JP2000066451A - イエロートナー - Google Patents

イエロートナー

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JP2000066451A
JP2000066451A JP23418098A JP23418098A JP2000066451A JP 2000066451 A JP2000066451 A JP 2000066451A JP 23418098 A JP23418098 A JP 23418098A JP 23418098 A JP23418098 A JP 23418098A JP 2000066451 A JP2000066451 A JP 2000066451A
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Japan
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toner
yellow
yellow toner
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color
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JP23418098A
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Makoto Kanbayashi
誠 神林
Takaaki Kamitaki
隆晃 上滝
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー中の着色剤の分散性が向上し、良好な
色再現性と帯電安定化が達成でき、さらに定着性と耐オ
フセット性の両方を満足できるイエロートナーを提供す
ることにある。 【解決手段】 結着樹脂及びイエロー着色剤を少なくと
も含有するイエロートナー粒子を有するイエロートナー
において、該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分と
し、該結着樹脂の酸価が2.0乃至30.0mgKOH
/gであり、該イエロー着色剤は、下記式(I) 【外1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録及び静電印刷における静電荷像を現像するためのイエ
ロートナー又はトナージェット方式の画像形成方法にお
けるトナー像を形成するためのイエロートナーに関し、
とりわけカラー画像の色再現性が広く、かつ耐オフセッ
ト性及び低温定着性に優れたイエロートナーに関する。
さらには、環境安定性及び耐久安定性に優れたイエロー
トナーに関する。さらには、透明性に優れたイエロート
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フルカラー複写機が注目されはじ
めてきた。特にデジタル化されたフルカラー複写機が注
目されており、広く市場に展開しつつある。
【0003】フルカラー電子写真法によるカラー画像形
成は一般に3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの
3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色を用い
て色の再現を行うものである。
【0004】その一般的カラー画像形成方法は、原稿か
らの光のトナーの色と補色の関係にある色分解光透過フ
ィルターを通して光導電層上に静電潜像を形成する。次
いで現像、転写工程を経てトナーは支持体に保持され
る。前述の工程を順次複数回行い、レジストレーション
を合わせつつ、同一支持体上にトナーは重ね合わされ、
ただ一回のみの定着によって最終のフルカラー画像が得
られる。
【0005】この様な、複数回の現像を行い、定着工程
として同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね
合わせを必要とするカラー電子写真法では、カラートナ
ーが持つべき定着特性は極めて重要な要素である。
【0006】すなわち、定着したカラートナーは、トナ
ー層の下層にある異なる色調のトナー層を妨げない透明
性を有し、色再現性の広いカラートナーでなければなら
ない。
【0007】さらに、フルカラー複写画像に対するその
品質への要求度は、ますます高まりつつある。印刷を見
なれた一般ユーザーにとってはフルカラー複写画像はま
だまだ満足出来るレベルではなく、より印刷に近づいた
レベル、より写真に近づいたレベルを望んでいる。すな
わち、複写画像における広い画像面積でのベタ画像、ハ
ーフトーン画像の均一性、高濃度から低濃度までの広い
ダイナミックレンジをカバーする画像濃度出力を有する
トナー、印刷並の透明性を有するOHP画像が求められ
ている。
【0008】これらの要求に答える最短で好ましい方法
は、まずトナー中に存在する着色剤の分散性を向上せし
めることである。
【0009】特開平4−39671号公報、特開平4−
39672号公報及び特開平4−242752号公報で
は、ニーダー中で加熱及び加圧を加えながらトナーを製
造する方法が開示されているが、該方法はなる程着色剤
の分散には好ましいが、トナーを構成する結着樹脂の分
子鎖が強力な混練負荷によって切断され、高分子中の部
分的低分子量化が促進されることになる。そのため定着
工程での高温オフセットが発生しやすくなる。とりわけ
カラー複写に於いては、3色又は4色のトナーが層状に
積層されたものを定着するため、耐高温オフセットのラ
チチュードは白黒トナーの場合よりはるかにきびしく、
高分子中のわずかな分子切断が容易に高温オフセットを
生ずる原因となる。
【0010】一方、色再現性に優れた従来のシャープメ
ルト性の樹脂では、樹脂と着色剤とを混練する際の、い
わゆる混練時の負荷が大きくならないため、着色剤を分
散する力が不足し、特に凝集性の高い顔料を着色剤とし
て用いた時、その傾向は顕著であり、良好な着色剤の分
散は望めない。
【0011】それゆえ、耐オフセット性と定着性の双方
を満足し、なおかつ着色剤の分散性をも満足すべく、樹
脂の設計と着色剤の選択は非常に大きな意味を有する。
【0012】今日、当該技術分野においては、イエロー
トナー用着色剤として数多くのものが知られている。例
えば、特開平2−207273号公報にはソルベントイ
エロー112、特開平2−207274号公報にはソル
ベントイエロー160、特開平8−36275号公報に
はソルベントイエロー162等々の染料が記載されてい
るし、特開昭50−62442号公報にはベンジジン系
イエロー顔料が、特開平2−87160号公報にはモノ
アゾ系イエロートナーが、さらには、特開平2−208
662号公報にはピグメントイエロー120、151、
154、156等の顔料が記載されている。
【0013】しかしながら、従来知られているイエロー
トナー用の着色剤は種々の問題も多くかかえていた。例
えば、一般に染料系の着色剤は透明性に優れるものの、
耐光性に劣り、画像の保存安定性に問題がある。
【0014】一方、上記の顔料群は、染料と比較して耐
光性に優れるものの、マゼンタトナー用として使われて
いる例えばキナクリドン系の顔料や、シアントナー用と
して使われている銅フタロシアニン系の顔料と比較する
と、まだまだ耐光性に問題があり、長時間の光の暴露試
験においては、耐色してしまう或いは色相の変化が目立
つといった問題も生じていた。
【0015】さらに、耐光性、耐熱性に優れるイエロー
顔料は、上述の顔料以外にもあるものの、逆に隠蔽性が
強すぎてしまい透明性が極端に低下してしまい、フルカ
ラー用としては不向きであった。
【0016】特公平2−37949号公報には、耐光性
に優れたジスアゾ系の化合物及びその製法が紹介されて
いる。これはピグメントイエロー180に代表される化
合物群であり、耐光性、耐熱性に優れるばかりか、生態
学的要求にも合うアゾ顔料の一つである。
【0017】ピグメントイエロー180を用いるイエロ
ートナーは、特開平6−230607号公報、特開平6
−266163号公報、特開平8−262799号公報
に記載されているが、上記顔料を用いるトナーは、着色
力に乏しく、加えて透明性も決して良好とは言えず、フ
ルカラー用としては、更なる改善が急務であった。
【0018】一方、特開平8−209017号公報に
は、上記の問題を解決すべく、顔料を微粒子化し顔料の
比表面積を向上させ、透明性と着色力をアップさせた電
子写真用トナーが記載されている。しかしながら、ピグ
メントイエロー180に分類される顔料を微細化する
と、それ自体の自己凝集性がどうしても強いために、ト
ナーを構成する結着樹脂中での分散性が不十分であり、
我々の検討では、着色剤の分散性の悪いトナーでは、帯
電の安定化が達成されづらく、カブリやトナー飛散とい
った問題も生じていた。
【0019】特許公報第2632423号公報には、一
群のジスアゾ系黄色顔料を樹脂中に混練分散したトナー
の記載がある。
【0020】上記トナーは、難分散性の化合物を平均粒
子径0.2μm以下に混練分散せしめることによって、
色相の鮮明性と、冴え、さらには透明性向上を達成した
ものであるが、フルカラー用イエロートナーとして見た
場合、まだまだ改善の余地があった。
【0021】一方、特開平5−34978号公報には、
顔料の水性プレスケーキと熱溶融性の樹脂バインダーと
を混練して得られる画像記録用着色組成物の記載があ
り、実施例においては、C.I.ピグメントイエロー1
28の水性プレスケーキと、スチレン−メタクリル系共
重合体樹脂を用いた高濃度着色組成物が紹介されてい
る。しかしながら、我々の検討においては、顔料分散性
のレベルが決して良好とは言えず、さらには市販のC.
