JP2000034473A - 潜熱蓄熱材組成物 - Google Patents

潜熱蓄熱材組成物

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JP2000034473A
JP2000034473A JP10202276A JP20227698A JP2000034473A JP 2000034473 A JP2000034473 A JP 2000034473A JP 10202276 A JP10202276 A JP 10202276A JP 20227698 A JP20227698 A JP 20227698A JP 2000034473 A JP2000034473 A JP 2000034473A
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sodium
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latent heat
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JP10202276A
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English (en)
Inventor
Hisashi Murase
久 村瀬
Isao Shinoda
功 篠田
Yasuhiro Kishimoto
靖弘 岸本
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒性について支障が無く、且つ過冷却、蓄熱
温度、蓄熱量においても実用性のある潜熱蓄熱材組成物
を提供する。 【解決手段】 酢酸ナトリウム3水塩1モルに対し、チ
オ硫酸ナトリウム2水塩が0.2〜2.8モルの割合で
含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床暖房やヒートポ
ンプ式空調の暖房に好適な新規の潜熱蓄熱材組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般的に床暖房やヒートポンプ式空調に
使用される蓄熱材としては、40〜50℃が好適な放熱
温度とされている。この温度レベルに相変化温度をもつ
水和塩系潜熱蓄熱材としては、48℃に相変化温度をも
つチオ硫酸ナトリウム5水塩と、58℃に相変化温度を
もつ酢酸ナトリウム3水塩が公知である。
【0003】しかしながら、チオ硫酸ナトリウム5水塩
は強力な効果をもつ核形成剤を必要とするにも拘わら
ず、良好なものが報告されておらず、床暖房やヒートポ
ンプ式空調用の潜熱蓄熱材として実用化されていない。
また、核形成剤が公知である酢酸ナトリウム3水塩は、
実用化されてはいるものの、この相変化温度自体が高い
ため、上記利用分野に利用するには、まだ不十分なもの
であった。
【0004】この欠点を補完すべく、チオ硫酸ナトリウ
ム5水塩および酢酸ナトリウム3水塩の共融塩にて解決
を図った技術として、公知の技術に以下のものがある。
【0005】特開昭54−88871号公報および特開
昭63−137982号公報では、チオ硫酸ナトリウム
5水塩と酢酸ナトリウム3水塩を主成分とする組成物の
過冷却の大きい性質を利用して、蓄熱の完了した組成物
に刺激を与え、任意のときに放熱させる技術が開示され
ている。
【0006】これに対して過冷却を最低限に抑え、蓄熱
を完了したのちに直ちに放熱させる潜熱蓄熱材組成物に
関する従来技術として、次のような方法が挙げられる。
【0007】チオ硫酸ナトリウム5水塩と酢酸ナトリウ
ム3水塩を主成分とする組成物において、核形成効果を
与える方法としては、水、ホウ砂、フッ化物を配合する
方法がある。特許公報に開示されている技術には次のも
のがある。
【0008】特開昭52−11181号公報、特開昭5
8−183784号公報には、それぞれ水、ホウ砂を配
合して過冷却を防止する方法が記載されている。
【0009】特開昭64−6083号公報には、種物質
を容器内に残るように工夫する潜熱蓄熱材として組成物
が記載されているが、かかる公報には種物質がどのよう
な物質であるかは記載されていない。
【0010】特開平01−268784号公報には、フ
ッ化物を核形成剤として混入してなる潜熱蓄熱材が記載
されている。核形成剤としてフッ化ナトリウム、フッ化
水素ナトリウム、フッ化ストロンチウム、フッ化チタン
カリウム、フッ化マンガンならびにフッ化コバルトが挙
げられており、特にフッ化リチウムが例示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開昭52−11181号公報、特開昭58−1837
84号公報記載の方法では、未だ十分な核形成効果が得
