JP2000045971A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2000045971A
JP2000045971A JP10230306A JP23030698A JP2000045971A JP 2000045971 A JP2000045971 A JP 2000045971A JP 10230306 A JP10230306 A JP 10230306A JP 23030698 A JP23030698 A JP 23030698A JP 2000045971 A JP2000045971 A JP 2000045971A
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scroll
grease
grease reservoir
crank
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晋 坂本
Yasuhiko Sekino
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 旋回軸受として円筒コロ等を用いた場合で
も、旋回軸受をグリースにより長期に亘って潤滑するこ
とができ、旋回軸受の寿命を延ばすようにする。 【解決手段】 旋回スクロール5のボス部10A内に
は、駆動軸3クランクピンに対して旋回スクロール5を
旋回自在に支持する旋回軸受11を設ける。また、駆動
軸3のクランクピンにはグリース溜り12を設け、この
グリース溜り12内には旋回軸受11を潤滑するための
グリースを充填する。そして、このグリースは、圧縮運
転時に旋回軸受11の温度が上昇するに伴って粘度が低
下することにより旋回軸受11側に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機、真空
ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関し、
特に無給油式のスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状の
ラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシン
グに回転可能に設けられ、先端側がクランクとなった駆
動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ、鏡
板の表面側に前記固定スクロールのラップ部と重なり合
って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラップ部が立設さ
れた旋回スクロールとを備えている。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械では、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロー
ルを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋
回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設
けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を
固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部
との間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中
心部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出す
る。
【0004】また、この従来技術では、旋回スクロール
の鏡板背面側にボス部を設け、このボス部内には、旋回
スクロールを駆動軸のクランクに対して旋回自在に支持
する旋回軸受を設ける構成としている。そして、旋回軸
受の内部にはグリースを充填し、旋回軸受の潤滑性を高
めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、装置全体の小
型化、軽量化を図るために、一般に旋回軸受としてニー
ドルベアリング、円筒コロ等が用いられる。
【0006】しかし、このようなニードルベアリング等
の旋回軸受は、内部に確保される空間(隙間)の全体容
積(以下、内部空間容積という)が比較的小さいため、
この旋回軸受には少量のグリースしか充填できなくな
る。これにより旋回軸受に充填したグリースが枯渇し易
くなり旋回軸受の破損の原因になるという問題がある。
【0007】また、旋回軸受自体に必要以上の多量のグ
リースを充填すると、却ってグリースが旋回軸受の内部
で撹拌されるときの撹拌抵抗が増大し、旋回軸受の性能
の低下を招くという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、旋回軸受として円筒コロ等を用いた場合
でも、この旋回軸受をグリースにより長期に亘って潤滑
することができ、旋回軸受の寿命を延ばして、装置の信
頼性を高めることができるようにしたスクロール式流体