I.ピグメントイエロー128を用いたトナーにおいて
は帯電が安定せず、耐久で濃度うすや、カブリといった
問題も生じていた。
【0022】一方、現像剤がトナーとキャリアとからな
る二成分系現像剤を使用する場合は、キャリアとの摩擦
によってトナーを所要の帯電量及び帯電極性に帯電せし
め、静電引力を利用して静電荷像を現像するものであ
る。従って良好な可視画像を得るためには、主としてト
ナーの摩擦帯電性が良好であることが必要である。
【0023】今日上記の様な問題に対して、あるいはま
た、着色剤そのものの帯電性にトナーの帯電性が左右さ
れることのないように、キャリアコア材、キャリアコー
ト材の探索やコート量の最適化、或はトナーに加える電
荷制御剤、流動性付与剤の検討、更には母体となるバイ
ンダーの改良の如き現像剤を構成する材料において優れ
た摩擦帯電性を達成すべく多くの研究がなされている。
【0024】近年、複写機又はプリンターの高精細、高
画質化の要求が市場では高まっており、当該技術分野で
は、カラートナーの粒径を細かくして高画質カラー化を
達成しようという試みがなされている。トナーの粒径が
細かくなると単位重量当りの表面積が増え、トナーの帯
電量が大きくなる傾向にあり、画像濃度薄や、耐久劣化
が発生しやすくなる。加えて、トナーの帯電量が大きい
ために、トナー粒子同士の付着力が強く、流動性が低下
し、トナー補給の安定性や補給トナーのトリボ付与に問
題が生じやすい。
【0025】さらに、カラートナーの場合は、磁性体や
カーボンブラックの如き黒色の導電性物質を含まないの
で、帯電をリークする部分がなく一般に帯電量が大きく
なる傾向にある。この傾向は、特に負帯電性能の高いポ
リエステル系バインダーを使用した時により顕著であ
る。
【0026】今日当該技術分野においてはポリエステル
系樹脂がカラートナー用結着樹脂として多く用いられて
いるが、ポリエステル系樹脂を有するカラートナーは一
般に温湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量過大、
高湿下での帯電量不足といった問題が起こりやすく、広
範な環境においても安定した帯電量を有するカラートナ
ーの開発が待望されている。
【0027】また結着樹脂中の着色剤の分散性の程度や
前述の如き着色剤そのものの帯電特性によってもトナー
の帯電は大きく変化することが知られており、分散性の
悪いトナーにおいてはカブリやトナー飛散といった問題
を発生しやすく、さらにはキャリア上のトナースペン
ト、ドラム上トナーフィルミング、定着ローラー汚染と
いった様々な問題を引き起こす。それゆえ、色再現性と
いう側面以外でも着色剤の分散性向上は重要な技術課題
である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
如き問題点を解決したイエロートナーを提供することに
ある。
【0029】すなわち本発明の目的は、フルカラー複写
において、(1)良好な定着性及び混色性を示し、
(2)充分な摩擦帯電を有し、(3)画像品質を著しく
高める光沢性が高く、(4)高温オフセットが十分に防
止され、定着可能温度域が広く、(5)繰り返しの定着
通紙によっても耐オフセット性が維持され、定着ローラ
ーへの巻き付きが発生せず、(6)現像器内、すなわち
現像スリーブ、ブレード、塗布ローラなどの部品へのト
ナー融着がなく、(7)感光体表面にフィルミングせ
ず、(8)着色剤の分散性が良好であり、(9)着色力
が高く、高画像濃度が得られ、(10)彩度が高く透明
性にすぐれ、(11)耐光性に優れ退色しない、イエロ
ートナーを提供するものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の構成
により達成される。
【0031】すなわち、本発明は、結着樹脂及びイエロ
ー着色剤を少なくとも含有するイエロートナー粒子を有
するイエロートナーにおいて、該結着樹脂は、ポリエス
テル樹脂を主成分とし、該結着樹脂の酸価が2.0乃至
30.0mgKOH/gであり、該イエロー着色剤は、
下記式(I)
【0032】
【外2】 で示される化合物を有し、該イエロー着色剤の一次粒子
は、長径と短径の比が3以下であり、イエロートナー粒
子中に存在しているイエロー着色剤の個数平均径が0.
1〜0.5μmであることを特徴とするイエロートナー
に関する。
【0033】
【発明の実施の形態】はじめに本発明に用いられる着色
剤について説明する。
【0034】式(I)で示される顔料は、縮合ジスアゾ
系の顔料に属し、C.I.Pigment Yello
w128に相当する。これ自体、プラスチック用着色体
として既に公知ではあるが、難分散性の顔料であり、そ
のために当該技術分野ではあまり用いられてこなかっ
た。
【0035】本発明者らは、化合物(I)の分散性を向
上させるべく鋭意検討したところ、ポリエステル樹脂を
主成分とし、酸価2.0乃至30.0mgKOH/gを
有する樹脂を結着樹脂として用い、着色剤として、一次
粒子径の長径と短径の比が3以下の着色剤を用いた時、
優れた分散性が得られ、フルカラー用イエロートナーと
して機能することを見い出したものである。さらに上記
のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂を結着樹脂とし
て用い、化合物(I)の着色剤を分散せしめた時、優れ
た帯電性が得られることを見い出したものである。
【0036】すなわち、上記の化合物(I)はトナーの
帯電量を安定化する機能を有し、低温低湿環境下で、ト
ナーの摩擦帯電量が過大になることを防止し、一方、高
温高湿環境下でのトナーの摩擦帯電量が低下することを
抑制する。特に、結着樹脂として酸価を有するポリエス
テル樹脂を主成分とする樹脂を用いた場合に、化合物
(I)の効果は、より顕著である。すなわち、着色剤と
してのみならず、帯電安定化剤としても機能する。その
理由は、ポリエステル樹脂の分子鎖の末端にあるカルボ
キシル基又は水酸基と、化合物(I)が有するカルボニ
ル基やイミノ基とが部分的に水素結合又は静電的に結合
し、その結果、(i)ポリエステル樹脂の分子鎖の末端
のカルボキシル基又は水酸基への水分の吸着が抑制さ
れ、高温高湿環境下においてもトナーの摩擦帯電量の低
下を抑制することができ、かつ、(ii)ポリエステル
樹脂の分子鎖の末端のカルボキシル基又は水酸基の如き
極性基が減少することから、低温低湿環境下においても
トナーの摩擦帯電量が過大となることを抑制することが
できるものと推察される。
【0037】加えて、本発明に用いるポリエステルと化
合物(I)中のカルボニル基やイミノ基等々との相互作
用により、樹脂と化合物(I)との密着性が高まり、結
果として、着色剤のまわりを樹脂が取り囲む様になり、
着色剤が樹脂中で一次粒子に近い状態で安定化され、着
色剤の再凝集防止に効果的に働いて、帯電の安定化に寄
与したものと考えられる。
【0038】さらに本発明のトナーを負帯電性のトナー
として用いる時には、化合物(I)の末端の−CF3
や、−Cl基が効果的に機能し、その結果、トナーにし
た時の帯電性は安定化傾向を示し、加えて帯電量分布は
非常にシャープで均一なものとなる。
【0039】式(I)で示される化合物をイエロー着色
剤として含有している本発明のイエロートナーは、グリ
ーニッシュなイエローを示し、フルカラー画像形成用イ
エロートナーとして好ましい分光特性を有している。さ
らに式(I)で示される化合物を含有しているイエロー
トナーは、明度及び彩度も高い。フルカラー画像におい
て人肌色の再現性が重要であるが、式(I)で示される
化合物を含有するイエロートナーを使用すると人肌色も
良好に再現することが可能であり、さらにオーバーヘッ
ドプロジェクター(OHP)でOHPシートに形成され
ているカラー画像を投影しても透明性にも優れている。
【0040】式(1)で示される市販のイエロー顔料
(C.I.ピグメントイエロー128)は、通常一次粒
子は長径と短径との比の平均値が3.0よりも大きい針
状の結晶形態を有しており、一次粒子の長径の大きい粒
子を多く含んでいる。この様な、イエロー顔料は、結着
樹脂と溶融混練しても分散することが困難であり、透明
性の高い混練物を生成することは困難である。
【0041】前述の如く、特開平5−34978号公報
に記載の顔料の水性プレスケーキと熱溶融性の樹脂バイ
ンダーを用いる系においても、なるほど顔料の凝集を極