られず、また、特開平01−268784号公報記載の
方法では数回の熱履歴に耐える核形成効果は得られるも
のの、長期の熱履歴に対する信頼性が十分とはいえず、
加えてフッ化物自体毒性が強いという問題点があった。
【0012】このような問題点を有しているためか、チ
オ硫酸ナトリウム5水塩より単位体積当たりの蓄熱量に
優れるところのチオ硫酸ナトリウム2水塩と酢酸ナトリ
ウム3水塩を主成分とする潜熱蓄熱材組成物は実用化さ
れていないのが実状である。
【0013】本発明の目的は、以上のような問題点を解
消し、毒性について支障が無く、且つ過冷却、蓄熱温
度、蓄熱量においても実用性のある潜熱蓄熱材組成物を
提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、酢酸ナトリウ
ム3水塩およびチオ硫酸ナトリウム2水塩を特定の組成
割合で配合して得られる組成物が実用上有用な相変化温
度および凝固潜熱量をもち、上記の課題を解決すること
ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明の潜熱蓄熱材組成物は、酢酸
ナトリウム3水塩1モルに対し、チオ硫酸ナトリウム2
水塩が0.2〜2.8モルの割合で含まれていることを
特徴とするものである。
【0016】又、本発明は、上記潜熱蓄熱材組成物にお
いて、更に、フッ素を除くハロゲンとアルカリ金属との
塩が含まれている潜熱蓄熱組成物である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においては、酢酸ナトリウ
ム3水塩1モルに対し、チオ硫酸ナトリウム2水塩の配
合割合が0.2モル未満であると組成物の相変化温度が
高過ぎて本発明の用途には供しがたい。又、チオ硫酸ナ
トリウム2水塩の配合割合が2.8モルを超えるもので
あると組成物の相変化温度が高過ぎるだけでなく、蓄熱
量も低下し、やはり本発明の用途には供しがたい。
【0018】チオ硫酸ナトリウム2水塩の配合割合が上
記範囲内であると、相変化温度(共融温度)は43℃か
ら50℃の間で得られ、相変化に伴う潜熱量(凝固潜熱
量)も45kcal/kgから20kcal/kgの間
で得られる。
【0019】また、この範囲内における組成物自体のも
つ過冷却の深さは約5〜10℃程度であり、過冷却防止
の核形成剤を使用しなくとも潜熱蓄熱材としては実用レ
ベルにある。尚、これは、酢酸ナトリウム3水塩とチオ
硫酸ナトリウム5水塩の等モル混合物100重量部に対
し、形成剤として有用ではあるが毒性の強いフッ化ナト
リウム4重量部を添加してなる組成物とほぼ同等の過冷
却深さである。
【0020】本発明の好ましい組成割合を持つ組成物
は、酢酸ナトリウム3水塩1モルに対して、チオ硫酸ナ
トリウム2水塩のモル比が0.4〜1.3の範囲内にあ
るものである。この範囲内とすると、蓄熱材組成物とし
て長期の熱履歴を経ても組成物の安定性(共融温度幅)
が極めて良好である。
【0021】尚、この範囲にある共融塩の相変化温度
(共融温度)は43℃から45℃の間で得られ、相変化
に伴う潜熱量(凝固潜熱量)も40kcal/kgから
30kcal/kgの間で得られる。
【0022】又、本発明の潜熱蓄熱材組成物に更に、フ
ッ素を除くハロゲンとアルカリ金属との塩を配合する
と、より著しく核形成能力が増大するので好ましい。フ
ッ素を除くハロゲンとアルカリ金属との塩としては、例
えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化
リチウム、ヨウ化ナトリウムおよびヨウ化カリウム等を
例示することができる。
【0023】例えば、酢酸ナトリウム3水塩とチオ硫酸
ナトリウム2水塩(等モル)の合計量100重量部に対
して塩化ナトリウム2重量部添加した場合の過冷却の深
さは、1〜2℃に減少する。
【0024】しかしながら、これらフッ素を除くハロゲ
ンとアルカリ金属との塩の配合は、組成物の共融温度降
下を来すので、添加する場合は注意が必要であり、潜熱
蓄熱材組成物として実用的なものとするには、主剤であ
る酢酸ナトリウム3水塩とチオ硫酸ナトリウム2水塩の
合計量100重量部に対して、概ね5重量部未満とする
のが良く、好ましくは0.1〜4重量部が良い。
【0025】本発明の潜熱蓄熱材組成物にはこのほか
に、本発明の目的を阻害しない範囲内で所望によりチオ
硫酸ナトリウムの抗酸化剤として知られているヨウ化水
銀、アミルアルコール、クロロホルム、ホウ砂、安息香
酸ナトリウム等を適宜添加して酸化を防止することも可
能である。
【0026】また、同様に公知の核形成剤、相分離防止
剤、界面活性剤等の熱量安定化剤、蓄熱温度調整剤を加
えて配合することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、以下の表1〜3で示す配合処方の単位はすべて重量
