JP2000063950A - 磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Abstract
鋼板への強い張力付与作用と良好な密着性を有する被膜
を開発する。 【解決手段】 Si:1.5〜7.5mass%およびM
n:0.03〜3.5mass%を含有し、表面に、最終仕
上げ焼鈍時に生成されたフォルステライト系の下地被膜
を有する方向性電磁鋼板において、該下地被膜は、その
大部分がフォルステライト粒子から成り、鋼板の地鉄と
接するフォルステライト粒子内にAlが固溶し、かつ該
地鉄と接するフォルステライト粒子内での固溶Alの濃
度が、地鉄側に向かって増加しているものとする。
Description
の鉄芯に利用される方向性電磁鋼板、中でも変圧器の省
エネルギー化に適した磁気特性および被膜特性を有する
方向性電磁鋼板およびその製造方法に関する。
0)〔001〕方位や(100)〔001〕方位などに
配向した方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を有する
ことから、商用周波数域での各種鉄芯材料として広く用
いられている。この電磁鋼板に要求される特性として
は、一般に50Hzの周波数で1.7Tに磁化させた場合
の損失であるW17/50 (W/kg)で表わされるところ
の鉄損の低いことが、とりわけ重要である。
呼ばれる成分を含有させ、鋼スラブを加熱しインヒビタ
ーを固溶させた後、熱間圧延を施してインヒビターを微
細に析出させ、2次再結晶と呼称される現象を利用して
前述の結晶方位を得る製造工程が一般的であり、インヒ
ビターとして、AlN,MnS,MnSe,CuxS,
CuxSeなどの析出物を使用する方法およびSb,S
n,Teなど偏析元素を使用する方法がある。これらイ
ンヒビターの研究を通じて、より配向性のよい方向性電
磁鋼板を開発し鉄損の低減が図られている。
減する手法も広く知られている。例えば、特公昭56−
52117号公報には、鋼板より熱膨張係数の小さい被
膜を塗布焼き付ける、張力コーティングを用いること
が、また特公昭56−4150号公報や特公昭63−3
5684号公報には、方向性電磁鋼板の表面を平滑化
し、イオンプレーティングなどで張力被膜を蒸着する方
法が、それぞれ開示されている。しかしながら、前者の
方法では鉄損低減効果が小さく、また後者の技術は、真
空を用いるためコストが大きく、工業化されるには至っ
ていない。
て、鋼板への張力付与技術が知られており、最終仕上げ
焼鈍において形成されるフォルステライト(Mg2 Si
O4 )被膜も、鉄損を改善する手法として研究されてい
る。すなわち、最終板厚とされた方向性電磁鋼板は脱炭
を伴う1次再結晶焼鈍を施した後、MgOを含むスラリ
ーを焼鈍分離剤として塗布、乾燥してから、コイル状に
巻取り、ついで最終仕上げ焼鈍を施す。このとき約85
0℃から被膜形成反応が開始され、約1100℃近辺で
終了する。本来、最終仕上げ焼鈍は2次再結晶および綱
板の純化処理が目的であるが、このとき1次再結晶焼鈍
で生成した鋼板表層のSiO2 と焼鈍分離剤中のMgO
とが固相反応し、フォルステライト(Mg2 SiO4 )
の多結晶体からなるセラミックス膜として鋼板表面に緻
密な被膜が形成される。
適正な性状について、古くから研究がなされ、例えば、
特公昭57−34351号公報には、フォルステライト
粒子の平均粒径を0.7μm 以下とすることによって、
良好なフォルステライト被膜の密着性を得る技術が開示
されている。
気特性の改善のためにMgOのみでなく、TiO2 、A
l2 O3 、Sb2 O3 、SrSO4 や、その他酸化物、
硫酸塩、ほう酸塩などが含有されていることから、形成
される被膜は、厳密にはフォルステライトのみでない。
しかし、主要部分はフォルステライトであるため、当該
被膜はフォルステライト被膜、フォルステライト質被膜
またはフォルステライト系被膜と呼称され、さらに、こ
の被膜上に上塗りコーティングが施される場合が多いこ
とから、下地被膜とも呼ばれる。
として、例えば特開平6−179977号公報には、フ
ォルステライト被膜にTiやNを含有させる技術や、特
開平6−17261号公報に開示されるように、フォル
ステライトのみから構成されるのでなく、フォルステラ
イトとAlとを含む酸化物(特にスピネル構造)あるい
は、フォルステライトとAlおよびSiを含む酸化物か
らなる、いわゆる複数の種類の酸化物で構成される下地
被膜を形成させる技術が知られている。
6−179977号公報に開示の技術は、単に被膜中の
TiとNの比率を制御することにより、鋼板中へのTi
の侵入を抑え、鉄損の劣化を抑制するものであり、積極
的に鉄損特性を向上させるものではない。
される下地被膜は、特に、スピネル(MgA12 O4 )
とフォルステライトの2種類の酸化物で構成され、グロ
ー放電スペクトル法(GDS)で検出されるように、ス
ピネルがフォルステライトより相対的にFe素地側に位
置することを特徴としたものである。しかし、鋼板表面
に張力コーティングを塗布、焼き付けた場合に被膜の密
着性が劣り、微視的な領域では被膜の剥落が発生し、大
幅な鉄損特性の劣化をもたらす場合が多いという欠点が
ある。
は、鋼中にAlを含有させ、焼鈍分離剤中にTi化合物
およびBを含有させ、かつ最終仕上げ焼鈍の雰囲気を調
整することにより、フォルステライト質被膜中にAlや
TiおよびBの酸化物や窒化物を含有させる技術が開示
されているが、この技術でも、特開平6−17261号
公報と同様に、微視的な領域では被膜の剥落が発生する
ことが問題になる。以上、従来の下地被膜の改善手法で
は、未だ目的とする低鉄損の方向性電磁鋼板の製造技術
が完成したとはいえないのが、現状である。
る問題点を解決し、安定したフォルステライト系被膜で
あって、鋼板への強い張力付与作用と良好な密着性を有
する被膜を開発し、被膜特性と鉄損特性に優れた方向性
電磁鋼板とその製造技術について提案することを目的と
する。
綱板への良好な密着性と強い張力付与作用を有するフォ
ルステライト系被膜について詳細に検討し、その結晶粒
子中にAlを固溶すること、かつ固溶Al量を鋼板地鉄
側に向かって増加させることで、上記問題点が有利に解
決されることを新規に見出し、この知見に基づいてこの
発明を完成させた。
おりである。 (1) Si:1.5〜7.5mass%およびMn:0.03
〜3.5mass%を含有し、表面に、最終仕上げ焼鈍時に
生成されたフォルステライト系の下地被膜を有する方向
性電磁鋼板において、該下地被膜は、その大部分がフォ
ルステライト粒子から成り、鋼板の地鉄と接するフォル
ステライト粒子内にAlが固溶し、かつ該地鉄と接する
フォルステライト粒子内での固溶Alの濃度が、地鉄側
に向かって増加していることを特徴とする磁気特性およ
び被膜特性に優れた方向性電磁鋼板。
て、C:0.0050mass%以下、S:0.0020ma
ss%以下、N:0.0020mass%以下、Se:0.0
