JP2000078830A - リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置 - Google Patents

リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置

Info

Publication number
JP2000078830A
JP2000078830A JP10246607A JP24660798A JP2000078830A JP 2000078830 A JP2000078830 A JP 2000078830A JP 10246607 A JP10246607 A JP 10246607A JP 24660798 A JP24660798 A JP 24660798A JP 2000078830 A JP2000078830 A JP 2000078830A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
linear motor
axis
magnetic pole
long stroke
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10246607A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohide Hamada
智秀 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP10246607A priority Critical patent/JP2000078830A/ja
Publication of JP2000078830A publication Critical patent/JP2000078830A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Linear Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 2段構造を採用することなく、駆動対象物を
2次元方向に駆動できるリニアモータを提供する。 【解決手段】 リニアモータ32は、所定の長ストロー
ク方向(Y軸方向)に延びる一連の空隙内に磁束を発生
する磁極ユニット32Aと、この磁極ユニットとの間に
生じる電磁気的相互作用によって磁極ユニットに対して
Y軸方向、並びにY軸方向及び前記磁束方向(Z軸方
向)に直交する方向(X軸方向)に相対駆動される電機
子ユニット32Bとを備える。磁極ユニット32Aと電
機子ユニット32Bとの一方を固定子、他方を可動子と
した場合の可動子をY方向のみでなく、X方向にも駆動
することができる。従って、可動子側を駆動対象物に固
定することにより、2段構造を採用することなく、駆動
対象物を2次元方向に駆動することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータ及び
ステージ装置並びに露光装置に係り、更に詳しくは、機
械的なガイドを持たないガイドレスのステージ装置、及
びこのステージ装置のステージの駆動用に好適なリニア
モータ、並びに前記ステージ装置をマスク又は基板の駆
動装置として具備する露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、いわゆるステ
ッパ等の静止露光型の投影露光装置や、いわゆるスキャ
ニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置が主と
して用いられている。この種の投影露光装置では、パタ
ーンが形成されたマスク又はレチクル(以下、「レチク
ル」と総称する)のパターンを投影光学系を介してレジ
ストが塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上
の複数のショット領域に順次転写する必要から、基板を
保持して2次元移動する基板ステージが設けられてい
る。また、走査型の露光装置の場合には、更にレチクル
を保持するレチクルステージも走査方向に駆動可能にな
っている。
【0003】近年の投影露光装置では、スループット向
上の要請から、レチクルステージ、基板ステージ等の駆
動源としてリニアモータが用いられている。しかし、こ
のようなリニアモータを駆動源として用いる露光装置で
は、ステージの駆動反力によってステージベースが設け
られた本体コラムが振動するという不都合がある。通
常、本体コラムには投影光学系が保持されていることか
ら、本体コラムの振動によりレチクルと基板との重ね合
わせ精度の悪化や基板ステージの位置決め整定時間の増
加、あるいは位置決め精度の悪化等を招くという不都合
があった。また、走査型露光装置の場合には、これに加
え、走査露光時のレチクルステージと基板ステージの同
期整定時間の増大あるいは同期精度の悪化を招くという
不都合があった。
【0004】本願出願人は、上記の不都合を改善すべ
く、レチクルステージの駆動による反力が露光装置の投
影レンズ等を支持するフレームや基板ステージとから分
離されており、レチクルステージの運動による振動が投
影レンズへ与える影響をほぼ解消したステージ機構を先
に提案している(特開平8−330224号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のステージ機構では、上記のような優れた効果
がある反面、レチクルを保持するステージが主として走
査方向に所定ストロークで移動自在に枠体(窓枠)によ
って支持され、この枠体が基部支持構造体(ステージベ
ース)に対して主として非走査方向に微小量相対移動可
能に支持されたいわゆる粗微動構造を採用したことか
ら、構造が複雑であるという不利な面をも有している。
【0006】また、XY2次元移動ステージである基板
ステージをリニアモータ駆動により構成する場合、走査
方向及び非走査方向の一方を軸方向とする移動ガイドに
沿ってステージを駆動し、このステージと移動ガイドと
を一体的に走査方向及び非走査方向の他方を軸方向とす
るガイドに沿って駆動する必要があるため、直交2軸方
向のガイドが必要不可欠である。このため、ステージ駆
動時の反力が少なくとも一方のガイドを介してベース、
すなわち露光装置の投影レンズ等を支持するフレーム等
に伝わざるを得なかった。
【0007】更に、従来のリニアモータを用いて、駆動
対象物を2次元方向に駆動する場合には、リニアモータ
を直交2軸方向に2段に配置する2段構造が一般的に採
用されているが、スペースに余裕のない場所では、かか
る2段構造は採用できないという不都合があった。
【0008】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、2段構造を採用することなく、
駆動対象物を2次元方向に駆動することができるリニア
モータを提供することにある。
【0009】また、本発明の第2の目的は、簡単な構造
でしかもガイドレスでステージを駆動するステージ装置
を提供することにある。
【0010】また、本発明の第3の目的は、ステージの
駆動による反力に起因する本体コラム(露光装置本体)
の振動を効果的に抑制することができる露光装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】ガイドレス方式でステー
