JP2000035722A - 定電流電源を用いた接触転写装置の電流値を定める方法 - Google Patents

定電流電源を用いた接触転写装置の電流値を定める方法

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JP2000035722A
JP2000035722A JP11205674A JP20567499A JP2000035722A JP 2000035722 A JP2000035722 A JP 2000035722A JP 11205674 A JP11205674 A JP 11205674A JP 20567499 A JP20567499 A JP 20567499A JP 2000035722 A JP2000035722 A JP 2000035722A
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Tatsuro Osawa
達朗 大澤
Yasuhito Hirashima
安人 平島
Yoshiro Koga
欣郎 古賀
Toshiya Takahata
俊哉 高畑
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定電流制御により転写を行う転写装置の小型
化、低コスト化および、画像メモリの発生しない良好な
画像が得られる接触転写装置を提供すること。 【構成】 潜像担持体1上のトナーを被転写体12へ転
写するための潜像担持体1に圧接してなる抵抗値109
Ω以下の転写ローラ13と、この転写ローラ13に接続
された定電流電源14とにより転写装置を構成してい
る。そして、定電流電源14の電流値を、所定の範囲内
に制御することにより、画像濃度を満足し、かつ画像メ
モリの発生をなくすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、あるいはプリンタ等の電子写真方式を採る画像形成
に関し、より詳しくは、低抵抗な接触転写部材を用いる
接触転写装置の電流値を定める方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コロナ転写にかわってローラやベ
ルトを主とした接触転写が用いられるようになり、帯電
手段も接触帯電を用いるようになっている。ローラ転写
などの接触転写は、転写位置に搬送されてくる被転写体
が潜像担持体と転写ローラなどの接触転写部材とによっ
て、しっかり固定されるため画像ズレや画像ボケを招く
こともなく、潜像担持体上に形成された画像を忠実に転
写できる。また、コロナ転写に比べてオゾンの発生が格
段に少ないなどの長所があった。
【0003】接触転写を実現するために、接触転写部材
に対してある一定の定電圧を印加する定電圧制御による
転写が検討されてきた。JAPAN HARD COP
Y1991 FALL「中抵抗弾性体を用いたローラ転
写方式」には、定電圧制御による転写を実現するにはロ
ーラ(接触転写部材)の抵抗が5.16×108 Ω以上
必要であると述べられている。けれども、定電圧制御に
よる転写は紙を主とした被転写体や接触転写部材の抵抗
値が環境などにより大きく変化するため、所定の電流が
常に得られず良好な転写を行うのは困難であった。特
に、先の論文で言われている抵抗のローラは、ローラ抵
抗の製造バラツキ、環境による変動が大きいという問題
があった。
【0004】そこで、定電圧制御による転写の改良とし
て、特開平2−123385号公報に開示されているA
TVCなるローラ抵抗を検知し最適電圧を印加する方法
が提案されている。けれども、ローラ抵抗を検知するた
めに電源を余計に必要とするなど、コストアップや装置
の大型化、複雑化を招くといった問題があった。
【0005】一方、被転写体や接触転写部材の抵抗値変
動に対し良好な転写を実現する方法として、USP3,
781,105号等にみられる定電流制御が検討されて
いる。定電流制御の場合、数μAという非常に小さい電
流を扱うため、高精度の電源を必要としコスト高になる
という問題があった。また、従来の高抵抗接触転写部材
を用いた場合、出力電圧が3〜4kVも必要となり、電
源の大型化やコストアップを招いてしまうという問題が
あった。また、そのような高電圧が印加されると、潜像
担持体の絶縁耐圧を超え潜像担持体を破壊してしまい、
帯電不良および転写不良を生じ良好な画像が得られない
という問題があった。ところで、先の論文によれば、
5.16×108 Ω以下の低抵抗ローラについて定電圧
制御による転写ができない理由として、画像メモリが生
じてしまうからと述べられている。そして、画像メモリ
を満足する条件は、潜像担持体と接触転写部材が直接触
れている状態(非通紙状態)での転写電流ID がID
3μAと定義している。すなわち、帯電手段の帯電電流
を超えないことが画像メモリを満足する条件としてい
る。しかしながら、低抵抗ローラを用いた定電流制御に
よる転写装置において、先の論文で画像メモリが発生し
ないとされる電流値を用いても、画像メモリが発生して
しまうという問題が生じた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたように
低抵抗な接触転写部材を用いた場合、画像メモリが発生
してしまうという問題があった。また、定電流制御を行
う場合、電源の精度を要求するとコスト高となってしま
うという問題があった。また、従来の高抵抗接触転写部
材を用いると、出力電圧が3〜4kV程度必要になり電
源の大型化、コストアップを招いてしまう問題や、潜像
担持体の耐圧を超える電圧が発生し潜像担持体を破壊す