機械を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によるスクロール式流体機械は、ケーシン
グと、該ケーシング内に設けられ、鏡板に渦巻状のラッ
プ部が立設された固定スクロールと、基端側が前記ケー
シングに回転可能に設けられ、先端側がクランクとなっ
た駆動軸と、鏡板の表面側に前記固定スクロールのラッ
プ部と重なり合って複数の圧縮室を画成する渦巻状のラ
ップ部が立設され、鏡板の背面側にはボス部が設けられ
た旋回スクロールと、該旋回スクロールのボス部に設け
られ、該旋回スクロールを前記駆動軸のクランクに対し
て旋回自在に支持する旋回軸受とを備えている。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、駆動軸のクランクには、旋回軸受を潤滑するた
めのグリース溜りを設ける構成としている。
【0011】このように構成したことにより、圧縮運転
時には旋回軸受の温度が上昇し、この旋回軸受からの熱
がグリース溜りに伝わることにより、グリース溜り内に
充填したグリースは粘度が低下する。これによってグリ
ースをグリース溜りから旋回スクロールのボス部内に設
けた旋回軸受に供給することができる。
【0012】また、請求項2の発明では、駆動軸にはグ
リース溜りをボス部内に開口させるための開口部を設
け、該開口部は、前記駆動軸の径方向に対する断面形状
をグリース収容部よりも小さく形成している。
【0013】このように構成したことにより、グリース
溜り内に充填したグリースを駆動軸に設けた開口部を通
じて旋回軸受側に少しずつ供給することができる。
【0014】また、請求項3の発明では、開口部は駆動
軸の回転中心に対して偏心した位置に配置している。
【0015】このように構成したことにより、グリース
溜り内のグリースを駆動軸の遠心力により開口部を通じ
て旋回軸受側に円滑に供給することができる。
【0016】さらに、請求項4の発明では、駆動軸には
外部からの空気をグリース溜り内に導入するため該駆動
軸内を回転中心に沿って延び、前記グリース溜り内に開
口した空気導入路を設けている。
【0017】このように構成したことにより、グリース
溜り内には、空気導入路を通じて外部の空気を導入でき
るから、このグリース溜り内のグリースを旋回軸受側に
円滑に供給することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械として無給油式のスクロール式空
気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明す
る。
【0019】ここで、図1および図2は本発明の第1の
実施の形態を示している。図中、1はスクロール式空気
圧縮機の外枠を形成するケーシングで、該ケーシング1
は大径部1Aと小径部1Bとからなる段付き筒状に形成
されている。
【0020】2はケーシング1の大径部1Aに固着され
た固定スクロールで、該固定スクロール2は、その中心
が後述する駆動軸3の軸線O1 −O1 と一致するように
配設された円板状の鏡板2Aと、該鏡板2Aの表面に立
設された渦巻状のラップ部2Bと、該ラップ部2Bを外
側から取囲むように鏡板2Aの径方向外側に設けられた
外縁部2Cとによって大略構成され、前記鏡板2Aの背
面には多数の放熱フィン2Dが設けられている。そし
て、固定スクロール2は、外縁部2Cがケーシング1の
大径部1A先端側に一体に取付けられている。
【0021】3はケーシング1の小経部1B内に回転可
能に軸支された駆動軸で、該駆動軸3は、鉄系材料によ
って段付の円柱状に形成され、その基端側には後述のプ
ーリ13が設けれ、軸線O1 −O1 を中心に回転駆動す
る。また、駆動軸3の先端側にはクランクピン3Aが突
設され、該クランクピン3Aの軸線O2 −O2 は、軸線
O1 −O1 に対して寸法δだけ偏心した位置に配置され
ている。
【0022】また、駆動軸3は、その先端側に位置して
後述のバランスウエイト4が取付けられる部分がウエイ
ト取付部3Bとなり、該ウエイト取付部3Bはクランク
ピン3Aよりも大径に形成されている。
【0023】4は駆動軸3に先端側に固着されたバラン
スウエイトで、該バランスウエイト4は、後述する旋回
スクロール5の旋回動作に対して駆動軸3全体の回転バ
ランスをとるものである。
【0024】5は固定スクロール2と対向してケーシン
グ1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋
回スクロール5は、旋回スクロール本体6と後述の背面
プレート10とから構成され、該旋回スクロール5は後
述の旋回軸受11を用いてクランクピン3Aに旋回可能
に支持されている。また、旋回スクロール本体6は、固
定スクロール2と同様に鏡板6Aと渦巻状のラップ部6
B等とによって構成され、該鏡板6Aには多数の放熱フ
ィン6Cが設けられている。
【0025】そして、旋回スクロール5は、ラップ部6
Bが固定スクロール2のラップ部2Bと所定角度(例え
ば180度)だけずらして重なり合うように配設され、
両者のラップ部2B,6B間には複数の圧縮室7,7,
…が画成される。そして、スクロール式空気圧縮機の運
転時には、固定スクロール2の外周側に設けた吸込口
