JP2000052376A - フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置 - Google Patents

フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置

Info

Publication number
JP2000052376A
JP2000052376A JP10226708A JP22670898A JP2000052376A JP 2000052376 A JP2000052376 A JP 2000052376A JP 10226708 A JP10226708 A JP 10226708A JP 22670898 A JP22670898 A JP 22670898A JP 2000052376 A JP2000052376 A JP 2000052376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insert
insert film
preforming
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10226708A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Miyatani
哲夫 宮谷
Seiichi Yamazaki
成一 山崎
Tadatake Taniguchi
忠壮 谷口
Toshikazu Kanbe
俊和 神戸
Terumasa Yamamoto
輝真 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nissha Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissha Printing Co Ltd filed Critical Nissha Printing Co Ltd
Priority to JP10226708A priority Critical patent/JP2000052376A/ja
Publication of JP2000052376A publication Critical patent/JP2000052376A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品の良品率が高く、生産性および経済性
に優れたフィルムインサート成形法を提供する。 【解決手段】 予備成形され所定の形状にカットされた
インサートフィルムを射出成型用金型内に搬送固定した
後、型閉めして射出成型用金型のキャビティ内に溶融樹
脂を充填させるフィルムインサート成形法において、イ
ンサートフィルム2が予備成形用型1上で予備成形され
た状態で、インサートフィルム2のカット予定線に沿っ
て対向するスリット9を有するマスク8をインサートフ
ィルム2の前面に配置し、マスク8を介して放射熱源7
からインサートフィルム2に熱線照射を行なうことによ
り、マスク8のスリット9を透過してきた熱線群10が
照射される部分のインサートフィルム2を焼き切る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、コンソールパネ
ル、センタークラスター、スイッチベース等の自動車内
装品、ホイルキャップやモール等の自動車外装品、壁や
柱等の建材品、炊飯器や洗濯機等の表示パネル等の家電
製品の部品の製造に適用するフィルムインサート成形法
とこれに用いるフィルムカット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂成形品の表面に絵付けを
行なう方法としては、基体フィルム上に絵柄層等が形成
されたインサートフィルム2を予備成形し所定の形状に
カットした後(図17参照)、射出成型用金型内に搬送
固定し、型閉めして射出成型用金型のキャビティ内に溶
融樹脂を充填して、成形と同時に成形品表面にインサー
トフィルムを貼着させ、ラミネートフィルムである場合
にはそのままにし、インサートフィルム2が転写フィル
ムである場合には、さらに型開き後あるいは型開きと同
時に成形品表面に一体化したインサートフィルム2のう
ちの基体フィルムのみを剥離し、絵柄層等の転写層を成
形品側に残留させる方法があった。
【0003】そして、予備成形されたインサートフィル
ムをカットするには、打抜きやNCカット、レーザカッ
トなどの手段が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のカット
手段には、次の1)〜3)に述べるような問題があっ
た。
【0005】1)打抜きにおいては、打抜き刃14の先
端全体をインサートフィルムの表面に押し当ててカット
するため、予備成形されたインサートフィルムの沿って
カットする場合には、そのカット位置のフィルム形状を
考慮して打抜き刃7を作製しなければならない(図18
参照)。つまり、打抜き刃14の作製は刃の先端をトラ
イアンドエラーで削りながら行なう必要があるが、これ
は容易なことではなく、得られる打抜き刃14は高価な
ものとなる。
【0006】2)打抜きやNCカットにおいては、カッ
ト時に切断面から切りカスが発生するため、そのカスが
切り取ったインサートフィルムに付着し、結果として切
りカスが成形品表面に付着した不良品が発生する。
【0007】3)NCカットやレーザカットにおいて
は、予備成形されたインサートフィルムの一部分に接触
