JP2000040249A - 収差補正装置、非点収差測定方法及び光ピックアップ - Google Patents

収差補正装置、非点収差測定方法及び光ピックアップ

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JP2000040249A
JP2000040249A JP10203952A JP20395298A JP2000040249A JP 2000040249 A JP2000040249 A JP 2000040249A JP 10203952 A JP10203952 A JP 10203952A JP 20395298 A JP20395298 A JP 20395298A JP 2000040249 A JP2000040249 A JP 2000040249A
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昌和 小笠原
Yoshitsugu Araki
良嗣 荒木
Masaru Otaki
賢 大滝
Junichi Furukawa
淳一 古川
Kiyoshi Tateishi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で方向や大きさの異なる非点収差
の補正を行うことできる収差補正装置を提供する。 【解決手段】 光ピックアップ中に配置される液晶パネ
ルの透明電極22Aは、9つのパターン電極30乃至3
9に分割されている。対物レンズの瞳に対応する光ビー
ムの入射範囲39の中心部分は円形のパターン電極30
が形成され、その外周部は放射状に分割された互いに同
一形状のパターン電極31乃至38が中心対称に形成さ
れている。光学系に起因する非点収差の方向性に対応し
て外周部のパターン電極31乃至38に印加する駆動パ
ターンと駆動電圧を適切に制御し、この状態で光ビーム
を通過させて屈折率の違いに基づく位相差を付与するこ
とにより、非点収差を良好に補正することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD、DVDなど
の情報記録媒体に光ビームを照射して記録情報を再生又
は記録するための情報再生装置又は情報記録装置におい
て、光ピックアップの光学系に起因する非点収差を補正
する収差補正装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来から、DVD等の光ディスクの再生
等を行うために用いられる光ピックアップにおいて、種
々の要因により発生する波面収差の影響を受けて性能が
劣化することが問題となっている。例えば、光ディスク
のチルト角に起因するコマ収差や、再生する光ディスク
の基板の厚さの違いに起因する球面収差などがある。こ
れらの波面収差を補正するため、光ピックアップの光路
中に液晶素子を配置して液晶に電圧を印加する方法が提
案されている。これにより、液晶の屈折率を変化させ、
通過する光ビームに位相差を与えて各種の波面収差を打
ち消すことにより、波面収差を補正するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光ディ
スクを再生する際に生じる波面収差には、上述したコマ
収差や球面収差に加えて、光学系に起因する非点収差も
存在する。この非点収差は、光学部品の精度、組立誤
差、光軸のずれや傾き等で発生するものであると共に、
同一の光学系を有する光ピックアップ内であっても、そ
れぞれの非点収差の方向や大きさが異なるという特性が
ある。そのため、非点収差を減少させるためには、光ピ
ックアップに用いる光学部品の精度を向上させるか、あ
るいは組立後に的確な調整を行う必要があり、コスト上
昇につながることが問題であった。
【0004】本発明は、上述の問題点に鑑みなされたも
のであり、簡単な構成で方向や大きさの異なる非点収差
を効果的に補正し得る収差補正装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の収差補正装置は、光源から出射さ
れ、対物レンズを介して記録媒体に照射される光ビーム
に位相差を付与することにより収差を補正する収差補正
装置であって、前記光ビームの通過領域を光学系に起因
する非点収差の分布に対応して複数に分割し、それぞれ
の分割領域に設けた電極に前記非点収差の方向性に対応
して電圧を印加し、この電圧の変化に応じて各分割領域
を通過する光ビームに位相差を付与して前記非点収差を
補正することを特徴とする。
【0006】この発明によれば、光源から出射された光
ビームは、収差補正装置の複数に分割された通過領域に
達し、それぞれの分割領域から位相差を付与される。こ
のとき、各分割領域の電極には、光学系に起因する非点
収差を補正するような電圧が加えられ、対物レンズを介
して記録媒体に補正後の光ビームが照射される。よっ
て、光ピックアップに様々な方向性の非点収差がある場
合でも、この方向に対応する分割領域が設けられ、各電
極への印加電圧を容易に可変することができるので、光
学部品にきわめて高い精度を要求する必要はなく、組み
立て後の調整等も行うことなく、光ピックアップの非点
収差が良好に補正される。
【0007】請求項2に記載の収差補正装置は、請求項
1に記載の収差補正装置において、前記非点収差の補正
は、電圧に応じて屈折率が可変される液晶層により光ビ
ームに位相差を付与して行うことを特徴とする。
【0008】この発明によれば、液晶層の各分割領域の
印加電圧を可変して屈折率を変えることにより通過する
光ビームに位相差を付与する。よって、光ピックアップ
の光学系に液晶パネルを配置させることで、様々な方向
性の非点収差を容易に補正することができ、簡易な構成
で光ピックアップの非点収差の自動調整を行うことがで
きる。
【0009】請求項3に記載の収差補正装置は、請求項
2に記載の収差補正装置において、前記非点収差の方向
及び大きさを検出する検出手段を更に備えると共に、当
該検出手段の検出結果に基づいて前記電圧を設定するこ
とを特徴とする。
【0010】この発明によれば、光学系に起因する非点
収差について、その方向及び大きさを予め検出し、電極
に印加する電圧をこの結果に基づき設定するようにした
ので、特別な調整が不要となり非点収差の補正を容易に
行うことができる。
【0011】請求項4に記載の収差補正装置は、請求項
3に記載の収差補正装置において、前記検出手段は、前
記非点収差の方向及び大きさを、製造工程の最終段階又
は製品の電源投入時に検出することを特徴とする。
【0012】この発明によれば、光学系に起因する非点
収差の方向及び大きさの検出を、製造工程の最終段階又
は製品の電源投入時に行うようにしたので、光学系の非
点収差の変動要因に適合した適切な自動調整を行い、そ
れ以降は非点収差の補正を容易に行うことができる。
【0013】請求項5に記載の収差補正装置は、請求項
2から請求項4の何れかに記載の収差補正装置におい
て、前記複数の分割領域に印加される電圧は、各分割領
域ごとに独立に設定可能であることを特徴とする。
【0014】この発明によれば、複数の分割領域に対
し、それぞれ独立に印加電圧を設定して非点収差の補正
を行うようにしたので、補正パターンの自由度を大きく
とれ、様々な非点収差の分布に対応して補正を行うこと
ができる。
【0015】請求項6に記載の収差補正装置は、請求項
2から請求項5の何れかに記載の収差補正装置におい
て、前記光ビームの通過領域が中心部と外周部に分割さ
れると共に、更に外周部が略中心対称に複数分割され、
それぞれの分割領域に設けた電極に、設定された電圧を
印加して前記非点収差を補正することを特徴とする。
【0016】この発明によれば、光ビームの通過領域
は、光軸付近では中心部の分割領域を通り、それを取り
囲むように外周部の複数の分割領域を通る。よって、中
心では波面収差の変化が少なく外周では波面収差が方向
に応じて変化するという非点収差の特性に合致した補正
を行うことができ、簡易な制御で容易に非点収差の補正
が行われる。
【0017】請求項7に記載の収差補正装置は、請求項
6に記載の収差補正装置において、前記外周部の各分割
領域のうち、前記非点収差の方向に対応する互いに中心
対称となる1組の分割領域とこれに直交する1組の分割
領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する
電圧を印加することを特徴とする。
【0018】この発明によれば、外周部の複数の分割領
域を中心対称とし、かつ直交方向に逆の特性を与えるよ
うにしたので、非点収差の方向に応じて駆動パターンを