ジを2次元駆動する手法としては、いわゆる平面モータ
をステージの駆動源として用いることが最も一般的であ
ると考えられる。しかし、平面モータをステージの駆動
源として用いる場合には、構造が複雑である上、電機子
コイルの冷却、コスト面等で改善すべき問題も山積して
おり、現状では最善の手法であるとは言い難い。更に、
平面モータは、駆動するステージの重心に推力を与える
ことが原理的に難しいという欠点をも有している。
【0012】そこで、本願発明者は、これに代わる駆動
源を求め、鋭意研究の結果、リニアモータであっても長
ストローク方向のみでなく、これに直交する方向にも力
を発生できるという着想を得るに至った。
【0013】本発明は、かかる発明者の得た着想(新知
見)に基づいてなされたもので、以下のような構成を採
用する。すなわち、
【0014】本発明に係るリニアモータ(32)は、所
定の長ストローク方向に延びる一連の空隙内に磁束を発
生する磁極ユニット(32A)と;前記磁極ユニットと
の間に生じる電磁気的相互作用によって前記磁極ユニッ
トに対して前記長ストローク方向、並びに前記長ストロ
ーク方向及び前記磁束方向と異なる方向に相対駆動され
る電機子ユニット(32B)とを備えることを特徴とす
る。
【0015】これによれば、所定の長ストローク方向に
延びる一連の空隙内に磁束を発生する磁極ユニットと、
該磁極ユニットに対応して設けられた電機子ユニットと
が、当該両ユニット間に生じる電磁気的相互作用によっ
て長ストローク方向、並びに長ストローク方向及び磁束
方向と異なる方向に相対駆動可能となっている。
【0016】このため、例えば上記の長ストローク方向
と異なる駆動方向を、長ストローク方向及び磁束方向と
直交する方向(以下、便宜上、適宜「短ストローク方
向」と呼ぶ)とした場合には、その短ストローク方向の
駆動力を保持力として発生させることにより、短ストロ
ーク方向について位置関係を保持した状態で、両ユニッ
トを長ストローク方向に直線的に相対駆動することがで
きる。従って、磁極ユニットと電機子ユニットとの一方
を固定子、他方を可動子とした場合の可動子の横ぶれ等
が生じない。また、上記の長ストローク方向と異なる駆
動方向が、上記短ストローク方向以外の場合には、その
駆動力を保持力として働かせることにより、その駆動力
の上記短ストローク方向の分力により短ストローク方向
について位置関係を保持した状態で、両ユニットを長ス
トローク方向に直線的に相対駆動することができる。
【0017】勿論、上記の長ストローク方向と異なる方
向の駆動力を駆動力として発生させることにより、磁極
ユニットと電機子ユニットとの一方を固定子、他方を可
動子とした場合の可動子を長ストローク方向のみでな
く、これと異なる方向にも駆動することができる。この
場合、長ストローク方向と異なる方向の駆動力は、その
分力として長ストローク方向及びその直交方向の分力を
含む。従って、可動子側を駆動対象物に固定することに
より、2段構造を採用することなく、駆動対象物を2次
元方向に駆動することが可能になり、従来であればスペ
ース的に余裕がない場合であっても設置することが可能
になる。
【0018】上述したように、磁極ユニットと電機子ユ
ニットとの一方を固定子、他方を可動子とした場合の可
動子が、長ストローク方向に直交する方向にも固定子に
対して相対駆動可能な本発明に係るリニアモータを、以
下、適宜「新リニアモータ」と呼ぶものとする。
【0019】本発明に係る第1のステージ装置は、ステ
ージ(RST)と、前記ステージを所定の移動面(28
a)に沿って少なくとも第1軸方向(Y軸方向)に駆動
する駆動装置とを備えたステージ装置において、前記駆
動装置は、前記第1軸方向が前記長ストローク方向に設
定された新リニアモータ(32)を少なくとも含む1又
は2以上のリニアモータを備えることを特徴とする。
【0020】これによれば、駆動装置が、前記第1軸方
向が長ストローク方向に設定された新リニアモータ(3
2)を少なくとも含む1又は2以上のリニアモータを備
えることから、駆動装置により、ステージを移動面に沿
って第1軸方向に所定ストロークで駆動できるととも
に、新リニアモータによって第1軸に直交する第2軸方
向に微小駆動することが可能に成る。また、駆動装置が
第1軸方向が長ストローク方向に設定された新リニアモ
ータを含む2つのリニアモータを備える場合には、両リ
ニアモータの発生する推力を異ならせることにより、ス
テージを回転方向に微小駆動できる。従って、ステージ
の第2軸方向及び回転方向の位置を微調整しながら、ス
テージを第1軸方向に駆動することができる粗微動構造
でない簡単な構造のガイドレスのステージ装置を実現す
ることができる。
【0021】ここで、「新リニアモータを少なくとも含
む」とは、駆動装置が長ストローク方向が第1軸方向に
設定された新リニアモータを少なくとも1つ含んでいれ
ば良い趣旨である。すなわち、新リニアモータを1つの
み用いてステージを移動面に沿って第1軸方向に所定ス
トロークで駆動するとともに第2軸方向に微小駆動して
も良い。あるいは、公知のリニアモータと新リニアモー
タとの組み合わせによって駆動装置を構成しステージを
移動面に沿って第1軸方向に所定ストロークで駆動する
とともに第2軸方向及び回転方向に微小駆動しても良
く、あるいは新リニアモータを一対用いてステージを同
様に駆動しても良い。
【0022】本発明に係る第2のステージ装置は、ステ
ージ(PST)と、前記ステージを所定の移動面(24
a)に沿って第1軸方向(Y軸方向)及びこれに直交す
る第2軸方向(X軸方向)に駆動する駆動装置とを備え
たステージ装置において、前記駆動装置は、前記ステー
ジを第1軸方向に駆動する第1軸用リニアモータ(6
0,62)と、前記第1軸用リニアモータ及び前記ステ
ージを前記第1軸に直交する第2軸方向に駆動する前記
長ストローク方向が前記第2軸方向に設定された新リニ
アモータ(66)を少なくとも含む第2軸用リニアモー
タ(64、66)とを備えることを特徴とする。
【0023】ここで、「新リニアモータを少なくとも含
む第2軸用リニアモータ」とは、上記と同様に、第2軸
用リニアモータが新リニアモータを少なくとも1つ含ん
でいれば良い趣旨である。
【0024】これによれば、駆動装置を構成する第2軸
用リニアモータによって、ステージが第1軸用リニアモ
ータと一体で第2軸方向に駆動されるようになってい
る。このため、第2軸用リニアモータによって、第1軸
用リニアモータと一体でステージを、ガイドレスで第1
軸方向及び回転方向の位置を微調整しながら、第2軸方
向に駆動することができる。これに加え、第1軸用リニ
アモータによるステージの駆動の際の反力を相殺するよ
うに、第2軸用リニアモータに含まれる新リニアモータ
を用いて第1軸用リニアモータに対して第1軸方向の補
償力を与えることができるとともに、第1軸用リニアモ
ータを第1軸方向については定位置に保持することがで
きる。
【0025】本発明に係る第1の露光装置は、マスク
(R)と基板(P)とを一次元方向に同期移動して前記
マスクのパターンを前記基板上に転写する露光装置であ
って、上記本発明に係る第1のステージ装置を、前記マ
スク及び基板の少なくとも一方の駆動装置として備える
ことを特徴とする。
【0026】これによれば、本発明に係る第1のステー
