JP2000082638A - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JP2000082638A JP11271073A JP27107399A JP2000082638A JP 2000082638 A JP2000082638 A JP 2000082638A JP 11271073 A JP11271073 A JP 11271073A JP 27107399 A JP27107399 A JP 27107399A JP 2000082638 A JP2000082638 A JP 2000082638A
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻回型のコンデンサ素子の内部に、緻密で均
一な導電性高分子からなる固体電解質層を生成し、電気
的特性に優れかつ大容量の固体電解コンデンサを得る。 【解決手段】 陽極電極箔1と陰極電極箔2とを合成繊
維を主体とする不織布からなるセパレータ3を介して巻
回したコンデンサ素子10に、3,4−エチレンジオキ
シチオフェンと酸化剤とを含浸して化学重合反応により
ポリエチレンジオキシチオフェンを生成してセパレータ
3で保持することで、マニラ紙のように酸化剤と反応す
ることなく固体電解質を生成し、保持できる。また、コ
ンデンサ素子10を、80℃ないし100℃の水中に1
分ないし10分浸漬してセパレータ中のバインダーを溶
解除去した後、3,4−エチレンジオキシチオフェンと
酸化剤とを含浸することで、セパレータ3中のバインダ
ーによる電気的特性への悪影響を排除する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体電解コンデ
ンサおよびその製造方法にかかり、特に導電性高分子を
電解質に用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、タンタル、アルミニ
ウム等の弁作用金属からなるとともに微細孔やエッチン
グピットを備える陽極電極の表面に、誘電体となる酸化
皮膜層を形成し、この酸化皮膜層から電極を引き出した
構成からなる。
【0003】そして、酸化皮膜層からの電極の引出し
は、導電性を有する電解質層により行っている。したが
って、電解コンデンサにおいては電解質層が真の陰極を
担うことになる。例えば、アルミニウム電解コンデンサ
では、液状の電解質を真の電極として用い、陰極電極は
この液状電解質と外部端子との電気的な接続を担ってい
るにすぎない。
【0004】真の陰極として機能する電解質層は、酸化
皮膜層との密着性、緻密性、均一性などが求められる。
特に、陽極電極の微細孔やエッチングピットの内部にお
ける密着性が電気的な特性に大きな影響を及ぼしてお
り、従来数々の電解質層が提案されている。
【0005】固体電解コンデンサは、イオン伝導である
ために高周波領域でのインピーダンス特性に欠ける液状
の電解質の替わりに導電性を有する固体の電解質を用い
るもので、なかでも二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いる。
【0006】二酸化マンガンからなる固体電解質層は、
硝酸マンガン水溶液に、タンタルの焼結体からなる陽極
素子を浸漬し、300℃〜400℃前後の温度で熱分解
して生成している。このような固体電解質層を用いたコ
ンデンサでは、硝酸マンガンの熱分解の際に酸化皮膜層
が破損し易く、そのため漏れ電流が大きくなる傾向が見
られ、また二酸化マンガン自体の比抵抗も高いためにイ
ンピーダンス特性において充分満足できる特性を得るこ
とは困難であった。また熱処理によるリード線の損傷も
あり、後工程として接続用の外部端子を別途設ける必要
があった。
【0007】TCNQ錯体を用いた固体電解コンデンサ
としては、特開昭58−191414号公報に記載され
たものなどが知られており、TCNQ錯体を熱溶融して
陽極電極に浸漬、塗布して固体電解質層を形成してい
る。このTCNQ錯体は、導電性が高く、周波数特性や
温度特性において良好な結果を得ることができる。
【0008】しかし、TCNQ錯体は溶融したのち短時
間で絶縁体に移行する性質があるため、コンデンサの製
造過程における温度管理が困難であるほか、TCNQ錯
体自体が耐熱性に欠けるため、プリント基板に実装する
際の半田熱により著しい特性変動が見られる。
【0009】これら二酸化マンガンやTCNQ錯体の持
つ不都合を解決するため、ポリチオフェン、ポリピロー
ル等の導電性高分子を固体電解質層として用いることが
試みられている。
【0010】ポリチオフェン、ポリピロールに代表され
る導電性高分子は、主に化学的酸化重合法(化学重合)
や電解酸化重合法(電解重合)により生成される。その
うち、電解重合では、皮膜を生成する対象物に電圧を印
加する必要があり、そのため表面に絶縁体である酸化皮
膜層が形成された電解コンデンサ用の陽極電極に適用す
ることは困難で、酸化皮膜層の表面に、予め導電性のプ