020mass%以下、O:0.0020mass%以下、T
i:0.0030mass%以下、B:0.0005mass%
およびNb:0.0020mass%以下に制限したことを
特徴とする磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁
鋼板。
ステライト粒子の平均結晶粒径が0.05〜0.5μm
であることを特徴とする磁気特性および被膜特性に優れ
た方向性電磁鋼板。
5〜7.5mass%およびMn:0.03〜3.50mass
%と、インヒビター形成成分とを含有する鋼スラブを熱
間圧延し、1回もしくは2回以上の冷間圧延で最終板厚
としたのち、1次再結晶焼鈍後に鋼板表面に焼鈍分離剤
を塗布してから、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からな
る最終仕上げ焼鈍を施す、一連の工程によって方向性電
磁鋼板を製造するに当たり、該1次再結晶焼鈍は、50
0℃以上の平均昇温速度を5℃/s以上にて焼鈍温度を
700〜950℃の範囲に調整し、かつ500℃以上の
温度域において、雰囲気の水蒸気分圧に対する水素分圧
の比P(H2 O)/P(H2 )を60秒間以上にわたっ
て0.15〜0.75にして行い、その後、Al含有物
質をAl2 O3 換算の当量含有量で0.01〜8.0ma
ss%含有し、かつマグネシアをMgO換算の当量含有量
で70mass%以上含有する焼鈍分離剤を、鋼板表面に塗
布し、次いで最終仕上げ焼鈍を、400〜1000℃の
昇温過程では、N2 およびArのいずれか一方の雰囲気
または両者の混合雰囲気にて、1000℃をこえる温度
域ではH2 雰囲気またはH2 を含有する雰囲気にて、1
000〜1250℃の温度域に保持して行うことを特徴
とする磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板
の製造方法。
引き続いて、鋼板表面のファイヤライトをシリカとの赤
外反射スペクトルの吸光度比Af/As:0.3〜5.
0の範囲にて分解処理することを特徴とする磁気特性お
よび被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
ブ中に、S,Se,Al,Sb,Sn,Cu,Cr,N
i,Ge,Biから選ばれる1種もしくは2種以上を、
SbおよびBiは0.0005〜0.080mass%、C
u,Cr,Ni,SnおよびGeは0.0010〜1.
30mass%、S,SeおよびAlは0.010〜0.0
35mass%の範囲で含有することを特徴とする磁気特性
および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
1次再結晶焼鈍後かつ2次再結晶焼鈍前に、鋼中にNを
上限550ppm にて含有させる、窒化処理を施すことを
特徴とする磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁
鋼板の製造方法。
いて、最終冷間圧延後かつ最終仕上げ焼鈍前または後
に、鋼板表面に複数の溝を形成するか、もしくは線状の
局部歪を鋼板に導入することを特徴とする磁気特性およ
び被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
験結果について詳しく説明する。C:0.075mass%
(以下単に%で表示する)、Si:3.25%、Mn:
0.07%、Se:0.015%、Sb:0.025
%、Al:0.018%およびN:0.0065%を含
む、厚みが215mmの珪素鋼スラブを、熱間圧延により
板厚2.2mmの熱延板に仕上げた。
の熱延板焼鈍を施した後、ミスト水を噴射して急冷し、
酸洗後、1.5mmの中間厚に圧延し、さらに、1100
℃、40秒間の中間焼鈍を施した後、ミスト水を噴射し
急冷した後、冷間圧延により0.22mm厚の鋼板とし
た。
℃で均熱3分間の脱炭焼鈍を施すに当たり、該鋼板を鋼
板(a),(b),(c),(d),(e),(f)お
よび(g)に7分割し、鋼板(a),(b),(c)お
よび(d)は水蒸気分圧に対する水素分圧の比{以下、
単にP(H2 O)/P(H2 )と示す}が0.48の湿
水素・窒素雰囲気で全処理を行い、また鋼板(e)およ
び(f)は850℃昇温後20秒間までP(H2 O)/
P(H2 )が0.55で、その後はP(H2 O)/P
(H2 )が0.01の雰囲気で処理した。残る鋼板
(g)はP(H2 O)/P(H2 )が0.48の湿水素
・窒素雰囲気で2分間脱炭焼鈍した後、さらに引き続い
てP(H2 O)/P(H2 ):0.005で1分間焼鈍
した。これらの鋼板はいずれもC含有量は0.002%
以下に脱炭され、酸素目付量としては、0.8〜1.1
g/m2であった。
び2%のSr(OH)2 を添加した焼鈍分離剤を、鋼板
両面で20g/m2塗布し、コイル状に巻取り最終仕上げ
焼鈍を施した。なお、鋼板(a),(b),(c)およ
び(e)には、AlをAl2O3 換算にて0.2%含有
するマグネシアを用い、鋼板(d),(f)および
(g)には、従来法としてAlをAl2 O3 換算にて
0.001%未満含有するマグネシアを用いた。
(e),(f)および(g)について、N2 単独の雰囲
気下において30℃/hの昇温速度で840℃まで昇温
して20時間保持した後、25%N2 と75%H2 の混
合雰囲気で1050℃まで12℃/hの昇温速度で昇温
し、以後H2 単独雰囲気で1200℃まで昇温して5時
間保持したのち冷却した。鋼板(b)は、840℃まで
30℃/hの昇温速度で昇温する際、N2 単独雰囲気下
で350℃まで昇温し、その後10%H2 と90%のN
2 の混合雰囲気で840℃まで昇温して20時間保持し
た後、25%N2 と75%H2 の混合雰囲気で1050
℃まで12℃/hの昇温速度で昇温し、以後H2 単独雰
囲気で1200℃まで昇温して5時間保持したのち冷却
した。さらに、鋼板(c)は、N2 単独の雰囲気下にお
いて30℃/hの昇温速度で840℃まで昇温し、次い
で20時間保持した後1050℃まで12℃/hの昇温
速度で昇温し、以後25%N2 と75%H2 の混合雰囲
気で1200℃まで昇温し、H2 単独雰囲気に切り替え
て5時間保持したのち冷却した。
焼鈍の冷却後、未反応分離剤を除去し、シリカを含有す
るリン酸マグネシウムを主成分とする張力絶縁コーティ
ングを塗布して800℃で焼き付けたのち、その磁気特
性を測定した。また、鋼板の被膜外観および鋼板を各種
直径の丸棒に巻きつけ被膜が剥離しない丸棒の直径を求
める方法にて、被膜の密着性を評価した。さらに、フォ
ルステライト系被膜の薄膜断面をイオンミリングの技術
を用いて準備し、透過電子顕微鏡での被膜粒子断面の観
察および分析電子顕微鏡での成分調査を行った。また、
各下地被膜の表面からレプリカ法によりフォルステライ
ト粒子を観察し、その平均粒径を求めた。これらの調査
結果を表1に示す。
