JP3594811B2 - 液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置 - Google Patents

液晶パネル、光ピックアップ及び情報再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光等の光ビームを記録媒体に照射して当該記録媒体上の記録情報を再生する情報再生装置内の光ピックアップ、又は当該光ビームを用いて記録媒体上に記録情報を記録する情報記録装置内の光ピックアップにおいて、当該光ビームの光軸が記録媒体の情報記録面に対して傾くことにより当該情報記録面上の光ビームの照射範囲内に生じる波面収差(主としてコマ収差)を光学的に補償する液晶パネルの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記波面収差を補償する液晶パネルとして、液晶層の両面に電極を配置した構成を有する液晶パネルが一般に知られている。
【0003】
この液晶パネルは、液晶においては加えられる電圧に応じて液晶分子の配向性が変化することを利用して、当該液晶を透過する光ビームの屈折率を変化させて上記光軸の傾きに起因する波面収差を補償するものである。
【0004】
すなわち、液晶の部分毎に与える電圧を変化させ、光ビームに対する屈折率を変化させることにより、当該光ビームの光路長を液晶の部分毎に異ならせ(すなわち、部分毎に異なる位相差を与え)、これにより情報記録面までの光路長を変化させて光軸の傾きを打ち消すのである。
【0005】
一方、上記従来の液晶パネルにおいて、光ビームの光路差を液晶の部分毎に実際に異ならせるための方法としては、例えば、当該液晶に駆動電圧を印加するための透明電極(通常、液晶の一方の面又は両面に配置される。)を複数の部分透明電極の組み合わせにより構成し、当該各部分透明電極毎に印加する駆動電圧を変化させることにより各部分透明電極に対応する液晶の部分毎に光ビームの位相差を異ならせる方法がある。
【0006】
このとき、従来の液晶パネルにおいては、一の透明電極内の複数の部分透明電極の形状は、当該液晶パネルの中心軸と当該液晶パネルを通過した光ビームを記録媒体に集光するための対物レンズの光軸とが一致しているということを前提として、すなわち、対物レンズの瞳面の中心と透明電極の中心とが一致していることを前提として決定されることが一般的である。
【0007】
ここで、従来では、液晶パネルと対物レンズとを一体駆動する場合は対物レンズの瞳面の中心と液晶パネルの中心がずれることがなく問題とならないが、通常の光ピックアップの構成では電力供給などの問題から対物レンズと液晶パネルとを別体構成にすることが多い。
【0008】
そして、当該対物レンズと液晶パネルとを別体構成とする光ピックアップにおいては、その製造工程上の問題から、液晶パネルの中心軸と対物レンズの中心軸とが、製造直後から既にずれている場合がある。
【0009】
また、実際に記録媒体に対して情報を記録/再生する際においても、例えば光ビームの記録媒体上の照射位置に対していわゆるトラッキングサーボ制御が施される場合があり、この場合には、対物レンズが記録媒体上に形成されている情報トラックと垂直な方向にアクチュエータ等により移動させられることとなる。
【0010】
そして、この場合でも液晶パネルは光ピックアップの筐体に固定されていることが一般的であるので、従って、このときにも液晶パネルの中心軸と対物レンズの中心軸との位置ずれが必然的に発生してしまう結果となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の夫々のような位置ずれが発生する場合でも、各部分透明電極の形状自体は当該位置ずれがないことを前提として形成されているので、当該位置ずれが実際に起こった場合(むしろ、位置ずれが起こらない場合の方が少ないと言える。)には、液晶パネルとして補償すべき波面収差の分布の形状も変化するため、液晶パネルとしての波面収差の補償が十分に行われない場合があるという問題点があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、予め位置ずれが発生することが予測される場合でも、効果的に情報記録面上の波面収差を補償することが可能な液晶パネル並びに当該液晶パネルを備えた光ピックアップ及び情報再生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、情報を記録/再生するための光ビームの光路上に配置され、当該光ビームの光軸と、当該情報が記録/再生されるDVD等の記録媒体における情報記録面との間の傾斜に起因して当該情報記録面上に発生する波面収差を、前記光ビームに位相差を与えることにより補償する液晶パネルにおいて、当該液晶パネルの液晶に電圧を印加するための透明電極であって、前記補償すべき波面収差の分布に対応した形状を有する複数のパターン電極等の部分透明電極により構成される透明電極を有すると共に、各前記部分透明電極の形状が、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する対物レンズ等の集光手段の中心軸と当該液晶パネルの中心軸との間の前記光軸に垂直な面内の位置ずれであって、当該位置ずれの方向に垂直な対称軸を中心として線対称の形状とされ、かつ予め設定された大きさの位置ずれが存在しているときに発生する前記波面収差を補償する形状とされ、前記記録媒体はディスク状記録媒体であると共に、前記透明電極のパターン形状は、位置ずれが存在しないときの電極パターン形状をラジアル方向に引き伸ばした形状とされている
【0014】
よって、予め位置ずれの発生が予測されている場合でも、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
また、位置ずれの方向が予め特定できない場合でも、相互に反対方向に発生する少なくとも二通りの位置ずれに対応して当該位置ずれに起因する補償効果の劣化を防止し、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
さらに、位置ずれが発生し易い半径方向について、当該位置ずれ発生後でも、発生する波面収差を効果的に補償することができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の液晶パネルにおいて、各前記部分透明電極の形状が、前記位置ずれがないとした場合の当該各部分透明電極の形状に基づいて設定されている。
【0018】
よって、位置ずれがない場合の形状を基にして部分透明電極の形状が設定されているので、位置ずれがない場合に発生する波面をも補償することができる。
【0019】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の液晶パネルにおいて、各前記部分透明電極の形状が、前記集光手段の瞳面上における前記波面収差の分布に基づいて設定されている。
【0020】
よって、実際に光ビームの照射範囲内に発生する波面収差に対応する瞳面上における波面収差の分布に基づいて各部分透明電極の形状が設定されているので、より効果的に当該波面収差を補償することができる。
【0023】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の液晶パネルにおいて、前記位置ずれは、前記液晶パネル及び前記集光手段を含む光ピックアップの製造工程上における前記液晶パネルの中心軸と前記集光手段の中心軸との位置合わせ精度及び前記記録媒体に対して前記情報を記録/再生する際に当該集光手段が前記光軸に垂直な面内で移動することにより発生する当該集光手段の中心軸と前記液晶パネルの中心軸との相対的な位置ずれに基づいて予め設定されている。