力抑え込むことが可能かもしれないが、いかんせん、一
次粒子自身の長径が大きい顔料であっては、フルカラー
用トナーに求められる高い透明性が得られるものではな
い。
【0042】本発明においては、化合物(I)で示され
る着色剤に微細化処理を施こし、一次粒子の長径と短径
の比を3.0以下にしたものを用いて、均一に結着樹脂
中に分散せしめた時に、鮮明な色相の画像が得られ加え
て帯電的にも安定化する。長径と短径の比は好ましくは
2.5以下、より好ましくは2.0以下が望ましい。本
発明においては、顔料微細化処理の詳細に関しては特に
何ら言及するものではない。
【0043】さらに、本発明で用いられるトナー中の化
合物(I)の個数平均径は0.1〜0.5μmであり、
好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm
以下が望ましい。
【0044】トナー中の化合物(I)の個数平均径が
0.5μmより大きい時には、顔料の分散性が充分なレ
ベルには致らず、これでは特定の樹脂と、特定の粒径を
有する着色剤を用いても、目的とする透明性は得られな
い。
【0045】基本的に0.1μmより小さい微小粒径の
着色剤は、光の反射、吸収特性に悪影響を及ぼさないと
考えられる。0.1μmの未満の着色剤の粒子は良好な
色再現性と、定着画像を有するOHPシートの透明性に
貢献する。一方、0.5μmより大きな粒径の着色剤が
多く存在していると、どうしてもOHPシートの投影画
像の明るさ及び彩かさが低下する傾向がある。
【0046】さらに、0.5μmより大きな粒径の着色
剤が多く存在していると、どうしてもイエロートナー粒
子表面からイエロー着色剤が脱離し、カブリ、ドラム汚
染、クリーニング不良といった種々の問題を引き起こし
やすい。さらにこのようなイエローカラートナーを二成
分系現像剤として用いる時は、キャリア汚染といった問
題も引き起こし、多数枚耐久において安定した画像が得
られにくい。当然良好な色再現性も望めないし、均一な
帯電性も得られにくい。
【0047】本発明において、イエロートナーは、式
(I)で示される化合物を、結着樹脂100重量部当り
1〜15重量部、好ましくは2〜12重量部、より好ま
しくは3〜10重量部含有していることが良い。
【0048】式(I)で示される化合物の含有量が15
重量部より多い場合には、透明性が低下し、加えて人間
の肌色に代表される様な中間色の再現性も低下し易くな
る。更にはトナーの帯電性の安定性が低下し、目的とす
る帯電量が得られにくくなる。
【0049】式(I)で示される化合物の含有量が1重
量部より少ない場合には、目的とする着色力が得られ難
く、高い画像濃度の高品位画像が得られ難い。
【0050】さらに、化合物(I)を含有している本発
明のイエロートナーは、退色しにくく、耐候性にも優れ
ているものである。
【0051】また、本発明においては、トナーが芳香族
カルボン酸誘導体の金属化合物を含有していることが好
ましい。これは帯電制御剤として機能するばかりではな
く、化合物(I)の分散性向上にも寄与し、トナーの透
明性をより一層高める。
【0052】以下に詳細に説明する。
【0053】芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物が化
合物(I)の分散性を向上させる理由は定かではない
が、ポリエステル樹脂と芳香族カルボン酸誘導体の金属
化合物との相互作用によって一部架橋反応が進み混練時
の着色剤にかかるシェアーを増大させることによって、
難分散性の化合物(I)の分散性の向上を達成したもの
であって、低温側での迅速溶融性は維持した状態で高温
側での耐オフセット性向上にも寄与できる。
【0054】加えて、芳香族カルボン酸誘導体の金属化
合物と化合物(I)の部分骨格である。
【0055】
【外3】 のカルボニル部分とが、下記の様に相互作用し、トナー
中で化合物(I)のまわりを金属化合物が取り囲む様に
して分散安定化する。
【0056】
【外4】
【0057】よって化合物(I)と結着樹脂と金属化合
物とが相互に影響し合い、本発明の効果をより一層顕著
なものにできる。これにより、感光体表面へのトナーフ
ィルミング防止やキャリア表面へのトナースペント防止
にも効果を発揮する。
【0058】さらには、トナー表面からの顔料の脱離防
止にも効果を発揮し、定着ローラーの汚れ防止にも効果
が得られる。
【0059】芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物とし
ては、サリチル酸の金属錯体、サリチル酸の金属塩、ア
ルキルサリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属
錯体、ジアルキルサリチル酸の金属塩、ジアルキルサリ
チル酸の金属錯体、芳香族ジオールの金属塩、芳香族ジ
オールの金属錯体、芳香族ジカルボン酸の金属塩、芳香
族ジカルボン酸の金属錯体等が挙げられる。
【0060】本発明においては、ジアルキルサリチル酸
の金属化合物が好ましく、特にはジ・ターシャリーブチ
ルサリチル酸の金属化合物が好ましい。金属元素として
は、アルミニウム、ガリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、チタン、クロム、亜鉛、ジルコニウム、ハフニウム
等が好ましく、特にアルミニウム及びジルコニウムが、
帯電の安定化、化合物(I)の分散安定化及び樹脂との
相溶性の点で好ましい。亜鉛等の化合物では、顔料の分
散性向上や帯電安定化の点で充分に効果を発揮できず、
本発明の効果を最大限に引き出すことができない。
【0061】これらの金属化合物をイエローカラートナ
ー粒子中に含有させる場合、その含有量としては、結着
樹脂100重量部当り1重量部〜10重量部、好ましく
は2重量部〜8重量部の範囲が好適である。1重量部よ
りも少ない時は、帯電制御剤としてあまり機能しないば
かりではなく、良好な顔料分散性を達成できない。一
方、10重量部よりも多い時は、架橋が進みすぎてしま
いトナーとしての定着性が損なわれてしまう。
【0062】上記含有量で金属化合物を使用すると帯電
量の初期変動が少なく、現像時に必要な絶対帯電量が得
られやすく、結果的にカブリや画像濃度ダウンといった
画像品質を損ねることがなく好ましい。
【0063】本発明においては必要に応じてその他の帯
電制御剤を併用してもよい。
【0064】本発明において、結着樹脂としては、ポリ
エステル樹脂を主成分として用いる。ポリエステル樹脂
は、トナーの結着樹脂として用いた場合に、定着性に優
れ、カラートナーに適している。
【0065】しかしながら、ポリエステル樹脂は、負帯
電能が強く帯電が過大になりやすいが、上述した通り、
化合物(I)を使用することによりその弊害は改善さ
れ、優れたイエロートナーが得られる。
【0066】特に、下記式(II)
【0067】
【外5】 (式中、Rはエチレン基又はプロピレン基を示し、x及
びyはそれぞれ1以上の整数を示し、x+yの平均値は
2〜10である)。で示されるビスフェノール誘導体も
しくはその置換体からなるジオール成分と、2価以上の
カルボン酸、2価以上のカルボン酸の酸無水物、及び2
価以上のカルボン酸の低級アルキルエステルから選択さ
れる多価カルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸)とを共縮重合したポリエス
テル樹脂がシャープな溶融特性を有するので、より好ま
しい。
【0068】本発明において、ポリエステル樹脂は、酸
価が2.0乃至30.0mgKOH/gであり、好まし
くは2.0乃至25.0mgKOH/g、さらに好まし
くは5.0乃至25.0mgKOH/gである。この場
合には、各環境において優れた帯電安定性が得られる。
【0069】ポリエステル樹脂の酸価が2.0mgKO
H/gより小さい場合には、トナーはチャージアップ傾
向を示し、低温低湿環境下で画像濃度薄を起こしやす
い。さらに、化合物(I)の樹脂への分散性が低下しト
ナー粒子間同士での帯電量に違いが生じやすくなり、長
期の耐久で若干カブリが発生しやすくなる。
【0070】ポリエステル樹脂の酸価が30.0mgK
OH/gより大きい場合には、トナーの帯電の経時安定
性が低下し、耐久とともに帯電量が低下しやすい。特に
高温高湿環境下ではトナー飛散、カブリといった画像欠
陥が生じやすくなる。
【0071】さらに、ポリエステル樹脂の酸価が30.
