるという問題がある。
るフィルムについては、成形性に劣るという問題に加え
て、いわゆる環境ホルモンの問題から、ポリ塩化ビニル
樹脂と同様に食品包装材としては敬遠されるという問題
がある。
とするフィルムについては、食品用途に用いる上での問
題は特に無いが、耐熱性が不十分であるために、底材と
蓋材とをシールする際に、シール機の熱板にフィルムが
付着する、いわゆるシール時取られが発生し易いという
問題がある。
らの諸問題を解決し、シール時取られの問題が無く、成
形性、酸素遮断性及び剛性を備えた、リクローザブルタ
イプのガスパック包装体用途の深絞り成形用複合フィル
ムを提供することを課題とする。
エチレンテレフタレート樹脂を含む支持層、エチレン−
ビニルアルコール樹脂又はエチレン−ビニルアルコール
樹脂及びポリアミド樹脂を含むバリア層、ならびにシー
ル層を含む深絞り成形用複合フィルムにおいて、該支持
層の最外層がポリエチレンナフタレート樹脂を含むこと
を特徴とする複合フィルムに関する。また、本発明は、
前記最外層が、ポリエチレンナフタレート樹脂とポリエ
チレンテレフタレート樹脂とのブレンド樹脂を含むこと
を特徴とする複合フィルムにも関する。さらに、本発明
において、上記複合フィルムは共押出し成形法により作
られることが好ましい。
は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む。該樹脂
は、良好な成形性を有すると共に、リサイクル可能な環
境上優れた樹脂である。支持層の厚みは、例えば150
〜500μmであり、好ましくは200〜400μmで
ある。
レフタレート樹脂は、テレフタル酸又はそのエステル誘
導体と、エチレングリコール又はそのエステル誘導体と
から導かれる単位を主成分とする。ポリエチレンテレフ
タレートホモポリマーに限られず、他のジカルボン酸及
び/又は他のジヒドロキシ化合物から導かれる単位を、
10モル%以下の量で含有してよく、例えば1,4−シク
ロヘキサンジメタノールとテレフタール酸からなる構成
単位を含有する非晶質ポリエチレンテレフタレート等を
使用することができる。テレフタル酸以外の他のジカル
ボン酸類としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキ
シエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン
酸等の脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸
などの脂環族ジカルボン酸及びこれらのエステル誘導体
が挙げられる。
シ化合物としては、トリメチレングリコール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族グ
リコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グ
リコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2
−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ンなどの芳香族ジオール類、及びこれらのエステル誘導
体が挙げられる。
[η](フェノールとテトラクロロエタンとの体積比
1:1の混合溶媒中において30℃で測定)は、0.6
〜1.2(dl/g)であることが好ましく、より好ま
しくは0.7〜0.9(dl/g)である。
レンテレフタレートを含む支持層の最外層、すなわちシ
ール層側と反対の側、がポリエチレンナフタレート樹脂
(以下「PEN」と称することがある)を含むことを特徴
とする。該樹脂を支持層の最外層に設けることによっ
て、該樹脂の優れた耐熱性によりシール時取られの問題
が解決され、且つ、フィルムの良好な成形性が確保され
る。
ートは、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコール
とから導かれるエチレンナフタレート単位を主成分とす
る。ナフタレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレン
ジカルボン酸等があるが、特に2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸が好ましい。
ナフタレンジカルボン酸以外の他のジカルボン酸、及び
/又はエチレングリコール以外の他のジヒドロキシ化合
物から導かれるエステル単位を15モル%以下、好まし
くは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下の量
で含有してもよい。
酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノ
キシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及び
これらのエステル誘導体が挙げられる。他のジヒドロキ
シ化合物としては、トリメチレングリコール、プロピレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族グ
リコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グ
リコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2
−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパ
ンなどの芳香族ジオール類、及びこれらのエステル誘導
体が挙げられる。
度[η](フェノールとテトラクロロエタンとの体積比
1:1の混合溶媒中において30℃で測定)は、0.4〜
1.0であることが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8
(dl/g)である。
外層に付与される場合、該層の厚みは、支持層厚み全体
の約5〜20%が好ましく、より好ましくは7〜15%
の厚みである。上記下限値より薄いと、シール時取られ
の問題についての向上が少なく、一方、上記上限値より
も厚いと、フィルムの成形性が悪くなる傾向がある。
フタレートとポリエチレンテレフタレートとのブレンド
樹脂を使用することができる。その場合のポリエチレン
ナフタレート:ポリエチレンテレフタレートのブレンド
比(重量部)は、30:70〜50:50が好ましく、
より好ましくは35:65〜45:55、最も好ましく
は40:60である。成形性が損なわれない程度であれ
ば支持層全体にポリエチレンナフタレートがブレンドさ
れて含まれていてもよいが、支持層の最外層に集中的に
含まれる構成にした方が、ポリエチレンテレフタレート
の良好な成形性を活かしつつ、シール時取られの問題を
より効率的に解決できるので好ましい。該最外層の厚み
は、支持層厚み全体の約3〜25%の厚みであり、好ま
しくは5〜20%の厚みである。上記下限値より薄い