回転させ、簡単に非点収差の補正が行えると共に、外周
部の分割数を変えて補正の精度を容易に調節できる。
【0019】請求項8に記載の収差補正装置は、請求項
6又は請求項7に記載の収差補正装置において、前記非
点収差の方向が前記外周部の各分割領域の境界部近辺と
なる場合には、この境界の両側の互いに中心対称となる
2組の分割領域とこれに直交する2組の分割領域に、そ
れぞれ逆極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加
することを特徴とする。
【0020】この発明によれば、隣合う分割領域に対し
ては、同じ位相差となるよう制御し、その分割領域は請
求項7の場合と同形状とすればよい。よって、請求項7
の駆動方法と組み合わせて、非点収差の方向が分割領域
と重なる場合、あるいは分割領域の境界上にある場合の
何れにも適切に対処可能となり、分割領域数を実質的に
2倍にして非点収差の補正を行うことができる。
【0021】請求項9に記載の収差補正装置は、請求項
6から請求項8の何れかに記載の収差補正装置におい
て、所定のタイミングで、前記非点収差の方向に対応す
る前記各分割領域のM個の駆動パターンと前記電極に印
加するN段階の電圧を組み合わせたM×N個の設定状態
に対する前記非点収差の補正の度合い判別し、最適な設
定状態を選択して前記非点収差の補正を行うことを特徴
とする。
【0022】この発明によれば、製造工程や製品起動時
において非点収差の調整をすべく、設定可能なM個の駆
動パターンとN段階の電圧を組み合わせた全ての状態に
ついて、例えばRF振幅やジッタ等を測定することによ
り非点収差の補正の適否を調べ、最適な設定を行うよう
にした。よって、きめの細かい調整を行えると共に、組
み合わせの数を増加させれば容易に非点収差の補正の精
度の向上が図られる。
【0023】請求項10に記載の収差補正装置は、請求
項6から請求項8の何れかに記載の収差補正装置におい
て、所定のタイミングで、前記非点収差の方向に対応す
る前記各分割領域のM個の駆動パターンに対し、予め設
定された電圧で前記非点収差の補正の度合いを判別して
最適な駆動パターンを選択した後、前記電極に印加する
N段階の電圧に対し、更に前記非点収差の補正の度合い
を判別して最適な電圧を選択し、前記非点収差の補正を
行うことを特徴とする。
【0024】この発明によれば、請求項9の場合のよう
に全ての組み合わせについて測定をするのではなく、ま
ずM個の駆動パターンから最適なものを選び、次いでN
段階の電圧から最適なものを選ぶという順で調整が行わ
れる。よって、短時間で非点収差の補正のための調整が
終了するため、頻繁に調整を行う場合でも支障をきたす
ことがない。
【0025】請求項11に記載の収差補正装置は、請求
項9又は請求項10に記載の収差補正装置において、前
記非点収差の補正に対する最適な設定状態と前記非点収
差の補正を行わない状態とでそれぞれ前記非点収差を比
較して、当該最適な設定状態の方が良好な前記非点収差
を得られる場合にのみ前記非点収差の補正を行うことを
特徴とする。
【0026】この発明によれば、上述のように調整した
結果判明した最適な設定状態が、非点収差の補正を行わ
ない場合よりも良好な非点収差となるときのみ、非点収
差の補正を行うようにした。よって、非点収差がない理
想的な状態の光ピックアップに対して不要な補正を行う
という事態が回避される。
【0027】請求項12に記載の収差補正装置は、請求
項9から請求項11の何れかに記載の収差補正装置にお
いて、前記非点収差の補正の度合いの判別は、回転駆動
される前記記録媒体の回転周期に同期して行われること
を特徴とする。
【0028】この発明によれば、光ディスク等の記録媒
体が回転する際の回転周期との同期をとりながら上述の
調整を行うようにしたので、チルト等の影響により回転
に伴って生じる面ぶれがある場合でも、これに起因して
不正確な測定が行われることがなく、より正確に非点収
差の補正が行われる。
【0029】請求項13に記載の非点収差検出方法は、
光源から出射され、対物レンズを介して記録媒体に照射
される光ビームの通過領域を光学系に起因する非点収差
の分布に対応して複数に分割し、電圧を印加する電極を
それぞれの分割領域に設けた収差補正装置に対し、前記
各分割領域に対する駆動パターンと前記電極に印加する
電圧を調整して、前記非点収差の方向及び大きさを検出
することを特徴とする。
【0030】この発明によれば、光ビームの通過領域を
非点収差の分布に対応して複数に分割した分割領域に設
けた電極への電圧の印加する際に、電圧の駆動パターン
と電圧を調整し、非点収差の方向及び大きさを検出する
ようにしたので、光ピックアップへの特別な調整を行う
ことなく任意の方向性を有する非点収差の補正を行うこ
とができる。
【0031】請求項14に記載の光ピックアップは、請
求項1から請求項12の何れかに記載の収差補正装置を
備えると共に、光源から出射されて記録媒体に照射され
る光ビームが当該収差補正装置を通過するよう光学系が
配置されることを特徴とする。
【0032】この発明によれば、光ピックアップの光学
系には、上述した収差補正装置が光ビームを通過させる
ように配置されるようにしたので、簡易かつ良好に光学
系に起因する非点収差の補正を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施
の形態は、DVD等の光ディスクに記録されている記録
情報を読み出す情報再生装置の光ピックアップに対して
本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0034】図1は、本実施形態に係る光ピックアップ
の全体構成を示すブロック図である。図1に示す光ピッ
クアップは、レーザ光源1と、偏光ビームスプリッタ2
と、非点収差補正手段としての液晶パネル3と、1/4
波長板4と、対物レンズ5と、集光レンズ6と、受光器
7と、液晶パネル制御部8を備えて構成される。また、
光ピックアップにより光ビームを照射される光ディスク
10は、スピンドルモータ9により回転駆動されるよう
になっている。
【0035】図1において、レーザ光源1から出射され
た光ビームは、偏光ビームスプリッタ2を通過した後、
液晶パネル3に入射する。この液晶パネル3を通過する
際に、後述するように非点収差が補正され、その後、1
/4波長板4を通って、対物レンズ5によって光ディス
ク10の情報記録面に集光される。
【0036】この際、光ディスク10は情報記録面の記
録トラックが光ビームに対して線速度を一定に保つよう
に、適宜の回転数でスピンドルモータ9により回転駆動
される。そして、光ディスク10の回転に同期して、図
示しないCPUに対し回転パルスが出力されるようにな
っている。
【0037】一方、光ディスク10の情報記録面にて反
射された光ビームは、再び対物レンズ5、1/4波長板
4を通過して、偏光ビームスプリッタ2によって光路を
変更されて、集光レンズ6を介して受光器7上に集光さ
れる。この受光器7では、光信号が電気信号に変換され
て出力される。なお、上記1/4波長板4は、偏光ビー
ムスプリッタ2によって直線波とされた光ビームの偏光
面と45°の角度で交差するように配置されている。
【0038】図2に、液晶パネル3の断面構造を示す。
図2に示すように、本実施形態に係る液晶パネル3は、
液晶分子Mを含む液晶24を挟んで、液晶24に所定の
分子配向性を与えるための配向膜23A、23Bが形成
され、各配向膜23A、23Bの外側にITO等よりな
る透明電極22A、22Bが蒸着されている。そして、
最外部には保護層としてのガラス基板21A、21Bが
形成されている。
【0039】液晶24は、いわゆる複屈折効果を有し、
液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方向とで屈折率
が異なっている。そして、透明電極22Aと22Bの間
に印加する電圧を変化させることにより、図2(a)乃
至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水平方向か
ら垂直方向まで自在に変えることができる。透明電極2
2A、22Bへの印加電圧は、液晶パネル制御部8によ
り設定され、透明電極22A、22Bの各分割領域に印
加する電圧を調整することにより、各分割電極により形
成される領域ごとに異なる位相差を付与するものであ
る。
【0040】次に、本発明に係る光ピックアップ内の光
学系に起因する非点収差の補正の原理について説明す
る。対物レンズ5の瞳面上における極座標を(r,φ)
で表すと、対物レンズ5の瞳面における波面収差W
