JP2000075833A - 画像表示装置 - Google Patents

画像表示装置

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JP2000075833A
JP2000075833A JP24872798A JP24872798A JP2000075833A JP 2000075833 A JP2000075833 A JP 2000075833A JP 24872798 A JP24872798 A JP 24872798A JP 24872798 A JP24872798 A JP 24872798A JP 2000075833 A JP2000075833 A JP 2000075833A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示装置の発光特性を考慮し、更に入力
画像信号の種別に応じて、輝度信号とカラー信号につい
てのγ補正を行い原画像信号の色彩と明暗を忠実に画像
表示装置に表示する。 【解決手段】 電子放出素子と、前記電子放出素子から
放出された電子を受けて発光する蛍光体と、入力画像信
号を変換して変換画像信号を出力する画像信号変換手段
と、前記変換画像信号に基づいて前記電子放出素子から
放出される電子ビームを変調する変調手段とを備えた画
像表示装置において、前記画像信号変換手段は、原信号
を陰極線管(CRT)用にガンマ補正した前記入力画像信
号を、前記原信号に復元し、復元した前記原信号を、電
子ビーム強度対前記蛍光体発光輝度の非線型性を補正し
電子ビーム強度対前記蛍光体発光輝度特性を直線とさせ
る前記変換画像信号に変換して出力するようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光体への電子線
の照射による画像形成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱陰極素子と
冷陰極素子の2種類が知られている。このうち冷陰極素
子では、たとえば表面伝導型放出素子や、電界放出型素
子(以下FE型と記す)や、金属/絶縁層/金属型放出
素子(以下MIM型と記す)などが知られている。
【0003】表面伝導型放出素子としては、たとえば、
M.I.Elinson,Radio Eng.Electron Phys.,10,12
90,(1965)や、後述する他の例が知られてい
る。
【0004】表面伝導型放出素子は、基板上に形成され
た小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより
電子放出が生ずる現象を利用するものである。この表面
伝導型放出素子としては、前記エリンソン等によるSn
2薄膜を用いたものの他に、Au薄膜によるもの[G.D
ittmer:“Thin Solid Films",9,317(197
2)]や、In23/SnO2薄膜によるもの[M.Hartw
ell and C.G.Fonstad:“IEEE Trans.ED Conf.",519
(1975)]や、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22(1983)]等が
報告されている。
【0005】図21には、これらの表面伝導型放出素子
の素子構成の典型的な例として、前述のM.Hartwellらに
よる素子の平面図を示す。同図において、3001は基
板で、3004はスパッタで形成された金属酸化物より
なる導電性薄膜である。導電性薄膜3004は図示のよ
うにH字形の平面形状に形成されている。該導電性薄膜
3004に後述の通電フォーミングと呼ばれる通電処理
を施すことにより、電子放出部3005が形成される。
図中の間隔Lは、0.5〜1[mm]、Wは、0.1
[mm]で設定されている。尚、図示の便宜から、電子
放出部3005は導電性薄膜3004の中央に矩形の形
状で示したが、これは模式的なものであり、実際の電子
放出部の位置や形状を忠実に表現しているわけではな
い。
【0006】M.Hartwellらによる素子をはじめとして上
述の表面伝導型放出素子においては、電子放出を行う前
に導電性薄膜3004に通電フォーミングと呼ばれる通
電処理を施すことにより電子放出部3005を形成する
のが一般的であった。すなわち、通電フォーミングと
は、前記導電性薄膜3004の両端に一定の直流電圧、
もしくは、たとえば1V/分程度の非常にゆっくりとし
たレートで昇圧する直流電圧を印加して通電し、導電性
薄膜3004を局所的に破壊もしくは変形もしくは変質
せしめ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部3005を
形成することである。尚、局所的に破壊もしくは変形も
しくは変質した導電性薄膜3004の一部には、亀裂が
発生する。前記通電フォーミング後に導電性薄膜300
4に適宜の電圧を印加した場合には、前記亀裂付近にお
いて電子放出が行われる。
【0007】また、FE型の例は、たとえば、W.P.Dyke
& W.W.Dolan,“Field emission",Advance in Electron
Physics,8,89(1956)や、あるいは、C.A.Sp
indt,“Physical properties of thin-film field emi
ssion cathodes with molybdenium cones",J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)などが知られてい
る。
【0008】図22には、FE型の素子構成の典型的な
例として、前述のC.A.Spindtらによる素子の断面図を示
す。同図において、3010は基板で、3011は導電
材料よりなるエミッタ配線、3012はエミッタコー
ン、3013は絶縁層、3014はゲート電極である。
本素子は、エミッタコーン3012とゲート電極301
4の間に適宜の電圧を印加することにより、エミッタコ
ーン3012の先端部より電界放出を起こさせるもので
ある。
【0009】また、FE型の他の素子構成として、図2
2のような積層構造ではなく、基板上に基板平面とほぼ
平行にエミッタとゲート電極を配置した例もある。
【0010】また、図23には、MIM型の素子構成の
典型的な例をに示す(たとえば、C.A.Mead,“Operation
of tunnel-emission Devices,J.Appl.Phys.,32,
646(1961)など)。同図は断面図であり、図に
おいて、3020は基板で、3021は金属よりなる下
電極、3022は厚さ100オングストローム程度の薄
い絶縁層、3023は厚さ80〜300オングストロー
ム程度の金属よりなる上電極である。MIM型において
は、上電極3023と下電極3021の間に適宜の電圧
を印加することにより、上電極3023の表面より電子
放出を起こさせるものである。
【0011】上述の冷陰極素子は、熱陰極素子と比較し
て低温で電子放出を得ることができるため、加熱用ヒー
ターを必要としない。したがって、熱陰極素子よりも構
造が単純であり、微細な素子を作成可能である。また、
基板上に多数の素子を高い密度で配置しても、基板の熱
溶融などの問題が発生しにくい。また、熱陰極素子がヒ
ーターの加熱により動作するため応答速度が遅いのとは
異なり、冷陰極素子の場合には応答速度が速いという利
点もある。
【0012】このため、冷陰極素子を応用するための研
究が盛んに行われてきている。
【0013】たとえば、表面伝導型放出素子は、冷陰極
素子のなかでも特に構造が単純で製造も容易であること
から、大面積にわたり多数の素子を形成できる利点があ
る。そこで、たとえば本出願人による特開昭64−31
332号公報において開示されるように、多数の素子を
配列して駆動するための方法が研究されている。
【0014】また、表面伝導型放出素子の応用について
は、たとえば、画像表示装置、画像記録装置などの画像
形成装置や、荷電ビーム源等が研究されている。
【0015】特に、画像表示装置への応用としては、た
とえば本出願人によるUSP5,066,883や特開
平2−257551号公報や特開平4−28137号公
報において開示されているように、表面伝導型放出素子
と電子ビームの照射により発光する蛍光体とを組み合わ
せて用いた画像表示装置が研究されている。表面伝導型
放出素子と蛍光体とを組み合わせて用いた画像表示装置
は、従来の他の方式の画像表示装置よりも優れた特性が
期待されている。たとえば、近年普及してきた液晶表示
装置と比較しても、自発光型であるためバックライトを
必要としない点や、視野角が広い点が優れていると言え
る。
【0016】また、FE型を多数個ならべて駆動する方
法は、たとえば本出願人によるUSP4,904,89
5に開示されている。また、FE型を画像表示装置に応
用した例として、たとえば、R.Meyerらにより報告され
た平板型表示装置が知られている。[R.Meyer:“Recent
Development on Microtips Display at LETI",Tech.Di
gest of 4th Int.Vacuum Microelectronics Conf.,Naga
hama,pp.6〜9(1991)] また、MIM型を多数個並べて画像表示装置に応用した
例は、たとえば本出願人による特開平3−55738号
公報に開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記従来
技術に記載したものをはじめとして、さまざまな材料、
製法、構造の冷陰極素子を試みてきた。さらに、多数の
冷陰極素子を配列したマルチ電子ビーム源、ならびにこ
のマルチ電子ビーム源を応用した画像表示装置について
研究を行ってきた。
【0018】発明者らは、たとえば図24に示す電気的
な配線方法によるマルチ電子ビーム源を試みてきた。す
なわち、冷陰極素子を2次元的に多数個配列し、これら
の素子を図示のようにマトリクス状に配線したマルチ電
子ビーム源である。図中、4001は冷陰極素子を模式
的に示したもの、4002は行方向配線、4003は列
方向配線である。行方向配線4002および列方向配線
4003は、実際には有限の電気抵抗を有するものであ
るが、図においては配線抵抗4004および4005と
して示されている。上述のような配線方法を、単純マト
リクス配線と呼ぶ。
【0019】なお、図示の便宜上、6×6のマトリクス
で示しているが、マトリクスの規模はむろんこれに限っ
たわけではなく、たとえば画像表示装置用のマルチ電子
ビーム源の場合には、所望の画像表示を行うのに足りる
だけの素子を配列し配線するものである。
【0020】冷陰極素子を単純マトリクス配線したマル
チ電子ビーム源においては、所望の電子ビームを出力さ
せるため、行方向配線4002および列方向配線400
3に適宜の電気信号を印加する。たとえば、マトリクス
の中の任意の1行の冷陰極素子を駆動するには、選択す
る行の行方向配線4002には選択電圧Vsを印加し、
同時に非選択の行の行方向配線4002には非選択電圧
Vnsを印加する。これと同期して列方向配線4003
に電子ビームを出力するための駆動電圧Veを印加す
る。この方法によれば、配線抵抗4004および400
5による電圧降下を無視すれば、選択する行の冷陰極素
子には、Ve−Vsの電圧が印加され、また非選択行の
冷陰極素子にはVe−Vnsの電圧が印加される。V