膜外観、被膜密着性および鉄損値が他より優れているこ
とがわかる。そこで、この理由を調査するため、各種方
向性電磁鋼板の下地被膜の薄膜断面試料を電子顕微鏡で
調査した。すなわち、鋼板(a)の下地被膜について、
電子顕微鏡による写真およびμ−回折(マイクロデイフ
ラクション)を図1に、その説明図を図2に、元素濃度
分析図を図3に、それぞれ示すように、該下地被膜はフ
ォルステライト粒子のみから構成され、かつフォルステ
ライト粒子中に一部Alを含有する領域がFe低合金素
地に接して存在していることがわかる。なお、図2にお
いて、符号1はフォルステライト(Al非含有部)、2
はAl含有部とAl非含有部との境界、3はフォルステ
ライト(Al含有部)、5は被膜固定用の樹脂、6は地
鉄および7はフォルステライト上へのFe合金の重なり
部分である。
元素分析を行い、Alのカウント数:Na,Mgのカウ
ント数:NmおよびSiのカウント数:Nsの値を、酸
素のカウント数:Noの値でそれぞれ割った値:Na/
No、Nm/NoおよびNs/Noについて、その被膜
厚み方向における変化を図3に示した。この図3より、
フォルステライト(Mg2 SiO4 )粒子中に一部Al
を含有する領域が存在し、かつAlを含有する領域は地
鉄に接しており、さらに地鉄に向かってAlの濃度が増
加していることがわかる。ちなみに、図1に示したμ−
回折はAlを高濃度に含有する領域での回折パターンで
あるが、斜方晶であり、また、その格子定数からフォル
ステライトであることが、回折パターンの解析から確認
された。
(c)、(d)および(e)の下地被膜は、フォルステ
ライト粒子のみからなっているがAlを含有していな
い。例えば鋼板(b)のフォルステライト系被膜につい
て、電子顕微鏡による写真およびμ−回折を図4に、そ
の説明図を図5に、それぞれ示すように、フォルステラ
イト粒子のみからなっており、しかもフォルステライト
粒子は図6に示されるようにAlを含んでいない。
(g)は従来技術に認められるものと同様、フォルステ
ライト粒子とAlを含有するスピネル粒子の2種類の酸
化物からなっている。例えば鋼板(g)のフォルステラ
イト系被膜について、その電子顕微鏡による写真および
μ−回折を図7に、その説明図を図8に示すように、下
地被膜の構造として、地鉄6とフォルステライト粒子1
との間にスピネル粒子5が存在しており、図9に示すよ
うに、フォルステライト粒子中にAlは含有されておら
ず、スピネル粒子中のAlの濃度は一定となっている。
よびこの構造が下地被膜の性質に関わってくるという事
実は、これまで知られてはおらず、この実験から得た新
規な知見である。
が、如何なる機構によって鋼板の磁気特性に影響を及ぼ
すかについて考察した結果を述べる。フォルステライト
被膜は鋼板に対して張力を及ぼすと同時に、反作用とし
て、鋼板から強い圧縮応力を受けている。ここで、フォ
ルステライト粒子と鋼板との間にスピネルのようなヤン
グ率が高く硬い物質が存在すると、鋼板への張力作用が
より強く働くことが予想されるが、実際は、これとは逆
に、このような硬い物質が存在することによって、セラ
ミックスであるフォルステライト被膜の靱性が劣化し、
被膜が破断されやすくなって、微視的な領域において被
膜は剥落することになる。その結果、フォルステライト
被膜は、鋼板へ張力を有効に作用させることができず
に、被膜の張力作用は不均一なものとなり、渦電流損や
ヒステリシス損の増大により鉄損が増加して磁気特性が
劣化する。
を含有させた新しい被膜では、被膜の靱性は損なわれ
ず、また地鉄に向かってAl含有量が増加していくこと
によってフォルステライトの結晶の格子間隔も増加する
ことが、電子線のμ−回折によって確認されており、こ
うした変化がより強い張力作用を地鉄に及ぼす結果にな
る。換言すると、上記した鋼板(a)の下地被膜は、一
種の微視的な傾斜機能を有する被膜ということができ
る。以上、フオルステライト粒子がAlを含有し、かつ
Al含有領域が地鉄と接する位置にあること、およびA
lの濃度が地鉄に向かって増加していることが、鋼板
(a)の製品の下地被膜の特徴であり、これが被膜の密
着性を格段に向上させ、また磁気特性をも向上させた要
因である。さらに、被膜と鋼板との密着性が強固なもの
になることによって、フォルステライトやその上に塗布
された張力コーティングによる張力が鋼板に有効に伝達
され、方向性電磁鋼板の鉄損が向上したものと推定され
る。
地被膜のフォルステライト粒子の平均粒径は、いずれも
0.7μm 以下であり、鋼板(a)のものにおいて、と
りわけ平均粒径が小さい傾向はなく、このことが被膜の
密着性を向上させたわけではなかった。
フォルステライト粒子を形成する手法について、詳しく
説明する。すなわち、この発明に従うフォルステライト
系被膜を得るには、1次再結晶焼鈍後の鋼板表面層に生
成する酸化物として、シリカ(SiO2 )だけでなくフ
ァイヤライト(Fe2 SiO4 )を存在させること、お
よび焼鈍分離剤中にAlを含有する物質を微量に含むこ
とが重要である。このファイヤライトは被膜形成反応の
過程においてMgOと反応しオリビン{(Fe,Mg)
2 SiO4 }となり、最終的にフォルステライト(Mg
2 SiO4 )に変化していくが、この反応過程の制御が
極めて重要であり、反応時期を正しく制御することによ
って、フォルステライト粒子中に焼鈍分離剤中の上記A
l成分、同時に鋼板中に存在するAlをも、有効にフォ
ルステライト粒子中に取り込むことができる。
MgOを大量に含む焼鈍分離剤中にAlを含有させるこ
とが必要であり、その含有量はAl2 O3 に換算して
0.01〜8.0%とする。
げ焼鈍における雰囲気ガスの制御も肝要となる。すなわ
ち、第1に、1次再結晶焼鈍後の鋼板表面に適正な量の
ファイヤライトを生成させるためには、1次再結晶焼鈍
を、500℃以上の平均昇温速度を5℃/s以上にて焼
鈍温度を700〜950℃の範囲に調整し、かつ少なく
とも500℃以上の温度域において、雰囲気のP(H2
O)/P(H2 )を60秒間以上にわたって0.15〜
0.75として行うことが、肝要である。なお、ファイ
ヤライトはシリカに比較し、より鋼板表面側に生成する
酸化物であり、上記の雰囲気にて生成させたのち、例え
ば還元処理によってシリカになる場合もあるが、ファイ
ヤライトが完全にシリカに還元されるのでなければ、こ
の発明の技術は十分に適用でき、残存するファイヤライ
トによって目的は達成される。
は、オリビン{(Fe,Mg)2 SiO4 }形成反応上
重要であり、図10に示す鋼板の赤外反射スペクトルに
おけるファイヤライトのピーク位置(980cm-1)と
シリカのピーク位置(1240cm-1)とから、図11
に示した計算法に基づいて算出した、ファイヤライトの
吸光度:Afとシリカの吸光度:Asとの比:Af/A
sを、0.3〜5.0の範囲とすることによって、さら
に一段と優れた下地被膜を得ることができる。
2として、1次再結晶焼鈍後に、純粋なMgOを70〜
97%で含有し、かつAlを含む物質またはマグネシア