るなどの問題があった。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、低抵抗な接触転写部
材を用いて、画像メモリのない良好な画像が得られる接
触転写装置を得るための方法を提供することにある。さ
らに他の目的は、電源の小型化、低コスト化、ついては
装置のより一層の小型化、低コスト化を図ることのでき
る接触転写装置を得るための方法を提供することにあ
る。さらには他の目的は、ローラ抵抗の製造バラツキ等
による転写特性の変動を低減できる接触転写装置を得る
ための方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の定電流電源を用
いた接触転写装置の電流値を定める方法は、潜像担持体
に圧接してなる接触転写部材を有し、前記接触転写部材
を定電流電源に接続して、前記潜像担持体上のトナーを
被転写体に転写する定電流電源を用いた接触転写装置の
電流値を定める方法において、接触転写部材と潜像担持
体との接触面における長手方向の長さL(mm)、プロ
セス速度VP (mm/s)、潜像担持体の感光層の膜厚
d(μm)、感光層の比誘電率εo が所定の値に定まっ
てなる接触転写装置を用いて、接触転写部材の抵抗R
(Ω)を変化させたときの印字デュ−ティによらず画像
メモリの発生しない転写電流It(μA)の関係を実測
して、転写電流Itが満足すべき上限を不等式化し、そ
の転写電流Itが、感光層の膜厚dと反比例の関係にあ
り、接触面における長手方向の長さL、プロセス速度V
P と比例関係にある関数以下のときに印字デュ−ティに
よらず画像メモリが発生しないことと、実測により得ら
れた不等式の上限の式が接触転写装置に定まっている具
体的な接触面における長手方向の長さ、プロセス速度、
感光層の膜厚の値のときの前記関数の値であることとか
ら、実測で得られた不等式の上限の式を接触面における
長手方向の長さL、プロセス速度VP 、感光層の膜厚d
について一般化することにより、接触転写部材の抵抗
R、接触面における長手方向の長さL、プロセス速度V
P 、感光層の膜厚dに対して転写電流Itが満足すべき
範囲を求めることを特徴とする方法である。
【0009】この場合に、接触転写部材と潜像担持体と
の接触面における長手方向の長さL(mm)、プロセス
速度VP (mm/s)、潜像担持体の感光層の膜厚d
(μm)、感光層の比誘電率εo が所定の値に定まって
なる接触転写装置を用いて、転写良好域下限の転写電流
を実測して、転写電流Itが満足すべき下限を不等式化
し、その転写電流Itが、接触面における長手方向の長
さL、プロセス速度VP と比例関係にある関数以上のと
きに転写良好となることと、実測により得られた不等式
の下限の式が接触転写装置に定まっている具体的な接触
面における長手方向の長さ、プロセス速度の値のときの
前記関数の値であることとから、実測で得られた不等式
の下限の式を接触面における長手方向の長さL、プロセ
ス速度VP について一般化することにより、接触面にお
ける長手方向の長さL、プロセス速度VP に対して転写
電流Itが満足すべき範囲を求めることが望ましい。
【0010】また、接触転写部材と潜像担持体との接触
面における長手方向の長さL(mm)、プロセス速度V
P (mm/s)、潜像担持体の感光層の膜厚d(μ
m)、感光層の比誘電率εo が所定の値に定まってなる
接触転写装置を用いて、トナーの外添剤の量x(単位w
t%)を変化させたときの画像濃度を満足する転写電流
It(μA)の関係を実測して、転写電流Itが満足す
べき上限を不等式化し、その転写電流Itが接触面にお
ける長手方向の長さL、プロセス速度VP と比例関係に
ある関数以下のときに転写良好となることと、実測によ
り得られた不等式の上限の式が接触転写装置に定まって
いる具体的な接触面における長手方向の長さ、プロセス
速度の値のときの前記関数の値であることとから、実測
で得られた不等式の上限の式を接触面における長手方向
の長さL、プロセス速度VP について一般化することに
より、トナーの外添剤の量x、接触面における長手方向
の長さL、プロセス速度VP に対して転写電流Itが満
足すべき範囲を求めることが望ましい。
【0011】
【実施例】まず、図1を用いて、本発明に用いた画像形
成装置について説明する。図1は、本発明に用いた画像
形成装置の要部側面概略図である。
【0012】装置中央に潜像担持体1が配置され、その
周りに帯電ローラ2と、半導体レーザーを用いた露光手
段4と、現像器5と、接触転写部材である転写ローラ1
3と、クリーニング装置17がある。
【0013】潜像担持体1は直径が30mm、導電性基
材上に形成された感光層の膜厚が17μm、比誘電率
3.2の2層型有機感光体であり、矢印の方向にプロセ
ス速度24mm/sで回転駆動している。帯電ローラ2
は定電圧電源3に接続されていて、帯電時には−115
0Vが印加され潜像担持体1を−500〜−700Vに
帯電させる。帯電ローラ2は直径が16mmであり、直
径6mmの金属製芯金の外周にウレタンソリッドゴムが
形成されており、107 〜108 Ωの抵抗値である。所
定電位に帯電された潜像担持体1は、半導体レーザなど
を用いた露光装置4によって画像信号に基づき静電潜像
が形成される。潜像担持体1上に形成された静電潜像に
は現像器5によって負帯電したトナーが現像される。現
像器5は、潜像担持体1上にトナーを現像させるための
直径16mmの現像ローラ6と、現像ローラ6上にトナ
ーを供給するための直径13mmの供給ローラ7と、現
像ローラ6上に搬送されるトナーの量を規制し、トナー
を負帯電させるためのステンレス製規制ブレード8から
なる。トナーは、着色剤としてカーボンが分散された樹