e,Vs,Vnsを適宜の大きさの電圧にすれば選択す
る行の冷陰極素子だけから所望の強度の電子ビームが出
力されるはずであり、また列方向配線の各々に異なる駆
動電圧Veを印加すれば、選択する行の素子の各々から
異なる強度の電子ビームが出力されるはずである。ま
た、駆動電圧Veを印加する時間の長さを変えれば、電
子ビームが出力される時間の長さも変えることができる
はずである。
【0021】したがって、冷陰極素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源はいろいろな応用可能性が
あり、たとえば画像情報に応じた電気信号を適宜印加す
れば、画像表示装置用の電子源として好適に用いること
ができる。
【0022】しかしながら、冷陰極素子を単純マトリク
ス配線したマルチ電子ビーム源には、実際には以下に述
べるような問題が発生していた。
【0023】前述のように、冷陰極素子を単純マトリク
ス配線したマルチ電子ビーム源においては、選択する行
配線と選択しない行配線に与える電圧を変えることで発
光する行を選ぶことができる。また選択された行の各素
子の発光量は、各列配線から印加する駆動電圧値の大き
さもしくは駆動電圧を印加する時間を変えることにより
制御できる。
【0024】すなわち走査線構造を有する画像信号を表
示するのに、1走査線分の画素数と各列配線数を対応さ
せ各画素の輝度信号で駆動電圧印加振幅変調あるいは駆
動電圧印加時間変調を行い各列配線に印加し、順次行配
線を走査していくいわゆる線順次走査駆動で実現でき
る。
【0025】線順次駆動の長所のひとつは、多くのCR
Tを用いたラスタスキャン型表示装置が行う点順次駆動
と異なり、一つの画素の選択時間が長くとれることであ
る。すなわち輝度を格段に明るくできる、もしくは電子
ビームを加速する加速電圧を下げることが可能になる。
【0026】一方、画像信号のひとつとしてNTSCや
HDTVのようなTV信号がある。通常TV信号はCR
Tを用いた受像機を対象に考えており、CRTが有する
ガンマ特性(輝度信号−発光輝度特性の非線形な特性)
を送出側であらかじめ補正して(以後ガンマ補正と呼
ぶ)出力される。
【0027】すなわち本画像表示装置のようにCRT以
外の表示デバイスを用いた表示装置がTV信号を受信す
る場合、CRTの非線形な発光特性に合わせるような発
光特性変換手段が必要である。
【0028】従来、たとえば前述の例で線順次駆動で列
配線の駆動を輝度信号強度に応じたパルス幅を有する電
圧を与えるパルス幅変調で行う場合、冷陰極素子からの
放出電子ビーム時間と輝度データはリニアな関係である
から、入力されるTV信号が有するガンマ特性を打ち消
すいわゆる逆ガンマ補正といわれる発光特性変換のみ行
っていた。
【0029】しかし線順次駆動の採用により、一つの画
素の選択時間が長くなった結果、1画素の発光体(蛍光
体)が電子ビーム照射を受ける時間が長くなりすぎ、条
件によっては、蛍光体の発光量が電子ビーム照射時間に
比例しなくなるいわゆる飽和現象を示すことがある。
【0030】この飽和の程度は蛍光体の種類や、電子ビ
ーム密度、電子ビーム照射時間などにより変化する。
【0031】この蛍光体の飽和現象により、TV信号の
逆ガンマ補正だけでは輝度信号と発光量の関係が崩れて
しまうことがある。また蛍光体の種類により飽和の様子
が変わるので、場合によっては表示される画像の色バラ
ンスが崩れてしまう恐れがある。
【0032】あるいは、表示装置がたとえばTV信号と
パーソナルコンピュータ(以下PCと記す)の画像信号
など複数の種類の入力信号を受信する場合、TV信号の
表示時とPC信号の表示時で発光輝度を変えることがあ
る。この場合に、どちらかの入力信号の色バランスが崩
れてしまう恐れがある。
【0033】さらに、表示装置が消費電力抑制のため
に、ピーク輝度は大きくても画面全体の平均輝度を下げ
るいわゆるABL制御を行う場合、ABL制御により場
合によっては表示される画像の色バランスが崩れてしま
う恐れがある。
【0034】そこで、本発明は、画像表示装置の発光特
性を考慮し、更に入力画像信号の種別に応じて、輝度信
号と色信号についてのγ補正を行い原画像信号の色彩と
明暗を忠実に画像表示装置に表示することを課題として
いる。
【0035】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、電子放出素子と、前記電子放出素子から
放出された電子を受けて発光する蛍光体と、入力画像信
号を変換して変換画像信号を出力する画像信号変換手段
と、前記変換画像信号に基づいて前記電子放出素子から
放出される電子ビーム強度を変調する変調手段とを備え
た画像表示装置を用いる画像表示方法であって、前記画
像信号変換手段は、原信号を陰極線管(CRT)用にガン
マ補正した前記入力画像信号を、前記原信号に復元し、
復元した前記原信号を、電子ビーム強度対前記蛍光体発
光輝度の非線型性を補正し電子ビーム強度対前記蛍光体
発光輝度特性を直線とさせる前記変換画像信号に変換し
て出力するようにしている。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。 [実施形態1]第1の実施形態は、複数の表面伝導型素
子を複数の行配線と列配線でマトリクス配線したマルチ
電子ビーム源と各電子ビーム源からの電子ビーム照射を
受け発光する蛍光面を有する表示パネル(以下SEDパ
ネルと呼ぶ)にTV信号を表示する例で説明する。
【0037】図1にSEDパネルの駆動回路のブロック
図を示す。
【0038】P2000は表示パネルであり、本実施形
態においては240*720個の表面伝導型素子P20
01が垂直240行の行配線と水平720列の列配線に
よりマトリクス配線され、各表面伝導型素子P2001
からの放出電子ビームが高圧電源部P30から印加され
る高圧電圧により加速され不図示の蛍光体に照射される
ことにより発光を得るものである。この不図示の蛍光体
は用途に応じて種々の色配列を取ることが可能である
が、一例としてRGB縦ストライプ状の色配列とする。
【0039】本実施形態においては以下前記水平240
(RGBトリオ)*垂直240ラインの画素数を有する
表示パネルにNTSC相当のテレビ画像を表示する応用
例を示すが、NTSCに限らずHDTVのような高精細
な画像やコンピュータの出力画像など、解像度やフレー
ムレートが異なる画像信号に対しても、ほぼ同一の構成
で容易に対応できる。
【0040】図2には、NTSCのコンポジットビデオ
入力を受けRGBコンポーネントを出力するNTSC−
RGBデコーダ部P1を示す。このユニット内にて入力ビ
デオ信号に重畳されている同期信号(SYNC)を分離
し出力する。同じく入力ビデオ信号に重畳されているカ
ラーバースト信号を分離し、カラーバースト信号に同期
したCLK信号(CLK1)を生成し出力する。
【0041】図3には、P1にてデコードされたアナロ
グRGB信号を、SEDパネルを輝度変調するためのデ
ジタル階調信号に変換するために必要な以下のタイミン
グ信号を発生するためのタイミング発生部P2を示す。こ
のタイミング発生部P2が出力する信号は、P1からのR
GBアナログ信号をアナログ処理部P3にて直流再生す
るためのクランプパルスと、P1からのRGBアナログ
信号にアナログ処理部P3にてブランク期間を付加する
ためのブランキングパルス(BLKパルス)と、RGB
アナログ信号のレベルをビデオ検出部P4にて検出する
ための検出パルスと、アナログRGB信号をA/D部P
6にてデジタル信号に変換するためのサンプルパルス
(不図示)と、RAMコントローラP12がRAMP8
を制御するために必要なRAMコントローラ制御信号
と、P2内で生成されCLK1入力時にはP2内PLL
回路によりCLK1に同期する自走CLK信号(CLK
2)と、P2内でCLK2を基に生成される同期信号
(SYNC2)である。
【0042】このタイミング発生部P2は、自走のCLK
2発生手段を備えることにより、入力ビデオ信号が存在
しないときも基準信号であるCLK2,SYNC2を発
生できるため、RAM手段P8の画像データを読み出す
ことにより画像表示できる。
【0043】図4には、P1からの出力原色信号それぞ
れに備えられるアナログ処理部P3を示す。このアナログ
処理部P3は、P2からクランプパルスを受け直流再生を
行う。又、P2からBLKパルスを受けてブランキング
期間を付加する。
【0044】又、MPUP11を中心に構成されるシス
テムコントロール部の制御出力の一つであるD/A部P
14のゲイン調整信号を受け、P1から入力された原色
信号の振幅制御を行う。
【0045】又、MPUP11を中心に構成されるシス
テムコントロール部の制御出力の一つであるD/A部P
14のオフセット調整信号を受け、P1から入力された
原色信号の黒レベル制御を行う。
【0046】P4は、入力される映像信号レベルあるい
は、アナログ処理部P3にて制御された後の映像信号レ
ベルを検出するためのビデオ検出部であり、P2から検
出パルスを受け、MPUP11を中心に構成されるシス
テムコントロール部の制御入力のひとつであるA/D部
P15により検出結果が読み取られる。
【0047】P2からの検出パルスは、たとえばゲート
パルス、リセットパルス、サンプル&ホールド(以下S
/H)パルスの3種からなり、ビデオ検出部はたとえば
積分回路とS/H回路からなる。
【0048】たとえばゲートパルスにより入力ビデオ信
号の有効期間中、前述積分回路でビデオ信号を積分し垂
直帰線期間に発生するS/HパルスによりS/H回路で
積分回路の出力をサンプルする。同垂直帰線期間にA/
D部P15により検出結果が読み取られた後リセットパ
ルスで積分回路とS/H回路が初期化される。
【0049】このような動作でフィールド毎の平均ビデ
オレベルが検出できる。
【0050】LPFP5は、A/D部P6の前段に置か
れるプリフィルタ手段である。
【0051】A/D部P6は、P2からのサンプルCL
Kを受け、LPFP5を通過したアナログ原色信号を必
要階調数で量子化するA/Dコンバータ手段である。
【0052】変換テーブルP7は、入力されるビデオ信
号を表示パネルが有する発光特性に変換するために備え
られた階調特性変換手段である。本実施形態のようにパ
ルス幅変調により輝度階調を表現する場合、輝度データ
の大きさに発光量がほぼ比例するリニアな特性を示すこ
とが多い。一方ビデオ信号は、CRTを用いたTV受像
機を対象としているため、CRTの非線形な発光特性を
補正するためにガンマ処理を施されている。このため本
実施形態のようにリニアな発光特性を持つパネルにTV
画像を表示させる場合、P7のような階調特性変換手段
でガンマ処理の効果を打ち消す必要がある。
【0053】MPUP11を中心に構成されるシステム
コントロール部の制御入出力のひとつであるI/O制御
部P13の出力によりこのテーブルデータを切り替え
て、発光特性を好みに変えることができる。
【0054】P8は、R/G/B処理回路毎に備えられ
た画像メモリであり、パネルの総表示画素数分のアドレ
スを有する(この場合水平240*垂直240ライン*
3個)。このメモリにパネル各画素が発光すべき輝度デ
ータを格納しておき、点順次に輝度データを読み出すこ
とにより、パネルにメモリ内に格納された画像の表示を
行う。
【0055】輝度データのP8からの出力は、RAMコ
ントローラP12からのアドレス制御を受けて行う。
