JP2000060145A - 駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 定期的に交換が必要な平滑コンデンサを、容
易にその交換を可能としたポンプモータ等の駆動装置を
提供する。 【解決手段】 交流電力を直流電力に変換するコンバー
タ部１１と、コンバータ部で直流に変換された電力を蓄
える平滑コンデンサ２３からなる直流部と、該直流部に
蓄えられた電力を任意の周波数・電圧の交流電力に逆変
換するインバータ部１３とを箱体３１，３２内に備えた
駆動装置において、平滑コンデンサ２３をユニット化し
て、平滑コンデンサユニット２０として、箱体内に着脱
可能に装着した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプモータ等を
駆動する駆動装置に係り、特に任意の周波数・電圧の交
流電力をポンプモータ等に供給することにより、そのポ
ンプモータ等の運転速度を任意に変速可能な駆動装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来のポンプモータ等に任意の
周波数・電圧の交流電力を供給する駆動装置の結線図を
示す。ダイオードモジュール１１は、交流電力を直流電
力に変換するコンバータ部を構成するもので、ダイオー
ド素子がブリッジ型に接続されたものである。ダイオー
ドモジュール１１の出力側は、平滑コンデンサ１２に接
続され、コンバータ部１１の出力電圧のリップル分を平
滑化すると共に、直流電力を蓄積する。平滑コンデンサ
１２の出力側はインバータ・パワーモジュール１３に接
続され、直流部に蓄えられた電力を、任意の周波数・電
圧の交流電力に逆変換するインバータ部を構成してい
る。

【０００３】このパワーモジュール１３は、パワートラ
ンジスタ等がブリッジ回路に接続され、パワートランジ
スタ等をパルス幅変調（ＰＷＭ）制御等をすることによ
り、直流電力を任意の周波数・電圧の交流電力に変換し
て、ポンプモータ１６に供給する。制御部１４は、マイ
クロコンピュータ等により構成され、インバータ・パワ
ーモジュール１３に任意の周波数・電圧の交流電力を形
成するためのパルス幅変調（ＰＷＭ）信号を形成し、こ
れを出力する。電源部１５は、制御部１４に所要の直流
低電圧電源を供給するもので、平滑コンデンサ１２に蓄
えられた比較的高電圧の直流電力を、ＤＣ／ＤＣコンバ
ータにより低圧に変換し、制御部１４に供給する。

【０００４】図４に示す従来の駆動装置は、ダイオード
モジュール１１、インバータ・パワーモジュール１３、
平滑コンデンサ１２等がそれぞれ放熱板やプリント基板
に接続固定されて、図５に示すような箱体１９内に収納
されている。駆動装置の箱体１９には、コネクタ、制御
回路用端子台、主回路用端子台等が備えられている。操
作パネル用コネクタは、操作パネルに専用のケーブルを
接続し、駆動装置の運転状態などを表示するためのもの
である。制御回路用端子台は、例えばポンプの吐出圧力
の信号等を入力することで、ポンプの吐出圧力を所定の
目標圧力にフィードバック制御する等の用途に用いられ
るものである。又、主回路用端子台は、商用交流電源の
入力及び任意の周波数・電圧の交流電力をポンプモータ
に供給するための出力、或いは接地等の端子台である。

【０００５】平滑コンデンサ１２は、駆動装置の全体を
収納した箱体１９を小型化するために、箱体内部のプリ
ント基板上に直接ハンダ付により接続固定されたり、或
いは立体成型として、できるだけ高密度に実装されてい
る。このため、平滑コンデンサが故障して交換が必要な
場合には、外側ケース、操作パネル、上部カバーなど数
種類のカバー及び部品を取り外す作業が必要であった。
そして平滑コンデンサが搭載されたプリント基板を引き
出し、そしてプリント基板上からコンデンサを取り外し
又新しいコンデンサを取り付ける等の作業が必要であっ
た。

【０００６】このため、コンデンサの交換には専門の技
術者が必要であった。即ち、平滑コンデンサの交換は専
門の技術者が交換することを前提としているために、一
般のポンプモータ等の保守に携わる者によって、その交
換を行うことは実際にははなはだ困難であった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、平滑コンデ
ンサは寿命のある部品であり、保守上定期的に交換する
必要のある部品の一つである。駆動装置がポンプモータ
の可変速運転に使用される場合には、このポンプモータ
の保守については、一般にポンプモータの設置場所の不
特定多数の者が管理に携わり、駆動装置自体の保守の知
識を有する者は稀である。このため、平滑コンデンサを
定期的な保守のために交換する作業は、通常のポンプモ
ータの保守管理に携わる人にとって容易でなく、日常的
に平滑コンデンサの交換作業が実施されることは極めて
稀であった。このように従来のポンプモータ等の駆動装
置の構造は、本質的に寿命のある平滑コンデンサの交換
を念頭に置いたものではなかった。