ジ装置を、マスク及び基板の少なくとも一方の駆動装置
として備えることから、第1軸方向を走査方向(一次元
方向)に一致させることにより、マスクが搭載されるマ
スクステージ及び基板が搭載される基板ステージの少な
くとも一方を、粗微動構造にすることなく、簡単な構造
でしかもガイドレスで、非走査方向及び回転方向の位置
を微調整しながら、第1軸方向に駆動することができ
る。従って、そのステージの小型軽量化及び制御性の向
上が期待できる。
【0027】この場合において、前記ステージ装置を構
成する前記各リニアモータの固定子を前記移動面(28
a)が形成された本体コラム(18)とは独立の保持部
材(13A、13B)で保持することが望ましい。かか
る場合には、第1のステージ装置を構成するステージ
(マスクが搭載されるマスクステージ及び基板が搭載さ
れる基板ステージの少なくとも一方)の駆動時の反力
が、各リニアモータの固定子を介してそのステージの移
動面が形成された本体コラムに伝わることがないので、
ステージ駆動に起因する本体コラム(露光装置本体)の
振動を効果的に抑制することができる。特に、第1のス
テージ装置を、マスク及び基板の駆動装置として備える
場合には、ステージの駆動に起因する本体コラムの振動
を一層確実に抑制することができる。
【0028】本発明に係る第2の露光装置は、所定のパ
ターンを光学系を介して基板(P)上に転写する露光装
置であって、上記本発明に係る第2のステージ装置を前
記基板の駆動装置として備えることを特徴とする。
【0029】これによれば、本発明に係る第2のステー
ジ装置を基板の駆動装置として備えることから、基板が
搭載される基板ステージを、ガイドレスかつ制御性の良
い2次元ステージとして簡単な構造で実現できる。しか
も、基板ステージの第1軸方向の駆動の際の反力を、第
2軸用リニアモータに含まれる新リニアモータの発する
補償力によって相殺できる。
【0030】この場合も、前記基板ステージ装置を構成
する前記第2軸用リニアモータの固定子を前記移動面
(24a)が形成された本体コラム(18)と独立の保
持部材(72A、72B)で保持することが望ましい。
このようにすれば、基板ステージを第1軸方向及び第2
軸方向のいずれの方向に駆動しても、その駆動反力が本
体コラムに伝わることがなく、基板ステージの駆動に起
因する本体コラムの振動をほぼ完全に防止することがで
きる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図5に基づいて説明する。
【0032】図1には、一実施形態に係る露光装置10
の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステ
ップ・アンド・スキャン方式でマスクとしてのレチクル
のパターンを基板としての液晶用ガラスプレート(以
下、「プレートP」(図5参照)という)に転写する液
晶用の走査型露光装置である。
【0033】露光装置10は、照明系12、レチクルス
テージ装置14、プレートステージ装置16、不図示の
投影光学系及びこの投影光学系が設けられた本体コラム
18等を備えている。
【0034】本体コラム18は、設置床の上面に載置さ
れたベースフレーム(フレームキャスタ)20の上面に
複数(ここでは4つ)の防振パッド22を介して水平に
保持された定盤24と、この定盤24上に固定された第
1コラム26と、この第1コラム26上に設けられた不
図示の第2コラム等から構成されている。
【0035】この内、定盤24は、後述するプレートス
テージのベースを構成するもので、この定盤24の上面
にプレートステージの移動面24aが形成されている。
【0036】第1コラム26には、不図示の投影光学系
がその光軸方向をZ軸方向として保持されている。投影
光学系としては、ここでは両側テレセントリックな屈折
光学系が用いられており、その投影倍率は例えば等倍と
なっている。
【0037】前記第2コラムは、投影光学系を囲むよう
な状態で第1コラム26の上面に固定されており、この
第2コラム上に図1に示されるレチクルステージベース
28が水平に固定されている。このレチクルステージベ
ース28の上面にレチクルステージRSTの移動面28
aが形成されている。
【0038】このようにして構成された本体コラム18
に対する設置床からの振動は、前記防振パッド22によ
ってマイクロGレベルで絶縁されている。
【0039】前記照明系12は、例えば特開平9−32
0956号公報に開示されように、光源ユニット、シャ
ッタ、2次光源形成光学系、ビームスプリッタ、集光レ
ンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系等(い
ずれも不図示)から構成され、レチクルステージRST
に保持されたレチクルR(図2参照)上の矩形(あるい
は円弧状)の照明領域を均一な照度で照明する。この照
明系12は、図1に示されるように、一対の支持部材1
3A、13Bをそれぞれ介して本体コラム18とは別に
設けられた一対の保持部材としてのリアクションフレー
ム40A、40Bの上部に支持されている。これらのリ
アクションフレーム40A、40Bの下端は、ベースフ
レーム20の側方にて設置床に接続されている。
【0040】前記レチクルステージ装置14は、図2に
示されるように、レチクルステージRSTと、このレチ
クルステージRSTを移動面28aに沿って駆動する駆
動装置を構成する一組のリニアモータ30、32とを備
えている。
【0041】これを更に詳述すると、レチクルステージ
RSTの下面には不図示のエアーパッドが複数配置され
ており、これらのエアーパッドによって移動面28aに
対して所定のクリアランスを介して浮上支持されてい
る。レチクルステージRSTの中央部には、断面矩形の
凹部15が形成されており、この凹部15の内底部にレ
チクルRが真空吸着等によって固定されるようになって
いる。この凹部15の内底部(レチクルRの裏面側)に
は、照明光の通路を形成する矩形の開口(図示省略)が
形成されている。
【0042】前記一方のリニアモータ30は、レチクル
ステージベース28の上方に配置され(図1参照)、走
査方向(ここではY軸方向とする)に沿って延びる断面
コの字状の磁極ユニットから成る固定子(ステータ)3
0Aと、レチクルステージRSTのX方向一側(−X
側)の側面に一体的に固定された電機子ユニットから成
る可動子(ローター)30Bとから構成されている。固
定子30Aは、実際には、リアクションフレーム40A
の上部突出部の先端に固定されている。
【0043】リニアモータ30としては、公知のムービ
ングマグネット型のローレンツ電磁力駆動方式のリニア
モータが用いられている。
【0044】他方のリニアモータ32としては、本発明
に係る新リニアモータが用いられている。リニアモータ
32は、図2に示されるように、レチクルステージベー
ス28の上方に配置され(図1参照)、Y軸方向に沿っ
て延びる断面コの字状の磁極ユニットから成る固定子
(ステータ)32Aと、レチクルステージRSTのX方
向他側(+X側)の側面に一体的に固定された電機子ユ
ニットから成る可動子(ローター)32Bとから構成さ
れている。固定子32Aは、実際には、リアクションフ
レーム40Bの上部突出部の先端に固定されている。
【0045】図3には、リニアモータ32の具体的構成
が示されている。磁極ユニット32Aは、ここではリニ