【0056】P8へのデータの書き込みは、MPUP1
1を中心に構成されるシステムコントロール部の管理の
基に行われる。簡単なテストパターンなどであれば、M
PUP11がP8各アドレスに格納する輝度データを演
算して発生し書き込む。自然静止画像のようなパターン
であれば、たとえば外部コンピュータなどに格納した画
像ファイルをMPUP11を中心に構成されるシステム
コントロール部の入出力部のひとつであるシリアル通信
I/FP16を介して読み込み、画像メモリP8へ書き
込む。
【0057】P9はデータセレクタであり、出力する画
像データを画像メモリP8からのデータにするか、A/
D部P6(入力ビデオ信号系)からのデータにするかを
MPUP11を中心に構成されるシステムコントロール
部の制御入出力のひとつであるI/O制御部P13の出
力により決定する。
【0058】この2系統の入力セレクトの他、P9から
固定値を発生するモードを持ちP13によりこのモード
が選択され出力することもできる。このモードにより、
たとえば全白パターンなどの調整信号を外部入力なしに
高速に表示することができる。
【0059】P10は、各原色信号毎に備えられる水平
1ラインメモリ手段であり、ラインメモリ制御部P21
の制御信号により、RGBの3系統並列に入力される輝
度データをパネル色配列に応じた順番に並べ替えて1系
統の直列信号に変換しラッチ手段P22を介してXドラ
イバ部へ出力する。
【0060】システムコントロール部は主にMPUP1
1、シリアル通信I/FP16、I/O制御部P13、
D/A部P14、A/D部P15、データメモリP1
7、ユーザーSW手段P18から構成される。
【0061】システムコントロール部は、ユーザーSW
手段P18やシリアル通信I/FP16からのユーザー
要求を受け、対応する制御信号をI/O制御部P13や
D/A部P14から出力することによりその要求を実現
する。
【0062】また、A/D部P15からのシステム監視
信号を受け対応する制御信号をI/O制御部P13やD
/A部P14から出力することにより最適な自動制御を
行う。
【0063】本実施形態においてはユーザー要求として
は、テストパターン発生や階調性の可変、明るさ、色制
御などの表示制御が実現できる。また前述のようにビデ
オ検出部P4からの平均ビデオレベルをA/D部P15
でモニタすることによりABLなどの自動制御を行うこ
ともできる。
【0064】またデータメモリP17を備えることによ
り、ユーザー調整量を保存することができる。
【0065】P19はYドライバ制御タイミング発生
部、P20はXドライバ制御タイミング発生部であり、
ともにCLK1,CLK2,SYNC2信号を受けYド
ライバ制御、Xドライバ制御信号を発生する。
【0066】P21はラインメモリP10のタイミング
制御を行うための制御部であり、CLK1,CLK2,
SYNC2信号を受け輝度データをラインメモリに書き
込むためのR,G,B WRT制御信号およびラインメ
モリからパネル色配列に応じた順番で輝度データを読み
出すためのR,G,B RD制御信号を発生する。
【0067】図5は、SED駆動回路の動作を説明するた
めのタイムチャートである。
【0068】T104はRGB各色の内1色を例として
書いた色サンプルデータ列の波形であり、1水平期間に
240個のデータ列で構成される。このデータ列を1水
平期間に上記制御信号によりラインメモリP10に書き
込む。次の水平期間に各色毎のラインメモリP10を書
き込みの場合の3倍の周波数で読み出し有効にすること
でT105のような1水平期間あたり720個の輝度デ
ータ列を得る。
【0069】P1001はX,Yドライバタイミング発
生部であり、Yドライバ制御タイミング発生部P19と
Xドライバ制御タイミング発生部P20からの制御信号
を受ける。そして、P1001が出力する信号は、シフ
トクロックと、シフトレジスタP1101,1107に
読み込んだデータをPWMジェネレータ部P1102と
D/A部P1103内の非図示のメモリ手段にフェッチ
するため及びPWMジェネレータ部P1102とD/A
部P1103への水平周期のトリガとして作用するLD
パルスと、IfテーブルROM制御信号と、Yドライバ
制御のためにYシフトレジスタを動かすための水平周期
のシフトクロック及び行走査開始トリガを与えるための
垂直周期のトリガ信号である。
【0070】シフトレジスタP1101は、ラッチ手段
P22からの水平周期毎の720個の列配線数の輝度デ
ータ列をX,Yドライバタイミング発生部P1001か
らの図2T107のような輝度データに同期したシフト
クロックにより読み込み、T108のようなLDパルス
によりPWMジェネレータ部P1102に720個の1
水平列分のデータを一度に転送する。
【0071】シフトレジスタP1107は、データセレ
クタ手段P1201からの水平周期毎の720個の列配
線数の列配線駆動電流データ列を輝度データ同様にシフ
トクロックにより読み込み、T108のようなLDパル
スによりD/A部P1103に720個の1水平列分の
データを一度に転送する。
【0072】IfテーブルROMP1202は、表示パ
ネルP2000の720*240個の各表面伝導型素子
に流すべき電流振幅値のデータを記憶するためのメモリ
手段であり、X,Yドライバタイミング発生部P100
1からのIfテーブルROM制御信号により読み出しア
ドレス制御を受け、水平周期毎に図2T105のような
走査される1行分の720個の電流振幅値のデータを出
力する。
【0073】IfテーブルROMP1202を用いてこ
の列配線(すなわち表面伝導型素子)を駆動する電流値
を各素子毎に最適な値に設定することにより、輝度の均
一性を非常に良くできる。
【0074】さらにIfテーブルROMP1202は7
20*240個の電流振幅値データを1バンクとし、複
数種類のバンクを備えることも可能である。たとえばパ
ネルの発光輝度を複数段階で切替える場合に各段階毎に
対応するバンクに各素子に流すべき電流振幅データを格
納しておき、MPUP11を中心に構成されるシステム
コントロール部の制御入出力のひとつであるI/O制御
部P13から出力されるバンク切替信号により所望の明
るさに対応するIfデータバンクが選択される構成をと
ることもできる。
【0075】また、低コスト化などの目的でIfテーブ
ルROMP1202を使用しない場合のためにデータセ
レクタ手段P1201が備えられており、MPUP11
を中心に構成されるシステムコントロール部の制御入出
力のひとつであるI/O制御部P13から出力されるI
f設定データを同I/O制御部P13からの切り替え信
号によりシフトレジスタP1107に出力することがで
きる。このことにより出力するIfデータを変えること
により、パネルの表示輝度を制御することも可能とな
る。
【0076】各列配線毎に備えられるPWMジェネレー
タ部P1102はシフトレジスタP1101からの輝度
データを受け、図2T110に示す波形のように水平周
期毎にデータの大きさに比例したパルス幅を有するパル
ス信号を発生する。
【0077】各列配線毎に備えられるD/A部P110
3は電流出力のデジタルアナログ変換器でありシフトレ
ジスタP1107からの電流振幅値のデータを受け、図
2T111に示す波形のように水平周期毎にデータの大
きさに比例した電流振幅を有する駆動電流を発生する。
【0078】P1104はトランジスタなどで構成され
るスイッチ手段であり、D/A部P1103からの電流
出力をPWMジェネレータ部P1102からの出力が有
効な期間列配線に印加し、PWMジェネレータ部P11
02からの出力が無効な期間は列配線を接地する。図2
T111に列配線駆動波形の一例を示す。
【0079】列配線毎に備えられるダイオード手段P1
105は、コモン側がVmaxレギュレータP1106
に接続される。VmaxレギュレータP1106は電流
吸い込みが可能な定電圧源でありダイオード手段P11
05と合わせて、表示パネルP2000の720*24
0個の各表面伝導型素子に過電圧が印加されるのを防止
する保護回路を形成する。
【0080】この保護電圧(Vmaxと行配線の走査選
択時に印加される−Vssで規定される電位)は、MP
UP11を中心に構成されるシステムコントロール部の
制御入出力のひとつであるD/A部P14により与えら
れる。
【0081】従って素子過電圧防止の他、輝度制御の目
的でVmax電位(もしくは−Vss電位)を変化させ
ることも可能である。
【0082】すなわち、D/A部P14の出力電流を大
きくするようなIfデータを与え、必ず前記保護ダイオ
ード手段P1105が導通するように設定すると、表面
伝導型素子P2001の選択電位は、(Vmax+Vs
s)となるため、Vmax電位(もしくは−Vss電
位)を変化させることにより輝度制御が実現できる。
【0083】Yシフトレジスタ部P1002は、P10
01はX,Yドライバタイミング発生部からの水平周期
のシフトクロック及び行走査開始トリガを与えるための
垂直周期のトリガ信号を受け行配線を走査するための選
択信号を各行配線毎に備えられるプリドライバ部P10
03に順に出力する。
【0084】各行配線を駆動する出力部はたとえばトラ
ンジスタ手段P1006、FET手段P1004、ダイ
オード手段P1007から構成される。プリドライバ部
P1003はこの出力部を応答良く駆動するためのもの
である。FET手段P1004は行選択時に導通するス
イッチ手段で選択時に定電圧レギュレータ部P1005
からの−Vss電位を行配線に印加する。トランジスタ
手段P1006は行非選択時に導通するスイッチ手段で
非選択時に定電圧レギュレータ部P1005からのVu
so電位を行配線に印加する。図2T112に行配線駆
動波形の一例を示す。
【0085】ダイオード手段P1007は行配線に異常
電位発生防止と各行配線を駆動する出力部の保護のため
に備えられる。−VssとVuso電位を発生する定電
圧レギュレータ部P1005,1008はMPUP11
を中心に構成されるシステムコントロール部の制御入出
力のひとつであるD/A部P14により制御される。
【0086】また高圧電源部P30も同様にMPUP1
1を中心に構成されるシステムコントロール部の制御入
出力のひとつであるD/A部P14により制御される。
【0087】以上のような構成において本実施形態は、
変換テーブルP7に格納する補正データの算出を以下の
ように行う。
【0088】輝度データをx1(階調数をnbitとし
たときxは0〜(2のn乗−1)までの整数)、TV信
号送出側で行うガンマ補正の変換特性をf1(x1)と
し、f1(x1)の逆関数をg1(x1)とする。
【0089】パルス幅変調データをx2、SEDパネル
が有する輝度−パルス幅データの非線形特性カーブをf
2(x2)とし、f2(x2)の逆関数をg2(x2)
とするとき、まずTV信号送出側で行うガンマ補正を打
ち消すために、x1′を算出する。
【0090】 x1′=(g1(x1)/g1(x1max))×(x1) (変換式1) 次にSEDパネルが有する輝度−パルス幅データの非線
形特性カーブを打ち消すために、x2′を算出する。
【0091】 x2′=(g2(x2)/g2(x2max))×(x2) (変換式2) 変換式1で得られたx1′を変換式2のx2に代入して
得られるx2′を整数値に近似して、入力xに対しx
2′を出力するテーブルP7を作成する。(テーブルR
OM(P7)のアドレス信号をxに対応させ、そのアド