0mgKOH/g以上よりも大きい場合には、化合物
(I)をトナーに配合しても水分の吸着をブロックしに
くくなる。
【0072】本発明において、イエロートナーの保存性
と定着性さらには他のカラートナーとの混色性を考慮し
た場合、ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は
50〜68℃、好ましくは52〜66℃であることが良
い。
【0073】ポリエステル樹脂のガラス転移温度が50
℃未満の場合には、定着性には優れるものの、耐オフセ
ット性が低下し、定着ローラーへの汚染や定着ローラー
への巻き付きが発生し好ましくない。さらに定着後の画
像表面のグロスが高くなりすぎてしまい画像品位が低下
して好ましくない。
【0074】ポリエステル樹脂のガラス転移温度が68
℃よりも高い場合には、定着性が悪化し、複写機本体の
設定定着温度を上げざるを得ず、得られた画像は一般に
グロスが低く、フルカラートナー用としては混色性が低
下する。
【0075】本発明に用いられるポリエステル樹脂は、
数平均分子量(Mn)が好ましくは1,500〜50,
000、より好ましくは2,000〜20,000、重
量平均分子量(Mw)が好ましくは6,000〜10
0,000、より好ましくは8,000〜90,000
であり、Mw/Mnが好ましくは2〜8であることが良
い。上記条件を満足しているポリエステル樹脂は熱定着
性が良好で、着色剤の分散性が向上し、イエロートナー
の帯電量の変動が少なくなり、画像品質の信頼性が向上
する。
【0076】ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)
が1,500未満の場合又は重量平均分子量(Mw)が
6,000未満の場合には、いずれも定着画像表面の平
滑性は高く、見た感じの鮮やかさはあるものの、耐久に
おいてオフセットが発生しやすくなり、また、耐保存安
定性が低下し、現像器内でのトナー融着及びキャリア表
面にトナー成分が付着するトナースペントの発生といっ
た新たな問題も懸念される。さらに、イエローカラート
ナー粒子の製造時の原料の溶融混練時にシェアーがかか
り難く、イエロー着色剤の分散性が低下し易く、よって
トナーの着色力の低下やトナーの帯電量の変動が生じ易
い。
【0077】ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)
が50,000を超える場合又は重量平均分子量(M
w)が100,000を超える場合には、いずれも、耐
オフセット性に優れるものの、定着設定温度を高くせざ
るを得ないし、また、仮に着色剤の分散の程度をコント
ロールできたとしても、画像部での表面平滑性が低下し
てしまい、色再現性が低下し易くなってしまう。
【0078】ポリエステル樹脂のMw/Mnが2未満の
場合には、一般に得られるポリエステル樹脂は、分子量
自体が小さくなることから、前述の分子量が小さい場合
と同様に耐久によるオフセット現象、耐保存安定性の低
下、現像器内でのトナー融着及びキャリアのトナースペ
ントが生じ易くなり、またトナーの帯電量のばらつきが
生じ易い。
【0079】ポリエステル樹脂のMw/Mnが8を超え
る場合には、耐オフセット性に優れるものの、定着設定
温度を高くせざるを得ないし、また、仮に着色剤の分散
の程度をコントロールできたとしても、画像部での表面
平滑性が低下してしまい、色再現性が低下し易くなって
しまう。
【0080】本発明においては、上記の如きポリエステ
ル樹脂を単独で用いることが好ましいが、他の樹脂、た
とえばエポキシ系の樹脂あるいはスチレン−アクリル系
の樹脂、さらには物性の異なるポリエステル系の樹脂等
と混合して用いてもよい。混合する樹脂に関しては、何
ら限定するものではない。
【0081】ただ、本発明においては上記の如きポリエ
ステル樹脂をトナーを構成する全樹脂中に70重量%以
上含有することが好ましく、より好ましくは80重量%
以上含有することが好ましい。70重量%未満である
と、本発明の目的のひとつである帯電の安定化と顔料分
散安定化の効果が最大限に得られない。
【0082】尚、本発明において結着樹脂は、ポリエス
テル樹脂を主成分として含有するものであるが、「主成
分」とは、結着樹脂全体に対して、70重量%以上の含
有量の場合を意味する。
【0083】本発明のイエロートナーにおいては、必要
に応じて、滑剤としての脂肪酸金属塩(例えばステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸アルミ)、フッ素含有重合体微
粉末(例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリ
デンフルオライド及びテトラフルオロエチレン−ビニリ
デンフルオライド共重合体の微粉末)、或いは、酸化ス
ズ及び酸化亜鉛の如き導電性付与剤を添加しても良い。
【0084】更に、本発明において、イエローカラート
ナーは、離型剤を含有しても良い。例えば、脂肪族炭化
水素ワックス、脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、エ
ステルワックス、脂肪酸エステルを主成分とするワック
ス類、飽和直鎖脂肪酸類、不飽和脂肪酸類、飽和アルコ
ール類、多価アルコール類、脂肪酸アミド類、飽和脂肪
酸ビスアミド類、不飽和脂肪酸アミド類、芳香族系ビス
アミド類が挙げられる。
【0085】イエローカラートナーにおける離型剤の含
有量としては、結着樹脂100重量部に対し、好ましく
は10重量部以下、より好ましくは8重量部以下が良
い。
【0086】離型剤の含有量が10重量部を超える場合
には、耐ブロッキング性や耐高温オフセット性が低下し
やすく、透明性も低下する。
【0087】これらの離型剤は、通常、結着樹脂を溶剤
に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら離型剤を
添加混合する方法又は、結着樹脂及び着色剤を少なくと
も含有するトナー構成材料の混練時に離型剤を混合する
方法により、結着樹脂に含有されるのが好ましい。
【0088】イエローカラートナーの製造にあたって
は、熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混
練機によってトナー構成材料を良く混練した後、機械的
に粉砕し、粉砕粉を分級してトナーを得る方法;又は結
着樹脂溶液中に着色剤の如き他のトナー構成材料を分散
した後、噴霧乾燥することにより得る方法;が適用でき
る。
【0089】本発明において、イエロートナーの重量平
均径(D4 )は、4.0〜15.0μm、好ましくは
5.0〜12.0μm、より好ましくは6.0〜10.
0μmが良い。
【0090】イエロートナーの重量平均径(D4 )が
4.0μm未満の場合には、帯電安定化が達成しづらく
なり、耐久において、カブリやトナー飛散が発生しやす
くなる。
【0091】イエロートナーの重量平均径(D4 )が1
5.0μmを超える場合には、ハーフトーン部の再現性
が大きく低下し、得られた画像はガサついた画像になっ
てしまう。
【0092】本発明のイエロートナーにおいては、イエ
ローカラートナー粒子に流動性向上剤として、平均一次
粒子径0.002〜0.2μmの疎水化処理された酸化
チタン微粉体又は酸化アルミニウム微粉体を外添してい
ることが良い。
【0093】外添剤としての流動性向上剤においてはイ
エロートナーの流動性を高めるばかりでなく、イエロー
トナーの帯電性をさらに向上させる重要な因子となる。
【0094】したがって、酸化チタン微粉体又は酸化ア
ルミニウム微粉体は、表面が疎水化処理されていること
が望ましく、それにより流動性の付与と帯電の安定化を
同時に満足し得ることが可能となる。
【0095】酸化チタン微粉体又は酸化アルミニウム微
粉体は、疎水化処理されていることにより、帯電量を左
右する因子である水分の影響を除外し、高湿下及び低湿
下での帯電量の格差を低減することでイエロートナーの
環境特性をさらに向上させることが可能になる。特に高
温高湿環境下での帯電量アップ、放置後の帯電量低下防
止に効果的である。さらに、疎水化処理工程中に一次粒
子の凝集を防ぐことが可能となり、二次凝集の少ない外
添剤はイエロートナーにより均一な帯電付与を行うこと
が可能になる。
【0096】本発明においては、特に平均一次粒子径が
0.002〜0.2μmの酸化チタン微粉体又はアルミ
ナ微粉体が流動性が良好で負荷電性イエロートナーの帯
電が均一となり、結果としてトナー飛散、カブリが生じ
にくくなるので好ましい。さらに、イエローカラートナ
ー粒子表面に埋め込まれにくくなりトナー劣化が生じに
くく、多数枚耐久性が向上する。この傾向は、シャープ
メルト性のカラートナーにおいてより顕著である。
【0097】酸化チタン微粉体又は酸化アルミニウム微
粉体の平均一次粒子径が0.002μm未満の場合に
は、イエローカラートナー粒子表面に、微粉体が埋め込
まれ易くなり、トナー劣化が早く生じやすく、耐久性が
低下しやすい。この傾向はシャープメルト性のカラート
ナーに適用した場合により顕著である。
【0098】また、0.2μmを超える場合には、流動
性が低下しイエロートナーの帯電が不均一となりやす
く、結果としてトナーの飛散、カブリ等が生じやすく、
高画質なトナー画像を生成しにくくなる。
【0099】本発明のイエロートナーにおいては、酸化
チタン微粉体又は酸化アルミニウム微粉体の添加量が好
ましくは0.2〜5.0重量%、より好ましくは0.3
〜3.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.5重量
%が良い。上記範囲を満足しているイエロートナーの流
動性が良好であり、安定な帯電量を維持し得、トナー飛
散が生じにくい。
【0100】イエロートナーにおいて、酸化チタン微粉
体又は酸化アルミニウム微粉体の添加量が0.2重量%
未満の場合には、トナーの流動性が不充分であるため、
キャリアとの混合性が低下し、耐久時においてカブリ、
トナー飛散が発生しやすくなる。
【0101】また、5.0重量%を超える場合には、ト
ナー粒子表面から脱離した微粉体により感光体ドラムの
表面のフィルミングが生じたり、クリーニング不良が発
生しやすくなり、さらにトナー飛散やカブリも生じやす
くなる。
【0102】本発明のイエロートナーは、キャリアとし
ての磁性キャリア粒子と混合してニ成分系現像剤として
用いることが可能であるが、キャリアと混合せず一成分
系現像剤として用いることも可能である。
【0103】本発明のイエロートナーを二成分系現像剤
に用いる場合、使用されるキャリアとしては、例えば表
面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバル
ト、マンガン、クロム、希土類等の金属およびそれらの
磁性合金または磁性酸化物及び磁性フェライトが挙げら
れる。
【0104】キャリアがキャリアコアを被覆材で被覆し
た被覆キャリアの場合、キャリアコアの表面を被覆材で
被覆する方法としては、被覆材を溶剤中に溶解もしくは
懸濁せしめて塗布しキャリアコアに付着せしめる方法、
単に粉体状態で混合する方法が適用できる。
【0105】キャリアコアの被覆材としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン
重合体、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン樹脂、ポリ
エステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ
アミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹
脂が挙げられる。これらは、単独或は複数で用いるのが
適当である。
【0106】上記材料の処理量は、適宜決定すれば良い
が、一般には総量でキャリアに対し0.1〜30重量%
(好ましくは0.5〜20重量%)が好ましい。
【0107】本発明に用いられるキャリアは、平均粒径
が好ましくは10〜100μm、より好ましくは20〜
70μmであることが良い。
【0108】キャリアの平均粒径が10μm未満の場合
には、二成分系現像剤のパッキングが強まり、トナーと
キャリアとの混合性が低下し、トナーの帯電性が安定し
にくくなり、さらにキャリアの感光体ドラム表面への付
着が生じやすくなる。
【0109】キャリアの平均粒径が100μmを超える
場合には、トナーとの接触機会が減ることから、低帯電
量のトナーが混在し、カブリが発生しやすくなる。さら
にトナーの飛散が生じやすい傾向にあるため二成分系現
像剤中のトナー濃度の設定を低めにする必要があり、高