【0024】
よって、各部分透明電極の形状を設定するための位置ずれが、光ピックアップの製造工程上の位置精度及び情報の記録/再生中における集光手段の移動を考慮して設定されているので、実際の記録/再生中において発生する位置ずれに対応して効果的に波面収差を補償することができる。
【0031】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の液晶パネルと、前記光ビームを出射するレーザダイオード等の光源と、各前記部分透明電極に電圧を印加することにより、前記光ビームに前記位相差を与えるPWM回路等の電圧印加手段と、前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する対物レンズ等の前記集光手段と、前記集光手段により集光され、当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光器等の受光手段と、を備える。
【0032】
よって、予め想定された液晶パネルの中心軸と集光手段の中心軸との間の位置ずれが実際に発生しても、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができることとなり、例えば、波面収差により記録媒体上の情報が誤検出されることを防止できる。
【0033】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、請求項に記載の光ピックアップと、前記記録媒体に前記情報が記録されているとき、前記受光信号に基づいて当該情報を再生する再生制御部等の再生手段と、を備える。
【0034】
よって、液晶パネルの中心軸と集光手段の中心軸との間で位置ずれが発生しても波面収差を補償して良好に情報を再生することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
(I)実施形態
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0036】
なお、以下に説明する実施の形態は、記録情報が記録されている記録媒体としてのDVD(従来のCD(Compact Disk)に比して記録容量を約7倍に向上させた光ディスク)から当該記録情報を読み出す際に、当該DVDと光ビームの光軸とのなす角の変化(DVD自体の反りや外部からの振動又は回転によるDVDの振動に起因する傾き)により発生する波面収差を補償しつつ読み出す情報再生装置に対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0037】
先ず、実施形態の情報再生装置の全体構成について、図1を用いて説明する。
【0038】
図1に示すように、実施形態の情報再生装置Sは、DVD5を所定回転数で回転させるスピンドルモータ14と、発生する波面収差を補償しつつ光ビームBをDVD5に照射し、その反射光に基づいてDVD5上の記録情報に対応する検出信号Srを出力する光ピックアップ13と、光ピックアップ13内に含まれる後述の液晶パネルを駆動することにより上記波面収差を補償すると共に検出信号Srに基づいて記録情報を再生し再生信号Sdとして出力する電圧印加手段及び再生手段としての再生制御部20と、を備えて構成されている。
【0039】
また、光ピックアップ13は、光源としてのレーザダイオード1と、ハーフミラー2と、集光手段としての対物レンズ4と、集光レンズ6と、受光手段としての受光器7と、本発明に係る液晶パネル10(光ピックアップ13の筐体に固定されている。)と、光ビームBが照射されるDVD5上の領域のラジアル方向の傾き角(以下、ラジアル方向のチルト角という。)を検出するラジアル方向チルトセンサ11と、光ビームBが照射されるDVD5上の領域のタンジェンシャル方向の傾き角(以下、タンジェンシャル方向のチルト角という。)を検出するタンジェンシャル方向チルトセンサ12と、により構成されている。
【0040】
ここで、対物レンズ4の光軸と液晶パネル10の中心軸とは、本来は相互に平行であり且つその位置が相互に一致しているべきものであるが、例えば、光ピックアップ13の製造工程上における位置合わせ精度の低下又は対物レンズ4に対していわゆるトラッキングサーボ制御が施されているときにおける当該対物レンズ4のラジアル方向(図1中左右方向)の移動に起因して当該中心軸間相互に位置ずれ(ラジアル方向の位置ずれ)が発生する。この位置ずれは、一般的には、最大で0.3mm程度であるとされている。
【0041】
一方、再生制御部20は、CPU21と、A/D変換器22及び25と、電圧印加手段としてのPWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)回路23及び電圧印加手段としてのPWM回路26と、増幅器24及び27と、により構成されている。
【0042】
次に、全体動作を説明する。
【0043】
DVD5は、スピンドルモータ14により所定の回転数にて回転駆動されている。
【0044】
この時、レ−ザダイオード1から出射された光ビームBはハ−フミラー2で一部が反射され、液晶パネル10に入射する。そして、当該液晶パネル10を透過する際に波面収差が補償され、その後、対物レンズ4によってDVD5の情報記録面に集光される。
【0045】
次に、DVD5の情報記録面において反射された光ビームBは、再び対物レンズ4及び液晶パネル10を通過して、ハーフミラー2を透過し、集光レンズ6を介して受光器7上に集光される。そして、受光器7において受光された光ビームBの反射光は、当該受光器7において電気信号である検出信号Srに変換され、CPU21に供給される。その後、当該CPU21において所定の復調処理等が施され、DVD5に記録されていた記録情報に対応する再生信号Sdとして図示しない再生回路に出力される。
【0046】
上述した動作と並行して、DVD5におけるラジアル方向のチルト角は、ラジアル方向チルトセンサ11により検出され、アナログ信号であるチルト検出信号Sp1として出力される。そして、当該チルト検出信号Sp1はA/D変換器22においてディジタル化され、CPU21に入力される。
【0047】
これに対し、DVD5におけるタンジェンシャル方向のチルト角は、タンジェンシャル方向チルトセンサ12により検出され、アナログ信号であるチルト検出信号Sp2として出力される。そして、当該チルト検出信号Sp2はA/D変換器25においてディジタル化され、CPU21に入力される。
【0048】
ここで、ラジアル方向チルトセンサ11及びタンジェンシャル方向チルトセンサ12は同一の構造を有する光センサであり、1つの発光部と2つの受光部を有している。そして、DVD5のラジアル方向のチルト角を検出するように配置されたものがラジアル方向チルトセンサ11であり、そのタンジェンシャル方向のチルト角を検出するように配置されたものがタンジェンシャル方向チルトセンサ12である。
【0049】
次に、CPU21は、入力されたチルト検出信号Sp1に基づいて、後述の波形を有する駆動信号Sdv1を生成し、PWM回路23においてPWM変調を施した後増幅器24において増幅し、液晶パネル10における後述のパターン電極に出力する。
【0050】