8,8から外周側の圧縮室7内に空気を吸込つつ、この
空気を旋回スクロール5が旋回運動する間に各圧縮室7
内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室7から固定スク
ロール2の中心に設けた吐出口9を介して外部に圧縮空
気を吐出する。
【0026】10は旋回スクロール本体6の各放熱フィ
ン6C先端に固着された背面プレートで、該背面プレー
ト10の中央部には、ボス部10Aが一体形成されてい
る。また、この背面プレート10の背面側にはボス部1
0A内に位置して切欠部10Bが設けられ、該切欠部1
0Bは後述するグリース溜り12内のグリースを旋回軸
受11側に供給するためのグリース供給路を構成してい
る。
【0027】11は背面プレート10のボス部10A内
に設けられた旋回軸受で、該旋回軸受11は、例えばニ
ードルベアリング、円筒コロ等によって構成され、その
内周側には駆動軸3のクランクピン3Aが挿入されてい
る。そして、この旋回軸受11は、駆動軸3のクランク
ピン3Aに対して旋回スクロール5を旋回自在に支持す
る構成となっている。
【0028】12は駆動軸3のクランクピン3Aに設け
られたグリース溜りで、該グリース溜り12は、駆動軸
3のクランクピン3A先端に有底の円形穴として形成さ
れている。そして、このグリース溜り12に充填された
グリースは、後述するように圧縮運転時に粘度が低下す
ることにより、背面プレート10の切欠部10Bを通じ
て旋回軸受11側に供給されるものである。
【0029】また、グリース溜り12は、その穴底側と
なる奥部側がクランクピン3Aとウエイト取付部3Bと
の境界よりも少なくともクランクピン3A側に位置して
配置されるものである。これによりクランクピン3A
は、グリース溜り12の穴底側に寸法dの肉厚が確保さ
れ、クランクピン3A全体の強度を高める構成となって
いる。
【0030】13は駆動軸3の基端側にボルト14等に
よって一体に取付けられたプーリ、15は該プーリ13
に設けられた遠心ファンで、該遠心ファン15は、ケー
シング1の小径部1Bに取付けたファンケーシング16
内に収容されている。
【0031】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は上述したような構成を有するもので、次に、このス
クロール式空気圧縮機の動作について説明する。
【0032】まず、電動モータにより駆動軸3を回転さ
せると、旋回スクロール5は駆動軸3を中心として寸法
δの旋回半径をもった旋回運動を行い、固定スクロール
2のラップ部2Bと旋回スクロール5のラップ部6B間
に画成された圧縮室7,7,…が連続的に縮小する。こ
れにより、固定スクール2の吸込口8から吸込んだ外気
を該各圧縮室7で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定
スクロール2の吐出口9から外部の空気タンク等に貯留
させる。
【0033】ここで、本実施の形態では、駆動軸3のク
ランクピン3A先端にグリース溜り12を設け、このグ
リース溜り12内に旋回軸受11を潤滑するためのグリ
ースを充填する構成としたから、上述した圧縮運転時に
は旋回軸受11の温度が上昇し、このときの旋回軸受1
1からの熱がグリース溜り12に伝わることにより、グ
リース溜り12内のグリースは粘度が徐々に低下する。
これにより前記グリースを図2中に示す矢示方向へと背
面プレート10の切欠部10Bを通じて旋回軸受11に
円滑に供給することができる。
【0034】従って、本実施の形態のように、旋回軸受
11を例えばニードルベアリング、円筒コロ等の内部空
間容積が比較的小さい軸受によって構成した場合でも、
圧縮運転時には、グリース溜り12内のグリースによっ
て旋回軸受11を常に潤滑状態に維持することができ、
該旋回軸受11の耐久性、寿命等を向上でき、装置の信
頼性を高めることができる。
【0035】また、従来技術で述べたように旋回軸受1
1自体に必要以上の多量のグリースを充填する必要がな
くなり、グリースの撹拌抵抗による旋回軸受11の性能
低下を防止でき、該旋回軸受11の性能を高めることが
できる。
【0036】次に、図3は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態では前述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0037】然るに、本実施の形態の特徴は、駆動軸2
1には、外部からの空気をグリース溜り22内に導入す
るための空気導入路24を設ける構成としたことにあ
る。
【0038】ここで、駆動軸21は、前記第1の実施の
形態で述べた駆動軸3とほぼ同様にクランクピン21A
およびウエイト取付部21Bを有し、該クランクピン2
1Aにはグリース溜り22が設けられている。また、こ
の駆動軸21の基端側には、プーリ13が駆動軸21の
一部をなすボルト23によって一体に取付けられてい
る。
【0039】また、空気導入路24は、駆動軸21内お
よびボルト23内を軸方向に貫通して延びる軸方向通路
として形成され、駆動軸21の回転中心となる軸線O1
−O1 に沿って配置されている。そして、この空気導入