アモータ32の固定子を構成し、Y軸方向に延びる断面
コの字状の磁極ベースとしての固定子ヨーク34と、該
固定子ヨーク34の一対の対向面34a、34bのそれ
ぞれにY軸方向に沿って極性が交互に異なるように所定
間隔で配置された複数組みの永久磁石から成る第1の界
磁磁石(界磁石)36と、前記一対の対向面34a、3
4bの各々にY軸に直交するX軸方向に所定間隔を隔て
てY軸方向に延設された各1組の細長いS極磁石38S
とN極磁石38Nから成る第2の界磁磁石(界磁石)と
を有している。以下においては、各第2の界磁磁石に、
適宜識別符号を付して説明する。この場合、相互に対向
する面34a側の各磁石と面34b側の各磁石とは、極
性が相互に反対となっている(図4(B)参照)。
【0046】電機子ユニット32Bは、ここではリニア
モータ32の可動子を構成し、非磁性体材料から成る電
機子ベースを有し、その内部には、図4(A)に模式的
に示されるように、固定子ヨーク34上でY方向につい
て隣接する永久磁石36(361〜368)の2個に1個
の割合で設けられた正方形コイルから成る複数(ここで
は4つ)の第1電機子コイル421、422、423、4
4がY軸方向に沿って所定間隔で配置されている。ま
た、電機子ユニット32Bの電機子ベースの内部には、
この図4(A)、図4(B)に示されるように、相互に
対向するS極磁石38S2とN極磁石38N1、及び相互
に対向するN極磁石38N2とS極磁石38S1とに対応
してY軸方向に細長い矩形状コイルから成る第2電機子
コイル44が設けられている。
【0047】ここで、このリニアモータ(新リニアモー
タ)32の駆動原理について図4(A)、(B)に基づ
いて簡単に説明する。図4(A)には、電機子ユニット
32Bがある位置にあるときの、電機子ユニット32B
の内部構成が模式的に示され、図4(B)には、図4
(A)のB−B線断面図が模式的に示されている。以下
においては、便宜上、永久磁石36にも適宜識別符号を
付して説明する。
【0048】まず、走査方向であるY軸方向(長ストロ
ーク方向)の駆動原理について説明する。
【0049】リニアモータ32のある断面(図4(A)
のB−B線断面の近傍)においては、図4(B)に示さ
れるように、固定子ヨーク34の面34aに固定された
N極の永久磁石362Nから面34bに固定されたS極の
永久磁石362Sに達した後、固定子ヨーク34の内部を
通って前記永久磁石362Nに戻る磁気回路50が形成さ
れている。従って、この断面部分においては、第1電機
子コイル421を横切る磁束の向きは、図4(B)中に
実線矢印で示されるように+Z方向となっている。従っ
て、図4(A)の永久磁石362(362S、362N)の
場所では、紙面奥側から手前側に向かって磁束が通って
いることになる。同様の理由により、図4(A)の永久
磁石364、366、368の場所では紙面奥側から手前
側に向かって磁束が通っている。また、永久磁石3
1、363、365、367の場所では、紙面手前側から
奥側に向かって磁束が通っている。すなわち、このよう
にして磁極ユニット32Aの内部空間、すなわちY軸方
向に延びる一連の空隙内にはY軸方向に沿って交番磁界
が生じている。
【0050】今、第1電機子コイル421〜424に図4
(A)に示されるような反時計回りの電流Iを流すもの
とすると、第1電機子コイル421〜424の左側辺、右
側辺にともに+Y方向のローレンツ電磁力F1、F2が働
き、電機子ユニット32Bは+Y方向に駆動される。上
記ローレンツ電磁力F1、F2は、磁極ユニット32Aと
電機子ユニット32BとのY軸方向の相対位置関係、及
び電流Iの大きさ及び方向によって定まる。また、第1
電機子コイル42と永久磁石36の配置の周期性より、
第1電機子コイル421〜424の全てに同じローレンツ
電磁力F1、F2が働くようになっている。
【0051】従って、図4(A)の状態で、各第1電機
子コイル421〜424に流す電流の向きを逆向きにする
と、当然に電機子ユニット32Bは−Y方向に駆動され
る。なお、+Y方向、−Y方向に電機子ユニット32B
を駆動し続ける場合には、各第1電機子コイルに流す電
流の向き及び大きさを時間的に変化させる必要がある
が、かかる電流制御の方法は、従来のローレンツ電磁力
方式のリニアモータで採用されており、公知であるの
で、詳細な説明は省略する。
【0052】次に、非走査方向であるX軸方向(短スト
ローク方向)の駆動原理について説明する。
【0053】このリニアモータ32では、前述した磁気
回路50の他、図4(B)に示されるように、固定子ヨ
ーク34の面34aに固定されたN極磁石38N1から
面34bに固定されたS極磁石38S2に達した後、固
定子ヨーク34の内部を通ってN極磁石38N2に至
り、該N極磁石38N2からS極磁石38S1に達した
後、固定子ヨーク34の内部を通ってN極磁石38N1
に戻る磁気回路51が形成されている。従って、図4
(B)の断面部分においては、第2電機子コイル44を
横切る磁束の向きは、同図中に実線矢印で示されるよう
に該電機子コイル44の上側辺部分で+Z方向、下側辺
部分で−Z方向となっている。
【0054】今、第2電機子コイル44に図4(A)に
示されるような反時計回りの電流iを流すと、第2電機
子コイル44の上側辺、下側辺には、ともに−X方向の
ローレンツ電磁力f1、f2が働き、電機子ユニット32
Bは−X方向に駆動される。上記ローレンツ電磁力
1、f2は、磁極ユニット32Aと電機子ユニット32
BとのX軸方向の相対位置関係、及び電流iの大きさ及
び方向によって定まる。この場合も第2電機子コイル4
4に流す電流iの向きを逆向きにすると、電機子ユニッ
ト32Bは+X方向に駆動される。また、第2電機子コ
イル44に流す電流iの大きさ及び方向を変化させるこ
とにより、電機子ユニット32Bを所望の量だけX軸方
向に駆動できることは明らかである。
【0055】このように、リニアモータ32は、長スト
ローク方向であるY軸方向の推力のみでなく、Y軸方向
及び固定子ヨーク34の空隙内の磁束方向(Z軸方向)
に直交するX軸方向の推力をも発生できるようになって
いる。このため、図1及び図2に示されるレチクルステ
ージRSTは、リニアモータ30、32によって走査方
向に所定ストロークで駆動されるとともに、非走査方向
に微少駆動可能となっている。また、リニアモータ3
0、32で発生するY軸方向の推力の値に差を与える
(逆向きの推力を与える場合も含む)ことによって、レ
チクルステージRSTをその重心を通るZ軸回りに微小
回転させることができる。
【0056】図2に戻り、レチクルステージRST上面
の+Y側の端部には、一対のコーナーキューブが46
A、46Bが固定されており、これらのコーナーキュー
ブ46A、46Bに対向してレチクルステージベース2
8の上面の+Y方向端部にはレチクルY干渉計48Yが
固定されている。このレチクルY干渉計48Yは、実際
にはコーナーキューブ46A、46Bに対して干渉計ビ
ームを投射し、それぞれの反射光を受光してコーナーキ
ューブ46A、46BのY軸方向の位置を検出する一対
のダブルパス干渉計を含んで構成されている。
【0057】また、レチクルステージRST上面の+X
側の端部には、Y軸方向に延びる平面ミラー50が固定
されており、この平面ミラー50に対向してレチクルX
干渉計48Xが配置されている。このレチクルX干渉計