レコート層、例えば、酸化剤を用いて化学重合した導電
性高分子膜をプレコート層とし、その後このプレコート
層を電極として電解重合による電解質層を形成する方法
等が提案されている(特開昭63−173313号公
報、特開昭63−158829号公報:二酸化マンガン
をプレコートする)。
【0011】しかし、予めプレコート層を形成するため
の製造工程が煩雑となるほか、電解重合では、陽極電極
の被皮膜面に配置した重合用の外部電極の近傍から固体
電解質層が生成されるため、広範囲にわたって均一な厚
さの導電性高分子膜を連続的に生成することは非常に困
難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、箔状の陽極電
極および陰極電極を、セパレータを介して巻き取って、
いわゆる巻回型のコンデンサ素子を形成し、この巻回し
たコンデンサ素子にモノマー溶液に酸化剤を添加した溶
液を含浸して化学重合のみにより生成した導電性高分子
膜からなる電解質層を形成することを試みた。
【0013】このような巻回型のコンデンサ素子は、ア
ルミニウム電解コンデンサにおいて周知であるが、導電
性高分子層をセパレータで保持することで電解重合の煩
雑さを回避するとともに、併せて表面積の大きい箔状の
電極により容量を拡大させることが期待された。更に、
巻回型のコンデンサ素子を用いることで、両極の電極と
セパレータが一定の緊締力で保持され、両極の電極と電
解質層との密着性に貢献することが期待された。
【0014】しかし、このような巻回したコンデンサ素
子にモノマー溶液および酸化剤を含浸させてコンデンサ
素子内で、化学酸化重合により固体電解質を形成する場
合には、通常の電解コンデンサで用いるマニラ紙等のセ
パレータは酸化剤と化学反応を起こしてしまい、酸化剤
の酸化作用を損なうばかりか、セパレータの損傷による
短絡等の事故の原因にもなる。
【0015】そこで、ガラスペーパー等をセパレータに
用いることも検討されたが、通常の厚さが80〜200
μmのガラスペーパーを、厚さが40μmのマニラ紙等
のセパレータと同程度まで薄くすることは困難であり、
また折り曲げ強度がやや脆弱であるため、製品を小型化
することが困難になる。また、ガラスペーパーは非親水
性であるため、緻密で均一な導電性高分子の層、すなわ
ち固体電解質層を生成することが困難であり、製品の電
気的特性に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0016】そこでこの発明は、巻回型のコンデンサ素
子の内部に、緻密で均一な固体電解質層を生成し、電気
的特性に優れかつ大容量の固体電解コンデンサを得るこ
とを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は、陽極電極箔
と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデン
サ素子に、モノマー溶液と酸化剤とを含浸して化学重合
反応により生成した高分子固体電解質をセパレータで保
持した固体電解コンデンサにおいて、セパレータに、合
成繊維を主体とする不織布を用いたことを特徴としてい
る。
【0018】セパレータとしては、ビニロン繊維、また
はビニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイ
ロン繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した不織布か
らなるセパレータを用いている。
【0019】この本発明では、陽極電極箔と陰極電極箔
とを、合成繊維を主体とする不織布を用いたセパレータ
を介して巻回したコンデンサ素子に、モノマー溶液と酸
化剤とを含浸することで、コンデンサ素子の内部にまで
モノマーと酸化剤が浸透し、その浸透する過程及び浸透
後に起きるモノマーと酸化剤との化学重合反応で導電性
高分子膜、すなわち固体電解質層をコンデンサ素子の内
部においても生成させ、また固体電解質層を、その生成
過程からセパレータで保持した状態で固体電解質層を形
成している。
【0020】そして、セパレータとして用いる、ビニロ
ン繊維、またはビニロン繊維とガラス繊維、ポリエステ
ル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、マニラ紙等の紙
繊維とを混抄した不織布に代表される合成繊維を主体と
したセパレータは、酸化剤とも反応せず、かつ溶媒に対
して親和性を有することから、巻回型のコンデンサ素子
の内部にまでモノマーと酸化剤が浸透し易くなり、綿密
で均一な固体電解質層を得ることができるようになる。
また、厚さ80〜200μmのガラスペーパーと比較し
て薄くかつ柔軟性に富むため、結果として電極箔及びセ
パレータの体積当たりの巻回量が増加することになる。
【0021】ところで、ビニロン繊維等に代表される合
成繊維を主体とする不織布をセパレータとして用いた場
合、所望の静電容量特性や耐熱性が得られにくくなるこ