【０００８】本発明は上述の事情に鑑みて為されたもの
で、定期的に交換が必要な平滑コンデンサを、容易にそ
の交換を可能としたポンプモータ等の駆動装置を提供す
ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、交流電力を直流電力に変換するコンバータ部と、コ
ンバータ部で直流に変換された電力を蓄える平滑コンデ
ンサからなる直流部と、該直流部に蓄えられた電力を任
意の周波数・電圧の交流電力に逆変換するインバータ部
とを箱体内に備えた駆動装置において、前記平滑コンデ
ンサをユニット化して、平滑コンデンサユニットとし
て、前記箱体内に着脱可能に装着したことを特徴とする
駆動装置である。

【００１０】上述した本発明によれば、平滑コンデンサ
をユニット化し、コンデンサユニットを駆動装置の箱体
内に容易に着脱可能に装着したものである。従って、コ
ンデンサユニットの定期的な交換が特別の専門知識を有
する技術者でなくても可能となり、その保守作業が極め
て容易となった。

【００１１】請求項２に記載の発明は、前記駆動装置
は、ポンプモータに前記任意の周波数・電圧の交流電力
を供給することにより、前記ポンプモータを可変速駆動
するものであることを特徴とする請求項１に記載の駆動
装置である。これにより、ポンプの保守管理に携わる電
気的知識を有さない一般の技術者でも、その駆動装置の
平滑コンデンサの交換が可能となった。

【００１２】請求項３に記載の発明は、前記駆動装置
は、前記ポンプモータのケーシングに固定されるもので
あることを特徴とする請求項２に記載の駆動装置であ
る。これにより、駆動装置の水冷が可能となり、全体と
して小型コンパクトな構造を維持しつつ、平滑コンデン
サユニットを装着することができる。

【００１３】請求項４に記載の発明は、前記箱体は上側
ケーシングと下側ケーシングとからなり、該上側ケーシ
ングを外すことにより、前記平滑コンデンサユニットの
着脱がネジの挿脱により可能なものであることを特徴と
する請求項２に記載の駆動装置である。これにより、ド
ライバが１本あれば、特別の電気的知識を有さない者で
も、平滑コンデンサユニットの交換が可能となる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図１乃至図３を参照して説明する。

【００１５】図１は、本発明の一実施例の平滑コンデン
サユニットを示す。基板２１には、複数の平滑コンデン
サ２３が搭載されている。基板２１は、接続端子２２に
電気的に接続されると共に、機械的に固定されている。
接続端子２２の（＋）極と（−）極とは、それぞれが基
板２１上に設けられた電気配線により各コンデンサ素子
の（＋）極と（−）極とに接続されている。接続端子２
２には、開口２６が設けられ、駆動装置側の接続用のピ
ン（図示しない）が挿着するように構成されている。
又、接続端子２２にはネジ止め用のネジ２４が備えら
れ、ドライバを用いて容易に図示しない箱体側の接続用
ピンに電気的に接続すると共に機械的に固定できるよう
になっている。

【００１６】図２は、図１に示す平滑コンデンサユニッ
トを駆動装置の箱体内に収納した例を示す。 下側ケー
シング３２の下部は放熱板となっている。ダイオードモ
ジュール１１及びインバータ・パワーモジュール１３は
いずれも放熱板３２Ａに直接固定され、放熱を良好なも
のとしている。下側ケーシング３２には、支持部材３
４，３５が立設されており、その上部にコンデンサユニ
ット２０を支持するための平板３６が配置されている。
放熱板はポンプケーシングに直接固定するようにしても
よい。これによりポンプ内部を流れる取扱液により、駆
動装置の冷却が可能である。又、放熱板にフィンを取り
付け、空冷としてもよい。