するカッターや一点に焦点を絞って照射するレーザビー
ムを所定形状に沿って移動させることによりカットを行
なうため、カットする全長に応じた時間がかかる。ま
た、位置を数値制御するためのコンピュータ、カッター
やレーザ照射部を精密移動させるロボット等の設備が必
要であり、コストがかかった。
【0008】したがって、本発明の目的は、上記の問題
を解決することにあって、成形品の良品率が高く、生産
性および経済性に優れたフィルムインサート成形法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のフィルムインサート成形法は、予備成形さ
れ所定の形状にカットされたインサートフィルムを射出
成型用金型内に搬送固定した後、型閉めして射出成型用
金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填させるフィルムイ
ンサート成形法において、インサートフィルムが予備成
形用型上で予備成形された状態で、インサートフィルム
のカット予定線に沿って対向するスリットを有するマス
クをインサートフィルムの前面に配置し、マスクを介し
て放射熱源からインサートフィルムに熱線照射を行なう
ことにより、マスクのスリットを透過してきた熱線群が
照射される部分のインサートフィルムを焼き切るように
構成した。
【0010】また、上記方法に用いるフィルムカット装
置は、インサートフィルムのカット予定線に沿って予備
成形完了時に対向するスリットを有し且つインサートフ
ィルムの前面に配置されるマスクと、マスクの前面に配
置される放射熱源とからなるように構成した。
【0011】本発明のフィルムインサート成形法は、予
備成形され所定の形状にカットされたインサートフィル
ムを射出成型用金型内に搬送固定した後、型閉めして射
出成型用金型のキャビティ内に溶融樹脂を充填させるフ
ィルムインサート成形法において、インサートフィルム
のカット予定線に沿って予備成形完了時に対向するスリ
ットを予備成形用型に設けておき、インサートフィルム
が予備成形用型上で予備成形された状態で予備成形用型
の背面に配置した放射熱源からインサートフィルムに熱
線照射を行なうことにより、予備成形用型のスリットを
透過してきた熱線群が照射される部分のインサートフィ
ルムを焼き切るように構成した。
【0012】また、上記方法に用いるフィルムカット装
置は、インサートフィルムのカット予定線に沿って予備
成形完了時に対向するスリットが設けられた予備成形用
型と、予備成形用型の背面に配置される放射熱源とから
なるように構成した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明のフィルムインサー
ト成形法について図を参照しながら詳細に説明する。
【0014】図1は本発明に係るインサートフィルムの
予備成形の一実施例を示す断面図、図2、図4および図
5は本発明に係るインサートフィルムのカット手段の一
実施例を示す断面図、図3は本発明に係るマスクのスリ
ットを透過してきた熱線群のインサートフィルムへの照
射状態の一実施例を示す図、図6は本発明に係る連結部
を有するマスクの一実施例を示す図、図7は本発明に係
る連結部を有するマスクにおける熱線群のスリット透過
状態の一実施例を示す図、図8および図9は本発明に係
る平板以外のマスクの一実施例を示す断面図、図10は
本発明に係るインサートフィルムの予備成形の他の実施
例を示す断面図、図11、図13および図14は本発明
に係るインサートフィルムのカット手段の一実施例を示
す断面図、図12は本発明に係る予備成形用型のスリッ
トを透過してきた熱線群の照射状態の一実施例を示す
図、図15は本発明に係る連結部を有する予備成形用型
の一実施例を示す図、図16は本発明に係る連結部を有
する予備成形用型における熱線群のスリット透過状態の
一実施例を示す図である。図中、1は予備成形型、2は
インサートフィルム、3はクランプ、4はヒーター、5
は真空ポンプ、6は耐熱材、7は放射熱源、8はマス
ク、9はスリット、10は熱線群、11は支持部材、1
2はガラス板、13は連結部をそれぞれ示す。
【0015】本発明におけるカット手段は、スリット9
を透過してきた熱線群10であり、インサートフィルム
2が予備成形用型1上で予備成形された状態で、スリッ
ト9を有するマスク8またはスリット9を有する予備成
形用型1を介して放射熱源7からインサートフィルム2
に熱線照射を行なうことにより、スリット9を透過して
きた熱線群10が照射される部分のインサートフィルム
2を焼き切るものである。
【0016】ここで、予備成形用型1は、射出成形用金
型2のキャビティ形成面のうちのインサートフィルム2
を配置する部分にほぼ合致する形状、あるいはその形状
とは凹凸が反対である形状の成形面を有する型であり、
かつフィルムカット工程におけるインサートフィルム2
の支持台でもある。予備成形用型1の材質としては、耐
熱性が必要なので、鉄、クロム、ニッケルなどの金属や
その合金がよい。さらに、その放射熱源7側の面は、吸
熱しにくいように鏡面に仕上げるとよい。また、マスク
8を介して熱線照射を行なう場合の予備成形用型1に
は、熱線群10の照射される位置にマイカなどの耐熱材
6を埋設しておくと耐熱性が向上する。
【0017】スリット9の幅は0.1〜5mmの範囲とする
のが好ましい。スリット9の幅が0.1mmより狭いとフィ
ルムを焼き切るのに十分な量の熱線が届かない。また、
スリット9の幅が5mmより大きくなると焼き切る面積が
無駄に多くなるだけであまり意味はない。