中にAl2 O3 に換算して0.01〜8.0%の量のA
lを含有する焼鈍分離剤を塗布することである。これに
より、良好なフォルステライト粒子が生成すると同時
に、焼鈍分離剤や地鉄から供給されたAlがフォルステ
ライト粒子中に取り込まれることになる。
上げ焼鈍を、400〜1000℃の昇温過程では、N2
およびArのいずれか一方の雰囲気または両者の混合雰
囲気にて、1000℃をこえる温度域ではH2 雰囲気ま
たはH2 を含有する雰囲気にて、1000〜1250℃
の温度域に保持して行うことである。すなわち、400
〜1000℃の昇温過程では、N2 およびArのいずれ
か一方の雰囲気または両者の混合雰囲気とするのは、低
温におけるファイヤライトの分解を抑制することで、高
温におけるオリビン生成反応を進行させるためである。
雰囲気またはH2 を含有する雰囲気にて行うのは、高温
でのH2 含有雰囲気が、フォルステライト被膜の形成反
応を促進させるからであり、併せて、フォルステライト
粒子に含有されるAlが地鉄との境界側に偏在するよう
になり、この発明の目的とする下地被膜が形成される。
さらに、1000〜1250℃の温度で焼鈍すること
は、フォルステライト被膜の形成反応を完了させるため
に必要である。
の製造方法に関して、その各構成要件について詳述す
る。まず、この発明の方向性電磁鋼板の成分組成につい
て延べる。 Si:1.5〜7.5% Siは、電気抵抗を増加させ鋼板の渦電流損を低減する
のに必要な成分であり、この目的のためには1.5%以
上含有させる必要があるが、7.5%をこえると加工性
が劣化することから、1.5〜7.5%の範囲とする。
間加工性を向上させる、重要な成分である。このために
は0.03%以上含有させることが必要であるが、3.
5%をこえて含有させると、γ変態を誘起して磁気特性
が劣化することから、0.03〜3.5%の範囲とす
る。
%以下、Sを0.0020%以下、Nを0.0020%
以下、Seを0.0020%以下、Oを0.0020%
以下、Tiを0.0030%以下、Bを0.0005
%、Nbを0.0020%以下に、それぞれ制限するこ
とが好ましい。すなわち、これらの元素が鋼板中に含有
されると、鋼中での存在形態によっては鋼板のヒステリ
シス損を増加し鉄損値を劣化させる可能性があるため、
それぞれ上記範囲に制限することが好ましい。これらの
元素の含有量を制限するには、溶鋼を高純度化すること
が有効であるが、他の方法として、焼鈍分離剤中のCa
やSr等の含有量を増加させて、最終仕上げ焼鈍時の純
化を強化することでも対処できる。
を含有させることができる。例えば、Sb,Sn,C
u,Cr,Ni,GeおよびBiなどは、2次再結晶組
織を改善するのに有効な添加成分であり、ヒステリシス
損を低減し鉄損を改善する効果がある。これらの他にも
公知の添加元素を含有させることが可能である。
方向に磁化容易軸<001>を配向させた(110)<
001>方位や(100)<001>方位などを主方位
とする方向性電磁鋼板であり、その表面には、最終仕上
げ焼鈍時に生成されたフォルステライト系被膜からなる
下地被膜を有する。このフォルステライト被膜は、鋼板
表面層に存在するファイヤライト(Fe2 SiO4 )お
よびシリカ(SiO2)と、鋼板表面に塗布された焼鈍
分離剤中のMgOとが、最終仕上げ焼鈍中に次式(1)
および(2)に従って反応したものである。 Fe2 SiO4 +2MgO→Mg2 SiO4 +2FeO----(1) SiO2 +2MgO→Mg2 SiO4 ----(2)
膜において、次の(イ)〜(ハ)が満たされることが、
この発明の作用効果を得るために必要である。すなわ
ち、(イ)下地被膜は大部分がフォルステライト粒子か
ら構成されていること、(ロ)地鉄と接するフォルステ
ライト粒子内にAlが固溶していること、(ハ)地鉄と
接するフォルステライト粒子内において、固溶Alの濃
度が地鉄側に向かって増加していることが必須の構成要
件となる。
粒子やスピネル(MgAl2 O4 )粒子を含有すること
が可能であるが、少なくとも70%はフォルステライト
粒子からなることが必要であり、これにより密着性と鉄
損特性に優れた鋼板を得ることができる。
晶粒径が0.05〜0.5μm であることが、下地被膜
の密着性をさらに高めるのに有利である。なぜなら、フ
ォルステライト粒子の平均結晶粒径が0.5μmを超え
ると被膜の密着性が低下する傾向を有し、逆に0.05
μm未満の場合、結晶粒界密度が増加して、粒界拡散に
よる鋼板の酸化、窒化が起こりやすくなり、いずれの場
合も下地被膜の密着性の向上効果を低減する方向に作用
するからである。
ステライト粒子内にAlが固溶し、かつ固溶Alの濃度
が地鉄と接する側に向かって増加していることが、下地
被膜の密着性を高め、鋼板への張力作用を高めるために
必要である。これは、Alを含有することによって、フ
ォルステライト結晶粒の格子間隔を増加させ、下地被膜
の靱性を損なわず張力作用を増進させることができるか
らである。
ステライト粒子内部について、電子顕微鏡を用いての微
視的領域のAl濃度分析を行うことで評価できる。さら
に、Alがフォルステライト粒子への固溶していること
の確認は、Al含有域における電子顕微鏡を用いてのM
g,O,Siの分析によって成分を、また同じく電子顕
微鏡を用いてμ−回折を測定してフォルステライトの結
晶系である斜方晶の確認と格子定数とを知ることにて、
行うことができる。
電磁鋼板を製造するための有利な手法について、詳しく
説明する。まず、出発素材の成分について述べる。 C:0.10%以下、Cは、含有量が0.10%をこえ
ると脱炭焼鈍工程において脱炭不良を招き、磁気特性が
劣化するため、その含有量を0.10%以下とする。
須の成分であり、このためには1.5%以上含有させる
ことが必要であるが、7.5%を超えて含有させると加
工性が劣化し製品の製造や製品の加工が極めて困難にな
る。従って、その含有量は1.5〜7.5%の範囲とす
る。
間加工性を向上させるのに重要な成分である。そのため
には0.03%以上の含有が必要であるが、3.5%を
こえて含有するとγ変態を誘起して磁気特性が劣化す
る。従って、その含有量は0.03〜3.5%の範囲と
する。
を誘起させるためのインヒビターが必要である。インヒ
ビター形成成分としては、Al,B,N,S,Se,S
b,Sn,Cu,Cr,Ni,Ge,Bi,Te,P
b,Zn,In,PおよびVなどから選ばれる1種また
は2種以上を含有する必要がある。
の鋼中Mn化合物、Cu化合物もしくは窒化物として析
出してインヒビターとして作用し、鋼板の1次再結晶粒
の正常粒成長を抑制する。また、SbやSnは、結晶粒
界に偏析して上記1次再結晶粒の正常粒成長を抑制す
る。特に、S,Se,Al,Sb,Sn,Cu,Cr,
Ni,GeおよびBiは、インヒビターとして良好な2
次再結晶組織を得るのに有効であり、これらの中から1
種もしくは2種以上を選び、Sb, Biにおいては0.