48Xは、断面L字状部材から成る干渉計取り付け部材
52を介してレチクルステージベース28に固定されて
いる。
【0058】前記レチクルY干渉計48Y、レチクルX
干渉計48Xの計測値は、不図示のステージ制御装置及
びこれを介して主制御装置に供給されるようになってお
り、ステージ制御装置では主制御装置からの指示に応じ
てレチクルY干渉計48Y、レチクルX干渉計48Xの
計測値に基づいて前記各リニアモータ30、32を制御
することにより、レチクルステージRSTの位置制御を
行うようになっている。
【0059】図5には、露光装置10を構成する第1コ
ラムより上方の構成部分を取り除いた状態の斜視図が示
されている。この図5に示されるように、プレートステ
ージ装置16は、プレートステージPSTと、このプレ
ートステージPSTを移動面24aに沿って自在に駆動
する駆動装置とを備えている。
【0060】プレートステージPSTの下面には不図示
のエアーパッドが複数配置されており、これらのエアー
パッドによってプレートステージPSTは移動面24a
に対して所定のクリアランスを介して浮上支持されてい
る。このプレートステージPSTの上部には、プレート
Pが吸着保持されるようになっている。
【0061】前記駆動装置は、プレートステージPST
を移動面24aに沿って走査方向であるY軸方向に所定
のストロークで駆動するとともに、非走査方向であるX
軸方向及び回転方向に微小量駆動する第1軸用リニアモ
ータとしてのリニアモータ60、62と、これらのリニ
アモータ60、62の固定子の両端部相互間を連結する
連結部材68、70と、これらの連結部材68、70の
それぞれを介してリニアモータ60、62と一体でプレ
ートステージPSTをX軸方向に駆動する第2軸用リニ
アモータ64、66とを備えている。
【0062】ここで、Y軸用リニアモータの内の一方の
リニアモータ60としては、前述したリニアモータ30
と同様の公知のリニアモータが用いられ、このリニアモ
ータ60の可動子はプレートステージPSTのX方向一
側(−X側)の側面に一体的に固定されている。また、
Y軸用リニアモータの内の他方のリニアモータ62は、
前述したリニアモータ32と同様の新リニアモータが用
いられ、このリニアモータ62の可動子はプレートステ
ージPSTのX方向他側(+X側)の側面に一体的に固
定されている。
【0063】また、X軸用リニアモータの内の一方のリ
ニアモータ64としては、リニアモータ30、60と同
様の公知のリニアモータが用いられ、このリニアモータ
64の可動子は連結部材68の+Y側の側面に一体的に
固定されている。このリニアモータ64の固定子は、図
5に示される保持部材としてのリアクションフレーム7
2Aの上部突出部の先端に固定されている。このリアク
ションフレーム72Aの下端は、ベースフレーム20の
側方にて設置床に接続されている。
【0064】また、X軸用リニアモータの内の他方のリ
ニアモータ66は、前述したリニアモータ32、62と
同様の新リニアモータが用いられ、このリニアモータ6
6の可動子は連結部材70の−Y側の側面に一体的に固
定されている。このリニアモータ66の固定子は、図5
に示される保持部材としてのリアクションフレーム72
Bの上部突出部の先端に固定されている。このリアクシ
ョンフレーム72Bの下端は、ベースフレーム20の側
方にて設置床に接続されている。
【0065】前記プレートステージPSTのXY面内の
位置は、不図示のレーザ干渉計システムによって、所定
の分解能で常時計測されている。このレーザ干渉計シス
テムの計測値は、不図示のステージ制御装置及びこれを
介して主制御装置に供給されるようになっており、ステ
ージ制御装置では主制御装置からの指示に応じてレーザ
干渉計システムの計測値に基づいて前記各リニアモータ
60、62、64、66を制御することにより、プレー
トステージPSTの位置制御を行うようになっている。
【0066】このようにして構成された本実施形態の露
光装置10では、露光の際には、ステージ制御装置によ
って、レチクルステージRSTとプレートステージPS
Tとが、Y軸方向に沿って互いに逆向きに不図示の投影
光学系の投影倍率に応じた速度比で同期移動してレチク
ルパターンをプレート上に逐次転写する走査露光動作
と、プレート上の隣接する区画領域の露光のための走査
開始位置へプレートステージを移動するステッピング動
作とが、繰り返し行われる。
【0067】上記の走査露光に際して、レチクルステー
ジRSTを駆動する駆動装置が、新リニアモータ32を
含んで構成されているので、レチクルステージRSTの
非走査方向(X軸方向)及び回転方向の位置を微調整し
ながら、ガイドレスでY軸方向に駆動することができ
る。従って、従来の粗微動構造のレチクルステージのよ
うに、複雑な構造を採用することなく、レチクルステー
ジRSTの小型軽量化及び制御性の向上を図ることがで
きる。
【0068】また、レチクルステージ装置14を構成す
る各リニアモータ30、32の固定子を移動面28aが
形成された本体コラム18とは独立のリアクションフレ
ーム40A、40Bで保持しているので、レチクルステ
ージの駆動時の反力が、各リニアモータの固定子を介し
てレチクルステージRSTの移動面28aが形成された
本体コラム18に伝わることがないので、レチクルステ
ージ駆動に起因する本体コラム18(露光装置本体)の
振動を効果的に抑制することができる。
【0069】また、プレートステージPSTの駆動装置
が、新リニアモータ62を含むY軸用リニアモータを備
えていることから、レチクルステージRSTと同様に、
プレートステージPSTをその非走査方向(X軸方向)
及び回転方向の位置を微調整しながら、ガイドレスでY
軸方向に駆動することができる。これに加え、プレート
ステージPSTの駆動装置が、該Y軸用リニアモータと
一体的にプレートステージPSTを駆動する新リニアモ
ータ66を含むX軸用リニアモータとを含んでいるの
で、X軸用リニアモータ64、66によって、Y軸用リ
ニアモータ60、62と一体でプレートステージPST
を、ガイドレスでY軸方向及び回転方向の位置を微調整
しながら、X軸方向に駆動することができる。
【0070】更に、Y軸用リニアモータ60、62によ
るプレートステージPSTの駆動の際の反力を相殺する
ように、X軸用リニアモータに含まれる新リニアモータ
66を用いてY軸用リニアモータ60、62に対してY
軸方向の補償力を与えることができるとともに、Y軸用
リニアモータ(の固定子)をY軸方向については定位置
に保持することができる。
【0071】また、プレートステージ装置16を構成す
るX軸用リニアモータ64、66の固定子が移動面24
aが形成された本体コラム18と独立のリアクションフ
レーム72A、72Bで保持されているので、プレート
ステージPSTをXY2次元方向のいずれの方向に駆動
しても、その駆動反力が本体コラム18に伝わることが
なく、プレートステージPSTの駆動に起因する本体コ
ラム18の振動を効果的に抑制することができる。
【0072】このように露光装置10では、走査露光時
は勿論、ステッピング時においてもステージの駆動反力
が本体コラム18に振動要因として伝わることがないの
で、レチクルステージRSTとプレートステージとの同
期整定時間の短縮及びプレートステージの位置決め整定
時間の短縮によるスループットの向上と、ステージ制御