【0018】放射熱源7としては、ハロゲンランプ、遠
赤ヒーター等を挙げることができ、これらは熱線を放射
するものである。これらの放射熱源7の温度は、熱線6
群の照射によりインサートフィルム2のカット予定部分
がその溶融する温度以上に加熱されるように、インサー
トフィルム2の材料に応じて適宜設定する。
【0019】以後、上記予備成形用型1およびフィルム
カット手段を用いた本発明のフィルムインサート成形法
について説明する。
【0020】まず、インサートフィルム2を予備成形用
型1に対する正確な位置に位置決めする。この際、枚葉
のインサートフィルム2を1枚づつ送り込んでもよい
し、長尺のインサートフィルム2の必要部分を間欠的に
送り込んでもよい。
【0021】インサートフィルム2は、基体フィルム上
に、絵柄層、接着層などを形成したものである。基体フ
ィルムの材質としては、ポリエチレン系樹脂、ポリカー
ボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの樹脂フィルム、あるい
は以上の各フィルムの複合体など、通常のインサートフ
ィルム2の基体フィルムとして用いられるものを使用す
ることができる。絵柄層は、基体フィルム上に、通常は
印刷層として形成する。印刷層の材質としては、ポリビ
ニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセ
タール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロー
スエステル系樹脂、アルキド樹脂などの樹脂をバインダ
ーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有
する着色インキを用い、透光性着色、透光性無色あるい
は遮光性着色のものがある。印刷層は、表現したい絵柄
に応じて、全面的に設ける場合や部分的に設ける場合も
ある。また、絵柄層は、金属薄膜層からなるもの、ある
いは印刷層と金属薄膜層との組み合わせからなるもので
もよい。金属薄膜層は、絵柄層として金属光沢を表現す
るためのものであり、真空蒸着法、スパッターリング
法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成する。
この場合、表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウ
ム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、イン
ジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これら
の合金又は化合物を使用する。接着層は、成形品表面に
上記の各層を接着するものである。接着層としては、後
述する成形樹脂の素材に適した感熱性あるいは感圧性の
樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂の材質がアク
リル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。ま
た、成形樹脂の材質がポリフェニレンオキシド・ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重
合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、こ
れらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。
【0022】また、インサートフィルム2が成形後に基
体フィルムを剥離する転写フィルムである場合には、基
体フィルムに離型層や剥離層を設けてもよい。離型層
は、基体フィルムを剥離した際に、基体フィルムととも
に転写層から離型するものである。離型層としては、メ
ラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素
樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、尿素樹脂系
離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離
型剤およびこれらの複合型離型剤などを用いることがで
きる。剥離層は、基体フィルム又は離型層上に全面的ま
たは部分的に形成され、基体フィルムを剥離した際に、
基体フィルムまたは離型層から剥離して被転写物の最外
面となる層である。剥離層としては、ポリアクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セル
ロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ
酢酸ビニル系樹脂などのほか、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂
などのコポリマーを用いるとよい。剥離層に硬度が要求
される場合には、紫外線硬化性樹脂などの光硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂、熱硬化
性樹脂などを選定して用いるとよい。
【0023】なお、インサートフィルム2の構成は、上
記した態様に限定されるものではなく、たとえば、絵柄
層の材質として成形品との接着性に優れたものを使用す
る場合には、接着層を省略することができる。
【0024】次に、予備成形用型1の成形面に沿うよう
にインサートフィルム2を予備成形する。予備成形手段