同時に、CPU21は、入力されたチルト検出信号Sp2に基づいて、後述の波形を有する駆動信号Sdv2を生成し、PWM回路26においてPWM変調を施した後増幅器27において増幅し、液晶パネル10における後述のパターン電極に出力する。
【0051】
CPU21の動作についてより具体的には、当該CPU21は、A/D変換器22又は25から出力されたチルト検出信号Sp1又はSp2に基づいて、液晶パネル10の後述する各パターン電極毎のラジアル方向又はタンジェンシャル方向の収差補償量(すなわち、ラジアル方向又はタンジェンシャル方向のチルト角により生じる波面収差を打ち消すために液晶パネル10を通過する光ビームBに与えるべき位相差)を算出する。
【0052】
この時、CPU21は、予め図示しないROM(Read Only Memory)等に記憶されている収差補償量を示す補償量データを用いてチルト検出信号Sp1又はSp2の値に応じた収差補償量を算出する。そして、当該収差補償量を示す駆動信号Sdv1又はSdv2がPWM回路23又は26に供給される。
【0053】
その後、PWM回路23又は26において、駆動信号Sdv1又はSdv2に対してパルス幅の変換が施される。そして、パルス幅が変換された駆動信号Sdv1又はSdv2は増幅器24又は27において所定の増幅率で増幅された後、液晶パネル10の各パターン電極に夫々出力される。
【0054】
そして、各パターン電極に出力された駆動信号Sdv1又はSdv2に応じて液晶パネル10を駆動してその屈折率を制御し、当該液晶パネル10を通過する光ビームBに対して位相差を与えることでラジアル方向又はタンジェンシャル方向の波面収差を補償することとなる。
【0055】
次に、本発明の液晶パネル10の構成及び動作について、図2乃至図6を用いて説明する。
【0056】
図2にその縦断面図を示すように、実施形態の液晶パネル10は、液晶分子Mを含む液晶10gを挟んで、当該液晶10gに所定の分子配向を与えるための配向膜10e及び10fが形成され、更に夫々の配向膜10e及び10fの外側にITO(Indium−tin Oxide;インジウム錫酸化物)等によりなる透明電極10c及び透明電極10dが形成されている。そして、最外部には保護層としてのガラス基板10a及び10bが形成されている。
【0057】
この構成において、夫々の透明電極10c及び10dは、後述するように、波面収差の分布に対応した部分透明電極としてのパターン電極に分割されており、透明電極10cがラジアル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償するための電極であり、透明電極10dがタンジェンシャル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償するための電極である。
【0058】
また、液晶10gは、図2に示すように液晶分子Mの光学軸方向とこれに垂直な方向とでその屈折率が異なる、いわゆる複屈折効果を有しているものが用いられ、透明電極10c及び10dに印加する電圧値を変化させることにより、図2(a)乃至(c)に示すように、液晶分子Mの向きを水平方向から垂直方向まで自在に変えることができる。
【0059】
このとき、CPU21は、上記各チルト検出信号Sp1又はSp2に基づいて、透明電極10c及び10dの各パターン電極毎に印加する駆動信号Sdv1又はSdv2を算出し、液晶パネル10に出力する。
【0060】
次に、各透明電極10c及び10dの構成について、図3を用いて説明する。
【0061】
始めに、透明電極10cは、図3(a)に示すように、透明電極10cの中心を通ると共にラジアル方向に垂直な対称軸を中心として線対称に配置された五つのパターン電極30a、30b、31a、31b及び32に分割されており、夫々のパターン電極は相互に絶縁されている。
【0062】
このとき、透明電極10cの形状を線対称にする理由は、対物レンズ4の移動方向が一方向ではなく、更にDVD5の半径方向として内周向きと外周向きの二通りの向きが存在するため、液晶パネル10に対する対物レンズ4の相対位置ずれも内周向きと外周向きの双方を考慮する必要があるからであり、このため透明電極10cの分割パターンは位置ずれ方向の中心軸に対して線対称となる。
【0063】
また、これらのパターン電極のうち、パターン電極30aと30bが同一の駆動信号Sdv1により駆動され、更にパターン電極31aと31bが同一の駆動信号Sdv1により駆動される。
【0064】
なお、透明電極10cが図3(a)に示す形状に分割されているのは、パターン電極の形状(すなわち、独立して駆動制御される領域の区分)を、後述するラジアル方向に発生する波面収差の分布に上記ラジアル方向の位置ずれの影響を考慮した形状とするためである。
【0065】
また、透明電極10c全体の大きさとしては、当該透明電極10cの中心と対物レンズ4の光軸の位置とが一致している場合において当該対物レンズ4を通過する光ビームBの範囲を透明電極10cに投影した範囲SPが、図3(a)に示す範囲となるような大きさとされる。
【0066】
一方、透明電極10dは、図3(b)に示すように、透明電極10cの中心を通ると共にタンジェンシャル方向に垂直な対称軸を中心として線対称に配置された五つのパターン電極40a、40b、41a、41b及び42に分割されており、夫々のパターン電極は相互に絶縁されている。また、これらのパターン電極のうち、パターン電極40aと40bが同一の駆動信号Sdv2により駆動され、更にパターン電極41aと41bが同一の駆動信号Sdv2により駆動される。
【0067】
なお、透明電極10dが図3(b)に示す形状に分割されているのは、透明電極10cの場合と異なり、パターン電極の形状を後述するタンジェンシャル方向に発生する波面収差の分布と略同一の形状とするためである。このとき、タンジェンシャル方向に発生する上記位置ずれについては、その大きさが無視し得る程度に小さいので、各パターン電極の形状の設定に対して当該タンジェンシャル方向の位置ずれは考慮されていない。
【0068】
また、透明電極10d全体の大きさとしては、当該透明電極10dの中心と対物レンズ4の光軸の位置とが一致している場合において当該対物レンズ4を通過する光ビームBの範囲を透明電極10dに投影した範囲SPが、図3(b)に示す範囲となるような大きさとされる。
【0069】
次に、液晶パネル10によるDVD5のチルト角に起因する波面収差の補償の原埋及び上記各パターン電極の形状の設定に際して考慮すべき事項等について、図3乃至図6を用いて説明する。
【0070】
なお、以下の説明は、主としてラジアル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償する場合(すなわち、透明電極10cに駆動信号Sdv1を印加して波面収差を補償する場合)について説明するものである。
【0071】
先ず、透明電極10cを構成するパターン電極30a、30b、31a、31b及び32の形状の設定について説明する。
【0072】
透明電極10cを構成するパターン電極30a、30b、31a、31b及び32の形状は、上述したようにラジアル方向に発生する波面収差の分布に上記ラジアル方向の位置ずれの影響を考慮して設定されている。
【0073】