(r,φ)は次の式で表される。
【0041】
【数1】
【0042】ただし、W11rcosφは像点移動によるも
のであり、W313cosφは主に光ディスクのチルト角等
によるコマ収差を表すものである。W404は主に光デ
ィスクの基板厚さの違い等による球面収差を表し、W20
2はデフォーカスによる収差である。W222cos2φは
主に光ピックアップ内の光学系に起因する非点収差を表
すものである。なおWijは収差係数である。
【0043】本発明の目的は非点収差を打ち消すことに
あるので、簡単のため、数1において、コマ収差及び球
面収差が0であるとして、非点収差のみが存在するもの
と考える。この場合、対物レンズ5の瞳面における波面
収差は次のように表される。
【0044】
【数2】
【0045】また、対物レンズ5の瞳面上の波面収差W
(r,φ)の標準偏差をWrmsとすると、Wrmsは次式で
表される。
【0046】
【数3】
【0047】ただし、W0はW(r,φ)の平均値であ
る。
【0048】このWrmsは、波面収差の評価に用いら
れ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なくなり
良好な再生を行うことができる。
【0049】ここで、発生している波面収差が非点収差
だけの場合、数3は次式で表される。
【0050】
【数4】
【0051】ただし、WAS(r,φ)におけるW202
はWrmsを最小にする値となる。なお、実際の光ピック
アップでは、フォーカスオフセット調整を行うことによ
り、W rmsが最小となる。
【0052】図3に、数4に基づいて計算された対物レ
ンズ5の瞳面における波面収差分布を示す。図3(a)
は、数4に基づいて計算された対物レンズ5の瞳面にお
ける非点収差による波面収差分布であり、濃い部分が非
点収差の大きい領域を表している。
【0053】図3(b)は、図3(a)の非点収差によ
る波面収差分布のY−Y’断面であり、この図から波面
収差分布がY−Y’方向では対物レンズ5の瞳面の中心
で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が正方向に大
きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳
中心の波面収差を0とするとき、周辺部Y、Y’では+
0.15λの波面収差が生じている。
【0054】図3(c)は、図3(a)の非点収差によ
る波面収差分布のX−X’断面であり、この図から波面
収差分布がX−X’方向では対物レンズ5の瞳面の中心
で小さく、周辺部にいくに従って波面収差が負方向に大
きくなっていることがわかる。なお、対物レンズ5の瞳
中心の波面収差を0とするとき、周辺部X、X’では−
0.15λの波面収差が生じている。
【0055】図3(a)乃至(c)に示すように、対物
レンズ5の瞳面における非点収差を主とする波面収差分
布は馬鞍型をなしており、X−X’、Y−Y’軸に対し
て対称となっている。
【0056】なお、対物レンズ5の瞳面で見た非点収差
による波面収差分布は、図1に示す光学系に特有のもの
でなく、非点収差を持つ他の光学系でも同様の分布パタ
ーンとなる。そして、非点収差の方向はそれぞれの光学
系により異なり、図3に示すパターンの方向が変化す
る。すなわち、図3(a)におけるX−X’軸、Y−
Y’軸が回転する。更に、非点収差に基づく波面収差量
もそれぞれの光学系により異なる。本実施形態では、光
学系の有する非点収差の方向と波面収差量に対応して適
切に波面収差の補正を行うことを可能としているが、そ
の詳細については後述する。
【0057】ここで、非点収差の影響を減少させるに
は、数4におけるWrmsを小さくすればよい。そのた
め、WAS(r,φ)自体を小さくするか、WAS(r,
φ)とは逆極性の波面収差、すなわち、−WAS(r、
φ)を液晶パネル3を通過する光ビームに与えればよ
い。本発明は、後者の方法を採用し、光ビックアップ内
の光学系に起因する非点収差WAS(r,φ)の影響を軽
減するようにしている。そのため、光ビームが対物レン
ズ5で収束される前に、収差補正手段としての液晶パネ
ル3により、光ビームに−WAS(r,φ)を与えて非点
収差を打ち消すことにした。
【0058】本実施形態では、−WAS(r,φ)の波面
収差を与えるために、液晶パネル3に形成された透明電
極22A、22Bに対し、各分割領域ごとに異なる電圧
を印加している。よって、光軸に対する液晶分子Mの向
きをそれぞれの分割領域ごとに変えることができ、各分
割領域ごとに屈折率が異なるようにしている。そのた
め、通過する光ビームには、それぞれ領域ごとに異なる
位相差が与えられることとなる。
【0059】ここで、液晶パネル3で与えられる位相差
をWLC(r,φ)で表すと、液晶パネル3を配置したと
きの対物レンズ5の瞳面における波面収差W(r,φ)
は次式で与えられる。
【0060】
【数5】
【0061】非点収差であるWAS(r,φ)を打ち消す
には、ピックアップ内の光学系に起因する非点収差WAS
(r,φ)と逆極性の波面収差、すなわち、次式に示す
波面収差を液晶パネル3により光ビームに与えればよ
い。
【0062】
【数6】
【0063】数6に示す波面収差を光ビームに与えるた
めには、液晶パネル3の各分割領域ごとに、非点収差と
は逆極性の波面収差を与えるよう、透明電極22A、2
2Bの印加電圧を制御すればよい。
【0064】図4は、液晶パネル3の透明電極22A
を、様々な方向に対する非点収差を打ち消すことができ
るように分割した状態を示す図である。図4に示すよう
に、透明電極22Aは、9つのパターン電極30、3
1、32、33、34、35、36、37、38に分割
されている。また、図4においては、対物レンズ5の瞳
に対応して光ビームの入射範囲39が示されている。光
ビームがこの入射範囲39を通過するように、液晶パネ
ル3のピックアップ内での配置が定められる。
【0065】図4において、入射範囲39の中心部分に
対応して円形のパターン電極30が形成されている。ま
た、その外周部分は放射状に分割された8つのパターン
電極31乃至38が形成されており、入射範囲39の中
心から角度を概ね等間隔に分けるように対称的に配置さ
れている。そして、パターン電極31と35、32と3
6、33と37、34と38がそれぞれ向かい合って中
心対称に配置され、非点収差の特定の方向に対応できる
ようになっている。
【0066】次に、非点収差を補正するための液晶パネ
ル3の駆動方法について、図5及び図6により説明す
る。
【0067】図5は、液晶パネル制御部8の構成を示す
ブロック図である。図5に示すように、液晶パネル制御
部8は、CPU等の制御器101と、液晶ドライバ10
2と、反転器103と、加算器104、105と、振幅
変調器106と、選択スイッチ107とを備えている。
そして、選択スイッチ107を経由して、液晶パネル3
の透明電極22Aの各パターン電極30乃至38に電圧
を印加できるように接続されている。
【0068】図5の構成において、制御器101は、後
述する処理により決定した非点収差の方向に従って、液
晶ドライバ102及び選択スイッチ107を制御する。
液晶ドライバ102から出力された所定の電圧Vが加算
器104に入力されると共に、反転器103を介して出
力された電圧−Vが加算器105に入力される。加算器
104、105では、それぞれ基準電圧Cと加算され、
加算器104からは電圧C+Vが、加算器105からは
電圧C−Vがそれぞれ出力される。
【0069】振幅変調器106には、加算器104から
出力された電圧C+Vと、加算器105から出力された
電圧C−Vと、基準電圧Cの3種の電圧が入力され、こ
れらの各電圧に応じて振幅変調された矩形波である駆動
信号が出力される。ここで、電圧C+Vに対応した駆動
信号をVa、電圧C−Vに対応した駆動信号をVb、基
準電圧Cに対応した駆動信号をVcとそれぞれ表すこと
にする。
【0070】選択スイッチ107は、液晶パネル3の各
パターン電極30乃至38に対し、制御器101の制御
の下、接続を切り換えつつ、それぞれの駆動信号Va、
Vb、Vcを印加する。中央のパターン電極30に対し
ては、基準となる駆動信号Vcが固定的に印加される
が、外周部の各パターン電極31乃至38に対しては、
駆動信号Va、Vb、Vcの何れかが印加される。そし
て、後述するように、その接続の組み合わせは、非点収
差の有無と方向に対応して9通り設定されている。な
お、図示しない透明電極22Bは、常にグランドに接続
しておけばよい。
【0071】ここで、図6及び図7により、各パターン