とが判明した。理由は定かではないが、合成繊維を主体
とする不織布では繊維同士を結合させる接着剤としての
バインダーが不可欠であり、このバインダーが何らかの
影響を与えているものと考えられた。
【0022】そこで、この発明による固体電解コンデン
サの製造方法では、陽極電極箔と陰極電極箔とを不織布
からなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子
を、80℃ないし100℃の水中に1分ないし10分浸
漬してセパレータ中のバインダーを溶解除去した後、モ
ノマー溶液と酸化剤とを含浸して化学重合反応による固
体電解質を生成することを特徴としている。そして、こ
の製造方法に加えて、セパレータ中のバインダーを溶解
除去した後に、80℃ないし120℃で前記コンデンサ
素子を乾燥させ、その後、モノマー溶液と酸化剤とを含
浸することもできる。
【0023】また、この製造方法において、コンデンサ
素子を80℃ないし100℃の水中に1分ないし10分
浸漬する工程と80℃ないし120℃で前記コンデンサ
素子を乾燥する工程を少なくとも2回以上繰り返すと更
に好適である。
【0024】
【発明の実施の形態】次いで、本発明の実施の形態を図
面を用いて説明する。図1は、本発明の固体電解コンデ
ンサで、アルミニウム等の弁作用金属からなり表面に酸
化皮膜層が形成された陽極電極箔1と、陰極電極箔2と
を、ビニロン繊維を主体とする不織布からなるセパレー
タ3を介して巻回してコンデンサ素子10を形成する。
そして、このコンデンサ素子10に3,4−エチレンジ
オキシチオフェンと酸化剤とを含浸し、コンデンサ素子
10中での化学重合反応により生成したポリエチレンジ
オキシチオフェンを固体電解質層5としてセパレータ3
で保持している。
【0025】陽極電極箔1は、アルミニウム等の弁作用
金属からなり、図2に示すように、その表面を、塩化物
水溶液中での電気化学的なエッチング処理により粗面化
して多数のエッチングピット8を形成している。更にこ
の陽極電極箔1の表面には、ホウ酸アンモニウム等の水
溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層4を形
成している。
【0026】陰極電極箔2は、陽極電極箔1と同様にア
ルミニウム等からなり、表面にエッチング処理のみが施
されているものを用いる。
【0027】陽極電極箔1及び陰極電極箔2にはそれぞ
れの電極を外部に接続するためのリード線6、7が、ス
テッチ、超音波溶接等の公知の手段により接続されてい
る。このリード線6、7は、アルミニウム等からなり、
陽極電極箔1、陰極電極箔2との接続部と外部との電気
的な接続を担う外部接続部からなり、巻回したコンデン
サ素子10の端面から導出される。
【0028】セパレータ3は、ビニロン繊維を主体とす
る不織布で、別の実施の形態として、ビニロン繊維と、
ガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨ
ン繊維、マニラ紙等の紙繊維などとを混抄した不織布を
用いることもできる。なお、上記不織布は、坪量が6〜
36g/m2 、繊維径5〜30μm、厚さ30〜150
μm、密度0.2〜0.5g/cm3 のものを用いてい
る。
【0029】コンデンサ素子10は、上記の陽極電極箔
1と陰極電極箔2とを、セパレータ3を間に挟むように
して巻き取って形成している。両極電極箔1、2の寸法
は、製造する固体電解コンデンサの仕様に応じて任意で
あり、セパレータ3も両極電箔1、2の寸法に応じてこ
れよりやや大きい幅寸法のものを用いればよい。
【0030】3,4−エチレンジオキシチオフェンは、
特開平2−15611号公報等により開示された公知の
製法により得ることができる。また、酸化剤は、ブタノ
ールに溶解したp−トルエンスルホン酸第二鉄を用いて
いる。この酸化剤におけるブタノールとp−トルエンス
ルホン酸第二鉄の比率は任意でよいが、本発明では1:
1のものを用いている。この3,4−エチレンジオキシ
チオフェンと酸化剤との配合比は1:3ないし1:15
の範囲が好適である。
【0031】
【実施例】次に、発明における固体電解コンデンサの製
造方法と、それによって得られる固体電解コンデンサに
ついて具体的に説明する。 (実施例1)陽極電極箔1及び陰極電極箔2は、弁作用
金属、例えばアルミニウム、タンタルからなり、その表
面には予めエッチング処理が施されて表面積が拡大され
ている。陽極電極箔1については、更に化成処理が施さ
れ、表面に酸化アルミニウムからなる酸化皮膜層4が形
成されている。この陽極電極箔1及び陰極電極箔2を、
厚さ50μm、坪量12g/m2 のビニロン繊維を主体
とする不織布からなるセパレータ3を介して巻回し、コ
ンデンサ素子10を得る。
【0032】この実施例において、コンデンサ素子10
は、径寸法が4φ、縦寸法が7mm、また定格電圧は1
6WV、定格静電容量は10μFのものを用いている。
なお、コンデンサ素子10の陽極電極箔1、陰極電極箔
2にはそれぞれリード線6、7が電気的に接続され、コ