画像濃度の画像形成ができなくなることがある。
【0110】特に好ましいキャリアとしては、磁性フェ
ライトコア粒子の如き磁性コア粒子の表面をシリコーン
樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂
及びメタクリレート系樹脂の如き樹脂を、好ましくは
0.01〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%
をコーティングした平均粒径30〜60μmの磁性コー
トキャリアが挙げられる。
【0111】上記磁性コートキャリアは粒径分布がシャ
ープな場合、本発明のイエロートナーに対し好ましい摩
擦帯電性が得られ、さらに電子写真特性を向上させる効
果がある。
【0112】イエロートナーとキャリアとを混合して二
成分系現像剤を調整する場合、その混合比率は現像剤中
のトナー濃度として、2重量%〜15重量%、好ましく
は3重量%〜13重量%、より好ましくは4重量%〜1
0重量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃
度が2重量%未満では画像濃度が低くなりやすく、15
重量%を超える場合ではカブリや機内飛散が生じやす
く、現像剤の耐用寿命が短くなる傾向にある。
【0113】次に、本発明のイエロートナーを適用し、
電子写真法によりフルカラー画像を形成する方法を図1
を参照しながら説明する。
【0114】図1は、電子写真法によりフルカラーの画
像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。図1の画像形成装置は、フルカラー複写機又
はフルカラープリンタとして使用される。フルカラー複
写機の場合は、図1に示すように、上部にデジタルカラ
ー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部
を有する。
【0115】画像リーダ部において、原稿30を原稿台
ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査す
ることにより、原稿30からの反射光像をレンズ33に
よりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像
信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示
せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理
を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0116】画像プリンタ部において、像担持体である
感光ドラム1は、たとえば有機光導電体を有する感光層
を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ド
ラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器
2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる
4個の現像機4Y、4C、4M、4B、ドラム上光量検
知手段13、転写装置5及びクリーニング器6が配置さ
れている。
【0117】レーザ露光光学系において、リーダ部から
の画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージ
スキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光
がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミ
ラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0118】プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1
を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後
に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電さ
せて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上
に静電荷像を形成する。
【0119】次に、所定の現像器を作動させて感光ドラ
ム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーに
よるトナー画像を形成する。現像器4Y、4C、4M、
4Bは、それぞれの偏心カム24Y、24C、24M、
24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ド
ラム1に接近して現像を行う。
【0120】転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器
5b、記録材を静電吸着するための吸着帯電器5cおよ
びこれと対向する吸着ローラ5g、そして内側帯電器5
d、外側帯電器5e、分解帯電器5hを有している。転
写ドラム5aは、回転駆動可能に軸支され、その周面の
開口域に転写材を担持する転写材担持体である転写シー
ト5fが、円筒上に一体的に調節されている。転写シー
ト5fにはポリカーボネートフィルムの如き樹脂フィル
ムが使用される。
【0121】転写材はカセット7a、7bまたは7cか
ら転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送さ
れ、転写ドラム5a上に担持される。転写ドラム5a上
に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転にともな
い感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送さ
れ、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用に
より転写材上に感光ドラム上のトナー画像が転写され
る。
【0122】トナー画像は、図1に示す如く、感光体か
ら直接転写材へ転写されても良く、また、感光体上のト
ナー画像を中間転写体へ転写し、中間転写体からトナー
画像を転写材へ転写しても良い。
【0123】上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)に
ついて繰り返し、転写ドラム5上の転写材上に4色のト
ナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
【0124】このようにして4色のトナー画像が転写さ
れた転写材は、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび
分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5aから分離
して加熱加圧定着器9に送られ、そこで加熱加圧定着す
ることによりトナーの混色、発色および転写材への固定
が行われて、フルカラーの定着画像とされたのちトレイ
10に排紙され、フルカラー画像の形成が終了する。他
方、感光ドラム1は、表面の残留トナーをクリーニング
器6で清掃して除去された後、再度、画像形成工程に供
せられる。クリーニング部材としては、ブレード以外に
ファーブラシ又は不織布、あるいはそれらの併用等を用
いてもよい。
【0125】転写ドラム5aに対しては、転写シート5
fを介して対向された電極ローラ14とファーブラシ1
5、およびオイル除去ローラ16とバックアップブラシ
17が設置されており、転写ドラム5aの転写シート5
f上の付着粉体や、転写シート5f上の付着オイルを除
去するために、清掃が行われる。このような清掃は、画
像形成の前または後に行い、また、ジャム、つまり紙詰
まり発生時には随時行う。
【0126】所望のタイミングで偏心カム25を動作さ
せ、転写ドラム5aと一体化している29カムフォロワ
5iを作動させることにより、転写シート5fと感光ド
ラム1との間のギャップを任意に設定可能な構成として
いる。たとえば、スタンバイ中、または電源オフ時には
転写ドラム5aと感光ドラム1の間隔を離すことでき
る。
【0127】上記画像形成装置によって、フルカラー画
像が形成される。上記画像形成装置においては、単色モ
ード又は多色モードによって、単色の定着画像又は多色
の定着画像を形成することができる。
【0128】次に各物性の測定方法について以下に説明
する。
【0129】トナーの粒度分布の測定 測定装置としては、コールターカウンターTA−II或
いはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用
いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて、約1%
NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTON R
−II(コールターサイエンティフィックジャパン社
製)が使用できる。測定方法としては、前記電解水溶液
100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ま
しくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5m
l加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸
濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理
を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして10
0μmアパーチャーを用いて、トナー粒子の体積及び個
数各チャンネルごとに測定して、トナーの体積分布と個
数分布とを算出する。それから、トナー粒子の体積分布
から求めた重量基準のトナーの重量平均径(D4 )(各
チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を
求める。
【0130】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08μm〜12.70μm;12.70〜1
6.00μm;16.00〜20.20μm;20.2
0〜25.40μm;25.40〜32.00μm;3
2.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0131】ポリエステル樹脂のガラス転移温度の測定
方法 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0132】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0133】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜2
00℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で
測定を行う。
【0134】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0135】このとき、吸熱ピークが出る前と出た後で
のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、
本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0136】ポリエステル樹脂の分子量の測定方法 ポリエステル樹脂のMn、Mw及びMw/Mnはゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって
測定する。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化
させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラハ
イドロフラン(THF)と毎分1mlの流速で流し、T
HF試料容器を約100μl注入して測定する。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量
線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、東
ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102 〜1
