JP2000070069A - 自動車用座席のヘッドレスト姿勢制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】背もたれの前後傾動と連動して後頭部に対する
姿勢が良好に可変するようにした自動車用座席のヘッド
レスト姿勢制御装置を提供する。 【解決手段】下端を回転軸２に支持して前後傾動可能な
シートバックフレーム１の上端にヘッドレスト８を支持
フレーム４を介して前後方向に回動可能に支持し、リン
ク９の上端を支持フレーム４に連結し、下端を回転軸２
上に固定したカムプレート１０を第１ピン１７及び第３
ピン１９を介して結合し、カムプレート１０にシートバ
ックフレーム１の前後傾動に連動してリンク９を介して
ヘッドレスト８の姿勢をシートバックフレーム１の運転
姿勢範囲内の前後傾角度では前傾可変して背もたれに対
し一定の角度を保ち、運転姿勢範囲を越える運転姿勢範
囲外の前後傾角度では前記運転姿勢範囲内における最後
傾動時の角度で固定する第１ピン１７及び第３ピン１９
ピンの案内カム溝を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、背もたれの前後傾
動に連動してヘッドレストの姿勢を適正に可変可能とし
た自動車用座席のヘッドレスト姿勢制御装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】自動車用座席には、後面衝突時等に乗員
の頚部の障害を防止又は軽減するために、乗員の頭部後
傾を防止して乗員に対する頭部の相対後方移動を制限す
るヘッドレストが背もたれの上端に設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このヘッドレストは、
座席の上端への差込式と一体式の２種類に分けられ、差
込式は、側部に設けられている回転ノブによって乗員の
体型や着座姿勢に応じて前後に位置の調整を可能として
いる点で一体式に比べて有利であるが、背もたれの前後
傾動時には、背もたれの傾斜角度に対するヘッドレスト
の姿勢は常に固定的であり、運転姿勢範囲内の前後傾角
度及び運転姿勢範囲外の前後傾角度における後頭部に対
する姿勢が良好に得られない問題があった。

【０００４】本発明の目的は、背もたれの前後傾動と連
動して後頭部に対する姿勢が良好に可変するようにした
自動車用座席のヘッドレスト姿勢制御装置を提供するこ
とである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の要旨は、下端を回転軸に支持して前後傾動
可能な左右一対のシートバックフレームの上端に支持フ
レームを介して前後方向に回動可能に支持したヘッドレ
ストと、前記シートバックフレームの回転軸上に固設し
たカムプレートと、上端を前記支持フレームに連結し、
下端を前記カムプレートにピンを介して結合したリンク
とからなり、前記カムプレートに前記シートバックフレ
ームの前後傾動に連動して前記リンクを介して前記ヘッ
ドレストの姿勢をシートバックフレームの運転姿勢範囲
内の前後傾角度では前傾可変して背もたれに対し一定の
角度を保ち、運転姿勢範囲を越える運転姿勢範囲外の前
後傾角度では前記運転姿勢範囲内における最後傾動時の
角度で固定する前記ピンの案内カム溝を設けたことを特
徴とするものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図１において、１は左右一対のシートバ
ックフレームであり、その下端は回転軸２に支持され前
後傾動可能である。このシートバックフレーム１の上端
にヘッドレスト８が前後方向に回動可能に支持されてい
る。

【０００７】前記ヘッドレスト８が支持されている上部
機構Ｈは、シートバックフレーム１の上端に前記回転軸
２と平行な軸線の支持軸３と、この支持軸３の側部にブ
ラケット２３とを固設し、前記支持軸３に回動可能に当
接するステー５を備えた支持フレーム４を前記ブラケッ
ト２３に回動可能に結合し、この支持フレーム４に設け
られている筒状のホルダ６にヘッドレスト８より下方に
延在する脚７を挿入して装着した構造である。これによ
り、ヘッドレスト８は、支持軸３回りに回動可能な支持
フレーム４によって背持たれに対し前後方向に回動可能
である。

【０００８】９は１本のリンクであり、その上端は前記
支持フレーム４に結合され、下端は後述する下部機構Ｌ
のカムプレート１０に結合されている。

【０００９】前記リンク９の下端の下部機構Ｌは、カム
プレート１０がＵ字穴１１によって回転軸上に差し込ま
れ、固定部材１５のボルト１６をカムプレート１０に明
けられているボルト穴１４を貫通してナット締め付けに
より前記カムプレート１０を回り止め状態で固定してい
る。

【００１０】前記カムプレート１０には図２で示すよう
に、Ｕ字穴１１の左右に回転軸２の中心点０１を中心と
する半径ｒ１の円弧による第１案内カム溝１２ａと第２
案内カム溝１２ｂを備え、さらに、前記第１案内カム溝
１２ａの上方に第３案内カム溝１３を備えている。この
第３案内カム溝１３は、前記回転軸２の中心点０１を通
る水平軸線が第１案内カム溝１２ａの半径ｒ１と交わる
交点０２を中心とする半径ｒ２の第１円弧溝１３ａと、
前記回転軸２の中心点０１を中心とする半径ｒ３の第２
円弧溝１３ｂとが連続した溝である。すなわち、第１案
内カム溝、第２案内カム溝１２ａ，１２ｂ、第３案内カ
ム溝１３の第１円弧溝１３ａ、第２円弧溝１３ｂの各半
径長さはｒ１＜ｒ２＜ｒ３の関係で構成されている。