路24は、一端側がボルト23の頭部に開口し他端側は
グリース溜り22内に開口し、外部の空気を該グリース
溜り22内に導く構成となっている。
【0040】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。特に本実施の形態では、空気導入
路24によって外部の空気をグリース溜り22内に導く
ことができるから、グリース溜り22内のグリースを旋
回軸受11にさらに円滑に供給することができる。
【0041】次に、図4は本発明の第3の実施の形態を
示し、本実施の形態では前述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0042】然るに、本実施の形態の特徴は、駆動軸3
のクランクピン3Aには、グリース溜り12の開口側を
施蓋し該クランクピン3Aの一部をなす蓋板31を設け
ると共に、該蓋板31には、グリース溜り12を外部に
開口させる開口部としての小孔32を穿設する構成とし
たことにある。
【0043】ここで、小孔32は、蓋板31の中央部、
即ち駆動軸3の軸線O1 −O1 に対して偏心したクラン
クピン3Aの軸線O2 −O2 上に位置して配置される。
そして、小孔32の径方向の断面形状はグリース溜り1
2の径方向の断面形状よりも小さく形成されるものであ
る。
【0044】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができるが、特に本実施の形態では、グリー
スをグリース溜り12から小孔32を通じて旋回軸受1
1側に少しずつ供給することができ、グリース溜り12
内へのグリースの補給時期等を延ばすことができる。ま
た、小孔32を駆動軸3の軸線O1 −O1 に対して偏心
した位置に配置できるから、駆動軸3からの遠心力によ
ってグリース溜り12内のグリースを小孔32から旋回
軸受11側に向けてより円滑に供給することができる。
【0045】次に、図5、図6は本発明の第4の実施の
形態を示し、本実施の形態では前述した第1の実施の形
態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0046】然るに、本実施の形態の特徴は、駆動軸3
のクランクピン3Aには、グリース溜り12の開口側を
施蓋し該クランクピン3Aの一部をなす蓋板41を設け
ると共に、該蓋板41には、グリース溜り12を外部に
開口させる開口部としての小孔42を穿設し、駆動軸3
の軸線O1 −O1 に対する小孔42の偏心寸法Lを可能
な限り大きく設定する構成としたことにある。
【0047】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、第3の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得
ることができるが、特に本実施の形態では、駆動軸3の
軸線O1 −O1 に対する小孔42の偏心寸法Lを可能な
限り大きく設定する構成としたから、小孔42を通過す
るグリースには駆動軸3からの遠心力をさらに大きく作
用させることができ、グリース溜り12内のグリースを
小孔42から旋回軸受11側に向けてより一層円滑に供
給することができる。
【0048】次に、図7は本発明の第5の実施の形態を
示し、本実施の形態では前述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略する
ものとする。
【0049】然るに、本実施の形態の特徴は、駆動軸3
のクランクピン3Aに蓋板取付段部51およびグリース
溜り52を設け、該蓋板取付段部51には、グリース溜
り52の開口側を施蓋しクランクピン3Aの一部をなす
蓋板53を設けると共に、該蓋板53には、グリース溜
り52を外部に開口させる開口部としての小孔54を穿
設し、該小孔54は駆動軸3の軸線O1 −O1 (軸線O
2 −O2 )に対して斜めに傾斜させる構成としたことに
ある。
【0050】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第4の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。
【0051】次に図8は本発明の第6の実施の形態を示
し、本実施の形態の特徴は、駆動軸のクランクピン先端
には、旋回スクロールとの間に位置して該旋回スクロー
ルの旋回変形を可変に調整する可変クランクを設け、こ
の可変クランクには旋回スクロールのボス部に嵌合する
嵌合軸部にグリース溜りを設けると共に、駆動軸および
可変クランクには、外部の空気を該グリース溜りに導入
するための空気導入路を設ける構成としたことにある。
【0052】図中、61は本実施の形態に係るケーシン
グで、該ケーシング61は、大径部61Aと小径部61
Bとからなる段付き筒状に形成されている。62はケー
シング61に設けられた固定スクロールで、該固定スク
ロール62は、鏡板62Aと、該鏡板62Aに立設され
たラップ部62Bと、鏡板62Aの外縁に設けられた筒
部62Cと、該筒部62Cの外周側に設けられケーシン
グ61の小径部61Bと衝合するフランジ部62Dおよ
び多数の放熱フィン62E等によって構成されている。