ンデンサ素子10の端面から突出している。
【0033】以上のような構成からなるコンデンサ素子
10を、100℃の水中に5分間浸漬してセパレータ中
のバインダーを溶解除去する。この工程は、必要に応じ
て、一定の間隔を置いて数回繰り返してもよい。
【0034】次いで、コンデンサ素子10に、3,4−
エチレンジオキシチオフェンと酸化剤とを含浸する。酸
化剤は、ブタノールに溶解したp−トルエンスルホン酸
第二鉄を用い、3,4−エチレンジオキシチオフェンと
酸化剤との配合比は、1:3〜1:15の範囲が好適で
あるが、この実施例では1:5のものを用いた。
【0035】次いで、3,4−エチレンジオキシチオフ
ェンと酸化剤とを含浸したコンデンサ素子10を、25
℃ないし150℃の重合温度で、15時間ないし2時間
放置して重合反応によるポリエチレンジオキシチオフェ
ン、すなわち固体電解質層5を生成させる。
【0036】この重合温度及び放置時間の範囲は、それ
ぞれ重合温度が高くなると、製造された固体電解コンデ
ンサの電気的特性のうち、静電容量、tanδ、インピ
ーダンス特性が良くなるものの、漏れ電流特性が悪くな
る傾向が見られることから、製造するコンデンサ素子1
0の仕様に応じて前記の範囲内で任意に変更することが
できる。
【0037】このようにして陽極電極箔1と陰極電極箔
2との間に介在したセパレータ3に固体電解質層5が形
成されたコンデンサ素子10は、例えばその外周に外装
樹脂を被覆して固体電解コンデンサを形成する。
【0038】(実施例2)実施例1と同様に、陽極電極
箔1及び陰極電極箔2を、厚さ50μm、坪量12g/
2 のビニロン繊維を主体とする不織布からなるセパレ
ータ3を介して巻回し、コンデンサ素子10を形成す
る。そして、このコンデンサ素子10を、100℃の水
中に5分間浸漬してセパレータ中のバインダーを溶解除
去した後、100℃でコンデンサ素子10を10分間乾
燥させた。
【0039】このコンデンサ素子10に実施例1と同様
に、3,4−エチレンジオキシチオフェンと酸化剤とを
含浸してポリエチレンジオキシチオフェンを生成した
後、外装樹脂を被覆して、定格電圧6.3WV、定格静
電容量33μFの固体電解コンデンサを得る。
【0040】(実施例3)実施例2と同様に製作したコ
ンデンサ素子10を、100℃の水中に5分間浸漬して
セパレータ中のバインダーを溶解除去した後、100℃
でコンデンサ素子10を10分間乾燥させ、これら浸漬
及び乾燥の一連の工程を2回繰り返した。このコンデン
サ素子10に実施例1と同様に、3,4−エチレンジオ
キシチオフェンと酸化剤とを含浸してポリエチレンジオ
キシチオフェンを生成した後、外装樹脂を被覆して、定
格電圧6.3WV、定格静電容量33μFの固体電解コ
ンデンサを得る。
【0041】次に、上記実施例1ないし実施例3による
固体電解コンデンサと、従来の固体電解コンデンサとの
電気的な特性について比較する。 (比較例1)アルミニウムからなる陽極電極箔及び陰極
電極箔を、厚さ150μm、坪量20g/m2 のガラス
ペーパーからなるセパレータを介して巻回してコンデン
サ素子を形成し、このコンデンサ素子に、3,4−エチ
レンジオキシチオフェンと酸化剤とを含浸して実施例1
と同様にポリエチレンジオキシチオフェンからなる固体
電解質層を生成し、定格電圧16WV、定格静電容量1
0μFの固体電解コンデンサを形成した。
【0042】(比較例2)アルミニウムからなる陽極電
極箔及び陰極電極箔を、厚さ50μm、坪量12g/m
2 のビニロン繊維を主体とする不織布からなるセパレー
タを介して巻回してコンデンサ素子を形成し、このコン
デンサ素子に、3,4−エチレンジオキシチオフェンと
酸化剤とを含浸して実施例1と同様にポリエチレンジオ
キシチオフェンからなる固体電解質層を生成し、定格電
圧6.3WV、定格静電容量33μFの固体電解コンデ
ンサを得る。
【0043】以上の実施例1ないし実施例3及び比較例
1、比較例2のそれぞれ初期特性を測定した。その結果
を以下に示す。なお、表1に示した実施例1と比較例1
は、それぞれ定格電圧20WV、定格静電容量10μF
であり、表2に示した実施例2、実施例3と比較例2は
それぞれ定格電圧6.3WV、定格静電容量33μFで
ある。また「容量出現率」とは、測定した静電容量の定
格静電容量に対する比率を示している。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】表1から明らかなように、実施例1による
固体電解コンデンサでは、ガラスペーパーを用いた比較
例1との対比でほぼ同じレベルの特性が得られた。した
がって、ビニロン繊維を主体とする不織布からなるセパ
レータを用いた実施例1の体積効率は、比較例1よりも
向上していることになる。また、表2から明らかなよう
に、実施例2および実施例3による固体電解コンデンサ
の容量出現率は、比較例2と比較して高く、合成繊維か
らなる不織布のバインダーの影響が軽減していることを
示している。
【0047】