レスに対応するメモリにx2′を格納する)。
【0092】さらに具体的には以下のように行えばよ
い。
【0093】図6には、CRTのガンマ特性を補正する
ためにTV信号送出側で行うガンマ補正の変換カーブの
一例を示す。文献(日本放送協会編:ハイビジョン技術
47頁)によれば、γ=0.45のカーブの近似曲線が
使用されることが多い。従い逆γ補正のための関数(上
記g(x1)に相当)として、γ=2.2の近似曲線を
用いればよい。
【0094】また図7には、本実施形態に用いたSED
パネルの規格化輝度−階調データ(駆動電圧パルス幅に
ほぼ比例)を示す。この上に凸の曲線の近似関数の逆関
数を算出することにより、逆ガンマ補正同様SEDパネ
ルの非線形性を補正することができる。
【0095】図7で分かるようにRGBの蛍光体によ
り、SEDパネルの非線形性が異なる。各色毎に、凸の
曲線の近似関数の逆関数を算出することにより、色毎の
非線形の差を補正することができる。
【0096】この例においては、Rの発光特性はγ=
0.72、Gの発光特性はγ=0.9、Bの発光特性は
γ=1で近似できる。パネルの駆動条件によりこの値は
変化する場合があるので上記はあくまで一例であり、パ
ネルの駆動条件に応じて算出する必要がある。
【0097】以上べき乗関数近似によるテーブルデータ
の作成方法を述べてきたが、これに限らず別の関数近似
でもあるいは実際のパネル特性の実測カーブから求めて
もよい。 [第2の実施形態]本発明の第2の実施形態は、図1の
構成の表示装置がさらにNTSC信号以外にHDTV信
号とコンピュータ信号を受像できる例で説明する。
【0098】すなわち第2の実施形態は図8の前段に図
5に示すような入力信号切替部を有する構成である。
【0099】P40、P41、P42はNTSC信号、
HDTV信号、コンピュータ信号に対応するインタフェ
ース部であり、それぞれ表示パネルP2000の画素数
に合うように入力信号を解像度変換しRGBコンポーネ
ント信号とSYNC信号の形式で出力する。
【0100】P44はユーザーがアクセスするたとえば
リモコンなどの信号切替部であり、どの入力信号を表示
させるかの選択信号を信号判別部P45に送る。
【0101】P45は信号判別部でありP44からの選
択信号を受け、信号セレクタ部P43に切替信号を与え
る。
【0102】また信号判別部P45はP40〜P42の
各I/F部からステータス信号を受け、たとえば1種類
しか信号が入力されない場合には、自動的にその信号を
表示するように信号セレクタ部P43に切替信号を与え
る。
【0103】P43は信号セレクタ部であり、信号判別
部P45からの切替信号により3種類の入力信号のうち
の一つを選択して出力する。
【0104】また信号判別部P45は、現在どの信号が
選択されているかという情報を図1内のMPUP11を
中心に構成されるシステムコントロール部に与える。
【0105】システムコントロール部はこの情報によ
り、現在受信すべき画像信号の種類を判別することがで
きる。
【0106】たとえばNTSC信号やHDTV信号など
のTV信号を表示するときは表示画面から離れて見るた
め高輝度が望ましく、PC信号を表示するときは表示画
面の近くで見るため輝度は下げたいとする。
【0107】このときシステムコントロール部は、受信
すべき入力の種類に応じて第1実施形態で説明したよう
な輝度制御方法(IfデータやVmax、−Vssなど
を制御する)を利用して、輝度制御を行う。
【0108】輝度制御を受けるとSEDパネルの規格化
輝度−階調データの非線形性が変化することがある(発
光輝度が大きいほど上に凸の傾向が強くなる。)。この
ため入力信号に応じた輝度制御と同時に画像信号の種類
に対応する変換テーブルP7に切り替えることにより、
入力信号によらず好適な表示画像を得ることができる。 [第3の実施形態]本発明の第3の実施形態は図1の構
成の表示装置において、装置全体の消費電力抑制のため
に入力画像信号の平均輝度レベルを検出し、平均輝度レ
ベルが高い時にパネル全体の発光輝度を抑制するいわゆ
るABL制御を行う例で説明する。
【0109】第1の実施形態で説明したような動作でR
GB毎に備えられたビデオ検出部P4により各色毎の平
均入力輝度レベルをアナログ量で検出し、P15のシス
テムコントロール部のA/Dコンバータによりデジタル
値としてシステムコントロール部に読み込む。システム
コントロール部のMPUP11は、たとえばフィールド
周期毎の平均入力輝度レベルを監視し平均入力輝度レベ
ルがあるしきい値を超えた場合に、第1実施形態で説明
したような輝度制御方法(IfデータやVmax、−V
ssなどを制御する)を利用して、輝度制御を行う。平
均入力輝度レベルが大きいほど輝度抑制制御を強くか
け、パネル全面での平均発光輝度はあるしきい値を超え
ないようにする。
【0110】第3の実施形態においては、この平均入力
輝度レベルがあるしきい値を超えた場合に働く輝度制御
に連動して変換テーブルP7を切り替える。
【0111】すなわち、平均入力輝度レベルが低く輝度
抑制制御が働かない場合は、蛍光体を照射する電子ビー
ム密度は高く発光量は輝度データが大きくなるほど飽和
する特性を示す。このときは逆ガンマ補正に加え大きい
飽和特性を補正した低平均入力輝度レベル用変換テーブ
ルが選択される。
【0112】また、平均入力輝度レベルが高く輝度抑制
制御が強く働く場合は、蛍光体を照射する電子ビーム密
度は低くなり発光量の輝度データによる飽和特性は少な
くなる。このときは、逆ガンマ補正に加え小さな飽和特
性を補正した高平均入力輝度レベル用変換テーブルが選
択される。
【0113】このように低平均入力輝度レベルから高平
均入力輝度レベルまで複数段階に分け、逆ガンマ補正に
加えその段階を代表する飽和特性を補正した変換テーブ
ルを用意し、平均入力輝度レベルに応じて変換テーブル
を切り替えることで好適な表示画像を得ることができ
る。 (表示パネルの構成と製造法)次に、本発明を適用した
画像表示装置の表示パネルの構成と製造法について、具
体的な例を示して説明する。
【0114】図9は、実施形態に用いた表示パネルの斜
視図であり、内部構造を示すためにパネルの1部を切り
欠いて示している。
【0115】図中、1005はリアプレート、1006
は側壁、1007はフェースプレートであり、1005
〜1007により表示パネルの内部を真空に維持するた
めの気密容器を形成している。気密容器を組み立てるに
あたっては、各部材の接合部に十分な強度の気密性を保
持させるため封着する必要があるが、たとえばフリット
ガラスを接合部に塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中
で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することに
より封着を達成した。気密容器内部を真空に排気する方
法については後述する。
【0116】リアプレート1005には、基板1001
が固定されているが、該基板上には冷陰極素子1002
がN×M個形成されている(N,Mは2以上の正の整数
であり、目的とする表示画素数に応じて適宜設定され
る。たとえば、高品位テレビジョンの表示を目的とした
表示装置においては、N=3000、M=1000以上
の数を設定することが望ましい。本実施形態において
は、N=3072、M=1024とした。)。前記N×
M個の冷陰極素子は、M本の行方向配線1003とN本
の列方向配線1004により単純マトリクス配線されて
いる。前記、1001〜1004によって構成される部
分をマルチ電子ビーム源と呼ぶ。なお、マルチ電子ビー
ム源の製造方法や構造については、後で詳しく述べる。
【0117】本実施形態においては、気密容器のリアプ
レート1005にマルチ電子ビーム源の基板1001を
固定する構成としたが、マルチ電子ビーム源の基板10
01が十分な強度を有するものである場合には、気密容
器のリアプレートとしてマルチ電子ビーム源の基板10
01自体を用いてもよい。
【0118】また、フェースプレート1007の下面に
は、蛍光膜1008が形成されている。本実施形態はカ
ラー表示装置であるため、蛍光膜1008の部分にはC
RTの分野で用いられる赤、緑、青の3原色の蛍光体が
塗り分けられている。各色の蛍光体は、たとえば図10
(A)に示すようにストライプ状に塗り分けられ、蛍光
体のストライプの間には黒色の導電体1010が設けて
ある。黒色の導電体1010を設ける目的は、電子ビー
ムの照射位置に多少のずれがあっても表示色にずれが生
じないようにすることや、外光の反射を防止して表示コ
ントラストの低下を防ぐこと、電子ビームによる蛍光膜
のチャージアップを防止することなどである。黒色の導
電体1010には、黒鉛を主成分として用いたが、上記
の目的に適するものであればこれ以外の材料を用いても
よい。
【0119】また、3原色の蛍光体の塗り分け方は前記
図22(A)に示したストライプ状の配列に限られるも
のではなく、たとえば図22(B)に示すようなデルタ
状配列や、それ以外の配列であってもよい。
【0120】なお、モノクロームの表示パネルを作成す
る場合には、単色の蛍光体材料を蛍光膜1008に用い
ればよく、また黒色導電材料は必ずしも用いなくともよ
い。
【0121】また、蛍光膜1008のリアプレート側の
面には、CRTの分野では公知のメタルバック1009
を設けてある。メタルバック1009を設けた目的は、
蛍光膜1008が発する光の一部を鏡面反射して光利用
率を向上させることや、負イオンの衝突から蛍光膜10
08を保護することや、電子ビーム加速電圧を印加する
ための電極として作用させることや、蛍光膜1008を
励起した電子の導電路として作用させることなどであ
る。メタルバック1009は、蛍光膜1008をフェー
スプレート基板1007上に形成した後、蛍光膜表面を
平滑化処理し、その上にAlを真空蒸着する方法により
形成した。なお、蛍光膜1008に低電圧用の蛍光体材
料を用いた場合には、メタルバック1009は用いな
い。
【0122】また、本実施形態では用いなかったが、加
速電圧の印加用や蛍光膜の導電性向上を目的として、フ
ェースプレート基板1007と蛍光膜1008との間
に、たとえばITOを材料とする透明電極を設けてもよ
い。
【0123】また、Dx1〜DxmおよびDy1〜Dy
nおよびHvは、当該表示パネルと不図示の電気回路と
を電気的に接続するために設けた気密構造の電気接続用
端子である。Dx1〜Dxmはマルチ電子ビーム源の行
方向配線1003と、Dy1〜Dynはマルチ電子ビー
ム源の列方向配線1004と、Hvはフェースプレート
のメタルバック1009と電気的に接続している。
【0124】また、気密容器内部を真空に排気するに
は、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポ
ンプとを接続し、気密容器内を10のマイナス7乗[T
orr]程度の真空度まで排気する。その後、排気管を
封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封
止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲ
ッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たと
えばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしく
は高周波加熱により加熱し蒸着して形成した膜であり、
該ゲッター膜の吸着作用により気密容器内は1×10マ
イナス5乗ないしは1×10マイナス7乗[Torr]
の真空度に維持される。
【0125】以上、本発明実施形態の表示パネルの基本
構成と製法を説明した。
【0126】次に、前記実施形態の表示パネルに用いた
マルチ電子ビーム源の製造方法について説明する。本発
明の画像表示装置に用いるマルチ電子ビーム源は、冷陰
極素子を単純マトリクス配線した電子源であれば、冷陰
極素子の材料や形状あるいは製法に制限はない。したが
って、たとえば表面伝導型放出素子やFE型、あるいは
MIM型などの冷陰極素子を用いることができる。
【0127】ただし、表示画面が大きくてしかも安価な
表示装置が求められる状況のもとでは、これらの冷陰極
素子の中でも、表面伝導型放出素子が特に好ましい。す
なわち、FE型ではエミッタコーンとゲート電極の相対
位置や形状が電子放出特性を大きく左右するため、極め
て高精度の製造技術を必要とするが、これは大面積化や
製造コストの低減を達成するには不利な要因となる。ま
た、MIM型では、絶縁層と上電極の膜厚を薄くてしか
も均一にする必要があるが、これも大面積化や製造コス
トの低減を達成するには不利な要因となる。その点、表
面伝導型放出素子は、比較的製造方法が単純なため、大
面積化や製造コストの低減が容易である。また、発明者
らは、表面伝導型放出素子の中でも、電子放出部もしく
はその周辺部を微粒子膜から形成したものがとりわけ電
子放出特性に優れ、しかも製造が容易に行えることを見
いだしている。したがって、高輝度で大画面の画像表示
装置のマルチ電子ビーム源に用いるには、最も好適であ
ると言える。そこで、上記実施形態の表示パネルにおい
ては、電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形
成した表面伝導型放出素子を用いた。そこで、まず好適
な表面伝導型放出素子について基本的な構成と製法およ
び特性を説明し、その後で多数の素子を単純マトリクス
配線したマルチ電子ビーム源の構造について述べる。 (表面伝導型放出素子の好適な素子構成と製法)電子放
出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成する表面伝
導型放出素子の代表的な構成には、平面型と垂直型の2
種類があげられる。 (平面型の表面伝導型放出素子)まず最初に、平面型の
表面伝導型放出素子の素子構成と製法について説明す
る。
【0128】図11に示すのは、平面型の表面伝導型放
出素子の構成を説明するための平面図(a)および断面
図(b)である。図中、1101は基板、1102と1
103は素子電極、1104は導電性薄膜、1105は
通電フォーミング処理により形成した電子放出部、11
13は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0129】基板1101としては、たとえば、石英ガ
ラスや青板ガラスをはじめとする各種ガラス基板や、ア
ルミナをはじめとする各種セラミクス基板、あるいは上
述の各種基板上にたとえばSiO2を材料とする絶縁層
を積層した基板などを用いることができる。
【0130】また、基板1101上に基板面と平行に対
向して設けられた素子電極1102と1103は、導電
性を有する材料によって形成されている。たとえば、N
i,Cr,Au,Mo,W,Pt,Ti,Cu,Pd,
Ag等をはじめとする金属、あるいはこれらの金属の合
金、あるいはIn23−SnO2をはじめとする金属酸
化物、ポリシリコンなどの半導体などの中から適宜材料
を選択して用いればよい。電極を形成するには、たとえ
ば真空蒸着などの製膜技術とフォトリソグラフィー、エ
ッチングなどのパターニング技術を組み合わせて用いれ
ば容易に形成できるが、それ以外の方法(たとえば印刷
技術)を用いて形成してもさしつかえない。
【0131】素子電極1102と1103の形状は、当
該電子放出素子の応用目的に合わせて適宜設計される。
一般的には、電極間隔Lは通常は数百オングストローム
から数百マイクロメーターの範囲から適当な数値を選ん
で設計されるが、なかでも表示装置に応用するために好
ましいのは数マイクロメーターより数十マイクロメータ
ーの範囲である。また、素子電極の厚さdについては、
通常は数百オングストロームから数マイクロメーターの
範囲から適当な数値が選ばれる。
【0132】また、導電性薄膜1104の部分には、微
粒子膜を用いる。ここで述べた微粒子膜とは、構成要素
として多数の微粒子を含んだ膜(島状の集合体も含む)
のことをさす。微粒子膜を微視的に調べれば、通常は、
個々の微粒子が離間して配置された構造か、あるいは微
粒子が互いに隣接した構造か、あるいは微粒子が互いに
重なり合った構造が観測される。
【0133】微粒子膜に用いた微粒子の粒径は、数オン
グストロームから数千オングストロームの範囲に含まれ
るものであるが、なかでも好ましいのは10オングスト
ロームから200オングストロームの範囲のものであ
る。また、微粒子膜の膜厚は、以下に述べるような諸条
件を考慮して適宜設定される。すなわち、素子電極11
02あるいは1103と電気的に良好に接続するのに必
要な条件、後述する通電フォーミングを良好に行うのに
必要な条件、微粒子膜自身の電気抵抗を後述する適宜の
値にするために必要な条件、などである。具体的には、
数オングストロームから数千オングストロームの範囲の
なかで設定するが、なかでも好ましいのは10オングス
トロームから500オングストロームの間である。
【0134】また、微粒子膜を形成するのに用いられう
る材料としては、たとえば、Pd,Pt,Ru,Ag,
Au,Ti,In,Cn,Cr,Fe,Zn,Sn,T
a,W,Pbなどをはじめとする金属や、PdO,Sn
2,In23,PbO,Sb23などをはじめとする
酸化物や、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,Ce
B6 ,YB4 ,GdB4 などをはじめとする硼化
物や、TiC,ZrC,HfC,TaC,SiC,WC
などをはじめとする炭化物や、TiN,ZrN,HfN
などをはじめとする窒化物や、Si,Geなどをはじめ
とする半導体や、カーボンなどがあげられ、これらの中
から適宜選択される。
【0135】以上述べたように、導電性薄膜1104を
微粒子膜で形成したが、そのシート抵抗値については、
10の3乗から10の7乗[オーム/sq]の範囲に含
まれるよう設定した。
【0136】なお、導電性薄膜1104と素子電極11
02および1103とは、電気的に良好に接続されるの
が望ましいため、互いの一部が重なりあうような構造を
とっている。その重なり方は、図23の例においては、
下から、基板、素子電極、導電性薄膜の順序で積層した
が、場合によっては下から基板、導電性薄膜、素子電極
の順序で積層してもさしつかえない。
【0137】また、電子放出部1105は、導電性薄膜
1104の一部に形成された亀裂状の部分であり、電気
的には周囲の導電性薄膜よりも高抵抗な性質を有してい
る。亀裂は、導電性薄膜1104に対して、後述する通
電フォーミングの処理を行うことにより形成する。亀裂
内には、数オングストロームから数百オングストローム
の粒径の微粒子を配置する場合がある。なお、実際の電
子放出部の位置や形状を精密かつ正確に図示するのは困
難なため、図23においては膜式的に示した。
【0138】また、薄膜1113は、炭素もしくは炭素
化合物よりなる薄膜で、電子放出部1105およびその
近傍を被覆している。薄膜1113は、通電フォーミン
グ処理後に、後述する通電活性化の処理を行うことによ
り形成する。
【0139】薄膜1113は、単結晶グラファイト、多
結晶グラファイト、非晶質カーボンのいずれかか、もし
くはその混合物であり、膜厚は500[オングストロー
ム]以下とするが、300[オングストローム]以下と
するのがさらに好ましい。
【0140】なお、実際の薄膜1113の位置や形状を
精密に図示するのは困難なため、図23においては模式
的に示した。また、平面図(a)においては、薄膜11
13の一部を除去した素子を図示した。
【0141】以上、好ましい素子の基本構成を述べた
が、実施形態においては以下のような素子を用いた。
【0142】すなわち、基板1101には青板ガラスを
用い、素子電極1102と1103にはNi薄膜を用い
た。素子電極の厚さdは1000[オングストロー
ム]、電極間隔Lは2[マイクロメーター]とした。
【0143】微粒子膜の主要材料としてPdもしくはP
dOを用い、微粒子膜の厚さは約100[オングストロ
ーム]、幅Wは100[マイクロメーター]とした。
【0144】次に、好適な平面型の表面伝導型放出素子
の製造方法について説明する。
【0145】図12の(a)〜(d)は、表面伝導型放
出素子の製造工程を説明するための断面図で、各部材の
表記は前記図11と同一である。
【0146】1)まず、図12(a)に示すように、基
板1101上に素子電極1102および1103を形成
する。
【0147】形成するにあたっては、あらかじめ基板1
101を洗剤、純水、有機溶剤を用いて十分に洗浄後、
素子電極の材料を堆積させる(堆積する方法としては、
たとえば、蒸着法やスパッタ法などの真空成膜技術を用
いればよい。)。その後、堆積した電極材料を、フォト
リソグラフィー・エッチング技術を用いてパターニング
し、(a)に示した一対の素子電極(1102と110
3)を形成する。
【0148】2)次に、同図(b)に示すように、導電
性薄膜1104を形成する。
【0149】形成するにあたっては、まず前記(a)の
基板に有機金属溶液を塗布して乾燥し、加熱焼成処理し
て微粒子膜を成膜した後、フォトリソグラフィー・エッ
チングにより所定の形状にパターニングする。ここで、
有機金属溶液とは、導電性薄膜に用いる微粒子の材料を
主要元素とする有機金属化合物の溶液である(具体的に
は、本実施形態では主要元素としてPdを用いた。ま
た、実施形態では塗布方法として、ディッピング法を用
いたが、それ以外のたとえばスピンナー法やスプレー法
を用いてもよい。)。
【0150】また、微粒子膜で作られる導電性薄膜の成
膜方法としては、本実施形態で用いた有機金属溶液の塗
布による方法以外の、たとえば真空蒸着法やスパッタ
法、あるいは化学的気相堆積法などを用いる場合もあ
る。
【0151】3)次に、同図(c)に示すように、フォ
ーミング用電源1110から素子電極1102と110
3の間に適宜の電圧を印加し、通電フォーミング処理を
行って、電子放出部1105を形成する。
【0152】通電フォーミング処理とは、微粒子膜で作
られた導電性薄膜1104に通電を行って、その一部を
適宜に破壊、変形、もしくは変質せしめ、電子放出を行
うのに好適な構造に変化させる処理のことである。微粒
子膜で作られた導電性薄膜のうち電子放出を行うのに好
適な構造に変化した部分(すなわち電子放出部110
5)においては、薄膜に適当な亀裂が形成されている。
なお、電子放出部1105が形成される前と比較する
と、形成された後は素子電極1102と1103の間で
計測される電気抵抗は大幅に増加する。
【0153】通電方法をより詳しく説明するために、図
13に、フォーミング用電源1110から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。微粒子膜で作られた導電性薄