性の向上による重ね合わせ精度の向上とを共に実現する
ことができる。
【0073】また、本実施形態では、レチクルステージ
装置14、プレートステージ装置16がともに、基本的
にガイドレス構成となっているのでガイドが不要になる
のに加え、粗微動構造でないシンプルな構造であるた
め、部品点数も減り大幅なコストダウンを図ることがで
きるとともに、構成部材の剛性を高めることができ、各
ステージの制御性能を高めることも可能となる。さら
に、レチクルステージ装置14、プレートステージ装置
16が、ともにコンパクトな設計が可能であるため装置
の小型化が実現でき、重量が軽減される利点もある。
【0074】さらには、ヨーガイドが無くなると共に微
動系のガイドとアクチュエータも不要なため駆動重量も
大幅に削減され、リニアモータの推力仕様を下げること
ができ、駆動時の発熱に対しても非常に有利である。ま
た、本実施形態のリニアモータ32、62は、レチクル
ステージRST、プレートステージPSTの重心に推力
を与えることができ、レチクルステージRST、プレー
トステージPSTがピッチング方向に振動することがな
いので、高精度でかつ制御性の良いステージ装置を実現
できる。
【0075】なお、上記実施形態では、レチクルステー
ジ装置14が、公知のリニアモータ30と新リニアモー
タ32を備える場合について説明したが、本発明がこれ
に限定されるものではない。すなわち、新リニアモータ
を1つのみ用いてレチクルステージRSTを移動面28
aに沿ってY軸方向に所定ストロークで駆動するととも
にX軸方向に微小駆動するようにしても良い。あるいは
一対の新リニアモータを用いて上記実施形態と同様にレ
チクルステージRSTを移動面28aに沿ってY軸方向
に所定ストロークで駆動するとともにX軸方向及び回転
方向に微小駆動するようにしても良い。
【0076】また、プレートステージ装置16を構成す
るY軸用リニアモータとしては、新リニアモータを一対
用いても良い。但し、プレートステージ装置16を構成
する第2軸用リニアモータとしてのX軸用リニアモータ
は、少なくとも新リニアモータを少なくとも1つ含むこ
とが、プレートステージPSTの駆動による反力の影響
を相殺するという点で重要である。
【0077】なお、Y軸及びX軸をそれぞれ長ストロー
ク方向とし、ともにZ軸方向を短ストローク方向(微小
ストローク方向)とする2つの本発明に係る新リニアモ
ータを、例えばプレートステージ装置に適当に組み込む
ことにより、Z・レべリングステージの機能を有するプ
レートステージ装置を実現することも可能である。
【0078】なお、上記実施形態では、本発明に係る第
1、第2のステージ装置が、液晶用のステップ・アンド
・スキャン方式の走査型露光装置に適用された場合につ
いて説明したが、半導体素子製造用のスキャニング・ス
テッパにも同様に適用できることは勿論である。また、
不図示の投影光学系は、縮小系でも拡大系でも構わな
い。更に、レチクルRとプレートPとを鉛直方向に沿っ
て支持し、走査露光を行う縦型露光装置にもリニアモー
タ32、62を適用することができる。
【0079】また、例えば、マスクパターンの等倍正立
正像をプレート上に一括で転写する液晶用一括走査型の
露光装置などの場合は、マスク及びプレートの両方又は
一方の駆動装置として本発明に係る第1のステージ装置
を好適に適用できる。
【0080】また、本発明に係る第2のステージ装置
は、走査型露光装置に限らず、ステップ・アンド・リピ
ート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)等の静止
露光型の露光装置や、電子線露光装置(EB露光装置)
などの露光装置は勿論、レーザリペア装置その他XYス
テージを備えた装置であれば好適に適用できる。
【0081】なお、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整を
するとともに、多数の機械部品からなるレチクルステー
ジやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や
配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)
をすることにより上記実施形態の露光装置を製造するこ
とができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリー
ン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望まし
い。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2に
記載の各発明によれば、2段構造を採用することなく、
駆動対象物を2次元方向に駆動することができ、これに
より従来スペース的に余裕がないため設置が困難であっ
た場所にも適用できる優れたリニアモータを提供するこ
とができる。
【0083】また、請求項3及び4に記載の各発明によ
れば、簡単な構造でしかもガイドレスでステージを駆動
するステージ装置を提供することができる。
【0084】また、請求項5〜8に記載の各発明によれ
ば、ステージの駆動による反力に起因する本体コラム
(露光装置本体)の振動を効果的に抑制することができ
るという従来にない優れた露光装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の露光装置の構成を示す概略斜視図
である。
【図2】図1のレチクルステージ装置を示す概略斜視図
である。
【図3】図2のレチクルステージ装置を構成する新リニ
アモータ(本発明に係るリニアモータ)を示す概略斜視
図である。
【図4】図3のリニアモータの駆動原理を説明するため
の図である((A)、(B))。
【図5】図1の露光装置を構成する第1コラムより上方
の構成部分を取り除いた状態の斜視図である。
【符号の説明】
10…露光装置、14…レチクルステージ装置(第1の
ステージ装置)、16…プレートステージ装置(第2の
ステージ装置)、18…本体コラム、24a…移動面、
28a…移動面、30…リニアモータ(駆動装置の一
部)、32…リニアモータ(駆動装置の一部)、32A
…磁極ユニット、32B…電機子ユニット、34…固定
子ヨーク(磁極ベース)、36…第1の界磁磁石、38
N…N極磁石(第2の界磁磁石)、38S…S極磁石
(第2の界磁磁石)、40A,40B…リアクションフ
レーム(保持部材)、42…第1電機子コイル、44…
第2電機子コイル、60…第1軸用リニアモータ(駆動
装置の一部)、62…第1軸用リニアモータ(駆動装置
の一部)、64…第2軸用リニアモータ(駆動装置の一
部)、66…第2軸用リニアモータ(駆動装置の一
部)、72A、72B…リアクションフレーム(保持部
材)、RST…レチクルステージ(ステージ)、PST
…プレートステージ(ステージ)、R…レチクル(マス
ク)、P…プレート(基板)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の長ストローク方向に延びる一連の
    空隙内に磁束を発生する磁極ユニットと;前記磁極ユニ
    ットとの間に生じる電磁気的相互作用によって前記磁極
    ユニットに対して前記長ストローク方向、並びに前記長