脂母材の表面にシリカ等の外添剤が所定量外添されてい
る。現像時には、電源9から現像ローラと供給ローラの
金属製芯金に−270Vが印加され、現像ローラ上に搬
送された負帯電トナーが現像される。給紙カセット11
にセットされた紙を主とする被転写体12は、ピックア
ップローラ10によって紙ガイド16を通り転写位置ま
で搬送される。
【0014】被転写体12が転写位置に到達するのと同
期して、潜像担持体1上に形成されたトナー像は、定電
流電源14から所定の転写電流を転写ローラ13に所定
時間印加され被転写体12へ転写される。潜像担持体1
と転写ローラ13との間に被転写体12が介在しないと
きには、定電圧電源15からクリーニングバイアス−9
00Vが印加されるようになっている。なお転写ローラ
13は、直径16mmであり直径6mmの金属製芯金の
外周にセル径が50〜150μmのウレタン発泡ゴムが
形成されている。転写ローラに用いる発泡ゴムとして
は、シリコーン発泡ゴム、EPDM発泡ゴム、NBR発
泡ゴム、スチレン系発泡ゴム、ポリエチレン発泡ゴムな
どがある。転写ローラ13の硬度は30〜35゜(AS
KER C)で、抵抗値は104 〜109 Ωのものを用
いた。なお、転写時に所定電流を印加すると10℃15
%RH環境下では1〜2kV程度の転写電圧が発生し、
35℃65%RH環境下では200〜1200V程度の
転写電圧が発生した。
【0015】転写ローラ13は、長手方向の長さが22
0mmであり、転写ニップ2〜4mmを形成するよう総
荷重1〜2kgで潜像担持体1に対して圧接され、ギヤ
により潜像担持体1の駆動を受けて潜像担持体1と等速
で従動駆動している。また、転写ローラ13の抵抗は、
潜像担持体1と同一径の円筒状電極に転写ローラ13を
転写条件と同一の荷重(1〜2kg)で圧接しながら円
筒状電極と転写ローラ13を従動回転させ、転写条件と
同一の電流を印加し測定した。そのときの環境は10℃
15%RHであった。転写ニップを通過した被転写体1
2は紙ガイド16に沿って定着器に搬送される。被転写
体12上のトナー像は、約150℃に加熱されたヒート
ローラ21とバックアップローラ22によって定着され
たあと、排紙ローラ23によって装置の外へ排出され
る。ヒートローラ21は106 Ωの抵抗を有し、ヒート
ローラ21の軸受けは絶縁性であり電気的にフロート状
態になっている。バックアップローラ22は1013Ωの
抵抗を有し、バックアップローラ22の金属製芯金は接
地されている。なお、転写ニップと、バックアップロー
ラ22とヒートローラ21によって形成される定着ニッ
プ間の距離は、50mmになっている。また、潜像担持
体1上の転写残りトナーはクリーニング装置17に回収
される。詳しくは、クリーニングブレード18によって
潜像担持体1上のトナーは掻き落とされ、スクリュ−1
9によって排トナーボックス20へと回収される。尚、
潜像担持体1として以下有機感光体を例にとって実施例
を述べるが、潜像担持体1は有機感光体に限定されるも
のではなく、セレン等を用いた無機感光体や誘電体を導
電体に付着させた誘電物質を使用することができる。
【0016】以下、本発明を図に基づき詳述していく。
【0017】図2は、10℃15%RH環境下における
ローラ抵抗と転写電圧の関係を示した図である。詳しく
は、幅216mmの被転写体(紙水分2%)に全面黒の
画像を所定電流により良好に転写できるときの転写電圧
であり、紙を主とした被転写体や接触転写部材が高抵抗
化するこの環境において最大の転写電圧である。ローラ
抵抗がおよそ109 Ωを超えると転写電圧は急激に大き
くなり、ローラ抵抗に対する転写電圧の変動が非常に大
きいことがわかる。定電流による転写を行う場合、先の
転写電圧の変動が大きいと、電源に余計なマージンを必
要とし電源の大型化、コストアップを招いてしまい好ま
しくない。また、本実施例に用いた潜像担持体の絶縁耐
圧は2kVであるので、発生電圧が2kV以下になるよ
うローラ抵抗を109 Ω以下にする必要がある。以上の
ことから、我々は用いる接触転写部材の抵抗を109 Ω
以下とした。
【0018】画像メモリに関して、従来は転写電流3μ
A以上で画像メモリが発生すると言われていた。詳しく
は、画像メモリを発生させないためには、潜像担持体と
接触転写部材とが直接触れる非通紙状態において、感光
体をプラスに帯電させる電流値以上流さないことが条件
であると言われていた。また、従来の技術では低抵抗の
接触転写部材は使いこなせなかった。しかしながら、我
々は画像メモリに関して印字デュ−ティと画像メモリの
発生する転写電流の関係を見いだし、従来使いこなせな
かった低抵抗の接触転写部材を用いても画像メモリが発
生しない転写条件を確立した。(印字デュ−ティとは、
転写ニップにおける画像部の占める割合(面積比)のこ
とを意味し、以下このことを印字デュ−ティと呼ぶ。)
以下、図を用いて詳述する。
【0019】我々は印字デュ−ティに着目し、図7およ
び図8にあるような画像パターンを用い、印字デュ−テ
ィを0〜100%の範囲で変化させて印字し、転写した
画像部(以下、黒部と呼ぶ)および非画像部(以下、白
部と呼ぶ)のそれぞれについて次回帯電後の潜像担持体
表面電位(以下、帯電後表面電位と呼ぶ)を測定した。
帯電後表面電位の測定には、表面電位計(トレック社製
モデル344)を用いて測定した。表面電位計は、図1
の帯電ローラ2と露光装置4の間の、潜像担持体の長手
方向に対してほぼ中央に配置されている。なお、転写電
流は0〜5μAの範囲で変えて行っている。
【0020】10℃15%RH環境下および35℃65
%RH環境下において、被転写体としてコピー用普通紙
(紙水分量は10℃15%RH環境下で約2.5%、3