としては、真空成形、圧空成形、プレス加工などがあ
る。
【0025】真空成形の場合(図1、図10参照)、イ
ンサートフィルム2をクランプ3等により予備成形用型
1に固定した後、予備成形用型1に付設された真空ポン
プ5等の真空吸引手段を作動させて、予備成形用型1の
成形面やその周囲に設けた真空吸引口を介して、予備成
形用型1の成形面とインサートフィルム2との間の空間
の空気を抜いてしまう。その結果、インサートフィルム
2は予備成形用型1の成形面に沿って密着し、予備成形
が完了する。なお、真空引きを開始する前又は同時に、
インサートフィルム2が成形しやすいように図1や図1
0に示すようにヒーター4等の加熱装置によってインサ
ートフィルム2を加熱軟化させておいてもよい。
【0026】また、圧空成形の場合(図示せず)、イン
サートフィルムをクランプ等により予備成形用型に固定
した後、予備成形用型に付設されたコンプレッサー等の
圧空手段を作動させて、インサートフィルムの予備成形
用型側とは反対の側から大気圧より大きな圧力を加え、
予備成形用型の成形面とインサートフィルムとの間の空
間の空気を追い出す。その結果、インサートフィルムは
予備成形用型の成形面に沿って密着し、予備成形が完了
する。なお、圧空を開始する前又は同時に、インサート
フィルムが成形しやすいようにインサートフィルムを加
熱し軟化させておいてもよい。また、上記真空成形と併
用してもよい。
【0027】また、プレス成形の場合(図示せず)、予
備成形用型に付設されたプレス手段を作動させ、予備成
形用型の反転型に相当する押し型をインサートフィルム
上面から押し当て、予備成形用型の成形面とインサート
フィルムとの間の空間の空気を追い出す。その結果、イ
ンサートフィルムは予備成形用型の成形面に沿って密着
し、予備成形が完了する。なお、プレスを開始する前又
は同時に、インサートフィルムが成形しやすいようにイ
ンサートフィルムを加熱し軟化させておいてもよい。プ
レスと同時に加熱するには、押し型を加熱しておけばよ
い。
【0028】つぎに、所定の形状に沿ってインサートフ
ィルム2を前記カット手段によってカットする。つま
り、インサートフィルム2が予備成形用型1上で予備成
形された状態で、スリット9を有するマスク8を介して
放射熱源7からインサートフィルム2に熱線照射を行な
うことにより、スリット9を透過してきた熱線群10が
照射される部分のインサートフィルム2を焼き切る(図
2〜4参照:図3中の熱線群の表示は一部省略)。この
場合、フィルムのカット予定部分を一度に焼き切るのが
好ましい。なお、このスリット9を有するマスク8につ
いて、スリット9で囲まれた部分やその外側部分が落下
しないように支持部材11でマスク8を吊るしてもよい
し(図2、図3参照)、熱線を透過するガラス板12の
表面または裏面に(図5参照)マスク8を固定してもよ
い。なお、ガラス板1が下になる場合にはマスク8を載
せるだけで固定しなくてもよい。また、図6に示すよう
にスリット9で完全に囲んでしまわずに連結部13をわ
ずかに残してもよい。このとき、マスク8の前面より背
面でスリット9の開口面積が大きくなるように連結部1
3のスリット9を形成する面に傾斜を設けておくと、イ
ンサートフィルム2のカット予定部分においてスリット
9を透過してきた熱線群10が照射されない箇所の発生
を回避できる(図7参照)。また、スリット9を透過し
てきた熱線群10の拡散を押さえるため、図8や図9に
示すようにマスク8とインサートフィルム2との隙間を
小さくするようにマスク8を作製してもよい。
【0029】また、所定の形状に沿ってインサートフィ
ルム2を別のカット手段によってカットしてもよい。つ
まり、インサートフィルム2が予備成形用型1上で予備
成形された状態で、スリット9を有する予備成形用型1
の背面に配置した放射熱源7からインサートフィルム2
に熱線照射を行なうことにより、スリット9を透過して
きた熱線群10が照射される部分のインサートフィルム
2を焼き切る(図11〜13参照:図12中の熱線群の
表示は一部省略)。なお、このスリット9を有する予備
成形用型1について、スリット9で囲まれた部分やその
外側部分が落下しないように支持部材11で支えてもよ
いし(図11参照)、熱線を透過するガラス板12を予
備成形用型1の成形面の裏面に固定してもよい(図14
参照)。また、図15に示すようにスリット9で完全に
囲んでしまわずに連結部13をわずかに残してももよ
い。このとき、予備成形用型1の背面より前面でスリッ
ト9の開口面積が大きくなるように連結部13のスリッ
ト9を形成する面に傾斜を設けておくと、インサートフ
ィルム2のカット予定部分においてスリット9を透過し
てきた熱線群10が照射されない箇所の発生を回避でき
る(図16参照)。
【0030】次に、予備成形し所定の形状にカットした
インサートフィルム2を予備成形用型1から取り出し、
予備成形およびカット工程が完了する。
【0031】この後、予備成形し所定の形状にカットし
たインサートフィルム2を用い、以下のようにして樹脂
成形品の表面に絵付を行なう。
【0032】まず、射出成形用金型の一方の金型のキャ
ビティ形成面のうちのインサートフィルム2を配置する
部分に、上記カットしたインサートフィルム2をロボッ
ト等により装着する。
【0033】次に、射出成形用金型を型閉めする。
【0034】次いで、射出成型用金型のキャビティ内に
溶融樹脂を射出充填する。つまり、他方の金型の射出口
からキャビティ内に射出した溶融樹脂の圧力によって、
インサートフィルム2が金型内壁に押し付けられ確実に