    ストローク方向及び前記磁束方向と異なる方向に相対駆
    動される電機子ユニットとを備えることを特徴とするリ
    ニアモータ。
  2. 【請求項2】 前記磁極ユニットは、その内部に前記空
    隙が形成される前記長ストローク方向に所定長さで延び
    る磁極ベースと、該磁極ベースに前記長ストローク方向
    に沿って極性が交互に異なるように所定間隔で配置され
    た複数組みの第1の界磁磁石と、前記磁極ベースに所定
    の間隔を隔てて相互に平行にかつ前記長ストローク方向
    に延設されたS極磁石とN極磁石から成る少なくとも一
    組の第2の界磁磁石とを有し、 前記電機子ユニットは、前記第1の界磁磁石に対応して
    配置された第1電機子コイルと、前記第2の界磁磁石に
    対応して配置された第2電機子コイルとを有することを
    特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 【請求項3】 ステージと、前記ステージを所定の移動
    面に沿って少なくとも第1軸方向に駆動する駆動装置と
    を備えたステージ装置において、 前記駆動装置は、前記長ストローク方向が前記第1軸方
    向に設定された請求項1に記載のリニアモータを少なく
    とも含む1又は2以上のリニアモータを備えることを特
    徴とするステージ装置。
  4. 【請求項4】 ステージと、前記ステージを所定の移動
    面に沿って第1軸方向及びこれに直交する第2軸方向に
    駆動する駆動装置とを備えたステージ装置において、 前記駆動装置は、前記ステージを前記第1軸方向に駆動
    する第1軸用リニアモータと、前記第1軸用リニアモー
    タ及び前記ステージを前記第1軸に直交する第2軸方向
    に駆動する前記長ストローク方向が前記第2軸方向に設
    定された請求項1に記載のリニアモータを少なくとも含
    む第2軸用リニアモータとを備えることを特徴とするス
    テージ装置。
  5. 【請求項5】 マスクと基板とを一次元方向に同期移動
    して前記マスクのパターンを前記基板上に転写する露光
    装置であって、 請求項3に記載のステージ装置を、前記マスク及び基板
    の少なくとも一方の駆動装置として備えることを特徴と
    する露光装置。
  6. 【請求項6】 前記ステージ装置を構成する前記各リニ
    アモータの固定子を前記移動面が形成された本体コラム
    とは独立の保持部材で保持したことを特徴とする請求項
    5に記載の露光装置。
  7. 【請求項7】 所定のパターンを光学系を介して基板上
    に転写する露光装置であって、 請求項4に記載のステージ装置を前記基板の駆動装置と
    して備えることを特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 前記ステージ装置を構成する前記第2軸
    用リニアモータの固定子を前記移動面が形成された本体
    コラムと独立の保持部材で保持したことを特徴とする請
    求項7に記載の露光装置。
JP10246607A 1998-09-01 1998-09-01 リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置 Pending JP2000078830A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246607A JP2000078830A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246607A JP2000078830A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000078830A true JP2000078830A (ja) 2000-03-14

Family

ID=17150933

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10246607A Pending JP2000078830A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000078830A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000209839A (ja) * 1999-01-13 2000-07-28 Yaskawa Electric Corp 可動巻線型リニアモ―タ
JP2005260219A (ja) * 2004-02-19 2005-09-22 Samsung Electronics Co Ltd 移送装置{transferapparatus}
JP2008245491A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Hitachi Metals Ltd 可動コイル型リニアモータ
JP2009506747A (ja) * 2005-08-29 2009-02-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 浮上及び横方向力能力を持つアイアンレス磁気リニアモータ
JP2010074976A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Yaskawa Electric Corp Xy軸コアレスリニアモータ及びそれを用いたステージ装置
US7983256B2 (en) 2006-01-05 2011-07-19 Kddi Corporation Broadcast-content transmitting apparatus, broadcast-content receiving apparatus, broadcast-content transmitting method, broadcast-content receiving method, and program
JP2014098732A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Nikon Corp 移動体装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、及びデバイス製造方法
JP2015119615A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 台達電子工業股▲ふん▼有限公司 リニアモータおよびそれを用いたモータ組
JP2017142522A (ja) * 2009-08-20 2017-08-17 株式会社ニコン 移動体装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、デバイス製造方法、及び露光方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000209839A (ja) * 1999-01-13 2000-07-28 Yaskawa Electric Corp 可動巻線型リニアモ―タ
JP2005260219A (ja) * 2004-02-19 2005-09-22 Samsung Electronics Co Ltd 移送装置{transferapparatus}