すなわち、図4に示すように、パターン電極30a、30b、31a、31b及び32の形状は、透明電極10cの中心を対物レンズ4の光軸が通るとき当該対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c上に投影した形状と略同一の形状(図4中破線で示すような、透明電極10dにおける各パターン電極の形状を90度回転させたものと同一の形状。この形状の設定方法については後述する。)に対して、透明電極10cの中心軸の位置と対物レンズ4の光軸の位置とがラジアル方向に0.3mm(この値は、上述のように、製造上の位置合わせ誤差及びトラッキングサーボ制御時における対物レンズ4の移動量の最大値等を考慮して予め実験的に求められている値である。)ずれているとき(当該ずれているときに対物レンズ4を通過する光ビームBの範囲を透明電極10cに投影した範囲SP’を図4中一点鎖線で示す。)に対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c上に投影した形状を考慮すると共に、透明電極10cの中心を通りラジアル方向に垂直な方向の軸を中心として線対称となるように設定されている。
【0074】
これにより、透明電極10cに含まれる各パターン電極の形状を、位置ずれがないとき対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c上に投影した形状と略同一の形状とした場合に比して、各中心軸間に位置ずれがないときに液晶パネル10を動作させて波面収差を補償した後に残留する残留波面収差の量は若干増加するものの、各中心軸間に通常起こり得る0.3mmの位置ずれが発生しているときの当該残留波面収差の量を減少させることができる。
【0075】
次に、透明電極10cを構成する各パターン電極の形状の設定方法について更に説明する。
【0076】
図4に示す各パターン電極の形状の設定は、以下の手順により行う。
【0077】
すなわち、
(i)情報再生装置Sの動作上予測される透明電極10cの中心軸の位置と対物レンズ4の光軸の位置とのラジアル方向の位置ずれを設定する。本実施形態では、この予測される位置ずれが0.3mmであることになる。
【0078】
(ii)当該位置ずれが生じているときに対物レンズ4の瞳面に発生する波面収差を計算する。
【0079】
(iii)位置ずれがないとしたときの各パターン電極の形状に基づいて、当該位置ずれが発生しているときの波面収差を少なくするために透明電極10cにより光ビームBに与えるべき位相差を液晶10gの各部分毎に算出する。
【0080】
(iv)当該位相差を液晶10gの各部分毎に与えると共に、透明電極10cの中心を通りラジアル方向に垂直な対称軸に対して線対称となるように、透明電極10c内の各電極パターンの形状を設定する。
【0081】
このような手順によって形成された各パターン電極の形状は、図4に示すように、位置ずれがないとしたときの各パターン電極の形状(図4中破線で示す。)をラジアル方向に夫々引き伸ばしたような形状となる。
【0082】
次に、上述した(i)乃至(iv)に示す方法で透明電極10c内の各パターン電極の形状を設定するべく、上記位置ずれがない場合の波面収差を補正するときの各パターン電極の形状(図4中、破線で示す形状であり、当該位置ずれがないときに対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布の形状を透明電極10c上に投影した形状と略同一の形状である。)を設定するための設定方法について説明する。
【0083】
まず、対物レンズ4の瞳面における波面収差をW(r,φ)とする。ここで、(r,φ)は瞳面の極座標である。
【0084】
今、DVD5が光ビームBの軸に対して傾いた場合(すなわち、チルト角が発生した場含)には、上述のように波面収差(主としてコマ収差)が発生し、対物レンズ4により光ビームBを絞ることができなくなる。この場合に、チルト角に起困して発生する波面収差Wtlt(r,φ)のうち、その大部分を占めるのは、下記式(1)で表される波面収差である。
【0085】
【数1】
Wtlt(r,φ)≒ω31×r×cosφ+ω11×r×cosφ …(1)
ここで、ω31及びω11はDVD5のチルト角、基板の厚さ、基板の屈折率及び対物レンズ4の開口数(NA)で与えられる定数であり、ω31はコマ収差、ω11は像点の移動による収差を表している。この数式を用いて瞳面での波面収差分布を計算した結果が、後述する図5により示される波面収差分布(ラジアル方向のチルト角に起因する波面収差分布)に対応する。
【0086】
また、瞳面上の波面収差W(r,φ)の標準偏差をWrmsとすると、当該Wrmsは下記式(2)により表される。
【0087】
【数2】
Figure 0003594811
ここで、式(2)中のWはW(r,φ)の瞳面上の平均値である。このWrmsは、波面収差の評価に用いられ、Wrmsを小さくすれば波面収差の影響が少なく良好な再生を行うことができる。
【0088】
ところで、式(2)から明らかなように、波面収差を補償するにはW(r,φ)を小さくすればよい。そこで、DVD5がそのラジアル方向に傾いたことにより発生したWtlt(r,φ)を補償するために、液晶パネル10の透明電極10cにおける各パターン電極に印加される駆動信号Sdv1の電圧を制御して、あるパターン電極に対応する液晶10gの領域の屈折率をΔnだけ変化させたとすると、この屈折率の変化により当該パターン電極に対応する領域を通過する光ビームBに対して光路差Δn×dを与えることができる。
【0089】
そして、液晶10gで与えられる光路差をWlc(r,φ)とすると、液晶パネル10を配置したときの対物レンズ4の瞳面における波面収差W(r,φ)は以下に示す式(3)で表される。
【0090】
【数3】
W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ) …(3)
この式(3)から明らかなように、DVD5のチルト角に起因する波面収差W(r,φ)を打ち消すには、
【数4】
W(r,φ)=Wtlt(r,φ)+Wlc(r,φ)=0 …(4)
とすれば良い。すなわち、液晶10gによりDVD5のチルト角に起困する波面収差Wtlt(r,φ)に対して逆極性の波面収差、つまり、
【数5】
Wlc(r,φ)=−Wtlt(r,φ) …(5)
となる波面収差Wlc(r,φ)を光ビームBに与えればよいことがわかる。
【0091】
従って、透明電極10cの中心を対物レンズ4の光軸が通ると場合に、液晶10gによりDVD5のチルト角に起因する波面収差Wtlt(r,φ)に対して逆極性の波面収差Wlc(r,φ)を与えるためには、図5で示されたDVD5のラジアル方向のチルト角に起因する波面収差分布に対応して液晶10gを分割するようにパターン電極を設け、各パターン電極に対応する領域への印加電圧を、チルト角に起因する波面収差に対して逆極性の波面収差を与えるように制御すればよい。
【0092】
ここで、図5は、当該ラジアル方向の光軸の傾斜に起因して対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差分布の状態を示すものである。
【0093】
より具体的には、図5は、DVD5の記録面がラジアル方向に+1°傾いた場合の光スポットの最良像点における波面収差分布を、入射する光ビームBの最大領域の範囲内において表した図であり、当該波面収差分布を、波面収差の値が−25nm〜+25nmの範囲を有する領域Aを中心として50nmの範囲幅を有する領域A乃至Kの境界線によって表している。そして、図5中のX2−X2は、DVD5の傾く方向に対応した軸(すなわち、ラジアル方向)である。
【0094】
なお、図6において、当該波面収差分布をX2−X2軸上における分布特性で表している。
【0095】