密着する。充填される樹脂は着色されていても、着色さ
れていなくてもよい。樹脂材料としては、ポリスチレン
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹脂、AS樹
脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることができる。ま
た、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチレン樹脂な
どの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェニレンオキ
シド系樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド
樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル樹脂、ポリア
リル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニアリング樹脂を
使用することもできる。
【0035】最後に、射出成形用金型を型開きして表面
にインサートフィルム2が貼着された成形品を取り出
す。ここで、インサートフィルム2がラミネートフィル
ムである場合には、そのまま絵付が行われたことにな
り、成形品の表面にインサートフィルム2の全層が接着
一体化して装飾層となる。それに対し、インサートフィ
ルム2が転写フィルムである場合には、型開き後あるい
は型開きと同時に成形品表面に一体化したインサートフ
ィルム2のうちの基体フィルムのみを剥離し、絵柄層等
の転写層を成形品側に残留させて装飾層となすことによ
り絵付が完了する。
【0036】
【実施例】実施例1 インサートフィルムの基体フィルムとしては、厚さ125
μmのポリメタアクリル酸メチル(PMMA)フィルム
を用いた。基体フィルム上に、絵柄層、接着層を形成し
た。絵柄層は、着色顔料入りのアクリル樹脂からなるイ
ンキを用いてグラビア印刷法にて形成した。接着層は塩
素化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂からなるインキを
用いてグラビア印刷法にて形成した。
【0037】このインサートフィルムを予備成形用型に
クランプを用いて固定した後、インサートフィルムから
20mmの離れた位置の300℃に設定した赤外線ヒーターに
て10秒間加熱した後、予備成形用型に設置された真空吸
引口から、付設しておいた真空ポンプを用いて、インサ
ートフィルムと予備成形用型の成形面の間の空気を抜
き、インサートフィルムを予備成形用型の成形面に密着
させた。
【0038】成形が完了し、インサートフィルムが予備
成形用型上で予備成形された状態で、インサートフィル
ムのカット予定線に沿って対向する幅2mmのスリットを
有し、上面が鏡面加工されている厚み5mmのステンレス
板をマスクとして用い、このマスクをガラス板上に載せ
てインサートフィルムの前面に配置し、マスクを介して
100v、200wのハロゲンランプからインサートフィルム
に熱線照射を3秒間行なうことにより、マスクのスリッ
トを透過してきた熱線群が照射される部分のインサート
フィルムを焼き切った。
【0039】この所定の形状にカットされたインサート
フィルムを、射出成形用金型間に挿入し、一方の金型の
キャビティ形成面のうちの所定箇所に、上記カットした
インサートフィルムを装着した。型閉め後、キャビティ
内に成形温度220℃〜240℃、金型温度50℃で、アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂(AB
S)を成形樹脂として射出成形した。樹脂を冷却固化し
た後、型開きを行ない、表面にインサートフィルムが貼
着された成形品を取り出した。
【0040】実施例2 インサートフィルムのカット予定線に沿って予備成形完
了時に対向する幅2mmのスリットを予備成形用型に設
け、このスリットで囲まれた部分が落下しないように支
持部材にて支えるようにしておき、実施例1と同様のイ
ンサートフィルムを用い実施例1と同様の予備成形工程
を経た後、予備成形用型の背面に配置した100v、200w
のハロゲンランプからインサートフィルムに熱線照射を
3秒間行なうことにより、予備成形用型のスリットを透
過してきた熱線群が照射される部分のインサートフィル
ムを焼き切った。この後、実施例1と同様にインサート
成形を行なった。
【0041】上記実施例1および実施例2により得られ
た成形品の良品率は高く、またその成形過程は生産性お
よび経済性に優れたものであった。
【0042】
【発明の効果】本発明のフィルムインサート成形法とこ
れに用いるフィルムカット装置は、以上のような構成お
よび作用からなるので、次の1)〜3)全ての効果が奏
される。
【0043】1) 本発明は本発明は無形物である熱線
でインサートフィルムを切るため、予備成形されたイン
サートフィルムの3次元形状に沿ってカットする場合で
も、そのカット位置のフィルム形状は問題とならない。
そして、刃を作製しないので、打抜きのように手間やコ
ストがかかることはない。
【0044】2) 本発明は熱線でインサートフィルム
焼き切るため、切断面が溶融されて切りカスが発生せ
ず、打抜きやNCカットのように切り取ったインサート
フィルムに切りカスが付着することもなく、切りカスが
成形品表面に付着した不良品も発生しない。
【0045】3) 本発明は所定の形状に沿って照射さ