0005〜0.080%、Cu, Cr, Ni, Snまた
はGeにおいては0.0010〜1.30%、S,S
e,Alにおいては0.010〜0.035%にて添加
することが、高磁束密度かつ低鉄損の方向性電磁鋼板を
得るのに好都合である。
用スラブは、従来の各種方法によってスラブとされる。
すなわち、連続鋳造により通常は200〜300mm厚
のスラブとされるが、30〜100mmの薄スラブを用
いても、この発明の効果に差異はない。薄スラブを用い
る場合には、特に熱間圧延の粗圧延を省略することが可
能となる。
スラブを熱間圧延し、1回もしくは2回以上の冷間圧延
で最終板厚とし、1次再結晶焼鈍を施し最終仕上げ焼鈍
により磁気特性を得る一連の工程によって、この発明の
方向性電磁鋼板が製造される。ここで、磁束密度の向上
などの必要に応じて、熱延板焼鈍を施すことができる。
ず500℃以上の平均昇温速度を5℃/s以上にて焼鈍
温度を700〜950℃の範囲に調整することが必要で
ある。すなわち、500℃以上の高温領域では鋼板の酸
化が進行するが、平均昇温速度が5℃/s未満の場合や
焼鈍温度が700℃未満の場合には、鋼板表面に緻密な
シリカのスケールが生成し、その後の処理や雰囲気調整
によっても、ファイヤライトが生成しづらく目的のフォ
ルステライト系被膜の形成が不能となる。また、焼鈍温
度が950℃を超えると、1次再結晶粒が粗大化し、良
好な2次再結晶組織が得られなくなる。
雰囲気のP(H2 O)/P(H2 )を60秒間以上にわ
たって0.15〜0.75とすることが必要である。す
なわち、上述のように500℃以上の温度域において表
面酸化は急激に進行するが、このときファイヤライトを
効果的に生成するには、P(H2 O)/P(H2 )を6
0秒間以上にわたって0.15〜0.75とすることが
必要である。この条件から外れた場合には、1次再結晶
焼鈍板の表層部に十分なファイヤライトが含まれた内部
酸化層を生成することができず、この発明の特徴である
下地被膜を形成することができない。
板表面のファイヤライトをシリカとの赤外反射スペクト
ルの吸光度比:Af/Asで0.3〜5.0の範囲に分
解処理することが、この発明の下地被膜のAlの分布を
さらに適切にして、より優れた被膜の密着性と鉄損特性
を得るために有効である。なお、分解処理には、H2分
圧比の高いガスでファイヤライトを高温で還元処理した
り、乾燥中性ガス中で熱処理することによって、ファイ
ヤライトをシリカヘと分解する方法などが用いられる。
する焼鈍分離剤は、Al含有物質をAl2 O3 換算の当
量で0.01〜8.0mass%含有し、かつマグネシアを
MgO換算の当量で70mass%以上含有することが、肝
要である。すなわち、焼鈍分離剤中にマグネシアをMg
O換算の含有量として70%以上含有させることが、フ
ォルステライトを主成分とする下地被膜を形成させるた
めに有利であり、70%未満になると、良好なフォルス
テライトが生成されずに下地被膜の密着性と張力作用が
劣化する。次に、Al含有物質の含有がAl2 O3 換算
の当量で0.01%未満では、地鉄からフォルステライ
ト粒子へAlが侵入せずにスピネル等を生成したり、焼
鈍分離剤からフォルステライト粒子へAlの侵入がなさ
れず、この発明の目的の下地被膜が形成されない。一
方、Al2 O3 換算の当量が8.0%をこえると、上記
した式(1)や(2)で表されるフォルステライト反応
そのものが抑制されるようになり、良好なフォルステラ
イト系下地被膜が形成されない。なお、焼鈍分離剤に含
有されるAlの形態としては、マグネシア中に固溶する
Alであっても、その作用に変わりがないことはいうま
でもない。
00℃の昇温過程では、N2 およびArのいずれか一方
の雰囲気または両者の混合雰囲気にて、1000℃をこ
える温度域ではH2 雰囲気またはH2 を含有する雰囲気
にて、1000〜1250℃の温度域に保持して行う必
要がある。すなわち、最終仕上げ焼鈍の400〜100
0℃の昇温過程は、N2 およびArのいずれか一方の雰
囲気または両者の混合雰囲気とするのは、低温における
ファイヤライトの分解を抑制することで、高温における
オリビン生成反応を進行させるためである。また、10
00℃をこえる温度域ではH2 雰囲気またはH2 を含有
する雰囲気とするのは、高温でのH2 含有雰囲気がフォ
ルステライト被膜形成反応を促進させるからである。こ
れにより、フォルステライト粒子に含有されるAlが地
鉄との境界側に偏在するようになり、この発明で所期す
る下地被膜が形成される。また、1000〜1250℃
の温度で焼鈍する理由は、この温度域での焼鈍によりフ
ォルステライト被膜形成反応が完了するからである。
鈍後かつ2次再結晶前に、鋼中にNを上限550ppm で
含有させる、窒化処理を施すことも、この発明の方向性
電磁鋼板の特性をより向上させるのに効果的である。す
なわち、この処理によって、鋼中のインヒビターの能力
が高まり、より磁気特性に優れた方向性電磁綱板を得る
ことができる。ここで、窒化処理の方法としては、1次
再結晶焼鈍に引き続いてアンモニア含有雰囲気中で熱処
理を行ってもよいし、焼鈍分離剤としてTiN、FeN
やMnNなどの窒化物を焼鈍分離剤中に含有させてもよ
い。
鈍前または後に、鋼板表面に複数の溝を形成するか、も
しくは線状の局部歪を鋼板に導入し、鋼板の磁区を細分
化して鉄損を低減する、磁区細分化処理を適用すること
も可能であり、この処理との併用により、格段に優れた
鉄損値を得ることが可能となる。ここで、鋼板表面に線
状の局部歪を導入する方法としては、プラズマジェット
やレーザー照射を線状に施す方法が、有利に適合する。
また、鋼板表面に溝を形成する方法としては、マスキン
グした状態でエッチング処理を行うことや、突起ロール
によって線状の凹みを設けることが、有利に適合する。
ーティングを塗布焼き付け、さらに平坦化焼鈍を施して
製品とする。
んで厚み250mmのスラブをA−1〜A−7まで7本作
製し、1180℃の温度に3時間保持した後、スラブの