7 程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポ
リスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはR
1(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販の
ポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせて使用す
るのが良い。
【0137】例えば、昭和電工社製のShodex G
PC KF−801,802,803,804,80
5,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー
社製のTSKgelG1000H(HXL)、G2000
H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(H
XL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、
G7000H(HXL)、TSKguardcolumn
の組み合わせを挙げることができる。
【0138】試料は以下のようにして作製する。
【0139】試料はTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−
5 東ソー社製、エキクロディスク25CR、ゲルマン
サイエンス ジャパン社製などが使用できる)を通過
させたものを、GPCの試料とする。試料濃度は、樹脂
成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0140】酸化の測定方法 サンプル2〜10gを200〜300mlの三角フラス
コ秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶
媒約50mlを加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いよ
うであれば少量のアセトンを加えてもよいえ。0.1%
のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示
薬を用い、あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜ア
ルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から
次の計算で酸価を求める。 酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター)トナーの摩擦帯電量の測定方法 トナーの摩擦帯電量の測定方法を、二成分系現像剤の場
合及び一成分系現像剤の場合についてそれぞれ以下に記
載する。
【0141】(二成分系現像剤)図2は摩擦帯電量を測
定する装置の説明図である。底に500メッシュのスク
リーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又は
プリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像
剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。
この時の測定容器52全体の重量を秤りW1 (g)とす
る。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少な
くとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調
節弁56を調整して真空計55の圧力を250mmAq
とする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行い
トナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV
(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容
量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の
重量を秤りW2 (g)とする。この試料の摩擦帯電量
(mC/kg)は下式の如く算出される。
【0142】試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V
/(W1 −W2
【0143】(一成分系現像剤)一成分系現像剤の摩擦
帯電量は、吸引式ファラデーケージ法を用いて求める。
【0144】吸引式ファラデーケージ法とは、現像剤回
収装置を用いて複写機又はプリンターの現像スリーブ上
の一定面積における全ての一成分現像剤を吸引回収し、
回収した現像剤の重量及び電荷量を測定し、測定された
現像剤の重量と電荷量から、現像剤の単位重量当たりの
電荷量、すなわち、摩擦帯電量(mC/kg)を求める
方法である。
【0145】この吸引式ファラデーケージ法で用いる現
像剤回収装置は、エアーを吸引するための吸引装置部及
びこの吸引装置に連結された現像剤を回収するための回
収装置部とを有している。回収装置部は、現像スリーブ
上の現像剤を吸引するための現像スリーブの外周曲率に
対応した曲率の先端部を持った吸引口を有する外筒と、
吸引した現像剤を回収するための円筒ろ紙を有する円筒
とを有している。
【0146】この現像剤回収装置を用いて現像スリーブ
上の現像剤の吸引回収を具体的に行うには、現像スリー
ブの回転を停止し、上記の現像剤回収装置を用いて、現
像スリーブ上の現像剤を、現像スリーブの一端側から他
端側にかけて長手方向に沿って現像剤回収装置の吸引口
を現像スリーブ表面に押し付けながら吸引し、吸引した
現像剤を円筒ろ紙で回収する。
【0147】現像剤を回収した円筒ろ紙の重量を測り、
この回収後の円筒ろ紙の重量から回収前の円筒ろ紙の重
量を引いた値を回収した現像剤の重量とする。このと
き、外部から静電的にシールドされた円筒の円筒ろ紙に
回収された現像剤の電荷量を測定しておく。
【0148】酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子の平
均粒径の測定方法 トナー粒子上の酸化チタン微粒子及びアルミナ微粒子の
一次粒子径は、走査電子顕微鏡で観察し視野中の3万乃
至5万倍に拡大した300個の酸化チタン微粒子及びア
ルミナ微粒子をXMA(X線マイクロアナライザー)に
より定性し、その粒子径を測定した平均粒子径をもとめ
る。
【0149】キャリアの平均粒径の測定方法 キャリアをマイクロトラック粒度分析計SRAタイプ
(日機装株式会社製)を使用し、0.7〜700μmの
レンジ設定で測定を行い、測定されたキャリアの50%
粒径を本発明においては、キャリアの平均粒径とする。
【0150】イエロー着色剤の一次粒子の長径と短径の
比の測定 イエロー着色剤を構成するイエロー顔料粒子の一次粒子
の長径及び短径は、イエロー顔料粒子そのものを走査型
の電子顕微鏡の観察し、視野中の3万乃至5万倍に拡大
した0.1μm以上の300個の顔料粒子の長径と短径
とを測定して、その平均値の比をとって長径と短径の比
とする。
【0151】イエロー着色剤の一次粒子の長径と短径の
比の値は、後述するイエロートナー粒子中のイエロー着
色剤からも測定可能であり、測定値に実質的な差はな
い。
【0152】イエロートナー粒子中のイエロー着色剤の
個数平均径の測定 2.3Mのショ糖溶液にイエロートナー又はイエロート
ナー粒子を加え、よく撹拌しこれを試料ホルダーピンに
少量つけ、次いで液体N2 中に投入し固化させ、ただち
に試料アームヘッドにセットする。
【0153】クライオ装置付きのウルトラミクロトーム
FC4E(日製産業製)にて常法に従ってカッテングし
サンプルを用意する。
【0154】これを電子顕微鏡H−8000(日立製作
所製)を用いて、加速電圧100kVにて、写真を撮っ
た。倍率は3万〜5万倍とする。
【0155】その画像情報をインターフェースを介して
ニコレ社製画像解析装置(luzex3)に導入し、2
値の画像データに変換する。そのうち、0.1μm以上
の一次粒径及び二次粒径を有する顔料粒子についてのみ
無作為に解析を行うこととし、サンプリング数が300
回を超えるまで測定を繰り返し、顔料粒子の個数平均径
を求める。
【0156】本発明でいう個数平均径は、イエロー顔料
粒子の一次粒子及び二次粒子の長径の平均値とする。
【0157】イエロー着色剤の一次粒径の長径と短径の
比は、同様の方法で0.1μm以上の一次粒径を有する
顔料粒子を対象とした測定から求めることができる。
【0158】
【実施例】実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
【0159】実施例1 ・ポリエステル樹脂No.1 70重量部 〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル) プロパン テレフタル酸 フマール酸 トリメリット酸 から生成されたポリエステル樹脂(酸価10.3mgK
OH/g,Tg=56℃,Mn=3900,Mw=12
700,Tm=90℃)〕 ・下記構造式で示されるイエロー顔料 30重量部 (一次粒子の長径と短径の比=1.8)
【0160】
【外6】
【0161】上記材料をニーダー型ミキサーに仕込み、
混合しながら非加圧下で昇温させ、充分に前混合する。
その後3本ロールで2回混練し、第一の混練物を得た。 ・上記混練物(顔料の含有量は30重量%) 16.7
重量部 ・ポリエステル樹脂No.1 88.3重量部 ・下記構造式で示されるジ・ターシャリーブチルサリチ
ル酸のジルコニウム化合物 4重量部
【0162】
【外7】
【0163】上記材料をヘンシェルミキサーにより十分
予備混合を行い、二軸式押出し機で溶融混練し、冷却後
ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度粗粉砕し、次い
でエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。更
に得られた微粉砕物を多分割分級装置で微粉及び粗粉を
同時に厳密に除去して、重量平均径8.0μmのイエロ
ーカラートナー粒子を得た。トナー中の着色剤の個数平
均径は0.20μmであった。
【0164】一方、外添剤(流動性向上剤及び帯電安定
化剤)として、親水性酸化チタン微粉体A(一次平均粒
子径0.02μm、BET比表面積140m2 /g)1
00重量部に対してn−C49 −Si(OCH33
の20重量部を使用して表面処理し、一次平均粒子径
0.02μm、疎水化度70%の疎水性酸化チタン微粉
体Bを得た。
【0165】イエローカラートナー粒子100重量部
と、疎水性酸化チタン微粉体B1.0重量部とを混合し
て、イエローカラートナー粒子表面に疎水性酸化チタン
微粒子を有するイエロートナー1を調製した。
【0166】上記イエロートナー1とシリコーン樹脂で
表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径5
0μm)とを、トナー濃度が6重量%になる様に混合
し、二成分系イエロー現像剤とした。
【0167】上記二成分系イエロー現像剤を市販の普通
紙フルカラー複写機(カラーレーザー複写機CLC70
0、キヤノン製)に導入して複写試験を行ったが、常温
常湿環境(23℃,60%)下で5万枚の耐久試験にお
いても画像濃度が1.7〜1.8と高い画像濃度を示
し、帯電特性においても初期変動も少なく約−24mC
/kg〜−26mC/kgの間で安定的に推移した。
【0168】5万枚耐久後の感光ドラム表面は、トナー
融着によるフィルミングも見られず、この間、クリーニ
ング不良も一度も発生しなかった。
【0169】5万枚耐久複写でも定着ローラーへのオフ
セットはまったく生じなかった。耐久後の定着ローラー
表面を目視により観察したが、トナーによる汚染はなか
った。
【0170】5万枚耐久後の現像剤中のキャリア表面を
SEMにて観察してみたところ、トナースペントはほと
んど見られなかった。
【0171】さらに、高温高湿環境(30℃,80%)
下、及び低温低湿環境(15℃,10%)下で5万枚の
耐久試験を行ったが、カブリ、飛散等も発生せず、画像
濃度もほぼ安定に推移した。
【0172】高温高湿環境及び低温低湿環境下における
耐久試験の評価結果を表9に示す。
【0173】次に、イエロー顔料のかわりに、C.I.
Pigment Blue 15:3を4重量部用いる
ことを除いてあとはほぼ同様にして重量平均径8.0μ
mのシアンカラートナー粒子を得た。
【0174】さらに、イエロー顔料のかわりに、C.