電極30乃至38に印加される駆動信号の波形パターン
と、光ビームに与えられる位相差との関係について説明
する。
【0072】図6は、前述の駆動信号Va、Vb、Vc
の各波形パターンを示した図であり、図7は、各駆動信
号の振幅に対応する位相差を示した図である。図6の中
段は、基準電圧Cに対応する駆動信号Vcの波形パター
ンを示すものであり、駆動信号Vbは駆動信号Vcより
も振幅が小さく、駆動信号Vaは駆動信号Vcより振幅
が大きいという関係にある。そして、図7に示すよう
に、この基準となる駆動信号Vcが印加されることによ
り、光ビームに基準位相φcが与えらる。
【0073】図6の上段は、電圧C−Vに対応する駆動
信号Vbの波形パターンを示すものである。駆動信号V
bが印加されることにより、光ビームに基準位相φcよ
りも遅れた位相であるφbが与えられる。図7に示すよ
うに、駆動信号Vbで駆動された領域を通過した光ビー
ムは、位相が基準からφc−φbだけ遅れることにな
る。すなわち、光ビームには、負の位相差φb−φcが
生じることになる。
【0074】図6の下段は、電圧C+Vに対応する駆動
信号Vaの波形パターンを示すものである。駆動信号V
aが印加されることにより、光ビームに基準位相φcよ
りも進んだ位相であるφaが与えられる。図7に示すよ
うに、駆動信号Vaで駆動された領域を通過した光ビー
ムは、位相が基準からφa−φcだけ進むことになる。
すなわち、光ビームには、正の位相差φa−φcが生じ
ることになる。
【0075】ここで、図7からわかるように、電圧変化
に対して光ビームに与えられる位相差は概ね直線的に変
化するので、負の位相差φb−φcと正の位相差φa−
φcは絶対値が等しく符号が異なる関係となる。よっ
て、対称的な分布となる非点収差に対応させることがで
きる。
【0076】図8は、選択スイッチ107における各パ
ターン電極30乃至38に対しての駆動信号Va、V
b、Vcを印加するための駆動パターンを示す図であ
る。図8に示すように、9通りの駆動パターンが設定可
能となっている。液晶パネル3の中央部分に対応するパ
ターン電極30には、何れの駆動パターンにおいても、
駆動信号Vcが印加されている。一方、外周部のパター
ン電極31乃至38には、それぞれVa、Vb、Vcの
何れかが印加され、非点収差の方向に対応して光ビーム
に所望の位相差を与えるべく、8通りの駆動パターンA
乃至Hが設定されている。これに加えて、駆動パターン
Iでは全てのパターン電極30乃至39に対し基準の駆
動信号Vcを印加しているが、これは非点収差の補正を
行わない場合の駆動パターンに対応している。
【0077】ここで、非点収差の方向とパターン電極3
0乃至38に対する駆動パターンの関係について、図9
を用いて説明する。本実施形態では、任意の方向性を有
する非点収差による波面収差分布を補正するため、角度
を8分割してほぼ22.5°刻みで駆動パターンを変更
するようにしている。図9(a)乃至(d)に、非点収
差による波面収差分布と、対応する駆動パターンを並べ
て示す。また、簡単のため、0°、22.5、45°、
57.5°の4つの非点収差の角度についてのみ示す。
【0078】図9(a)は、非点収差の方向が0°とな
る場合に対応する図である。縦方向では、中心から周辺
部分にいくに従って濃い部分、すなわち波面収差分布が
負の方向に大きくなる部分が対称的に生じる配置になっ
ている。よって、上部のパターン電極32、33と下部
のパターン電極36、37は、この波面収差を打ち消す
ために、正の位相差を与える必要がある。一方、横方向
は、波面収差分布が正の方向に大きくなるので、左側の
パターン電極31、38と右側のパターン電極34、3
5は、負の位相差を与える必要がある。よって、図8に
示す駆動パターンAにより駆動し、パターン電極32、
33、36,37に駆動信号Vaを印加し、パターン電
極31、34、35、38に駆動信号Vbを印加すれば
よい。
【0079】図9(b)は、非点収差の方向が22.5
°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、
図9(a)の状態から22.5°回転した状態となって
いる。この場合、各パターン電極31乃至38がほぼ4
5°づつ分割された配置となるので、その半分だけ回転
させて駆動する必要がある。本実施形態では、駆動パタ
ーンを工夫して実質的に22.5°回転した非点収差に
対応するようにしている。すなわち、パターン電極3
3、37には、正の位相差を与え、パターン電極31、
35には、負の位相差を与える。また、パターン電極3
2、34、36、38には、基準の位相差を与える。よ
って、図8に示す駆動パターンBにより駆動し、パター
ン電極33,37に駆動信号Vaを印加し、パターン電
極31、35駆動信号Vbを印加し、パターン電極3
2、34、36、38に駆動信号Vcを印加すればよ
い。
【0080】図9(c)は、非点収差の方向が45°と
なる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、図9
(a)の状態から45°回転した状態となっている。こ
の場合、図9(a)のパターン電極31乃至38を1つ
ずらして駆動を行えばよいことになる。すなわち、パタ
ーン電極33、34とパターン電極37、38には、正
の位相差を与え、パターン電極31、32とパターン電
極35,36は、負の位相差を与える必要がある。よっ
て、図8に示す駆動パターンCにより駆動し、パターン
電極33、34、37、38に駆動信号Vaを印加し、
パターン電極31、32、35、36に駆動信号Vbを
印加すればよい。
【0081】図9(d)は、非点収差の方向が57.5
°となる場合に対応する図であり、非点収差の方向は、
図9(b)の状態から45°回転した状態となってい
る。この場合、図9(b)のパターン電極31乃至38
を1つずらして駆動を行えばよいことになる。すなわ
ち、パターン電極34、38には、正の位相差を与え、
パターン電極32、36には、負の位相差を与える。ま
た、パターン電極31、33、35、37には、基準の
位相差を与える。よって、図8に示す駆動パターンDに
より駆動を行い、パターン電極34、38に駆動信号V
aを印加し、パターン電極32、36には駆動信号Vb
を印加し、パターン電極31、33、35、37に駆動
信号Vcを印加すればよい。
【0082】なお、中心部分のパターン電極30は、図
9(a)乃至(d)の何れの場合も波面収差分布におい
て位相差がほぼゼロと考えてよいので、駆動信号Vcを
固定的に印加すればよい。
【0083】以上の駆動パターンは、非点収差の方向に
対応する角度が更に大きくなる場合でも同様に考えれば
よい。すなわち、角度が0°、45°、90°、135
°となる場合には、図9(a)のように、正の位相差と
負の位相差が2つのパターン電極ごとに繰り返すような
駆動パターンとし、その間の角度22.5°、67.5
°、112.5°、157.5°となる場合には、正の
位相差と負の位相差が間に基準の位相差を挟んで各パタ
ーン電極ごとに繰り返すような駆動パターンとすればよ
い。これにより、光学系に起因する非点収差がどのよう
な方向に分布していても、22.5°刻みで最も近い角
度に対応して液晶パネル3を駆動することにより、適切
に波面収差の方向に対応させることができる。これと併
せて駆動電圧を波面収差量に対応して適切に調節すれ
ば、光学系に起因する非点収差に対する最適な補正が可
能となる。
【0084】次に、図10は、非点収差の方向を示す角
度が徐々に変動する場合に、駆動パターンに応じて補正
可能な波面収差の変化を示す図である。すなわち、前述
の各駆動パターンを非点収差の方向に対応して、どの角
度で切り換えると最適な補正が行われるかを判断するた
めの特性である。
【0085】図10に示すように、非点収差の方向が0
°から45°の範囲で変化するとき、図9(a)に対応
する駆動パターンAと、図9(b)に対応する駆動パタ
ーンBと、図9(c)に対応する駆動パターンCの3つ
の各駆動パターンに対して、補正される波面収差をプロ
ットした図である。なお、駆動パターンA、Cは互いに
同一の駆動パターンを45°回転させたものであるた
め、22.5°付近で駆動パターンA、Cを切り換えた
場合を示す。よって、図10では、駆動パターンA、C
に対応する特性と、駆動パターンBに対応する特性を表
す2つのグラフが示されている。
【0086】図10からわかるように、角度が0°のと
きは、駆動パターンAによる波面収差が最小となり、角
度が45°のときは、駆動パターンCによる波面収差が
最小となるが、その間の角度では徐々に波面収差が大き