幅を40mm減少させる幅圧下を行い、さらに厚みを20
0mmに減厚した後、誘導加熱炉に装入し30分で141
0℃まで昇温して10分間均熱した後、熱間圧延を開始
した。熱間圧延は粗圧延で35mm厚とし、仕上げ圧延
で1.8mmの厚さに仕上げた。
の熱延板焼鈍を施し、ミスト水で35℃/sで冷却し
た。このときの焼鈍雰囲気は、露点50℃のプロパン燃
焼ガスとし、鋼板表層を脱炭して該表層のC含有量を
0.008%に低減した。その後、各コイルは酸洗し、
ゼンジマー圧延機で各圧延パス出側温度が170〜25
0℃の温間圧延により、0.19mmの最終板厚に圧延し
た。次いで、脱脂後、850℃で3分間の脱炭焼鈍を施
した。その際、500℃〜850℃の昇温速度を20℃
/sとした。
で均熱3分間の脱炭焼鈍を施すに当たり、記号A−1,
A−2,A−3およびA−4はP(H2 O)/P
(H2 )が0.50の湿水素・窒素雰囲気で全処理を行
い、A−5とA−6はP(H2 O)/P(H2 )が0.
55の雰囲気で850℃昇温後20秒間まで、その後は
P(H2 O)/P(H2 )が0.01の雰囲気で処理し
た。また、A−7はP(H2O)/P(H2 )が0.5
0の湿水素・窒素雰囲気で2分間脱炭焼鈍した後、さら
に引き続いてP(H2 O)/P(H2 )が0.005の
雰囲気で、1分間焼鈍した。これらの鋼板はいずれもC
含有量を0.002%以下まで脱炭し、酸素目付量を
0.8〜1.1g/m2 に調整した。
%のSr(0H)2 および2%のSnO2 を添加した焼
鈍分離剤を、鋼板両面に12g/m2 塗布し、コイル状
に巻取ったのち、最終仕上げ焼鈍を施した。ここで、鋼
板A−1,A−2,A−3およびA−5には、AlをA
l2 O3 換算で0.1%含有するマグネシアを用い、A
−4,A−6およびA−7には、従来例としてAlをA
l2 O3 換算で0.001%未満含有する純度97%の
マグネシアを用いた。
A−5,A−6およびA−7について、N2 単独の雰囲
気下において30℃/hの昇温速度で850℃まで昇温
し、引き続き15時間保持した後、25%N2 と75%
H2 の混合雰囲気で1100℃まで12℃/hの昇温速
度で昇温し、以後H2 単独雰囲気で1150℃まで昇温
して5時間保持し冷却した。
/hの昇温速度で昇温したが、N2単独雰囲気下で35
0℃まで昇温し、その後10%H2 と90%のN2 の混
合雰囲気で850℃まで昇温し、引き続き15時間保持
した後、25%N2 と75%H2 の混合雰囲気で110
0℃まで12℃/hの昇温速度で昇温し、以後H2 単独
雰囲気で1150℃まで昇温して5時間保持し冷却し
た。さらに、鋼板A−3は、N2 単独の雰囲気下におい
て30℃/hの昇温速度で850℃まで昇温し、引き続
き15時間保持した後1100℃まで12℃/hの昇温
速度で昇温し、以降25%N2 と75%H2 の混合雰囲
気で1150℃まで昇温して、H2 単独雰囲気に切り替
えて5時間保持して冷却した。
冷却後、未反応分離剤を除去し、コロイダルシリカを含
有するリン酸マグネシウムを主成分とする張力絶縁コー
ティングを塗布し800℃で焼き付けた。
外観および鋼板を各種直径の丸棒に巻きつけ被膜が剥離
しない丸棒の直径を求める方法で被膜の密着性を評価し
た。さらに、フォルステライト系被膜の薄膜断面をイオ
ンミリングの技術を用いて準備し、透過電子顕微鏡での
被膜粒子断面の観察および分析電子顕微鏡での成分調査
を行った。これらの評価および調査結果を表3に示す。
ェットを間隔5mmで線状に照射し製品とした。各製品よ
り圧延方向に沿って幅100mmおよび長さ400mmのS
ST(単板試験)の試験片を採取し、1.7Tの磁束密
度における鉄損の値W17/50および磁束密度B8 を測定
した。これらの測定結果を、表3に併せて示す。
よび下地被膜を有する方向性電磁鋼板の製品A−1は、
優れた密着性を示すとともに、極めて低鉄損の磁気特性
が得られた。
続鋳造機で各12本鋳込み、厚さ220mmのスラブとし
た。鋳込み後の各スラブは、ガス加熱炉に装入して12
00℃に加熱し、その後粗圧延で45mmとし、仕上げ圧
延で2.4mmの板厚まで熱間圧延した。
/sの昇温速度で昇温した後、30秒間保持しミスト水
を噴射し急冷した。このとき、焼鈍雰囲気として空燃比
0.95で露点45℃の燃焼ガスを用い、鋼板表層を脱
炭焼鈍し、そのC含有量を0.020%に低減した。次
いで、酸洗しタンデム圧延機によって最終圧延スタンド
出側の板温として最高温度が250℃となる温間圧延を
行い、最終板厚0.34mmに仕上げた。
間の脱炭焼鈍を施した。その際、500℃〜820℃の
昇温速度は14℃/sとした。焼鈍は、P(H2 O)/
P(H2 )が0.55の湿水素・窒素雰囲気とした。酸
素目付量は、0.98〜1.45g/m2 の範囲であ
り、C含有量はいずれも0.002%以下に脱炭されて
いた。
は、4%のTiO2 と2%の硫酸ストロンチウムを添加
し、残部は純度97〜98%のマグネシアからなる焼鈍
分離剤を鋼板表面に塗布(鋼板両面で13g/m2 )し
て巻き取った。なお、MgOには、Al2 O3 に換算し
て0.001%〜15.5%のAlを含有する各種類の
マグネシアをそれぞれ用いた。また、スラブCの成分か
らなる鋼板は、焼鈍分離剤として、4%のTiO2 と2
%の硫酸ストロンチウムを含有し、マグネシアを50%
から96%の範囲で含有し、残部をCaOとしたもの
を、各鋼板表面に塗布し巻きとった。ここで、マグネシ
アとしては、Al2 O3 に換算して0.24%のAlを
含有し、純度95%のマグネシアを用いた。
とし、昇温時800℃までN2 単独の雰囲気、その後1
050℃までは30%N2 と70%H2 の混合雰囲気、
以後H2 単独雰囲気で1180℃まで昇温後5時間保持
する、最終仕上げ焼鈍を施した後、未反応分離剤を除去
した。これら鋼板のコイルには、さらに60%のコロイ
ダルシリカを含有するリン酸アルミニュウムを主成分と
する絶縁コーティングを塗布し800℃で焼き付け製品
とした。
