JP2000081480A - Fmcwレーダ装置及び記録媒体並びに車両制御装置 - Google Patents

Fmcwレーダ装置及び記録媒体並びに車両制御装置

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JP2000081480A
JP2000081480A JP10252904A JP25290498A JP2000081480A JP 2000081480 A JP2000081480 A JP 2000081480A JP 10252904 A JP10252904 A JP 10252904A JP 25290498 A JP25290498 A JP 25290498A JP 2000081480 A JP2000081480 A JP 2000081480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車速センサ等により検出された自車速度を補
正して、より実際の車速に近い実自車速度を得ることが
できるFMCWレーダ装置及び記録媒体並びに車両制御
装置を提供すること。 【解決手段】 ステップ200にて、自車速度VBを用
いて周波数シフト量の幅を決定する。ステップ210で
は、周波数シフトを行う。ステップ220では、各スペ
クトルピークに対して、評価値|Vp|を順次算出す
る。ステップ230では、評価値|Vp|を合計して近
傍和Sum2を算出する。ステップ250では、スペク
トル全体和Sum1の算出を行う。ステップ270で
は、各スペクトル全体和Sum1の値を比較し、その最
も小さな値に対応する周波数シフト量を、真の周波数シ
フト量TSnとする。ステップ280では、真の周波数
シフト量TSnを用いて実自車速度TVBを算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の衝突防止
や一定距離追従走行等に使用され、レーダ波の送受信に
より移動体の外部に存在する物標との相対速度や距離を
検出するFMCWレーダ装置の出力を用いたFMCWレ
ーダ装置及び記憶媒体並びに車両制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】a)従来より、FMCWレーダ装置で
は、三角波状の変調信号により周波数変調され周波数が
漸次増減する送信信号を、レーダ波として送信し、物標
により反射されたレーダ波を受信すると共に、受信信号
を送信信号とミキシングすることによりビート信号を発
生させている。そして、このビート信号の周波数(ビー
ト周波数)を、信号処理器等を用いて送信信号の周波数
が増加する上昇部及び周波数が減少する下降部の各区間
毎に特定し、この特定された上昇部のビート周波数(上
りビート周波数)fb1及び下降部のビート周波数fb2
(下りビート周波数)に基づき、次の式(B),(C)
を用いて、物標との距離Dや相対速度Vを算出してい
る。
【0003】 V=(C/(4*f0))*(fb2−fb1) …(B) D=(C/(8*△F*fm))*(fb1+fb2) …(C) なお、△Fは送信信号の周波数変位幅(周波数変位
幅)、f0は送信信号の中心周波数、1/fmは1周期
の変調に要する時間(即ちfmは三角波の繰り返し周波
数)、Cは光速を表す。
【0004】従って、前記FMCWレーダ装置を用いて
測定を行うと、FMCWレーダ装置と物標との関係に応
じて、例えば図14に示す送信信号T及び受信信号Rの
周波数の変化が得られる。具体的には、図14(a)に
示すように、レーダ装置を取り付けた移動体と、レーダ
波を反射する物標との移動速度が等しい(相対速度V=
0)場合、物標に反射したレーダ波は、物標との間の往
復に要する時間だけ遅延するため、受信信号Rのグラフ
は、送信信号Tのグラフを時間軸に沿ってシフトしたも
のとなり、上りビート周波数fb1と下りビート周波数f
b2とは等しく(fb1=fb2)なる。
【0005】一方、図14(b)に示すように、物標と
の移動速度が異なる(相対速度V≠0)場合、物標に反
射したレーダ波は、更に物標との相対速度Vに応じたド
ップラシフトを受けるため、受信信号Rのグラフは、送
信信号Tのグラフを相対速度Vによるドップラシフトの
分だけ、周波数軸に沿ってシフトしたものとなり、上り
ビート周波数fb1と下りビート周波数fb2とは異なった
もの(fb1≠fb2)となる。
【0006】よって、この上りビート周波数fb1と下り
ビート周波数fb2とに基づいて、物標との距離Dや相対
速度Vを算出することができる。b)また、近年では、
上述したFMCWレーダ装置を用いて、移動物と静止物
とを区別する技術として、下記の特開平7−98375
号や特開平7−191133号に記載の技術が提案され
ている。
【0007】この技術では、自車が速度VBで走行する
ならば、静止物は−VBで接近するという物理的原則を
用いる。具体的には、例えばFMCWレーダ装置に接近
する方向を正とした場合、自車速度を−VBで表すと、
FMCWレーダ装置から見た静止物の速度はVBとなる
ので、上りビート周波数fb1と下りビート周波数fb2と
の差は、下記式(D)に示すものとなる。
【0008】 (fb2−fb1)=(4*VB*f0)/C …(D) これを、周知のフーリエ変換による周波数分析を行って
スペクトル表示すると、上りビート周波数fb1を含む上
昇部のビート信号のスペクトル(上りビート信号スペク
トル)と下りビート周波数fb2を含む下降部のビート信
号のスペクトル(下りビート信号スペクトル)は、図1
5(a)に示す様になる。
【0009】このとき自車速度VBが既知であれば、前
記(fb2−fb1)の周波数だけ、下りビート信号スペク
トルをシフトしてやると、図15(b)に示す様にな
る。ここで、測定対象である物標が静止物である場合に
は、即ち自車速度VBで接近してくる物標の場合は、そ
のスペクトル周波数が上りと下りとで一致することか
ら、図15(b)に示した上りビート信号と下りビート
信号のスペクトルの一致の状況から、物標が静止物であ
るか否かを判断することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た技術は、自車速度がVBであれば静止物は−VBで接
近するという原理から、スペクトルシフト量(周波数シ
フト量)を、車速センサ等から得た自車速度VBから演
算し、その演算結果を利用して、単に移動物と静止物と
を区別する技術に過ぎず、下記に示す様な問題があっ
た。
【0011】周波数シフト量は、基本的に例えば車速セ
ンサにより検出した自車速度VBから求めることができ
るが、図16に示す様に、自車速度VBを他の車載コン
ピュータが演算している場合には、通信遅れ、フィルタ
リングの影響等により、実際の自車速度(実自車速度T
VB)との遅れが生じ、しかも、センサ自体の誤差や信
号のナマシ等の他の誤差の要因も存在する。そのため、
単純に自車速度VBから周波数シフト量を演算したので
は、周波数シフト量が正確でないため、結果的に間違っ
た判定を行ってしまうことがある。
【0012】つまり、車速センサの応答遅れや誤差によ
り、正確な自車速度が得られず、そのため、適切な周波
数シフト量を算出できないので、静止物判定を精度良く
行うことができないという問題があった。本発明は、前
記問題点を解決するためになされたものであり、例えば
車速センサにより検出された自車速度を補正して、より
実際の車速に近い実自車速度を得ることができるFMC
Wレーダ装置及び記録媒体並びに車両制御装置を提供す
ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1の発明
は、所定の変調幅で、周期的に周波数が漸次増減する送
信信号を発生し、レーダ波として送信する送信手段と、
物標により反射された前記レーダ波を受信して受信信号
を発生すると共に、該受信信号を、前記送信信号と混合
してビート信号を発生する受信手段と、前記送信信号の
周波数が上昇する上り変調時の上りビート信号から上り
スペクトルを作成すると共に、前記送信信号の周波数が
下降する下り変調時の下りビート信号から下りスペクト
ルを作成するスペクトル作成手段と、前記両スペクトル
のピークの比較のために、速度測定手段により測定され
た自車速度に基づいて、周波数シフト量を設定する周波
数シフト量設定手段と、前記両スペクトルの少なくとも
一方を前記周波数シフト量シフトさせて、該両スペクト
ルの対応するピーク同士を比較し、前記物標の移動状態
を検出する検出手段と、を備えたFMCWレーダ装置に
おいて、前記周波数シフト量を設定する際に、測定の誤
差を考慮して複数の周波数シフト量を設定する複数シフ
ト量設定手段と、前記設定された各周波数シフト量に対