【００１１】前記リンク９の下端部がカムプレート１０
の第１案内カム溝１２ａと第３案内カム溝１３に案内さ
れるよう結合されている。その構造は、回転軸２に差し
込まれるＵ字穴を有する第１サイドプレート２０、第２
サイドプレート２１及び第３サイドプレート２２のうち
で第１サイドプレート２０をカムプレート１０の一方の
側面に当接し、カムプレート１０の他方の側面にリンク
９の下端を当接し、このリンク９の下端をカムプレート
１０とで挾むように第２サイドプレート２１をリンク９
の下端に当接し、さらに第２サイドプレート２１に第３
サイドプレート２２を当接する。

【００１２】そして、第１ピン１７を第１サイドプレー
ト２０、カムプレート１０の第１案内カム溝１２ａ、リ
ンク９、第２サイドプレート２１及び第３サイドプレー
ト２２を貫通してナット締めし、第２ピン１８を第１サ
イドプレート２０、カムプレート１０の第２案内カム溝
１２ｂ、第２サイドプレート２１及び第３サイドプレー
ト２２を貫通（この第２ピン１８はリンク９には貫通し
ない）してナット締めする。さらに、第３ピン１９をカ
ムプレート１０の第３案内カム溝１３とリンク９に貫通
してナット締めしたものである。

【００１３】従って、第１サイドプレート２０、第２サ
イドプレート２１及び第３サイドプレート２２はリンク
９と一体で固定のカムプレート１０に対し回転軸２の回
りを相対回転する。

【００１４】上記構成による本発明の動作を説明する。
図３で示すように、前記シートバックフレーム１の前後
傾動に連動して前記リンク９を介して前記ヘッドレスト
８の姿勢をシートバックフレーム１の運転姿勢範囲イ内
の前後傾角度では漸次前傾可変Ａ，Ｂ，Ｃして背もたれ
に対し一定の角度を保ち、運転姿勢範囲イを越える運転
姿勢範囲外ロの前後傾角度では前記運転姿勢範囲イ内に
おける最後傾動時の角度ＣのＤで固定保持するものであ
る。

【００１５】この作用は図２で示すように、シートバッ
クフレーム１の運転姿勢範囲イ内では、第１案内カム溝
１２ａに案内される第１ピン１７は、回転軸２の中心点
０を通る水平軸線と第１案内カム溝１２ａの半径ｒ１と
交わる交点０２に位置し、第３ピン１９は前記交点０２
を中心とする半径ｒ２で第３案内カム溝１３の第１円弧
溝１３ａで案内される。これにより、前記シートバック
フレーム１の前後傾角度によりリンク９が第１円弧溝１
３ａの円弧と一定長さの半径ｒ２とによって上下方向に
変位し、支持フレーム４を介してヘッドレスト８の姿勢
を漸次前傾可変Ａ，Ｂ，Ｃして背もたれに対し一定の角
度を保ち、後頭部に対する姿勢を良好とするのである。

【００１６】さらに、シートバックフレーム１が運転姿
勢範囲イを越える運転姿勢範囲外ロの前後傾角度では、
第１ピン１７が回転軸２の中心点０を通る水平軸線と第
１案内カム溝１２ａの半径ｒ１と交わる交点０２に位置
から第１案内カム溝１２ａの下端に移動する。このとき
から第３ピン１９は回転軸２の中心点０１を中心とする
半径ｒ３の長さで第２円弧溝１３ｂによって案内され
る。

【００１７】前記第３ピン１９が回転軸２の中心点０１
を中心とする半径ｒ３の第２円弧溝１３ｂに案内される
ことによってリンク９の上下方向の変位は行わなくな
り、ヘッドレスト８の姿勢は、運転姿勢範囲イを越える
運転姿勢範囲外ロの前後傾角度では前記運転姿勢範囲イ
内における最後傾動時の角度Ｃと略同じ角度のＤで固定
保持し、運転姿勢範囲外ロにおける後頭部に対する姿勢
を良好とする。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によると、１本のリ
ンクと１枚のカムプレートによる簡単な構造によって、
後頭部に対するヘッドレストをリクライニング角度に応
じた良好な運転姿勢とし、かつ衝突時の保護に貢献する
利点を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を示す斜視図

【図２】カムプレートの側面図

【図３】本発明の動作説明図

【符号の説明】

１ シートバックフレーム ２ 回転軸 ３ 支持軸 ４ 支持フレーム ５ ステー ６ ホルダ ７ 脚 ８ ヘッドレスト ９ リンク １０ カムプレート １１ Ｕ字穴 １２ａ 第１案内カム溝 １２ｂ 第２案内カム溝 １３ 第３案内カム溝 １３ａ 第１円弧溝 １３ｂ 第２円弧溝 １４ ボルト穴 １５ 固定部材 １６ ボルト １７ 第１ピン １８ 第２ピン １９ 第３ピン ２０ 第１サイドプレート ２１ 第２サイドプレート ２２ 第３サイドプレート ２３ ブラケット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端を回転軸に支持して前後傾動可能な
   左右一対のシートバックフレームの上端に支持フレーム
   を介して前後方向に回動可能に支持したヘッドレスト
   と、前記シートバックフレームの回転軸上に固設したカ
   ムプレートと、上端を前記支持フレームに連結し、下端
   を前記カムプレートにピンを介して結合したリンクとか
   らなり、 前記カムプレートに前記シートバックフレームの前後傾
   動に連動して前記リンクを介して前記ヘッドレストの姿
   勢をシートバックフレームの運転姿勢範囲内の前後傾角
   度では前傾可変して背もたれに対し一定の角度を保ち、
   運転姿勢範囲を越える運転姿勢範囲外の前後傾角度では
   前記運転姿勢範囲内における最後傾動時の角度で固定す
   る前記ピンの案内カム溝を設けたことを特徴とする自動
   車用座席のヘッドレスト姿勢制御装置。