I.Pigment Red 122を5重量部用いる
ことを除いてあとはほぼ同様にして重量平均径8.0μ
mのマゼンタカラートナー粒子を得た。
【0175】得られたシアンカラートナー粒子及びマゼ
ンタカラートナー粒子に対し、イエロートナーと同様に
して、疎水性酸化チタン微粉体B1.0重量部をそれぞ
れ混合し、粒子表面に疎水性酸化チタン微粒子Bを有す
るシアントナー及びマゼンタトナーを、それぞれ得、以
後も同様にして、二成分系シアン現像剤及び二成分系マ
ゼンタ現像剤を調製した。
【0176】未定着の転写材上のトナー乗り量が、イエ
ロートナー、マゼンタトナー及びシアントナーが0.8
mg/cm2 になる様に、本体のコントラスト電位を調
整してイエロートナー及びシアントナーでグリーンのベ
タ画像を出力し、イエロートナー及びマゼンタトナーで
レッドのベタ画像を出力した。
【0177】カラー複写画像の評価方法として、画像表
面のグロス(光沢度)及び画像の色度を測定することに
より、カラー画像の良否を判定する方法がある。グロス
値が高いほど画像表面が平滑でつやのある彩度(C*
の高いカラー品質と判断され、逆にグロス値が低いと、
くすんだ彩度(C* )の乏しい画像表面の荒れたものと
判断される。なお「C* 」とは、下記方法により測定さ
れるa* 及びb* の値から、下記式
【0178】
【外8】 により算出される値であり、このC* が大きい程、あざ
やかな画像となる。
【0179】グロス(光沢度)の測定には、日本電色社
製VG−10型光沢度計を用いた。測定にあたっては、
まず定電圧装置により6Vにセットし、次いで投光角
度、受光角度をそれぞれ60°に合わせて、0点調整及
び標準板を用い、標準設定の後に試料台の上に前記試料
画像を置き、さらに白色紙を3枚上に重ね測定を行い、
表示部に示される数値を%単位で読みとった。
【0180】トナーの色調は1976年に国際照明委員
会(CIE)で規格された表色系の定義に基づき、定量
的に測定した。すなわち、a* ,b* (a* ,b* は色
相と彩度を示す色度)、L* (明度)を測定した。測定
器にはX−Rite社製分光測色計タイプ938を用
い、観察用光源はC光源、視野角は2°とした。
【0181】実施例1において各画像のグロスと色度
は、下記表1の通りであった。
【0182】
【表1】
【0183】本発明のイエロートナーを用いると2次色
であるグリーン、レッドの画像も明度及び彩度の高いも
のであった。
【0184】さらにトランスペアレンシーフィルムを転
写材として用いカラー画像を形成したトランスペアレン
シーフィルムを、オーバーヘッドプロジェクター(OH
P)に投影したOHP画像の透明度も良好なものであっ
た。
【0185】上記の実施例におけるOHP画像の透明性
については、市販のオーバーヘッドプロジェクターを用
いて、トランスペアレンシーフィルムに上記のイエロー
トナーによって形成したカラー画像を投影して、以下の
評価基準に基づいて評価した。
【0186】A:透明性に優れ、明暗ムラも無く、色再
現性も優れる。(良) B:若干明暗ムラがあるものの、実用上問題ない。
(可) C:明暗ムラがあり、色再現性に乏しい。(悪い)
【0187】また得られたイエローのベタ画像(画像濃
度1.70)の耐光性をJIS K7102にほぼ準じ
て確認したところ、200時間光照射後の画像でもほぼ
初期と同様の画像濃度(1.67)を示し、色相変化も
わずかであった(ΔE=2.8)。
【0188】なお光源には紫外線カーボンアークランプ
を使用した。
【0189】色相変化は下記式のΔE値を求め、下記の
耐光性の評価基準に基づいて定量的に評価した。
【0190】ΔE={(L1 * −L2 *2 +(a1 *
−a2 *2 +(b1 * −b2 *21/21 * :光照射前の画像の明度 a1 * ,b1 * :光照射前の画像の色相と彩度を示す色
度 L2 * :光照射後の画像の明度 a2 * ,b2 * :光照射後の画像の色相と彩度を示す色
【0191】耐光性の評価基準 A:200時間照射後でも退色しない。 B:100時間照射後でも退色しない。 C:100時間照射で退色。
【0192】比較例1 実施例1で用いたポリエステル樹脂No.1に代えて、 ・ポリエステル樹脂No.2 〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル) プロパン テレフタル酸 フマール酸 トリメリット酸 からなる縮合ポリマー(酸価1.9mgKOH/g,T
g=59℃,Mn=4100,Mw=12000,Tm
=93℃)〕 を用いることを除いては、実施例1と同様にして、イエ
ロートナー2(重量平均径8.0μm)を得た。実施例
1と同様にして評価したところ、低温低湿環境下での耐
久で10000枚目あたりから画像濃度が低下しはじめ
画像はガサついたものになり、さらに耐久を続けるとカ
ブリはじめた。初期のOHP画像をイエロートナー1と
比較してみたところ、透明性が低下していた。
【0193】比較例2 実施例1で用いたポリエステル樹脂No.1に代えて、 ・ポリエステル樹脂No.3 〔ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル) プロパン テレフタル酸 フマール酸 トリメリット酸 からなる縮合ポリマー(酸価31.2mgKOH/g,
Tg=55℃,Mn=4800,Mw=11000,T
m=93℃)〕 を用いることを除いては、実施例1と同様にして、イエ
ロートナー3(重量平均径7.8μm)を得た。実施例
1と同様にして評価したところ、高温高湿環境下で帯電
量が低く、耐久とともにトナー飛散が目立ちはじめた。
【0194】実施例2 実施例1で用いたポリエステル樹脂No.1に代えて、
ポリエステル樹脂No.4(プロポキシ化ビスフェノー
ルAとフマール酸との縮合ポリマー、酸価:4.0mg
KOH/g,Tg:60℃,Mw:15000,Mn:
4200,Mw/Mn:3.57)を用いることを除い
ては、実施例1と同様にして、イエロートナー4(重量
平均径8.2μm)を得た。イエロートナー4を用い
て、実施例1と同様にして評価したところ、低温低湿環
境下での耐久で20000枚目あたりから画像濃度が低
下しはじめたものの、実用レベル内であった。
【0195】実施例3 実施例1で用いたポリエステル樹脂No.1に代えて、
ポリエステル樹脂No.5(プロポキシ化ビスフェノー
ルAとフマール酸との縮合ポリマー、酸価:25.8m
gKOH/g,Tg:55℃,Mw:11000,M
n:3800,Mw/Mn:2.89)を用いることを
除いては、実施例1と同様にして、イエロートナー5
(重量平均径7.9μm)を得た。イエロートナー5を
用いて、実施例1と同様にして評価したところ、高温高
湿環境下で若干帯電量が低下したものの、画像上問題は
発生しなかった。
【0196】比較例3 実施例1で用いたポリエステル樹脂No.1に代えて、 ・スチレン/アクリル系の樹脂No.6 〔スチレン−n−ブチルアクリレート系の共重合体(酸
価0mgKOH/g,Tg=60℃,Mn=5200,
Mw=22000,Tm=96℃)〕 を用いたことを除いてあとは同様にして、イエロートナ
ー6(重量平均径8.1μm)を得た。イエロートナー
6の画像のグロスと色度を実施例1と同様に調べてみた
ところ、表2の結果を得た。
【0197】
【表2】 表2の通り、イエロートナー6は明度、彩度ともに低下
してしまった。
【0198】また、イエロートナー6を用いて低温低湿
環境下で耐久したところ、帯電量が上昇し画像濃度薄が
発生し途中で耐久を中断した。
【0199】比較例4 実施例1で用いた着色剤に代えて、下記式(III)
【0200】
【外9】 で示される化合物(III)(C.I.Pigment
Yellow 12)を使用することを除いては、実
施例1と同様にしてイエロートナー7を調製し、実施例
1と同様にして評価した。各環境下で比較的安定に耐久
が推移したが、得られたイエロー画像は、カーボンアー
クランプ照射の耐光加速試験で退色してしまった(10
0時間の光照射でΔE=12)。尚、化合物(III)
の一次粒子の長径と短径の比は2.4であった。
【0201】
【表3】
【0202】実施例4 実施例1で用いた疎水性酸化チタン微粉体Bに代えて、
親水性の酸化アルミニウム微粉体C(一次平均粒径:
0.02μm、BET比表面積:130m2 /g)10
0重量部に対してiso−C49 −Si(OCH3
3 を17重量部使用して表面処理し、一次粒子径0.0
2μm、疎水化度70%の疎水性酸化アルミニウム微粉
体Dを得た。疎水性酸化アルミニウム微粉体Dを用いた
ことを除いては、実施例1と同様にしてイエロートナー
8を調製し、実施例1と同様にして評価した。
【0203】各環境下において良好な耐久性を示し、耐
光性、色相ともに実施例1とほぼ同じ傾向を示した。
【0204】実施例5 実施例1で用いた疎水性酸化チタン微粉体Bに代えて、
親水性の酸化チタン微粉体A(一次平均粒径:0.02
μm、BET比表面積:140m2 /g)を表面処理し
ないでそのまま用いたことを除いて、あとは実施例1と
同様にしてイエロートナー9を調製し、実施例1と同様
にして評価した。
【0205】高温高湿環境下において、初期の帯電量が
−15mC/kgと低く、耐久評価ぎりぎりのレベルで
あった。さらに同じ環境下で耐久を進めるとハーフトー
ン部のカサついた画像になってしまったが、何とか実用
レベル内であった。ただ画出し放置1日後の帯電量は放
置前と比較して3mC/kg程度、低下してしまってい
た。加えて、耐久とともに、トナー飛散、カブリの発生
がみられた。
【0206】実施例6 実施例1で用いた疎水性酸化チタン微粉体Bに代えて、
親水性のシリカE(一次平均粒子径:0.005μm、
BET比表面積:380m2 /g)100重量部に対し
てヘキサメチルジシラザンを20重量部使用して表面処
理した一次粒子径0.005μm、疎水化度65%の疎
水性シリカFを用いたことを除いては、実施例1と同様
にしてイエロートナー10を得た。イエロートナー10
を用いて実施例1と同様にして評価した。低温低湿環境
下での耐久において2000枚目を過ぎたあたりからト
ナーの帯電量が上昇しはじめ、画像濃度が低下しじはじ
め、ガサついた画像になったものの、何とか実用レベル
内であった。
【0207】ただ、耐久後のキャリア表面を観察したと
ころ、トナースペントが見られたが、これも何とか実用
レベル内であった。高温高湿環境下での耐久において
も、耐久とともにカブリ、トナー飛散が悪化する傾向が
見られた。
【0208】比較例5 実施例1で用いた化合物(I)に代えて、下記式(I
V)
【0209】
【外10】 で示される化合物(IV)(C.I.Pigment
Yellow 74)をポリエステル樹脂100重量部
に対し7重量部使用することを除いては、実施例1と同
様にしてイエロートナー11を得、実施例1と同様に評
価を行ったところ、高温高湿環境下での多数枚耐久で約
5000枚時点から、トナーの帯電量が低下しはじめ、
さらにカブリが目立ちはじめたため耐久を中断した。
尚、化合物(IV)の一次粒子の長径と短径の比は2.