5℃65%RH環境下で約9%)を用いて上記の測定を
実施した。また、各環境下での潜像担持体の帯電電位
は、10℃15%RH環境下で−580〜−600V、
35℃65%RH環境下で−600〜−620Vであ
る。
【0021】図6は、10℃15%RH環境下におけ
る、転写電流3μAで転写したときの黒部および白部の
帯電後表面電位と印字デュ−ティの関係を示した図であ
る。黒部の帯電後表面電位は印字デュ−ティによってあ
まり変わらないのに対し、白部の帯電後表面電位は印字
デュ−ティによって大きく変わることがわかる。印字デ
ュ−ティ約70%を超えるあたりから白部の帯電後表面
電位が黒部の帯電後表面電位より低くなり、印字デュ−
ティが高くなるほどますます低くなる傾向にある。
【0022】これは、黒部のインピーダンスが白部のイ
ンピーダンスより大きいため、黒部には電流が流れにく
く、転写電流(総電流)の大半が白部に集中して流れる
ためである。また、白部が微小であるほど(印字デュ−
ティが高いほど)白部に電流が集中して流れやすくな
る。そのため、転写電流(総電流)としては小さくて
も、単位面積当たりの白部に流れる電流が、非通紙時に
メモリが発生する転写電流(総電流)の単位面積当たり
に流れる電流とほぼ等しくなり、局部的な画像メモリが
生じると考えられる。
【0023】図3は、10℃15%RHおよび35℃6
5%RH環境下において、上記の実験より得られた印字
デュ−ティと画像メモリの発生する転写電流との関係を
示した図である。転写ローラは4×105 Ωのものを用
いている。35℃65%RH環境下では、紙などの吸湿
性を持つ被転写体は低抵抗化するため、白部と黒部のイ
ンピーダンスの差が拡大し、画像メモリが発生しやすく
なっている。図3から全環境において印字デュ−ティに
よらず画像メモリが発生しない条件は、 It≦2.0μA ・・・(1) である。ただし、Itは転写電流(μA)である。な
お、図3においてトナーの外添剤の量は0.8wt%で
あったが、トナーの外添剤の量によって画像メモリに関
して違いはない。
【0024】図4は、35℃65%RH環境下におけ
る、ローラ抵抗と画像メモリの発生しない転写電流との
関係を示した図である。ローラ抵抗を104 〜109 Ω
の範囲で変え、先の実験と同様にして行った。図4か
ら、ローラ抵抗を高くすると、印字デュ−ティによらず
画像メモリを満足する電流値が、印字デュ−ティ0%の
ときの電流値(4.2μA)に近づいていくのがわか
る。
【0025】ローラ抵抗が108 Ω以上では、画像メモ
リに対して4μA以下で良好であり、ローラ抵抗によっ
てほとんど変わらない。これは、ローラ抵抗を高くすれ
ば、黒部と白部のインピーダンスの差が小さくなるため
である。よって、従来用いられていた高抵抗ローラとい
うのは、印字デュ−ティによってほとんど影響を受けな
いため、印字デュ−ティ0%(もしくは非通紙時)にお
いて画像メモリを満足していればほとんど問題がなかっ
た。一方、本発明で用いる接触転写部材は低抵抗である
ため、画像メモリに関する従来の知見では不充分であ
り、画像メモリを満足するためには本発明により定義さ
れる電流値範囲にする必要がある。
【0026】図5は、図4の結果からローラ抵抗と印字
デュ−ティによらず画像メモリの発生しない転写電流と
の関係を示した図である。用いるローラ抵抗に対し、次
式を満たす転写電流を用いることにより、印字デュ−テ
ィによらず画像メモリを満足できる。
【0027】 It≦0.825 {log(R)-3.15}、かつ、It≦4 ・・・(2) ただし、Itは転写電流(μA)、log(R)は転写
ローラの抵抗の対数値(Ω)であり、log(R)≦9
である。
【0028】さらに、式(2)はプロセス速度、潜像担
持体の感光層の膜厚、転写ローラと潜像担持体との接触
面における長手方向の長さ、によって変化する。詳しく
は、Q=C・Vにおいて、静電容量Cは、 C=εεo (n・L/d) であり、電荷Qは、 Q=I・t=I(n/VP ) と表せる。ただし、εは真空の誘電率、εo は潜像担持
体の感光層の比誘電率、nは転写ニップ、Lは潜像担持
体と転写ローラの接触面における長手方向の長さ、dは
潜像担持体の感光層の膜厚、tは時間、VP はプロセス
速度である。よって、電流Iは、 I={(εεo L/d)VP }V ={(εεo LVP /d}V と表せられる。ただし、Vは潜像担持体の帯電電位の絶
対値(V)である。電流Iを転写電流Itに置き換えて
考えれば、転写電流Itは膜厚dと反比例の関係があ
り、長さL、速度VP とは比例関係にあることがわか
る。
【0029】このように、転写電流Itは、潜像担持体
の感光層の膜厚dに反比例し、転写ローラの長手方向の
長さL、プロセス速度VP に比例することがわかるの
で、式(2)から次のように表すことができる。
【0030】 It≦K{log(R)-3.15}・L・VP /d ・・・(A−1) かつ、 It≦K’・L・VP /d ・・・(A−2) ただし、K,K’は比例定数である。
【0031】ここで、式(2)を求めるための転写ロー
ラの長手方向の長さL、プロセス速度VP 、潜像担持体
の感光層の膜厚dは、L=220mm,VP =24mm
/s,d=17μmであるので、式(2)と式(A−
1),(A−2)の対比から、 0.825{log(R)-3.15}=K{log(R)-3.15}・220 ・24/17 ・(B−1) かつ、 4=K’・220 ・24/17 ・・・(B−2) となり、この式(B−1),(B−2)から、 K=0.825 /(220 ・24/17)=2.66×10-3 ・・・(C−1) K’=4/(220 ・24/17)=1.29×10-2 ・・・(C−2) となり、比例定数K,K’が定まる。求まったK,K’