応した前記上りスペクトル及び下りスペクトル毎に、ス
ペクトルマッチ度の評価を行う評価手段と、前記評価結
果に基づいて、前記スペクトルマッチ度の最も高い周波
数シフト量を決定する決定手段と、前記決定された周波
数シフト量を用い、前記速度測定手段により測定された
自車速度を補正して実自車速度を推定する推定手段と、
を備えたことを特徴とするFMCWレーダ装置を要旨と
する。
【0014】本発明では、送信手段が、例えば三角波変
調信号によって周波数変調されて周波数が漸次増減する
送信信号を発生して、レーダ波として送信し、受信手段
が、物標により反射されたレーダ波を受信して、受信信
号を発生すると共に、この受信信号を送信信号と混合し
てビート信号を発生する。
【0015】そして、スペクトル作成手段が、例えば周
知のフーリエ変換による周波数分析により、送信信号の
周波数が上昇する上り変調時の上りビート信号から、例
えば図8に示す様に、複数のスペクトルピークを有する
上りスペクトルを作成すると共に、送信信号の周波数が
下降する下り変調時の下りビート信号から、同様に複数
のスペクトルピークを有する下りスペクトルを作成す
る。
【0016】次に、周波数シフト量設定手段が、(例え
ば車輪速度センサ又は車速センサ等の)速度測定手段に
より測定された自車速度に基づいて、周波数シフト量を
設定する。次に、検出手段が、上りスペクトルのピーク
及び下りスペクトルのピークのうち、少なくとも一方を
所定周波数シフト量させて、例えば下りスペクトルを上
りスペクトルに一致する様に、例えば図8の左方に周波
数シフト量だけ移動させて、各ピークを比較して、例え
ば静止物であるか移動物であるか等の物標の移動状態を
検出する。
【0017】特に、本発明では、周波数シフト量を設定
する場合に、複数シフト量設定手段により、(例えば図
16に示す信号のナマシ、フィルタ等による遅れ、セン
サの誤差等を示す)測定の誤差を考慮して複数の周波数
シフト量を設定する。つまり、従来では、上述した下記
式(D)に基づいて周波数シフト量(fb2−fb1)を設
定しているが、本発明では、単一な周波数シフト量だけ
ではなく、例えば下記式(E)に示す様に、例えば基本
となる周波数シフト量の両側の所定範囲(±Dv)内で
他の周波数シフト量を設定している。
【0018】 (fb2−fb1)=(4*VB*f0)/C …(D) (fb2−fb1)=(4*(VB±Dv)*f0)/C …(E) 次に、評価手段により、各周波数シフト量に対応した上
りスペクトル及び下りスペクトル毎に、スペクトルマッ
チ度の評価を行う。例えば、下りスペクトルをある周波
数シフト量だけシフトさせ、この状態において、上りス
ペクトルの各ピークと下りスペクトルの各ピークとが、
例えば振幅や位相においてどの程度一致しているか(ス
ペクトルマッチ度)を評価する。具体的には、後述する
様に、各周波数シフト量毎に、評価対象となる全てのス
ペクトルピークの評価を実施して合計し、各周波数シフ
ト量毎の評価の値(スペクトル全体和Sum1)を求
め、この値の大小で評価を行っている。
【0019】そして、この評価結果に基づいて、決定手
段により、スペクトルマッチ度の最も高い周波数シフト
量が、車速センサの誤差などの影響が少ない真の周波数
シフト量であると決定する。例えば前記各スペクトル全
体和同士を比較して、最も小さな値に対応する周波数シ
フト量を、真の周波数シフト量であると決定する。つま
り、上りスペクトルの各ピークと下りスペクトルの各ピ
ークのずれが大きいものほど、各種の誤差等の影響が大
きいと考えられるので、ここでは、両スペクトルの一致
度が高いものほど誤差等の影響が少ないとして選択す
る。
【0020】次に、推定手段により、真の周波数シフト
量を、例えば前記式(A)の様な所定の演算式に適用し
て、前記速度測定手段により測定された自車速度を補正
して実自車速度を推定する。これより、例えば通常の車
速センサにより得られた車速より正確な実自車速度を得
ることができる。
【0021】この様に、自車速度を他の車載コンピュー
タが演算している場合には、通信遅れ、フィルタリング
の影響により、車速センサにより得られた自速度と実際
の自車速度との遅れが生じ、また車速センサ自体にも誤
差があるが、本発明の様に、予め周波数シフト量に幅を
持たせ(即ち複数の周波数シフト量を設定し)、その中
から最適な周波数シフト量を選択して用いることによ
り、車速センサの誤差等を排除して、より正確な実自車
速度を得ることができる。
【0022】(2)請求項2の発明は、前記推定手段
は、下記(A)式に基づいて実自車速度を推定すること
を特徴とするFMCWレーダ装置を要旨とする。 TVB=TSn*C/(4*f0) …(A) 但し、TVBは実自車速度、TSnは決定された周波数
シフト量、f0は送信信号の中心周波数、Cは光速 本発明は、前記請求項1の発明の推定手段を例示してい
る。この式(A)は、前記式(D)において、(fb2−
fb1)をTSnに、VBをTVBに置き換えて変形した
ものであり、これにより、実自車速度を算出することが
できる。
【0023】(3)請求項3の発明は、前記推定手段に
より推定された実自車速度に基づいて、前記複数の周波
数シフト量を設定することを特徴とする前記請求項1又
は2に記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0024】例えば車輪速度センサや車速センサから得
られた自車速度を用いて周波数シフト量を設定する場合
には、センサの特性等に起因する自車速度の誤差の影響
を大きく受けるが、前記実自車速度を用いることによ
り、次回の演算処理の負担を軽減できる。また、これに
より、次回の実自車速度の精度も向上する。
【0025】例えば今回の実自車速度を用いて次回の自
車速度を補正し、この補正した値を用いて複数の周波数
シフト量を設定する場合を考えると、自車速度がかなり
正確であると思われるので、複数の周波数シフト量にお
けるシフト幅(±Dv)を小さく、即ち、周波数シフト
量の個数を少なくできる(例えばSn±5をSn±3の
様に少なくできる)。
【0026】(4)請求項4の発明は、前回得られた実
自車速度と今回得られた実自車速度との差から実相対加
速度を求め、該実相対加速度を用いて次回の自車速度を
予測し、該予測した次回の自車速度を用いて次回の前記
複数の周波数シフト量を設定することを特徴とする前記
請求項3に記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0027】本発明は、前記請求項3の発明を例示した
ものであり、ここでは、推定した実自車速度を利用する
ことによって、演算処理の負担が少なく且つ誤差の少な
い周波数シフト量を設定することができる。具体的に
は、前回得られた実自車速度と今回得られた実自車速度
との差を演算周期で割ると、実相対加速度が得られる。
従って、実相対加速度を用いて、例えば車速センサから
得られた車速を補正した値を、例えば前記式(E)のV
Bに代えて用いることにより、より正確に次回の自車速
度を求めることができる。
【0028】つまり、これにより自車速度VBの誤差が
小さくなるので、適切な周波数シフト量を設定でき、結
果として、実自車速度の算出も正確になる。また、本発
明の場合には、誤差が小さくなるので、下記式(E)に
おける所定範囲の幅(±△Dv)も小さく設定でき、演
算処理も軽減できる。
【0029】(5)請求項5の発明は、前記速度測定手
段により測定された自車速度に基づいて、前記周波数シ
フト量を設定する際に、基本周波数シフト量と、該基本
周波数シフト量から所定量ずれた周波数シフト量とを設
定することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに
記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0030】本発明では、基本周波数シフト量とそこか
ら所定量ずれた周波数シフト量を設定している。例えば
前記請求項1にて示した下記式(E)に示す様に、本発
明では、単一な周波数シフト量だけではなく、例えば基
本周波数シフト量の両側の所定範囲(±△Dv)内で他
の周波数シフト量を設定している。
【0031】 (fb2−fb1)=(4*(VB±Dv)*f0)/C …(E) 従って、これらの周波数シフト量の中に、真の周波数シ
フト量が存在すると見なすことができるので、上述した
評価により、真の周波数シフト量を決定することができ
る。
【0032】(6)請求項6の発明は、前記FMCWレ
ーダ装置のビームの向きを考慮して周波数シフト量を設
定することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに
記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0033】レーダのビームが車両の進行方向以外を向
く場合には、静止物の移動方向とドップラ効果によって
相対速度を検出可能なビーム方向とのズレが生じ、実自
車速度の推定に誤差が生じる。そこで、本発明では、ビ
ームの向きを考慮して周波数シフト量を設定しているの
で、より正確に実自車速度の推定を行うことができる。
【0034】例えばビームの方向が車両の進行方向から
θだけ側方にズレていた場合には、このビームによって
測定した物標の相対速度にcosθかけた値を、真の物
標の相対速度と見なすことができる。 (7)請求項7の発明は、前記決定された周波数シフト
量に対応した上りスペクトル及び下りスペクトルを用い
る場合に、両スペクトルの対応する一対のスペクトルピ
ーク毎に、スペクトルマッチ度の評価を行い、その評価
結果に基づいて、各物標の静止物判定を行うことを特徴
とする前記請求項1〜6のいずれかに記載のFMCWレ
ーダ装置を要旨とする。
【0035】ここでの評価としては、前記請求項1にお
ける真の周波数シフト量で用いた評価と同様なもの(例
えば各スペクトルピークの近傍和Sum2)を採用でき
る。前記請求項1の発明にて、複数の周波数シフト量の
中から真の周波数シフト量が決定された場合には、真の
周波数シフト量に対応して、1組の上りスペクトル及び
下りスペクトルが選択される。従って、本発明では、こ
の1組の上りスペクトル及び下りスペクトルに対して、
対応する各一対のスペクトルピーク毎に、同様なスペク
トルマッチ度の評価を行う。
【0036】ここで、例えば図10のSnに示す様に、
各スペクトルピークに対応する物標の評価値が所定の閾
値を上回る場合には、移動物(又は静止物以外)である
と判定することができる。よって、例えば評価値が閾値
以下の物標の中から静止物を決めることが可能となる。
尚、合成ピークの可能性が低い場合には、評価値が閾値
以下の物標を静止物と判定することも可能である。
【0037】(8)請求項8の発明は、既に移動物と認
識されている物標に対して、今回の移動位置を予測して
移動物予測フラグを設定し、今回の判定対象のスペクト
ルピークに対して前記移動物予測フラグがセットされて
いる場合には、前記物標を静止物とは判定しないことを
特徴とする前記請求項7に記載のFMCWレーダ装置を
要旨とする。
【0038】FMCWレーダを車載レーダとして用いた
場合、ガードレール等の路側物のような静止物や前方を
走行中の車両である移動物が混在してスペクトルに表
れ、自車と静止物の関係によっては、静止物と移動物の
スペクトルピークが合成され、静止物判定を正確に行え
ない場合がある。
【0039】そこで、本発明では、既に移動物と認識さ
れている物標に対して、今回の移動位置を予測して移動
物予測フラグを設定し、今回の判定対象のピークに対し
て移動物予測フラグがセットされている場合には、合成
されたピークであると見なして、そのピークを静止物と
は判定しないようにしている。
【0040】これにより、路側物が多く存在するような
市街地を走行中も、移動物ピークと静止物ピークが合成
された合成ピークを静止物と認識することがなく、より
正確な静止物判定が可能となる。 (9)請求項9の発明は、前記推定により得られら実自
車速度と前記FMCWレーダ装置により認識された物標
との相対速度とを比較し、この比較結果を静止物判定に
反映させることを特徴とする前記請求項7又は8に記載
のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0041】推定により得られた実自車速度と、FMC
Wレーダ装置により認識された物標との相対速度とを比
較した場合、その絶対値が一致した場合には、物標は静
止物であり、そうでないものは移動物であると判断でき
る。よって、この判断結果を用い、移動物であると判断
された物標に対しては、静止物判定のための評価を行わ
ない様にすれば、より正確な静止物判定を行うことがで
きる。
【0042】(10)請求項10の発明は、前記スペク
トルマッチ度の評価を、スペクトルピークの振幅及び物
標の方位情報のうち、少なくスペクトルピークの振幅に
基づいて行うことを特徴とする前記請求項1〜9のいず
れかに記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0043】ここで、スペクトルマッチ度の評価とは、
真の周波数シフト量を決定する場合に用いられる評価
と、物標の静止物判定を行う際に用いられる評価とを示
している。本発明では、単にスペクトルピークの振幅
(ピークレベル)に基づいてスペクトルマッチの評価を
行うことができる。特に、スペクトルピークの振幅だけ
でなく、物標の方位情報に基づいてスペクトルマッチの
評価を行う場合には、より正確な評価を行うことができ
る。
【0044】例えば上り下りの両スペクトルにおいて、
偶然同一レベルのピークが存在した場合などは、正確な
静止物判定ができないことがある。しかし、例えば受信
アンテナを2系統持つ位相差モノパルスレーダを用いた
場合には、物標からの方位情報は2系統の位相差によっ
て示され、しかも、その位相差は上り部分と下り部分と
で符号が異なる同一の値を持つので、これを利用してス
ペクトルピークの一致度を評価できる。
【0045】(11)請求項11の発明は、前記スペク
トルピークの振幅に基づく振幅評価値をYとし、前記物
標の方位情報に基づく位相評価値をXとした評価ベクト
ルの絶対値に基づいて、前記スペクトルの評価を行うこ
とを特徴とする前記請求項10に記載のFMCWレーダ
装置を要旨とする。
【0046】本発明は、スペクトルの評価方法を例示し
たものであり、例えば図7に示す様に、スペクトルピー
クの振幅に基づく振幅評価値をYとし、物標の方位情報
に基づく位相評価値をXとした評価ベクトルの絶対値を
算出し、この絶対値を用いてスペクトルの評価を行うの
で、より正確に、周波数シフト量の決定や静止物判定を
行うことができる。
【0047】ここで、位相評価値Xを用いない場合に
は、X=0として、振幅評価値Yのみを用いて評価を行
うことができる。尚、振幅評価値は、下記式(F)から
求めることができ、位相差評価値は下記式(G)から求
めることができる。
【0048】 振幅評価値=|(上昇部ピークレベル−下降部ピークレベル) /上昇部ピークレベル| …(F) 位相差評価値=|上昇部位相差−下降部位相差| …(G) また、スペクトルピークが複素ベクトルで表現される場
合には、スペクトルピークの振幅が複素ベクトルの絶対
値(長さ)で示され、位相が回転角で示されるので、こ
の複素ベクトルから評価ベクトルを求めてその絶対値を
算出してもよい。
【0049】(12)請求項12の発明は、前記評価を
行うスペクトルピークに関する前記評価ベクトルの絶対
値の近傍和(ピークの中心周波数を含む近傍の周波数の
範囲の和)を、各スペクトルピークに対して求め、それ
らの近傍和の合計のスペクトル全体和が最小のものを、
真の周波数シフト量とすることを特徴とする前記請求項
11に記載のFMCWレーダ装置を要旨とする。
【0050】本発明は、真の周波数シフト量を決定する
手法を例示したものである。まず、例えば下記式(H)
を用いて、各ピークに対する評価ベクトルの絶対値の近
傍和を求める。ここで、近傍和を用いるのは、各ピーク
の一点だけで評価するよりもその近傍の周波数を含めて
評価した方が、評価の精度が高くなるからである。
【0051】 近傍和Sum2=|Vp(p-n)|+|Vp(p-n+1)|+…+|Vp(p)|+ …+|Vp(p+n)| …(H) (p);(何番目のピークかを示す)ピーク周波数番号、
(n);近傍の幅 次に、前記各ピーク近傍に関する近傍和Sum2を求め
た後に、例えば下記式(I)の様に、各近傍和Sum2
を合計して、各周波数シフト量毎のスペクトル全体和S
um1を求める。
【0052】 スペクトル全体和Sum1=Σ近傍和Sum2 …(I) そして、例えば、この評価値の各スペクトル全体和Su
m1(|Vp|)のうち、その値が最も小さい周波数シ
フト量を、真の周波数シフト量TSnとして決定するこ
とができる。つまり、スペクトル全体和Sum1が小さ
いほど、各評価ベクトルの絶対値が全体として小さく、
よって、各スペクトルピークの一致度が大きいと考えら
れるからである。
【0053】(13)請求項13の発明は、前記評価を
行うスペクトルピークに関する前記評価ベクトルの絶対
値の近傍和を所定の閾値と比較し、前記近傍和が閾値以
下の場合には、前記物標を静止物と判定することを特徴
とする前記請求項11又は12に記載のFMCWレーダ
装置。
【0054】本発明は、真の周波数シフト量が決定した