れる熱線群でまとめてインサートフィルムを切るので、
NCカットやレーザカットのようにカットする全長が関
係することがなく、時間がかからない。また、NCカッ
トやレーザカットのように位置を数値制御するためのコ
ンピュータ、カッターやレーザ照射部を精密移動させる
ロボット等の設備が必要ではなく、コストがかからな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインサートフィルムの予備成形の
一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係るインサートフィルムのカット手段
の一実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係るマスクのスリットを透過してきた
熱線群のインサートフィルムへの照射状態の一実施例を
示す図である。
【図4】本発明に係るインサートフィルムのカット手段
の一実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係るインサートフィルムのカット手段
の一実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る連結部を有するマスクの一実施例
を示す図である。
【図7】本発明に係る連結部を有するマスクにおける熱
線群のスリット透過状態の一実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る平板以外のマスクの一実施例を示
す断面図である。
【図9】本発明に係る平板以外のマスクの一実施例を示
す断面図である。
【図10】本発明に係るインサートフィルムの予備成形
の他の実施例を示す断面図である。
【図11】本発明に係るインサートフィルムのカット手
段の一実施例を示す断面図である。
【図12】本発明に係る予備成形用型のスリットを透過
してきた熱線群の照射状態の一実施例を示す図である。
【図13】本発明に係るインサートフィルムのカット手
段の一実施例を示す断面図である。
【図14】本発明に係るインサートフィルムのカット手
段の一実施例を示す断面図である。
【図15】本発明に係る連結部を有する予備成形用型の
一実施例を示す図である。
【図16】本発明に係る連結部を有する予備成形用型に
おける熱線群のスリット透過状態の一実施例を示す図で
ある。
【図17】予備成形したインサートフィルムのカットの
一例を示す図である。
【図18】従来法における予備成形したインサートフィ
ルムのカット手段に用いる打抜き刃の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 予備成形型 2 インサートフィルム 3 クランプ 4 ヒーター 5 真空ポンプ 6 耐熱材 7 放射熱源 8 マスク 9 スリット 10 熱線群 11 支持部材 12 ガラス板 13 連結部 14 打抜き刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神戸 俊和 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内 (72)発明者 山本 輝真 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AA13 AA21 AA28 AD05 AD09 AD10 AD20 AD23 AG03 AH17 AH42 AH48 CA11 CB01 CB19 CB22 CK41 4F206 AA13 AA21 AA28 AD05 AD09 AD10 AD20 AD23 AG03 AH17 AH42 AH48 JA07 JB19 JF05 JQ81

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予備成形され所定の形状にカットされた
    インサートフィルムを射出成型用金型内に搬送固定した
    後、型閉めして射出成型用金型のキャビティ内に溶融樹
    脂を充填させるフィルムインサート成形法において、イ
    ンサートフィルムが予備成形用型上で予備成形された状
    態で、インサートフィルムのカット予定線に沿って対向
    するスリットを有するマスクをインサートフィルムの前
    面に配置し、マスクを介して放射熱源からインサートフ
    ィルムに熱線照射を行なうことにより、マスクのスリッ
    トを透過してきた熱線群が照射される部分のインサート
    フィルムを焼き切ることを特徴とするフィルムインサー
    ト成形法。
  2. 【請求項2】 インサートフィルムのカット予定線に沿
    って予備成形完了時に対向するスリットを有し且つイン
    サートフィルムの前面に配置されるマスクと、マスクの
    前面に配置される放射熱源とからなることを特徴とする
    フィルムカット装置。
  3. 【請求項3】 予備成形され所定の形状にカットされた
    インサートフィルムを射出成型用金型内に搬送固定した
    後、型閉めして射出成型用金型のキャビティ内に溶融樹
    脂を充填させるフィルムインサート成形法において、イ
    ンサートフィルムのカット予定線に沿って予備成形完了
    時に対向するスリットを予備成形用型に設けておき、イ
    ンサートフィルムが予備成形用型上で予備成形された状
    態で予備成形用型の背面に配置した放射熱源からインサ
    ートフィルムに熱線照射を行なうことにより、予備成形
    用型のスリットを透過してきた熱線群が照射される部分