くなっていく。これに対し、駆動パターンBによる波面
収差は、角度が22.5°付近で最大となるが、それよ
り角度が増大または減少すると波面収差が小さくなって
いく。
【0087】図10においては、角度が13°付近及び
32°付近で、駆動パターンA又はCと駆動パターンC
の特性が交差している。すなわち、角度0°から13°
までの範囲では、駆動パターンAが最も良好な特性とな
り、角度13°から32°までの範囲では、駆動パター
ンBが最も良好な特性となり、角度32°から45°ま
での範囲では、駆動パターンCが最も良好な特性とな
る。従って、これらの角度で駆動パターンの切り換えが
行われる場合に、非点収差の角度に対する波面収差を最
良にすることができ、適切な波面収差の補正を行うこと
ができる。なお、より大きな角度に対しても事情は同様
である。
【0088】実際には、非点収差の方向に対応する角度
を求めることは困難であるため、例えば再生信号のジッ
タ等を最適にしたり、RF信号の振幅が最大となるよう
な駆動パターンを1つ選んで、間接的に最適な角度に対
応させている。
【0089】次に、図11乃至図15に示すフローチャ
ートにより、本実施形態における非点収差の方向と波面
収差量に対応して、液晶パネル3の最適な駆動方法を決
定するための調整方法について説明する。すなわち、9
種の駆動パターンA乃至Iの中から非点収差の方向に対
応する最適な駆動パターンを定めると共に、駆動電圧と
して設定すべき最適値を定める。以下の実施形態では、
調整の精度に優れる方法と、短時間で調整可能な方法の
2つについて説明を行う。
【0090】図11は、設定可能な全ての組み合わせに
対する駆動を行って、最適な駆動パターンと駆動電圧を
定める調整方法の一例を示すフローチャートである。図
11に示す処理は、例えば製造工程の最終段階あるいは
製品の電源投入時などに行うようにすればよい。
【0091】図11に示す処理が開始されると、ステッ
プS1では駆動パターンの初期設定を行う。すなわち、
図8に示す駆動パターンA乃至H中、最初に駆動するパ
ターンを設定する。ここでは、駆動パターンAから順に
駆動を行うものとし、選択スイッチ107を駆動パター
ンAに設定する。
【0092】ステップS2では、駆動電圧の初期設定を
行う。本実施形態では設定可能な駆動電圧として例えば
32種程度あるものとし、そのうち駆動電圧の最小値を
設定する。なお、この駆動電圧の設定値は、図示しない
ROM等のテーブルに格納しておけばよい。
【0093】ステップS3では、設定された駆動パター
ン及び駆動電圧で液晶パネル3を実際に駆動して、ジッ
タの測定や波面収差の測定を行う。すなわち、非点収差
が補正されないと、光ディスク10の再生に伴うジッタ
が増加し、波面収差自体も大きくなるので、これらの測
定を行うことで、補正の適否が判断可能となる。なお、
得られた測定値は図示しないメモリ手段に一時的に記憶
しておけばよい。
【0094】ステップS4では、駆動電圧が上限に達し
たか否かを判断する。すなわち、駆動パターンの設定を
保ったまま、32段階の駆動電圧に対する処理を終了し
たか否かを判断するものである。その結果、駆動電圧が
上限に達していれば(ステップS4;YES)、ステッ
プS6に移る。一方、駆動電圧が上限に達していなけれ
ば(ステップS4;NO)、ステップS5に移り、次の
段階の駆動電圧に変更した上で、再びステップS3に戻
る。
【0095】ステップS6では、8通りの駆動パターン
A乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。そ
の結果、8通り全てについて測定が終了している場合は
(ステップS6;YES)、ステップS8に移る。一
方、まだ未測定の駆動パターンが残っている場合は(ス
テップS6;NO)、ステップS7に移り、次の非点収
差の角度に対応する駆動パターンを設定した上で、再び
ステップS3に戻る。
【0096】ステップS8では、最適な駆動パターン及
び駆動電圧の組み合わせを決定する。この段階では、8
×32通りの組み合わせに対するジッタ又は波面収差の
測定を終えたことになるので、これらの測定値を読み出
して、ジッタや波面収差が最良となる組み合わせを1つ
決定するものである。
【0097】ステップS9では、ステップS8で決定さ
れた組み合わせに従って、液晶パネル制御部8による液
晶パネル3の駆動を行う。これにより、液晶パネル3を
通過する光ビームに適切な位相差が付与されて、光学系
に起因する非点収差を打ち消すことが可能となる。
【0098】次に、図12は、図11の処理に比べ処理
時間を短縮させた場合の調整方法の一例を示すフローチ
ャートである。図12に示す処理は、製造工程の最終段
階あるいは製品の電源投入時に行ってもよいが、所定の
時間間隔ごとに行ったり、光ディスク10の交換時に行
うなど、比較的頻繁に行う場合であっても短時間で調整
可能であるため、有効な処理である。
【0099】図12に示す処理が開始されると、ステッ
プS11では、駆動パターンの初期設定を行う。前述し
たように、駆動パターンA乃至Hの順に従って駆動を行
うものとすると、最初に駆動を行う駆動パターンAに設
定する。
【0100】ステップS12では、駆動パターンを決定
する際の好適な駆動電圧を設定する。すなわち、図12
の処理では、駆動電圧を決定するのに先立って駆動パタ
ーンを1つ決定するので、駆動パターンを決定する際
に、駆動電圧として仮に定めた所定値に設定して測定を
行うようにする。このとき、仮に定める駆動電圧の値が
大きすぎると、特定の駆動パターンに対して補正される
波面収差量が大きくなりすぎてしまい、トラッキングや
フォーカスが外れるおそれがある。一方、駆動電圧の値
が小さすぎても、測定時のS/N劣化等を招くので好ま
しくない。概ね駆動電圧の可変範囲の中間あたりに前記
所定値を定めることが望ましい。
【0101】ステップS13では、設定されている駆動
パターン及び仮に定めた駆動電圧によって液晶パネル3
を実際に駆動し、受光器7で検出されて得られるRF信
号の振幅を測定する。すなわち、非点収差が補正されな
いと、光ディスク10を再生する際のRF振幅が小さく
なる傾向があり、非点収差を最適に補正することにより
RF振幅が最大化されるためである。よって、RF振幅
の測定を行うことにより、簡易に収差補正の適否を判断
できることになる。なお、図11の場合と同様、得られ
たRF振幅の測定値は、図示しないメモリ手段に一時的
に記憶しておけばよい。
【0102】ステップS14では、8通りの駆動パター
ンA乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。
その結果、8通り全てについて測定が終了している場合
は(ステップS14;YES)、ステップS16に移
る。一方、まだ未測定の駆動パターン残っている場合は
(ステップS14;NO)、ステップS15に移り、次
の非点収差の角度に対応する駆動パターンに設定した上
で、再びステップS13に戻る。
【0103】ステップS16では、ステップS13乃至
ステップS15の処理の結果、最適な駆動パターンを選
んで設定する。すなわち、RF振幅の測定値を読み出し
て最大となる場合の駆動パターンを1つ選び、後続の駆
動電圧の決定のための測定に際して、いったんこの駆動
パターンの設定を行う。
【0104】ステップS17では、設定可能な駆動電圧
の範囲において、小さい値から順次測定を行うために駆
動電圧を最小値に設定する。本実施形態では、例えば駆
動電圧の設定段階として16通りに可変可能であるもの
とする。
【0105】ステップS18では、決定された駆動パタ
ーン及び設定されている駆動電圧によって液晶パネル3
を実際に駆動し、上述したようにRF信号の振幅を測定
し、メモリ手段に測定値を記憶する。この場合も、最適
な補正が行われるとRF振幅が最大化されるので、簡易
に収差補正の適否を判断可能となる。
【0106】ステップS19では、駆動電圧が上限に達
したか否かを判断する。すなわち、駆動パターンの設定
を保ったまま、16段階の駆動電圧に対して行うべき処
理を終了したか否かを判断するものである。その結果、
駆動電圧が上限に達していれば(ステップS19;YE
S)、ステップS21に移る。一方、駆動電圧が上限に
達していなければ(ステップS19;NO)、ステップ
S20に移り、駆動電圧を増加させて次の段階の駆動電
圧に変更した上で、再びステップS18に戻る。
【0107】ステップS21では、ステップS17乃至
ステップS20の処理の結果、得られたRF振幅の測定
値を読み出して最大となる場合の駆動電圧を決定して、