後に、真の周波数シフト量に対応した上りスペクトル及
び下りスペクトルにおいて、その各一対のスペクトルピ
ーク毎に、どの様に物標の静止物判定を行うかを例示し
たものである。ここでは、ある評価ベクトルの絶対値の
近傍和を所定の閾値と比較し、その近傍和が閾値以下の
場合には、振幅評価値が小さく且つ位相差評価値が小さ
く、同じ静止物によるスペクトルピークの一致であると
考えられるので、物標が静止物であると判断している。
【0055】(14)請求項14の発明は、前記請求項
1〜13のいずれかに記載のFMCWレーダ装置による
処理を実行させる手段を記憶していることを特徴とする
記録媒体を要旨とする。つまり、上述したFMCWレー
ダ装置の処理を実行させることができる例えばプログラ
ム等の手段を記憶したものであれば、特に限定はない。
具体的には、FMCWレーダ装置における送信手段や受
信手段を備えず、信号の処理により、実自車速度の推定
や、静止物の判定を行うことができる電子制御装置が挙
げられる。
【0056】例えば記録媒体としては、マイクロコンピ
ュータとして構成される電子制御装置、マイクロチッ
プ、フロッピィディスク、ハードディスク、光ディスク
等の各種の記録媒体が挙げられる。 (15)請求項15の発明は、前記請求項1〜14のい
ずれかの発明にて推定された実自車速度を、各種の車両
制御に用いることを特徴とする車両制御装置を要旨とす
る。
【0057】対地速度である自車速度を用いて行う車両
制御の場合には、正確な自車速度を用いることが重要で
ある。従って、上述した各請求項の発明にて推定された
正確な実自車速度を、各種の車両制御(例えばクルーズ
制御、アンチスキッド制御)に用いることにより、一層
精密で好適な制御を行うことができる。
【0058】特に、車両制御の際に、デフギヤの回転
速度やクランクの回転速度から車速を検出する車速セン
サ、車輪速度等から車速を検出する車輪速度センサな
ど、誤差、なまし、応答性に問題があると思われるセン
サを用いる場合、更に、通信等で車体速度の検出が遅
れる様な場合などには、この推定された実自車速度を用
いることにより、一層精密な制御を行うことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のFMCWレーダ
装置及び記録媒体並びに車両制御装置の実施の形態の例
(実施例)を図面と共に説明する。 (実施例) a)まず、図1に、本実施例のFMCWレーダ装置及び
車両制御装置の基本構成を示す。
【0060】図1に示す様に、車両制御装置1は、例
えばアンチスキッド制御や定速クルーズ制御等の各種の
車両制御を行う車載コンピュータであり、この車両制御
装置1には、障害物検出用のFMCWレーダ装置(以下
単にレーダ装置と記す)2が接続されるとともに、車輪
速度センサ3aや(クランク角の回転速度を検出する)
車速センサ3b等のセンサ3が接続されている。また、
例えばスロットル弁5a、インジェクタ5b、油圧制御
を行う電磁弁5c等の各種のアクチュエータ5が接続さ
れている。
【0061】そして、後に詳述する様に、車両制御装置
1からは、車速センサ3b等からの信号により得られた
自車速度VBがレーダ装置2に出力され、レーダ装置2
からは、この自車速度VBを補正して得られた実自車速
度TVBが車両制御装置1に出力される。従って、車両
制御装置1は、実自車速度TVBが得られた後に、この
実自車速度TVBを用いて各種の車両制御を行うことが
可能である。
【0062】次に、図2に、レーダ装置2の全体構成
を示すが、このレーダ装置2は、いわゆる位相差モノパ
ルスレーダ装置である。図2に示す様に、レーダ装置2
は、変調信号Smに応じて所定の周波数に変調されたレ
ーダ波を送信する送信器12、送信器12から放射さ
れ、障害物に反射されたレーダ波を受信する一対の受信
器14,16からなる送受信部10と、送信器12に変
調信号Smを供給すると共に、受信器14,16から出
力される中間周波のビート信号B1,B2に基づき、障
害物を検出し且つ静止物を判定するための処理を実行す
る信号処理部20とにより構成されている。
【0063】ここで、送信器12が本発明の送信手段、
受信器14,16が受信手段、信号処理部20が他の手
段(例えばスペクトル作成手段、周波数シフト量設定手
段、検出手段等)に相当する。そして、本実施例では、
当該レーダ装置2により自動車前方の障害物を検出する
ために、送受信部10が自動車の前面に取り付けられ、
信号処理部20が、車室内又は車室近傍の所定位置に取
り付けられている。
【0064】ここで、まず送信器12は、送信信号とし
て、ミリ波帯の高周波信号を生成する電圧制御発振器
(VCO)12bと、変調信号Smを電圧制御発振器1
2bの調整レベルに変換して電圧制御発振器12bに供
給する変調器(MOD)12aと、電圧制御発振器12
bからの送信信号を電力分配して各受信器14,16に
供給されるローカル信号を生成する電力分配器(COU
P)12c,12dと、送信信号に応じてレーダ波を放
射する送信アンテナ12eとにより構成されている。
【0065】また、受信器14は、レーダ波を受信する
受信アンテナ14aと、受信アンテナ14aからの受信
信号に電力分配器12dからのローカル信号を混合する
ミキサ14bと、ミキサ14bの出力を増幅する前置増
幅器14cと、前置増幅器14cの出力から不要な高周
波成分を除去し、送信信号及び受信信号の周波数の差成
分であるビート信号B1を抽出するローパスフィルタ1
4dと、ビート信号B1を必要な信号レベルに増幅する
後置増幅器14eと、により構成されている。なお、受
信器16は、受信器14と全く同様の構成(14a〜1
4eが16a〜16eに対応)をしており、電力分配器
12cからローカル信号の供給を受け、ビート信号B2
を出力する。そして、受信器14を受信チャネルCH
1、受信器16を受信チャネルCH2と呼ぶ。
【0066】一方、信号処理部20は、起動信号C1に
より起動され、三角波状の変調信号Smを発生する三角
波発生器22と、起動信号C2により起動され、受信器
14,16からのビート信号B1,B2をデジタルデー
タD1,D2に変換するA/D変換器24a,24b
と、CPU26a,ROM26b,RAM26cを中心
に構成され、起動信号C1,C2を送出して三角波発生
器22及びA/D変換器24a,24bを動作させる。
それと共に、A/D変換器24a,24bを介して得ら
れるデジタルデータD1,D2に基づき、障害物との距
離、相対速度、及び障害物の方位の検出を行い且つ静止
物の判定を行う障害物検出処理(後述する)を実行する
周知のマイクロコンピュータ26と、マイクロコンピュ
ータ26の指令に基づき高速フーリエ変換(FFT)の
演算を実行する演算処理装置28と、により構成されて
いる。
【0067】なお、A/D変換器24a,24bは、起
動信号C2により動作を開始すると、所定時間間隔毎に
ビート信号B1,B2をA/D変換して、RAM26c
の所定領域に書き込むと共に、所定回数のA/D変換を
終了すると、RAM26c上に設定された終了フラグ
(図示せず)をセットして、動作を停止するように構成
されている。
【0068】そして、起動信号C1により、三角波発生
器22が起動され、変調器12aを介して電圧制御発振
器12bに変調信号Smが入力されると、電圧制御発振
器12bは、変調信号Smの三角波状の波形の上り勾配
に応じて所定の割合で周波数が増大(以後、この区間を
上昇部と呼ぶ)し、それに引き続く下り勾配に応じて周
波数が減少(以後、この区間を下降部と呼ぶ)するよう
に変調された送信信号を出力する。
【0069】図3は、送信信号の変調状態を表す説明図
である。図3に示すように、変調信号Smにより、送信
信号の周波数は、1/fmの期間に△Fだけ増減するよ
うに変調され、その変化の中心周波数はf0である。な
お、100ms間隔で周波数が変調されているのは、後
述する障害物検出処理が100ms周期で実行され、そ
の処理の中で起動信号C1が生成されるからである。
【0070】この送信信号に応じたレーダ波が送信器1
2から送出され、障害物に反射したレーダ波が、受信器
14,16にて受信される。そして、受信器14,16
では、受信アンテナ14a,16aから出力される受信
信号と、送信器12からの送信信号とが混合されること
により、ビート信号B1,B2が生成される。なお、受
信信号は、レーダ波が障害物まで間を往復する時間だけ
送信信号に対して遅延し、且つ、障害物との間に相対速
度がある場合には、これに応じてドップラシフトを受け
る。このため、ビート信号B1,B2は、この遅延成分
frとドップラ成分fdとを含んだもの(図14参照)
となる。
【0071】そして、図4に示すように、A/D変換器
24aによりビート信号B1をA/D変換してなるデジ