をそれぞれ式(A−1),(A−2)に代入すると、式
(2)に示す印字デュ−ティによらず画像メモリを満足
する転写電流Itは、 It≦2.66×10-3{log(R)-3.15}・L・VP /d かつ It≦1.29×10-2・L・VP /d ・・・(3) となる。ただし、Itは転写電流(μA)、log
(R)は転写ローラの抵抗の対数値(Ω)でありlog
(R)≦9、Lは潜像担持体と転写ローラの接触面にお
ける長手方向の長さ(mm)、VP はプロセス速度(m
m/s)、dは潜像担持体の感光層の膜厚(μm)であ
る。
【0032】図9は、トナーの外添剤の量と画像濃度を
満足する転写良好域との関係を示した図である。画像濃
度を満足するためには、転写効率90%以上もしくは紙
上トナー付着量0.7mg/cm2 以上を満足する必要
がある。本実施例においては、潜像担持体に現像される
トナーの量が、0.8〜0.9mg/cm2 であったか
ら、転写効率90%以上を満たせば充分である。よっ
て、転写効率90%以上を画像濃度についての転写良好
域とした。図9にあるように、トナーの外添剤の量を多
くするほど画像濃度を満足する転写良好域が広くなる。
したがって、トナーの外添剤の量を多くするほど電源の
精度が必要となくなり電源の低コスト化が実現できた。
また、転写良好域下限の転写電流(画像濃度を満足する
ために最低限必要な転写電流)は、トナーの外添剤の量
によらず0.7μAである。よって、転写電流は0.7
μA以上にする必要がある。また、トナーの外添剤の量
をx(単位wt%)、転写電流をIt(単位μA)とし
たとき、画像濃度を満足するためには次式の関係を満た
す必要がある。
【0033】 0.7 ≦It≦{14.3(x−0.03)}1/2 ・・・(4) さらに、先の式I={(εεo LVP /d}Vにおい
て、dをトナー層の厚さ、εo をトナーの比誘電率、V
をトナー層に印加される電圧、と置き換えトナーに関し
て考えれば、画像濃度を満足する(トナー層にある電圧
Vを印加する)転写電流は、速度VP と長さLに依存し
比例する。
【0034】したがって、式(4)から次のように表す
ことができる。
【0035】 m・L・VP ≦It≦{m’(x−0.03)}1/2 ・L・VP ・・(D) ただし、m,m’は比例定数である。
【0036】ここで、式(2)を求めるための転写ロー
ラの長手方向の長さL、プロセス速度VP は、L=22
0mm,VP =24mm/sであるので、式(4)と式
(Dの対比から、 0.7=m・220 ・24 ・・・(E−1) かつ、 {14.3(x−0.03)}1/2 ={m’(x−0.03)}1/2 ・220 ・24 ・・・(E−2) となり、この式(E−1),(E−2)から、 m=1.32×10-4 ・・・(F−1) となり、また、m’1/2 =(14.3)1/2 /(220 ・24)
から、 m’=5.129 ×10-7 ・・・(F−2) となり、比例定数m,m’が定まる。求まったm,m’
を式(D)に代入すると、 1.32×10-4L・VP ≦It≦{5.129 ×10-7・(x−0.03)}1/2 ・L・VP ・・・(G) となる。
【0037】ここで、式(G)の右辺は、{0.5129(x
−0.03)}1/2 ・L・VP ・10-3={(x−0.03)/1.
95}1/2 ・L・VP ・10-3と書き換えられるので、画像
濃度を満足する転写電流は、 1.32×10-4・L・VP ≦It≦{(x−0.03)/1.95}1/2 ・L・VP ×10-3 ・・・(5) である。ただし、Itは転写電流(μA)、xはトナー
の外添剤の量(wt%)、Lは潜像担持体と転写ローラ
の接触面における長手方向の長さ(mm)、VPはプロ
セス速度(mm/s)である。
【0038】ところで、電源を最大限に低コスト化する
場合、電源の温特、耐久性、ロット間のバラツキなどを
考慮すると、設計値に対し±0.5μAくらいマージン
として見込む必要があった。よってその場合、転写良好
域として少なくとも1μAの範囲を確保する必要があ
る。転写良好域下限の転写電流は、トナーの外添剤の量
によらず0.7μAであるから、上記マージンを確保す
るためには1.7μAまで転写良好域が存在しなければ
ならない。図9より、それを満足するためにはトナーの
外添剤の量が約0.3wt%以上必要であることがわか
る。トナーの外添剤の量は、耐久性などを考慮すると
0.4wt%以上にすることが好ましい。
【0039】また、トナーの外添剤の量を多くすると転
写良好域が広くなるだけでなく、細線、ドットおよびド
ットの集合体であるグレーパターンなどの画像が高画質
であった。特に0.4wt%と0.6wt%との画質の
差は大きく、画質に対しては0.6wt%以上とするこ
とが効果的であった。よって、トナーの外添剤のより好
ましい量は0.6wt%以上である。なお、転写ローラ
の抵抗は104 〜10 9 Ωの範囲で使用しているが、ロ
ーラ抵抗によって画像濃度を満足する転写良好域は変わ
らない。
【0040】図10は、画像濃度と画像メモリの両方を
満足する転写良好域とローラ抵抗との関係を示した図で
ある。図10に示す転写良好域(図の斜線部分)を満足
するためには、式(3)、式(5)より次式を満たすよ
うに電源を制御する必要がある。
【0041】1.32×10-4・L・VP ≦It≦2.66×10-3
{log(R)-3.15}・L・VP /d かつ It≦1.29×10-2・L・VP /d ・・・(6) である。ただし、Itは転写電流(μA)、log
(R)は転写ローラの抵抗の対数値(Ω)、Lは潜像担
持体と転写ローラの接触面における長手方向の長さ(m