【0053】63はケーシング61の小径部61Bに軸
支された駆動軸で、該駆動軸63は、第1の実施の形態
で述べた駆動軸3とほぼ同様に構成され、その先端側に
は後述の可変クランク70が嵌合される嵌合穴64が設
けられている。
【0054】65はケーシング61内に旋回可能に設け
られた旋回スクロールで、該旋回スクロール65は、旋
回スクロール本体66と後述の背面プレート68とから
構成されている。また、旋回スクロール本体66は、固
定スクロール62と同様に鏡板66A、ラップ部66B
および各放熱フィン66C等を備え、該ラップ部66B
は固定スクロール62のラップ部62Bとの間に圧縮室
67,67,…を画成している。
【0055】68は旋回スクロール本体66に設けられ
た背面プレート、69は該背面プレート68のボス部6
8A内に設けられた旋回軸受で、該旋回軸受69は、旋
回スクロール65を駆動軸63と一体となった可変クラ
ンク70に対して旋回可能に支持する構成となってい
る。
【0056】70は第1の実施の形態による駆動軸3の
クランクピン3Aに替えて駆動軸63の先端側に設けら
れた可変クランクで、該可変クランク70は、例えば特
開平9−144674号公報に記載された可変クランク
とほぼ同様に構成され、駆動軸63の一部をなしてい
る。
【0057】そして、可変クランク70は、駆動軸63
の嵌合穴64内に嵌合して設けられた嵌合軸部70A
と、旋回スクロール65のボス部68A内に嵌合して設
けられた偏心軸部70Bとを有している。そして、該偏
心軸部70Bは、その軸線が駆動軸63の軸線に対し偏
心して配置され、駆動軸63のクランクピンを構成して
いる。
【0058】そして、可変クランク70は、当該スクロ
ール式空気圧縮機の運転時に駆動軸63と一体となって
回転することにより、旋回スクロール65を寸法δの旋
回半径をもって旋回運動させるものである。また、この
可変クランク70は、圧縮室67の圧力と駆動軸63の
回転による遠心力との合力を受けることにより、駆動軸
63に対して相対回動しつつ、旋回スクロール65のラ
ップ部65Bを固定スクロール62のラップ部62Bに
押付ける構成となっている。
【0059】71は駆動軸63の嵌合穴64と可変クラ
ンク70の嵌合軸部70Aとの間に設けられた筒体で、
該筒体71は、例えばスチレン系熱可塑性樹脂等の熱膨
張材料によって形成され、圧縮室67からの圧縮熱等に
より熱膨張する構成となっている。また、この筒体71
は嵌合穴64と嵌合軸部70Aとの間に小さな隙間を介
して配置され、圧縮運転の初期段階においては可変クラ
ンク70が駆動軸63に対して相対回転するのを許す構
成となっている。
【0060】72は可変クランク70の偏心軸部70B
に設けられたグリース溜り、73は駆動軸63および可
変クランク70に設けられた空気導入路で、該空気導入
路73は、駆動軸63内をその軸線に沿って延び、一端
側が駆動軸63の基端側に開口し他端側が嵌合穴64内
に開口した第1通路部73Aと、可変クランク70内を
軸方向に向けてクランク状に延び、一端側が第1通路部
73Aに開口し他端側がグリース溜り72内に開口した
第2通路部73Bとによって構成されている。
【0061】なお、74は固定スクロール62の外周側
に設けられた吸込口、75は固定スクロール62の中心
側に設けられた吐出口で、該吐出口75には吐出配管7
6が取付けられている。
【0062】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、空気導入路73によって外部からの空気をグ
リース溜り72内に導入することができ、前記第2の実
施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0063】特に本実施の形態では、圧縮運転時には、
可変クランク70が駆動軸63に対して相対回転するこ
とにより、旋回スクロール65のラップ部66Bを固定
スクロール62のラップ部62Bに押付けることができ
るから、圧縮室67内の気密性を高めて圧縮効率を高め
ることができる。
【0064】また、このように旋回スクロール65のラ
ップ部66Bを固定スクロール62のラップ部62Bに
押付けた状態で圧縮運転を連続して行うと、ラップ部6
2B,66B間の摩耗は徐々に進行する。
【0065】しかし、本実施の形態では、圧縮運転を連
続して行うと、圧縮室67からの圧縮熱により筒体71
が加熱して徐々に熱膨張することにより、駆動軸63に
対する可変クランク70の回転位置を固定することがで
きるから、ラップ部62B,66Bが摩耗限界に達する
前に摩耗の進行を止めることができ、これらのラップ部
62B,66Bの寿命等を延ばすことができる。
【0066】なお、前記各実施の形態では、スクロール
式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて
説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポン
プ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、旋回スクロールのボス部には、旋回スクロールを
駆動軸のクランクに対して旋回自在に支持する旋回軸受