この駆動電圧の設定を行う。これにより、液晶パネル3
に対し、非点収差を補正するために最適な駆動パターン
と駆動電圧の組み合わせが設定されることになる。
【0108】ステップS22では、上記最適な組み合わ
せとなる設定状態で再度RF振幅の測定を行い、測定値
RF1を得る。この処理は、非点収差の補正を行わない
場合と比較するために行うものである。
【0109】ステップS23では、非点収差の補正を行
わない場合として、駆動パターンIの設定を行う。そし
て、ステップS24では、この状態でRF振幅の測定を
行い、測定値RF2を得る。この場合には、液晶パネル
3を通過する光ビームには位相差が付与されないことに
なり、光ピックアップ本来の非点収差をそのまま反映し
た測定結果となる。
【0110】ステップS25では、ステップS22で得
られた測定値RF1と、ステップS24で得られた測定
値RF2の大小を比較する。その結果、RF1>RF2
となる場合には(ステップS25;YES)、ステップ
S26に移り、RF1>RF2とならない場合には(ス
テップS25;NO)、ステップS27に移る。
【0111】ステップS26では、収差補正を行う方が
大きなRF振幅が得られるので、既に求めた駆動パター
ンと駆動電圧を、液晶パネル3に対する駆動を行う際に
用いる組み合わせとして決定する。
【0112】ステップS27では、収差補正を行わない
方が大きなRF振幅が得られるので、対応する駆動パタ
ーンIを液晶パネル3に対する駆動を行う際の駆動パタ
ーンとして決定する。
【0113】ステップS26又はステップS27の処理
の後は、次に新たな調整を行うまで液晶パネル3の動作
時には、決定された駆動方法によって駆動が行われるこ
とになる。
【0114】次に、図13乃至図15は、光ディスク1
0における面ぶれ等に起因する回転に同期したRF振幅
変動を考慮して図12の調整方法を行う場合のフローチ
ャートである。すなわち、光ディスク10を回転駆動さ
せるとチルト等の影響で面ぶれが起こり、回転に同期し
てRF信号に周期的な変動を与えることが知られてい
る。その結果、図12の調整方法で測定されたRF振幅
の変化と区別できなくなる場合があり、非点収差に対す
る正確な補正に支障をきたすおそれがある。そこで、よ
り正確に非点収差の補正を行うためには、回転に同期し
てRF振幅の検出を行うことが有効となる。
【0115】まず、図13は光ディスク10の回転に同
期した調整方法のうち、駆動パターンの決定のための処
理を示すフローチャートである。図13の処理が開始さ
れると、ステップS31で、各種のパラメータに対する
初期設定を行う。具体的には、駆動パターンAの設定を
行うと共に、最大のRF振幅を与える駆動パターンを示
す最適駆動パターンをいったん駆動パターンAにしてお
く。また、図12の場合と同様、駆動パターンを決定す
るために好適な所定の駆動電圧を設定する。
【0116】ステップS32では、回転に同期した処理
を行うため、光ディスク10が1回転したか否かを判断
する。この判断をするためには、スピンドルモータ9の
回転に伴い出力される回転パルスを読みとり、1回転周
期内の特定のタイミングを識別すればよい。ステップS
32の判断の結果、光ディスク10が1回転したと判断
された場合は(ステップS32;YES)、ステップS
33に移り、1回転したと判断されない場合は(ステッ
プS32;NO)、ステップS32を繰り返して1回転
するのを待つ。
【0117】ステップS33では、設定されている駆動
パターン及び駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆
動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RFAを
記憶する。
【0118】ステップS34では、次の非点収差の角度
に対応する駆動パターンに切り換え設定する。そして、
ステップS35では、ステップS32と同様に光ディス
ク10が1回転したか否かを判断する。その結果、光デ
ィスク10が1回転したと判断された場合は(ステップ
S35;YES)、ステップS36に移り、1回転した
と判断されない場合は(ステップS35;NO)ステッ
プS35を繰り返して1回転するのを待つ。
【0119】ステップS36では、ステップS33の場
合と駆動パターンのみ変更された状態で、液晶パネル3
を実際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定
値RFBを記憶する。
【0120】ステップS37では、ステップS33で得
られた測定値RFAと、ステップS36で得られた測定
値RFBの大小を比較する。その結果、RFA<RFB
となる場合には(ステップS37;YES)、ステップ
S38に移り、RFA<RFBとならない場合には(ス
テップS37;NO)、ステップS39に移る。
【0121】ステップS38では、ステップS37の比
較により後から設定した駆動パターンの方が大きなRF
振幅を得られるので、この駆動パターンを新たに最適駆
動パターンとする。換言すれば、非点収差の方向はこの
段階まで測定した範囲内にはまだ見出されていないこと
になる。
【0122】ステップS39では、8通りの駆動パター
ンA乃至Hに対する測定を終了したか否かを判定する。
その結果、8通り全てについて測定が終了している場合
は(ステップS39;YES)、処理を終え、まだ未測
定の駆動パターン残っている場合は(ステップS39;
NO)、ステップS32に戻って同様の処理を繰り返
す。
【0123】ステップS31乃至ステップS39の処理
を行うことにより、光ディスク10の回転に同期した状
態でRF振幅を最大化する最適駆動パターンが決定され
ることになる。
【0124】次に、図14は光ディスク10の回転に同
期した調整方法のうち、駆動電圧の決定のための処理を
示すフローチャートである。図14の処理が開始される
と、ステップS41では、各種のパラメータに対する初
期設定を行う。具体的には、最小の駆動電圧への設定を
行うと共に、最大のRF振幅を与える駆動電圧を示す最
適駆動電圧をいったん最小の駆動電圧としておく。
【0125】ステップS42では、液晶パネル3に対
し、ステップS31乃至ステップS39の処理の結果決
定された最適駆動パターンの設定を行う。これにより、
非点収差の方向に対応した状態で最適駆動電圧を決定す
ることができる。
【0126】ステップS43では、上述したように、光
ディスク10が1回転したか否かを判断する。その結
果、光ディスク10が1回転したと判断された場合は
(ステップS43;YES)、ステップS44に移り、
1回転したと判断されない場合は(ステップS43;N
O)、ステップS43を繰り返して1回転するのを待
つ。
【0127】ステップS44では、最適駆動パターン及
び設定されている駆動電圧によって液晶パネル3を実際
に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値RF
Aを記憶する。
【0128】ステップS45では、駆動電圧を増加させ
て次の駆動電圧に切り換え設定する。そして、ステップ
S46では、ステップS43と同様に光ディスク10が
1回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク1
0が1回転したと判断された場合は(ステップS46;
YES)、ステップS47に移り、1回転したと判断さ
れない場合は(ステップS46;NO)ステップS46
を繰り返して1回転するのを待つ。
【0129】ステップS47では、ステップS44の場
合と駆動電圧のみ変更された状態で、液晶パネル3を実
際に駆動してRF振幅を測定し、メモリ手段に測定値R
FBを記憶する。
【0130】ステップS48では、ステップS44で得
られた測定値RFAと、ステップS47で得られた測定
値RFBの大小を比較する。その結果、RFA<RFB
となる場合には(ステップS48;YES)、ステップ
S49に移り、RFA<RFBとならない場合には(ス
テップS48;NO)、ステップS50に移る。
【0131】ステップS49では、ステップS48の比
較により後から設定した駆動電圧の方が大きなRF振幅
を得られるので、この駆動電圧を新たに最適駆動電圧と
する。
【0132】ステップS50では、駆動電圧が上限に達
したか否かを判断する。その結果、16段階の駆動電圧
についての測定が終了し、駆動電圧が上限に達していれ
ば(ステップS50;YES)、処理を終え、まだ駆動
電圧が上限に達していなければ(ステップS50;N
O)、ステップS43に戻って同様の処理を繰り返す。
【0133】ステップS41乃至ステップS50の処理