タルデータD1は、RAM26c上のデータブロックD
B1,DB2に順次格納され、一方、A/D変換器24
bによりビート信号B2をA/D変換してなるデジタル
データD2は、同様に、データブロックDB3,DB4
に格納される。ところで、A/D変換器24a,24b
は、三角波発生器22の起動と共に起動され、変調信号
Smが出力されている間に、所定回数のA/D変換を行
うようにされているため、前半数のデータが格納される
データブロックDB1,DB3には、送信信号の上昇部
に対応した上昇部データが格納され、後半数のデータが
格納されるデータブロックDB2,DB4には、送信信
号の下降部に対応した下降部データが格納されることに
なる。このようにして各データブロックDB1〜DB4
に格納されたデータは、マイクロコンピュータ26及び
演算処理装置28にて処理され、障害物及び静止物の検
出のために使用される。
【0072】b)次に、マイクロコンピュータ26にて
実行される障害物検出処理を、図5のフローチャートを
参照して説明する。なお、この障害物検出処理は、10
0ms周期で起動される。図5に示すように、本処理が
起動されると、まず、ステップ110にて、起動信号C
1を出力して三角波発生器22を起動し、続くステップ
120にて、RAM26c上の終了フラグをクリアする
と共に、起動信号C2を出力してA/D変換器24a,
24bを起動する。
【0073】これにより、三角波発生器22からの変調
信号Smを受けた送信器12により、周波数変調された
レーダ波が送信されると共に、障害物により反射したレ
ーダ波を受信することにより受信器14,16から出力
されるビート信号B1,B2が、A/D変換器24a,
24bを介してデジタルデータD1,D2に変換されR
AM26cに書き込まれる。
【0074】続くステップ130では、RAM26c上
の終了フラグを調べることにより、A/D変換が終了し
たか否かを判断する。そして、終了フラグがセットされ
ていなければ、A/D変換は終了していないものとし
て、同ステップ130を繰り返し実行することで待機
し、一方、終了フラグがセットされていれば、A/D変
換は終了したものとしてステップ140に移行する。
【0075】ステップ140では、RAM26c上のデ
ータブロックDB1〜DB4のいずれか一つを順次選択
し、そのデータブロックDBi(i=1〜4)のデータ
を演算処理装置28に入力してFFTの演算を実行させ
る。なお、演算処理装置28に入力されるデータは、F
FTの演算により表れるサイドローブを抑制するため
に、ハニング窓や三角窓等を用いた周知のウィンドウ処
理が施される。そして、この演算結果として、各周波数
毎の複素ベクトルが得られる。
【0076】ステップ150では、複素ベクトルの絶対
値、即ちその複素ベクトルが示す周波数成分の振幅に基
づき、周波数スペクトル上でピークとなる全ての周波数
成分(以下ピーク周波数成分と呼ぶ)を検出して、その
周波数をピーク周波数として特定し、ステップ160に
進む。なお、ピークの検出方法としては、例えば、周波
数に対する振幅の変化量を順次求め、その前後にて変化
量の符号が反転する周波数にピークがあるものとして、
その周波数を特定すればよい。
【0077】ステップ160では、ステップ150にて
特定されたピーク周波数成分の位相を算出する。この位
相は、複素ベクトルが実数軸となす角度に等しく、複素
ベクトルから簡単に求められる。続くステップ165で
は、未処理のデータブロックDBiがあるか否かを判断
し、未処理のものがあれば、ステップ140に戻って、
その未処理のデータブロックDBiについて、ステップ
140〜160の処理を実行し、一方、未処理のものが
なければ、ステップ170に移行する。
【0078】ステップ170では、後に詳述する様に、
実自車速度TVBを推定する実自車速推定処理を行う。
続くステップ175では、後に詳述する様に、検出した
障害物が静止物かどうかを判定する静止物判定処理を行
う。
【0079】続くステップ180では、ピーク周波数成
分の振幅、即ちパワーを夫々比較することにより、上昇
部と下降部とで同じパワーを有するものを、同一障害物
からの反射波に基づくピーク周波数成分のペアとして特
定するペアリング処理を実行する。
【0080】但し、ここでは、前記ステップ175の静
止物判定処理の際に、明らかにペアでないと判定された
ピーク同士は、ペアリング処理を行わない。尚、このペ
アリング処理は、例えば特願平8−179227号の図
7及びその説明等に示す処理と同様であるので、その詳
しい説明は省略する。
【0081】続くステップ190では、ステップ180
にてペアリングされたピーク周波数成分を用いて、障害
物との距離,相対速度、及び障害物の方位を算出する距
離・速度方位算出処理を実行して本処理を終了する。例
えば上昇部及び下降部毎に、各受信チャンネルCH1,
CH2間で位相差を算出し、その位相差の符号が等しく
ない場合には、下記式(1),(2)を用いて障害物と
の距離D及び相対速度Vを算出する。
【0082】 V=(C/(4*f0))*(fb2−fb1) …(1) D=(C/(8*△F*fm))*(fb1+fb2) …(2) 但し、△Fは送信信号の周波数変位幅(周波数変位
幅)、f0は送信信号の中心周波数、1/fmは1周期
の変調に要する時間(即ちfmは三角波の繰り返し周波
数)、Cは光速、fb1は上昇部のビート周波数(上りビ
ート周波数)、fb2は下降部のビート周波数(下りビー
ト周波数)、Cは光速を表す。
【0083】尚、この距離・速度・方位算出処理は、例
えば特願平8−179227号の図5及びその説明等に
示す処理と同様であるので、その詳しい説明は省略す
る。 c)次に、前記ステップ170にて行われる実自車速推
定処理の基本原理について説明する。
【0084】ここでは、実自車速度TVBの推定には、
まず、車速センサ3b等の誤差を考慮して複数の周波数
シフト量(Sn-1、Sn、Sn+1)を設定し、評価関数
を用いて、その中から真の周波数シフト量TSnを求め
る。そして、真の周波数シフト量TSnを用いて実自車
速度を算出する。以下詳細に説明する。
【0085】(i)まず、周波数シフト量(以下単にシフ
ト量とも記す)の算出の手順〜を説明する。 まず、車速センサ3b等による得られた自車両の速度
(自車速度)VB等を用い、基本周波数シフト量(基本
シフト量)を算出する基本周波数シフト量演算式を設定
する。
【0086】つまり、前記式(1)を変形して、スペク
トルをどれだけずらすかを決めるための基本量(基本シ
フト量=(fb2−fb1))を算出する式(3)を設定す
る。基本シフト量=(fb2−fb1)=(4*VB*f
0)/C …(3)このとき、車速センサ3b等の誤差
が既知、或は学習済みの場合は、補正係数、マップ演算
等によって補正した自車速度VBを利用する。
【0087】次に、レーザ装置12のビーム角度に応
じた補正を行う。図6に示す様に、ビームステア、スキ
ャンセンサの場合のセンサ正面方向、あるいは進行方向
からのビーム角度をθとすると、ドップラ効果を利用し
て相対速度を検出するレーダの場合、検出可能な速度成
分は、ビーム方向に等しい速度成分である(−VB*C
OSθ)であるために、補正を行う必要がある。この成
分は、ビームをステア、スキャンニングする角度が大き
くなればなるほど小さくなり、真の移動速度(接近する
速度;−VB)とのずれが大きくなり、正確な周波数シ
フトが行えなくなる。
【0088】従って、ここでは、基本シフト量に角度補
正係数(COSθ)を加味した第1補正のための下記式
(4)を設定する。これにより、θが大きくなるほど、
基本シフト量は小さく補正される。 第1補正後シフト量=(4*COS(θ)*VB*f0)/C …(4) 次に、車速センサ3bの応答遅れを加味した補正を行
う。
【0089】車輪速度センサ3aや車速センサ3b(以
下では主として車速センサ3bを例に挙げる)は、一般
的に、駆動系、車輪系からのパルス信号の時間間隔を測
定し、その値より実際の車速を検出する。しかし、実際
には、安定性、ノイズ等により、時間的にフィルタリン
グされているため、実際の車速との間には応答遅れにが
ある。例えば時速100kmで走行するような状況で
は、その遅れは気にならないが、加速、減速時には、時
速数キロの時間遅れを生ずる。そこで、本実施例では、
その遅れを考慮して、許容値を持った処理を行う。
【0090】具体的には、実際の車両の種類によって時
間遅れ幅は異なるので、予め車両毎に基本遅れ幅を持た
せることが可能である。これは、自車速度VB、車速セ
ンサ3bのフィルタの時定数等によって異なるが、ここ
では、速度遅れ値Dvとして設定する。従って、この値
を用いて第2補正のための下記式(5)を設定する。