を設けると共に、駆動軸のクランクには該旋回軸受を潤
滑するためのグリース溜りを設ける構成としたから、圧
縮運転時にはグリース溜り内に充填したグリースの粘度
が旋回軸受の温度上昇と共に低下することにより、この
グリースを旋回軸受に供給することができ、該旋回軸受
を常に潤滑状態に維持することができる。
【0068】これにより、旋回軸受を例えば内部空間容
積が比較的小さいニードルベアリング、円筒コロ等によ
って構成した場合でも、旋回軸受の耐久性、寿命等を向
上でき、装置の信頼性を高めることができる。また、従
来技術で述べたように旋回軸受内に必要以上の多量のグ
リースを充填する必要がなくなり、グリースの撹拌抵抗
による旋回軸受の性能低下を防止でき、該旋回軸受の性
能を高めることができる。
【0069】また、請求項2の発明では、駆動軸にはグ
リース溜りをボス部内に開口させるための開口部を設
け、開口部の断面形状をグリース収容部よりも小さく形
成する構成としたから、グリース溜り内に充填したグリ
ースを開口部を通じて旋回軸受側に少しずつ供給するこ
とができ、グリース溜り内へのグリースの補給時期を延
ばすことができる。
【0070】また、請求項3の発明では、開口部を駆動
軸の回転中心に対して偏心した位置に配置する構成とし
たから、グリース溜り内のグリースを駆動軸の遠心力に
よって旋回軸受側に円滑に供給することができ、旋回軸
受の潤滑性をさらに高めることができる。
【0071】さらに、請求項4の発明では、外部からの
空気を空気導入路を通じてグリース溜りに導く構成とし
たから、グリース溜り内のグリースを旋回軸受側により
円滑に供給することができ、旋回軸受の潤滑性を一層高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中の旋回軸受およびグリース溜り等を示す
要部拡大断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機のグリース溜りおよび空気導入路等を示す部
分断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大
断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大
断面図である。
【図6】クランクピンおよび蓋板を示す図5の矢示VI−
VI方向からみた拡大正面図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機のグリース溜りおよび小孔等を示す要部拡大
断面図である。
【図8】本発明の第6の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1,61 ケーシング 2,62 固定スクロール 2A,6A,62A,66A 鏡板 2B,6B,62B,66B ラップ部 3,21,63 駆動軸 3A,21A クランクピン 5,65 旋回スクロール 7,67 圧縮室 10A,68A ボス部 11,69 旋回軸受 12,22,52,72 グリース溜り 24,73 空気導入路 32,42,54 小孔(開口部) 70 可変クランク 70B 偏心軸部(クランクピン)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシング内に設けら
    れ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロー
    ルと、基端側が前記ケーシングに回転可能に設けられ、
    先端側がクランクとなった駆動軸と、鏡板の表面側に前
    記固定スクロールのラップ部と重なり合って複数の圧縮
    室を画成する渦巻状のラップ部が立設され、鏡板の背面
    側にはボス部が設けられた旋回スクロールと、該旋回ス
    クロールのボス部に設けられ、該旋回スクロールを前記
    駆動軸のクランクに対して旋回自在に支持する旋回軸受
    とを備えてなるスクロール式流体機械において、 前記駆動軸のクランクには、前記旋回軸受を潤滑するた
    めのグリース溜りを設ける構成としたことを特徴とする
    スクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記駆動軸には前記グリース溜りをボス
    部内に開口させるための開口部を設け、該開口部は、前
    記駆動軸の径方向に対する断面形状をグリース収容部よ
    りも小さく形成してなる請求項1に記載のスクロール式
    流体機械。
  3. 【請求項3】 前記開口部は前記駆動軸の回転中心に対
    して偏心した位置に配置してなる請求項2に記載のスク
    ロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 前記駆動軸には外部の空気を前記グリー
    ス溜り内に導くための空気導入路を設け、該空気導入路
    は前記駆動軸の回転中心に沿って配置する構成としてな
    る請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機
    械。
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