JP2000062569A - 緩衝部材付自動車用安全ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の自動車に取付けられる安全ベルトは、
衝突時等にベルトが瞬時にロックされるので、安全ベル
ト自体がそれを装着している人体に危害を加える結果と
なってしまい易い。 【解決手段】 ベルト１１の一部をひだ状としたタック
部１２ａを形成し、そのタック部をゴム様弾性体１２ｂ
で覆った状態で、タック部の一方端部にゴム様弾性体の
一方端部を固定すると共に、タック部の他方端部にゴム
様弾性体の他方端部を固定して形成した緩衝部材１２
を、ベルトの所望箇所に設け、安全ベルトが機能してタ
ック部が伸長する際、ゴム様弾性体の弾力でそのタック
部の伸長速度を抑えて、人体に与える衝撃を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】 本発明は、安全ベルトが機
能した際の人体に対する衝撃を緩和する緩衝部材を具備
した自動車用安全ベルトに関するものである。 【０００２】 【従来の技術】 自動車に取付けられている安全ベルト
は、衝突や、急ブレーキをかけた際等の緊急時に人体を
固定して保護するために、ベルトの巻取りおよび送出し
機能部分が瞬時にロックされる仕組みとなっている。従
って、その際、安全ベルトによって人体の胸部等が瞬間
的に強い圧迫を受け、打撲、裂傷、あるいは骨折まで引
き起こす事態が生じている。特に子どもの場合は、ベル
トが首付近に位置しているので、より危険である。 【０００３】安全ベルトは人体を保護するために装着す
るものであるが、従来の安全ベルトはそれ自体が人体に
危害を加える凶器ともなり、安全ベルトとしてはその機
能に大きな問題が残る。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】 解決しようとする課
題は、従来の自動車に取付けられる安全ベルトは、衝突
時等にベルトが瞬時にロックされるので、安全ベルト自
体がそれを装着している人体に危害を加える結果となっ
てしまい易いことである。 【０００５】 【課題を解決するための手段】 図１乃至図６を参照し
て説明する。本発明の緩衝部材付自動車用安全ベルト１
０は、自動車に取付けられる安全ベルトにおいて、ベル
ト１１の一部をひだ状としたタック部１２ａを形成し、
そのタック部１２ａをゴム様弾性体１２ｂで覆った状態
で、タック部１２ａの一方端部にゴム様弾性体１２ｂの
一方端部を固定すると共に、タック部１２ａの他方端部
にゴム様弾性体１２ｂの他方端部を固定して形成した緩
衝部材１２を、ベルト１１の所望箇所に設け、安全ベル
トが機能してタック部１２ａが伸長する際、ゴム様弾性
体１２ｂの弾力でそのタック部１２ａの伸長速度を抑え
て、人体に与える衝撃を緩和してなるものである。 【０００６】なお、ここで言う「ひだ状」とは、安全ベ
ルトが機能した際に伸長しうる全ての曲線形状を含む。
従って、Ｕ字曲線やＷ字曲線等を含む。また、「ゴム様
弾性体１２ｂ」は、その成形材料が特に限定されるもの
ではなく、弾力性に富み、少なくともタック部１２ａが
直線状に伸びきった状態まで伸長するものであれば良
い。 【０００７】 【発明の実施の形態】 本発明の緩衝部材付自動車用安
全ベルト１０の一実施形態を、図１に示す。本実施形態
における安全ベルト１０は、メインベルト１１ａ、それ
に取付けられた連結具１３、連結具１３と連結する受具
１４、そして受具１４に接続された受ベルト１１ｂとで
構成されている。本実施形態において、緩衝部材１２
は、メインベルト１１ａの人体の胸部に当接する部分に
設けられている。 【０００８】緩衝部材１２の設置位置は、上記実施形態
に限定されるものではなく、例えば、図２に示すよう
に、メインベルト１１ａの連結具１３内に位置する部分
でもよく、また、図３に示すように、受ベルト１１ｂの
一部に設けても良い。 【０００９】また、緩衝部材１２のタック部１２ａは、
ベルト１１の所定箇所をひだ状にして形成しても良い
し、別個のベルト材料をひだ状にしたものをベルト１１
の所定箇所に取付けることによって形成しても良い。 【００１０】なお、緩衝部材１２を布様の材料で覆うこ
とによって人体に対する感触が向上し、緩衝部材１２が