また、波面収差の分布自体はチルト角の大きさによらず一定の分布をしており、チルト角の大きさにより変化するのは波面収差量である。この点について図6を用いて説明すると、図6に示す曲線のピーク値はチルト角が大きくなれば高くなり、チルト角が小さくなれば低くなる。
【0096】
本実施形態では、上述のようにして算出された透明電極10cの中心を対物レンズ4の光軸が通るとき当該対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布に着目して、実施形態の透明電極10cの分割形状を、図5の波面収差分布に対して上述した(i)乃至(iv)の方法により上記位置ずれを加味した形状とし、パターン電極に対応する領域の液晶10gにより、位置ずれがあるときに生じている波面収差Wtlt(r,φ)を打ち消すように光ビームBに位相差(すなわち、上記光路差Δn×d)を与えて、位置ずれがあるときのチルト角に起因する波面収差Wtlt(r,φ)の影響を再生に影響のない範囲まで減少させているのである。
【0097】
すなわち、液晶10gの各分割領域(透明電極10c内の各パターン電極に対応する分割領域)毎に電圧制御を行うことで液晶分子Mの向きを変化させ、各分割領域の屈折率を変えることにより光ビームBに位相差を与えてDVD5の傾斜時に発生する波面収差Wtlt(r,φ)を補償するのである。
【0098】
以上説明したように、図3(a)に示す透明電極10c内の各パターン電極は、DVD5の記録面がラジアル方向に+1°傾いた場合の波面収差分布(図5参照)及び位置ずれにより生じる波面収差分布に基づいてその形状が設定されたものであり、透明電極10cは、波面収差を5つの値で近似した場合に対応する五つのパターン電極を有している。
【0099】
なお、パターン電極32に対応する領域は波面収差の値が0となる領域を含む領域であり、パターン電極31bに対応する液晶10gの領域とパターン電極30bに対応する液晶10gの領域は対称的な形状であり、透過する光ビームBに与える位相差の値は逆極性となっている。
【0100】
更に、パターン電極30aに対応する液晶10gの領域とパターン電極31aに対応する液晶10gの領域は対称的な形状であり、透過する光ビームBに与える位相差の値は逆極性となっている。
【0101】
なお、液晶10gの分割数(すなわち、上記パターン電極の数)を更に多くして液晶10gを細分化すれば、完全にDVD5のチルト角に起因する波面収差を打ち消すことができるが、そのために、例えば液晶10gを碁盤目状に分割することにより分割数を多くすると、一の当該区分領域毎に駆動信号を制御して印加する必要があり、そのためには、透明電極10cを各区分領域に分割して作成しなければならず、透明電極10cの作成及び引き出し線等の配線を作成するが困難となる。
【0102】
そこで、本実施形態の液晶パネル10においては、透明電極10cの分割形状を、先に示した図3(a)のように波面収差分布に類似した分割形状にすることにより、容易に作成可能であり、且つ当該波面収差を効率的に補償することができるように構成している。
【0103】
また、上述した図3乃至図6による説明では、DVD5のラジアル方向に生じた波面収差を補償する場合について説明したが、DVD5のタンジェンシャル方向に生じた波面収差を補償する場合については、上記位置ずれを考慮する必要がないため、透明電極10dの各パターン電極の形状を、透明電極10cの中心を対物レンズ4の光軸が通るとき当該対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c上に投影した形状と略同一の形状(図4中破線で示される形状)を90°回転させた形状とすれば、タンジェンシャル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を透明電極10dを使用して補償する場合に対応する。
【0104】
従って、透明電極10dにおける各パターン電極40a、40b、41a、41b及び42の形状についても、タンジェンシャル方向に平行な対称軸を対象とした波面収差分布(図5におけるX2−X2軸をタンジェンシャル方向とした場合の波面収差分布)に類似した形状とされている。
【0105】
次に、各透明電極10c及び10dに対する駆動信号Sdv1及びSdv2の印加による液晶10gの駆動について、図7及び図8を用いて説明する。
【0106】
なお、以下の説明は、DVD5のタンジェンシャル方向に生じている波面収差のみを補償するための実施形態を説明するものであり、DVD5のラジアル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差については無補償としている。すなわち、ラジアル方向のチルト角が0度であり、タンジェンシャル方向のチルト角のみがディスク上に存在している場合についての実施形態である。
【0107】
なお、以後の実施形態では、透明電極10c(ラジアル方向の波面収差を補償するための電圧を印加するための電極)に印加される駆動信号Sdv1を基準として説明を行う。
【0108】
更に、図7は各透明電極10c及び10dを構成するパターン電極に印加される駆動信号Sdv1及びSdv2の波形を示すものであり、図8はタンジェンシャル方向のチルト角が変化した場合の各パターン電極に対する駆動信号Sdv1及びSdv2の変化を示すものである。
【0109】
図7に示すように、タンジェンシャル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差のみを補償する場合には、透明電極10cにおける各パターン電極には、液晶10gに与える電位差の基準を示すものとして、夫々のパターン電極に同一の駆動信号Sdv1が印加される。すなわち、パターン電極30a、30b、31a、31b及び32の夫々に図7最上段乃至上から三段目に示す波形の駆動信号Sdv1が印加されるのである。この駆動信号Sdv1は、ラジアル方向のチルト角が0度のときに透明電極10cに印加される駆動信号に相当する。
【0110】
なお、図7最上段乃至上から三段目に示す駆動信号Sdv1は、それが印加されたとき、液晶パネル10を透過する光ビームの全領域に対して同一である基準の位相差を与え、光ビームの波面を変化させない、すなわち、ガラス板を光ビームが通過するのと同じ効果を有する位相差を与える駆動信号Sdv1である。更に、ラジアル方向及びタンジェンシャル方向のチルト角が共に0度であるときは、透明電極10cには上記の駆動信号Sdv1が夫々のパターン電極毎に印加され、一方、透明電極10dの全てのパターン電極は接地される。
【0111】
これに対して、タンジェンシャル方向の光軸の傾斜に起因する波面収差を補償するための透明電極10dには、図7上から四段目及び最下段に示す波形の駆動信号Sdv2が印加される。
【0112】
ここで、図7上から四段目及び最下段に示す駆動信号Sdv2は、透明電極10dにおけるパターン電極40a及び40bに対応する液晶10gの領域ではチルト角に起因する波面収差を補償するために光ビームBに与える位相差を減少させる必要があり、パターン電極41a及び41bに対応する液晶10gの領域ではチルト角に起因する波面収差を補償するために光ビームBに与える位相差を増加させる必要があるようなチルト角がタンジェンシャル方向に発生している場合に印加される駆動信号Sdv2である。
【0113】
このとき、パターン電極41a及び41bに対応する液晶10gの領域では光ビームBに与える位相差を上記基準の位相差より大きくする必要があり、当該領域の液晶10gに印加される電位差を大きくする必要がある。よって、図7上から四段目に示すように、パターン電極41a及び41bに対しては、上記駆動信号Sdv1とは逆相の駆動信号Sdv2が印加される。