と、シール時取られについての向上が少なく、一方上記
上限値よりも厚いと、フィルムの成形性が悪くなる傾向
がある。
レンテレフタレート樹脂を含む単一の層であっても、2
層以上の構成であってもよい。また支持層の成形性及び
剛性を損なわない範囲で、例えばポリブチレンテレフタ
レート等のポリエチレンテレフタレート樹脂以外の樹脂
を含んでもよい。
ない範囲で例えばタルク、シリカ、クレー、顔料等の各
種添加剤を配合させてもよい。
チレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層又はエチレン
−ビニルアルコール樹脂層及びポリアミド樹脂層が好ま
しく用いられる。
は、エチレン含有率が30〜60%であることが好まし
く、また、けんか度は、部分的(水酸基88モル%)、
中程度(同96%)、完全(同98%)のいずれであっ
てもよいが、95%以上の物が成形性、ガスバリアー性
の点から好ましい。また、層の厚みは、例えば5〜50
μm、好ましくは10〜30μmである。
ナイロン−6とナイロン−6,6との共重合体である6
−6,6−ナイロンが好ましく使用される。ポリアミド
層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層の内
側(シール層側)に積層することが好ましい。厚みとし
ては、例えば3〜30μm、好ましくは5〜15μmであ
る。
持層上に積層される。該接着樹脂としては、例えば6−
ナイロン、6−6,6−ナイロン、変性ポリオレフィン
樹脂等が好ましく用いられる。
低密度ポリエチレン(以下「LLDPE」と称すること
がある)、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン樹脂
(以下「PP」と称することがある)、ポリエチレン樹
脂共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等、
を使用することができる。深絞り成形の加熱をシール層
側からの接触加熱で行う場合には、透明性を確保するた
めに、融点が高いPP、LLDPEが好適に使用され
る。また、層の厚みは例えば20〜100μm、好まし
くは30〜70μmである。
ライラミネート等の公知の方法により調製することがで
きるが、各層間の接着強度、発泡防止等の点から共押出
し法が好ましい。
としても、蓋材としても使用することができる。ただ
し、シール時取られが発生しないようにするためには、
本発明のフィルムを、シール熱板に接する側の材料とし
て用いることが必要である。すなわち、シール熱板が包
装体の蓋材に接する場合には、本発明の複合フィルムを
蓋材用に使用する。深絞り成形には、真空成形、圧空成
形等の公知の方法を用いることができる。
明する。 1.実施例の複合フィルムの調製 表1に示す構成の総厚み380μmの6層又は7層のフ
ィルムを共押出しにより作成した。なお、同表中の略称
は以下の樹脂を表す。 PEN:ポリエチレンナフタレート樹脂(イーストマンケ
ミカル製) PET:ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱化学製) PC:カーボネート樹脂 EVOH:エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂 6・66NY:6−6,6−ナイロン AD:変性ポリオレフィン樹脂 PVC:ポリ塩化ビニル樹脂 また、ポリエチレンナフタレートとポリエチレンテレフ
タレートとのブレンド比は40:60(重量部)とした。
価 上記複合フィルムを、MULTIVAC R530MC
包装機を用いて蓋材へと成形した。また、底材は、イー
ジーピール性フィルム(PP 300μm/6・66−NY10μm/EV
OH 10μm/PEとポリブテンとの1:1ブレンド、厚み 7
μm、三菱樹脂製)より調製した。上記蓋材と、底材と
をシール機でシールしてリクローザブルガスパックを作
成し、下記の評価をした。 成形性 温度90〜100℃で成形し、得られた成形体が型忠実であ
るか否かを目視により判断した。 シール時の取られ 温度150〜170℃でシールを行い、シール機熱板に付着物
が有るか否かを目視により観察した。 透明性 温度90〜100℃で成形し、得られた成形体の透明度を目
視により判断した。 剛性 温度150〜170℃でシールして作成した包装体を、手で開
封する際に変形が有るか否かを目視により観察した。
ニル樹脂(三菱化学製)、又はポリカーボネート樹脂を
単体で用いたことを除き上記実施例と同様の原料を使用
して、ドライラミネート又は共押出しにより表1に示す
構成の総厚み380μmのフィルムを作成し、実施例同
様にリクローザブルガスパックへと成形して、評価し
た。実施例の結果と共に、結果を表2に示す。
ずれも成形性が良く、且つシール時の取られが無い。ま
た、本発明のフィルムより得られたリクローザブルパッ
クは透明性に優れ、開閉を繰り返しても変形せず、十分
な剛性を有する。一方、比較例1のフィルムは、ラミネ
ート及びエージング時の発泡が多く、発泡を防ぐための
工程条件管理が大変に厳しく、生産性に劣った。また、
支持層としてポリエチレンテレフタレート樹脂単体を用
いた比較例2ではシール時の取られが顕著であり、ま
た、剛性も不十分であった。ポリカーボネート樹脂を支
持層として使用した比較例3は成形性が悪かった。
ムは、支持層の最外層にポリエチレンナフタレートを含
むので、シール時の取られが無く、成形性に優れる。本
発明のフィルムより得られたリクローザブルパックは、
透明性に優れ、蓋材の開閉による変形も無く、剛性に優
れる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート樹脂を含む
支持層、エチレン−ビニルアルコール樹脂又はエチレン
−ビニルアルコール樹脂及びポリアミド樹脂を含むバリ
ア層、ならびにシール層を含む深絞り成形用複合フィル
ムにおいて、該支持層の最外層がポリエチレンナフタレ
ート樹脂を含むことを特徴とする複合フィルム。 - 【請求項2】 前記最外層が、ポリエチレンナフタレー
ト樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂とのブレンド
樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の複合フィル
ム。 - 【請求項3】 共押出し成形法により作られたことを特
徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載の複合フ
ィルム。
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- 1998-09-14 JP JP27639398A patent/JP4346131B2/ja not_active Expired - Fee Related
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