【0091】尚、速度遅れ値Dvを設定する場合には、
他の要因による誤差(ナマシやセンサ自体の誤差等)も
考慮して行うことが望ましい。 第2補正後シフト量= (4*COS(θ)*(VB±Dv)*f0)/C …(5) ここで、速度遅れ値Dvの値としては、車速センサ3b
の分解能を考慮した値とする。例えば車速センサ3bが
±5km/hの誤差が生じる場合には、Dv=(−5,
0,+5)の様に例えば3通りに設定することが可能で
ある。
【0092】つまり、実際には速度遅れ値Dvの幅だけ
車速センサ3bの時間遅れが生じる可能性があるので、
前記式(5)により、基本シフト量にある幅を持たせる
ことができる。即ち、後に詳述する様に、周波数シフト
量にある幅を持たせて複数の周波シフト量を設定し、そ
の中で一番マッチした周波数シフト量を選択することに
より、真の車速に基づいた周波数シフト量を設定するこ
とができる。
【0093】尚、処理を簡素化するために、前記の角
度成分の影響を吸収するような値にDvを設定すること
も可能である。 (ii)次に、評価関数による評価方法について説明する。
ここでは、前記式(5)で求めた複数の周波数シフト量
を用いて、各々下降部のスペクトルをシフトし、上昇部
のスペクトルとの一致度の比較を行う。
【0094】従来では、一意に決定された周波数シフ
ト量を用いて、上り及び下りスペクトルの対応するスペ
クトルピーク(ピーク周波数成分のピーク)の減算のみ
を行っていたが、本実施例では、複数の周波数シフト量
(従ってシフトする際のシフト幅)の中から最適な周波
数シフト量を求めるために、下記の評価関数を用いる。
【0095】この評価関数は、下記の式(6),(7)
に示す様に、スペクトルピークの振幅だけでなく、位相
差モノパルスレーダで得た方位情報を示す位相差も用い
る。尚、位相差は、2系統の受信系を持つモノパルスレ
ーダで受信したそれぞれの位相情報を減算した値であ
り、この位相差を利用して対象物の方位を求める方式が
位相差モノパルスレーダである。
【0096】 振幅評価値=|(上昇部ピークレベル−下降部ピークレベル) /上昇部ピークレベル| …(6) 位相差評価値=|上昇部位相差−下降部位相差| …(7) 尚、位相差モノパルスレーダの場合、その構成上、上昇
部、下降部では符号が逆転するので、その和が0なら
ば、一致していることになる。
【0097】そして、図7に示す様に、前記振幅評価値
Yと位相差評価値Xとを持つ評価ベクトルVpの長さ|
Vp|を評価値とする。尚、前記位相差評価値を用いな
い場合には、やや精度は落ちるが、演算が軽減されると
いう利点がある。
【0098】次に、この評価値|Vp|を各ピーク周
波数成分毎に求めてその合計を求めるのであるが、その
場合には、下記式(8)に示す様に、目的とするピーク
周波数成分だけでなく、その近傍の周波数に関しても、
同様に評価値|Vp|を求めて、それらの和(近傍和S
um2)を求める。尚、近傍和Sum2を求める範囲は、
図10に示す様に、一点鎖線を中心にして左右の破線で
挟まれた帯状の範囲であり、FFTの分解能により変化
する。
【0099】ここで、近傍和Sum2を求めるのは、単
一のピーク周波数成分を用いる場合に比べて、その精度
が高いからである。 近傍和Sum2=|Vp(p-n)|+|Vp(p-n+1)|+…+|Vp(p)|+ …+|Vp(p+n)| …(8) 但し、P;(評価するピークの順番を示す)ピーク周波
数番号、 n;近傍の幅(近傍をn個に区分した場合) また、この場合、全てのピーク周波数成分に関してその
近傍和を求めるのではなく、後述する静止物及び移動物
の判定を行うピーク周波数成分のみに対してその近傍和
Sum2を求める。これは、全てに対して処理を行う
と、ノイズ、クラッタ等のピークにより、正しい結果が
検出されない場合があるばかりか、演算時間が大量に必
要となるからである。
【0100】そして、上述した様にして、各々の周波数
シフト量に対応した上り及び下りスペクトルに対して、
即ち上りと下りの両スペクトルの間で対応する一対のス
ペクトルピークに対して、各々の各ピーク周波数成分の
近傍において評価値Sum2を算出してゆく。
【0101】ここで、例えば図8に示す様に、上昇部
(上りスペクトル)に存在するピークを、Pu1、Pu
2、Pu3、Pu4、下降部(下りスペクトル)に存在す
るピークを、Pd1、Pd2、Pd3、Pd4(但し、1,
2,3は静止物、4は移動物のピークとする)とした場
合を考える。
【0102】このとき、図9に示す様に、下りスペクト
ルを所定の周波数シフト量だけシフトさせた場合を考え
ると、誤差等を多く含む自車速度VBでシフトした場合
には、図9(a)に示す様に、上りスペクトルのピーク
(実線で示す)と下りスペクトルのピーク(破線で示
す)は大きくずれており一致しない。一方、実自車速度
TBVでシフトした場合には、誤差が少ないのであるか
ら、図9(b)に示す様に、当然ながら、上りスペクト
ルのピークと下りスペクトルのピークとの一致度は高
い。
【0103】従って、両スペクトルのピークの一致度の
高いものが、実自車速度TBVでシフトしたものと見な
すことができ、このことから逆に、一致度の高い周波数
シフト量(従って真の周波数シフト量TSn)から実自
車速度TVBを推定することができるのである。
【0104】図10では、上述した複数の周波数シフト
量から真の周波数シフト量を選択する際の方法を示して
いる。この図10では、基本シフト量Snに対して、S
n±1の3種の周波数シフト量とした。 次に、前記各スペクトルピークに関する近傍和Sum
2を求めた後に、下記式(9)の様に、各近傍和Sum2
を合計して、ある周波数シフト量のスペクトル全体和S
um1を求める。これを複数の周波数シフト量毎に求め
る。
【0105】 スペクトル全体和Sum1=Σ近傍和Sum2 …(9) そして、この各周波数シフト量に対応した各スペクトル
全体和Sum1(|Vp|)が最も小さい周波数シフト
量を、真の周波数シフト量TSnとする。従って、例え
ば図10では、右側のスペクトルに対応した周波数シフ
ト量Sn+1が、真の周波数シフト量TSnとして選択さ
れる。
【0106】この様に、スペクトル全体和Sum1(|
Vp|)が最小のものを真の周波数シフト量TSnとす
る理由は、スペクトル全体和Sum1が小さいほど、各
評価ベクトルの絶対値が全体として小さく、よって、各
スペクトルピークの一致度が大きいと考えられるからで
ある。
【0107】尚、ここでは、シフト幅として3種を例に
挙げたが、実際には、第2補正後シフト量を示す前記式
(3)で求められる幅に基づいて、真の周波数シフト量
TSnが決定される。また、一旦真の周波数シフト量T
Snが求められた後は、次回の演算の際に、この真の周
波数シフト量TSnを加味して周波数シフト量の演算を
行ってもよい。
【0108】(iii)次に、真の周波数シフト量TSnを
用いた実自車速度TVBの算出方法について説明する。
先の(i)、(ii)の演算において、車速センサ3bの遅
れ、誤差、ビーム向き等の影響を除外し、真の周波数シ
フト量TSnを求めた。ここでは、前記式(3)から得
られる下記式(10)を変形した式(11)に、真の周
波数シフト量TSnを適用して、実自車速度TVBを算
出する。
【0109】 TSn=(4*TVB*f0)/C …(10) TVB=TSn*C/(4*f0) …(11) 尚、この実自車速度TBVの一周期前の前回値TVBn-
1と今回値TVBnとの差を、周期△Tで割ることによ
り、車両の実相対加速度dTVBが求まるが、この実相
対加速度dTVBを用いて、周波数シフト量を補正して
もよい。
【0110】例えば、前記式(5)を用いて複数の周波
数シフト量を設定する際に、車速センサ3bから得られ
た車速VBをそのまま用いるのではなく、実相対加速度
dTVBも用いて予測した車速YVBを加味し、例えば
VBとYVBの平均値を車速として、式(5)に用いて
もよい。
【0111】d)次に、前記原理に基づいて行われる前
記ステップ170の実自車速推定処理について、図11
のフローチャートに基づいて説明する。本処理は、上述
した原理に基づいて、真の周波数シフト量TSnを求
め、この真の周波数シフト量TSnから実自車速度TV
Bを求めるための処理である。
【0112】まず、図11のステップ200にて、前記
〜の手順にて設定した前記式(5)に基づき、車速
センサ3bにより得られた誤差を含む自車速度VBを用
いて、基本シフト量を補正した第2補正後シフト量、即
ち周波数シフト量の幅を決定する。
【0113】続くステップ210では、(まだ周波数シ
フトを実行していない)例えばシフト幅Sn-1から周波
数シフトを行う。例えば下りスペクトル全体をシフトす
る。従って、2回目に本処理を通過した場合には、次の