【0114】
これに対して、パターン電極40a及び40bの領域では、光ビームBに与える位相差を上記基準の位相差より小さくする必要があり、この領域の液晶10gに印加される電位差を小さくする必要がある。よって、図7最下段に示すように、パターン電極40a及び40bに対しては、上記駆動信号Sdv1と同相の駆動信号Sdv2が印加される。
【0115】
このように、パターン電極41a及び41bに対して駆動信号Sdv1と逆相の駆動信号Sdv2が印加されると共に、パターン電極40a及び40bに対して駆動信号Sdv1と同相の駆動信号Sdv2が印加されることにより、液晶10gに対して、波面収差を補償するのに必要な位相差を光ビームBに与えるために必要な電位差が生じさせられるのである。
【0116】
一方、パターン電極41a及び41b並びに40a及び40bに与える駆動信号Sdv2の電圧は、後述するように、チルト検出信号Sp2に基づいてCPU21において算出された液晶10gにより光ビームBに与えるべき位相差に対応して設定される。
【0117】
具体的には、チルト角が大きくなれば波面収差の補償に必要な位相差が大きくなるため、液晶10gに印加される電位差を大きくする必要があり、駆動信号Sdv2の振幅が大きくなる。逆にチルト角が小さくなれば、波面収差の補償に必要な位相差が小さくなり、液晶10gにかかる電位差は小さくてよいので、駆動信号Sdv2の振幅は小さくなる。ここで、夫々の振幅の最大値と最小値の差が液晶10gにかかる電位差となる。
【0118】
なお、パターン電極42については常に接地されている。これは、パターン電極42の領域におけるチルト角に起因する波面収差量が小さく、補償する必要がないからである。
【0119】
次に、タンジェンシャル方向のチルト角が変化した場合に、透明電極10dの各パターン電極に印加される駆動信号Sdv2がどのように変化するかについて図8を用いて説明する。
【0120】
なお、図8は、タンジェンシャル方向のチルト角が零の場合(光ビームBの光軸とDVD5の情報記録面とのタンジェンシャル方向のなす角度が直角である理想的な場合)と、チルト角が正負いずれかの方向に変化した場合とについて、夫々、透明電極10c又は10dに含まれる各パターン電極に印加される駆動信号Sdv1及び駆動信号Sdv2の波形の変化(図8最上段乃至上から3段目)と、実際に液晶10gのパターン電極40a、40b、41a及び41bに対応する領域に加えられる電位差の変化(すなわち、各パターン電極に対応する領域を通過した光ビームBに与えられる位相差の大きさの変化。図8上から4段目乃至最下段)を示したものである。また、図8における太い両矢印は、チルト角の変化(右が正、左が負、中央がチルト角零)を示している。
【0121】
ここで、チルト角の正負の定義については、パターン電極40a及び40bに対応する光スポットSP内の領域に負の波面収差が生じるチルト角を正とし、逆にパターン電極40a及び40bに対応する光スポットSP内の領域に正の波面収差が生じるチルト角を負とする。
【0122】
まず、チルト角が零の場合を見てみると、この場合には、パターン電極40a、40b、41a及び41bには、いずれも駆動信号Sdv2は印加されない。この結果、液晶10gに印加される電圧は駆動信号Sdv1によるものだけとなり、よって、液晶10gに加えられる電位差も当該駆動信号Sdv1に起因するものだけとなって通過する光ビームBには光スポットSP内の全ての領域に上記基準の位相差が与えられ、光ビームBの波面が変化されることなく液晶パネル10を透過してDVD5に到達する。
【0123】
次に、DVD5の情報記録面が傾くことにより、チルト角が正の方向に増加したとすると、これを検出したチルト検出信号Sp2に基づいて、図8中最上段及び上から二段目の右側に夫々示すような波形の駆動信号Sdv2がパターン電極40a及び40b並び41a及び41bに印加される。
【0124】
すなわち、この場合には、透明電極10dのパターン電極40a及び40bに対応する液晶10gの領域では、波面収差をタンジェンシャル方向のチルト角に起因する波面収差分布に基づいて補償するために、上記基準の位相差よりも大きい位相差を与える必要がある。つまり、パターン電極40a及び40bに対応する液晶10gの領域には基準の位相差を発生させる電位差より大きい電位差を印加する必要がある。よって、パターン電極40a及び40bには、図8上から二段目の右側に示すように、対向している透明電極10cに印加されている駆動信号Sdv1に対して逆相の駆動信号Sdv2が印加される。
【0125】
一方、透明電極10dのパターン電極41a及び41bに対応する液晶10gの領域では、波面収差をタンジェンシャル方向のチルト角に起因する波面収差分布に基いて補償するために、上記基準の位相差よりも小さい位相差を与える必要がある。つまり、パターン電極41a及び41bに対応する液晶10gの領域には、基準の位相差を発生させる電位差より小さい電位差を印加する必要がある。そこで、パターン電極41a及び41bには、図8最上段の右側に示すように、対向している透明電極10cに印加されている駆動信号Sdv1に対して同相の駆動信号Sdv2が印加される。
【0126】
そして、この時でも、透明電極10cにおける各パターン電極には共通的に図8中上から三段目に示される波形の駆動信号Sdv1が印加されているので、結果として、液晶10gのパターン電極41a及び41bに対応する領域に加えられる電位差は図8中上から四段目の右側に示すような小さな振幅を有するものとなり、一方、液晶10gのパターン電極40a及び40bに対応する領域に加えられる電位差は図8中上から最下段の右側に示すような大きな振幅を有するものとなる。
【0127】
従って、液晶10gによりパターン電極41a及び41bに対応する領域を通過した光ビームBに与えられる位相差は小さくなり、また、パターン電極40a及び40bに対応する領域を通過した光ビームBに与えられる位相差は大きくなる。これにより、正の方向に生じているチルト角による波面収差を補償すべき位相差が光ビームBに与えられることとなる。
【0128】
なお、チルト角が負の方向に生じている場合については、上述の同様の理論により、パターン電極40a及び40bには、図8上から二段目の左側に示すように、対向している透明電極10cに印加されている駆動信号Sdv1に対して同相の駆動信号Sdv2が印加される。また、パターン電極41a及び41bには、図8最上段の左側に示すように、対向している透明電極10cに印加されている駆動信号Sdv1に対して逆相の駆動信号Sdv2が印加される。
【0129】
このように、DVD5のタンジェンシャル方向のチルト角を検出したチルト検出信号Sp2に基づいて透明電極10dにおける各電極パターンに印加される駆動信号Sdv2の波形が変化し、これにより、光ビームBに対して与えられる位相差が液晶10gの領域によって異なるので、当該チルト角に起因する波面収差を打ち消してこれを補償することができる。
【0130】
次に、実施形態の液晶パネル10を用いて波面収差を補償した場合の上記残留波面収差の程度とラジアル方向の位置ずれの程度との関係について、図9を用いて説明する。
【0131】
なお、図9は、透明電極10cの中心軸と対物レンズ4の光軸との間でラジアル方向の位置ずれがある場合において、当該位置ずれの大きさと液晶パネル10による補償後の残留波面収差の量との関係を実験的に求め、透明電極10cに含まれる各パターン電極の形状の設定に際して当該位置ずれがないとして設定した場合(図9中、■印で示す。)、当該位置ずれが0.3mmあるとして設定した場合(図9中、●印で示す。)及び当該位置ずれが0.5mmであるとして設定した場合(図9中、▲印で示す。)の夫々についてグラフ化したものである。