【発明の効果】この発明は、コンデンサ素子にモノマー
溶液と酸化剤とを含浸して化学重合反応により生成した
固体電解質をセパレータで保持した固体電解コンデンサ
において、セパレータに、合成繊維を主体とする不織布
を用いている。また、セパレータとしては、ビニロン繊
維、またはビニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した
不織布からなるセパレータを用いている。これらのセパ
レータは、通常の電解コンデンサで用いるマニラ紙等の
セパレータの厚さ40μmと同程度の厚みでありなが
ら、酸化剤と化学的に反応せず、かつ酸化剤の溶媒に対
して親和性を有するため、含浸するモノマーや酸化剤の
浸透性を損なわせることなく、コンデンサ素子の体積効
率を向上させることができ、固体電解コンデンサの小型
化または大容量化を実現することができる。
【0048】また、この発明による固体電解コンデンサ
の製造方法では、陽極電極箔と陰極電極箔とを不織布か
らなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を、
80℃ないし100℃の水中に1分ないし10分浸漬し
てセパレータ中のバインダーを溶解除去し、あるいはそ
の後に80℃ないし120℃でコンデンサ素子を乾燥さ
せているので、セパレータとして用いる不織布中のバイ
ンダーが溶解除去され、バインダーに起因して生じる静
電容量の減少を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるコンデンサ素子の分解斜視図で
ある。
【図2】本発明で用いる陽極電極箔の概念図である。
【符号の説明】
1 陽極電極箔 2 陰極電極箔 3 セパレータ 4 酸化皮膜層 5 固体電解質層 6、7 リード線 8 エッチングピット 10 コンデンサ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/05 H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、モノマー溶液と酸
    化剤とを含浸して化学酸化重合反応により生成した固体
    電解質層をセパレータに保持した固体電解コンデンサに
    おいて、セパレータに、合成繊維を主体とする不織布を
    用いた固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 セパレータが、ビニロン繊維、またはビ
    ニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
    繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した不織布からな
    る請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 陽極電極箔と陰極電極箔とを不織布から
    なるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を、8
    0℃ないし100℃の水中に1分ないし10分浸漬して
    セパレータ中のバインダーを溶解除去した後、モノマー
    溶液と酸化剤とを含浸して化学重合による固体電解質層
    を生成する固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 セパレータが、ビニロン繊維、またはビ
    ニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
    繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した不織布からな
    る請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の固体電解コンデンサの製
    造方法に加えて、セパレータ中のバインダーを溶解除去
    した後、80℃ないし120℃で前記コンデンサ素子を
    乾燥させ、その後、モノマー溶液と酸化剤とを含浸する
    固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 セパレータが、ビニロン繊維、またはビ
    ニロン繊維とガラス繊維、ポリエステル繊維、ナイロン
    繊維、レーヨン繊維、紙繊維とを混抄した不織布からな
    る請求項5記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5の製造方法において、コンデン
    サ素子を80℃ないし100℃の水中に1分ないし10
    分浸漬する工程と、80℃ないし120℃で前記コンデ
    ンサ素子を乾燥する工程を少なくとも2回以上繰り返す
    固体電解コンデンサの製造方法。
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