m)、VP はプロセス速度(mm/s)、dは潜像担持
体の感光層の膜厚(μm)である。
【0042】さらに、式(6)を満たす転写電流Itに
対し、式(5)を満たすようにトナーの外添剤の量を所
定量にすることが好ましい。
【0043】また、図10からローラ抵抗が104 Ωを
下回ると転写良好域が存在しない。よって、転写ローラ
の抵抗は104 Ω以上必要である。
【0044】さらに、先に述べた、電源を最大限に低コ
スト化しようとした場合、転写電流0.7〜1.7の範
囲で転写良好域を確保する必要があるから、図10より
転写ローラの抵抗は1.6×105 Ω以上(log
(R)≧5.2)必要である。また同時に、先に述べた
ようにトナーの外添剤の量は、0.4wt%以上必要で
ある。
【0045】また、転写ローラの抵抗が高い方がより広
い転写良好域を確保することができるから、電源をより
低コスト化できることはもちろん、転写電流の設定にお
いて自由度が増すことになる。例えば、転写電流の設定
を高めにしたい場合や電源の低コスト化等により広い転
写良好域を確保したい場合には、ローラ抵抗はおよそ1
7 Ω以上が好ましく、トナーの外添剤の量は図9(も
しくは式5)に示された画像濃度の転写良好域との関係
から所定量にすればよい。
【0046】図11は、画像メモリの良好域(画像メモ
リが発生しない領域)と潜像担持体の感光層の膜厚との
関係を示した図である。図1に示す装置を用い、6×1
6Ωの転写ローラを使用している。本実施例において
潜像担持体の感光層の膜厚は17μmであったが、潜像
担持体の感光層の膜厚を厚くした場合、図11より画像
メモリの良好域が狭くなる傾向にあり好ましくない。さ
らに、潜像担持体の感光層の膜厚がおよそ30μmを超
えると、先の述べた、電源を最大限に低コスト化するた
めの良好域が確保できなくなるので、感光層の膜厚は3
0μm以下にすることが好ましい。また、用いる転写ロ
ーラの抵抗が狭い範囲に限定され、転写電流の設定にお
いても自由度がなくなるので好ましくない。一方、潜像
担持体の感光層の膜厚を薄くした場合、図11より画像
メモリは発生しにくくなる傾向にあるから、転写プロセ
スに限って言えば薄い方が好ましい。けれども、感光層
の膜厚は使用するにつれ削られて薄くなっていくため、
少なくとも10μm以上は必要である。
【0047】図1の装置において、定着器のバックアッ
プローラ22の抵抗を106 Ωに変更し、それ以外は図
1に示す画像形成装置と全く同じものを用い、10℃1
5%RHおよびと35℃65%RH環境下で、実施例と
同様に画像メモリに関する実験を行った。その結果、1
0℃15%RH環境下では図3とほぼ同じ結果が得られ
た。けれども、35℃65%RH環境下においては、転
写電流の大半が紙の表面を伝わり接地されたバックアッ
プローラに流れ込み、よって転写電界不足(潜像担持体
方向に流れる電流が不足)による転写不良を招いた。そ
のようなことから、画像メモリは転写電流4μAでも発
生しなかったが、同時に画像濃度を満足しなかった。
【0048】これを図12の転写モデルにより説明す
る。図のA方向の系のインピーダンスZa は、紙Pの厚
み方向の抵抗Rpv、トナーTの静電容量Ct 、潜像担持
体PCの静電容量Cpcの合計であり、図のB方向の系の
インピーダンスZb は、紙Pの表面抵抗Rps、定着ロー
ラFの抵抗Rf の合計である。インピーダンスZa 、Z
b の関係がZa ≪Zb のときにはA方向に電流が流れB
方向にはほとんど流れない。また、Za ≫Zb のときに
はB方向に電流は流れA方向にはほとんど流れない。A
方向には容量体であるトナーT、潜像担持体PCがある
にも関わらず電流が流れるのは、潜像担持体PCおよび
トナーTが動いてるため、充電されてはトナーT、潜像
担持体PCの新しい部分が転写ニップに到来するためA
方向にも電流が流れると考えられる。
【0049】上記の実験では、Za ≫Zb であったため
図のB方向に大半の電流が流れてしまったためと考えら
れ、A方向に所定の電流が流れずトナーTに所定の電圧
が印加されないため、転写不良が生じ画像濃度を満足で
きなかったと考えられる。
【0050】また、上記の実験で用いた紙(被転写体)
はコピー用普通紙(紙水分約9%)であったが、同環境
においてそれよりもやや抵抗の高いボンド紙(紙水分約
8%)で同じことを行った。その結果、転写電流1.5
μA以上で転写不良のない良好な画像が得られた。ま
た、図1に示す装置の転写定着間の長さ(約50mm)
に切ったコピー用普通紙およびボンド紙を、片側表面だ
けに電極を押しあて電流1〜4μAを印加し表面抵抗を
測定した。その結果、コピー用普通紙が約5×107
Ω、ボンド紙が約6×108 Ωであった。よって、図1
2において、A方向のインピーダンスZa とB方向のイ
ンピーダンスZb がほぼ同じであり、図12のA方向に
0.7μA程度の電流が流れたため良好な画像が得られ
たと考えられる。
【0051】表1は、図1に示す装置を用いて、バック
アップローラの抵抗、転写電流を変え、電流のリークが
生じずに良好な画像が得られるまで印字を行った結果を
示した表である。また、被転写体としてコピー用普通紙
を用いている。表1から、バックアップローラの抵抗は
およそ109 Ω以上あれば問題なく転写でき良好な画像
が得られることがわかった。また、先の式I=(εεo
LVP /d)Vにおいて、潜像担持体、トナーのインピ
ーダンスZはZ=(d/εεo LVP )であるから、プ
ロセス速度VP と潜像担持体方向の接触転写部材以外の
転写時に紙と接する部材のインピーダンスは反比例の関
係にある。したがって、バックアップローラの抵抗をR
とすると、そのインピーダンス(すなわち抵抗)RはR
=n/V P (n:定数)である。