【0132】
図9から明らかなように、当該位置ずれが0.3mm存在するとして透明電極10c内の各パターン電極の形状を設定した場合には、当該各パターン電極の形状を、当該位置ずれがないとき当該対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c上に投影した形状と略同一の形状とした場合に比して、各中心軸間に位置ずれがないときに液晶パネル10を動作させたときの残留波面収差の量は若干増加するものの、各中心軸間に通常起こり得る0.3mmの位置ずれが発生しているときの当該残留波面収差の量は減少している。
【0133】
一方、当該位置ずれが0.5mm存在するとして透明電極10c内の各パターン電極の形状を設定した場合には、各中心軸間に0.5mmの位置ずれが発生しているときの残留波面収差は減少するが、各中心軸間に位置ずれがないときに液晶パネル10を動作させたときの残留波面収差の量及び各中心軸間に0.3mmの位置ずれがあるときに液晶パネル10を動作させたときの残留波面収差の量は共に増加してしまう。
【0134】
従って、位置ずれが0.3mmしかないときに当該位置ずれが0.5mm存在するとして透明電極10c内の各パターン電極の形状を設定すると、全体としての平均的な残留波面収差は逆に増加してしまうこととなる。
【0135】
この結果から、透明電極10c内の各パターン電極の形状の設定において考慮すべきラジアル方向の位置ずれの量としては、予測される当該位置ずれの最大値を考慮すべき位置ずれ量の上限とすべきことが理解できる。
【0136】
以上説明したように、実施形態の液晶パネル10によれば、透明電極10c内の各パターン電極の形状が、対物レンズ4の光軸と液晶パネル10の中心軸(すなわち、透明電極10cの中心軸)との間のラジアル方向の位置ずれが存在しているときに波面収差を補償する形状であり、且つ当該ラジアル方向に垂直な対称軸を中心として線対称の形状とされているので、予め位置ずれの発生が予測されている場合でも、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
【0137】
また、位置ずれがDVD5におけるラジアル方向の位置ずれであるので、位置ずれが発生し易いラジアル方向について、当該位置ずれ発生後でも発生する波面収差を効果的に補償することができる。
【0138】
更に、各パターン電極の形状が、位置ずれがないとした場合の当該各パターン電極の形状に基づいて設定されているので、位置ずれがないに発生する波面をも実用上問題ない程度に補償することができる。
【0139】
更にまた、各パターン電極の形状が、対物レンズ4の瞳面上における波面収差の分布の形状に基づいて設定されているので、より効果的に当該波面収差を補償することができる。
【0140】
また、位置ずれが光ピックアップ13の製造工程上における位置合わせ精度及びDVD5からの情報再生時におけるトラッキングサーボ制御時に発生する対物レンズ4の中心軸と液晶パネル10の中心軸との相対的な位置ずれに基づいて予め設定されているので、実際の再生中において発生する位置ずれに対応して効果的に波面収差を補償することができる。
【0141】
更に、透明電極10dがDVD5におけるタンジェンシャル方向に生じる波面収差分布に対応した形状を有する複数のパターン電極40a、40b、41a、41b及び42により構成されていると共に、各パターン電極の領域にチルト角に起因する波面収差を補償するための位相差を発生させるための駆動信号が独立に印加されるので、各パターン電極の位置に応じて液晶10gに加えられる電位差が異なることとなり、DVD5のタンジェンシャル方向に生じる波面収差を効果的に補償することができる。
【0142】
更にまた、波面収差が補償された光ビームBを用いてDVD5上の記録情報が再生されるので、正確に記録情報を再生することができる。
【0143】
(II)変形形態
次に、本発明の変形形態について、図10を用いて説明する。
【0144】
上述の実施形態においては、透明電極10c内の各パターン電極の形状を、透明電極10cの中心軸と対物レンズ4の光軸との間の予測されるラジアル方向の位置ずれが0.3mmであるとして設定したが、変形形態の液晶パネルにおいては、当該各パターン電極の形状が、当該予測される位置ずれを0.5mmであるとして設定される。
【0145】
すなわち、実際の光ピックアップ13の製造工程においては突発的に位置合わせ精度が極端に劣化する場合があり、更に、DVD5からの情報の再生時においても例えばいわゆるトラックジャンプ時等においては、通常のトラッキングサーボ制御時に比して対物レンズ4のラジアル方向の移動量が更に大きくなる。
【0146】
従って、このような状況をも考慮すると、透明電極10c内の各パターン電極の形状設定においては、予測されるラジアル方向の位置ずれを0.5mmとして設定した方がよい。
【0147】
すなわち、図10に示すように、パターン電極30a’、30b’、31a’、31b’及び32’の形状は、透明電極10c’の中心を対物レンズ4の光軸が通るとき当該対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c’上に投影した形状と略同一の形状(図10中、破線で示す)に対して、透明電極10c’の中心軸の位置と対物レンズ4の光軸の位置とがラジアル方向に0.5mmずれているとき(当該ずれているときに対物レンズ4を通過する光ビームBの範囲を透明電極10c’に投影した範囲SP’を図10中一点鎖線で示す。)に対物レンズ4の瞳面上に発生する波面収差の分布を透明電極10c’上に投影した形状を考慮すると共に、ラジアル方向に垂直な方向の軸を中心として線対称となるように設定される。
【0148】
なお、この形状の設定方法については、上記実施形態中(i)乃至(iv)で示した方法において考慮すべき位置ずれを0.5mmとした場合と同様である。
【0149】
そして、この手順によって形成された各パターン電極の形状は、図10に示すように、位置ずれがないとしたときの各パターン電極の形状(図10中破線で示す。)を実施形態の透明電極10cに比して更にラジアル方向に夫々引き伸ばしたような形状となる。
【0150】
このように設定された各パターン電極を有する透明電極10c’によれば、実施形態の透明電極10cの効果に加えて、ラジアル方向の上記位置ずれが極端に大きくなっても、波面収差の補償効果の劣化を低減することができる。
【0151】
なお、上述の実施形態及び変形形態では情報再生装置Sにおける液晶パネル10に対して本発明を適用した場合について説明したが、これ以外に、本発明は、予め記録媒体に記録されているアドレス情報等を読み出しつつ当該記録媒体に情報を記録する情報記録装置において、記録用の光ビームの光軸と当該記録媒体の情報記録面との間の傾斜に起因して当該光ビームの照射範囲内に発生する波面収差を補償する液晶パネルに対して適用することも可能である。
【0152】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、各部分透明電極の形状が、集光手段の中心軸と当該液晶パネルの中心軸との間の光軸に垂直な面内の予め設定された位置ずれが存在しているときに波面収差を補償する形状であるので、予め位置ずれの発生が予測されている場合でも、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