シフト幅の周波数シフトを行う。
【0114】続くステップ220では、前記ステップ2
10にて周波数シフトしたスペクトルにおいて、その評
価を行うべき所定のピークに対して、前記式(6),
(7)に基づいて、そのピーク(従ってピーク周波数成
分)の近傍における評価値|Vp|を順次算出する。
【0115】続くステップ230では、前記式(8)に
基づいて、前記ステップ220にて算出した所定のピー
クの近傍の評価値|Vp|を合計して、そのピークの近
傍和Sum2を算出する。続くステップ240では、判
定を希望するピークの数だけ近傍和Sum2の算出の処
理が終了したか否かを判定する。例えば図9に示す様
に、例えばシフト幅Sn-1において、4つのピークに関
して、各々の近傍和Sum2を全て算出したか否かを判
定する。ここで肯定判断されるとステップ250に進
み、一方否定判断されると前記ステップ220以降の処
理に戻り、他のピークの評価値|Vp|及び近傍和Su
m2の算出を行う。
【0116】ステップ250では、前記ステップ220
〜240にて、全てのピークの近傍和Sum2の算出が
終了したので、前記式(9)に基づいて、それらを合計
して、スペクトル全体和Sum1の算出を行う。続くス
テップ260では、シフト幅回数シフトしたか否かを判
定する。例えば周波数シフト量が、Sn-1、Sn、Sn
+1の3通りある場合には、各々の周波数シフト量におい
て、上述したスペクトル全体和Sum1等の演算が行わ
れたか否かを判定する。ここで肯定判断されるとステッ
プ270に進み、一方否定判断されるとステップ210
以降の処理戻り、前記と同様にして他のスペクトル全体
和Sum1の算出の処理を行う。
【0117】ステップ270では、全て(例えば図9で
は3通り)のスペクトル全体和Sum1の値を比較し、
その最も小さな値に対応する周波数シフト量を、真の周
波数シフト量TSnとする。続くステップ280では、
真の周波数シフト量TSnを前記式(11)に適用し
て、実自車速度TVBを算出し、一旦本処理を終了す
る。
【0118】この実自車速推定処理により、車速センサ
3bにより得られた自車速度VBよりも、一層正確な実
自車速度TVBを求めることができる。 e)次に、前記ステップ175にて行われる静止物判定
処理の基本原理について、簡単に説明する。
【0119】ここでは、静止物の判定に、真の周波数シ
フト量TSnに対応した上り及び下りスペクトルを用
い、そのピーク周波数成分に対応した物標が、移動物か
静止物かを判定する。以下詳細に説明する。 第1の静止物判定 従来は、スペクトルの減算を行うのみであったが、本実
施例では、偶然にピークレベルが等しいスペクトルピー
クが存在する可能性、即ち、移動物と静止物とのピーク
が合成されている場合を考慮して処理を行う。
【0120】図9に示す様に、あるスペクトルピークの
近傍和Sum2が閾値Thp以下の場合には、ピークレ
ベル及びビームの方位(位相差)に関して、上昇部及び
下降部のピークが一致していると見なして、一致したピ
ークが静止物であるとの静止物判定を行う。一方、ある
スペクトルピークの近傍和Sum2が閾値Thpを上回
る場合には、移動物と静止物のピークの組み合せ、又は
ノイズ等によるピークの組み合せと判断して、静止物判
定を行わない。
【0121】第2の静止物判定 ここでは、実自車速度TVBとレーダ装置2によって認
識された物標との相対速度RVBとを比較し、実自車速
度TVBと相対速度RVBが一致した場合には、静止物
である可能性が高いという判断を加える。
【0122】つまり、物標が静止物である場合には、自
車速度VBと同じ速さで接近するはずであるが、単に車
速センサ3bにより得られた自車速度VBと相対速度R
VBとを比較しただけでは、静止物の判定が不正確にな
る恐れがあるが、本実施例により得られる正確な実自車
速度TVBと相対速度RVBとを比較することにより、
一層精度の高い静止物判定が可能になる。
【0123】移動物予測フラグを用いた判定 判定対象のピークが、移動物と静止物のピークが合成さ
れたものであるかどうかの判定に関しては、移動物予測
フラグを用いることによって行う。つまり、図12に示
す様に、前回静止物と判定されなかったピークで、別の
手段により移動物と判定されたピークに関しては、その
移動物の運動状態によって、△t後に出現するであろう
ピーク位置が予測される。この予測位置を示しフラグを
移動物予測フラグと呼ぶ。従って、仮に静止物判定され
た場合でも、そのピークの位置に移動物予測フラグがた
っていた場合には、移動物と静止物の合成ピークである
と判定し、静止物判定は行わない。尚、同様にして、順
次移動物予測フラグをセットしてゆく。
【0124】f)次に、前記静止物判定の原理に基づい
て行われる前記ステップ175の静止物判定処理につい
て、図13のフローチャートに基づいて説明する。本処
理は、上述した原理に基づいて、レーダ装置2により認
識された障害物(物標)のスペクトルピークが、静止物
に該当するものであるか否かを判定するための処理であ
る。
【0125】まず、図13のステップ300にて、真の
周波数シフト量TSnにて周波数シフトしたスペクトル
に関し(図10では右側のシフト量Sn+1のスペクト
ル)、所定のピーク(詳しくは上りと下りのスペクトル
で対応した一対のピーク)の近傍和Sum2が、閾値T
hp以下は否かを判定する。ここで肯定判断されるとス
テップ310に進み、一方否定判断されるとステップ3
20に進む。
【0126】ステップ350では、ピークの近傍和Su
m2が閾値Thpより大きいので、即ち、静止物と判定
するには評価の一致度が低いので、そのピークに該当す
る物標識が移動物であるとして、移動物であることを示
す移動物フラグをセットし、ステップ360に進む。
【0127】一方、ステップ3100では、レーダ装置
2により検出した物標の相対速度RVBと前記実自車速
度TVBとを比較し、両者が(ある許容範囲内で)一致
するか否かを判定する。ここで、肯定判断されるとステ
ップ320に進み、一方否定判断はされると前記ステッ
プ350に進む。
【0128】つまり、この処理は、前記ステップ300
にて静止物の可能性が高いと判断された物標に対して、
更に精度のよい静止物の判定を行うための処理である。
ステップ320では、判定対象の物標のピークの位置に
移動物予測フラグがセットされているかどうかを判定す
る。ここで肯定判断されるとステップ340に進み、一
方、否定判断されるとステップ330に進む。
【0129】ステップ340では、移動物予測フラグが
セットされているので、そのピークは静止物と移動物と
の合成ピークであると判断して、合成ピークを示す合成
ピークフラグをセットし、ステップ360に進む。一
方、ステップ330では、移動物予測フラグがセットさ
れていないので、即ち近傍和Sum2が閾値Thp以下
で、しかも物標の相対速度RVBと実自車速度TVBと
が一致し、且つ移動物予測フラグがセットされていない
ので、そのピークは静止物のピークであると判断して、
静止物を示す静止物フラグをセットし、ステップ360
に進む。
【0130】ステップ360では、判定を希望するピー
クの数だけ、前記ステップ300〜350における処
理、即ちそのピークが何を意味するのかの判定処理が終
了したか否かを判定する。ここで否定判断されると前記
ステップ300以降の処理を繰り返し、一方肯定判断さ
れると一旦本処理を終了する。
【0131】これにより、測定対象の物標が静止物であ
るか移動物であるかを、正確に判定することができる。 g)以上説明したように、本実施例では、車速センサ3
bの誤差等を考慮して複数の周波数シフト量(Sn-1、
Sn、Sn+1)を設定し、前記式(6)〜(9)からな
る評価関数を用いて、その中から真の周波数シフト量T
Snを求め、この真の周波数シフト量TSnに基づいて
実自車速度TVBを求めている。
【0132】従って、従来の様に、単に車速センサ3b
から求めた自車速度VBよりも、一層正確な実自車速度
TVBを求めることができる。よって、この正確な実自
車速度TVBを用いることにより、例えばアンチスキッ
ド制御や定速クルーズの様に、制御に自車速度を用いる
各種の車両制御を、一層精度よく好適に行うことができ
る。
【0133】また、正確な実自車速度TVBを静止物判
定に使用することにより、一層精度よい静止物判定を行
うことができるという利点がある。尚、本発明は前記実
施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を
逸脱しない限り、種々の態様で実施できることはいうま
でもない。
【0134】(1)例えば前記実施例では、FMCWレ
ーダ装置や車両制御装置について述べたが、これらの装
置による各種の処理や制御を実行させる手段を記憶して