【0052】以上からR≧109 Ωであり、VP =24
mm/sであるので、n=24×109=2.4 ×1010とな
る。よって、高湿環境において電流のリークを防止する
ためには、接触転写部材を除く、転写時に紙(被転写
体)と接する部材の抵抗R’(Ω)を、次式を満たすよ
うにする必要がある。
【0053】 R’≧2.4×1010/VP (Ω) ・・・(7) ○:転写不良がなく画像良好 △:やや転写不良気味 ×:転写不良が生じ画 像不良 なお、ヒートローラ、ピックアップローラ、紙ガイドお
よびそれに付随する部材、定着後の排紙ローラ、定着の
紙分離爪、除電ブラシ、除電ローラ、給紙カセット、ス
キュー防止あるいは潜像担持体上のトナー像と同期させ
るためのゲートローラもしくは搬送ローラ、潜像担持体
から被転写体を剥離するための剥離ローラ、潜像担持体
からの被転写体の剥離を検知するための検知部材、給紙
および排紙の紙検知センサーの被転写体と触れる部分の
部材、などにおいても同様のことがいえることは言うま
でもない。また、転写時に紙(被転写体)と接する部材
が式(7)を満たさない場合でも、部材を電気的にフロ
ート状態にすることで電流のリークが防止できることは
言うまでもない。
【0054】なお、本実施例では接触転写部材として転
写ローラを用いているが、ベルト、ブレード、ブラシな
どを用いても本発明による効果は得られる。ただし、ベ
ルトに至っては装置の大型化、コストアップを招きやす
く、ブラシに至っては潜像担持体を傷つけやすいなどの
理由から、転写ローラを用いることが好ましい。また、
本発明に用いる接触転写部材は、印加する電流値に対す
る抵抗値の変動(以下、電流依存性という)が大きい
と、白部に電流がより流れやすくなり画像メモリに対し
て悪影響を及ぼすため、電流依存性は小さい方が好まし
い。
【0055】また、本発明における接触転写装置に用い
るトナーの外添剤としては、種種のものを使用すること
ができる。例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸
化スズ、酸化亜鉛などの金属酸化物、およびこれらの複
合酸化物の無機微粒子。さらに、アクリル微粒子等の有
機微粒子を用いることができる。また、外添剤の粒径と
しては0.001〜1μmであることが好ましい。ま
た、本発明における転写装置に用いるトナーの外添剤の
表面処理剤として、シラン系カップリング剤、チタネー
ト系カップリング剤、フッ素含有シランカップリング
剤、シリコーンオイル等を用いることができる。
【0056】本発明に用いる転写ローラとしては実施例
中に述べた発泡ゴムローラ(弾性フォームローラ)以外
にも、スキン付きの導電性発泡ゴムを用いた単層の導電
性発泡ゴムローラや、滲み出し防止層、抵抗調整層、保
護層など設けた多層の導電性発泡ゴムローラ(あるいは
導電性ソリッドゴムローラ)を用いても同等の効果を有
することが確認された。
【0057】また、帯電手段としては、ブレード、ブラ
シ、フィルム、ベルト等の接触帯電やコロナ帯電器など
の被接触帯電が適用でき、帯電手段が帯電ローラに限定
されるものではない。また、帯電手段に接続される電源
は定電圧電源に限定されるものではなく定電流電源を用
いてもよい。その場合、帯電電流を少なくとも転写電流
より大きくする必要があることは言うまでもない。ま
た、現像器の現像方式は本実施例では接触(圧接)現像
を用いたが、非接触(ジャンピング)現像でも構わな
い。また、本実施例では被転写体の搬送面が主に紙ガイ
ドで形成されているが、ベルト等の移動可能な部材を用
いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明は、印字デ
ュ−ティと画像メモリの関係を見いだし、ローラ抵抗と
転写電流との関係を最適化したことにより、さらにはト
ナーの外添剤の量と転写電流との関係を最適化したこと
により、低抵抗の接触転写部材を用いても画像メモリの
発生しない良好な画像が得られる接触転写装置を提供で
きる。
【0059】さらに、接触転写部材が低抵抗であるから
発生する転写電圧を小さくでき、よって電源を小さくで
き、低コストで小型な接触転写装置を提供できる。
【0060】さらに、本発明に用いる接触転写部材は、
抵抗値の製造バラツキが小さく、接触転写部材の抵抗値
変動に対する転写電圧の変動が小さいから、電源に余計
なマージンを必要とせず、低コストで小型な接触転写装
置を提供できる。
【0061】さらに、トナーの外添剤の量を最適化する
ことにより広い転写良好域を確保できるから、電源の精
度を必要とせず、低コストの定電流制御を用いた接触転
写装置を提供できる。
【0062】さらに、少なくとも転写時に被転写体
(紙)と接する部材の抵抗を109 Ω以上とすることで
高湿環境下での電流のリークを防止し、環境によらず一
定電流での転写を可能にするとともに、電流リーク分の
余分な電流を必要としないため電源を小さくできシンプ
ルで低コストな接触転写装置を提供できる。
【0063】以上のような構成にすることにより、低コ
スト化や小型化に有利であり、低価格小型機種、特にパ
ーソナル向けのプリンタ等の接触転写装置および画像形
成装置には特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた転写装置および周辺主要部の側
面概略図。
【図2】低温低湿環境下における、転写ローラの抵抗と
転写電圧の関係を示した図。
【図3】低温低湿環境下および高温高湿下における、印
字デュ−ティと画像メモリの発生する転写電流との関係
を示す図。
【図4】高温高湿下における、ローラ抵抗による印字デ
ュ−ティとメモリの発生する転写電流の関係の違いを示