また、位置ずれの方向が予め特定できない場合でも、相互に反対方向に発生する少なくとも二通りの位置ずれに対応して当該位置ずれに起因する補償効果の劣化を防止し、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができる。
さらに、位置ずれがディスク状記録媒体における半径方向の位置ずれであるので、位置ずれが発生し易い半径方向について、当該位置ずれ発生後でも、発生する波面収差を効果的に補償することができる。
【0154】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、各部分透明電極の形状が、位置ずれがないとした場合の当該各部分透明電極の形状に基づいて設定されているので、位置ずれがない場合に発生する波面をも補償することができる。
【0155】
請求項に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、各部分透明電極の形状が、集光手段の瞳面上における波面収差の分布に基づいて設定されているので、より効果的に当該波面収差を補償することができる。
【0157】
請求項に記載の発明によれば、請求項1からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、位置ずれが液晶パネル及び集光手段を含む光ピックアップの製造工程上における位置合わせ精度及び記録媒体に対する情報の記録/再生時に発生する集光手段の中心軸と液晶パネルの中心軸との相対的な位置ずれに基づいて予め設定されているので、実際の記録/再生中において発生する位置ずれに対応して効果的に波面収差を補償することができる。
【0161】
請求項に記載の発明によれば、請求項1からのいずれか一項に記載の発明の効果に加えて、予め想定された液晶パネルの中心軸と集光手段の中心軸との間の位置ずれが実際に発生しても、当該位置ずれに起因する補償効果の劣化がなく、当該位置ずれ発生後の波面収差を効果的に補償することができることとなり、例えば、波面収差により記録媒体上の情報が誤検出されることを防止できる。
【0162】
請求項に記載の発明によれば、請求項に記載の発明の効果に加えて、液晶パネルの中心軸と集光手段の中心軸との間で位置ずれが発生しても波面収差を補償して良好に情報を再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の情報再生装置の概要構成を示すブロック図である。
【図2】液晶パネルの構成を示す縦断面図であり、(a)は液晶分子が水平状態の液晶を示す縦断面図であり、(b)は液晶分子が斜めの液晶を示す縦断面図であり、(c)は液晶分子が垂直の液晶を示す縦断面図である。
【図3】実施形態の透明電極の構成を示す平面図であり、(a)はラジアル方向用の透明電極の構成を示す平面図であり、(b)はタンジェンシャル方向用の透明電極の構成を示す平面図である。
【図4】実施形態における透明電極内の各パターン電極の形状を示す図である。
【図5】波面収差の分布を示す平面図である。
【図6】波面収差の大きさを示す図である。
【図7】実施形態の各パターン電極に印加される駆動信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図8】実施形態における液晶に加えられる電位差を示す図である。
【図9】位置ずれの量と残留波面収差の量との関係を示す図である。
【図10】変形形態における透明電極内の各パターン電極の形状を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザダイオード
2…ハーフミラー
4…対物レンズ
5…DVD
6…集光レンズ
7…受光器
10…液晶パネル
11…ラジアル方向チルトセンサ
12…タンジェンシャル方向チルトセンサ
13…光ピックアップ
14…スピンドルモータ
20…再生制御部
21…CPU
22、25…A/D変換器
23、26…PWM回路
24、27…増幅器
Sr…検出信号
Sd…再生信号
Sdv1、Sdv2…駆動信号
Sp1、Sp2…チルト検出信号
10a、10b…ガラス基板
10c、10c’、10d…透明電極
10e、10f…配向膜
10g…液晶
30a、30a’、30b、30b’、31a、31a’、31b、31b’、32、32’、40a、40b、41a、41b、42…パターン電極
SP、SP’…光スポット
M…液晶分子

Claims (6)

  1. 情報を記録/再生するための光ビームの光路上に配置され、当該光ビームの光軸と、当該情報が記録/再生される記録媒体における情報記録面との間の傾斜に起因して当該情報記録面上に発生する波面収差を、前記光ビームに位相差を与えることにより補償する液晶パネルにおいて、
    当該液晶パネルの液晶に電圧を印加するための透明電極であって、前記補償すべき波面収差の分布に対応した形状を有する複数の部分透明電極により構成される透明電極を有すると共に、
    各前記部分透明電極の形状が、前記光ビームを前記情報記録面上に集光する集光手段の中心軸と当該液晶パネルの中心軸との間の前記光軸に垂直な面内の位置ずれであって、当該位置ずれの方向に垂直な対称軸を中心として線対称の形状とされ、かつ予め設定された大きさの位置ずれが存在しているときに発生する前記波面収差を補償する形状とされ
    前記記録媒体はディスク状記録媒体であると共に、
    前記透明電極のパターン形状は、位置ずれが存在しないときの電極パターン形状をラジアル方向に引き伸ばした形状であることを特徴とする液晶パネル。
  2. 請求項に記載の液晶パネルにおいて、
    各前記部分透明電極の形状が、前記位置ずれがないとした場合の当該各部分透明電極の形状に基づいて設定されていることを特徴とする液晶パネル。
  3. 請求項1又は2に記載の液晶パネルにおいて、
    各前記部分透明電極の形状が、前記集光手段の瞳面上における前記波面収差の分布に基づいて設定されていることを特徴とする液晶パネル。
  4. 請求項1からのいずれか一項に記載の液晶パネルにおいて、
    前記位置ずれは、前記液晶パネル及び前記集光手段を含む光ピックアップの製造工程上における前記液晶パネルの中心軸と前記集光手段の中心軸との位置合わせ精度及び前記記録媒体に対して前記情報を記録/再生する際に当該集光手段が前記光軸に垂直な面内で移動することにより発生する当該集光手段の中心軸と前記液晶パネルの中心軸との相対的な位置ずれに基づいて予め設定されていることを特徴とする液晶パネル。
  5. 請求項1からのいずれか一項に記載の液晶パネルと、
    前記光ビームを出射する光源と、
    各前記部分透明電極に電圧を印加することにより、前記光ビームに前記位相差を与える電圧印加手段と、
    前記液晶パネルを通過した前記光ビームを前記記録媒体上に集光する前記集光手段と、
    前記集光手段により集光され、当該記録媒体から反射された前記光ビームを受光し受光信号を出力する受光手段と、
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  6. 請求項に記載の光ピックアップと、
    前記記録媒体に前記情報が記録されているとき、前記受光信号に基づいて当該情報を再生する再生手段と、
    を備えることを特徴とする情報再生装置。
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