を行うことにより、光ディスク10の回転に同期した状
態でRF振幅を最大化する最適駆動電圧が決定されるこ
とになる。
【0134】次に、図15は、図13と図14の処理の
結果、最適とされた駆動方法を非点収差の補正を行わな
い場合と比較し、非点収差補正の適否を判断するための
処理を示すフローチャートである。この場合も、光ディ
スク10の回転を考慮して処理を行う。
【0135】図15の処理が開始されると、ステップS
51では、ステップS31乃至39の処理の結果決定さ
れた最適駆動パターンの設定を行う。また、ステップS
52では、ステップS41乃至50の処理の結果決定さ
れた最適駆動電圧の設定を行う。以上の設定により、R
F振幅を最大化する状態で、液晶パネル制御部8により
液晶パネル3が駆動されることになる。
【0136】ステップS53では、光ディスク10が1
回転したか否かを判断する。その結果、光ディスク10
が1回転したと判断された場合は(ステップS53;Y
ES)、ステップS54に移り、1回転したと判断され
ない場合は(ステップS53;NO)、ステップS53
を繰り返して1回転するのを待つ。
【0137】ステップS54では、最適駆動パターン及
び最適駆動電圧によって液晶パネル3を実際に駆動して
RF振幅を測定し、測定値RFAを得る。
【0138】ステップS55では、非点収差の補正を行
わない場合として、駆動パターンIの設定を行う。すな
わち、液晶パネル3を通過する光ビームに対し位相差が
付与されない場合の設定状態である。
【0139】ステップS56では、ステップS53と同
様、光ディスク10が1回転したか否かを判断する。そ
の結果、光ディスク10が1回転したと判断された場合
は(ステップS56;YES)、ステップS57に移
り、1回転したと判断されない場合は(ステップS5
6;NO)、ステップS56を繰り返して1回転するの
を待つ。
【0140】ステップS57では、非点収差の補正を行
わない状態でRF振幅の測定を行い、測定値RFBを得
る。これにより、光ピックアップ本来の非点収差をその
まま反映した測定結果が得られる。
【0141】ステップS58では、ステップS54で得
られた測定値RFAと、ステップS57で得られた測定
値RFBの大小を比較する。その結果、RFA>RFB
となる場合には(ステップS58;YES)、ステップ
S59に移り、RFA>RFBとならない場合には(ス
テップS58;NO)、ステップS60に移る。
【0142】ステップS59では、収差補正を行う方が
大きなRF振幅が得られるので、最適駆動パターン及び
最適駆動電圧を、液晶パネル3に対する駆動を行う際に
用いる組み合わせとして決定する。
【0143】ステップS60では、収差補正を行わない
方が大きなRF振幅が得られるので、対応する駆動パタ
ーンIを液晶パネル3に対する駆動を行う際の駆動パタ
ーンとして決定する。
【0144】ステップS59又はステップS60の処理
の後は、次に新たな調整を行うまで液晶パネル3の動作
時には、決定された駆動方法によって駆動が行われるこ
とになる。
【0145】ステップS51乃至ステップS60の処理
を行うことにより、本来非点収差のほとんどない光学系
に対しては、液晶パネル3による非点収差の補正を行わ
ないようになるので、より適切な調整方法が実現でき
る。
【0146】なお、以上説明した実施形態では液晶パネ
ル3の透明電極22Aの外周部を8分割した場合につい
て説明を行ったが、これ以外の分割数で複数のパターン
電極を設けるようにしてもよい。例えば、4分割や16
分割にしてもよい。この場合には、分割数を多くすると
高精度に非点収差を補正することが可能となるが、構造
及び制御が複雑になり調整に時間を要するので、適度な
範囲で分割数を定める必要がある。
【0147】また、以上説明した実施形態において、温
度変動の影響を軽減するために、温度センサを設け、そ
の温度出力に応じて前述の駆動電圧を補正するようにし
てもよい。これにより、広い温度範囲で前述の液晶パネ
ル3を駆動することが可能となる。
【0148】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、光ピッ
クアップに様々な方向性の非点収差がある場合でも、こ
の方向に対応する分割領域の電極に印加する電圧を容易
に可変でき、高精度な光学部品を用いたり、組み立て後
の調整等を行ったりすることなく、光ピックアップの非
点収差を良好に補正可能となる。
【0149】請求項2に記載の発明によれば、光ピック
アップの光学系に液晶パネルを配置して、様々な方向性
を持つ非点収差の補正を容易に行うことができ、簡易な
構成で光ピックアップの非点収差の自動調整を実現可能
となる。
【0150】請求項3に記載の発明によれば、光学系に
起因する非点収差の方向及び大きさを予め検出して、そ
の検出結果に基づき印加電圧を設定するようにしたの
で、特別な調整が不要で、非点収差の補正を容易に行う
ことができる。
【0151】請求項4に記載の発明によれば、光学系に
起因する非点収差の方向及び大きさの検出を、製造工程
の最終段階又は製品の電源投入時に行うようにしたの
で、光学系の非点収差の変動要因に適合して自動調整が
行われ、それ以降は非点収差の補正を容易に行うことが
できる。
【0152】請求項5に記載の発明によれば、複数の分
割領域にそれぞれ独立に印加電圧を設定するようにした
ので、補正パターンの自由度を大きくとれ、様々な非点
収差の分布に対応して補正可能となる。
【0153】請求項6に記載の発明によれば、光ビーム
が中心部と複数の外周部の分割領域をそれぞれ通るよう
に構成したので、非点収差の特性に合致した補正を容易
に行え、簡易な制御で容易に非点収差の補正を行うこと
が可能となる。
【0154】請求項7に記載の発明によれば、非点収差
の方向に応じて駆動パターンを回転させて制御可能であ
り、簡易に制御でき、精度の向上が容易な非点収差の補
正を行うことが可能となる。
【0155】請求項8に記載の発明によれば、非点収差
の方向と分割領域の配置に応じて適切に非点収差の補正
を行うことができ、分割領域数を実質的に2倍にできる
非点収差の補正を行うことが可能となる。
【0156】請求項9に記載の発明によれば、設定可能
な全ての状態について非点収差の補正の適否を調べて最
適な設定を行うようにしたので、きめの細かい調整が可
能で、補正の精度向上が容易な非点収差の調整を実現可
能となる。
【0157】請求項10に記載の発明によれば、M個の
駆動パターンを先に調整し、その後N段階の電圧を調整
するようにしたので、短時間に調整を行うことができ、
頻繁に調整を行う場合には特に好適な調整方法を提供で
きる。
【0158】請求項11に記載の発明によれば、非点収
差の補正を行わない場合との比較を行って非点収差の補
正の可否を判断するようにしたので、非点収差がない理
想的な状態の光ピックアップに対して不要な補正を行う
という事態が回避される。
【0159】請求項12に記載の発明によれば、光ディ
スク等の記録媒体の回転周期との同期をとりつつ調整を
行うようにしたので、面ぶれ等に起因して不正確な測定
につながることはなく、より正確に非点収差の補正を行
うことが可能となる。
【0160】請求項13に記載の発明によれば、各分割
領域に対する電圧の駆動パターンと電圧を調整し、非点
収差の方向及び大きさを検出するようにしたので、光ピ
ックアップへの特別な調整を行うことなく任意の方向性
を有する非点収差の補正が可能となる。
【0161】請求項14に記載の発明によれば、光ピッ
クアップの光学系に上述の収差補正装置を配置して光ビ
ームを通過させるようにしたので、簡易かつ良好に光学
系に起因する非点収差の補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光ピックアップの概
略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における液晶パネルの縦断面
図である。
【図3】本発明の実施形態における対物レンズの瞳面に
おける波面収差分布を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における液晶パネルのパター
ン電極を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における液晶パネル制御部の
構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における液晶パネルに対する
駆動信号の波形パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施形態における液晶パネルに対する