外観および鋼板を各種直径の丸棒に巻きつけ被膜が剥離
しない丸棒の直径を求める方法で被膜の密着性を評価し
た。さらに、フォルステライト系被膜の薄膜断面をイオ
ンミリングの技術を用いて準備し、透過電子顕微鏡での
被膜粒子断面の観察および分析電子顕微鏡での成分調査
を行った。これらの評価および測定結果の一部を表4に
示す。
スタインサイズの試験片を切り出し、800℃で3時間
の歪取焼鈍を施した後、1.7Tの磁束密度における鉄
損の値 W17/50 および磁束密度B8 を測定した。これら
の測定結果の一部を、表4に併せて示す。
たAl含有量の鉄損に及ぼす影響を図12に、焼鈍分離
剤中の純MgO換算含有量の鉄損に及ぼす影響を図13
に、それぞれ示す。
剤中のAl2 O3 に換算したAl含有量として0.01
〜8.0、そして焼鈍分離剤中のMgO換算含有量とし
て70%以上に規制するのが、鉄損特性の点で有利であ
ることがわかる。
厚み220mmの鋼スラブに連続鋳造で鋳込んだ。これら
のスラブは、ガス燃焼炉で表面温度を1200℃に昇温
した後、炉から取り出し表面温度が1150℃になるま
で冷却し、次に誘導加熱式の加熱炉に装入して1380
℃に加熱後、粗圧延と仕上げ圧延機での熱間圧延によ
り、2.4mmの熱延コイルとした。
酸洗し、タンデム圧延機によって、記号Dの鋼板は0.
55mm厚、その他の鋼板は1.80mm厚まで冷間圧延し
た。その後、中間焼鈍として、記号Dの鋼板は970℃
まで12℃/sの速度で昇温し、さらに60秒間保持し
た後ジェット水を噴射して30秒間で冷却する熱処理
を、その他の鋼板は1100℃まで10℃/sの速度で
昇温し、さらに60秒間保持した後ジェット水を噴射し
て30秒間で冷却する熱処理を、それぞれ行った。次い
で、各コイルは、ゼンジマー圧延機で最高板温度、22
0℃の温間圧延と150〜200℃でのパス間時効を施
し、5パスの圧延で0.22mmの最終板厚に仕上げた。
チングによって深さ20μm 、幅120μm 、圧延直角
方向に伸びた溝を、圧延方向への繰り返し間隔5mmでも
って繰り返し形成した。そして、850℃で2分間、P
(H2 O)/P(H2 )が0.52の湿水素・窒素雰囲
気での脱炭焼鈍を施したが、その際、各鋼板を2分割
し、500〜850℃での昇温速度を、一方の鋼板は
4.0℃/sとし、他方の鋼板は17℃/sとした。
%のAlと0.24%のCaおよび0.08%のBを含
有する純度98%のマグネシアに、7%のTiO2 と2
%の酸化錫を添加した焼鈍分離剤をコイル表面に塗布
し、最終仕上げ焼鈍を施した。
し、昇温時750℃までN2 単独の雰囲気、その後11
80℃までは35%N2 と65%H2 の混合雰囲気、以
後1180℃でH2 単独雰囲気で5時間保持して行い、
その後未反応分離剤を除去した。これらのコイルは、さ
らに60%のコロイダルシリカを含有するリン酸マグネ
シウムを主成分とする絶縁コーティングを塗布し800
℃で焼き付け製品とした。
外観および鋼板を各種直径の丸棒に巻きつけ被膜が剥離
しない丸棒の直径を求める方法で被膜の密着性を評価し
た。さらに、フォルステライト系被膜の薄膜断面をイオ
ンミリングの技術を用いて準備し、透過電子顕微鏡での
被膜粒子断面の観察および分析電顕での成分調査を行っ
た。これらの評価および調査結果を表5に示す。さら
に、各製品より圧延方向に沿ってエプスタインサイズの
試験片を切り出し800℃で3時間の歪取焼鈍を施した
後、1.7Tの磁束密度における鉄損の値W17/50 およ
び磁束密度B8 を測定した。これらの測定結果も表5に
併せて示す。
られた製品は、良好な被膜の密着性および鉄損特性が共
に得られていることがわかる。
厚み70mmの鋼スラブに連続鋳造で鋳込んだ。これらの
スラブは電気加熱式の加熱炉に装入し、記号Lのスラブ
は1380℃に、記号MおよびNのスラブは1180℃
に加熱後、仕上げ圧延機での熱間圧延により2.6mmの
熱延コイルとした。
酸洗し、タンデム圧延機によって1.90mmまで冷間圧
延した。その後、中間焼鈍として、1050℃に加熱し
60秒間保持した後ジェット水を噴射して30秒間で冷
却する熱処理を行った。次いで、各コイルはタンデム圧
延機によって0.34mmの最終板厚まで冷間圧延した。
の脱炭焼鈍を施したが、その際、500〜820℃の昇
温速度を17℃/sとした。焼鈍雰囲気は、P(H
2 O)/P(H2 )が0.56の湿水素・窒素雰囲気で
行ったが、記号Lのコイルについては6分割し、脱炭焼
鈍に引き続いて、880℃の温度でP(H2 O)/P
(H2 )が0.50、0.20、0.10、0.05、
0.01または0.004の雰囲気下にて、ファイヤラ
イト分解処理を施した。そして、ファイヤライト分解処
理後の鋼板表面の赤外反射スペクトルを測定し、ファイ
ヤライトとシリカとの赤外反射スペクトルの吸光度比:
Af/Asを求めた。これらの値を表6に示す。また、
記号Mのコイルについては4分割し、脱炭焼鈍に引き続
いて、800℃で10%のNH3 、70%のN2 、20
%のH2 の雰囲気で2秒間、10秒間、25秒間、35
秒間の窒化処理により、脱炭焼鈍前の鋼中N含有量:4
3ppm に対して、N含有量をそれぞれ、14、68、1
82、250ppm さらに増加させた。
のAlと0.35%のCaおよび0.04%のBを含有
する純度97%のマグネシアに、5%のTiO2 と2%
の酸化錫を添加した、焼鈍分離剤をコイル表面に塗布
し、最終仕上げ焼鈍を施した。
hとし、昇温時800℃までN2 単独の雰囲気、その後
1100℃までは15%N2 と85%H2 の混合雰囲
気、以後H2 単独雰囲気で1200℃、5時間保持する
最終仕上げ焼鈍を施し、その後未反応分離剤を除去し
た。これらのコイルは、さらに50%のコロイダルシリ
カを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする絶縁コ
ーティングを塗布し、800℃で焼き付け製品とした。
外観および鋼板を各種直径の丸棒に巻きつけ被膜が剥離
しない丸棒の直径を求める方法で被膜の密着性を評価し