部である。また、本実施例に用いた諸試料は、以下に示
す試料を用いて表1〜3に示す配合処方にて各試験用の
潜熱蓄熱材組成物を調製した。
【0028】試料1:酢酸ナトリウム3水塩 試料2:チオ硫酸ナトリウム2水塩 試料3:塩化リチウム 試料4:塩化ナトリウム 試料5:ヨウ化カリウム
【0029】〔潜熱蓄熱材組成物の蓄熱温度測定試験〕
蓄熱温度の測定には、JIS K 0065化学製品の
凝固温度測定法を用い、潜熱蓄熱材(2サンプル)の表
面より1.5cmの深さの蓄熱材組成物内部温度を測定
した。
【0030】〔潜熱蓄熱材組成物の蓄熱量測定試験〕潜
熱蓄熱材の潜熱蓄熱量は以下のように定義し、測定し
た。基本的には物理実験などで比熱の測定に用いる「混
合法」を使用することにした。原理的には、容器に封入
された潜熱蓄熱材組成物を一定の温度に融解・蓄熱す
る。その後、そのサンプルを室温付近の温度に調整され
た水を入れた断熱水槽に入れ、水に十分に凝固放熱させ
る。水に十分に伝熱させると水槽内部の水温は上昇する
ので、その上昇温度量と水の比熱と水の重量の積を蓄熱
材組成物が放熱した潜熱蓄熱量と定義するものである。
【0031】具体的には、以下のとおりである。ナイロ
ン−ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)を120m
m×90mmの大きさとなるように裁断し、袋を作製し
た。その中に各蓄熱材組成物を80g入れ、重量を測定
した。これを53±0.5℃の恒温水槽中に2時間置き
蓄熱させた。
【0032】冷水1500g(4±1℃)を量り取った
3リットル容量のジュワー瓶に上記試料を投入し、ジュ
ワー瓶内部の冷水の温度変化を1/100℃精度の温度
計にて測定記録し、20分間以上同一温度が続いた時点
を測定の終点とした。潜熱蓄熱量を求める計算式は以下
のとおりとした。 Q:潜熱蓄熱量(cal/g) S:蓄熱材組成物重量(g) W:ジュワー瓶内部の水重量(g) W’:水当量 Cpl:蓄熱材組成物の液体比熱(cal/g・℃) Cps:蓄熱材組成物の固体比熱(cal/g・℃) T0:蓄熱材組成物の初期温度(53±0.5℃) T1:ジュワー瓶内部の初期水温(4±1℃) T2:ジュワー瓶内部の最終水温(℃) T3:蓄熱材組成物の蓄熱温度(℃)
【0033】[潜熱蓄熱材組成物の熱履歴試験(核形成
性試験)]蓄熱量測定試験と同様のナイロン−ポリエチ
レンフィルム製袋に封入された潜熱蓄熱材組成物を10
個用意した。60℃で4時間の蓄熱後、20℃で4時間
の放熱を1サイクルとするプログラム運転が可能なチャ
ンバー型恒温槽に上記各10サンプルを入れ、30サイ
クルを潜熱蓄熱材に付与した。1サイクル目後および3
0サイクル目後に何個のサンプルが放熱凝固しているか
目視にて観察した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明におい
ては、毒性の強い核形成剤を使用せずとも、蓄熱温度、
蓄熱量、過冷却の点で良好な、実用上有用な潜熱蓄熱材
組成物を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ナトリウム3水塩1モルに対し、チ
    オ硫酸ナトリウム2水塩が0.2〜2.8モルの割合で
    含まれていることを特徴とする潜熱蓄熱材組成物。
  2. 【請求項2】 更に、フッ素を除くハロゲンとアルカリ
    金属との塩が含まれている請求項1記載の潜熱蓄熱材組
    成物。
JP10202276A 1998-07-16 1998-07-16 潜熱蓄熱材組成物 Pending JP2000034473A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2478115C1 (ru) * 2011-10-17 2013-03-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования Самарский государственный технический университет Теплоаккумулирующий состав

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2478115C1 (ru) * 2011-10-17 2013-03-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования Самарский государственный технический университет Теплоаккумулирующий состав

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