【００１７】この駆動装置の箱体は、上側ケーシング３
１と下側ケーシング３２とがネジ３３により密着固定さ
れるようになっている。平滑コンデンサユニット２０
は、ネジ止め部のネジ３３を外し、上側ケーシング３１
を取り外すことにより露出するようになっている。従っ
て、ポンプの保守などのためにコンデンサユニット２０
の交換に際しては、上側ケーシング３１を取り外し、コ
ンデンサユニット２０のネジ２４を取り外すことで、コ
ンデンサユニット２０を容易に接続部３７から取り出す
ことができる。又新しいコンデンサユニットを装着する
には、新品のコンデンサユニット２０を準備し、これを
装置側の支持板３６上に設けられた接続部３７のピンに
接続端子２２の開口２６を嵌着し、ネジ２４をドライバ
で締付けることにより固定することができる。そしてケ
ーシング３１を同様にネジ３３で固定するのみで交換作
業が終了する。このようにドライバ１本を用いて、ネジ
の挿脱のみでコンデンサユニット２０を交換可能である
ので、ポンプの保守要員等の特別に電気的知識を有さな
い不特定多数の者でも、コンデンサユニット２０の交換
が極めて容易にできる。

【００１８】図３は、図１に示す平滑コンデンサユニッ
ト２０を用いた場合の結線図である。図示するようにコ
ンバータ部を構成するダイオードモジュール１１は、イ
ンバータ・パワーモジュール１３と直接接続され、且つ
平滑コンデンサユニット２０を取り付けるための端子１
８を備えている。従って、端子１８に平滑コンデンサユ
ニット２０を接続することで、図４に示す従来の駆動装
置と電気回路的には全く同一の構成となる。従って、外
部に接続可能な端子１８を設けることによって、コンデ
ンサユニット２０の取り付け及び取り外しによる交換が
極めて容易となる。

【００１９】尚、上記実施例においては、各４個のコン
デンサ素子を２列に配列し、その一方の端部を接続部と
して駆動装置の直流部に接続する例について示したが、
本発明の趣旨は上記形態にとらわれることなく、種々の
変形実施例が可能なことは勿論である。又、箱体内に収
納される駆動装置の形態についても同様である。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
ポンプモータ等の駆動装置の平滑コンデンサユニットを
誰でもが容易に交換できるようになる。これによりポン
プ等の保守作業が極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の平滑コンデンサユニットの
斜視図である。

【図２】本発明の一実施例のポンプモータ等の駆動装置
の内部構成を示す断面図である。

【図３】本発明の一実施例の駆動装置の結線図である。

【図４】従来の駆動装置の結線図である。

【図５】従来の駆動装置の箱体の外観を示す図である。

【符号の説明】 １１ ダイオードモジュール（コンバータ部） １２ 平滑コンデンサ（直流部） １３ インバータ・パワーモジュール（インバー
タ部） １４ 制御部 １５ 電源部 １６ ポンプモータ ２０ 平滑コンデンサユニット ２１ 基板 ２２ 接続端子 ２３ 平滑コンデンサ ２４，３３ ネジ ２６ 開口 ３１ 上部ケーシング ３２ 下部ケーシング ３６ コンデンサユニット支持板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 守月 寛 神奈川県藤沢市本藤沢４丁目１番１号 株 式会社荏原電産内 Ｆターム(参考） 5E082 AB09 BB01 BC40 CC10 MM28 5H006 BB05 CA07 CC02 CC08 HA06 HA07 HA83 5H007 BB06 CA01 CC01 CC03 HA03 HA07

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交流電力を直流電力に変換するコンバー
   タ部と、コンバータ部で直流に変換された電力を蓄える
   平滑コンデンサからなる直流部と、該直流部に蓄えられ
   た電力を任意の周波数・電圧の交流電力に逆変換するイ
   ンバータ部とを箱体内に備えた駆動装置において、 前記平滑コンデンサをユニット化して、平滑コンデンサ
   ユニットとして、前記箱体内に着脱可能に装着したこと
   を特徴とする駆動装置。
2. 【請求項２】 前記駆動装置は、ポンプモータに前記任
   意の周波数・電圧の交流電力を供給することにより、前
   記ポンプモータを可変速駆動するものであることを特徴
   とする請求項１に記載の駆動装置。
3. 【請求項３】 前記駆動装置は、前記ポンプモータのケ
   ーシングに固定されるものであることを特徴とする請求
   項２に記載の駆動装置。
4. 【請求項４】 前記箱体は、上側ケーシングと下側ケー
   シングとからなり、該上側ケーシングを外すことによ
   り、前記平滑コンデンサユニットの着脱がネジの挿脱に
   より可能なものであることを特徴とする請求項２に記載
   の駆動装置。