膜をフォーミングする場合には、パルス状の電圧が好ま
しく、本実施形態の場合には同図に示したようにパルス
幅T1の三角波パルスをパルス間隔T2で連続的に印加
した。その際には、三角波パルスの波高値Vpfを、順
次昇圧した。また、電子放出部1105の形成状況をモ
ニターするためのモニターパルスPmを適宜の間隔で三
角波パルスの間に挿入し、その際に流れる電流を電流計
1111で計測した。
【0154】実施形態においては、たとえば10のマイ
ナス5乗[Torr]程度の真空雰囲気下において、た
とえばパルス幅T1を1[ミリ秒]、パルス間隔T2を
10[ミリ秒]とし、波高値Vpfを1パルスごとに
0.1[V]ずつ昇圧した。そして、三角波を5パルス
印加するたびに1回の割りで、モニターパルスPmを挿
入した。フォーミング処理に悪影響を及ぼすことがない
ように、モニターパルスの電圧Vpmは0.1[V]に
設定した。そして、素子電極1102と1103の間の
電気抵抗が1×10の6乗[オーム]になった段階、す
なわちモニターパルス印加時に電流計1111で計測さ
れる電流が1×10のマイナス7乗[A]以下になった
段階で、フォーミング処理にかかわる通電を終了した。
【0155】なお、上記の方法は、本実施形態の表面伝
導型放出素子に関する好ましい方法であり、たとえば微
粒子膜の材料や膜厚、あるいは素子電極間隔Lなど表面
伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じ
て通電の条件を適宜変更するのが望ましい。
【0156】4)次に、図12(d)に示すように、活
性化用電源1112から素子電極1102と1103の
間に適宜の電圧を印加し、通電活性化処理を行って、電
子放出特性の改善を行う。
【0157】通電活性化処理とは、前記通電フォーミン
グ処理により形成された電子放出部1105に適宜の条
件で通電を行って、その近傍に炭素もしくは炭素化合物
を堆積せしめる処理のことである(図においては、炭素
もしくは炭素化合物よりなる堆積物を部材1113とし
て模式的に示した。)。なお、通電活性化処理を行うこ
とにより、行う前と比較して、同じ印加電圧における放
出電流を典型的には100倍以上に増加させることがで
きる。
【0158】具体的には、10のマイナス4乗ないし1
0のマイナス5乗[Torr]の範囲内の真空雰囲気中
で、電圧パルスを定期的に印加することにより、真空雰
囲気中に存在する有機化合物を起源とする炭素もしくは
炭素化合物を堆積させる。堆積物1113は、単結晶グ
ラファイト、多結晶グラファイト、非晶質カーボンのい
ずれかか、もしくはその混合物であり、膜厚は500
[オングストローム]以下、より好ましくは300[オ
ングストローム]以下である。
【0159】通電方法をより詳しく説明するために、図
14(a)に、活性化用電源1112から印加する適宜
の電圧波形の一例を示す。本実施形態においては、一定
電圧の矩形波を定期的に印加して通電活性化処理を行っ
たが、具体的には、矩形波の電圧Vacは14[V]、
パルス幅T3は1[ミリ秒]、パルス間隔T4は10
[ミリ秒]とした。なお、上述の通電条件は、本実施形
態の表面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、
表面伝導型放出素子の設計を変更した場合には、それに
応じて条件を適宜変更するのが望ましい。
【0160】図12の(d)に示す1114は該表面伝
導型放出素子から放出される放出電流Ieを捕捉するた
めのアノード電極で、直流高電圧電源1115および電
流計1116が接続されている(なお、基板1101
を、表示パネルの中に組み込んでから活性化処理を行う
場合には、表示パネルの蛍光面をアノード電極1114
として用いる。)。
【0161】活性化用電源1112から電圧を印加する
間、電流計1116で放出電流Ieを計測して通電活性
化処理の進行状況をモニターし、活性化用電源1112
の動作を制御する。電流計1116で計測された放出電
流Ieの一例を図105(b)に示すが、活性化電源1
112からパルス電圧を印加しはじめると、時間の経過
とともに放出電流Ieは増加するが、やがて飽和してほ
とんど増加しなくなる。このように、放出電流Ieがほ
ぼ飽和した時点で活性化用電源1112からの電圧印加
を停止し、通電活性化処理を終了する。
【0162】なお、上述の通電条件は、本実施形態の表
面伝導型放出素子に関する好ましい条件であり、表面伝
導型放出素子の設計を変更した場合には、それに応じて
条件を適宜変更するのが望ましい。
【0163】以上のようにして、図12(e)に示す平
面型の表面伝導型放出素子を製造した。 (垂直型の表面伝導型放出素子)次に、電子放出部もし
くはその周辺を微粒子膜から形成した表面伝導型放出素
子のもうひとつの代表的な構成、すなわち垂直型の表面
伝導型放出素子の構成について説明する。
【0164】図15は、垂直型の基本構成を説明するた
めの模式的な断面図であり、図中の1201は基板、1
202と1203は素子電極、1206は段差形成部
材、1204は微粒子膜を用いた導電性薄膜、1205
は通電フォーミング処理により形成した電子放出部、1
213は通電活性化処理により形成した薄膜である。
【0165】垂直型が先に説明した平面型と異なる点
は、素子電極のうちの片方(1202)が段差形成部材
1206上に設けられており、導電性薄膜1204が段
差形成部材1206の側面を被覆している点にある。し
たがって、前記図23の平面型における素子電極間隔L
は、垂直型においては段差形成部材1206の段差高L
sとして設定される。なお、基板1201、素子電極1
202および1203、微粒子膜を用いた導電性薄膜1
204については、前記平面型の説明中に列挙した材料
を同様に用いることが可能である。また、段差形成部材
1206には、たとえばSiO2のような電気的に絶縁
性の材料を用いる。
【0166】次に、垂直型の表面伝導型放出素子の製法
について説明する。図16(a)〜(f)は、製造工程
を説明するための断面図で、各部材の表記は前記図10
6と同一である。
【0167】1)まず、図16(a)に示すように、基
板1201上に素子電極1203を形成する。
【0168】2)次に、同図(b)に示すように、段差
形成部材を形成するための絶縁層を積層する。絶縁層
は、たとえばSiO2をスパッタ法で積層すればよい
が、たとえば真空蒸着法や印刷法などの他の成膜方法を
用いてもよい。
【0169】3)次に、同図(c)に示すように、絶縁
層の上に素子電極1202を形成する。
【0170】4)次に、同図(d)に示すように、絶縁
層の一部を、たとえばエッチング法を用いて除去し、素
子電極1203を露出させる。
【0171】5)次に、同図(e)に示すように、微粒
子膜を用いた導電性薄膜1204を形成する。形成する
には、前記平面型の場合と同じく、たとえば塗布法など
の成膜技術を用いればよい。
【0172】6)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電フォーミング処理を行い、電子放出部を形成する(図
12(c)を用いて説明した平面型の通電フォーミング
処理と同様の処理を行えばよい。)。
【0173】7)次に、前記平面型の場合と同じく、通
電活性化処理を行い、電子放出部近傍に炭素もしくは炭
素化合物を堆積させる(図12(d)を用いて説明した
平面型の通電活性化処理と同様の処理を行えばよ
い。)。
【0174】以上のようにして、図16(f)に示す垂
直型の表面伝導型放出素子を製造した。 (表示装置に用いた表面伝導型放出素子の特性)以上、
平面型と垂直型の表面伝導型放出素子について素子構成
と製法を説明したが、次に表示装置に用いた素子の特性
について述べる。
【0175】図17に、表示装置に用いた素子の、(放
出電流Ie)対(素子印加電圧Vf)特性、および(素
子電流If)対(素子印加電圧Vf)特性の典型的な例
を示す。なお、放出電流Ieは素子電流Ifに比べて著
しく小さく、同一尺度で図示するのが困難であるうえ、
これらの特性は素子の大きさや形状等の設計パラメータ
を変更することにより変化するものであるため、2本の
グラフは各々任意単位で図示した。
【0176】表示装置に用いた素子は、放出電流Ieに
関して以下に述べる3つの特性を有している。
【0177】第一に、ある電圧(これを閾値電圧Vth
と呼ぶ)以上の大きさの電圧を素子に印加すると急激に
放出電流Ieが増加するが、一方、閾値電圧Vth未満
の電圧では放出電流Ieはほとんど検出されない。
【0178】すなわち、放出電流Ieに関して、明確な
閾値電圧Vthを持った非線形素子である。
【0179】第二に、放出電流Ieは素子に印加する電
圧Vfに依存して変化するため、電圧Vfで放出電流I
eの大きさを制御できる。
【0180】第三に、素子に印加する電圧Vfに対して
素子から放出される電流Ieの応答速度が速いため、電
圧Vfを印加する時間の長さによって素子から放出され
る電子の電荷量を制御できる。
【0181】以上のような特性を有するため、表面伝導
型放出素子を表示装置に好適に用いることができた。た
とえば多数の素子を表示画面の画素に対応して設けた表
示装置において、第一の特性を利用すれば、表示画面を
順次走査して表示を行うことが可能である。すなわち、
駆動中の素子には所望の発光輝度に応じて閾値電圧Vt
h以上の電圧を適宜印加し、非選択状態の素子には閾値
電圧Vth未満の電圧を印加する。駆動する素子を順次
切り替えてゆくことにより、表示画面を順次走査して表
示を行うことが可能である。
【0182】また、第二の特性かまたは第三の特性を利
用することにより、発光輝度を制御することができるた
め、諧調表示を行うことが可能である。 (多数素子を単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム
源の構造)次に、上述の表面伝導型放出素子を基板上に
配列して単純マトリクス配線したマルチ電子ビーム源の
構造について述べる。
【0183】図18に示すのは、前記図9の表示パネル
に用いたマルチ電子ビーム源の平面図である。基板上に
は、前記図11で示したものと同様な表面伝導型放出素
子が配列され、これらの素子は行方向配線電極1003
と列方向配線電極1004により単純マトリクス状に配
線されている。行方向配線電極1003と列方向配線電
極1004の交差する部分には、電極間に絶縁層(不図
示)が形成されており、電気的な絶縁が保たれている。
【0184】図18のB−B′に沿った断面を、図19
に示す。
【0185】なお、このような構造のマルチ電子源は、
あらかじめ基板上に行方向配線電極1003、列方向配
線電極1004、電極間絶縁層(不図示)、および表面
伝導型放出素子の素子電極と導電性薄膜を形成した後、
行方向配線電極1003および列方向配線電極1004
を介して各素子に給電して通電フォーミング処理と通電
活性化処理を行うことにより製造した。
【0186】図20は、前記説明の表面伝導型放出素子
を電子ビーム源として用いたディスプレイパネルに、た
とえばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報
源より提供される画像情報を表示できるように構成した
表示装置の一例を示すための図である。
【0187】図中、2100はディスプレイパネル、2