9であった。
【0210】また、上記化合物(IV)は、実施例1で
使用した化合物(I)と比較して着色力が低く、高画像
濃度の画像を得るためには、フルカラー複写機のコント
ラスト電位を実施例1の場合よりも上げなければならな
かった。
【0211】比較例6 実施例1で用いた化合物(I)に代えて、下記式(V)
【0212】
【外11】 で示される化合物(V)(C.I.Pigment Y
ellow 95)を使用することを除いては、実施例
1と同様にしてイエロートナー12を得、実施例1と同
様に評価を行ったところ、初期画像は画像濃度も高く
(1.60)、実用レベル内であったが多数枚耐久中に
徐々に画像濃度が低下した。すなわち、10000枚耐
久後の画像濃度は1.20までに低下していた。尚、化
合物(V)の一次粒子の長径と短径の比は3.4であっ
た。
【0213】実施例7 実施例1において、ジ・ターシャリーブチルサリチル酸
のジルコニウム化合物の代わりにジ・ターシャリーブチ
ルサリチル酸のアルミニウム化合物を同じく4重量部用
いたことを除いてあとは同様にしてイエロートナー13
を得た。イエロートナー13を用いて実施例1と同様に
評価を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0214】実施例8 実施例1において、ジ・ターシャリーブチルサリチル酸
のジルコニウム化合物の代わりにジ・ターシャリーブチ
ルサリチル酸の亜鉛化合物を用いたことを除いてあとは
同様にしてイエロートナー14を得た。イエロートナー
14を用いてあとは実施例1と同様にして評価したとこ
ろ、低温低湿環境下での耐久で10000枚目あたりか
らチャージアップに伴う画像濃度低下が見られ、高温高
湿環境下での耐久においては5000枚目あたりから帯
電量が低下し、若干のトナー飛散とカブリが見られたも
のの、ともに実用レベル内であった。
【0215】イエロートナー14の画像のグロスと色度
を実施例1と同様に調べてみたところ、表4の結果を得
た。
【0216】
【表4】
【0217】イエロートナー14は実施例1のトナーと
比較して、ほぼ同じ画像のグロスが高めに出るにもかか
わらず、明度、彩度ともに低下く、これは着色剤の悪さ
に起因していると考えられる。
【0218】実際のOHP画像の透明性もあまり良好と
は言えなかったが、実用レベル内であった。
【0219】実施例9 実施例1において、疎水性酸化チタン微粉体Bの代わり
に、一次粒子径0.22μmの親水性の酸化チタンG
(BET比表面積20m2 /g)100重量部に対して
n−C49 −Si(OCH33 の10重量部を使用
して表面処理した、一次粒子径0.22μm、疎水化度
68%の疎水性酸化チタン微粉体Hを用いたことを除い
てあとは同様にしてトナー15を調製し、耐久評価し
た。
【0220】耐久初期からハーフトーン部の均一性に劣
り、ベタ画像の均一性も実施例1と比較して劣っていた
ものの、実用レベル内であった。
【0221】低温低湿下での耐久においても、耐久とと
もに画像濃度が低下しはじめた。また、OHPの透明性
も初期から若干のムラが見られたものの、実用上問題の
ないレベルであった。
【0222】実施例10 実施例1とほぼ同様にして重量平均径10.5μmのイ
エロートナー粒子を得た。外添剤として疎水性酸化チタ
ン微粉体B0.8重量部をイエロートナー粒子100重
量部に混合してイエロートナー16を調製した。
【0223】耐久性においては、ほぼ満足のいく結果が
得られたものの、ハーフトーンの均一性とラインの再現
性が実施例1と比較して若干劣っていた。但し、充分実
用レベル内であった。
【0224】実施例11 実施例1とほぼ同様にして重量平均径5.3μmのイエ
ロートナー粒子を得た。外添剤として疎水性酸化チタン
微粉体B15重量部をイエロートナー粒子100重量部
に混合してイエロートナー17を調製した。
【0225】ハイライト再現性は実施例1を上回るレベ
ルであったものの、低温低湿下の耐久において若干画像
濃度が低めに推移した。
【0226】実施例12 実施例1において、ジ・ターシャリーブチルサリチル酸
のジルコニウム化合物の代わりにジ・ターシャリーブチ
ルサリチル酸のクロム化合物を用いたことを除いてあと
は同様にしてイエロートナー18を得た。イエロートナ
ー18を用いてあとは実施例1と同様にして評価したと
ころ、低温低湿環境下での耐久で10000枚目あたり
からチャージアップに伴う画像濃度低下が見られ、高温
高湿環境下での耐久においては10000枚目あたりか
ら帯電量が低下し、若干のトナー飛散とカブリが見られ
たものの、ともに実用レベル内であった。
【0227】イエロートナー18の画像のグロスと色度
を実施例1と同様に調べてみたところ、表5の結果を得
た。
【0228】
【表5】
【0229】イエロートナー18は実施例1のトナーと
比較して、ほぼ同じ画像のグロスが高めに出るにもかか
わらず、明度、彩度ともに低下く、これは着色剤の分散
の悪さに起因していると考えられる。
【0230】実際のOHP画像の透明性もあまり良好と
は言えなかったが、実用レベル内であった。
【0231】実施例13及び14、比較例7 実施例1で用いた化合物(I)に変えて、下記の長径/
短径比を有する化合物(I)を用いたことを除いてあと
は同様にしてトナー化してトナー19〜21を得た。
【0232】
【表6】
【0233】実施例1と同様にして各トナーを用いた時
の画像の色度を調べたところ、表7の結果を得た。また
耐久試験も同様に行った。
【0234】
【表7】
【0235】以上の各実施例及び比較例のトナー処方と
評価結果を表8及び9に示す。
【0236】
【表8】
【0237】
【表9】
【0238】
【発明の効果】本発明のイエロートナーは、上述の如
く、特定の酸価を有するポリエステルと、着色剤が前記
式(I)で示される化合物とを有しており、さらに、芳
香族カルボン酸誘導体の金属化合物を含有している時、
トナー中の着色剤の分散性が向上し、良好な色再現性と
帯電安定化が達成でき、さらに定着性と耐オフセット性
の両方を満足できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイエロートナーを用いる画像形成装置
の一例を示す概略断面図である。
【図2】トナーの摩擦帯電量を測定するための装置の概
略図である。
【符号の説明】
51 吸引機 52 測定容器 53 スクリーン 54 フタ 55 真空計 56 風量調節弁 57 吸引口 58 コンデンサー 59 電位計

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及びイエロー着色剤を少なくと
    も含有するイエロートナー粒子を有しているイエロート
    ナーにおいて、 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂を主成分とし、該結着
    樹脂の酸価が2乃至30mgKOH/gであって、 該イエロー着色剤は、下記式(I)で示される化合物を
    有し、 【外1】 該イエロー着色剤の一次粒子は、長径と短径の比が3以
    下であり、イエロートナー粒子中に存在しているイエロ
    ー着色剤の個数平均径が0.1〜0.5μmであること
    を特徴とするイエロートナー。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂は、酸価が2乃至30mgK
    OH/gのポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴
    とする請求項1に記載のイエロートナー。
  3. 【請求項3】 該イエロートナーは、負帯電性を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のイエロートナ
    ー。
  4. 【請求項4】 該イエロートナーが、芳香族カルボン酸
    誘導体の金属化合物を含有していることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のイエロートナー。
  5. 【請求項5】 該芳香族カルボン酸誘導体の金属化合物
    が、ジルコニウムもしくはアルミニウム系の金属化合物
    であることを特徴とする請求項4に記載のイエロートナ
    ー。
  6. 【請求項6】 該イエロートナーが外添剤を含有してお
    り、該外添剤は、平均一次粒子径、0.002乃至0.
    2μmの酸化チタン微粉体、又は酸化アルミニウム微粉
    体であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに
    記載のイエロートナー。
  7. 【請求項7】 該外添剤が、平均一次粒子径、0.00
    2乃至0.2μmの疎水化処理された酸化チタン微粉
    体、又は酸化アルミニウム微粉体であることを特徴とす
    る請求項6に記載のイエロートナー。
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