す図。
【図5】ローラ抵抗と画像メモリの良好域との関係を示
す図。
【図6】低温低湿環境下における、転写電流3μAのと
きの印字デュ−ティと潜像担持体の帯電後表面電位の関
係を示す図。
【図7】本発明の実施例における、黒部の帯電後表面電
位を測定するための画像パターンを示した図。
【図8】本発明の実施例における白部の帯電後表面電位
を測定するための画像パターンを示した図。
【図9】トナーの外添剤の量と画像濃度を満足する転写
良好域との関係を示した図。
【図10】ローラ抵抗と転写良好域(画像濃度を満足し
画像メモリの発生しない領域)との関係を示す図。
【図11】潜像担持体の感光層の膜厚と画像メモリの良
好域の関係を示した図。
【図12】本発明の作用を説明するためにローラ転写を
等価回路によりモデル化した図。
【符号の説明】
1 潜像担持体 12 被転写体 13 転写ローラ 14 定電流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古賀 欣郎 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 高畑 俊哉 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像担持体に圧接してなる接触転写部材
    を有し、前記接触転写部材を定電流電源に接続して、前
    記潜像担持体上のトナーを被転写体に転写する定電流電
    源を用いた接触転写装置の電流値を定める方法におい
    て、 接触転写部材と潜像担持体との接触面における長手方向
    の長さL(mm)、プロセス速度VP (mm/s)、潜
    像担持体の感光層の膜厚d(μm)、感光層の比誘電率
    εo が所定の値に定まってなる接触転写装置を用いて、
    接触転写部材の抵抗R(Ω)を変化させたときの印字デ
    ュ−ティによらず画像メモリの発生しない転写電流It
    (μA)の関係を実測して、転写電流Itが満足すべき
    上限を不等式化し、 その転写電流Itが、感光層の膜厚dと反比例の関係に
    あり、接触面における長手方向の長さL、プロセス速度
    P と比例関係にある関数以下のときに印字デュ−ティ
    によらず画像メモリが発生しないことと、実測により得
    られた不等式の上限の式が接触転写装置に定まっている
    具体的な接触面における長手方向の長さ、プロセス速
    度、感光層の膜厚の値のときの前記関数の値であること
    とから、実測で得られた不等式の上限の式を接触面にお
    ける長手方向の長さL、プロセス速度VP 、感光層の膜
    厚dについて一般化することにより、接触転写部材の抵
    抗R、接触面における長手方向の長さL、プロセス速度
    P 、感光層の膜厚dに対して転写電流Itが満足すべ
    き範囲を求めることを特徴とする定電流電源を用いた接
    触転写装置の電流値を定める方法。
  2. 【請求項2】 接触転写部材と潜像担持体との接触面に
    おける長手方向の長さL(mm)、プロセス速度V
    P (mm/s)、潜像担持体の感光層の膜厚d(μ
    m)、感光層の比誘電率εo が所定の値に定まってなる
    接触転写装置を用いて、転写良好域下限の転写電流を実
    測して、転写電流Itが満足すべき下限を不等式化し、 その転写電流Itが、接触面における長手方向の長さ
    L、プロセス速度VP と比例関係にある関数以上のとき
    に転写良好となることと、実測により得られた不等式の
    下限の式が接触転写装置に定まっている具体的な接触面
    における長手方向の長さ、プロセス速度の値のときの前
    記関数の値であることとから、実測で得られた不等式の
    下限の式を接触面における長手方向の長さL、プロセス
    速度VP について一般化することにより、接触面におけ
    る長手方向の長さL、プロセス速度VP に対して転写電
    流Itが満足すべき範囲を求めることを特徴とする請求
    項1記載の定電流電源を用いた接触転写装置の電流値を
    定める方法。
  3. 【請求項3】 接触転写部材と潜像担持体との接触面に
    おける長手方向の長さL(mm)、プロセス速度V
    P (mm/s)、潜像担持体の感光層の膜厚d(μ
    m)、感光層の比誘電率εo が所定の値に定まってなる
    接触転写装置を用いて、トナーの外添剤の量x(単位w
    t%)を変化させたときの画像濃度を満足する転写電流
    It(μA)の関係を実測して、転写電流Itが満足す
    べき上限を不等式化し、 その転写電流Itが接触面における長手方向の長さL、
    プロセス速度VP と比例関係にある関数以下のときに転
    写良好となることと、実測により得られた不等式の上限
    の式が接触転写装置に定まっている具体的な接触面にお
    ける長手方向の長さ、プロセス速度の値のときの前記関
    数の値であることとから、実測で得られた不等式の上限
    の式を接触面における長手方向の長さL、プロセス速度
    P について一般化することにより、トナーの外添剤の
    量x、接触面における長手方向の長さL、プロセス速度
    P に対して転写電流Itが満足すべき範囲を求めるこ
    とを特徴とする請求項2記載の定電流電源を用いた接触
    転写装置の電流値を定める方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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