た。さらに、フォルステライト系被膜の薄膜断面をイオ
ンミリングの技術を用いて準備し、透過電子顕微鏡での
被膜粒子断面の観察および分析電顕での成分調査を行っ
た。これらの結果を表6に示す。また、各製品より圧延
方向に沿ってエプスタインサイズの試験片を切り出し8
00℃で3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7Tの磁束
密度における鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測
定した。これらの測定結果を表6に併せて示す。
られた製品は、優れた被膜の密着性および鉄損特性が共
に得られていることがわかる。
ば、被膜の密着性と鉄損特性が共に優れた方向性電磁鋼
板が得られる。
電子顕微鏡写真およびμ−回折結果である。
1f間において成分元素分析を行いAlの濃度変化をA
lのカウント数と酸素のカウント数との比:Na/No
で表した図である。
電子顕微鏡写真およびμ−回折結果である。
2f間において成分元素分析を行いAlの濃度変化をA
lのカウント数と酸素のカウント数との比:Na/No
で表した図である。
電子顕微鏡写真およびμ−回折結果である。
3f間において成分元素分析を行いAlの濃度変化をA
lのカウント数と酸素のカウント数との比:Na/No
で表した図である。
ヤライトとシリカを赤外反射スペクトルで測定した結果
を示す図である。
よびシリカの吸光度を算出する方法を示した図である。
有量の鉄損に及ばす影響を示した図である。
に及ぼす影響を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 Si:1.5〜7.5mass%およびM
n:0.03〜3.5mass%を含有し、表面に、最終仕
上げ焼鈍時に生成されたフォルステライト系の下地被膜
を有する方向性電磁鋼板において、該下地被膜は、その
大部分がフォルステライト粒子から成り、鋼板の地鉄と
接するフォルステライト粒子内にAlが固溶し、かつ該
地鉄と接するフォルステライト粒子内での固溶Alの濃
度が、地鉄側に向かって増加していることを特徴とする
磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板。 - 【請求項2】 請求項1において、鋼板の成分につい
て、C:0.0050mass%以下、S:0.0020ma
ss%以下、N:0.0020mass%以下、Se:0.0
020mass%以下、O:0.0020mass%以下、T
i:0.0030mass%以下、B:0.0005mass%
およびNb:0.0020mass%以下に制限したことを
特徴とする磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁
鋼板。 - 【請求項3】 請求項1または2において、フォルステ
ライト粒子の平均結晶粒径が0.05〜0.5μm であ
ることを特徴とする磁気特性および被膜特性に優れた方
向性電磁鋼板。 - 【請求項4】 C:0.10mass%以下、Si:1.5
〜7.5mass%およびMn:0.03〜3.50mass%
と、インヒビター形成成分とを含有する鋼スラブを熱間
圧延し、1回もしくは2回以上の冷間圧延で最終板厚と
したのち、1次再結晶焼鈍後に鋼板表面に焼鈍分離剤を
塗布してから、2次再結晶焼鈍および純化焼鈍からなる
最終仕上げ焼鈍を施す、一連の工程によって方向性電磁
鋼板を製造するに当たり、 該1次再結晶焼鈍は、500℃以上の平均昇温速度を5
℃/s以上にて焼鈍温度を700〜950℃の範囲に調
整し、かつ500℃以上の温度域において、雰囲気の水
蒸気分圧に対する水素分圧の比P(H2 O)/P
(H2 )を60秒間以上にわたって0.15〜0.75
にして行い、 その後、Al含有物質をAl2 O3 換算の当量含有量で
0.01〜8.0mass%含有し、かつマグネシアをMg
O換算の当量含有量で70mass%以上含有する焼鈍分離
剤を、鋼板表面に塗布し、 次いで最終仕上げ焼鈍を、400〜1000℃の昇温過
程では、N2 およびArのいずれか一方の雰囲気または
両者の混合雰囲気にて、1000℃をこえる温度域では
H2 雰囲気またはH2 を含有する雰囲気にて、1000
〜1250℃の温度域に保持して行うことを特徴とする
磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造
方法。 - 【請求項5】 請求項4において、1次再結晶焼鈍に引
き続いて、鋼板表面のファイヤライトをシリカとの赤外
反射スペクトルの吸光度比Af/As:0.3〜5.0
の範囲にて分解処理することを特徴とする磁気特性およ
び被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4または5において、鋼スラブ中
に、S,Se,Al,Sb,Sn,Cu,Cr,Ni,
Ge,Biから選ばれる1種もしくは2種以上を、Sb
およびBiは0.0005〜0.080mass%、Cu,
Cr,Ni,SnおよびGeは0.0010〜1.30
mass%、S,SeおよびAlは0.010〜0.035
mass%の範囲で含有することを特徴とする磁気特性およ
び被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項7】 請求項4、5または6において、1次再
結晶焼鈍後かつ2次再結晶焼鈍前に、鋼中にNを上限5
50ppm にて含有させる、窒化処理を施すことを特徴と
する磁気特性および被膜特性に優れた方向性電磁鋼板の
製造方法。 - 【請求項8】 請求項4、5、6または7において、最
終冷間圧延後かつ最終仕上げ焼鈍前または後に、鋼板表
面に複数の溝を形成するか、もしくは線状の局部歪を鋼
板に導入することを特徴とする磁気特性および被膜特性
に優れた方向性電磁鋼板の製造方法。
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