違和感のないものとなると共に装飾効果を高めることが
できる。また、ゴム様弾性体１２ｂに美的な色を付ける
ことによっても装飾性を向上させることができる。 【００１１】また、この緩衝部材１２は、安全ベルトを
生産する際に形成できるのは勿論のこと、既存の安全ベ
ルトに後で取付けることも可能である。この緩衝部材１
２の構成は簡易であるので、その生産または取付けを比
較的低コストで行うことができるという特徴を併せ持
つ。 【００１２】この緩衝部材付自動車用安全ベルト１０の
作用について説明する。この安全ベルト１０を装着した
状態で、自動車が衝突したり、また急ブレーキによって
自動車に急激な衝撃が加わると、安全ベルトのベルト巻
取りおよび送出し機能部分がロックされ、人体が前方に
投げ出されるのが阻止される。 【００１３】この際の衝撃力によって、緩衝部材１２の
ひだ状に湾曲形成されたタック部１２ａが、図４に示す
状態から図５に示す状態のように、即座に直線状に伸長
しようとするが、このタック部１２ａはゴム様弾性体１
２ｂで覆われた状態で、かつその一方端部がゴム様弾性
体１２ｂの一方端部に固定されると共に、他方端部がゴ
ム様弾性体１２ｂの他方端部に固定されているので、タ
ック部１２ａの伸長速度がゴム様弾性体１２ｂの弾力に
よって緩和され、より遅い速度で伸長する。すなわち、
ゴム様弾性体１２ｂが、タック部１２ａが直線状態に伸
びきるまで伸長する。従って、安全ベルト１０が人体に
与える衝撃力が緩和され、人体への危害が未然に防止さ
れる。 【００１４】なお、伸長したタック部１２ａは、その
後、ゴム様弾性体１２ｂの弾性復帰力によって原形に復
帰しようとするが、このタック部１２ａを形状記憶材で
構成することによって、より確実かつ正確に原形に復帰
させることができる。従って、緩衝部材１２を取替える
必要はなく、安全ベルト１０はそのまま続けて繰返し使
用することができる。 【００１５】また、タック部１２ａを原形に復帰させる
手段としては、上記の他に、図６に示すものが考えられ
る。これは、タック部１２ａの両端部を伸縮材１５で連
結したもので、この伸縮材１５の収縮力によってタック
部１２ａを、より確実かつ正確に原形に復帰させること
ができる。 【００１６】 【発明の効果】 本発明の緩衝部材付自動車用安全ベル
ト１０は、ベルト１１の一部にタック部１２ａとゴム様
弾性体とからなる緩衝部材１２を設けたので、安全ベル
ト１０が機能してタック部１２ａが伸長する際、ゴム様
弾性体１２ｂの弾力でそのタック部１２ａの伸長速度を
抑えて、人体に与える衝撃を緩和し、安全ベルト１０が
人体に及ぼす危害を未然に防止することができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】 本発明の一実施形態を示す斜視図である。 【図２】 本発明の他の実施形態を示す一部拡大正面図
である。 【図３】 本発明のさらに他の実施形態を示す一部拡大
正面図である。 【図４】 本発明の緩衝部材の一実施形態において、ひ
だ状のタック部を示す垂直断面正面図である。 【図５】 本発明の緩衝部材の一実施形態において、ひ
だ状のタック部が伸長した状態を示す垂直部分断面正面
図である。 【図６】 本発明の緩衝部材の他の実施形態を示す垂直
断面正面図である。 【符号の説明】 １０ 安全ベルト １１ ベルト １１ａ メインベルト １１ｂ 受ベルト １２ 緩衝部材 １２ａ タック部 １２ｂ ゴム様弾性体 １３ 連結具 １４ 受具 １５ 伸縮材

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】自動車に取付けられる安全ベルトにおい
   て、ベルト（１１）の一部をひだ状としたタック部（１
   ２ａ）を形成し、そのタック部をゴム様弾性体（１２
   ｂ）で覆った状態で、タック部の一方端部にゴム様弾性
   体の一方端部を固定すると共に、タック部の他方端部に
   ゴム様弾性体の他方端部を固定して形成した緩衝部材
   （１２）を、ベルトの所望箇所に設け、安全ベルトが機
   能してタック部が伸長する際、ゴム様弾性体の弾力でそ
   のタック部の伸長速度を抑えて、人体に与える衝撃を緩
   和してなる緩衝部材付自動車用安全ベルト。