101はディスプレイパネルの駆動回路、2102はデ
ィスプレイコントローラ、2103はマルチプレクサ、
2104はデコーダ、2105は入出力インターフェー
ス回路、2106はCPU、2107は画像生成回路、
2108および2109および2110は画像メモリー
インターフェース回路、2111は画像入力インターフ
ェース回路、2112および2113はTV信号受信回
路、2114は入力部である。(なお、本表示装置は、
たとえばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報
の両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示
と同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と
直接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記
憶などに関する回路やスピーカーなどについては説明を
省略する。) 以下、画像信号の流れに沿って各部の機能を説明してゆ
く。
【0188】まず、TV信号受信回路2113は、たと
えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて
伝送されるTV画像信号を受信する為の回路である。受
信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、た
とえば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式な
どの諸方式でもよい。また、これらよりさらに多数の走
査線よりなるTV信号(たとえばMUSE方式をはじめ
とするいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化
に適した前記ディスプレイパネルの利点を生かすのに好
適な信号源である。TV信号受信回路2113で受信さ
れたTV信号は、デコーダ2104に出力される。
【0189】また、TV信号受信回路2112は、たと
えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送
系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回
路である。
【0190】前記TV信号受信回路2113と同様に、
受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、
また本回路で受信されたTV信号もデコーダ2104に
出力される。
【0191】また、画像入力インターフェース回路21
11は、たとえばTVカメラや画像読み取りスキャナー
などの画像入力装置から供給される画像信号を取り込む
ための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ210
4に出力される。
【0192】また、画像メモリーインターフェース回路
2110は、ビデオテープレコーダー(以下VTRと略
す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路
で、取り込まれた画像信号はデコーダ2104に出力さ
れる。
【0193】また、画像メモリーインターフェース回路
2109は、ビデオディスクに記憶されている画像信号
を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコ
ーダ2104に出力される。
【0194】また、画像メモリーインターフェース回路
2108は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画
像データを記憶している装置から画像信号を取り込むた
めの回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ2
104に出力される。
【0195】また、入出力インターフェース回路210
5は、本表示装置と、外部のコンピュータもしくはコン
ピュータネットワークもしくはプリンターなどの出力装
置とを接続するための回路である。画像データや文字・
図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によ
っては本表示装置の備えるCPU2106と外部との間
で制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能
である。
【0196】また、画像生成回路2107は、前記入出
力インターフェース回路2105を介して外部から入力
される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU
2106より出力される画像データや文字・図形情報に
基づき表示用画像データを生成するための回路である。
本回路の内部には、たとえば画像データや文字・図形情
報を蓄積するための書き換え可能メモリーや、文字コー
ドに対応する画像パターンが記憶されている読み出し専
用メモリーや、画像処理を行うためのプロセッサーなど
をはじめとして画像の生成に必要な回路が組み込まれて
いる。
【0197】本回路により生成された表示用画像データ
は、デコーダ2104に出力されるが、場合によっては
前記入出力インターフェース回路2105を介して外部
のコンピュータネットワークやプリンターに出力するこ
とも可能である。
【0198】また、CPU2106は、主として本表示
装置の動作制御や、表示画像の生成や選択や編集に関わ
る作業を行う。
【0199】たとえば、マルチプレクサ2103に制御
信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号
を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際に
は表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコント
ローラ2102に対して制御信号を発生し、画面表示周
波数や走査方法(たとえばインターレースかノンインタ
ーレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作
を適宜制御する。
【0200】また、前記画像生成回路2107に対して
画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるい
は前記入出力インターフェース回路2105を介して外
部のコンピュータやメモリーをアクセスして画像データ
や文字・図形情報を入力する。
【0201】なお、CPU2106は、むろんこれ以外
の目的の作業にも関わるものであってよい。たとえば、
パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのよう
に、情報を生成したり処理する機能に直接関わってもよ
い。
【0202】あるいは、前述したように入出力インター
フェース回路2105を介して外部のコンピュータネッ
トワークと接続し、たとえば数値計算などの作業を外部
機器と共同して行ってもよい。
【0203】また、入力部2114は、前記CPU21
06に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなど
を入力するためのものであり、たとえばキーボードやマ
ウスのほか、ジョイスティック、バーコードリーダー、
音声認識装置など多様な入力機器を用いることが可能で
ある。
【0204】また、デコーダ2104は、前記2107
ないし2113より入力される種々の画像信号を3原色
信号、または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するた
めの回路である。なお、同図中に点線で示すように、デ
コーダ2104は内部に画像メモリーを備えるのが望ま
しい。これは、たとえばMUSE方式をはじめとして、
逆変換するに際して画像メモリーを必要とするようなテ
レビ信号を扱うためである。また、画像メモリーを備え
ることにより、静止画の表示が容易になる、あるいは前
記画像生成回路2107およびCPU2106と協同し
て画像の間引き、補間、拡大、縮小、合成をはじめとす
る画像処理や編集が容易に行えるようになるという利点
が生まれるからである。
【0205】また、マルチプレクサ2103は、前記C
PU2106より入力される制御信号に基づき表示画像
を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレクサ
2103はデコーダ2104から入力される逆変換され
た画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回
路2101に出力する。その場合には、一画面表示時間
内で画像信号を切り替えて選択することにより、いわゆ
る多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて
領域によって異なる画像を表示することも可能である。
【0206】また、ディスプレイパネルコントローラ2
102は、前記CPU2106より入力される制御信号
に基づき駆動回路2101の動作を制御するための回路
である。
【0207】まず、ディスプレイパネルの基本的な動作
に関わるものとして、たとえばディスプレイパネルの駆
動用電源(図示せず)の動作シーケンスを制御するため
の信号を駆動回路2101に対して出力する。
【0208】また、ディスプレイパネルの駆動方法に関
わるものとして、たとえば画面表示周波数や走査方法
(たとえばインターレースかノンインターレースか)を
制御するための信号を駆動回路2101に対して出力す
る。
【0209】また、場合によっては表示画像の輝度やコ
ントラストや色調やシャープネスといった画質の調整に
関わる制御信号を駆動回路2101に対して出力する場
合もある。
【0210】また、駆動回路2101は、ディスプレイ
パネル2100に印加する駆動信号を発生するための回
路であり、前記マルチプレクサ2103から入力される
画像信号と、前記ディスプレイパネルコントローラ21
02より入力される制御信号に基づいて動作するもので
ある。
【0211】以上、各部の機能を説明したが、図200
に例示した構成により、本表示装置においては多様な画
像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル
2100に表示することが可能である。
【0212】すなわち、テレビジョン放送をはじめとす
る各種の画像信号はデコーダ2104において逆変換さ
れた後、マルチプレクサ2103において適宜選択さ
れ、駆動回路2101に入力される。一方、ディスプレ
イパネルコントローラ2102は、表示する画像信号に
応じて駆動回路2101の動作を制御するための制御信
号を発生する。駆動回路2101は、上記画像信号と制
御信号に基づいてディスプレイパネル2100に駆動信
号を印加する。
【0213】これにより、ディスプレイパネル2100
において画像が表示される。これらの一連の動作は、C
PU2106により統括的に制御される。
【0214】また、本表示装置においては、前記デコー
ダ2104に内蔵する画像メモリや、画像生成回路21
07およびCPU2106が関与することにより、単に