    のインサートフィルムを焼き切ることを特徴とするフィ
    ルムインサート成形法。
  4. 【請求項4】 インサートフィルムのカット予定線に沿
    って予備成形完了時に対向するスリットが設けられた予
    備成形用型と、予備成形用型の背面に配置される放射熱
    源とからなることを特徴とするフィルムカット装置。
JP10226708A 1998-08-11 1998-08-11 フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置 Withdrawn JP2000052376A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10226708A JP2000052376A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10226708A JP2000052376A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000052376A true JP2000052376A (ja) 2000-02-22

Family

ID=16849404

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10226708A Withdrawn JP2000052376A (ja) 1998-08-11 1998-08-11 フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000052376A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002078937A1 (fr) * 2000-09-22 2002-10-10 Kunio Imai Dispositif de formage preliminaire, procede de formage preliminaire utilisant ce dispositif et procede de formage principal
JP2017213816A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 慎怡 姚 多色立体造形物品の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002078937A1 (fr) * 2000-09-22 2002-10-10 Kunio Imai Dispositif de formage preliminaire, procede de formage preliminaire utilisant ce dispositif et procede de formage principal
JP2017213816A (ja) * 2016-06-02 2017-12-07 慎怡 姚 多色立体造形物品の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100581777C (zh) 敷金属的塑料模制件的制造方法及其应用
JP2000052416A (ja) フィルムインサート成形法とこれに用いる予備成形用型
JP2001198982A (ja) 加飾プラスチック成形品の製造方法
JP2000052376A (ja) フィルムインサート成形法とこれに用いるフィルムカット装置
CN100436109C (zh) 工件表面覆层贴合方法、模具及其制品
JPH10180795A (ja) 金属薄膜インサートフィルム成形品の製造方法
JP2017094702A (ja) 射出成形方法
JP4676607B2 (ja) 射出成形同時絵付方法
US3057017A (en) Button manufacture
JPH03128739A (ja) 光輝エンブレムおよびその製造方法
JP2000108158A (ja) インモールド成形品の製造方法
CN105538591A (zh) 一种用于塑料产品表面的膜片热压方法
JP2000052375A (ja) 成形同時絵付成形品の製造方法
JPH07276428A (ja) 図柄付成形品の製造方法
JP2000317976A (ja) 塗装代替樹脂外板の製造方法
CN214522356U (zh) 一种装饰面板、空气处理装置及空调器
US6572805B1 (en) Method for producing a color-decorated injection molding
JP2001310414A (ja) 光輝性加飾シートと光輝性加飾成形品の製造方法
CN110696378B (zh) 电子产品壳体及其制作方法
JPH07195418A (ja) 成形同時絵付用フィルムと成形同時絵付品の製造方法
JP2000280282A (ja) 成形同時加飾成形品の製造方法
JPH05193017A (ja) 塩化ビニル樹脂金属成形品の製造方法
JP2001179875A (ja) 装飾金属板の製造方法、その方法により製造された装飾金属板及びその装飾金属板を用いた壁材
JP2006082463A (ja) 加飾フィルム、加飾フィルム成形品、複合積層体、反射鏡、加飾フィルム成形方法、及び、複合積層体製造方法
JP2000190356A (ja) 成形同時絵付用金型と成形同時絵付成形品の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051101