いる記録媒体も、本発明の範囲である。例えば記録媒体
としては、マイクロコンピュータとして構成される電子
制御装置、マイクロチップ、フロッピィディスク、ハー
ドディスク、光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられ
る。
【0135】(2)評価値としては、位相差評価値Xを
用いずに、振幅評価値Yのみを用い、その絶対値を|V
p|としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のレーダ装置及び車両制御装置の全
体構成を表すブロック図である。
【図2】 本実施例のレーダ装置の全体構成を表すブロ
ック図である。
【図3】 送信信号の周波数の変化を表すグラフであ
る。
【図4】 RAMに格納されるデータを表す説明図であ
る。
【図5】 障害物検出処理を表すフローチャートであ
る。
【図6】 レーザレーダのビームの向きによる補正を示
す説明図である。
【図7】 評価値を示す説明図である。
【図8】 上昇部と下降部のスペクトルを示す説明図で
ある。
【図9】 上昇部と下降部のスペクトルを示し、(a)
はVBを用いた場合を示す説明図、(b)はTVBを用
いた場合を示す説明図である。
【図10】 3種のシフト幅にてシフトした場合のスペ
クトルを示す説明図である。
【図11】 実施例の実自車速推定処理を示すフローチ
ャートである。
【図12】 移動物予測フラグのセット方法を示す説明
図である。
【図13】 実施例の静止物判定処理を示すフローチャ
ートである。
【図14】 FMCWレーダの原理を表す説明図であ
る。
【図15】 FMCWレーダによるビート信号スペクト
ルを示す説明図である。
【図16】 車速の測定の誤差となる原因を示した説明
図である。
【符号の説明】
1…車両制御装置 2…レーダ装置 3…センサ 3a…車輪速度セン
サ 3b…車速センサ 10…送受信部 12…送信器 12a…変調器 12b…電圧制御発振器 12c,12d…電
力分配器 12e…送信アンテナ 14,16…受信器 14a,16a…受信アンテナ 14b,16b…ミ
キサ 14c,16c…前置増幅器 14d,16d…ロ
ーパスフィルタ 14e,16e…後置増幅器 20…信号処理部 22…三角波発生器 24a,24b…A
/D変換器 26…マイクロコンピュータ 28…演算処理装置

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の変調幅で、周期的に周波数が漸次
    増減する送信信号を発生し、レーダ波として送信する送
    信手段と、 物標により反射された前記レーダ波を受信して受信信号
    を発生すると共に、該受信信号を、前記送信信号と混合
    してビート信号を発生する受信手段と、 前記送信信号の周波数が上昇する上り変調時の上りビー
    ト信号から上りスペクトルを作成すると共に、前記送信
    信号の周波数が下降する下り変調時の下りビート信号か
    ら下りスペクトルを作成するスペクトル作成手段と、 前記両スペクトルのピークの比較のために、速度測定手
    段により測定された自車速度に基づいて、周波数シフト
    量を設定する周波数シフト量設定手段と、 前記両スペクトルの少なくとも一方を前記周波数シフト
    量シフトさせて、該両スペクトルの対応するピーク同士
    を比較し、前記物標の移動状態を検出する検出手段と、 を備えたFMCWレーダ装置において、 前記周波数シフト量を設定する際に、測定の誤差を考慮
    して複数の周波数シフト量を設定する複数シフト量設定
    手段と、 前記設定された各周波数シフト量に対応した前記上りス
    ペクトル及び下りスペクトル毎に、スペクトルマッチ度
    の評価を行う評価手段と、 前記評価結果に基づいて、前記スペクトルマッチ度の最
    も高い周波数シフト量を決定する決定手段と、 前記決定された周波数シフト量を用い、前記速度測定手
    段により測定された自車速度を補正して実自車速度を推
    定する推定手段と、 を備えたことを特徴とするFMCWレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記推定手段は、下記(A)式に基づい
    て実自車速度を推定することを特徴とするFMCWレー
    ダ装置。 TVB=TSn*C/(4*f0) …(A) 但し、TVBは実自車速度、TSnは決定された周波数
    シフト量、f0は送信信号の中心周波数、Cは光速
  3. 【請求項3】 前記推定手段により推定された実自車速
    度に基づいて、前記複数の周波数シフト量を設定するこ
    とを特徴とする前記請求項1又は2に記載のFMCWレ
    ーダ装置。
  4. 【請求項4】 前回得られた実自車速度と今回得られた
    実自車速度との差から実相対加速度を求め、該実相対加
    速度を用いて次回の自車速度を予測し、該予測した次回
    の自車速度を用いて次回の前記複数の周波数シフト量を
    設定することを特徴とする前記請求項3に記載のFMC
    Wレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記速度測定手段により測定された自車
    速度に基づいて、前記周波数シフト量を設定する際に、
    基本周波数シフト量と、該基本周波数シフト量から所定
    量ずれた周波数シフト量とを設定することを特徴とする
    前記請求項1〜4のいずれかに記載のFMCWレーダ装
    置。
  6. 【請求項6】 前記FMCWレーダ装置のビームの向き
    を考慮して周波数シフト量を設定することを特徴とする
    前記請求項1〜5のいずれかに記載のFMCWレーダ装
    置。
  7. 【請求項7】 前記決定された周波数シフト量に対応し
    た上りスペクトル及び下りスペクトルを用いる場合に、
    両スペクトルの対応する一対のスペクトルピーク毎に、
    スペクトルマッチ度の評価を行い、その評価結果に基づ
    いて、各物標の静止物判定を行うことを特徴とする前記
    請求項1〜6のいずれかに記載のFMCWレーダ装置。
  8. 【請求項8】 既に移動物と認識されている物標に対し
    て、今回の移動位置を予測して移動物予測フラグを設定
    し、今回の判定対象のスペクトルピークに対して前記移
    動物予測フラグがセットされている場合には、前記物標
    を静止物とは判定しないことを特徴とする前記請求項7
    に記載のFMCWレーダ装置。
  9. 【請求項9】 前記推定により得られら実自車速度と前
    記FMCWレーダ装置により認識された物標との相対速
    度とを比較し、この比較結果を静止物判定に反映させる
    ことを特徴とする前記請求項7又は8に記載のFMCW
    レーダ装置。
  10. 【請求項10】 前記スペクトルマッチ度の評価を、ス
    ペクトルピークの振幅及び物標の方位情報のうち、少な
    くスペクトルピークの振幅に基づいて行うことを特徴と
    する前記請求項1〜9のいずれかに記載のFMCWレー
    ダ装置。
  11. 【請求項11】 前記スペクトルピークの振幅に基づく
    振幅評価値をYとし、前記物標の方位情報に基づく位相
    評価値をXとした評価ベクトルの絶対値に基づいて、前
    記スペクトルマッチ度の評価を行うことを特徴とする前
    記請求項10に記載のFMCWレーダ装置。
  12. 【請求項12】 前記評価を行うスペクトルピークに関
    する前記評価ベクトルの絶対値の近傍和を、各スペクト
    ルピークに対して求め、それらの近傍和の合計のスペク
    トル全体和が最小のものを、真の周波数シフト量とする
    ことを特徴とする前記請求項11に記載のFMCWレー
    ダ装置。
  13. 【請求項13】 前記評価を行うスペクトルピークに関
    する前記評価ベクトルの絶対値の近傍和を所定の閾値と
    比較し、前記近傍和が閾値以下の場合には、前記物標を
    静止物と判定することを特徴とする前記請求項12又は
    13に記載のFMCWレーダ装置。
  14. 【請求項14】 前記請求項1〜13のいずれかに記載
    のFMCWレーダ装置による処理を実行させる手段を記
    憶していることを特徴とする記録媒体。
  15. 【請求項15】 前記請求項1〜14のいずれかの発明
    にて推定された実自車速度を、各種の車両制御に用いる
    ことを特徴とする車両制御装置。
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