JP4717466B2 (ja) * 2004-02-19 2011-07-06 三星電子株式会社 移送装置{transferapparatus}
JP2009506747A (ja) * 2005-08-29 2009-02-12 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 浮上及び横方向力能力を持つアイアンレス磁気リニアモータ
US7983256B2 (en) 2006-01-05 2011-07-19 Kddi Corporation Broadcast-content transmitting apparatus, broadcast-content receiving apparatus, broadcast-content transmitting method, broadcast-content receiving method, and program
JP2008245491A (ja) * 2007-03-29 2008-10-09 Hitachi Metals Ltd 可動コイル型リニアモータ
JP2010074976A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Yaskawa Electric Corp Xy軸コアレスリニアモータ及びそれを用いたステージ装置
JP2017142522A (ja) * 2009-08-20 2017-08-17 株式会社ニコン 移動体装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、デバイス製造方法、及び露光方法
JP2014098732A (ja) * 2012-11-13 2014-05-29 Nikon Corp 移動体装置、露光装置、フラットパネルディスプレイの製造方法、及びデバイス製造方法
JP2015119615A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 台達電子工業股▲ふん▼有限公司 リニアモータおよびそれを用いたモータ組
US9641058B2 (en) 2013-12-19 2017-05-02 Delta Electronics, Inc. Linear motor and motor set having multiple magnetic yoke portions supporting magnets

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE41232E1 (en) Wafer positioner with planar motor and mag-lev fine stage
US7656062B2 (en) Split coil linear motor for z force
US6885430B2 (en) System and method for resetting a reaction mass assembly of a stage assembly
US7245047B2 (en) Lithographic apparatus and device manufacturing method
US20100167556A1 (en) Three degree of movement mover and method for controlling a three degree of movement mover
EP1882986B1 (en) Lithographic apparatus with planar motor driven support
US20030034695A1 (en) Wafer stage with magnetic bearings
US6252314B1 (en) Linear motor and stage system, and scanning exposure apparatus using the same
JP5505871B2 (ja) 移動体装置及び露光装置
US20080285004A1 (en) Monolithic, Non-Contact Six Degree-of-Freedom Stage Apparatus
US6958808B2 (en) System and method for resetting a reaction mass assembly of a stage assembly
US6366342B2 (en) Drive apparatus, exposure apparatus, and method of using the same
US10608519B2 (en) Three axis linear actuator
US8853988B2 (en) Control systems and methods for compensating for effects of a stage motor
JP4314555B2 (ja) リニアモータ装置、ステージ装置、及び露光装置
US6479991B1 (en) Stage mechanism, exposure apparatus and device manufacturing method in which a coil unit of a driving mechanism is moved substantially in synchronism with a stage
US20080252151A1 (en) Two degree of freedom movers with overlapping coils
US10684558B2 (en) Motor assembly, lithographic apparatus and device manufacturing method
US20070267995A1 (en) Six Degree-of-Freedom Stage Apparatus
WO1999004481A1 (fr) Unite d'excitation, moteur lineaire ou plan utilisant l'unite, dispositif a etage utilisant le moteur et dispositif d'alignement utilisant le dispositif
US7385678B2 (en) Positioning device and lithographic apparatus
JP2000078830A (ja) リニアモータ及びステージ装置並びに露光装置
KR20040002500A (ko) 구동장치, 노광장치 및 디바이스제조방법
JP2000216082A (ja) ステ―ジ装置および露光装置
JP2001148336A (ja) テーブル駆動装置、露光装置およびデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080716

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081009

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090216