複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけで
なく、表示する画像情報に対して、たとえば拡大、縮
小、回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、
画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合
成、消去、接続、入れ換え、はめ込みなどをはじめとす
る画像編集を行うことも可能である。また、本実施形態
の説明では特に触れなかったが、上記画像処理や画像編
集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行うため
の専用回路を設けてもよい。
【0215】したがって、本表示装置は、テレビジョン
放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像およ
び動画像を扱う画像編集機器、コンピュータの端末機
器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、
ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、
産業用あるいは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0216】なお、図20は、表面伝導型放出素子を電
子ビーム源とするディスプレイパネルを用いた表示装置
の構成の一例を示したにすぎず、これのみに限定される
ものでないことは言うまでもない。たとえば、図20の
構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回路
は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目的
によってはさらに構成要素を追加してもよい。たとえ
ば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合に
は、テレビカメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む
送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0217】本表示装置においては、とりわけ表面伝導
型放出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルが
容易に薄形化できるため、表示装置全体の奥行きを小さ
くすることが可能である。それに加えて、表面伝導型放
出素子を電子ビーム源とするディスプレイパネルは大画
面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本
表示装置は臨場感にあふれ迫力に富んだ画像を視認性良
く表示することが可能である。
【0218】
【発明の効果】本発明の第1の構成によれば、蛍光体の
飽和現象によらず、良好な階調再現特性を有する画像表
示が可能となる。また、発光色毎の補正を行うことによ
り、良好な色再現特性を有する画像表示が可能となる。
【0219】本発明の第2の構成によれば、表示装置が
たとえばTV信号とPCの画像信号など複数の種類の入
力信号を受信する場合においても、良好な階調再現、色
再現特性を有する画像表示が可能となる。
【0220】本発明の第3の構成によれば、表示装置が
消費電力抑制のために、ピーク輝度は大きくても画面全
体の平均輝度を下げるいわゆるABL制御を行う場合に
おいても、良好な階調再現、色再現特性を有する画像表
示が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)パ
ネルの駆動回路のブロック図
【図2】NTSC−RGBデコーダ部
【図3】タイミング発生部
【図4】アナログ処理部
【図5】表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)パ
ネルの駆動回路の動作を説明するためのタイムチャート
【図6】ガンマ補静特性を示すグラフ
【図7】SEDパネルの発光輝度特性を示すグラフ
【図8】入力信号セレクタのブロック図
【図9】SEDディスプレイパネルの斜視図
【図10】蛍光体マトリクスの配列図
【図11】表面伝導型電子放出素子の平面図及び断面図
【図12】表面伝導型電子放出素子の製造工程図
【図13】フォーミング電圧波形図
【図14】活性化電圧波形及び放出電流波形図
【図15】垂直型の表面伝導型電子放出素子の断面図
【図16】垂直型の表面伝導型電子放出素子の製造工程
【図17】表面伝導型電子放出素子の放出電流特性を示
すグラフ
【図18】単純マトリクス配線による電子源
【図19】単純マトリクス配線による電子源のB-B'断面
【図20】表面伝導型電子放出ディスプレイシステムの
ブロック図
【図21】従来の表面伝導型電子放出素子の平面図
【図22】従来の電界放出型電子放出素子の断面図
【図23】従来のMIM型電子放出素子の断面図
【図24】従来のMIM型電子放出素子のマトリクス配列
【符号の説明】
P1 NTSC-RGBデコーダ部 P2 タイミング発生部 P3 アナログ処理部 P2000 表示パネル P3000 行方向駆動手段 P1101、P1107 シフトレジスタ 1001 電子源基板 1005 リアプレート 1006 枠体 1010 フェースプレート 1101 基板 1102,1103 素子電極 1104 導電性薄膜 1105 電子放出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C058 AA18 AB01 BA04 BA13 BB03 BB05 BB12 BB14 5C080 AA08 AA18 BB05 CC03 DD03 DD30 EE29 EE30 FF12 GG02 GG08 GG09 GG12 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子と、前記電子放出素子から
    放出された電子を受けて発光する蛍光体と、入力画像信
    号を変換して変換画像信号を出力する画像信号変換手段
    と、前記変換画像信号に基づいて前記電子放出素子から
    放出される電子ビームを変調する変調手段とを備えた画
    像表示装置であって、 前記画像信号変換手段は、原信号を陰極線管(CRT)用
    にガンマ補正した前記入力画像信号を、前記原信号に復
    元し、 復元した前記原信号を、前記電子ビーム強度対前記蛍光
    体発光輝度の非線型性を補正し電子ビーム強度対前記蛍
    光体発光輝度特性を直線とさせる前記変換画像信号に変
    換して出力することを特徴とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】 前記入力画像信号の種別を判別する画像
    判別手段と、前記画像判別手段の出力に基づいて前記電
    子ビーム強度の変調範囲を限定する変調範囲限定手段と
    を備え、 前記画像信号変換手段は、前記変調範囲において、前記
    入力画像信号を変換して変換画像信号を出力することを
    特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】 前記入力画像信号振幅の平均値を検出す
    る平均値検出手段と、前記平均値に基づいて前記電子ビ
    ームを変調する平均変調手段とを備え、 前記画像信号変換手段は、原信号を陰極線管(CRT)用
    にガンマ補正した前記入力画像信号を、前記原信号に復
    元し、 前記原信号の前記平均値を、前記電子ビーム強度対前記
    蛍光体発光輝度の非線型性を補正し電子ビーム強度対前
    記蛍光体発光輝度特性を直線とさせる前記変換画像信号
    に変換して出力することを特徴とする請求項1又は2の
    いずれかに記載された画像表示装置。
  4. 【請求項4】 前記入力画像信号は、カラー信号であ
    り、前記画像信号変換手段は、各色信号ごとに前記入力
    画像信号を変換して変換画像信号を出力することを特徴
    とする請求項1記載の画像表示装置。
  5. 【請求項5】 前記入力画像信号は、カラー信号であ
    り、前記画像信号変換手段は、各色信号ごとに前記入力
    画像信号を変換して変換画像信号を出力することを特徴
    とする請求項2又は3のいずれかに記載された画像表示
    装置。
  6. 【請求項6】 前記入力画像信号は、カラー信号であ
    り、前記画像信号変換手段は、各色信号ごとに前記入力
    画像信号を変換して変換画像信号を出力することを特徴
    とする請求項3記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記画像信号変換手段は、前記入力画像
    の前記種別ごとに、前記入力画像信号から前記変換画像
    信号を生成する種別変換テーブルメモリを備える事を特
    徴とする請求項2又は5のいずれかに記載された画像表
    示装置。
  8. 【請求項8】 前記画像信号変換手段は、前記平均値を
    第2の前記入力画像信号として、前記第2の前記入力画
    像信号から前記変換画像信号を生成する平均値変換テー
    ブルメモリを備えることを特徴とする請求項3又は6の
    いずれかに記載された画像表示装置。
  9. 【請求項9】 前記電子放出素子は、冷陰極素子である
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載され
    た画像表示装置。
  10. 【請求項10】 前記冷陰極素子は、表面伝導型放出素
    子であることを特徴とする請求項9記載の画像表示装
    置。
  11. 【請求項11】 電子放出素子と、前記電子放出素子か
    ら放出された電子を受けて発光する蛍光体と、入力画像
    信号を変換して変換画像信号を出力する画像信号変換手
    段と、前記変換画像信号に基づいて前記電子放出素子か
    ら放出される電子ビームを変調する変調手段とを備えた
    画像表示装置であって、 前記画像信号変換手段は、該画像信号変換手段による信
    号の変換が、 原信号を陰極線管(CRT)用に補正した前記入力画像
    信号を、前記原信号に近づけるべく行う補正と、 該原信号に近づけるべく補正された信号を更に補正する
    更なる補正とを含む物であり、 前記更なる補正は、前記原信号に近づけるべく補正して
    得られた信号に基づく駆動信号が前記電子放出素子に入
    力された時の、該駆動信号に対する該駆動信号による電
    子放出によって生じる前記蛍光体の発光輝度の特性を補
    正する物であることを特徴とする画像表示装置。
  12. 【請求項12】 前記原信号に近づけるべく補正して得
    られた信号に基づく駆動信号が前記電子放出素子に入力
    された時の、該駆動信号に対する該駆動信号による電子
    放出によって生じる前記蛍光体の発光輝度の特性の補正
    は、前記駆動信号が前記電子放出素子に入力された時に
    放出される電子ビームの強度対前記蛍光体発光輝度の特
    性の補正であることを特徴とする請求項11記載の画像
    表示装置。
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