駆動信号と位相差の関係を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における選択スイッチの駆動
パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施形態における液晶パネルの駆動パ
ターンと非点収差の方向の関係を示す図である。
【図10】本発明の実施形態において、非点収差の方向
が推移する場合の駆動パターンに応じた波面収差の変化
を示す図である。
【図11】本発明の実施形態において、設定可能な全て
の組み合わせに対する駆動を行う場合の液晶パネルに対
する調整方法を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態において、駆動パターンを
先に決定し駆動電圧をその後決定する場合の液晶パネル
に対する調整方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態において、光ディスクの回
転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のう
ち、駆動パターンを決定するための処理を示すフローチ
ャートである。
【図14】本発明の実施形態において、光ディスクの回
転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のう
ち、駆動電圧を決定するための処理を示すフローチャー
トである。
【図15】本発明の実施形態において、光ディスクの回
転に同期して行われる液晶パネルに対する調整方法のう
ち、非点収差の補正を行わない場合と比較する処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1…レーザ光源 2…偏光ビームスプリッタ 3…液晶パネル 4…1/4波長板 5…対物レンズ 6…集光レンズ 7…受光器 8…液晶パネル制御部 9…スピンドルモータ 10…光ディスク 21A、21B…ガラス基板 22A、22B…透明電極 23A、23B…配向膜 30、31、32、33、34、35、36、37、3
8…パターン電極 39…入射範囲 101…制御器 102…液晶ドライバ 103…反転器 104、105…加算器 106…振幅変調器 107…選択スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大滝 賢 埼玉県鶴ケ島市富士見6丁目1番1号 パ イオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 古川 淳一 埼玉県鶴ケ島市富士見6丁目1番1号 パ イオニア株式会社総合研究所内 (72)発明者 立石 潔 埼玉県鶴ケ島市富士見6丁目1番1号 パ イオニア株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5D119 AA38 BA01 BB03 EC06 EC13 JA62 JB03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から出射され、対物レンズを介して
    記録媒体に照射される光ビームに位相差を付与すること
    により収差を補正する収差補正装置であって、 前記光ビームの通過領域を光学系に起因する非点収差の
    分布に対応して複数に分割し、それぞれの分割領域に設
    けた電極に前記非点収差の方向性に対応して電圧を印加
    し、この電圧の変化に応じて各分割領域を通過する光ビ
    ームに位相差を付与して前記非点収差を補正することを
    特徴とする収差補正装置。
  2. 【請求項2】 前記非点収差の補正は、電圧に応じて屈
    折率が可変される液晶層により光ビームに位相差を付与
    して行うことを特徴とする請求項1に記載の収差補正装
    置。
  3. 【請求項3】 前記非点収差の方向及び大きさを検出す
    る検出手段を更に備えると共に、当該検出手段の検出結
    果に基づいて前記電圧を設定することを特徴とする請求
    項2に記載の収差補正装置。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記非点収差の方向及
    び大きさを、製造工程の最終段階又は製品の電源投入時
    に検出することを特徴とする請求項3に記載の収差補正
    装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の分割領域に印加される電圧
    は、各分割領域ごとに独立に設定可能であることを特徴
    とする請求項2から請求項4の何れかに記載の収差補正
    装置。
  6. 【請求項6】 前記光ビームの通過領域が中心部と外周
    部に分割されると共に、更に外周部が略中心対称に複数
    分割され、それぞれの分割領域に設けた電極に、設定さ
    れた電圧を印加して前記非点収差を補正することを特徴
    とする請求項2から請求項5の何れかに記載の収差補正
    装置。
  7. 【請求項7】 前記外周部の各分割領域のうち、前記非
    点収差の方向に対応する互いに中心対称となる1組の分
    割領域とこれに直交する1組の分割領域に、それぞれ逆
    極性の位相差を光ビームに付与する電圧を印加すること
    を特徴とする請求項6に記載の収差補正装置。
  8. 【請求項8】 前記非点収差の方向が前記外周部の各分
    割領域の境界部近辺となる場合には、この境界の両側の
    互いに中心対称となる2組の分割領域とこれに直交する
    2組の分割領域に、それぞれ逆極性の位相差を光ビーム
    に付与する電圧を印加することを特徴とする請求項6又
    は請求項7に記載の収差補正装置。
  9. 【請求項9】 所定のタイミングで、前記非点収差の方
    向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンと前
    記電極に印加するN段階の電圧を組み合わせたM×N個
    の設定状態に対する前記非点収差の補正の度合い判別
    し、最適な設定状態を選択して前記非点収差の補正を行
    うことを特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記
    載の収差補正装置。
  10. 【請求項10】 所定のタイミングで、前記非点収差の
    方向に対応する前記各分割領域のM個の駆動パターンに
    対し、予め設定された電圧で前記非点収差の補正の度合
    いを判別して最適な駆動パターンを選択した後、前記電
    極に印加するN段階の電圧に対し、更に前記非点収差の
    補正の度合いを判別して最適な電圧を選択し、前記非点
    収差の補正を行うことを特徴とする請求項6から請求項
    8の何れかに記載の収差補正装置。
  11. 【請求項11】 前記非点収差の補正に対する最適な設
    定状態と前記非点収差の補正を行わない状態とでそれぞ
    れ前記非点収差を比較して、当該最適な設定状態の方が
    良好な前記非点収差を得られる場合にのみ前記非点収差
    の補正を行うことを特徴とする請求項9又は請求項10
    に記載の収差補正装置。
  12. 【請求項12】 前記非点収差の補正の度合いの判別
    は、回転駆動される前記記録媒体の回転周期に同期して
    行われることを特徴とする請求項9から請求項11の何
    れかに記載の収差補正装置。
  13. 【請求項13】 光源から出射され、対物レンズを介し
    て記録媒体に照射される光ビームの通過領域を光学系に
    起因する非点収差の分布に対応して複数に分割し、電圧
    を印加する電極をそれぞれの分割領域に設けた収差補正
    装置に対し、前記各分割領域に対する駆動パターンと前
    記電極に印加する電圧を調整して、前記非点収差の方向
    及び大きさを検出することを特徴とする非点収差検出方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項12の何れかに記
    載の収差補正装置を備えると共に、光源から出射されて
    記録媒体に照射される光ビームが当該収差補正装置を通
    過するよう光学系が配置されることを特徴とする光ピッ
    クアップ。
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